JP3996687B2 - 塗料用硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料用硬化性樹脂組成物、さらに詳しくは、たとえば金属、セラミックス、ガラス、セメント、窯業系成形物、プラスチック、木材、紙、繊維などからなる建築物、家電用品、産業機器などの塗装に好適に使用しうる塗料用硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、窯業系成形物、コンクリートや鉄鋼などからなる建築物、建材などの産業製品などの表面を、たとえば、フッ素樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料、アクリルシリコン樹脂塗料などの塗料で被覆することによって建築物に意匠効果を付与したり、耐候性などを向上させたりしている。
【0003】
しかし、近年、都市部を中心とする環境の悪化にともない、前記塗料に対して、さらに、耐汚染性の向上が要求されるようになってきている。
【0004】
そこで、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、前記耐候性に加え、すぐれた耐汚染性を有する塗膜を形成することができる組成物を見出している(特開平7−48540号公報など)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記組成物は、耐候性や耐汚染性についてはすぐれているものの、硬化性を高くして、かつ、ポットライフを長くするという点において、充分に満足されるものではなかった。
【0006】
たとえば、特開昭60−67553号公報には、アルコキシシラン含有重合体と特定のアルミニウム化合物とからなる組成物が開示されている。この組成物は硬化性と密閉貯蔵安定性とが改良されているものの、開放系での安定性(ポットライフ)や耐汚染性は充分ではない。
【0007】
また、特開平4−117473号公報には、オルガノアルコキシシラン、シリル基含有ビニル系樹脂、水、テトラアルキルシリケート、アルミニウム化合物からなる組成物が開示されており、硬化性、密着性、耐候性などは改良されているものの、オルガノアルコキシシラン、シリル基含有ビニル系樹脂および水を混合して反応させるときに多量の水を使用するため、反応後も水分がかなり多く残り、ポットライフや密閉系の保存安定性が充分ではない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記のごとき実情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の反応性シリル基を含有するアクリル系共重合体、特定のシリコン化合物、アルミニウムキレート化合物、さらにメルカプタン化合物を特定の割合で配合した組成物が、低温から高温焼き付けの範囲にわたってすぐれた硬化性を有し、かつ、ポットライフが非常に長くなることを見出した。特にメルカプタン化合物を配合しないばあいに比べ、低温から100℃程度の焼付け温度範囲での硬化性が大幅に向上するとともに、密着性も改善される。さらに、初期接触角を低下させることができ、耐汚染性の付与や表面光沢、艶、深み感などの外観性、耐薬品性、耐温水性などの性能を向上させた塗膜を形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、
一般式(I):
【0010】
【化3】
【0011】
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表わされる炭素原子に結合した反応性シリル基を含有するアクリル系共重合体(A)100部(重量部、以下同様)に対して、
一般式(II):
【0012】
【化4】
【0013】
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表わされるシリコン化合物および(または)その部分加水分解縮合物(B)2〜70部、
アルミニウムキレート化合物(C)0.1〜20部、および
メルカプタン化合物(D)0.1〜50部
を含有することを特徴とする塗料用硬化性樹脂組成物に関する。
【0014】
該アクリル系共重合体(A)は、分子内に一般式(I)で表わされる炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体単位を3〜60%(重量%、以下同様)含有する共重合体であるのが好ましく、またメルカプタン化合物(D)としてはメルカプトシラン化合物が好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物には、湿分の存在下、室温で硬化性を有するベース樹脂として一般式(I):
【0016】
【化5】
【0017】
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表わされる炭素原子に結合した反応性シリル基を含有するアクリル系共重合体(A)が含有される。
【0018】
アクリル系共重合体(A)は、その主鎖が実質的にアクリル系単量体が共重合した主鎖からなる(以下、主鎖が実質的にアクリル系共重合鎖からなるともいう)共重合体であるため、えられる本発明の塗料用硬化性樹脂組成物から形成される塗膜の耐候性、耐薬品性などがすぐれたものとなる。また、アクリル系共重合体(A)は、反応性シリル基が炭素原子に結合した形式で含有されているため、塗膜の耐水性、耐アルカリ性、耐酸性などがすぐれたものとなる。
