JP3998806B2 - ポリアセタール樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアセタール樹脂の製造方法に関し、更に詳しくは、ペレット間に生ずる分子量分布差を無くし、品質の安定したポリアセタール樹脂を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアセタール樹脂は、機械的性質、耐薬品性、摺動性等のバランスに優れ、且つ、その加工が容易であることにより、代表的なエンジニアリングプラスチックとして、電気・電子部品、自動車部品、その他の各種機械部品を中心として、広く利用されている。
ポリアセタール樹脂は、重合機から排出された粗ポリアセタール樹脂フレークを、一旦溶融混練し、ペレット(顆粒)として、工業的に提供されるのが一般的であるが、同じ製造装置を用いて、同じ製造方法で製造した場合においても、ポリアセタール樹脂ぺレットの1粒1粒が、必ずしも、それぞれ同一の分子量分布を有するとは言えない。
また、このペレット間に生ずる分子量分布差は、ペレットを押出機、成形機等により溶融混練しても、必ずしも完全に解消されるとも言えないために、ポリアセタール樹脂製品の品質管理には十分な注意が払われている。
【0003】
このようなペレット間に生ずる分子量分布差は、ポリアセタール樹脂の射出成形性、押出成形性、ブロー成形性等の溶融加工性に悪影響を与え、また、成形品の表面に微小の異物を形成し、表面外観を不良とすることもあるため、一般に好ましいものではない。
ペレット間に生ずる分子量分布差を無くし、品質の安定したポリアセタール樹脂を製造するために、前述の如く、従来、押出機、成形機等での溶融混練を強化する方法が行われている。
しかし、更に品質管理上の観点から、特に重合面からの根本的な改善方法が強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状に鑑み、ペレット間に生ずる分子量分布差を無くし、品質の安定したポリアセタール樹脂を製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、モノグリシジルエーテル化合物およびカチオン重合触媒とを一旦混合し、この混合物を、トリオキサンに添加供給して重合することにより、上記の課題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち本発明の第1は、(A)トリオキサン、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマール、及び(C)モノグリシジルエーテル化合物を、(D)カチオン重合触媒を用いて塊状重合させポリアセタール樹脂ペレットを製造する方法において、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマール、(C)モノグリシジルエーテル化合物、及び(D)カチオン重合触媒とを混合した混合物を(A)トリオキサンに添加供給して重合することを特徴とするポリアセタール樹脂ペレットの製造方法に関する。
本発明の第2は、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールと(C)モノグリシジルエーテル化合物を予め混合した後、これに更に(D)カチオン重合触媒を混合した混合物を、(A)トリオキサンに添加供給し重合することを特徴とする本発明の第1に記載のポリアセタール樹脂ペレットの製造方法に関する。
本発明の第3は、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールと(D)カチオン重合触媒を予め混合した後、これに更に(C)モノグリシジルエーテル化合物を混合した混合物を、(A)トリオキサンに添加供給し重合することを特徴とする本発明の第1に記載のポリアセタール樹脂ペレットの製造方法に関する。
本発明の第4は、(D)カチオン重合触媒が、三フッ化ホウ素及び三フッ化ホウ素配位化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする本発明の第1〜3のいずれかに記載のポリアセタール樹脂ペレットの製造方法に関する。
本発明の第5は、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールが、エチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマールからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする本発明の第1〜4のいずれかに記載のポリアセタール樹脂ペレットの製造方法に関する。
本発明の第6は、(C)モノグリシジルエーテル化合物が、下記の一般式(1)で示される化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする本発明の第1〜5のいずれかに記載のポリアセタール樹脂ペレットの製造方法に関する。
【0007】
