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JP3833049B2 - 乗客コンベアの踏段 - Google Patents

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忠一 斉藤
和平 小嶋
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Hitachi Building Systems Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エスカレータなどの乗客コンベアの踏段に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は一般的なエスカレータの全体構成を示す側面図である。一般に乗客コンベア、例えばエスカレータは、図9に示すように上部機械室に設けられたエスカレータ駆動用ドライビングマシン1の駆動回転を、ドライビングチェーン2で上部駆動用踏段チェーンスプロケット3に伝達し、この上部駆動用踏段チェーンスプロケット3は下部従動用踏段チェーンスプロケット4と踏段チェーン5を介して連結されている。そして、踏段6は踏段チェーン5により無端状に固定されており、上部駆動用踏段チェーンスプロケット3の回転に同期して移動する。
【0003】
そして従来、例えば実公昭40−7155号公報によって開示されているように、ポリウレタンゴム、プリオキシンメチレン、あるいはポリアミド樹脂などの耐摩耗性の高い樹脂材のモールド成形品と、このモールド成形品の下面に貼り付けられる補強用の鋼板とからなる踏板を備えた乗客コンベアの踏段が提案されている。この従来の乗客コンベアの踏段では、後輪ローラを備え乗客荷重を受けても局部的に高い応力を発生させない形状とした金属製の踏段本体に、踏板が金具を介してボルトで固定されている。
【0004】
このように構成された従来の乗客コンベアの踏段にあっては、金属製踏板にみられたような乗客が踏み乗る時に滑って転倒する危険性を低減することができ、また、強度を維持したままある程度まで軽量化を図った踏段を提供することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の乗客コンベアの踏段では、樹脂材のモールド成形品に鋼板を貼り付けているので、寿命に達した回収品のリサイクル処理には樹脂部と鋼板部の分離作業が必要であり、この分離作業が困難で、かつ多大な労力を必要とするという問題がある。また、樹脂部である踏上面が摩耗などで劣化した場合、樹脂に比べて耐久性が高い鋼板部を残して樹脂部だけを交換することができないため、改修効率の悪いものとなっている。さらに、踏部分だけを樹脂化するものなので、全体重量を大幅に低減することができず、軽量かつ安価な踏段を提供するに至っていないといった問題もある。
【0006】
本発明は、このような従来技術における実状に鑑みてなされたもので、その目的は、軽量かつ安価であり、また使用寿命に達した場合、容易にリサイクル処理を行なうことのできる乗客コンベアの踏段を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、踏段チェーンにより無端状に連結され、後輪ローラを介して案内される乗客コンベアの踏段において、乗客が立つともにその下面側にボルトを設けた樹脂製の踏板と、この踏板から伝わる荷重を吸収および伝達し、かつ、前記後輪ローラを軸支するとともに穴を有する樹脂製の踏段本体と、前記踏板と踏段本体との間に介設されるとともにそれぞれ穴を有するゴム板および鋼板と、これらゴム板、鋼板および踏段本体の穴に挿通させた前記ボルトに螺合し前記踏段、ゴム板、鋼板および踏段本体を着脱自在に締結固定するナットとを備えて構成した。
【0008】
このように構成した本発明では、踏段のほぼ全体を鉄に比べて比重の軽い樹脂材で構成するので軽量かつ安価であり、また、踏板と踏段本体とに分割可能に構成したので、この踏段が使用寿命に達した場合、容易にリサイクル処理を行なうことができる。さらに、踏板と踏段本体の間にゴム板を設けたので、踏段の耐衝撃性能を向上することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の乗客コンベアの踏段の実施の形態を図に基づいて説明する。 図1は本発明の第1の実施形態に係る乗客コンベアの踏段を示す斜視図、図2は第1の実施形態の正面図、図3は第1の実施形態の側面図である。
【0010】
図1〜図3に示す本実施形態の踏段7は、乗客が立つ踏板8と、この踏板8から伝わる荷重を吸収および伝達する踏段本体9と、これらの踏板8と踏段本体9との間に設けられる鋼板10およびゴム板11とから主として構成されており、踏板8および踏段本体9はそれぞれ樹脂材で射出成形されている。