【0019】
なお、アクリル系共重合体(A)の主鎖が実質的にアクリル共重合鎖からなるとは、アクリル系共重合体(A)の主鎖を構成する単位のうちの50%以上、さらには70%以上がアクリル系単量体単位から形成されていることを意味する。
【0020】
アクリル系共重合体(A)において、一般式(I)で表わされる炭素原子に結合した反応性シリル基の数は、アクリル系共重合体(A)1分子あたり2個以上、好ましくは3個以上であることが、本発明の組成物から形成される塗膜の耐候性、耐溶剤性などの耐久性がすぐれるという点から好ましい。
【0021】
一般式(I)で表わされる反応性シリル基は、アクリル系共重合体(A)の主鎖の末端に結合していてもよく、側鎖に結合していてもよく、主鎖の末端および側鎖に結合していてもよい。
【0022】
一般式(I)において、R1は水素原子または炭素数1〜10、好ましくはたとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基である。前記アルキル基の炭素数が10をこえるばあいには、反応性シリル基の反応性が低下するようになる。また、R1が、たとえばフェニル基、ベンジル基などのアルキル基以外の基であるばあいにも、反応性シリル基の反応性が低下するようになる。
【0023】
また、一般式(I)において、R2は水素原子または炭素数1〜10、好ましくはたとえば前記R1において例示した炭素数1〜4のアルキル基、たとえばフェニル基などの好ましくは炭素数6〜25のアリール基およびたとえばベンジル基などの好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。これらの中では、本発明の組成物が硬化性にすぐれるという点から炭素数1〜4のアルキル基であるのが好ましい。
【0024】
一般式(I)において、(R1O)3-aは3−aが1以上3以下になるように、すなわちaが0〜2になるように選ばれるが、アクリル系重合体(A)の硬化性が良好になるという点からは、aが0または1であるのが好ましい。したがって、R2の結合数は0または1であるのが好ましい。
【0025】
一般式(I)中に存在するR1Oの数が2個以上のばあいまたはR2の数が2個のばあい、複数個含まれるR1またはR2は同じであってもよく異なっていてもよい。
【0026】
一般式(I)で表わされる炭素原子に結合した反応性シリル基の具体例としては、たとえば後述する反応性シリル基を含有する単量体に含有される基があげられる。
【0027】
また、アクリル系共重合体(A)としては、その分子内に一般式(I)で表わされる炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体単位を用いて合成したものが好ましい。なお、アクリル系共重合体(A)中の前記単量体単位の含有割合は、本発明の組成物を用いて形成される塗膜の耐久性がすぐれる、強度が大きくなるという点から、1〜60%、さらには3〜50%、とくには5〜30%であるのが好ましい。含有割合が1%未満のばあいには、硬化性が不充分となる傾向にあり、60%をこえるばあいには、保存安定性が低下する傾向にある。
【0028】
アクリル系共重合体(A)に含有される一般式(I)で表わされる炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体単位以外の単量体単位としては、後述するアクリル系単量体からの単位、後述する必要により用いられるその他の単量体からの単位があげられる。
【0029】
アクリル系共重合体(A)は、数平均分子量が、本発明の組成物を用いて形成される塗膜の耐久性などの物性がすぐれるという点から、1000〜30000、なかんづく3000〜25000であるのが好ましい。
【0030】
前記のごときアクリル系共重合体(A)は、単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
【0031】
つぎに、アクリル系共重合体(A)の製法の一例について説明する。
【0032】
アクリル系共重合体(A)は、たとえば重合性二重結合および炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体(以下、モノマー(A−1)という)、(メタ)アクリル酸および(または)その誘導体(以下、モノマー(A−2)という)ならびに必要により用いられるその他の単量体を含有するものを重合することによって製造することができる。
【0033】
モノマー(A−1)の具体例としては、たとえば
【0034】
【化6】
【0035】
などの一般式(III):
【0036】
【化7】
【0037】
(式中、R1、R2、aは前記と同じ、R5は水素原子またはメチル基を示す)で表わされる化合物;
【0038】
【化8】
【0039】
などの一般式(IV):
【0040】
【化9】
【0041】
(式中、R1、R2、R5およびaは前記と同じ、nは1〜12の整数を示す)で表わされる化合物;
【0042】
【化10】
【0043】
などの一般式(V):
【0044】
【化11】
【0045】
(式中、R1、R2、R5、aおよびnは前記と同じ)で表わされる化合物;
【0046】
【化12】
【0047】
などの一般式(VI):
【0048】
【化13】
【0049】
(式中、R1、R2、R5およびaは前記と同じ、mは1〜14の整数を示す)で表わされる化合物;
【0050】
【化14】
【0051】
(式中、pは0〜20の整数を示す)などの一般式(VII):