【化2】
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリアセタール樹脂の製造方法について説明する。
本発明のポリアセタール樹脂は、(A)トリオキサン、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマール、及び(C)モノグリシジルエーテル化合物とを、(D)カチオン重合触媒を用いて塊状重合したものであり、ポリアセタール樹脂のコポリマーを主体とする。
その基本的な分子構造は、特に限定されず、分岐・架橋構造を有するもの、ブロック成分を導入したもの等も包含される。
また、その分子量、或いは溶融粘度は、溶融成形可能なものであればよく、何らこれらに限定されるものではない。
特に規定するならば、メルトインデックスが、0.1〜100g/10min(ASTM D1238に準拠)が好ましい。
メルトインデックスが、100g/10minを超えれば、機械的物質が著しく低下し、また、0.1g/10min未満になれば、樹脂の流動性が不良になり好ましくない。
【0009】
本発明に使用する(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキシド、オキセタン、3,3−ビス(クロルメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、エチレングリコールホルマール、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール、トリオキセパン、1,3−ジオキソラン等の環状ホルマール、又はこれらの混合物が挙げられる。
その中でも、エチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール又はこれらの混合物が好ましい。
【0010】
これら(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールの使用量は、成形品の剛性、耐薬品性等を考慮すると、(A)トリオキサンに対し、1種または2種以上の合計で0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%である。
(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールの使用量が、20重量%を超えると、成形品の剛性等の機械的強度や耐薬品性が低下し、また、0.1%未満になれば、樹脂の熱安定性が低下して好ましくない。
また、環状エーテル及び/又は環状ホルマールは、他の有機溶剤等で予め希釈して用いてもよい。
【0011】
本発明の(C)モノグリシジルエーテル化合物としては、前記の一般式(1)で示される化合物が例示される。
なお、本発明では(C)モノグリシジルエーテル化合物はその分子構造に一つのグリシジルエーテル基を有するものであれば、上記の例に何ら限定されず、従来公知の化合物が全て使用可能である。
具体的な化合物としては、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、エトキシブチルグリシジルエーテル、1-アリルオキシ-2,3-エポキシプロパン、1-(1',1'-ジメチルプロパルギルオキシ)-2,3-エポキシプロパン、フェニルグリシジルエーテル、トリルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジルエーテル、3−(2−キセニルオキシ)−1,2−エポキシプロパン等が例示される。
これらの(C)モノグリシジルエーテル化合物の使用量は、成形品の剛性、耐薬品性等を考慮すると、好ましくはトリオキサンに対して、1種または2種以上で合わせて0.001〜10重量%、特に好ましくは0.01〜5重量%である。また、(C)モノグリシジルエーテル化合物は他の有機溶剤で予め希釈してもよい。
【0012】
本発明の製造方法においては、上記成分の他に、分子量を調節する成分、分岐・架橋構造を形成しうる成分等の他の化学成分を併用することも可能である。
分子量を調節する成分としては、不安定末端を形成することのない連鎖移動剤、例えば、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラール、オキシメチレンジ−n−ブチルエーテルの如きアルコキシ基を有する低分子量アセタール化合物等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。
また、その使用量は、好ましくは、トリオキサンに対して、1種またぼ2種以上の合計で、0.001〜0.5重量%である。
【0013】
また、分岐・架橋構造を形成しうる成分としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサメチレングリコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ビスフエノールAジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリブチレングリコールジグソシジルエーテル、グリセリン及びそのアルキレンオキシド付加体またはグリシジルエーテル等の誘導体、ペンタエリスリトール及びそのアルキレンオキシド付加体またはグリシジルエーテル等の誘導体が挙げられる。
