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JP3911861B2 - 通信方法、送信電力制御方法及び移動局 - Google Patents

通信方法、送信電力制御方法及び移動局 Download PDF

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JP3911861B2
JP3911861B2 JP20628798A JP20628798A JP3911861B2 JP 3911861 B2 JP3911861 B2 JP 3911861B2 JP 20628798 A JP20628798 A JP 20628798A JP 20628798 A JP20628798 A JP 20628798A JP 3911861 B2 JP3911861 B2 JP 3911861B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば無線電話システムなどのTDMA方式による無線通信システムに適用して好適なデジタル無線通信における通信方法及び送信電力制御方法と、その通信方法を適用した移動局に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線電話システムなどに適用される通信方式として、TDMA(Time Division Multiple Access )方式が実用化されている。この方式は、複数のタイムスロットで1フレームを構成して、この1フレーム内の任意のタイムスロットを使用して通信を行うようにしたもので、1伝送チャンネルを使用して、最大で1フレームを構成するタイムスロット数までの多重通信が可能である。
【0003】
このTDMA方式を使用した通信システムの場合にも、他の通信方式の場合と同様に、周波数利用効率向上のため、他局の通信への与干渉を最低限にするために、各局からの送信電力を適正に制御する必要がある。ここで、従来のTDMA方式を適用した通信システムでの送信電力制御処理としては、例えば基地局からの制御に基づいて各移動局での送信電力を設定するいわゆる閉ループの送信電力制御だけが行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のTDMA方式の通信で行われていた閉ループでの送信電力制御は、比較的応答性の遅い制御ループであり、かつ制御範囲も狭く、従来の処理では送信電力を制御する頻度,精度,制御範囲のいずれも不十分であり、他の通信への与干渉を最低限のレベルに抑えているとは言えなかった。
【0005】
ここで、従来比較的精度の高い送信電力制御を行う通信方式として、CDMA(Code Division Multiple Access )方式が開発されているが、このCDMA方式の場合には、基本的に移動局は基地局からの信号を連続受信することが前提であり、バースト状に送信及び受信を行うTDMA方式にはそのまま適用することは困難であった。
【0006】
本発明の目的は、TDMA方式で通信を行う場合に、送信電力の制御が良好に行えるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の通信方法は、基地局と移動局との間でTDMA方式により通信を行う場合に、上記移動局は、上記基地局から過去に送信されたタイムスロットの受信信号品質に基づいて、次に上記基地局から送信されるタイムスロットでの受信信号品質を推定し、上記推定した受信信号品質推定値に基づいて、次に上記基地局から送信されるタイムスロットの受信信号の利得を調整し、上記受信信号品質推定値を予め定められた基準値と比較し、上記比較で上記基準値よりも大きい場合には、上記基準値と上記受信信号品質推定値との差分だけ送信電力を小さくして、上記基地局に信号を送信するタイムスロット期間に送信処理し、上記比較で上記基準値よりも小さい場合には、上記基準値と上記受信信号品質推定値との差分だけ送信電力を大きくして、上記基地局に信号を送信するタイムスロット期間に送信処理を行うようにしたものである。
【0008】
この通信方法によると、各タイムスロット期間での送信電力を、実際の受信信号品質に基づいて適正に制御できる。
【0009】
本発明の送信電力制御方法は、第1の通信局と第2の通信局との間でTDMA方式で双方向に通信を行う場合に、上記第1の通信局は上記第2の通信局から過去に送信されたタイムスロットの受信信号品質に基づいて、次に上記第2の通信局から送信されるタイムスロットでの受信信号品質を推定し、上記推定した受信信号品質推定値に基づいて、次に上記第2の通信局から送信されるタイムスロットの受信信号の利得を調整し、上記受信信号品質推定値を予め定められた基準値と比較し、上記比較で上記基準値よりも大きい場合には、上記基準値と上記受信信号品質推定値との差分だけ送信電力を小さくして、上記第2の通信局に信号を送信するタイムスロット期間に上記第2の通信局に対して送信処理し、上記比較で上記基準値よりも小さい場合には、上記基準値と上記受信信号品質推定値との差分だけ送信電力を大きくして、上記第2の通信局に信号を送信するタイムスロット期間に上記第2の通信局に対して送信処理を行うものである。
