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JP3993373B2 - ポリオルガノシロキサン化合物及びそれを含有するコーティング組成物 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン化合物及びそれを含有するコーティング組成物 Download PDF

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JP3993373B2
JP3993373B2 JP2000280741A JP2000280741A JP3993373B2 JP 3993373 B2 JP3993373 B2 JP 3993373B2 JP 2000280741 A JP2000280741 A JP 2000280741A JP 2000280741 A JP2000280741 A JP 2000280741A JP 3993373 B2 JP3993373 B2 JP 3993373B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1分子中にシリコーンオイル連鎖構造とアルコキシ基及び/又はシラノール基を有するシリコーンレジン構造の両方を含有することを特徴とするポリオルガノシロキサン化合物及びこれを用いたコーティング用組成物に関し、より詳しくは、シリコーンレジンと相溶可能である新規なポリオルガノシロキサン化合物及びこれを用いたコーティング用組成物に関する。
【0002】
【従来技術】
今日、シリコーン樹脂は撥水性、耐熱性、耐候性、耐寒性、電気絶縁性、耐薬品性、身体に対する安全性等の性質に優れていることから様々な分野において広く使用されている。
【0003】
その内、SiO2単位(Q単位)やRSiO1.5単位(T単位)(Rはアルキル基、フェニル基等の有機基)を主成分とする3次元架橋構造を持つシリコーンレジンと呼ばれる物は、その硬化性を用いて塗料やバインター等に広く応用されている。特に、Si-OR基を架橋基とする液状の物は特許2137192号などに見られるように、可燃性で人体に有害な有機溶剤を含まない無溶剤型塗料の主剤として利用されている。また、このSi-OR基は空気中の湿気により室温で架橋反応が進むため、硬化に加熱が必要なく、この物を主剤として用いた塗料は現場施工が可能であるという利点もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなSi-0R型シリコーンレジンはその3次元架橋構造により、硬化性が良く、表面硬度が高いという長所を持つが、可撓性が不足し、塗膜にクラックが生じる場合がある。この可撓性を改良するために、シリコーンレジン合成時にジオルガノシロキサン(R2SiO)単位(D単位)を組み込む方法が採られているが、この場合、D単位はランダムに構造に組み込まれるため、可撓性を付与するためには多くのD単位を添加する必要があり、シリコーンレジンの長所である優れた硬化性や表面硬度が低下してしまうという問題点がある。
【0005】
また、D単位を連鎖構造の形でシリコーンレジンに添加するために、D単位の連鎖構造からなるシリコーンオイルの添加を試みても、シリコーンオイルのシリコーンレジンに対する相溶性が悪いために塗膜の白濁やハジキの原因となり、期待するようには添加することができない。
【0006】
更に、分子末端をTEOS(Si(OEt)4)で封鎖したシリコーンオイルを添加する方法(Polymeric Materia1s Science and Engineering, 1998, Vol.79, 192)も提案されているが、この場合もシリコーンレジンに対する相溶性は改良されておらず、塗膜の白濁やハジキの原因となる。
【0007】
アクリル樹脂やエポキシ樹脂などシリコーン以外の樹脂をシリコーンレジンに加えることにより可撓性を改良することも可能であるが、一般にこれらの樹脂は耐候性などがシリコーンよりも劣るため、得られた塗料の耐候性などが低下してしまう。
【0008】
そこで本発明の課題は、シリコーンレジンに相溶可能である、特定の構造を有するポリオルガノシロキサン化合物を提供することである。
また、別の課題は、このポリオルガノシロキサン化合物を利用し、シリコーンレジンの硬化性、表面硬度、耐候性などの特性を低下させずに、可撓性を向上させたコーティングを得ることができるコーティング用組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、以上に示した本発明の目的を達成するために鋭意研究を重ね、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は分子中にシリコーンオイル構造とアルコキシ基及び/又はシラノール基を有するシリコーンレジン構造を含み、シリコーンレジンに相溶可能なポリオルガノシロキサン化合物であり、下記ポリオルガノシロキサン(a1)とポリオルガノシロキサン(a2)とを、ヒドロシリル化反応触媒の存在下に反応させて得られるものである。
【0010】
(a1)ポリオルガノシロキサン:
平均組成式(1):
R1 aR2 bSi(OR3)cO(4-a-b-c)/2 (1)
〔ここで、R1は、置換もしくは非置換のアルキル基及びアリール基から選択された1種あるいは2種類以上の基、
R2は、脂肪族不飽和二重結合含有基、
R3は、水素原子及び炭素原子数1〜4のエーテル結合を有していてもよいアルキル基から選択された1種あるいは2種類以上の基、そして、
a、b及びcは、次の関係式:0≦a<1.5、0.01≦b≦1、0.5≦a+b≦1.8、0.01≦c≦2.5、及び1≦a+b+c≦3 を満たす数である。〕
で表され、1分子中に少なくとも1つの脂肪族不飽和二重結合を有するポリオルガノシロキサン。
【0011】
(a2)ポリオルガノシロキサン:
一般式(2):
【0012】
【化2】
Figure 0003993373
〔ここで、R1は、前記式(1)について定義した通りであり、
は、0〜1000の数である。〕
で表されるポリオルガノシロキサン。
【0013】
更に、本願の第2の発明は、
(α) 上記のポリオルガノシロキサン化合物 1〜70重量部と、
(β) R3O-Si基(R3は前記の通り)を含有するシラン化合物及び/又はシリコーンレジン 99〜30重量部と、
(但し、(α)と(β)の合計が100重量部となる。)
(γ) 硬化触媒 (α)成分と(β)成分の合計100重量部当り0.01〜50重量部
を含有してなることを特徴とするコーティング用組成物である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
−ポリオルガノシロキサン化合物−
