JP3819167B2 - 放出有機ガスの分解処理並びに殺菌作用による保存生鮮農産物の鮮度保持装置及びその装置を用いた貯蔵庫 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農産物より放出されるエチレンガス(C2H4)等の有機ガスを、大気圧下において、温度を上昇させないで、プラズマを利用することにより炭素と酸素又は水に解離し、無害化し、又殺菌効果をもたらすことにより保存生鮮農産物の鮮度を長期に保持するための放出有機ガスの分解処理並びに殺菌作用による保存生鮮農産物の鮮度保持装置及びその装置を用いた貯蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
農産物の鮮度を長期間保持するためには、温度、湿度を一定に保つとともに、農作物から生成される熟成作用を有するエチレンガス(C2H4)等の有機ガスを、可及的速やかに処理することが必要である。
従来は、有機ガスを処理するには活性炭等を用いて吸着する方式を採用している。ところがこの手段では、適宜活性炭の交換、使用済み活性炭の処理等保守のために多くの手間がかかり、又環境問題を惹起することにもなる。
さらには、生鮮農産物に付着している各種の細菌類は腐敗を助長させるが、この対策としてオゾンを使用する方法も考えられるが、脱色等他の変化をもたらし、生鮮物の見掛け上の変化が懸念される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のかかる難点を解消するためになされたもので、従来全く見られない放電方式による解決策であり、加えてプラズマの高エネルギ−状態を利用して殺菌作用によるも庫内の流通空気の清浄作用をも伴う保存生鮮農産物の鮮度を長期に保持するための方法及び装置を提供しようとする。
より具体的には、
a.大気圧中で放電を維持できること、
b.空気の温度を上げない、あるいは極めて最少限の温度上昇であること、
c.放電のため電極が必要であるが、その電極の破壊されないこと、
という三つの条件を充足し、放電部に多数の浮遊電極を二つの電極間に設置し、その浮遊電極間に火花放電、グロ−放電、あるいはコロナ放電によってプラズマを発生させる。少量の電力を使用するものの、上記のような保守点検の手間が省け、有害物を出さないなど理に叶った処理方式を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、一端にエチレンガスを含む混合気体の導入口2を有し、他端に排気部3を有し、送気手段により前記導入口2から気体取込み可能とした容器体1の内部に、絶縁基板4を介して、トランス5、インダクションコイル6、抵抗又はインダクタンス7から成る電源部Eと接続した二つの電極A、Bを固定するとともに両電極A、B間に多数の棒状浮遊電極8を設置して放電部9を形成して成り、前記電源部Eの電圧制御で前記両電極A、Bに大気圧下においてオゾンを殆ど発生しない値の電圧を印加して各棒状浮遊電極8間にプラズマを発生させ、前記送気手段の稼動で前記混合気体を前記容器体1の内部に流してプラズマに農作物が呼吸する際に放出するエチレンガスを接触させプラズマ中の高エネルギー電子の作用によりエチレンガスを炭素と酸素又は水に分解処理するとともに混合気体に混入した菌類を死滅させることにより生鮮農産物の鮮度を長期間保持できるようにしたことを特徴とする放出有機ガスの分解処理並びに殺菌作用による保存生鮮農産物の鮮度保持装置である。
【0010】
そして、請求項1記載の装置を、該貯蔵庫内に設置して成り、該装置に備えた送気手段により該貯蔵庫内の生鮮農作物が呼吸する際に放出するエチレンガスを含む混合気体を放電部9を通過させて循環させ、プラズマ中の高エネルギー電子の作用により貯蔵庫内のエチレンガスの分解処理並びに殺菌作用によって貯蔵庫の保存生鮮農産物の長期間の鮮度保持を可能にしたことを特徴とする貯蔵庫12である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図4に示す装置の実施例に基づいて、以下本発明の説明をする。同図において1がアクリル樹脂製の容器本体で、上流から放電部9、分類部10、気体ポンプ(図示していない)を備えた排気部3に区分けされている。Hがこれら各部と電源部の全てを包むハウジングである。