【0010】
この送信電力制御方法によると、第1の通信局での送信電力制御が、第2の通信局から送信される信号の実際の受信品質に基づいて適正に制御できる。
【0011】
また本発明の移動局は、タイムスロット単位で受信手段が過去に受信したタイムスロットの受信信号品質に基づいて、次に上記基地局から送信されるタイムスロットでの受信信号品質を推定する推定手段と、上記推定手段で推定した受信信号品質推定値に基づいて、次に上記基地局から送信されるタイムスロットの受信信号の利得を調整する調整手段と、上記推定手段で推定したタイムスロット単位での受信信号品質を第1の基準値と比較する比較手段と、上記比較手段で比較した結果、受信信号品質が上記第1の基準値よりも大きかった場合には、その差分だけ次に上記基地局に送信するタイムスロットの送信電力を小さくする制御信号を作成すると共に、上記比較手段で比較した結果、受信信号品質が上記第1の基準値よりも小さかった場合には、その差分だけ次に上記基地局に送信するタイムスロットの送信電力を小さくする制御信号を作成して、この制御信号により上記送信手段での送信電力を可変制御する制御手段とを備えたものである。
【0012】
この移動局によると、基地局から送信される信号の実際の受信信号品質に基づいて、送信電力を適正に制御できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
【0014】
本実施の形態においては、セルラ方式の無線電話システムに適用した例としてある。即ち、図2に示すように、所定の状態で配置された基地局1に接続されたアンテナ2を中心として、この基地局1と無線通信が可能なサービスエリア2aが形成されている。このサービスエリアが隣接して複数配置されて、無線電話システムとしてのサービスエリアが、任意のエリアに設定してある。ここで、このサービスエリア2a内の移動局(端末装置)3が、基地局1と無線通信を行うことで、この無線電話システムを介した通信が可能となっている。
【0015】
本例のシステムでは、基地局1と移動局3との間の無線通信は、TDMA方式により行う構成としてある。即ち、例えば図3に示すように、所定の期間で1タイムスロットを規定し、n個(nは予め決められた任意の数)のタイムスロットで1フレームとし、この1フレームを繰り返し設定する構成とする。この場合、基地局の制御でフレーム周期は設定し、各移動局は、基地局からの制御で割当てられたスロットを使用して、通信を行う。図3の例では、基地局から移動局への下り回線と、移動局から基地局への上り回線とで、別の周波数帯域(チャンネル)を使用して通信を行う構成としてあり、この場合には、移動局で下り回線の信号を受信するスロット期間と、移動局で上り回線の信号を送信するスロット期間は、基本的には同じに設定してある。
【0016】
或いは、図4に示すように、1フレーム期間を下り回線用のタイムスロット期間と上り回線用のタイムスロット期間とに分割し、上り回線の通信を下り回線の通信とを同じチャンネルで時分割に行うTDMA/TDD方式により通信を行う構成としても良い。
【0017】
図1は、本例の移動局3の構成を示すブロック図である。以下、その構成を説明すると、アンテナ101がアンテナ共用器103を介して受信器105に接続してあり、この受信器105で受信信号を受信処理して得た受信データを、端子198から後段のデータ処理回路(図示せず)に供給する。また、データ処理回路で生成された送信データを、端子199から送信器107に供給し、この送信器107で生成された高周波送信信号をアンテナ共用器103を介してアンテナ101に供給し、無線送信する。
【0018】
受信器105では、アンテナ101側から供給される信号を、バンドパスフィルタ110に供給し、システム受信帯域、例えば2.2GHz帯の信号を抽出し、その抽出出力を低雑音増幅器112に供給する。この低雑音増幅器112の増幅出力は、受信ミキサ116に供給する。ここで、周波数シンセサイザ109が出力する例えば1.8GHzの周波数信号と混合して、所定の周波数(例えば400MHz)の中間周波信号とする。この受信ミキサ116が出力する中間周波信号は、中間周波バンドパスフィルタ118に供給して、希望受信帯域のみを抽出し、その抽出出力を受信系可変利得増幅器120により増幅して、その増幅出力を直交検波用の2個のミキサ126I,126Qに供給する。可変利得増幅器120での利得は、後述する制御器180により制御される。
【0019】