本発明のオルガノポリシロキサン化合物は分子中にシリコーンオイル構造(直鎖状のシロキサン構造)とアルコキシ基及び/又はシラノール基を有するシリコーンレジン構造(分岐したシロキサン構造)を含み、シリコーンレジン(分岐したシロキサン構造よりなる)に相溶可能なものである。このオルガノポリシロキサン化合物の製造方法は、特に制限されないが、下記の2方法が好適である。
【0015】
第1の方法は、脂肪族不飽和二重結合へのSi-H基のヒドロシリル化反応を利用して、前記平均組成式(1)で表されるポリオルガノシロキサン(a1)と、前記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサン(a2)とを反応させる。
【0016】
ポリオルガノシロキサン(a1):
このポリオルガノシロキサン(a1)は、R1SiX3、R2SiX3を主成分とし、所要の構造に合わせてSiX4、R1 2SiX2、R1 3SiX,R2 2SiX2、R2 3SiX(ここで、R1、R2平均組成式(1)に関して定義の通りであり、本明細書でXは加水分解性基を表し、例えばハロゲン原子、-OR3基であり、R3平均組成式(1)に関し定義の通りである。)の1種又は2種以上を原料として使用し、溶剤、アルコール(R3OH;ここで、R3は上記の通り)を加えて酸あるいはアルカリ条件下で、加水分解性基Xに対して不足量の水を用いて加水分解、縮合して得られるものであり、当業者にはRO-Si型基含有シリコーンレジンとして公知の物である。
【0017】
平均組成式(1)中のR1は、置換もしくは非置換のアルキル基及びアリール基から選択された1種あるいは2種類以上の基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などの炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基などの炭素数6〜20のアリール基、トリフルオロプロピル基、3−アミノプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、3−メルカプトプロピル基などの置換基を含有する基などが挙げられる。入手が容易であること、及び本発明のポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際の硬化性や耐候性などから、特にメチル基が好ましい。
【0018】
また、R1の数を示すaの範囲としては0≦a≦1.5である。a>1.5ではポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際の硬化性や塗膜硬度が不足する。さらに、b及びcは、0.01≦b≦1、0.5≦a+b≦1.8、0.01≦c≦2.5、及び1≦a+b+c≦3 を満たす数である。
【0019】
R2は、ポリオルガノシロキサン(a1)を、ポリオルガノシロキサン(a2)との反応を行わせるために1分子中に少なくとも1つ必要である、脂肪族不飽和二重結合を有する基である。この不飽和二重結合含有基の具体例としては、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基などの脂肪族系のもの、2−シクヘキセニル基、3−シクヘキセニル基、2−ビニルシクロヘキシル基、3−ビニルシクロヘキシル基、4−ビニルシクロヘキシル基などの脂環式系のもの、2−ビニルフェニル基、3−ビニルフェニル基、4−ビニルフェニル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基などの芳香族系のもの、3−アリルオキシプロピル基、3−(メタ)アクリロキシプロピル基などの置換基を含有するものなどが挙げられるが、入手の容易さ、及びSi-H基との反応性からビニル基が望ましい。
【0020】
また、R2の数を示すbの範囲としては0.01≦b≦1である。b<0.01ではSi-H基との反応が十分に進行せず、b>1では反応物をシリコーンレジンに添加した際の硬化性や塗膜硬度が不足する。
【0021】
また、有機基(R1+R2)の合計a+bの範囲としては0.5≦a+b≦1.8である。a+b<0.5では得られた本発明のポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際の可撓性が不足し、a+b>1.8ではポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際の硬化性や塗膜硬度が不足する。
【0022】
R3は、水素原子及び炭素原子数1〜4のエーテル結合を有していてもよいアルキル基から選択された1種あるいは2種類以上の基である。これは、ポリオルガノシロキサン化合物のR0-Si基に対応する基であり、得られたポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際にシリコーンレジンとの硬化に使用される。具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などであるが、入手が容易であること、及び本発明のポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際の硬化性の面から、メチル基やエチル基が好ましい。
【0023】
また、基(OR3)の数を示すcの範囲は、0.01≦c≦2.5である。c<0.01では得られた本発明のオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際の硬化性や塗膜硬度が不足し、c>2.5では反応物をシリコーンレジンに添加した際の可撓性が不足する。
【0024】
更に、Si上の全置換基の合計a+b+cは、1≦a+b+c≦3である。a+b+c<1ではポリオルガノシロキサン(a1)が高分子量化しゲル化しやすいため、a+b+c>3ではポリオルガノシロキサン(a1)が低分子量体となり、得られたポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際に相溶性が悪くなる。
【0025】
また、ポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに相溶させるためにはこのポリオルガノシロキサン(a1)にある程度以上の重合度が必要であり、この平均重合度(m)は2〜1000が好ましく、更には5〜200であるものがより好ましい。m<2では得られたポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際に相溶性が悪くなることがあり、m>1000では合成が困難であることがあり、またポリオルガノシロキサン(a2)との反応性に乏しくなることがある。
【0026】
ポリオルガノシロキサン(a2):
特定の構造を有するポリオルガノシロキサン(a2)は、前記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサン化合物である。