その使用量は、トリオキサンに対して0.3重量%以下、好ましくは0.2重量%以下である。
【0014】
これらの分岐・架橋構造を成形しうる成分は、(A)トリオキサン中に添加しても、また、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマール、或いは(C)モノグリシジルエーテル化合物中に添加してもよく、また、他の有機溶剤等で、予め希釈して添加してもよい。
【0015】
本発明に使用する(D)カチオン重合触媒としては、四塩化鉛、四塩化スズ、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三塩化バナジウム、三塩化アンチモン、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネート、三フッ化ホウ素アセチックアンハイドレート、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯化合物の三フッ化ホウ素配位化合物、過塩素酸、アセチルパークロレート、t−ブチルパークロレート、ヒドロキシ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の無機および有機酸、トリエチルオキソニウムテトラフロロボレート、トリフェニルメチルヘキサフロロアンチモネート、アリルジアゾニウムヘキサフロロホスフェート、アリルジアゾニウムテトラフロロボレート等の複合塩化合物、ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド等のアルキル金属塩、ヘテロポリ酸、イソポリ酸等が挙げられ、それらは1種または2種以上混合して使用してもよい。
【0016】
その中でも、特に三フッ化ホウ素、或いは、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネート、三フッ化ホウ素アセチックアンハイドレート、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯化合物等の三フッ化ホウ素配位化合物などが好ましい。
これらの(D)カチオン重合触媒は、そのままでも、有機溶剤等で予め希釈しても、或いは窒素等の不活性気体と混合して用いてもよく、その調製方法は特に限定されない。
これら(D)カチオン重合触媒の使用量は、好ましくは、(A)トリオキサンに対して1種または2種以上の合計で0.0001〜0.02重量%である。
(D)カチオン重合触媒の使用量が、0.02重量%を超えると、樹脂の熱安定性が低下し、また、0.0001重量%未満では、重合活性が著しく低下するので好ましくない。
【0017】
本発明のポリアセタール樹脂の製造は、上記の(A)トリオキサン、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマール、及び(C)モノグリシジルエーテル化合物を、(D)カチオン重合触媒を用いて塊状重合させてポリアセタール樹脂を製造するに際し、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、(C)モノグリシジルエーテル化合物、及び(D)カチオン重合触媒とを一旦混合し、この混合物を(A)トリオキサンに添加供給して重合する。
【0018】
具体的な方法としては、下記の(イ)〜(ニ)等の方法が挙げられる。
(イ)(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、(C)モノグリシジルエーテル化合物と、(D)カチオン重合触媒とを、同時に混合した混合物を(A)トリオキサンに添加供給し重合する方法。
(ロ)(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、(C)モノグリシジルエーテル化合物を予め混合した後、これに更に(D)カチオン重合触媒を混合した混合物を、(A)トリオキサンに添加供給し重合する方法。
(ハ)(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、(D)カチオン重合触媒を予め混合した後、これに更に、(C)モノグリシジルエーテル化合物を混合した混合物を、(A)トリオキサンに添加供給し重合する方法。
(ニ)(C)モノグリシジルエーテル化合物と、(D)カチオン重合触媒を予め混合した後、これに更に、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールを混合した混合物を、(A)トリオキサンに添加供給し重合する方法。
【0019】
その中でも特に、上記(ロ)および(ハ)の方法が、操作性及び効果の面で好ましい。