【0011】
踏板8の下面側の四隅に、下方へ突出するインサートボルト12が設けられ、鋼板10の四隅、ゴム板11の四隅、および踏段本体9の上部の四隅に、それぞれ踏板8のインサートボルト12が挿通する穴13、14、15が設けられている。踏段7を組立てるに際しては、踏板8と踏段本体9の間に鋼板10とゴム板11を設け、鋼板10を踏板8の下面と密着させて、ゴム板11を鋼板10の下面と密着させるとともに、踏板8のインサートボルト12を鋼板10の穴13、ゴム板11の穴14、および踏段本体9の穴15に順次挿通した後、突出したインサートボルト12に、ワッシャ16、スプリングワッシャ17およびナット18を螺合させて締め付けるようになっている。
【0012】
また、踏段本体9の下部後方の左右両側には、踏段7の走行方向に直交する方向へ延設される後輪軸19が挿通される穴20が設けられ、後輪軸19の両端で後輪ローラ21を軸支するようになっている。
【0013】
鋼板10は、踏段7の剛性を保つための補強用であり、かつ、この鋼板10により、万一たばこなどの火が踏段7に落下して踏段7が燃えた場合、火の延焼を遮断する。ゴム板11は、誤って乗客が踏板8を傘の先などで突っついても破損しないように、踏段7の耐衝撃性能を向上させるためのものである。
【0014】
このように構成した第1の実施形態では、踏段7のほぼ全体を鉄に比べて比重の軽い樹脂材で構成したので軽量かつ安価であり、さらに、踏段7を踏板8と踏段本体9に分割して1個の部品形状を小さくしているので、樹脂材で踏板8および踏段本体9を射出成形する際の溶融性が向上し、高精度で軽い踏段7を提供することができる。
【0015】
また、第1の実施形態では、踏段7が使用寿命に達した場合、踏段7を樹脂部品とその他の部品に容易に解体できるので、容易に踏段7のリサイクル処理を行なうことができる。さらに、加工が非常に簡単な形状の鋼板10とゴム板11を挟み込んだので踏段7の剛性を向上できる。
【0016】
図4は本発明の第2の実施形態に係る乗客コンベアの踏段を示す斜視図、図5は第2の実施形態の側面図である。なお、図4、図5において前述した図1〜図3に示すものと同等のものには同一符号を付してある。
【0017】
図4および図5に示す本実施形態の踏段22は、前述した図1〜図3で示すものと比べて、踏板8のインサートボルト12の代わりに、踏板23の四隅に、踏板23と一体に樹脂材で射出成形したリベット24をそれぞれ設けて、これらのリベット24を、踏段本体9の四隅に設けた穴15に嵌合することにより踏板23を保持するようにした点が異なっている。
【0018】
この第2の実施形態でも、前述した図1〜図3で示すものと同様の効果を得ることができる。さらに、この第2の実施形態では、踏板23を踏段本体9に保持させるのにボルト、ナット類を必要としないので、工具を使わずに踏段7を組み立てられ、組立作業性を向上することができる。
【0019】
図6は本発明の第3の実施形態に係る乗客コンベアの踏段を示す斜視図である。
【0020】
図6に示す本実施形態の踏段25は、前述した図1〜図3で示すものと比べ、2個に分割され、それぞれ四隅にボルト26をインサートして射出成形した樹脂製の踏板27を有し、鋼板10、ゴム板11および踏段本体9の上部の各所定個所に、それぞれ踏板27のボルト26が挿通する穴28、29、30が設けられた点が異なっている。
【0021】
この第3の実施形態でも、前述した図1〜図3で示すものと同様の効果を得ることができる。さらに、この第3の実施形態では、2個に分割した踏段25を用いるので、部品1個の形状を小さくして樹脂の溶融性を高めることができ、きわめて高い精度の踏段25を提供することができる。
【0022】
図7は本発明の第4の実施形態に係る乗客コンベアの踏段を示す斜視図である。
【0023】
図7に示す本実施形態の踏段31は、前述した図1〜図3で示すものと比べ、踏段本体32の後部に桟形状を有するライザー部33を着脱可能に取付けて固定ボルト34で固定するようにした点が異なっている。
【0024】
この第4の実施形態でも、前述した図1〜図3で示すものと同様の効果を得ることができる。さらに、この第4の実施形態では、踏段31を、踏板8と踏段本体32とライザー部33の3分割構造にしているので、桟部の部品形状が小さくして樹脂の溶融性が高くでき、寸法精度を厳しく要求されるライザー部33には好都合となる。また、乗客の目に付きやすいライザー部33を分割できるので、情報伝達のための文字や絵などを施したライザー部33を簡単に交換することができ、情報伝達手段を有する踏段31を提供することができる。
【0025】