【0052】
【化15】
【0053】
(式中、R1、R2、R5およびaは前記と同じ、qは0〜22の整数を示す)で表わされる化合物や、炭素原子に結合した反応性シリル基をウレタン結合またはシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらのなかでは、共重合性および重合安定性、ならびにえられる組成物の硬化性および保存安定性がすぐれるという点から、一般式(IV)で表わされる化合物が好ましい。
【0054】
これらのモノマー(A−1)は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0055】
モノマー(A−2)の具体例としては、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アロニクスM−5700、マクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5などの化合物(以上、東亜合成化学工業(株)製)、Placcel FA−1、Placcel FA−4、Placcel FM−1、Placcel FM−4、HEAC−1(以上、ダイセル化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸またはリン酸エステル類との縮合生成物などのリン酸エステル基含有(メタ)アクリル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらのなかでは、えられるアクリル系共重合体(A)が後述する一般式(II)で表わされるシリコン化合物および(または)その部分加水分解縮合物(B)との相溶性にすぐれるという点から、n−ブチルメタクリレートを含有することが好ましい。
【0056】
これらのモノマー(A−2)は、単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
【0057】
前記モノマー(A−2)の使用量は、用いるモノマー(A−1)の種類および使用量に応じて適宜調整すればよいが、通常用いる重合成分全量の5〜95%、さらには30〜90%、とくには50〜88%であるのが好ましい。
【0058】
また、アクリル系共重合体(A)には、本発明の組成物から形成される塗膜の耐候性をさらに向上させる目的で、たとえば主鎖にウレタン結合やシロキサン結合により形成されたセグメント、必要により用いられるモノマー(A−1)およびモノマー(A−2)以外の単量体に由来するセグメントなどを、50%をこえない範囲で製造時に導入してもよい。
【0059】
前記モノマー(A−1)およびモノマー(A−2)以外の単量体の具体例としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸;これらの不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの不飽和カルボン酸塩;無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の酸無水物;これら酸無水物と炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖を有するアルコールまたはアミンとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトン酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他のビニル系化合物などがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
【0060】
さらに、本発明の塗料用硬化性樹脂組成物において、主成分であるアクリル系共重合体(A)には、アルコキシシリル基含有共重合体を分散安定剤樹脂として用い、非水系ディスパージョン重合でえられる非水系重合体粒子(NAD)をさらに添加することができる。この非水系重合体粒子(NAD)は、極少量の添加で塗料組成物の低粘度化、ハイソリッド化を達成でき、さらに硬化塗膜の耐衝撃性を向上させることができる。この添加成分である非水系重合体粒子(NAD)の製造において用いられる単量体はアクリル系共重合体(A)に使用される単量体を用いることができる。
【0061】
アクリル系共重合体(A)は、たとえば特開昭54−36395号公報、特開昭57−55954号公報などに記載のヒドロシリル化法または反応性シリル基を含有する単量体を用いた溶液重合法によって製造することができるが、合成の容易さなどの点から反応性シリル基を含有する単量体を用い、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法によって製造するのが特に好ましい。
【0062】
前記溶液重合法に用いられる溶剤は、非水系のものであればよく、とくに制限はないが、たとえばトルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類;セロソルブアセテートなどのエーテルエステル類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、アセトンなどのケトン類;メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、オクタノールなどのアルコール類などがあげられる。
【0063】