【0027】
このポリオルガノシロキサン(a2)は、一般に両末端Si-H基含有シリコーンオイルとして呼ばれるものであり、当業者には公知のものである。
【0028】
R1は、ポリオルガノシロキサン(a1)を示す平均組成式(1)に関して定義の通りであり、置換もしくは非置換のアルキル基及びアリール基から選択された1種あるいは2種類以上の基である。これらの内、入手が容易であること、及び本発明のポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際の耐候性や可撓性の面から、特にメチル基が好ましい。
【0029】
また、シリコーンレジンの可撓性を向上させるためにはこのポリオルガノシロキサン(a2)にある範囲の重合度が必要である。そこで、式(2)において、は0〜1000が好ましく、更には5〜200であるものがより好ましい。が1000を超えるとポリオルガノシロキサン(a1)との反応性に乏しくなることがあり、また得られたポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際に相溶性が悪くなることがある。
【0030】
(a1)と(a2)との反応:
本発明では、ポリオルガノシロキサン(a1)に含まれる不飽和二重結合への、ポリオルガノシロキサン(a2)分子の両末端に含まれるSi-H基のヒドロシリル化反応を用いてポリオルガノシロキサン化合物を得る。これにより、ポリオルガノシロキサン化合物は、ポリオルガノシロキサン(a2)のシリコーンオイル直鎖構造の両末端にR0-Si基を有するポリオルガノシロキサン(a1)のシリコーンレジン構造が結合した形を持っている。
【0031】
このヒドロシリル化反応では通常Ni、Rh、Pd、Pt等の金属単体やその化合物、錯体が触媒として使用されているが、触媒活性が良いこと、及び均一系触媒であり取り扱いが容易であることからH2PtCl6・6H2OやPtのオレフィン錯体がよく使用されている。また、触媒の使用量は、有効量でよく、具体的には反応系全体に対して金属元素換算で0.1〜1000ppmの範囲である。これらの触媒は高価であること、着色の原因となる場合があることより反応に必要な最少の有効量であることが望ましい。
【0032】
このヒドロシリル化反応の温度には制限は特に無いが、通常、加熱によって反応速度が調節される。更に、相溶性の悪いシリコーンレジン成分:ポリオルガノシロキサン(a1)とシリコーンオイル成分:ポリオルガノシロキサン(a2)とを溶解しスムーズに反応を進行させるため、あるいは粘度を低下させて取り扱いを容易にするために、ヘキサン、ペンタン、トルエン、キシレンなどの溶媒を添加してもよい。
【0033】
本発明では、ポリオルガノシロキサン(a1)に含まれる不飽和二重結合のmol数とポリオルガノシロキサン(a2)に含まれるSi-H基のmol数との比が、不飽和二重結合/Si-H基=1〜10、好ましくは1.2〜5であることが好ましい。これは、ポリマー同士の反応であるため十分に反応させるためには片方の官能基が過剰である方が有利なこと、及び得られたポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際に相溶性に悪影響を与える未反応のシリコーンオイル成分、即ちポリオルガノシロキサン(a2)を残留させないためである。また、ポリオルガノシロキサン(a1)が1分子中に2つ以上の不飽和二重結合を持つ場合、このヒドロシリル化反応により増粘、ゲル化する可能性があるが、ポリオルガノシロキサン(a1)を過剰量用いることにより、このゲル化を防止することができる。
【0034】
また、本発明のオルガノポリシロキサン化合物は下記の方法によっても得ることができる。
【0035】
不飽和基へのSi-H基のヒドロシリル化反応を用いて、平均組成式(3):
R1 dHeSi(OR3)fO(4-d-e-f)/2 (3)
〔ここで、R1及びR3は、前記式(1)に関して定義した通り、
d、e、及びf は、次の関係式: 0≦d1.5、0.01≦e≦1、0.5≦d+e≦1.8、0.01≦f≦2.5、及び 1≦d+e+f≦3 を満たす数である。〕
で表され、1分子中に少なくとも1つのSi-H基を有するポリオルガノシロキサン(a3)と、一般式(4):
【0036】
【化3】
Figure 0003993373
〔ここで、R1及びR2は、前記式(1)に関して定義した通り、
pは、0〜1000の数である。〕
で表されるポリオルガノシロキサン(a4)とを反応させる。
【0037】
このポリオルガノシロキサン(a3)は、R1SiX3、HSiX3を主成分とし、所要の構造に応じてSiX4、R1 2SiX2、R1 3SiX、H2SiX2、H3SiX(これらの式中、Xは前記の通り)や溶剤、アルコール(R30H;R3は前記の通り)を加えて酸あるいは中性条件下で、加水分解性基Xに対して不足量の水を用いて加水分解、縮合して得られるものであり、当業者にはSi-H基含有シリコーンレジンとして公知の物である。
【0038】
R1は上記のポリオルガノシロキサン(a1)を表す平均組成式(1)に関して述べた通りであり、炭素原子数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基及び炭素原子数6の置換もしくは非置換のアリール基から選択された1種あるいは2種類以上の基である。具体例も既に述べた通りであり、特にメチル基が好ましい。
【0039】
dの範囲は0≦d≦1.5である。d>1.5ではポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際の硬化性や塗膜硬度が不足する。
【0040】
更に、ポリオルガノシロキサン(a4)との反応を行わせるために1分子中に少なくとも1つのSi-H基を有する必要があるため、eの範囲としては0.01≦e≦1である。e<0.01ではSi-H基との反応が十分に進行せず、e>1では反応生成物をシリコーンレジンに添加した際の硬化性や得られる塗膜硬度が不足する。
【0041】
また、有機基(R1)と水素原子との合計d+eの範囲は、0.5≦d+e≦1.8である。d+e<0.5では得られた本発明のポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際の可撓性が不足し、d+e>1.8ではポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際の硬化性や塗膜硬度が不足する。
【0042】
