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JP3995313B2 - 1,2−ブタンジオール及び1,4−ブタンジオールの製造方法 - Google Patents

1,2−ブタンジオール及び1,4−ブタンジオールの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1,2−ブタンジオール及び1,4−ブタンジオールの製造方法に関する。詳しくは、蒸留方法の改良及び未反応留分の加水分解工程への循環により、高純度の1,2−ブタンジオール及び1,4−ブタンジオールを工業的に有利に製造する方法に関する。
1,4−ブタンジオールはPBT樹脂、γ−ブチロラクトンの原料や、有機溶剤、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)の原料として用いられるテトラヒドロフランの原料として有用な化合物である。
一方、1,2−ブタンジオールはポリエステル或いはポリウレタンその他の原料として興味が持たれていたものの、工業的に安価に製造する方法はこれ迄知られていない。
【0002】
【従来の技術】
ブタジエンをアセトキシ化し、次いで水素化して得られるジアセトキシブタンを加水分解してブタンジオールを製造する方法は従来から知られている。
この場合、ブタジエン、酢酸及び分子状酸素を貴金属触媒の存在下に反応させてジアセトキシブテンを得る方法が、例えば特開昭50−4011号公報に開示されており、得られたジアセトキシブテンを触媒の存在下に水素添加してジアセトキシブタンを製造する方法が、例えば特開昭51−29426号公報に開示されており、更にこのジアセトキシブタンを触媒の存在下に加水分解して、1,4−ブタンジオールを製造する方法が、例えば特開昭52−7909号、同52−65208号、特開平6−172235号各公報等に開示されている。
【0003】
これらの方法では、ブタジエン、酢酸と分子状酸素とを貴金属触媒(主としてパラジウム、テルルを担体に担持した触媒)の存在下に反応させジアセトキシブテンを得ている。この反応では、1,4−ジアセトキシブテンが主成分として得られるが、同時に異性体である1,2−ジアセトキシブテンも少量生成する。ジアセトキシブテンは異性体の混合物のまま水添工程に送られ水素添加により、ジアセトキシブタンの混合物とされる。ここで得られるジアセトキシブタンは、1,4−及び1,2−ジアセトキシブタンを主成分とする反応液であるが、分離することなく加水分解工程に送られる。加水分解工程では、ジアセトキシブタンと水を固体酸触媒特に好ましくは強酸性イオン交換樹脂と反応器中で接触反応させ、水、酢酸、未反応ジアセトキシブタン、モノアセトキシブタン、ブタンジオール等からなる反応混合物にされる。反応混合物は、水、酢酸分離塔で水、酢酸を留出させ塔底よりブタンジオールを含む塔底液を抜き出す。塔底液は未反応物回収塔に送られ、塔頂より軽沸物、1,2−ジアセトキシブタン、1,2−ブタンジオール等からなる留出物を留出させ、上部側流より1,4−ジアセトキシブタン、1−ヒドロキシ−4−アセトキシブタンを主成分とする未反応物を留分として回収し、未反応留分は加水分解反応器に循環し、塔底より1,4−ブタンジオールを主成分とする缶出液を得、該缶出液を蒸留することによって、留出物として1,4−ブタンジオールを得る方法を提供している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1,2−ブタンジオールについては、未反応物回収塔で得られた1,2−ブタンジオールを含む留出物は混合物であり、工業原料として用いるには純度が低く、また、新たに蒸留塔を設けて精製するのは経済的でないため、焼却廃棄せざるを得ず、更に蒸留で分離された1,2−ジアセトキシブタンを含む留分も廃棄されているという問題点がある。
【0005】