また、前記溶液重合の際には、必要に応じて、たとえばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、(CH3O)3Si−S−S−Si(OCH3)3、(CH3O)3Si−S8−Si(OCH3)3などの連鎖移動剤を単独でまたは2種以上用いることにより、えられるアクリル系共重合体(A)の分子量を調整してもよい。とくに、たとえばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いたばあいには、アクリル系共重合体(A)の末端に反応性シリル基を導入することができるので好ましい。かかる連鎖移動剤の使用量は、用いる重合成分全量の0.05〜10%、なかんづく0.1〜8%であるのが好ましい。
【0064】
本発明においては、前述のアクリル系共重合体(A)とともに、本発明の組成物から形成される塗膜の耐汚染性を向上させるとともに、該塗膜と被塗物との密着性を向上させるための成分である、一般式(II):
【0065】
【化16】
【0066】
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表わされるシリコン化合物および(または)その部分加水分解縮合物(B)(以下、シリコン化合物類(B)ともいう)が使用される。シリコン化合物類(B)をアクリル系共重合体(A)と混合させたものは、良好な常温硬化性を有する組成物となり、該組成物を用いて形成される塗膜はすぐれた耐汚染性を有する。
【0067】
一般式(II)において、R3は炭素数1〜10、好ましくはたとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、好ましくはたとえばフェニル基などの炭素数6〜9のアリール基およびアラルキル基、好ましくはたとえばベンジル基などの炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。前記アルキル基の炭素数が10をこえるばあいには、シリコン化合物類(B)の反応性が低下するようになる。また、R3が前記アルキル基、アリール基、アラルキル基以外のばあいにも反応性が低下するようになる。
【0068】
また、一般式(II)において、R4は炭素数1〜10、好ましくはR3と同様の炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、好ましくはR3と同様の炭素数6〜9のアリール基およびアラルキル基、好ましくはR3と同様の炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。
【0069】
一般式(II)において、(R3O)4-bは4−bが3以上になるように、すなわちbが0または1になるように選ばれるが、本発明の組成物から形成される塗膜の硬化性が向上するという点からは、bが0であるのが好ましい。
【0070】
一般式(II)中に存在する(R3O)の数が2個以上のばあい、2個以上含まれるR3は同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0071】
前記シリコン化合物の具体例としては、たとえばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラi−プロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラi−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリsec−オクチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシランなどのシランカップリング剤などがあげられる。
【0072】
前記シリコン化合物の部分加水分解縮合物は、たとえば前記シリコン化合物100部に対して水0.1〜100部、好ましくは0.1〜10部を加えてアルコール系溶剤中、酸性条件下で加水分解することによりえられる。
【0073】
前記シリコン化合物の部分加水分解縮合物の具体例としては、たとえば通常の方法で前記テトラアルコキシシランやトリアルコキシシランに水を添加し、縮合させてえられるものがあげられ、たとえばMSI51、ESI28、ESI40、HAS−1、HAS−10(以上、コルコート社製)MS51、MS56、MS51B15、MS56S(以上、三菱化学(株)製)、シリケート45、シリケート48、FR−3(以上、多摩化学(株)製)などのテトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物や、たとえばAFP−1(信越化学工業(株)製)などのトリアルコキシシランの部分加水分解縮合物などがあげられる。
【0074】
シリコン化合物類(B)のうちでは、アクリル系共重合体(A)との相溶性、えられる本発明の組成物の硬化性が良好で、該組成物を用いて形成される塗膜の硬度にすぐれるということより汚染物質の付着を抑制するという点から、MSI51、MS51、MS56、MS51B15、MS56S(テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物)やESI40、シリケート45、シリケート48(テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物)、FR−3(テトラメトキシシランとテトラエトキシシランの共部分加水分解縮合物)などのテトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物を用いるのが好ましく、特に初期から接触角を低下させるという点からMS56、MS56S、シリケート45、シリケート48、FR−3などの高縮合度の部分加水分解縮合物が好ましい。