周波数シンセサイザ122の出力は、移相器124において、互いに位相が90度ずれた2つの信号として、それぞれの信号をミキサ126I,126Qに個別に供給し、それぞれのミキサ126I,126Qで中間周波信号をベースバンド信号とする。ミキサ126Iで取り出されたI成分は、ローパスフィルタ128Iを介してアナログ/デジタル変換器130Iに供給して、デジタル信号に変換し、バーストバッファ132Iを介して利得調整デジタル回路134Iにおいてデジタル調整した後、復調器140に供給する。ミキサ126Qで取り出されたQ成分は、ローパスフィルタ128Qを介してアナログ/デジタル変換器130Qに供給して、デジタル信号に変換し、バーストバッファ132Qを介して利得調整デジタル回路134Qにおいてデジタル調整した後、復調器140に供給する。
【0020】
ここで本例においては、受信特性の劣化を抑えるために、受信電力の予測処理を行う。即ち、連続的な信号を受信する通信方式の場合には、AGC制御(自動ゲインコントロール制御)と呼ばれる制御が可能であるが、本例の場合にはTDMA方式によりバースト状の信号を受信するので、受信電力の予測処理が必要になる。本例の移動局の制御器180は、過去の数受信スロットにわたるスロット単位での受信電力測定結果を記憶しておき、それらからなるアルゴリズムで次の受信スロットの受信電力を予測する。
【0021】
例えば、過去に受信した10スロット期間で移動平均をとり、その過去10スロットのスロット単位での受信電力測定値が古い方から順に、−80dBm,−85dBm,−90dBm,−80dBm,−78dBm,−75dBm,−75dBm,−70dBm,−70dBm,−77dBmであったとすると、次の受信スロットのスロット単位での受信電力予想値は、次式の演算で求まる。
(-80-85-90-80-78-75-75-70-70-77)dBm/10=−78dBm
【0022】
この演算処理を制御器180で行う。このスロット単位での受信電力予測値をもとに、受信器105での利得調整を行う。この利得調整処理について説明すると、例えばアンテナ101の入力端で−70dBmの信号が入力されたときに、受信系利得調整回路120の利得を0dBにセットし、その場合のアナログ/デジタル変換器103I,103Qの入力が1Vrmsとなるように設定されているとする。また、受信電力の予測誤差及びフェージングにより受信電力の変動を考慮して10dBのマージンを持たせてあるものとする。
【0023】
このとき、次の受信スロットのスロット単位での受信電力予測値は、上述した式から−78dBmであったので、受信系利得調整回路120の利得は(−70−(−78))=+8dBにセットすると、最低となる。但しここでは、マージンを上述したように10dBとしたので、そこから10dBを引いて、−2dBにセットする。これらの演算及び制御処理が、制御器180にて実行される。
【0024】
ここで、次の受信スロットでの真の受信電力が−72dBmであったと想定する。この場合、アナログ/デジタル変換器103I及び103Qの入力は、1Vrms×10^(-4/20)=0.631Vrmsとなる。ここで、アナログ/デジタル変換器103I及び103Qの入力は、振幅測定回路136で測定されて、その測定値を信号線137を介して制御器180に供給する。ここでは、受信スロット内で√(I2 +Q2 )を演算して、入力信号の振幅が0.631Vrmsに相当することをデジタル的に測定し、この測定値を制御器180に供給する。制御器180では、−72dBmの入力のときに10dBのマージンがない場合に、この点での信号振幅が1Vrms(マージン10dBを考慮すると0.316Vrms)になるように受信系利得調整回路120の利得を設定したことが判っているので、ここでの測定値が0.631Vrmsであったことから、20*Log(0.631/0.316)=6dBだけ予測された受信電力よりも強く受信されたことが判断される。従って、この受信スロットのスロット単位での受信電力測定値は、制御器180において、〔予測値−78dBm〕+〔予測誤差+6dBm〕=−72dBmであったと計算される。このようにして計算されたスロットの受信電力測定値が、また次の受信スロットの期間での受信電力予測値として使用される。
【0025】
一方、復調器140では信号振幅1Vrmsで最適化されていると仮定した。その基準振幅値1Vrmsに相当するデジタル値を制御器180から信号線139を介してデジタル演算器138に基準値として供給し、デジタル演算器138は、振幅測定回路136での測定値と基準値とを比較して、振幅が基準値に対して1/1.585、即ち、20* Log (0.631/1)=−4dBであることを計算し、デジタル領域での利得調整デジタル回路134I及び134Qの利得を、各々+4dBにする設定信号を供給し、それに従って利得調整デジタル回路134I及び134Qでの利得を+4dBにして、復調器140への入力振幅が基準値と等しくなるように構成する。なお、制御器180から振幅測定回路136には、バーストタイミング(スロットタイミング)を示すゲート信号を供給して、バースト信号を受信する区間だけ信号のシンセサイザを計算するように制御する。
【0026】
ここで、このように処理した場合の例をまとめると、次の表のようになる。
【0027】
【表1】
