JP3970065B2 - 廃棄物処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物処理装置に係り、具体的には、廃棄物の熱分解ガス等を燃焼した燃焼排ガスを処理して捕捉される飛灰中の有害物の安定化処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物処理装置として、熱分解炉により廃棄物を熱分解し、燃焼溶融炉により熱分解ガスを燃焼するとともに、熱分解ガスに同伴された不燃固形物等を溶融処理し、その燃焼溶融炉から排出される燃焼排ガスの熱を廃熱ボイラなどの熱回収手段により回収するものが知られている。このような燃焼溶融炉から排出される燃焼排ガス中に同伴する飛灰は、廃熱ボイラなどの熱回収手段に重力沈降や慣性集じん作用により捕集される。この捕集された飛灰には、廃棄物に含まれていた鉛などの有害金属が含まれることから、例えば、埋め立て処分する場合は、それらの有害金属の溶出を抑える安定化処理が必要である。
【0003】
そこで、従来は、熱回収手段の下流側に設けられた燃焼排ガス中の塩素ガスを除去するバグフィルタ式脱塩装置から排出される脱塩残渣に、熱回収手段に捕集される飛灰を混ぜてキレート剤により処理することが提案されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、熱回収手段に捕集される飛灰を脱塩残渣に混ぜてキレート剤により安定化処理すると、溶出液のpHが高くなり(例えば、12以上)、鉛(Pb)が溶出し易くなるという問題があった。
【0005】
特に、熱回収手段に捕集される飛灰の中でも、1mm以上の粒径の飛灰は、Pb濃度が高く、かつPbが溶出し易いことが判明した。
【0006】
また、脱塩残渣に混ぜなくても、熱回収手段に捕集される飛灰にセメントを添加すると、溶出液のpHが12以上になって、Pbが溶出し易くなることが判明した。
【0007】
そこで、本発明は、廃棄物処理装置の熱回収手段で捕集される飛灰の処理を改善して、有害物質の溶出を抑えることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の廃棄物処理装置は、廃棄物を熱分解する熱分解炉と、該熱分解炉から排出される熱分解ガスを燃焼するとともに、少なくとも該熱分解ガスに同伴された不燃固形物を溶融する燃焼溶融炉と、該燃焼溶融炉から排出される燃焼排ガスの熱を回収する熱回収手段とを備えてなり、前記熱回収手段に沈降した飛灰を分級する篩と、該篩の篩上の沈降飛灰を前記燃焼溶融炉に投入して溶融させる飛灰還流手段と、前記篩の篩下に薬剤を添加して有害物を処理する薬剤処理手段とを設けたことを特徴とする。
【0009】
すなわち、本発明は、熱回収手段により捕捉された飛灰は、粒径の大きいものを含むため、薬剤処理をしてもPbなどの有害金属の溶出を抑えることが困難な場合が多いことに着眼してなされたものである。そこで、熱回収手段により捕捉された飛灰を篩により分級し、薬剤処理により安定化することができる小さな粒径のものにのみ薬剤処理を施して安定化し、埋め立て等の最終廃棄物とする。一方、篩上は、燃焼溶融炉に戻して循環させることにより、その過程で溶融化又は微細化され、処理が不要な形態又は薬剤処理し易くすることを特徴とする。これにより、使用する薬剤の量も低減できる。なお、薬剤処理は、キレート剤を用いるキレート処理が一般的であり、キレート処理により錯体を形成してPbなどの有害金属の流出を抑える。
【0010】