【0012】
放電部9は、図1乃至図3までに示すように、絶縁基板4を介して、トランス5、インダクションコイル6、抵抗又はインダクタンス7から成る電源部Eと接続した二つの棒状電極A、Bを固定するとともに両電極A、B間の前記絶縁基板4上にそれぞれが絶縁状態の多数の同形状の棒状浮遊電極8を等間隔に設置してある。
【0013】
分類部10は、平板電極11を設置して直流電圧を加えて電界を生じさせ、放電部9で分解された陽イオン、陰イオンをそれぞれ陰極側、陽極側に、中性粒子をそのまま通過させる過程である。
【0014】
下流の気体ポンプを備えた排気部3は、分解、分類された気体分子の排気を司り、装置内部の圧力をできるだけ大気圧に近く、プラズマを起こせる程度までに調整し、一定の圧力を保ったままエチレンガス乃至その混合気体を導入口2から容器本体1の内部へ取り込めるように設定される。
【0015】
そして以上の構成の装置を、図4に示すように、貯蔵庫内に設置して、前記装置に備えた気体ポンプにより該貯蔵庫内の気体を循環させるようにする。
そして、農作物が呼吸する際に放出するエチレンガスを含む混合気体を容器体1の内部を通って貯蔵庫内を放電部9を通過させて循環させ、該容器体1の内部の放電部9で発生させたプラズマ中の高エネルギー電子の作用により貯蔵庫内のエチレンガスの分解処理並びに殺菌作用によって貯蔵庫の保存生鮮農産物の鮮度保持を可能にする。
【0016】
【作用】
本発明は以上のようで、本発明の核心部分である放電形式の作用について詳説すると、図5の試験例に示すインダクションコイルに接続した両電極に、ステンレスビスを使用し、それらを平行に間隔2.2mmで設置した場合の放電開始電圧及び放電状態を調べたところ、火花放電となり、電極の崩壊及び温度上昇が見られず、良好な結果が得られた。放電開始電圧は1.6KVであった。
【0017】
また、グロ−放電(冷陰極放電)でプラズマを生成するには、放電部の圧力を下げる必要があるため、排気部に真空ポンプを備え、混合気体の導入口の口径を調節し、適度な圧力でグロ−放電を行う。
もっとも上記真空ポンプは、動作範囲の確認のためであり、生鮮農産物のある庫内には設置しない。
【0018】
次にエチレンガスの分解作用について詳説すると、放電路中の混合気体は火花放電、グロ−放電、あるいはコロナ放電によりプラズマ化される。化合物であるエチレンはそれら放電によって加速された高エネルギ−電子にたたかれて水素と炭素に解離する。混合気体の主構成分子が窒素:酸素:エチレンとして、このときの化学反応は、以下の化学式1で求められる。
【0019】
【化学式1】
【0020】
ここで、(イ)は放電開始前の容器本体1中の混合気体の分析結果であり、(ロ)は放電を開始してからある程度時間が経過した時の分析結果であり、(ハ)はさらに放電時間を長くした時の分析結果を示す。
【0021】
今、空気中にエチレンガスを2〜3%混合した気体に対して火花放電を行った場合の気体をガスクロメ−タで質量分析した結果を図6に示す。これらの化学反応は時間とともに次のように進展したと考えられる。
【0022】
t=0secに示された分析結果は、放電開始前の状態であり、上記(イ)に相当する。
t=30secの分析結果は、放電によってエチレンや一酸化炭素が解離し、水素は酸素と結合して水となる。また、炭素は活性炭素となることを示している。この反応は(イ)から(ロ)の化学反応へ移行している場合であり、エチレンと一酸化炭素は放電時間とともに減少する。この時点でエチレンは80〜90%解離されている。
t=60secの分析結果は、(ロ)から(ハ)への移行状態を示す。この時点でエチレンはほぼ100%解離された。また、活性炭素の一部は酸素と結合し、一酸化炭素を形成している。これは高エネルギ−の電子からエネルギ−を得て結合したものと考えられる(結合エネルギ−:6.1eV)。
【0023】
これらの実験結果が示すように、放電時間が長すぎると、(ロ)から(ハ)への化学反応が始り、一酸化炭素が増加する。従って、放電時間を(ハ)の化学反応が生じる寸前までとすれば、一酸化炭素の増加を防ぎ、エチレンを分解することができる。この時間は容積あるいは体積の関数となる。
【0024】