R3も上記のポリオルガノシロキサン(a1)を表す平均組成式(1)に関して述べたものと同様であり、水素原子、炭素原子数1〜4のエーテル結合を有していてもよいアルキル基から選択された1種あるいは2種類以上の基である。これは、ポリオルガノシロキサン化合物のR30-Si基に対応する基であり、得られたポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際にシリコーンレジンとの硬化に使用される。具体例も既に述べた通りであり、ポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際の硬化性の面から、メチル基やエチル基が好ましい。
【0043】
また、fの範囲としては0.01≦f≦2.5である。f<0.01では得られた本発明のオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際の硬化性や塗膜硬度が不足し、f>2.5では反応物をシリコーンレジンに添加した際の可撓性が不足する。
【0044】
更に、Si上の全官能基の合計d+e+fは、1≦d+e+f≦3である。d+e+f<1ではポリオルガノシロキサン(a3)が高分子量化しゲル化しやすいため、d+e+f>3ではポリオルガノシロキサン(a3)が低分子量体となり、得られたポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際に相溶性が悪くなる。
【0045】
また、ポリオルガノシロキサン(a4)をシリコーンレジンに相溶させるためにはこのポリオルガノシロキサン(a3)にある程度以上の重合度が必要であり、この平均重合度(q)は2〜1000が好ましく、更には5〜200であるものよりが好ましい。q<2では得られたポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際に相溶性が悪くなることがあり、q>1000では合成が困難であることがあり、またポリオルガノシロキサン(a4)との反応性が低下することがある。
【0046】
ポリオルガノシロキサン(a4):
ポリオルガノシロキサン(a4)は、前記一般式(4)で表されるポリオルガノシロキサンである。
このポリオルガノシロキサン(a4)は一般に両末端に不飽和二重結合を有するシリコーンオイルとして当業者には公知のものである。
【0047】
R1は、式(1)に関して定義した通り、置換もしくは非置換のアルキル基及びアリール基から選択された1種あるいは2種類以上の基である。具体例は式(1)に関して例示した通りであり、これらの内、入手が容易であること、及び本発明のポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際の耐候性や可撓性の面から、特にメチル基が好ましい。
【0048】
シリコーンレジンの可撓性を向上させるためにはこのポリオルガノシロキサン(a4)にある範囲の重合度が必要である。そこで、一般式(4)におけるpは平均で0〜1000が好ましく、更に5〜200がより好ましい。p>1000ではポリオルガノシロキサン(a3)との反応性に乏しくなることがあり、また得られたポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際に相溶性が悪くなることがある。
【0049】
ポリオルガノシロキサン(a4)の分子の両末端に存在する有機基R2はポリオルガノシロキサン(a1)を示す式(1)に関して定義した通りで、脂肪族不飽和二重結合含有基である。この不飽和二重結合含有基の具体例も式(1)に関して例示した通りであり、入手の容易さ、及びSi-H基との反応性からビニル基が望ましい。
【0050】
本発明では、ポリオルガノシロキサン(a4)分子の両末端に存在する脂肪族不飽和二重結合への、ポリオルガノシロキサン(a3)に含まれるSi-H基のヒドロシリル化反応を用いてポリオルガノシロキサン化合物を得る。これにより、ポリオルガノシロキサン化合物はポリオルガノシロキサン(a4)のシリコーンオイル連鎖構造の両末端にR0-Si基を有するポリオルガノシロキサン(a3)のシリコーンレジン構造が結合した形を持っている。
【0051】
このヒドロシリル化反応も、第1の方法のポリオルガノシロキサン化合物の合成について説明したと同様の触媒が使用され、反応温度や溶剤の添加などにも制限は特に無い。
【0052】
本発明では、ポリオルガノシロキサン(a3)に含まれるSi-H基のmol数とポリオルガノシロキサン(a4)に含まれる不飽和二重結合のmol数との比が、Si-H基/不飽和二重結合=1〜10、好ましくは1.2〜5であることが好ましい。これは、ポリマー同士の反応であるため十分に反応させるためには片方の官能基が過剰である方が有利なこと、及び得られたポリオルガノシロキサン化合物をシリコーンレジンに添加した際に相溶性に悪影響を与える未反応のシリコーンオイル成分、即ち、ポリオルガノシロキサン(a4)を残留させないためである。また、ポリオルガノシロキサン(a3)が1分子中に2つ以上のSi-H基を持つ場合、このヒドロシリル化反応により増粘、ゲル化する可能性があるが、ポリオルガノシロキサン(a3)を過剰量用いることにより、このゲル化を防止することができる。
【0053】
更に、本発明に係るポリオルガノシロキサン化合物においては、シリコーンレジン成分のSi原子(即ち、ポリオルガノシロキサン(a1)又は(a3)由来のSi原子)のmol数Mと、シリコーンオイル成分のSi原子(即ち、ポリオルガノシロキサン(a2)又は(a4)由来のSi原子)のmol数Nとの比、即ち、M/Nが0.1〜50であることが好ましく、更に0.3〜20であることがより好ましい。M/N<0.1ではシリコーンレジン成分の割合が少なすぎるため得られたポリオルガノシロキサン化合物(A)又は(B)をシリコーンレジンに添加した際に相溶性が悪くなることがある。M/Nの比が大きすぎても、シリコーンオイル成分の割合が少ないためシリコーンレジンに添加した際に可撓性の向上性が望めない。
【0054】
また、本発明のポリオルガノシロキサン化合物中のSi原子の数は5〜2,000、特に10〜400個であることが好ましい。
【0055】
また、本発明のポリオルガノシロキサン化合物が含有するアルコキシ基及びシラノール基以外のケイ素原子に結合した置換基の内、80mol%以上がメチル基であるものが、シリコーンレジンに添加した際の硬化性や塗膜硬度、可撓性、耐候性の面から好ましい。
【0056】
−コーティング用組成物−
(α) 上述したポリオルガノシロキサン化合物 1〜70重量部と、
(β) R3O-Si基(R3は前記の通り)を含有するシラン化合物及び/又はシリコーンレジン 99〜30重量部と、
(但し、(α)と(β)の合計が100重量部となる。)
(γ) 硬化触媒 (α)成分+(β)成分の合計100重量部当り0.01〜50重量部
を含有してなることを特徴とするコーティング用組成物である。
【0057】