図8は本発明の第5の実施形態に係る乗客コンベアの踏段を示す斜視図である。
【0026】
図8に示す本実施形態の踏段35は、前述した図1〜図3で示すものと比べ、踏板36の上面の四隅近傍にそれぞれ固定ボルト37を挿通するザグリ穴38を設け、踏段本体39の上部に、固定ボルト37と螺合するインサートナット40を埋め込んだ点が異なっている。
【0027】
この第5の実施形態でも、前述した図1〜図3で示すものと同様の効果を得ることができる。さらに、この第5の実施形態では、踏板36を固定ボルト37で踏段本体39に固定する作業を上部から簡単に行えるので、踏板36の一部が破損した際、破損した踏板36だけを簡単に交換でき、保全性に優れた踏段35を提供することができる。
【0028】
なお、上述した各実施形態では、踏段を構成する部品を樹脂による射出成形品として説明したが、樹脂材として、例えば、耐衝撃性に優れる熱可塑性のポリカーボネイト、耐薬品製に優れる熱可塑性のポリエチレンテレフタレート、あるいは、ポリカーボネイトとポリエチレンテレフタレートのお互いの優位性能を組み合わせたポリマーアロイなどとし、これに、グラスファイバー、溶融剤、難燃剤、着色剤などを充てんしたものが好都合である。
【0029】
さらに、上述した各実施形態では、乗客コンベアとしてエスカレータを例に説明したが、これに限らず電動道路等にも適用することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の乗客コンベアの踏段は、踏段のほぼ全体を鉄に比べて比重の軽い樹脂材で構成するので軽量であり、したがって、乗客コンベアを駆動する動力の省エネルギー化、および建屋側強度部材の軽薄化を図れるという効果がある。また、鉄製の踏段に比べて安価であるとともに、踏板と踏段本体とに分割可能に構成したので、この踏段が使用寿命に達した場合、容易にリサイクル処理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る乗客コンベアの踏段を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態の正面図である。
【図3】第1の実施形態の側面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る乗客コンベアの踏段を示す斜視図である。
【図5】第2の実施形態の側面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る乗客コンベアの踏段を示す斜視図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る乗客コンベアの踏段を示す斜視図である。
【図8】本発明の第5の実施形態に係る乗客コンベアの踏段を示す斜視図である。
【図9】一般的なエスカレータの全体構成を示す側面図である。
【符号の説明】
7 踏段
8 踏板
9 踏段本体
10 鋼板
11 ゴム板
12 インサートボルト
13〜15 穴
16 ワッシャ
17 スプリングワッシャ
18 ナット
19 後輪軸
21 後輪ローラ
22 踏段
23 踏板
24 リベット
25 踏段
26 インサートボルト
27 踏板
28〜30 穴
31 踏段
32 踏段本体
33 ライザー部
35 踏段
36 踏板
38 ザグリ穴
39 踏段本体
40 インサートナット

Claims (4)

  1. 踏段チェーンにより無端状に連結され、後輪ローラを介して案内される乗客コンベアの踏段において、
    乗客が立つともにその下面側にボルトを設けた樹脂製の踏板と、この踏板から伝わる荷重を吸収および伝達し、かつ、前記後輪ローラを軸支するとともに穴を有する樹脂製の踏段本体と、前記踏板と踏段本体との間に介設されるとともにそれぞれ穴を有するゴム板および鋼板と、これらゴム板、鋼板および踏段本体の穴に挿通させた前記ボルトに螺合し前記踏段、ゴム板、鋼板および踏段本体を着脱自在に締結固定するナットとを備えて構成したことを特徴とする乗客コンベアの踏段。
  2. 前記踏板と前記踏段本体を、それぞれ一体射出成形によって製作したことを特徴とした請求項1記載の乗客コンベアの踏段。
  3. 前記ボルトを前記踏板の下面側の四隅にインサートして一体射出成型して製作するとともに、ゴム板、鋼板および踏段本体の穴は前記ボルトと対抗する四隅に設けたことを特徴とした請求項1記載の乗客コンベアの踏段。
  4. 前記踏段本体の後部に形成され前記踏段の相互に適当な間隙を確保するライザー部を、前記踏段本体から分割する構造にしたことを特徴とする請求項1記載の乗客コンベアの踏段。
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