Figure 0003911861
【0028】
なお、ここでは制御器180での計算を簡単にするために、対数のまま計算するようにしたが、一度真数であるmW単位に直してから平均を取付け、再度対数に直しても良い。但し、このように処理すると、計算結果は若干異なる値になる。また、アナログ/デジタル変換器103I及び103Qや復調器140のダイナミックレンジが十分であれば、利得調整デジタル回路134I及び134Qでの利得調整処理は省略しても良い。
【0029】
以上のように処理を行うことで、受信器105での受信処理は、予測値に基づいたスロット単位での自動利得調整動作(AGC動作)及びスロット単位での受信電力の測定が行える。
【0030】
次に、送信器107での送信処理について説明する。端子199に得られる送信データは、変調器150に供給されて、送信用の符号化や変調処理を行い、送信用のデジタルIデータ及びデジタルQデータを得る。得られたデジタルIデータは、バーストバッファ152Iを介してデジタル/アナログ変換器154Iに供給し、ここでアナログI信号に変換し、ローパスフィルタ156Iで不要成分を除去した後、直交変調用のミキサ158Iに供給する。Qチャンネルについても同様に、バーストバッファ152Qを介してデジタル/アナログ変換器154Qに供給し、ここでアナログQ信号に変換し、ローパスフィルタ156Qで不要成分を除去した後、直交変調用のミキサ158Qに供給する。
【0031】
また、周波数シンセサイザ162が出力する所定の周波数信号、例えば100MHzの信号は、移相器160により互いに90度位相がずれた2つの信号とし、その2つの信号をミキサ158I及びミキサ158Qに供給する。互いに位相の異なる信号が混合されたアナログI信号及びアナログQ信号は、周波数変換されて例えば100MHzの信号となり、更に加算器164で1系統の信号となって直交変調された信号となり、例えば100MHzの中間周波信号となる。この中間周波信号は、送信系利得調整回路166で、制御器180の制御により利得調整された後、バンドパスフィルタ168を介して送信ミキサ170に供給して、周波数シンセサイザ109が出力する例えば1.8GHzの信号と混合して、1.9GHzの周波数帯の送信RF信号に周波数変換する。この周波数変換された送信信号は、バンドパスフィルタ172を介して送信パワーアンプ174に供給し、この送信パワーアンプ174で電力増幅し、さらにバンドパスフィルタ176とアンテナ共用器103を介してアンテナ101に供給し、無線送信する。
【0032】
ここで、この送信器107での送信電力制御処理について以下説明する。ここでは、仮に送信器107の設計として、−70dBmで受信したときに送信系利得調整回路166の利得は0dBにセットされ、アンテナ101から−10dBmの電力で送信できる構成としてあるものとする。また、先に受信器105で説明した場合と同様に、スロット単位での受信電力の測定結果は、−72dBmであったとする。
【0033】
このとき、制御器180は、送信すべき電力値は−8dBmであることを示す制御信号を信号線184を介して演算器182に、また送信電力の基準は−10dBmであることを示す制御信号を信号線186を介して演算器182に供給する。演算器182では、これを比較して、送信系利得調整回路166の利得を調整する(ここでの説明では図1に示す演算器188及び信号線190は無視する)。この例では、利得を+2dBに設定することになる。この結果、アンテナ101での送信信号の電力は−8dBmになる。
【0034】
このように移動局内だけで処理されるいわゆる開ループによる送信電力制御を行うことで、受信電力が大きい場合には小さな送信電力で、受信電力が小さい場合には大きな送信電力で送信を自動的に行うようになる。
【0035】
本例の説明においては、送信タイムスロット直前の受信スロットのスロット単位での受信信号電力そのものを開ループ送信電力制御のパラメータとしたが、例えば過去に受信した複数の受信スロットのスロット単位での受信電力の移動平均値から求められる平均的なスロット単位での推定受信電力値をパラメータとして開ループ送信電力制御を行う構成としても良い。先に説明した受信系の受信AGC処理の為の予測電力の例をそのまま使用すると、過去10スロットのスロット単位での受信電力測定値が、古い方から順に−80dBm,−85dBm,−90dBm,−80dBm,−78dBm,−75dBm,−75dBm,−70dBm,−70dBm,−77dBmであり、直前の受信スロットのスロット単位での受信電力は−72dBmと求められたとすると、10スロットの移動平均を用いる場合であれば、最も古いスロットのスロット単位での受信電力である−80dBmの値を破棄して残りの10スロットから移動平均を取付け、−77dBmという値が制御器180で求められる。
【0036】