ここで、篩の目開き、すなわち目幅は1mm〜7mmが好ましく、さらに5mmが好ましい。また、熱回収手段に沈降した飛灰の搬送路に、飛灰を飛灰還流手段と篩のいずれか一方に切替え供給する切替ダンパを設け、熱回収手段から排出される燃焼排ガス中の硫黄酸化物又は塩化水素の濃度が設定値以上のとき、切替えダンパを篩側に切替えることが好ましい。つまり、飛灰中のPb等の濃度は、排ガス中の硫黄酸化物や塩化水素の濃度と一定の相関を有することから、排ガス中の硫黄酸化物や塩化水素の濃度を分析することにより、飛灰中のPb等の濃度を推定することができる。そこで、飛灰中のPb等の濃度が低い場合は、捕集した飛灰を燃焼溶融炉に循環して溶融スラグ化することを狙い、飛灰中のPb等の濃度が濃縮された場合は、循環を停止して系外へ排出する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の廃棄物処理装置の全体系統構成図である。図に示すように、熱分解ドラム1は、両端を閉塞された2重構造の筒状容器であり、一端を他端より少し高くすることにより傾斜させて設けられている。この一端側に適宜破砕された廃棄物3の投入口が設けられ、他端側に廃棄物3を熱分解して生成される熱分解ガスの流出口と熱分解残渣の排出口とが設けられている。熱分解ドラム1の内筒に廃棄物を搬送するスクリューフィーダが設けられ、内筒と外筒の間に軸芯と平行となる多数のパイプが配設され、パイプ内を熱分解の熱源である高温空気が他端側から一端側に向けて通流するようになっている。
【0012】
燃焼溶融炉5は、熱分解ドラム1から排出される熱分解ガスが供給され、ここにおいて燃焼されるとともに、同ガス中に含まれる不燃固形物が溶融されてスラグ7として排出されるようになっている。
【0013】
高温空気加熱器9は、燃焼溶融炉5の後流に位置され、燃焼溶融炉5から排出される燃焼排ガスと空気とを熱交換させ、燃焼排ガスの熱を回収して高温空気を生成するようになっている。高温空気は、熱分解ドラム1における熱分解の熱源として熱分解ドラム1に循環供給するようになっている。熱分解ドラム1に送られた高温空気は、廃棄物を加熱して熱分解させた後、再び高温空気加熱器9に戻って加熱されるようになっている。
【0014】
廃熱ボイラ11は、高温空気加熱器9の後流に位置され、高温空気加熱器9から排出される燃焼排ガスが通流される。廃熱ボイラ11には、水が通流される伝熱管が配設されており、燃焼排ガスの熱を回収して蒸気13を生成し、図示していない発電装置に送るようになっている。
【0015】
減温塔15は、廃熱ボイラ11から排出される燃焼排ガスに水を噴霧して、温度を下げるようになっている。減温塔15で温度が下げられた燃焼排ガスは、除塵バグフィルタ17に導かれ、飛灰が捕集されるようになっている。除塵バグフィルタ17により除塵された燃焼排ガスは、脱塩用バグフィルタ19に導かれ、脱塩剤との反応により燃焼排ガス中に含まれる塩化水素が取り除かれる。脱塩用バグフィルタ19から排出される燃焼排ガスは、誘引送風機21を介して煙突23から大気25に放出される。
【0016】
高温空気加熱器9と廃熱ボイラ11の熱回収手段で捕捉される飛灰は、管路を経て切替ダンパ27に搬送される。切替ダンパ27は、搬送されてくる飛灰の搬送先を切り替えるもので、一方の搬送先は燃焼溶融炉5であり、他方の搬送先は篩31である。この切替えは、除塵バグフィルタ17と脱塩用バグフィルタ19との間を通流する燃焼排ガス中の硫黄酸化物を分析する分析計29の分析値に応じて、図示しない制御装置から制御信号により行なわれる。
【0017】
篩31は、切替ダンパ27を介して送られる飛灰を分級するものであり、篩上は燃焼溶融炉5へ搬送され、篩下はキレート剤による薬剤処理を施す薬剤処理手段33へ搬送される。篩31は、飛灰の粒径により分級するもので、くし状に形成される棒状の篩や、金網又は打抜網等のものが適宜用いられる。篩31の目開きは、飛灰のうち粒径が大きく、キレート剤による薬剤処理を施しても鉛の溶出を防げないものを取り除くように選定される。例えば、篩31の目開きは、1mm以上7mm以下の範囲が好ましく、さらに5mmが好ましい。また、篩31は、篩に飛灰が目詰まりしないように、水平方向に対し傾斜して設けられることが好ましい。また、篩分けは、飛灰の形状や性状等に応じて固定式、振動式、回転式のいずれかを使う。