上記の操作方法において、(B)と(C)との混合、および、その混合物と (D)との混合、或いは(C)と(D)との混合、およびその混合物と(B)との混合、或いは(B)と(D)との混合、およびその混合物と(C)との混合、或いは、(B)と(C)と(D)との同時混合等において、各成分の混合方法は、従来公知の方法で行うことができ、これらに何ら限定されない。
【0020】
この様な混合方法としては、例えば、連続的に配管内で合流させ混合する方法、連続的に合流させ、更にスタティックミキサーにより混合する方法、撹拌機を備えた容器内で一旦混合した混合成分を供給する方法等が挙げられる。
また、上記の各成分の混合において、混合温度、混合時間は、特に限定されない。規定するならば、混合温度は−70〜150℃、好ましくは−50〜75℃である。また、混合時間は0.05〜1,200秒、好ましくは0.1〜600秒である。
また、上記の各成分の混合において、(C)モノグリシジルエーテル化合物はその使用量の全量を用いてもよく、あるいは、使用量の一部を使用し残りの量を(A)トリオキサンに添加してもよい。
【0021】
上記方法で混合した(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマール、及び(C)モノグリシジルエーテル化合物と、(D)カチオン重合触媒との混合物は、液状化した(A)トリオキサンに添加供給して塊状重合を行い、固体粉塊状のポリマーを生成する。
【0022】
トリオキサンヘの、混合物の添加供給方法としては、重合機内のトリオキサンヘ、これら混合物を供給する方法、混合物をトリオキサンで洗い流しながら重合機へ供給する方法、又は、混合物をトソオキサンで洗い流しながらスタティックミキサーで混合して重合機へ供給する方法等が例示される。
重合機としては、内部に2本の駆動軸を有し、駆動軸にスクリュー、パドル、円盤、ピン、羽根等の混合手段が直結された、ニーダー・コニーダー型重合機等が例示される。また、重合温度は、65〜135℃に保つことが好ましく、重合機滞留時間は、0.2〜30分が好ましい。
【0023】
重合後の触媒の失活は、重合反応後、重合機より排出される反応生成物、あるいは、重合機中の反応生成物に、塩基性化合物又はその水溶液等を加えて行う。
重合触媒を中和し、失活するための塩基性化合物としては、例えば、アンモニア;トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、トリブタノールアミン等のアミン類;アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩;その他公知の触媒失活剤が用いられる。
かかる重合工程および失活処理の後、必要に応じて、更に、洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を、従来公知の方法にて行う。
【0024】
得られた粗ポリアセタール樹脂フレークは、更に、不安定末端部の分離除去、または、安定化物質による不安定末端の封止等、必要に応じて、公知の方法により安定化処理を行い、必要な各種安定剤を配合する。
ここで用いられる安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、窒素含有化合物、アルカリ或いはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩、カルボン酸塩等が挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を使用することができる。
更に、本発明を阻害しない限り、必要に応じて、熱可塑性樹脂に対する一般的な添加剤、例えば、染料または顔料等の着色剤、滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤、界面活性剤、或いは、有機高分子材料、無機または有機の繊維状、粉体状、または板状の充填剤等を1種または2種以上添加することができる。
【0025】
上記のようにして、ポリアセタール樹脂ペレットを製造することにより、ペレット間の分子量分布が解消され、分子量分布の均一化を図ることができる。
その理由は定かでないが、予めカチオン重合触媒、環状エーテル及び/又は環状ホルマール及びモノグリシジルエーテル化合物とが混合されることにより、該混合液が効率よく、トリオキサン中に均一分散し,又、重合反応が均一に行われるために、分子量分布の均一が図られるものと推測される。
本発明のポリアセタール樹脂の製造方法により、品質の安定したポリアセタール樹脂を製造することができる。
また、本発明で得られたポリアセタール樹脂を使用した成形品は、その表面に発生する微小の異物が低減し、表面外観が良好になる。
更に、本発明で得られたポリアセタール樹脂は、機械的性質、耐薬品性、摺動性等のバランスに優れ、また、成形加工性に優れることにより、射出成形品の他、押出成形品、ブロー成形品等の各種分野に有用である。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお本発明で、A物質のa重量%対トリオキサンと言う場合には、A物質/トリオキサンの重量比率がa重量%/100重量%であることを意味する。