(α)成分として使用されるポリオルガノシロキサン化合物は、この組成物の硬化物に可撓性を付与する成分である。その添加量は1〜70重量部であり、好ましく 2〜50重量部である。重量部未満では可撓性の向上が十分でない。
【0058】
(β)成分である、R3O-Si基を含有するシラン化合物又はシリコーンレジン又はこれらの混合物は、このコーティング組成物の骨格部分となる成分である。その添加量は99〜30重量部であり、好ましく 98〜50重量部である。99重量部を越えるとポリオルガノシロキサン(A)、(B)の添加割合が少なくなるため可撓性の向上性が望めない。
【0059】
(β)成分のR3O-Si基を含有するシラン化合物はコーティング用組成物が硬化する際、加水分解、縮合してシリコーンレジンとなる成分であり、例えばR4Si(OR3)3、Si(0R3)4、R4 2Si(0R3)2、R4 3SiOR3 が挙げられ、通常、R4Si(OR3)3を主成分とし、所望の分子構造に合わせて必要に応じてSi(0R3)4、R4 2Si(0R3)2、R4 3SiOR3の1種又は2種以上を含むものである。
【0060】
上記に例示のシラン化合物において、有機基R4は、炭素原子数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素原子数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基、水素原子、及び脂肪族不飽和二重結合含有基から選択された1種あるいは2種類以上の基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−デシル基、n−オクタデシル基などのアルキル基;フェニル基などのアリール基;トリフルオロプロピル基、パーフルオロオクチルエチル基、3−アミノプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、3−メルカプトプロピル基などの置換基を含有する基、水素原子、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基などの脂肪族系不飽和基、2−シクヘキセニル基、3−シクヘキセニル基、2−ビニルシクロヘキシル基、3−ビニルシクロヘキシル基、4−ビニルシクロヘキシル基などの脂環式系不飽和基、2−ビニルフェニル基、3−ビニルフェニル基、4−ビニルフェニル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基などの芳香族系不飽和基、3−アリルオキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基やポリオキシエチレン含有基などの置換基を含有するものなどが挙げられる。入手が容易であること、及びコーティング組成物の硬化性や耐候性などが良いことから、特にメチル基が好ましい。なお、ポリオルガノシロキサン(a1)、(a3)とは異なり、脂肪族不飽和二重結合やSi-H基を必ずしも含んでいる必要はない。
【0061】
また、上記シラン化合物中のR3は、平均組成式(1)に関して定義した通り、水素原子及び炭素原子数1〜4の置換もしくは非置換のエーテル結合を有していてもよいアルキル基から選択された1種あるいは2種類以上の基である。具体例も上述の通りであり、入手が容易であること、及びコーティング用組成物の硬化性の面から、メチル基及びエチル基が好ましい。
【0062】
このようなシラン化合物の例として具体的には、Si(0Me)4、MeSi(0Me)3、Me2Si(0Me)2、Me3Si0Me、Si(OEt)4、MeSi(OEt)3、Me2Si(OEt)2、Me3SiOEt、EtSi(OMe)3、Et2Si(OMe)2、Et3SiOMe、EtSi(OEt)3、Et2Si(OEt)2、Et3SiOEt、n-PrSi(0Me)3、(n-Pr)2Si(0Me)2、(n-Pr)3SiOMe、n-PrSi(OEt)3、(n-Pr)2Si(OEt)2、(n-Pr)3SiOEt、PhSi(0Me)3、Ph2Si(0Me)2、Ph3SiOMe、PhSi(OEt)3、Ph2Si(OEt)2、Ph3SiOEtなどが挙げられる(式中、Meはメチル基、Etはエチル基、n-Prはn-プロピル基、Phはフェニル基を示す。)。
【0063】
R3O-Si基を含有するシリコーンレジンとしては、平均組成式(5):
R4 gSi(OR3)hO(4-g-h)/2 (5)
〔ここで、R3及びR4は前記の通りであり、gは0.5≦g<2.0の範囲が好ましい数であり、hは0.01≦h≦2.5が好ましい数である。 〕
で示されるものであり、R0-Si基含有シリコーンレジンとして当業者には公知のものである。
【0064】
有機基R3、R4については、コーティング組成物の硬化性や得られる硬化塗膜の耐候性などが良いことから、R4は特にメチル基が好ましく、R3はメチル基及びエチル基が好ましい。なお、ポリオルガノシロキサン(a1、a3)とは異なり、不飽和基二重結合含有基やSi-H基を必ずしも含んでいる必要はない。
【0065】
また、gの範囲としては特に制限はないが、0.5≦g<2.0が好ましい。gが小さすぎるとコーティングの可撓性が不足しがちであり、gが大きすぎると組成物の硬化性や得られる塗膜の硬度が不足することがある。また、hの範囲としても特に制限はないが、0.01≦h≦2.5が好ましい。小さすぎると組成物の硬化性及び得られる塗膜硬度が不足しがちで、大きすぎると得られる塗膜の可撓性が不足することがある。更に、このシリコーンレジンの平均重合度(r)にも特に制限はないが、r>1000では合成が困難であるため、通常2〜1000である。
【0066】
また、コーティング用組成物の粘度を変えて作業性を良くするためや、組成物の硬化性、得られる塗膜の硬度、可撓性などをコントロールするために、これらR3O-Si基を含有するシラン化合物やシリコーンレジンを混合して用いてもよい。
【0067】
硬化触媒(γ)は、(α)成分のポリオルガノシロキサン化合物と、(β)成分のR3O-Si基を含有するシラン化合物及び/又はシリコーンレジンとに含まれるR3O-Si基を空気中の水分で加水分解、縮合し、このコーティング用組成物を硬化させる成分である。その添加量は(α)成分+(β)成分の合計100重量部に対して0.01〜50重量部であり、更には0.05〜10重量部であることがより好ましい。0.01重量部未満では組成物の硬化性が低く、50重量部を越えるとコーティング組成物の硬化性は変わらないため無駄となるか、あるいは逆に硬化性が低下する。
【0068】
このような硬化触媒(γ)として具体的には、HCl、H2SO4、H3PO4、CH3SO3Hのような酸触媒;NaOH、KOH、CH3ONa、CH30K、CH3COONa、CH3C0OKのようなアルカリ金属化合物;NH3;EtNH2、Et2NH、Et3N、DBU、H2NC3H6Si(OMe)3のアミン系化合物;Al(acac)3、Al(O-i-Pr)3、Al(ClO4)3、Ti(O-i-Pr)4、Ti(O-i-Bu)4、Bu2Sn(acac)2、Bu2Sn(C7H15COO)2のようなAl系、Ti系、Sn系の金属触媒などが挙げられる。