【0018】
脱塩用バグフィルタ19から排出される脱塩残渣は、灰処理装置35へ搬送されて薬剤処理されるようになっている。さらに、熱分解ドラム1から排出される熱分解残渣は、分別設備37へ送られ、鉄、アルミなどの金属39を再利用するため系外へ搬送し、未燃炭素であるチャーを燃焼溶融炉5へ搬送するようになっている。
【0019】
次に、このように構成される廃棄物処理装置の動作及び特徴を説明する。熱分解ドラム1で熱分解される廃棄物3から可燃性のガスが生成され、後流の燃焼溶融炉5へ送られる。燃焼溶融炉5では、可燃性のガスと分別設備37から送られるチャーを燃焼させるとともに、ガスやチャーに含まれる灰分を溶融し、スラグ7として排出する。燃焼溶融炉5で燃焼された可燃性のガスは、燃焼排ガスとして後流にある高温空気加熱器9、廃熱ボイラ11で熱回収される。熱回収された燃焼排ガスは、減温塔15で温度が下げられ、除塵バグフィルタ17に送られて除塵された後、燃焼排ガス中の塩化水素を除く脱塩用バグフィルタ19に送られ、酸化カルシウム等の脱塩剤を添加されて脱塩処理される。脱塩後の燃焼排ガスは誘引送風機21より煙突23から大気25に放出される。
【0020】
燃焼溶融炉5から排出される燃焼排ガス中には、硫黄酸化物や鉛化合物等を含む飛灰が混じり、燃焼溶融炉5の後流である高温空気加熱器9、廃熱ボイラ11等で重力沈降や、慣性の作用により捕捉される。このとき、鉛化合物などの固体は、高温空気加熱器9及び廃熱ボイラ11で捕捉される。一方、硫黄酸化物は、飛灰に付着して高温空気加熱器9及び廃熱ボイラ11で捕捉されるものもあるが、二酸化イオウなどの気体状になる硫黄酸化物は、後流の減温塔15、除塵バグフィルタ17及び脱塩バグフィルタ19へ流出し、脱塩バグフィルタ19で処理され、脱塩残渣とともに灰処理装置35へ搬送されて薬剤処理される。
【0021】
このようにして、高温空気加熱器9、廃熱ボイラ11、減温塔15、除塵バグフィルタ17で捕捉された飛灰は、系外へ排出せずに燃焼溶融炉5へ戻される。しかし、系外へ排出しないで循環させるため、系内を循環する飛灰中の鉛化合物や硫黄酸化物の濃度が高くなる。
【0022】
そこで、脱塩用バグフィルタ19に流入する燃焼排ガス中の硫黄酸化物の種類、量を分析する分析計29を設け、所定の硫黄酸化物の濃度が設定値以上のとき、系内の硫黄酸化物や鉛化合物を系外に排出するようにしている。本実施形態では、切替えダンパ27を切替えて、高温空気加熱器9と廃熱ボイラ11で捕捉された飛灰の一部を系外に抜き出すようにしている。すなわち、系内の硫黄酸化物、鉛化合物の量が増加すると、分析計29で分析される硫黄酸化物の量も増加する。そこで、分析計29の分析値が所定値を超えたときは、高温空気加熱器9と廃熱ボイラ11で捕捉された飛灰を、切替ダンパ27を図示しない制御装置の制御により切替えて、篩31と薬剤処理手段33に供給し、薬剤処理して埋め立て処分するようにしている。このように、高温空気加熱器9と廃熱ボイラ11で捕捉される飛灰のみを系外に取り出すのは、それらの飛灰中に鉛化合物、硫黄酸化物などが多く含まれるためである。
【0023】
薬剤処理手段33における薬剤処理は、飛灰中に含まれる鉛などの金属類を固定化し、埋め立て処分しても溶出のおそれがないようにするもので、例えばキレート剤の添加によるキレート反応で錯体を形成して鉛などの溶出をおさえるものである。しかし、捕捉した飛灰のうち、粒径の大きいものは鉛化合物を多く含み、溶出しやすいためキレート剤の使用量が多くなるという問題がある。
【0024】
そこで、本実施形態では、篩31を設け、薬剤処理をし難い粒径の飛灰を分離して燃焼溶融炉5に戻し、粒径の小さい飛灰を薬剤処理手段33に供給するようにしている。篩31の目開きは、廃棄物の種類により排出される飛灰の形状や性状などで定めるが、1mm以上7mm以下の範囲が好ましく、さらに5mmが好ましい。