また、ポリアセタール樹脂のメルトインデックスは、ASTM D1238に準拠して測定した。
【0027】
実施例1
外側に熱(冷)媒を通すジャケットが設けられ、断面が2つの円が一部重なる形状を有するバレル(反応機胴体)と、該円の中心にそれぞれ回転軸を有する連続式混合反応機を用い、パドルを付した2本の回転軸を、それぞれ逆方向に100rpmで回転させながら、反応機の一端に、メチラール0.04重量部(対トリオキサン)を含有するトリオキサンを連続的に供給した。
続いて、同時に1,3−ジオキソラン3.5重量%を、フェニルグリシジルエーテル0.1重量%(いずれも対トリオキサン)と連続的に配管内で合流させ混合し、これに更に、三フッ化ホウ素0.002重量%(対トリオキサン)を合流させ混合し、その混合物を−5℃に冷却して重合機中のトリオキサンに連続的に付加供給しながら、塊重合を行った。
重合機排出口から排出された反応生成物は、速やかに破砕機に通しながら、トリエチルアミンを0.05重量%含有する60℃の水溶液に加え、粒子に粉砕すると同時に触媒を失活した。
さらに、分離、洗浄、乾燥後、粗ポリアセタール樹脂を得た。次いで、この粗ポリアセタール樹脂100重量部に対して、安定剤として、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(Irganox1010、チバガイギー社製)0.3重量部、およびメラミン0.15重量部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合後、ベントの付いた2軸押出機にて、200℃で溶融混練し、安定化すると同時にペレット状のポリアセタール樹脂(メルトインデックス2.2g/1Omin)を得た。
【0028】
その中で、任意に選んだペレット100個の各々について、GPC測定し、重量平均分子量/数平均分子量、即ち分子量分布を求め、ペレット間の分子量分布差を標準偏差/平均値、および、最大値/平均値を指標として評価した。
これらの値が小さいほど、ペレット間に生ずる分子量分布差が少なく、品質の安定したポリアセタール樹脂ペレットが製造できたことを示している。
尚、GPCは溶媒及びキャリヤーに、トリフルオロ酢酸を含むヘキサフルオロイソプロパノール溶液を使用して、サンプル溶液濃度0.1wt%、カラムオーブン温度40℃、キャリヤー液流量0.2ml/minの条件で測定し、PMMA標準サンプルを基準にして、常法にて重量平均分子量、及び数平均分子量を算出した。結果を表1に示す。
【0029】
実施例2
実施例1と同様の連続式混合反応機を用い、メチラール0.04重量%(対トリオキサン)を含有するトリオキサンを連続的に供給した。
続いて、同時に、三フッ化ホウ素0.002重量%を、1,3−ジオキソラン3.5重量%(いずれも対トリオキサン)と連続的に配管内で合流させ混合した。
これに、更にフェニルグリシジルエーテル0.1重量%(対トリオキサン)を配管内で合流させ混合し、その混合物を−5℃に冷却して重合機中のトリオキサンに、連続的に添加供給しながら塊状重合を行った。
続いて、実施例1と同様に処理して、ペレット状のポリアセタール樹脂(メルトインデックス2.1g/10min)を製造し、ペレット間に生ずる分子量分布差を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0030】
実施例3
実施例1と同様に、連続式混合反応機を用い、メチラール0.04重量%(対トリオキサン)を含有するトリオキサンを連続的に供給した。
続いて、同時に1,3−ジオキソラン3.5重量%、フェニルグリシジルエーテル0.1重量%、及び、三フッ化ホウ素0.002重量%(いずれも対トリオキサン)とを、連続的に配管内で同時に合流させ混合した後、その混合物を−5℃に冷却して重合機中のトリオキサンに、連続的に添加供給しながら塊状重合を行った。
続いて、実施例1と同様に処理して、ペレット状のポリアセタール樹脂(メルトインデックス2.3g/10min)を製造し、ペレット間に生ずる分子量分布差を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0031】
実施例4
三フッ化ホウ素の代わりに、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートを、0.005重量%(対トリオキサン)用いた以外は、実施例1と同様に塊状重合を行った。
続いて、実施例1と同様に処理して、ペレット状のポリアセタール樹脂(メルトインデックス2.2g/10min)を製造し、ペレット間に生ずる分子量分布差を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0032】
実施例5
1,3−ジオキソラン3.5重量%の代わりに、1,4−ブタンジオールホルマール4.0重量%(対トリオキサン)用いた以外は、実施例1と同様に塊状重合を行った。