本発明は、ジアセトキシブタンを原料とする1,4−ブタンジオールの製造方法において、従来焼却廃棄されていた1,2−ブタンジオールを含む留分を簡便な方法で精製し、工業原料として利用可能な純度の高い1,2−ブタンジオールを1,4−ブタンジオールと同時に製造すると共に、分離された未反応の1,2−ジアセトキシブタンを含む留分より1,2−ブタンジオール及び酢酸を回収し、有利にブタンジオール類を製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記事情に鑑み鋭意検討した結果、ブタジエンを原料として、ブタンジオールの酢酸エステルの混合物を得、該酢酸エステルを水と固体酸触媒の存在下接触反応させ、加水分解した後、反応液から水、酢酸を分離した生成物より、塔頂より軽沸物及び1,2−ブタンジオールの酢酸エステルを留出させ、上部側流より高純度の1,2−ブタンジオールを留出させ、中部側流より1,4−ブタンジオールの未反応酢酸エステルを留出させ、1,2−ブタンジオール及び1,4−ブタンジオールの未反応酢酸エステルは加水分解工程に循環し、塔底より1,4−ブタンジオールを缶出させることによってその目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の要旨は、1,2−ジアセトキシブタン及び1,4−ジアセトキシブタンを含む混合物を加水分解反応に付し、引き続く蒸留によりブタンジオールを製造する方法において、同一の蒸留塔の上部から濃縮された1,2−ブタンジオールの酢酸エステル類を含む留分を留出させ、上部側流から高純度の1,2−ブタンジオールを留出させ、中部側流から濃縮された1,4−ブタンジオールの酢酸エステル類を含む留分を留出させ、且つ蒸留塔の下部側流又は缶出より高純度の1,4−ブタンジオールを得ると共に、該1,2−ブタンジオールの酢酸エステル類を含む留分及び該1,4−ブタンジオールの酢酸エステル類を含む留分の少なくとも一部を加水分解反応工程に循環する方法であって、高純度の1,2−ブタンジオールを抜き出す蒸留塔の上部側流が、蒸留塔の塔頂よりその理論段数の約1ないし2割下の段にあることを特徴とする1,2−ブタンジオール及び1,4−ブタンジオールの製造方法、にある。以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
ブタジエンを原料とし、アセトキシ化反応、それに引き続く水素化、加水分解工程を経て、1,4−ブタンジオールを製造する方法は、従来から知られている。
アセトキシ化反応は、パラジウム系触媒の存在下、ブタジエン、酢酸及び分子状酸素を反応させる公知の方法により行われる。パラジウム系触媒としては、パラジウム金属又はその塩を単独で、或いは助触媒としてビスマス、セレン、アンチモン、テルル、銅等の金属又はその塩と組み合わせて用いられる。触媒は、シリカ、アルミナ、活性炭等の担体に担持させて用いることが好ましい。
【0009】
アセトキシ化反応は、通常、40〜180℃の温度範囲で、常圧以上の圧力下で実施される。酢酸の使用量は溶媒を兼ねて大過剰に用いることが望ましく、通常、共役ジエン1モルに対して、5〜60モル、好ましくは10〜40モルである。
なお、アセトキシ化反応は公知の固定床方式、流動床方式、触媒懸濁方式等任意の方法で実施される。反応生成物より、ジアセトキシブテンと水、酢酸及びモノアセトキシブテンを含むその他の軽沸物とは蒸留によって分離される。
モノアセトキシブテンを含む水、酢酸を主成分とする留出物は、酢酸精製工程に送られる。
【0010】
缶出液は、1,4−ジアセトキシブテン、1,2−ジアセトキシブテン、及び高沸物等からなり、高沸物を分離した後、水添されジアセトキシブタンの混合物となる。水添反応は、パラジウム、ルテニウム等の貴金属触媒の存在下に、ジアセトキシブテンを水素と接触させ、通常40〜180℃の温度範囲で、常圧以上の反応圧力で反応させることによって実施される。
なお、水素化反応は、公知の固定床方式、流動床方式、触媒懸濁方式等の任意の方式で実施される。
【0011】
生成したジアセトキシブタンは、固体酸触媒の存在下、水と接触させて加水分解されてブタンジオールが得られる。
本発明に用いられる原料のジアセトキシブタンとしては、1,4−ジアセトキシブタンを主体とするものの外、その製造及び精製処理工程によっては、1,4−ジアセトキシブタンと1,2−ジアセトキシブタン、1,3−ジアセトキシブタン等との異性体混合物も含まれる。
また、ある場合には、加水分解反応をある程度進行させた後、水及び酢酸を除いた1,4−ジアセトキシブタン、1,4−モノヒドロキシアセトキシブタン及び1,4−ブタンジオールの混合物を利用できる。
【0012】
本発明に用いられる固体酸触媒としては、シリカ−アルミナ、活性土、シリカ、陽イオン交換樹脂等が挙げられるが、陽イオン交換樹脂が加水分解速度が大きく、しかもテトラヒドロフラン等の副生物が少ないので好ましい。
陽イオン交換樹脂としては、スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体を母体とするスルホン酸型強酸性イオン交換樹脂が好適であり、ゲル型樹脂でも、ポーラス型樹脂でもよい。その具体例としては、例えば三菱化学(株)製SK1B,SK104,SK108,PK208,PK216,PK228等が挙げられる。