【0069】
本発明のコーティング用組成物は、スプレー、はけ塗り等の公知の方法により各種の基材に塗布され、空気中の水分と接触することにより硬化反応がスタートする。この時の水分は空気中の湿気で充分であるが、積極的に水と接触させることでも構わない。このコーティング用組成物の硬化条件は、常温でも良好に進行し、また300℃以下の加熱処理を行っても構わない。特に、現場施工などで室温硬化させる場合でも、本発明のコーティング組成物は硬化速度が良好であるため、数時間でベタツキがなくなり、作業性に優れている。また、加熱硬化のように空気中の湿気だけでは水分が不足する条件下では、(β)成分として、R3O-Si基だけでなくSi-0H基も持つシリコーンレジンを使用することで、十分に硬化させることが可能である。
【0070】
また、本発明のコーティング用組成物を使用する場合には、使用目的に応じて、接着性改良剤、無機及び有機の紫外線吸収剤、保存安定性改良剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤、顔料等の各種添加剤を添加することができる。なお、本発明のコーティング用組成物は、基本的には可燃性で人体に有害な有機溶剤を含まない無溶剤型のコーテイング剤ではあるが、その用途や作業性の面から溶剤を加えて用いても構わない。
【0071】
更に、基材としては、各種の金属素材や加工品、木材、石材、スレート類、モルタル類、ガラス類、セラミックス類、プラスチック製品、瓦、有機樹脂塗膜製品など広範囲な用途に用いることができる。
【0072】
−作用−
通常、シリコーンオイル成分、即ち、本発明の場合のポリオルガノシロキサン(a2)、(a4)はシリコーンレジン(β)と相溶しないため、コーティング用組成物として安定で均一なものを得ることはできない。しかし、本発明のポリオルガノシロキサン化合物はシリコーンレジン成分であるポリオルガノシロキサン(a1)、(a3)と、シリコーンオイル成分であるポリオルガノシロキサン(a2)、(a4)とがヒドロシリル化反応を用いて結合させてあるため、シリコーンレジン成分であるポリオルガノシロキサン(a1)、(a3)部分との相溶性の悪さを回避する事ができた。こうして、シリコーンオイル成分(シリコーン化合物(a2、a4))由来の柔軟なシリコーンオイル構造により、組成物の硬化物に可撓性が付与される。また、ポリオルガノシロキサン化合物は、シリコーンレジン成分であるポリオルガノシロキサン(a1)、(a3)由来のR3O-Si基を持ち、この組成物の硬化に積極的に参加するため、このコーティング用組成物の特徴である硬化速度と塗膜硬度に悪影響を与えることがない。
【0073】
【実施例】
以下本発明のポリオルガノシロキサン化合物及びそれを含有するコーティング組成物を実施例により説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0074】
以下の記述において、「部」は「重量部」を意味し、重量平均分子量及びシリコーン組成は次のようにして求めた。
・重量平均分子量
重量平均分子量(以下Mw)は、東ソー製GPC装置を使用し、溶剤としてトルエン、検出器としてRIを用いて算出されたポリスチレン換算の値である。
・シリコーン組成
各生成物の組成は、日本電子社製300MHz-NMR測定装置を用いて、1H-NMR及び29SiNMRから算出した。
【0075】
調製例1
21の3口フラスコにMeSi(0Me)3 1158g、ViMeSi(OMe)2 198gを加え攪拌下25℃で0.05N−塩酸水 188gを滴下し、68℃で2時間加水分解縮合した。これを120℃まで加熱して副生メタノールを除き、濾過を行い、850gの無色透明の液体、シリコーンレジン成分(R1)を得た。(なお、ここで、Meはメチル基、Viはビニル基を表す。)
得られたシリコーンレジン成分(R1)の平均組成はMe1.00Vi0.14SiO1.13(0Me)0.61、Mw=1740、平均重合度m=21であった。
【0076】
調製例2
500mLの3口フラスコにシリコーンレジン成分(R1)259g、シリコーンオイル成分として両末端Si-H基のジメチルシロキサンオイルH−[Me2SiO]19-Me2Si-H 125g、Pt系触媒のCAT-PL-50T(信越化学工業製)1.5gを加え、80℃で8時間ヒドロシリル化反応を行い、IR分析によりSi-H基の消失を確認した。これを120℃、10mmHgで2時間減圧ストリップし、濾過を行い、360gの無色透明の液体、ポリオルガノシロキサン化合物(A1)を得た。
【0077】
調製例3
500mLの3口フラスコにシリコーンレジン成分(R1)198g、シリコーンオイル成分として両末端Si-H基のジメチルシロキサンオイルH−[Me2SiO]40-Me2Si-H 200g、Pt系触媒のCAT-PL-50T(信越化学工業製)1.5gを加え、80℃で8時間ヒドロシリル化反応を行い、IR分析によりSi-H基の消失を確認した。これを120℃、10mmHgで2時間減圧ストリップし、濾過を行い、380gの無色透明の液体、ポリオルガノシロキサン化合物(A2)を得た。
【0078】
調製例4
21の3口フラスコにMeSi(OMe)31090g、ViMeSi(0Me)2264gを加え攪拌下25℃で0.05N−塩酸水151gを滴下し、68℃で2時間加水分解縮合した。これを120℃まで加熱して副生メタノールを除き、濾過を行い、920gの無色透明の液体、シリコーンレジン成分(R2)を得た。
得られたシリコーンレジン成分(R2)の平均組成はMe1.00Vi0.19SiO0.73(0Me)1.36、Mw=550、平均重合度m=5.4であった。
【0079】
調製例5
500mLの3口フラスコにシリコーンレジン成分(R2)388g、シリコーンオイル成分として両末端Si-H基のジメチルシロキサンオイルH−[Me2SiO]4.9-Me2Si-H 100g、Pt系触媒のCAT-PL-50T(信越化学工業製)1.5gを加え、80℃で8時間ヒドロシリル化反応を行い、IR分析によりSi-H基の消失を確認した。これを120℃、10mmHgで2時間減圧ストリップし、濾過を行い、468gの無色透明の液体、ポリオルガノシロキサン化合物(A3)を得た。
【0080】
調製例6
500mLの3口フラスコにシリコーンレジン成分(R2)78g、シリコーンオイル成分として両末端Si-H基のジメチルシロキサンオイルH−[Me2SiO]98-Me2Si-H 300g、Pt系触媒のCAT-PL-50T(信越化学工業製)1.5gを加え、80℃で8時間ヒドロシリル化反応を行い、IR分析によりSi-H基の消失を確認した。これを120℃、10mmHgで2時間減圧ストリップし、濾過を行い、355gの無色透明の液体、ポリオルガノシロキサン化合物(A4)を得た。