続いて、実施例1と同様に処理して、ペレット状のポリアセタール樹脂(メルトインデックス2.3g/10min)を製造し、ペレット間に生ずる分子量分布差を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0033】
実施例6
フェニルグリシジルエーテル0.1重量%の代わりに、ステアリルグリシジルエーテル0.2重量%(対トリオキサン)用いた以外は、実施例1と同様に塊状重合を行った。
続いて、実施例1と同様に処理して、ペレット状のポリアセタール樹脂(メルトインデックス2.4g/10min)を製造し、ペレット間に生ずる分子量分布差を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0034】
比較例1
実施例1と同様に、連続式混合反応機を用い、その一端に1,3−ジオキソラン3.5重量%、メチラール0.04重量%、及びフェニルグリシジルエーテル0.1重量%(いずれも対トリオキサン)を添加含有するトリオキサンを連続的に供給した。
続いて、同時に、三フッ化ホウ素0.002重量%(対トリオキサン)を、重合機に連続的に添加供給しながら塊状重合を行った。
次に、実施例1と同様に処理して、ペレット状のポリアセタール樹脂(メルトインデックス2.3g/10min)を製造し、ペレット間に生ずる分子量分布差を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0035】
比較例2
実施例1と同様に、連続式混合反応機を用い、その一端にメチラール0.04重量%及び1,3−ジオキソラン3.5重量%(いずれも対トリオキサン)を含有するトリオキサンを連続的に供給した。
続いて、同時にフェニルグリシジルエーテル0.1重量%を、三フッ化ホウ素0.002重量%(いずれも対トリオキサン)と、連続的に配管内で合流させ混合した後、その混合物を−5℃に冷却して重合機に連続的に添加供給しながら塊状重合を行った。連続運転を5分間行った後に、三フッ化ホウ素の供給流量に乱れが生じ、その後、三フッ化ホウ素の供給が停止した。配管内部を調べたところ、触媒供給口に重合物の生成・付着が見られた。
【0036】
【表1】
【0037】
実施例7〜8及び比較例3
実施例1、2及び比較例1で得られたポリアセタール樹脂ペレットを用いて、100mm幅コートハンガーダイを付した押出機により、押出し温度200℃、ロール温度50℃で、厚さ1.0mmのシートを成形した。
押出機の回転水準を低、中、高の3水準で成形を行い、シート表面に発生した異物を目視で観察し、その発生割合により、良、やや良、不良の評価を行った。結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】
本発明のポリアセタール樹脂の製造方法により、ポリアセタール樹脂のペレット間に生ずる分子量分布差を無くし、品質の安定したポリアセタール樹脂を製造することができる。
Claims (6)
- (A)トリオキサン、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマール、及び(C)モノグリシジルエーテル化合物を、(D)カチオン重合触媒を用いて塊状重合させポリアセタール樹脂ペレットを製造する方法において、(B)環状エーテル及び/又は環状ホルマール、(C)モノグリシジルエーテル化合物、及び(D)カチオン重合触媒を混合した混合物を(A)トリオキサンに添加供給して重合することを特徴とするポリアセタール樹脂ペレットの製造方法。
- (B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールと(C)モノグリシジルエーテル化合物を予め混合した後、これに更に(D)カチオン重合触媒を混合した混合物を、(A)トリオキサンに添加供給し重合することを特徴とする請求項1記載のポリアセタール樹脂ペレットの製造方法。
- (B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールと(D)カチオン重合触媒を予め混合した後、これに更に(C)モノグリシジルエーテル化合物を混合した混合物を、(A)トリオキサンに添加供給し重合することを特徴とする請求項1記載のポリアセタール樹脂ペレットの製造方法。
- (D)カチオン重合触媒が、三フッ化ホウ素及び三フッ化ホウ素配位化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアセタール樹脂ペレットの製造方法。
- (B)環状エーテル及び/又は環状ホルマールが、エチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマールからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリアセタール樹脂ペレットの製造方法。
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