【0013】
加水分解反応は、通常、30〜110℃、好ましくは40〜90℃で実施される。温度が低過ぎると反応速度が著しく遅く、多量の触媒を必要とし、他方、温度が余り高過ぎると、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン等への副反応が増加する。
反応圧力については、特に限定はされないが、通常は常圧〜10kg/cm2 ・Gの範囲である。
【0014】
ジアセトキシブタンと水との比率は、水が反応原料であると同時に溶媒でもあるので、化学量論量以上用いられる。ジアセトキシブタンと水とのモル比は、通常2〜100、好ましくは4〜50の範囲で用いられる。
加水分解反応は、回分式でも連続式等の任意の方法で実施される。イオン交換樹脂を用いる場合、懸濁状態で反応させる方式でも、イオン交換樹脂の充填層に反応原料を通過させる方式でもよく、工業的には固定床連続法が有利である。
【0015】
加水分解物は、蒸留により、水、酢酸を主成分とする留分と未反応物を含む粗ブタンジオールとに分けられる。
水、酢酸を主成分とする留分は、ジアセトキシブテンの水添で発生する酢酸ブチル等を若干含んでいるが、酢酸精製工程に送られ、先に述べた、アセトキシ化反応から回収される酢酸と共に、精製される。
粗ブタンジオールは、1,2ジアセトキシブタン(1,2DAB)、1−ヒドロキシ−2−アセトキシブタン(1,2HAB)、2−ヒドロキシ−1−アセトキシブタン(2,1HAB)、1,2ブタンジオール(1,2BG)、1,4ジアセトキシブタン(1,4DAB)、1−ヒドロキシ−4−アセトキシブタン(1,4HAB)、1,4ブタンジオール(1,4BG)、2−(4−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン及び構造が不明な高沸物と若干の軽沸物等を含んでいる。
【0016】
特開昭52−7909号或いは同52−65208号各公報の方法によれば、粗ブタンジオールは、蒸留により、軽沸物、1,2DAB、1,2HAB、2,1HAB及び1,2BGを主体とする留分(留分▲1▼)と、1,4DAB、1,4HABを主体とする留分(留分▲2▼)と、1,4BG及び高沸を含む缶出液とに分けられる。この蒸留は、50〜400Torr(0.006〜0.05MPa)の減圧下、塔底温度150〜250℃で実施される。
留分▲1▼は、1,2BGを含んでいるが純度が低い(約70重量%)ために工業原料として利用することが出来ずに焼却廃棄される。
留分▲2▼は加水分解反応に返送され未反応物を加水分解し、1,4BGを製造する、或いは、THF製造の原料として利用される。
【0017】
缶出液は1,4BG精製塔に送られ塔頂より若干の不純物、例えばヒドロキシアセトキシブタン、2−(4−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン等の不純物を若干含む留分を留出させ、塔頂側留として製品の1,4ブタンジオールを留出させ、高沸物を缶出させる。必要に応じ、塔頂の留分は未反応物回収塔に循環され、高沸物は更に有効成分を回収する為に処理される場合もある。この蒸留は、50〜400Torr(0.006〜0.05MPa)の減圧下、塔底温度150〜250℃で実施される。
【0018】
しかしながら、これらの方法に従えば、1,2ブタンジオールの純度が低く、工業的には利用不可能な品質の留分しか製造できない。工業的に利用できるような純度の1,2−ブタンジオールの簡便な製造方法を種々検討した結果、未反応物回収塔において、塔頂より軽沸分を含む濃縮された1,2−ジアセトキシブタンを主な成分として含む留分を留出し、上部側流より高純度の1,2−ブタンジオールを留出させ、中部側流より未反応の1,4−ジアセトキシブタン、1−ヒドロキシ−4−アセトキシブタンを含む留分を留出させ、缶出より1,4−ブタンジオールを抜き出すことによって達成される。
【0019】
前記特開昭52−7909号及び同52−65208号各公報の方法によれば、未反応物回収塔の塔頂より、1,2−ブタンジオールを含む留分を留出させる方法が開示されている。この方法で得られた、1,2−ブタンジオールは純度が低いので、該留分を別の蒸留塔で蒸留し、未反応の1,2−ブタンジオール酢酸エステル類と1,2−ブタンジオールを分離し高純度の1,2−ブタンジオールを得ることもできる。しかしながら、この方法では、新たに蒸留塔を設置しなければならず、経済的な1,2−ブタンジオールの製造法とは言い難い。本発明で開示する方法に従えば、新たに蒸留塔を設置すること無く、ブタンジオールの酢酸エステルの加水分解物から、1,4−ブタンジオールを製造すると同時に、高純度の1,2−ブタンジオールを製造することが出来る。