【0081】
調製例7
21の3口フラスコにMeSi(OMe)31342g,ViMeSi(OMe)220gを加え攪拌下25℃で0.05N−塩酸水225gを滴下し、68℃で2時間加水分解縮合した。これを120℃まで加熱して副生メタノールを除き、濾過を行い、743gの無色透明の液体、シリコーンレジン成分(R3)を得た。
得られたシリコーンレジン成分(R3)の平均組成はMe1.00Vi0.01SiO1.27(0Me)0.45、Mw=8200、平均重合度m=l06であった。
【0082】
調製例8
500mLの3口フラスコにシリコーンレジン成分(R3)282g、シリコーンオイル成分として両末端Si-H基のジメチルシロキサンオイルH−[Me2SiO]98-Me2Si-H 100g、Pt系触媒のCAT-PL-50T(信越化学工業製)1.5gを加え、80℃で8時間ヒドロシリル化反応を行い、IR分析によりSi-H基の消失を確認した。これを120℃、10mmHgで2時間減圧ストリップし、濾過を行い、352gの無色透明の液体、ポリオルガノシロキサン化合物(A5)を得た。
【0083】
調製例9
500mLの3口フラスコにViSi(OMe)347g、シリコーンオイル成分として両末端Si-H基のジメチルシロキサンオイルH−[Me2SiO]40-Me2Si-H 400g、Pt系触媒のCAT-PL-50T(信越化学工業製)1.5gを加え、80℃で4時間ヒドロシリル化反応を行い、IR分析によりSi-H基の消失を確認した。これを120℃、10mmHgで2時間減圧ストリップし、濾過を行い、370gの無色透明の液体、ポリオルガノシロキサン化合物(A'2)(MeO)3Si-C2H4−[Me2SiO]40−Me2Si-C2H4-Si(OMe)3を得た。
【0084】
調製例10
2Lの3口フラスコにMeSi(0Me)3954g、Me2Si(0Me)2361gを加え攪拌下25℃で0.05N−塩酸水190gを滴下し、68℃で2時間加水分解縮合した。これを120℃まで加熱して副生メタノールを除き、濾過を行い、790gの無色透明の液体、シリコーンレジン(β')を得た。
得られたシリコーンレジン(β')の平均組成はMe1.28SiO1.07(0Me)0.58、Mw=1900、平均重合度m=23であり、シリコーンレジン成分にジメチルシロキサン単位(D単位)がランダムに組み込まれている。
【0085】
調製例11
2Lの3口フラスコにMeSi(0Me)31905gを加え攪拌下25℃で0.05N−塩酸水180gを滴下し、68℃で2時間加水分解縮合した。これを120℃まで加熱して副生メタノールを除き、濾過を行い、875gの無色透明の液体、シリコーンレジン(β1)を得た。 得られたシリコーンレジン(β1)の平均組成はMe1.00SiO1.03(0Me)0.95、Mw=1500、平均重合度o=17であった。
【0086】
実施例1
シリコーンレジン(β1)90部に調製例2のポリオルガノシロキサン化合物(A1)10部とTi(O-i-Bu)42部を攪拌下で混合して組成物を得た。得られた組成物を表面が清浄な磨き鋼板の表面に、硬化後の膜厚が約60μmになるように塗工し、室温で1週間放置して硬化させた。
【0087】
組成物及び硬化被膜については次のような評価を行った。結果を表1に示す。
・組成物溶液の外観
得られた組成物の溶液を肉眼で観察し、無色透明であるものを良好とし、白濁しているものを白濁と示した。
・塗膜の外観
得られた塗膜を肉眼で観察し、無色透明であるものを良好とし、白濁しているものを白濁と示した。
・乾燥性
組成物を磨き鋼板に塗布して得た試験片を室温に放置し、塗布表面を指で圧しても指に付着性が無くなるまでの時間を示した。
・塗膜硬度
硬化塗膜を形成した試験片をJIS K 5400記載の鉛筆引っかき試験法で測定し、その結果を示した。
・可撓性
硬化塗膜を形成した試験片をJIS K 5400記載の屈曲試験機を用いて、心棒の直径10mmφの丸棒を介して屈曲させた。塗膜面に異常がない場合を○、ヒビ割れや剥離など異常が見られたものを×と示した。
【0088】
実施例2〜7、比較例1〜6
各例において、表1又は表2に示す配合で組成物を調製し、実施例1と同様にして硬化させた。組成物及び硬化塗膜について実施例1と同様の評価を行った。
なお、比較例2〜3で使用したシリコーンオイル(A'1)は、式:Me−[Me2SiO]40SiMe3で表される構造を有するものである。
【0089】
評価結果
実施例1〜7の結果から判るように、本発明で(α)成分として使用されるポリオルガノシロキサン化合物(A1〜A5)はシリコーンオイル連鎖構造を持つにもかかわらず、シリコーンレジン(β1)に完全に相溶する。その結果、組成物溶液、硬化塗膜とも無色透明で均質な構造の塗膜が得られたことがわかり、塗膜は硬度及び可撓性に優れるものであった。
【0090】
一方、シリコーンレジン成分(β1)のみで本発明による(α)成分を欠く場合(比較例1)には、可撓性が著しく劣るものであった。また、シリコーンレジン構造を持たない(レジン部分の重合度 m<2)のシリコーンオイルを本発明の(α)成分に代えて使用した場合(比較例2〜5)には、これらのシリコーンオイルがシリコーンレジン(β1)に相溶しないため混合液が白濁し、ハジキによって塗布できないか、塗布できても塗膜は白濁し、更に、硬化阻害より塗膜硬度が低下した。
【0091】
本発明によるポリオルガノシロキサンは、このように可撓性の乏しいシリコーンレジンに乾燥性や塗膜硬度をほとんど低下させずに可撓性を付与することができる。
また、シリコーンレジンにD単位を連鎖構造ではなくランダムに組み込んだ比較例6では、塗膜外観は良好だが、乾燥性や塗膜硬度が低下した上に可撓性の向上も実現できなかった。
【0092】
【表1】
Figure 0003993373
【0093】
【表2】
Figure 0003993373
【0094】
【発明の効果】
本発明によるポリオルガノシロキサン化合物は分子中にシリコーンオイル由来の構造とシリコーンレジン由来の構造を有する新規な構造を有している。
このポリオルガノシロキサン化合物とシリコーンレジンとを必須の成分として含有する本発明のコーティング組成物は、シリコーンレジンの硬化性、表面硬度、耐候性などの優れた特性を維持しつつ、可撓性にも顕著に優れたものである。

Claims (10)

  1. (α)下記レジン状ポリオルガノシロキサン(a1)と直鎖状ポリオルガノシロキサン(a2)とを、ヒドロシリル化反応触媒の存在下に付加反応させて得られる、分子中にレジン状ポリオルガノシロキサン(a1)由来の構造と直鎖状ポリオルガノシロキサン(a2)由来の構造を有するポリオルガノシロキサン化合物 1〜70重量部と、