【0075】
加水分解縮合物の製法に用いるアルコール系溶剤の例としては、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブチルアルコールなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、メタノール、エタノール、イソプロパノールが安定性向上の点から好ましい。
【0076】
また酸性物質の例としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、亜硫酸などの無機酸;モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェートなどのリン酸エステル;ギ酸、酢酸、マレイン酸、アジピン酸、シュウ酸、コハク酸などのカルボン酸化合物;ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸などのスルホン酸化合物などがあげられる。これらのうちでは、酸処理後に酸を除去しやすい点から比較的沸点が低い塩酸、硝酸、亜硫酸、ギ酸が好ましい。
【0077】
シリコン化合物類(B)の使用量は、アクリル系共重合体(A)100部に対して2〜70部、好ましくは2〜50部、さらに好ましくは2〜30部である。前記使用量が2部未満のばあいには、えられる組成物を用いて形成した塗膜の硬化性や耐汚染性の改良効果が不充分になり、また70部をこえると、塗膜の表面光沢などの外観性が低下したり、クラックなどが発生したりするようになる。
【0078】
本発明において架橋反応硬化剤として用いるアルミニウムキレート化合物(C)は、それ自体公知のものであるが、中でも、有機アルミニウムをキレート化剤で処理することによりえられるものが好適であり、該有機アルミニウムとしては、具体的にはたとえばアルミニウムイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、アルミニウムtert−ブチレートなどがあげられる。
【0079】
前記有機アルミニウムと反応せしめられるキレート化剤としては、たとえば低級アルカノールアミン類(例:トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなど)、アセト酢酸エステル(例:アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルなど)、ジケトンアルコール(例:ジアセトンアルコールなど)、ジケトン類(例:アセチルアセトンなど)、グリコール類(例:エチレングリコール、オクチレングリコールなど)、オキシカルボン酸(例:乳酸、酒石酸など)、ジカルボン酸またはそのエステル(例:マレイン酸、マロン酸エチルなど)、その他サルチル酸、カテコール、ピロガロールなどがあげられ、中でも低級アルカノールアミン類、オキシカルボン酸、ジケトン類が好適である。
【0080】
しかして、本発明において有利に用いられるアルミニウムキレート化合物(C)としては、具体的にはたとえばつぎのものをあげることができる。すなわち、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリストリフルオロアセチルアセトナトアルミニウム、トリスヘキサフルオロアセチルアセトナトアルミニウム、トリスエチルアセトアセタトアルミニウム、トリス(n−プロピルアセトアセタト)アルミニウム、トリス(iso−プロピルアセトアセタト)アルミニウム、トリス(n−ブチルアセトアセタト)アルミニウム、トリスサリチルアルデヒダトアルミニウム、イソプロポキシビスエチルアセトアセタトアルミニウム、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタジオナトアルミニウム、トリス(2−エトキシカルボニルフェノラート)アルミニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセタトアルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(エチルアセトナト)アルミニウム、トリス(サリチルアルデヒダト)アルミニウム、エチルアセトナトアルミニウムジイソプロピレート、モノアセチルアセトナトビス(エチルアセトナト)アルミニウム、トリス(iso−プロピレート)アルミニウム、トリス(sec−ブチレート)アルミニウム、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレートなどである。これらは部分的に縮合したものであってもよい。また、これらは単独で用いてもよく、異なるタイプのものまたは同じタイプのものを2種以上併用してもよい。
【0081】
アルミニウムキレート化合物(C)の使用量は、アクリル系共重合体(A)100部に対して0.1〜20部、好ましくは0.5〜10部、さらに好ましくは1〜5部である。使用量が0.1部より少なくなると、硬化性が不充分となり、20部より多くなると、ポットライフが短くなったり、外観性、耐候性などが低下したりする。
【0082】
本発明における(D)成分であるメルカプタン化合物は硬化性や基材との密着性を向上させるという作用を有し、たとえばメルカプトシラン化合物やアルキルメルカプタンがあげられる。メルカプトシラン化合物は低温での硬化性や基材との密着性をより向上させる点で特に好ましい。