更に、分離された1,2−ブタンジオール及び1,4−ブタンジオールの酢酸エステルを含む留分を加水分解工程に循環することによって、含有する酢酸を回収し効率的にブタンジオールを製造することが出来る。
【0020】
即ち、本発明の代表的な実施態様としては、ブタジエン、酢酸、酸素を原料としPd/Teを担持した触媒の存在下、3〜10MPa、40〜100℃で反応させ、ジアセトキシブテンを得、高沸を分離した後、Pd及びRuを触媒として、2〜10MPa、40〜120℃で水添しジアセトキシブタンを合成し、合成したジアセトキシブタンは水と共に、イオン交換樹脂を触媒とした反応器に送られ加水分解される。ジアセトキシブタンと水のモル比は1:10〜1:3程度の範囲が好適である。反応温度40〜80℃、反応時間1〜10時間で加水分解され、酢酸分離塔に送られる。酢酸分離塔は常圧〜50Torr(0.095〜0.006MPa)の減圧で操作され酢酸、水及び若干の軽沸物が留出する。缶出より、未反応物を含む粗1,4ブタンジオールを抜き出し未反応物分離塔に送る。
【0021】
未反応物分離塔は、理論段数80〜100段で、上部側流は塔頂より10〜15段、中部側流は塔頂より20〜30段、フィード段は塔頂より35〜40段の蒸留塔で、300〜20Torr(0.04〜0.002MPa)、好ましくは200〜100Torr(0.027〜0.013MPa)の減圧で、還流比通常10〜150、好ましくは20〜50で運転される。塔頂より1,2−ジアセトキシブタン、1−ヒドロキシ−2−アセトキシブタン、2−ヒドロキシ−1−アセトキシブタンを主成分とする留分を留出させ、上部側流より純度の高い1,2−ブタンジオールを留出させ、中部側流より未反応物である1,4ジアセトキシブタン、1−ヒドロキシ−4−アセトキシブタンを留出させ、缶出、又は下部側流より1,4ブタンジオールを抜き出す。なお、下部側流は、塔底より5〜10段を指す。
【0022】
塔底の温度は、150〜230℃で運転されるが、ブタンジオールの分解を防止するためには200℃以下が好ましい。
1,2−ジアセトキシブタン、1,4−ジアセトキシブタン等の未反応物を含む留分は必要に応じて、加水分解反応に送り加水分解することできる。本発明に従えば、ブタジエンのアセトキシ化反応によって製造される、ブタンジオールの酢酸エステルの混合物から、容易に工業原料として使用できる純度の高い1,2−ブタンジオールを製造することが出来る。
【0023】
1,2−ジアセトキシブタンを含む留分は加水分解工程に循環し1,2−ブタンジオールを得ると同時に酢酸を回収し、1,4−ジアセトキシブタンを含む留分は、加水分解反応に送り加水分解により1,4−ブタンジオールと酢酸にするか、必要に応じてTHF化工程でTHFを合成する原料として使用することもできる。
以上述べたように、本発明に従えば、ブタジエンのアセトキシ化反応によって製造されるブタンジオールの酢酸エステルの混合物から、容易に工業原料として使用できる純度の高い1,2−ブタンジオール及び1,4−ブタンジオールを製造することが出来、しかも従来は廃棄されていた未反応の1,2−ブタンジオールの酢酸エステルを有効に利用することが出来る為、有利にブタンジオールを製造することが出来る。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り実施例に限定されるものではない。なお、以下の「%」は「重量%」を表わす。
【0025】
実施例1
ブタジエンと酢酸をアセトキシ化触媒(Pd5重量%、Te/Pd原子比0.25、シリカ担体)の存在下、圧力8MPa、温度70〜85℃の条件で、窒素で希釈した空気を用いて連続的に反応させ、1,4−ジアセトキシブテン、1,2−ジアセトキシブテンを含む酢酸溶液を得た。この溶液を蒸留塔で蒸留し、酢酸及び高沸物を除去した後、水素添加し1,4−ジアセトキシブタン、1,2−ジアセトキシブタン等を含む混合物を得た。水素添加反応は、Pdを活性炭に担持した触媒を用い、圧力6MPa、温度50〜70℃で行い、得られた反応液を更にRuを担持した触媒を用いて、同一圧力、温度80〜90℃で含まれるカルボニル化合物を水素添加する事によって実施した。得られた反応液5800kg/hrを第2酢酸蒸留塔より回収した酢酸を含む水4430kg/hrと共に、強酸性イオン交換樹脂(三菱化学(株)製 SK1BH)35m3 を保持する第1反応器に送入し、50℃で加水分解を行った。