この場合には制御器180は、送信すべき電力値は−3dBmであるという信号を信号線184を介して演算器182に、また送信電力の基準は−10dBmであるという信号を信号線186を介して演算器182に供給する。演算器182は、両信号を比較して、送信系利得調整回路166の利得を調整する。この例では、利得を+7dBに設定することになり、アンテナ101での送信電力は−3dBmになる。このように移動平均を用いた場合には、急激な変動には追従しにくくなるが、バースト状の測定のエラーの影響を低減できる効果があり、システム全体としての安定度が増す。
【0037】
また、帯域内の全受信電力ではなく、そこから干渉波の受信電力推定値を差し引いた値を基準にして開ループ送信電力制御を行う構成としても良い。例えば、受信器105内でキャリアと妨害波との比であるC/Iの比を測定して、C/I推定値が3dBと推定され、受信電力は上述したように−72dBmであった場合、受信電力の内の2/3が希望波で、干渉波及び雑音成分が1/3であると容易に算出でき、希望受信電力は−72dBm−1.76dB=約−74dBmと、制御器180内で計算でき、これをもとに開ループ送信電力制御を行う構成としても良い。この場合には、送信系利得調整回路166の利得は+4dBとなり、アンテナ101からは−6dBmで送信されることになる。
【0038】
また、ここまでの説明では、いわゆる開ループの電力制御についてだけ述べたが、閉ループの送信電力制御処理を併用しても良い。閉ループ電力制御を行う場合には、基地局が各移動局からの受信信号のC/I値を推定し、それと基準となるC/I値とを比較して、基準C/I値よりも推定C/I値が小さい場合には、移動局の送信電力を大きくするような閉ループ電力制御コマンドを基地局側で作成し、基準C/I値よりも推定C/I値が大きい場合には、移動局の送信電力を小さくするような閉ループ電力制御コマンドを基地局側で作成する。
【0039】
図5及び図6は、基地局側での回線品質を推定する処理の例を示したものである。
【0040】
例えば、基地局内の受信処理系の復調器201で、各移動局からの信号を復調して受信シンボルを得た場合に、その受信シンボルから回線品質推定回路210で、回線品質を推定する場合を想定すると、受信シンボルは仮判定回路211に供給して、受信シンボルの仮判定を行い、その仮判定されたデータと、受信シンボルとの差分を減算器212で求める。ここで求められる差分は、雑音の成分に相当する。そして、その差分のデータを、2乗回路213に供給して、絶対値を2乗化する処理を行い、その2乗された値を平均化214に供給して、平均値を求める。また、受信シンボルを直接2乗回路216に供給して、絶対値を2乗化する処理を行い、その2乗された値を平均化217に供給して、平均値を求める。そして、それぞれの平均回路214,217の出力を、割り算回路215に供給して除算処理し、その除算値を回線品質推定値Qとする。このように処理することで、雑音電力の推定値と受信電力の推定値とが求まり、受信信号のC/I値を推定することができる。
【0041】
また、図6に示す構成にて、シンボルエラー推定値Eを求めて、そのシンボルエラー推定値Eから、受信信号のC/I値を推定する構成としても良い。即ち、例えばデインターリーブ回路202で受信シンボルをデインターリーブ処理した後、ビタビ復号化器203でビタビ復号された受信ビットを、シンボルエラー推定回路220に供給する。このシンボルエラー推定回路220内では、再符号化回路221に供給し、再び符号化されたシンボルとして比較器222に供給する。また、デインターリーブ回路202でデインターリーブされた受信シンボルを、バッファ223を介して比較器222に供給し、再符号化されたシンボルと受信シンボルとが比較される。その比較の結果が一致しない場合には、シンボルエラーカウンタ224に不一致を示すデータを出力する。シンボルエラーカウンタ224では、その不一致を示すデータの数をカウントし、所定時間内のカウント値からシンボルエラーの発生率を判断し、その判断した値をシンボルエラー推定値Eとして出力する。このシンボルエラー推定値を、受信信号のC/I値とすることもできる。或いは、図5に示す構成で推定した回線品質推定値Qと、図6に示す構成で推定したシンボルエラー推定値Eの双方から受信信号のC/I値を判断しても良い。
【0042】
このようにして判断された移動局からの受信出力のC/I値に基づいて、閉ループ制御コマンドを作成して、その制御コマンドを該当する移動局に対する下り回線の無線伝送信号に乗せて送信する。
【0043】
移動局はその信号を受信すると、復調器140にてその制御コマンドを抽出して、制御器180に供給する。制御器180は、その制御コマンドによって、どの程度送信電力を増減するのかを判断し、その結果を図1に示す信号線190を経て演算器188に供給する。この演算器188は、演算器182の出力が供給され、開ループにより求められた利得と、この閉ループコマンドにより利得とを加算して、送信系利得調整回路166の制御信号を作成する回路で、この制御信号により送信系利得調整回路166の利得制御を行うことで、開ループと閉ループの双方の制御を併用することができる。
【0044】