【0083】
メルカプトシラン化合物とは、一分子中にメルカプト基とシリル基を併有している化合物であり、好ましくは基材との密着性をより一層向上させるという点からメルカプト基とアルコキシシリル基を併有している化合物がよい。
【0084】
メルカプトシラン化合物の具体例としては、たとえばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、α−メルカプトメチルペンタメチルジシロキサン、γ−メルカプトプロピルペンタメチルジシロキサン、γ−メルカプトプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランなどがあげられるが、入手しやすさ、基材との密着性の向上などの点からγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ−メルカプトプロピルトリエトキシシランが好ましい。
【0085】
また、アルキルメルカプタン化合物の具体例としては、たとえばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタンなどがあげられる。
【0086】
これらのメルカプタン化合物(D)は、単独で用いてもよくまた、異なるタイプのものまたは同じタイプのものを2種以上併用してもよい。
【0087】
メルカプタン化合物(D)の使用量は、アクリル系共重合体(A)100部に対して0.1〜50部、好ましくは0.5〜20部、さらに好ましくは1〜10部である。使用量が0.1部より少なくなると硬化性や密着性の向上が不充分となり、50部を超えると外観性、耐候性を低下させるおそれがある。メルカプタン化合物(D)は、アクリル系共重合体(A)の重合後に添加することが好ましい。
【0088】
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物の製造は、アクリル系共重合体(A)、シリコン化合物類(B)、アルミニウムキレート化合物(C)およびメルカプタン化合物(D)を、たとえば撹拌機などを用いて均一な組成物となるように撹拌、混合することによって行なうことができるが、アクリル系共重合体(A)およびシリコン化合物類(B)には、さらに脱水剤やアルキルアルコール類を配合することによって、組成物の保存安定性を長期間にわたってすぐれたものにすることができる。
【0089】
前記脱水剤の具体例としては、たとえばオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチルなどの加水分解性エステル化合物などがあげられる。アルキルアルコール類の具体例としては、たとえばメタノール、エタノールなどの炭素数1〜4の低級アルコールなどがあげられる。
【0090】
脱水剤やアルキルアルコール類は、たとえばアクリル系共重合体(A)を重合する前の成分に加えてもよく、アクリル系共重合体(A)の重合中に加えてもよく、また、えられたアクリル系共重合体(A)とそのほかの成分との混合時に加えてもよく、特に制限はない。
【0091】
脱水剤はシリコン化合物をアルコール系溶剤中、酸性条件下で加水分解縮合したのちに加えるのが好ましい。
【0092】
脱水剤の配合量には特に限定はないが、通常、アクリル系共重合体(A)またはシリコン化合物類(B)の固形分100部に対して0.5〜20部程度、なかんづく2〜10部程度であるのが好ましい。
【0093】
アルキルアルコール類の配合量も特に限定されないが、通常、アクリル系共重合体(A)またはシリコン化合物類(B)の固形分100部に対して0.5〜20部程度、なかんづく2〜10部程度であるのが好ましい。
【0094】
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物には、通常塗料に用いられる、たとえば酸化チタン、群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料などの有機顔料などの顔料;希釈剤、紫外線吸収剤、光安定剤、タレ防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブチラール、ポリシロキサンなどの樹脂などを適宜加えてもよい。
【0095】
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物は、たとえば上塗り用の塗料として、浸漬、吹き付け、刷毛などを用いた塗布などの通常の方法によって、たとえば金属、セラミックス、ガラス、セメント、窯業系成形物、プラスチック、木材、紙、繊維などからなる建築物、家電用品、産業機器などの被塗物(基材)に塗布され、通常、常温でそのまま、または30℃程度以上で焼き付けて硬化せしめられる。
【0096】
【実施例】
つぎに、本発明の塗料用硬化性樹脂組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0097】
製造例1(アクリル系共重合体(A)−1の製造)