加水分解反応液は、理論段10を有する第1蒸留塔で蒸留し、塔頂より酢酸を含む5430kg/hrの水を留出させ、塔底より4800kg/hrの生成物を得た。塔底より得た缶出液は、第3蒸留塔より回収した酢酸を含む水4230kg/hrと共に、強酸性イオン交換樹脂(同上)25m3 を保有する第2反応器に送入し、50℃で加水分解反応を行った。加水分解反応液は、理論段10を有する蒸留塔で蒸留し、塔頂より酢酸を含む4430kg/hrの水を留出させ第1反応器に送入した。塔底より4600kg/hrの缶出液を得た。塔底より得た缶出液は、未反応物分離塔の塔頂留分230kg/hr、中部側流1500kg/hr及び水3000kg/hrと共に、強酸性イオン交換樹脂(同上)25m3 を保有する第3反応器に送入し、50℃で加水分解反応を行った。加水分解反応液は、理論段10を有する蒸留塔で蒸留し、塔頂より酢酸を含む4230kg/hrの水を留出させ第1反応器に送入した。塔底より5100kg/hrの缶出液を得た。
【0026】
この缶出液は、1,2−ジアセトキシブタン0.2%、1,2−ブタンジオールのモノ酢酸エステル2.3%、1,2−ブタンジオール11.5%、1,4−ジアセトキシブタン6.8%、1−ヒドロキシ−4−アセトキシブタン36.6%、1,4−ブタンジオール41.7%を含有していた。
この加水分解生成物を、理論段96段の充填物を有するSUS316製の精製塔で蒸留した。蒸留は、塔頂圧力0.01MPa、還流比120で操作し、塔頂より1,2ジアセトキシブタン4.3%、1,2−ブタンジオールモノ酢酸エステル47.7%、1,2−ブタンジオール44.0%を含む留分230kg/hrを留去し、最上段から15段目に相当する部分より純度95%の1,2−ブタンジオール480kg/hrを上部側流として留出させ、最上段から25段目に相当する部分より1,4−ジアセトキシブタン12.5%、1−ヒドロキシ−4−アセトキシブタン67.3%、1,4−ブタンジオール19.0%を含有する中部側流2740kg/hrを留去した。塔頂留分230kg/hr及び中部側流の内1500kg/hrを第3加水分解反応器に供給し、中部側流の残部をTHFの原料としてTHF化工程に供給した。塔底からは1,4−ブタンジオール(純度99.5%)1600kg/hrを得た。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、従来焼却廃棄されていた粗1,2−ブタンジオールを簡便な方法で精製し、工業原料として利用可能な高純度の1,2−ブタンジオールを1,4−ブタンジオールと同時に製造すると共に、従来焼却廃棄されていた未反応の1,2−ジアセトキシブタン留分を加水分解工程に戻して酢酸及び粗1,2−ブタンジオールを回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のフローシート。
【符号の説明】
I 第1加水分解反応器
I′ 第1水酢酸分離塔
II 第2加水分解反応器
II′ 第2水酢酸分離塔
III 第3加水分解反応器
III ′ 第3水酢酸分離塔
IV 未反応物回収塔

Claims (2)

  1. 1,2−ジアセトキシブタン及び1,4−ジアセトキシブタンを含む混合物を加水分解反応に付し、引き続く蒸留によりブタンジオールを製造する方法において、同一の蒸留塔の上部から濃縮された1,2−ブタンジオールの酢酸エステル類を含む留分を留出させ、上部側流から高純度の1,2−ブタンジオールを留出させ、中部側流から濃縮された1,4−ブタンジオールの酢酸エステル類を含む留分を留出させ、且つ蒸留塔の下部側流又は缶出より高純度の1,4−ブタンジオールを得ると共に、該1,2−ブタンジオールの酢酸エステル類を含む留分及び該1,4−ブタンジオールの酢酸エステル類を含む留分の少なくとも一部を加水分解反応工程に循環する方法であって、高純度の1,2−ブタンジオールを抜き出す蒸留塔の上部側流が、蒸留塔の塔頂よりその理論段数の約1ないし2割下の段にあることを特徴とする1,2−ブタンジオール及び1,4−ブタンジオールの製造方法。
  2. 1,2−ジアセトキシブタン及び1,4−ジアセトキシブタンを含む混合物が、ブタジエン、酢酸及び分子状酸素をパラジウム系触媒の存在下で反応させ、次いで得られたジアセトキシブテン類を貴金属触媒の存在下に水素添加して得られたものである請求項1に記載の方法。
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