例えば、閉ループによる電力制御コマンドが−2dBであり、演算器182の出力による開ループによる利得制御値が+2dBであった場合には、演算器188の出力における利得制御値は合計した値である0dBとなる。
【0045】
また、移動局が受信ダイバーシティを行うために複数の受信器を備えている場合には、各々の受信器でスロット単位での受信電力の測定値、或いは干渉波電力を差し引いたスロット単位での希望受信波電力推定値とが、各受信器で互いに異なっているのが普通である。このような場合には、その中から最大のスロット単位での受信電力を選んで、それをもとに上述した開ループ電力制御処理を行う場合と、各受信器でのスロット単位での受信電力の平均値を取って、それをもとに開ループ電力制御処理を行う場合とが考えられる。
【0046】
最大のスロット単位での受信電力を選んで開ループ電力制御処理を行う場合には、回路構成が簡単になり、送信電力を最も低くすることが可能であり、他の通信信号に与える干渉を最低にすることができる。一方、受信器でのスロット単位での受信電力の平均値を取って、それをもとに開ループ電力制御処理を行う場合には、自局からの送信波が基地局で所定の電力以上で受信される確率が高くなる。但し、平均処理を行うために、回路規模が若干大きくなると共に、他の通信信号に与える干渉が若干大きくなる可能性がある。
【0047】
また、基地局が送信する下り回線の送信信号の送信電力についても可変設定する構成としても良い。但し、このような下り回線の送信信号の送信電力を、そのときの状態によって可変設定した場合には、移動局でスロット単位での受信信号電力だけを基準として上り回線の開ループ電力制御処理を行っても、基地局が送信電力を変えた分だけ常にオフセットをもってしまう。このような場合には、基地局は移動局に対して送信信号の電力値、あるいは基準値との差分のデータを送信し、移動局は復調器140でそれを抽出してから制御器180に供給する構成とする。制御器180では、移動局で設定される送信電力の基準値を、そのデータに従って更新してから信号線186を介して演算器182に供給して、開ループ電力制御処理を実行させる。例えば、基地局の送信電力が基準値から+5dBであるというデータを移動局が受信したとすると、上述した例であれば送信電力の基準値が元々は−10dBであったものを−5dBに変更して、これを基準値として送信信号電力を開ループ制御する処理を行えば、基地局での受信信号電力はより規定された所定の値に近づくことになる。
【0048】
なお、上述した実施の形態では、無線電話システム用の通信システムに適用したが、他のTDMA方式が適用される通信システムでの処理にも適用できることは勿論である。例えば、2台の無線通信装置の間で、TDMA方式により双方向で無線通信を行う場合に、各通信装置での通信処理に適用することもできる。
【0049】
また、タイムスロット構造を持つ通信方式であれば、図3,図4に示したような純粋なTDMA方式でない通信方式にも適用できる。例えば、TD−CDMA方式のようないわゆるCDMAハイブリッドと称される通信方式にも適用できる。
【0050】
また、上述した実施の形態では、1フレームの1スロットなどの限られたタイムスロットだけを通信に使用する通常のTDMA方式の通信処理について説明したが、伝送されるデータレートを上げるために、1フレーム内の複数のスロット又は全スロットを使用して送信又は受信を行うようなシステム及びそのシステム用の移動局にも適用できる。
【0051】
【発明の効果】
本発明の通信方法によると、各タイムスロット期間での送信電力を実際の受信信号品質に基づいて適正に制御でき、結果としてシステムとしての周波数利用効率の向上が図れる。
【0052】
また本発明の通信方法によると受信信号電力の推定値に基づいて良好に移動局での送信電力の制御が行える。
【0053】
また本発明の通信方法によると干渉波の影響のない正確な送信電力制御が移動局で行える。
【0054】
また本発明の通信方法によると基地局から送信される値を使用した移動局での良好な送信電力制御が行える。
【0055】
また本発明の通信方法によるといわゆる開ループによる送信電力制御と閉ループによる送信電力制御の双方を用いたより良好な送信電力制御が行える。
【0056】
また本発明の送信電力制御方法によると、第1の通信局での送信電力制御が、第2の通信局から送信される信号の実際の受信品質に基づいて適正に制御でき、結果として第1,第2の通信局で構成される通信システムの周波数利用効率の向上が図れる。
【0057】
また本発明の送信電力制御方法によると受信信号電力の推定値に基づいて良好に送信電力の制御が行える。
【0058】
また本発明の送信電力制御方法によると干渉波の影響のない正確な送信電力制御が行える。
【0059】
また本発明の送信電力制御方法によると相手の局から送信される値を使用した良好な送信電力制御が行える。
【0060】
また本発明の送信電力制御方法によるといわゆる開ループによる送信電力制御と閉ループによる送信電力制御の双方を用いたより良好な送信電力制御が行える。