攪拌機、温度計、還流冷却器、チッ素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応容器にキシレン38部を仕込み、チッ素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。そののち、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン9.5部、メチルメタクリレート69部、n−ブチルアクリレート15.5部、n−メチロールアクリルアミド1部、スチレン5部、トルエン10部、メタノール1部および2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.6部からなる混合物を滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。
【0098】
滴下終了後、2,2′−アゾイソブチロニトリル0.05部およびトルエン16.5部を1時間かけて等速滴下したのち、110℃で2時間熟成してから冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて樹脂固形分濃度が50%のアクリル系共重合体(A)−1をえた。
【0099】
えられたアクリル系共重合体(A)−1の数平均分子量は20000であった。
【0100】
製造例2(アクリル系共重合体(A)−2の製造)
攪拌機、温度計、還流冷却器、チッ素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応容器にキシレン30部およびn−ブタノール10部を仕込み、チッ素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。そののち、スチレン4.8部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン9.5部、メチルメタクリレート64.5部、n−ブチルアクリレート15.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.8部、n−メチロールアクリルアミド0.9部、トルエン11部、メタノール2部および2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.9部からなる混合物を滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。
【0101】
滴下終了後、2,2′−アゾイソブチロニトリル0.1部、トルエン8部およびキシレン15部を1時間かけて等速滴下したのち、110℃で2時間熟成してから冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて樹脂固形分濃度が50%のアクリル系共重合体(A)−2をえた。
【0102】
えられたアクリル系共重合体(A)−2の数平均分子量は15000であった。
【0103】
製造例3(アクリル系共重合体(A)−3の製造)
攪拌機、温度計、還流冷却器、チッ素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応容器にキシレン30部およびn−ブタノール10部を仕込み、チッ素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。そののち、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3.0部、メチルメタクリレート69.2部、n−ブチルアクリレート21.8部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5.0部、n−メチロールアクリルアミド1部、トルエン11部、メタノール2部および2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.9部からなる混合物を滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。
【0104】
滴下終了後、2,2′−アゾイソブチロニトリル0.1部、トルエン8部およびキシレン15部を1時間かけて等速滴下したのち、110℃で2時間熟成してから冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて樹脂固形分濃度が50%のアクリル系共重合体(A)−3をえた。
【0105】
えられたアクリル系共重合体(A)−3の数平均分子量は15000であった。
【0106】
実施例1〜8および比較例1〜2
製造例1、2および3でえられたアクリル系共重合体(A)の樹脂固形分100部に対して、シリコン化合物類(B)、アルミニウムキレート化合物(C)、メルカプタン化合物(D)およびその他の成分を表1に示した割合で配合し、さらに、シンナーを加え攪拌機により5分間撹拌して固形分濃度45%の組成物を調製した。
【0107】
えられた組成物をアルミニウム板(A5052P)上にネオゴーセー#2300NT−HB(神東塗料(株)製)を塗装後、80℃で30分間乾燥させ、さらに、ハイアート#3000(イサム塗料(株)製)を塗装後、80℃で30分間乾燥させた。そのうえに、えられた塗料組成物をエアースプレーで乾燥膜厚が30μmになるように塗装し、80℃で30分間乾燥硬化させ塗膜を形成させた。
【0108】
えられた塗膜について、外観性、接触角、密着性、硬度性(ゲル分率)および耐汚染性を以下の方法で評価した。
【0109】
また、えられた塗料のポットライフについても以下の方法で評価した。
【0110】
結果を表1に示す。
【0111】
(外観性)
光沢および鮮映性を目視により総合評価した。
【0112】
○は良好、△は普通、×は不良を示す。
【0113】
(接触角)