    (β) R3O-Si基(R3は水素原子及び炭素原子数1〜4のエーテル結合を有していてもよいアルキル基から選択された1種あるいは2種類以上の基)を含有するシラン化合物及び/又はシリコーンレジン 99〜30重量部と、
    (但し、(α)と(β)の合計が100重量部となる。)
    (γ) 硬化触媒 (α)成分+(β)成分の合計100重量部当り0.01〜50重量部
    を含有してなることを特徴とするコーティング用組成物。
    (a1)レジン状ポリオルガノシロキサン:
    R1SiX3及びR2SiX3のすくなくとも一方を主成分とし、所要の構造に合わせてSiX4、R1 2SiX2、R1R2SiX2、R1 3SiX、R2 2SiX2及びR2 3SiX
    〔ここで、R1は、フッ素原子、アミノ基、グリシドキシ基もしくはメルカプト基により置換されもしくは非置換のアルキル基及びアリール基から選択された1種あるいは2種類以上の基、
    R2は、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−シクヘキセニル基、3−シクヘキセニル基、2−ビニルシクロヘキシル基、3−ビニルシクロヘキシル基、4−ビニルシクロヘキシル基、2−ビニルフェニル基、3−ビニルフェニル基、4−ビニルフェニル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、3−アリルオキシプロピル基、及び3−(メタ)アクリロキシプロピル基から選ばれる脂肪族不飽和二重結合含有基、
    Xは加水分解性基である-OR3を表す。〕
    の1種又は2種以上を酸あるいはアルカリの存在下で加水分解性基Xに対して不足量の水を用いて加水分解、縮合して得られ、かつ平均組成式(1):
    R1 aR2 bSi(OR3)cO(4-a-b-c)/2 (1)
    〔ここで、R1、R2及びR3は、前記の通り、そして、
    a、b及びcは、次の関係式:0≦a≦1.5、0.01≦b≦1、0.5≦a+b≦1.8、0.01≦c≦2.5、及び1≦a+b+c≦3 を満たす数である。 〕
    で表され、1分子中に少なくとも1つの脂肪族不飽和二重結合を有するポリオルガノシロキサン。
    (a2)直鎖状ポリオルガノシロキサン:
    一般式(2):
    Figure 0003993373
    〔ここで、R1は、前記式(1)について定義した通りであり、
    yは、0〜1000の数である。〕
    で表されるポリオルガノシロキサン。
  2. 前記レジン状ポリオルガノシロキサン(a1)の合成において加水分解に供される単量体シラン化合物が、R1SiX3及びR2SiX3のすくなくとも一方を主成分とし、所要の構造に合わせてSiX4、R1 2SiX2、ViMeSi(OMe)2、R1 3SiX、R2 2SiX2及びR2 3SiX
    〔ここで、R1、R2及びXは前記の通りであり、Viはビニル基、Meはメチル基を表す。〕
    の1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 前記レジン状ポリオルガノシロキサン(a1)の合成において加水分解に供される単量体シラン化合物が、R1SiX3を主成分とし、所要の構造に合わせてSiX4、R1 2SiX2、ViMeSi(OMe)2、R1 3SiX、R2 2SiX2及びR2 3SiX
    〔ここで、R1、R2及びXは前記の通りであり、Viはビニル基、Meはメチル基を表す。〕
    の1種又は2種以上であることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
  4. (α)成分のポリオルガノシロキサン化合物において、直鎖状ポリオルガノシロキサン(a2)由来の構造のケイ素原子のモル数(N)とレジン状ポリオルガノシロキサン(a1)に由来する構造のケイ素原子のモル数(M)の割合M/Nが0.1〜50であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 該ポリオルガノシロキサン化合物が含有するアルコキシ基及びシラノール基以外のケイ素原子に結合した置換基の内、80mol%以上がメチル基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. (β)成分のR3O-Si基を含有するシラン化合物が、R4Si(OR3)3、Si(0R3)4、R4 2Si(0R3)2、及びR4 3SiOR3(ここで、R3は前記の通りであり、R4は、炭素原子数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素原子数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基、水素原子、及び脂肪族不飽和二重結合含有基から選択された1種あるいは2種類以上の基である。)の1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  7. (β)成分のR3O-Si基を含有するシラン化合物が、R4Si(OR3)3を主成分とし、所望の分子構造に合わせて必要に応じてSi(0R3)4、R4 2Si(0R3)2、R4 3SiOR3の1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項6記載の組成物。
  8. (β)成分のR3O-Si基を含有するシリコーンレジンが、平均組成式(5):
    R4 gSi(OR3)hO(4-g-h)/2 (5)
    〔ここで、R 3 前記の通りであり、 は炭素原子数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素原子数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基、水素原子、及び脂肪族不飽和二重結合含有基から選択される少なくとも1種の基及び/又は原子であり、gは0.5≦g<2.0の範囲の数であり、hは0.01≦h≦2.5の数である。〕
    で示されるものであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  9. 硬化触媒(γ)が、酸触媒、アルカリ金属化合物、NH3、アミン系化合物、並びにAl系、Ti系及びSn系の金属触媒からなる群から選ばれたものである請求項1−8のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
  10. 請求項1−9のいずれか1項に記載のコーティング用組成物の硬化被膜を基材上に形成してなる物品。
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