【0061】
また本発明の移動局によると、基地局から送信される信号の実際の受信信号品質に基づいて、送信電力を適正に制御でき、この移動局を備えた通信システムでの周波数利用効率の向上が図れると共に、移動局での平均的な送信電力の低減によって、移動局が備えるバッテリの長時間化が行え、通信可能な時間(通話可能な時間)の長時間化を図ることができる。
【0062】
また本発明の移動局によると受信信号電力の推定値に基づいた良好な送信電力の制御が行える。
【0063】
また本発明の移動局によるとデジタル変換する前段と後段の双方の利得調整で良好に受信処理が行える。
【0066】
また本発明の移動局によると干渉波の影響のない適切な送信電力設定が行える。
【0067】
また本発明の移動局によるといわゆる開ループによる送信電力制御と閉ループによる送信電力制御の双方を用いたより良好な送信電力制御が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による移動局の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態による通信システム構成例を示す説明図である。
【図3】TDMA方式による通信状態の例を示す説明図である。
【図4】TDMA/TDD方式による通信状態の例を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態による回線品質推定処理例を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施の形態によるシンボルエラー推定処理例を示すブロック図である。
【符号の説明】
101…アンテナ、105…受信器、107…送信器、120…受信系利得調整回路、130I,130Q…アナログ/デジタル変換器、134I,134Q…利得調整デジタル回路、136…振幅測定回路、166…送信系利得調整回路、180,182,188…演算器

Claims (15)

  1. 少なくとも1つの基地局と複数の移動局との間で、複数のタイムスロットで構成されるフレーム周期内の任意のタイムスロットを使用して通信を行うTDMA方式の通信方法において、
    上記移動局は、上記基地局から過去に送信されたタイムスロットの受信信号品質に基づいて、次に上記基地局から送信されるタイムスロットでの受信信号品質を推定し、
    上記推定した受信信号品質推定値に基づいて、次に上記基地局から送信されるタイムスロットの受信信号の利得を調整し、
    上記受信信号品質推定値を予め定められた基準値と比較し、
    上記比較で上記基準値よりも大きい場合には、上記基準値と上記受信信号品質推定値との差分だけ送信電力を小さくして、上記基地局に信号を送信するタイムスロット期間に送信処理し、
    上記比較で上記基準値よりも小さい場合には、上記基準値と上記受信信号品質推定値との差分だけ送信電力を大きくして、上記基地局に信号を送信するタイムスロット期間に送信処理を行う
    通信方法。
  2. 請求項1記載の通信方法において、
    上記基地局から次に送信されるタイムスロットでの受信信号品質推定値は、過去の所定のタイムスロットの受信電力の平均より算出する
    通信方法。
  3. 請求項1記載の通信方法において、
    上記基地局から次に送信されるタイムスロットでの受信信号品質推定値は、過去の受信信号電力より得た推定値から、受信信号帯域内の干渉電力推定値を差し引いたタイムスロット単位での希望受信信号電力推定値を用いる
    通信方法。
  4. 請求項1記載の通信方法において、
    上記基地局は、送信電力制御を行うと共に、その送信電力値を移動局に対して送信し、この信号を受信した移動局は、その送信電力値に基づいて、上記予め定められた基準値を更新するようにした
    通信方法。
  5. 請求項1記載の通信方法において、
    上記基地局は、上記移動局が送信した信号を受信してその回線品質を推定し、その推定値を定められた基準値と比較してその大小関係によって移動局の送信電力制御データを生成して、この送信電力制御データを送信し、
    上記移動局は、上記受信信号品質推定値に基づいた送信電力制御と共に、受信した上記送信電力制御データに基づいた閉ループの送信電力制御を行うようにした
    通信方法。
  6. 第1の通信局と第2の通信局との間で、複数のタイムスロットで構成されるフレーム周期内の任意のタイムスロットを使用してTDMA方式で双方向に通信を行う場合に、上記第1の通信局での送信電力を制御する送信電力制御方法において、
    上記第1の通信局は上記第2の通信局から過去に送信されたタイムスロットの受信信号品質に基づいて、次に上記第2の通信局から送信されるタイムスロットでの受信信号品質を推定し、
    上記推定した受信信号品質推定値に基づいて、次に上記第2の通信局から送信されるタイムスロットの受信信号の利得を調整し、