塗膜形成直後の塗膜表面の水との静的接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−S150型)で測定した。
【0114】
(密着性)
えられた硬化性樹脂組成物をアルミニウム板(A5052P)上に直接塗布し、80℃で30分間硬化させた。
【0115】
JIS K5400に準拠して形成直後の碁盤目密着性を測定することにより一次密着性の評価をした。また、50℃の温水に塗布物を10日間浸漬し、同様に碁盤目密着性を測定することにより二次密着性を評価した。評価基準はつぎのとおりである。
【0116】
10:100/100
8:80/100
6:60/100
4:40/100
2:20/100
0:0/100
【0117】
(耐汚染性)
曝露前および大阪府摂津市で南面30°の屋外曝露を3カ月間実施したのちのL*a*b*表色系で表わされる明度を色彩色差計(ミノルタ(株)製:CR−300)で測定した。曝露前後の明度差(ΔL)を求め、汚染性の尺度とした。なお、数値の絶対値が小さい方が耐汚染性にすぐれ、大きい方が汚れていることを示す。
【0118】
(硬化性(ゲル分率))
えられた塗料をポリエチレンシート上に塗布し、80℃で30分間焼き付けてえられた厚さ約30μmの遊離のクリアーフィルムを約50×50mmの大きさに切断し、予め精秤した200メッシュのステンレス製の金網(重量W0g)に包み精秤した(重量W1g)。そののち、アセトン中に24時間浸漬して抽出を行ない、ついで乾燥・精秤し(重量W2g)、式:
ゲル分率(%)={((W2)−(W0))/((W1)−(W0))}×100
にしたがってゲル分率(%)を求めた。
【0119】
(ポットライフ)
えられた塗料を23℃、55%RH恒温室に開放系で放置し、流動性がなくなる(ゲル化する)までの時間を調べた。
【0120】
なお、表1中の略号は以下のことを示す。
【0121】
(A)−1:製造例1でえられたアクリル系共重合体(A)
(A)−2:製造例2でえられたアクリル系共重合体(A)
(A)−3:製造例3でえられたアクリル系共重合体(A)
MSi51:テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(コルコート社製)
MS56:テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学(株)製)
MS56S:テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学(株)製)
ESi48:テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物(多摩化学(株)製)
(C)−1:アルミニウムトリス(エチルアセトアセトネート)(川研ファインケミカル(株)製)
(C)−2:アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)(川研ファインケミカル(株)製)
(D)−1:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
(D)−2:γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン
(D)−3:n−ドデシルメルカプタン
【0122】
【表1】
【0123】
表1に示すように、実施例1〜8でえられた樹脂組成物は、低温から高温焼付けの範囲にわたってすぐれた硬化性を有し、かつ、ポットライフが非常に長いことがわかる。また、該樹脂組成物から形成される塗膜は、表面状態(外観)が良好で、同時にすぐれた耐汚染性および密着性を有し、接触角も小さいものであることがわかる。
【0124】
【発明の効果】
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物は、低温から高温焼付けの範囲にわたってすぐれた硬化性とかつ、ポットライフを有し、該樹脂組成物から形成される塗膜は、表面状態が良好で接触角が小さく、耐汚染性にすぐれるとともに、被塗物に対する密着性にすぐれたものである。
Claims (3)
- 一般式(I):
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表わされる炭素原子に結合した反応性シリル基を含有するアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、
一般式(II):
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表わされるシリコン化合物および(または)その部分加水分解縮合物(B)2〜70重量部、
アルミニウムキレート化合物(C)0.1〜20重量部、および
メルカプタン化合物(D)0.1〜50重量部
を含有することを特徴とする塗料用硬化性樹脂組成物。 - アクリル系共重合体(A)が、分子内に一般式(I)で表わされる炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体単位を1〜60重量%含有する共重合体である請求項1記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
- メルカプタン化合物(D)がメルカプトシラン化合物である請求項1記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
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