【0025】
表1は、高温空気加熱器5と廃熱ボイラ11で捕捉した飛灰について、環境庁告示13号の溶出試験に基づくPb(鉛)溶出試験を行なった結果を示すものである。
【0026】
【表1】
表1の飛灰Aは、捕捉した飛灰を篩にかけずそのまま破砕したもので、Bは目開きが5mmの篩にかけて、篩上の粒径が5mmを超える飛灰、Cは目開きが5mmの篩にかけて、篩下の粒径が5mm以下の飛灰で、それぞれキレート剤によるキレート処理したもの対して溶出試験を行なったものである。使用した薬剤は、ジチオカルバミン酸で、A、B、Cとも同一添加量である。結果は、粒径が5mm以下の飛灰のみが陸上埋立基準値である0.3mg/L(リットル)を満足する値となった。
【0027】
このように、高温空気加熱器9や廃熱ボイラ11のような高温部で捕捉する飛灰を篩にかけて分級し、粒径の小さい飛灰を薬剤処理すれば、埋立処分してもPb(鉛)の溶出は、陸上埋立基準値を超えることがない。また、薬剤使用量も、篩で分級しない場合は、基準値を低減するために多量に使用する必要が生じるのに対し、篩で分級した粒径の小さい飛灰は薬剤使用量も低減できる。
【0028】
本実施形態では、硫黄酸化物の分析計を使用したが、これに限定するものでなく、塩化水素の濃度分析計を用いてもよい。系内の鉛化合物、硫黄酸化物の増加と塩化水素の増加にも相関関係があることが実験などで確認している。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、廃棄物処理装置の熱回収手段で捕集される飛灰の処理を改善して、有害物質の溶出を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる廃棄物処理装置の全体系統構成図である。
【符号の説明】
1 熱分解ドラム
3 廃棄物
5 燃焼溶融炉
7 スラグ
9 高温空気加熱器
11 廃熱ボイラ
13 蒸気
15 減温塔
17 除塵バグフィルタ
19 脱塩用バグフィルタ
21 誘引送風機
27 切替ダンパ
29 分析計
31 篩
33 薬剤処理手段
Claims (2)
- 廃棄物を熱分解する熱分解炉と、該熱分解炉から排出される少なくとも熱分解ガスを燃焼するとともに、少なくとも該熱分解ガスに同伴された不燃固形物を溶融する燃焼溶融炉と、該燃焼溶融炉から排出される燃焼排ガスの熱を回収する熱回収手段とを備えてなる廃棄物処理装置において、前記熱回収手段に沈降した飛灰を分級する目開き1mm以上7mm以下の範囲の篩と、該篩の篩上の沈降飛灰を前記燃焼溶融炉に投入して溶融させる飛灰還流手段と、前記篩の篩下に薬剤を添加して有害物を処理する薬剤処理手段とを設けたことを特徴とする廃棄物処理装置。
- 前記熱回収手段に沈降した飛灰の搬送路に、該飛灰を前記飛灰還流手段と前記篩のいずれか一方に切替え供給する切替ダンパを設け、前記熱回収手段から排出される燃焼排ガス中の硫黄酸化物又は塩化水素の濃度が設定値以上のとき前記切替えダンパを前記篩側に切替えることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理装置。
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| JP2002071661A JP3970065B2 (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | 廃棄物処理装置 |
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| JP2002071661A JP3970065B2 (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | 廃棄物処理装置 |
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