    上記受信信号品質推定値を予め定められた基準値と比較し、
    上記比較で上記基準値よりも大きい場合には、上記基準値と上記受信信号品質推定値との差分だけ送信電力を小さくして、上記第2の通信局に信号を送信するタイムスロット期間に上記第2の通信局に対して送信処理し、
    上記比較で上記基準値よりも小さい場合には、上記基準値と上記受信信号品質推定値と の差分だけ送信電力を大きくして、上記第2の通信局に信号を送信するタイムスロット期間に上記第2の通信局に対して送信処理を行う
    送信電力制御方法。
  7. 請求項6記載の送信電力制御方法において、
    上記第2の通信局から次に送信されるタイムスロットでの受信信号品質推定値は、過去の所定のタイムスロットの受信電力の平均より算出する
    送信電力制御方法。
  8. 請求項6記載の送信電力制御方法において、
    上記第2の通信局から次に送信されるタイムスロットでの受信信号品質推定値は、過去の受信信号電力より得た推定値から、受信信号帯域内の干渉電力推定値を差し引いたタイムスロット単位での希望受信信号電力推定値を用いる
    送信電力制御方法。
  9. 請求項6記載の送信電力制御方法において、
    上記第2の通信局は、送信電力制御を行うと共に、その送信電力値を上記第1の通信局に対して送信し、この信号を受信した第1の通信局は、その送信電力値に基づいて、上記予め定められた基準値を更新するようにした
    送信電力制御方法。
  10. 請求項6記載の送信電力制御方法において、
    上記第2の通信局は、上記第1の通信局が送信した信号を受信してその回線品質を推定し、その推定値を定められた基準値と比較してその大小関係によって上記第1の通信局の送信電力制御データを生成して、この送信電力制御データを送信し、
    上記第1の通信局は、上記受信信号品質推定値に基づいた送信電力制御と共に、受信した上記送信電力制御データに基づいた閉ループの送信電力制御を行うようにした
    送信電力制御方法。
  11. 基地局との間で、複数のタイムスロットで構成されるフレーム周期内の任意のタイムスロットを使用してTDMA方式で送信及び受信を行う送信手段及び受信手段と、
    タイムスロット単位で上記受信手段が過去に受信したタイムスロットの受信信号品質に基づいて、次に上記基地局から送信されるタイムスロットでの受信信号品質を推定する推定手段と、
    上記推定手段で推定した受信信号品質推定値に基づいて、次に上記基地局から送信されるタイムスロットの受信信号の利得を調整する調整手段と、
    上記推定手段で推定したタイムスロット単位での受信信号品質を第1の基準値と比較する比較手段と、
    上記比較手段で比較した結果、受信信号品質が上記第1の基準値よりも大きかった場合には、その差分だけ次に上記基地局に送信するタイムスロットの送信電力を小さくする制御信号を作成すると共に、上記比較手段で比較した結果、受信信号品質が上記第1の基準値よりも小さかった場合には、その差分だけ次に上記基地局に送信するタイムスロットの送信電力を小さくする制御信号を作成して、この制御信号により上記送信手段での送信電力を可変制御する制御手段とを備えた
    移動局。
  12. 請求項11記載の移動局において、
    上記推定手段が推定する上記基地局から次に送信されるタイムスロットでの受信信号品質推定値は、過去の所定のタイムスロットの受信電力の平均より算出する
    移動局。
  13. 請求項11記載の移動局において、
    信信号をデジタル変換するアナログ/デジタル変換手段を備えて、
    上記調整手段は、
    上記アナログ/デジタル変換手段の前段に配置されて上記受信信号の利得が上記アナログ/デジタル変換手段のダイナミックレンジを越えないように調整する利得調整手段と、
    過去スロットの受信電力測定結果から次に受信するスロットでの受信電力レベルの予測を行って、その予測結果に基づいて上記利得調整手段を制御する受信利得制御手段と、
    上記アナログ/デジタル変換手段で変換されたデジタル信号の信号振幅を測定してその測定と予め設定された最適受信信号振幅とを比較して、その差分だけ信号振幅を調整するデジタル利得調整手段とを備えた
    移動局。
  14. 請求項11記載の移動局において、
    上記推定手段が推定するタイムスロット単位での受信信号品質として、タイムスロット単位での受信信号電力の推定値からタイムスロット単位での受信信号帯域内の干渉電力推定値を差し引いたタイムスロット単位での希望受信信号電力推定値を用いる
    移動局。
  15. 請求項11記載の移動局において、
    上記制御手段は、上記推定手段での受信信号品質推定値に基づいた送信電力制御と共に、基地局から送信されて上記受信手段が受信した送信電力制御データに基づいた閉ループの送信電力制御を行う
    移動局。
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