グロ−放電(放電開始電圧240V)においても、プラズマ化した後の気体のガスクロメ−タによる質量分析をした結果、エチレンの成分は放電開始と同時に瞬時に炭素と水素に分解されてしまうことが確認された。また放電電圧の増加に伴いエチレンの分解度も増加しているが、これは電子密度が増加して気体分子への電子の衝突が活発になって、分子の電離が進むためと思われる(図7)。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、以上のようで、火花放電、グロ−放電、コロナ放電により発生したプラズマを利用することにより、エチレンガス等の有機物を解離することに成功したものであり、これを装置化し、貯蔵庫に備えて空気循環を図ることにより、保存生鮮農作物から生成される有機ガスの分解を効果的に行えるものである。
特に、放電部が電極間に浮遊電極を多数設置してそれぞれの浮遊電極間での放電を行うことで、放電領域を拡張でき、放電電圧を小さくし、ア−ク放電のような温度の上昇や電極の崩壊が防止できる。
又、プラズマのエネルギ−状態が高いことから、殺菌効果も期待でき、庫内の流通空気の清浄作用をも伴う。
【0026】
少量の電力を消費することにはなるが、保守点検が大幅に省け、有害物を一切出さないから環境問題にも資すること大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置例の略図的縦断側面図
【図2】同上要部である放電部のみの略図的拡大側面図
【図3】同上要部である放電部の浮遊電極のみの略図的平面図
【図4】本発明装置の別例の略図的縦断側面図
【図5】本発明の要部である放電部と接続するインダクションコイルを用いた電源部のみの略図
【図6】火花放電後のガスクロメ−タによる質量分析結果を示し、(イ)が放電前の混合気体の質量分析表、(ロ)が放電後30秒における混合気体の質量分析表、(ハ)が放電後60秒における混合気体の質量分析表である。
【図7】グロ−放電(放電電圧240V)後のガスクロメ−タによる質量分析表
【符号の説明】
1 気体取込み容器本体
2 導入口
3 排気部
4 絶縁基板
5 トランス
6 インダクションコイル
7 抵抗又はインダクタンス
8 浮遊電極
9 放電部
E 電源部
A 電極
B 電極
10 分類部
H ハウジング
11 平板電極
12 貯蔵庫
【発明の属する技術分野】
本発明は、農産物より放出されるエチレンガス(C2H4)等の有機ガスを、大気圧下において、温度を上昇させないで、プラズマを利用することにより炭素と酸素又は水に解離し、無害化し、又殺菌効果をもたらすことにより保存生鮮農産物の鮮度を長期に保持するための放出有機ガスの分解処理並びに殺菌作用による保存生鮮農産物の鮮度保持装置及びその装置を用いた貯蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
農産物の鮮度を長期間保持するためには、温度、湿度を一定に保つとともに、農作物から生成される熟成作用を有するエチレンガス(C2H4)等の有機ガスを、可及的速やかに処理することが必要である。
従来は、有機ガスを処理するには活性炭等を用いて吸着する方式を採用している。ところがこの手段では、適宜活性炭の交換、使用済み活性炭の処理等保守のために多くの手間がかかり、又環境問題を惹起することにもなる。
さらには、生鮮農産物に付着している各種の細菌類は腐敗を助長させるが、この対策としてオゾンを使用する方法も考えられるが、脱色等他の変化をもたらし、生鮮物の見掛け上の変化が懸念される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のかかる難点を解消するためになされたもので、従来全く見られない放電方式による解決策であり、加えてプラズマの高エネルギ−状態を利用して殺菌作用によるも庫内の流通空気の清浄作用をも伴う保存生鮮農産物の鮮度を長期に保持するための方法及び装置を提供しようとする。
より具体的には、
a.大気圧中で放電を維持できること、
b.空気の温度を上げない、あるいは極めて最少限の温度上昇であること、
c.放電のため電極が必要であるが、その電極の破壊されないこと、
という三つの条件を充足し、放電部に多数の浮遊電極を二つの電極間に設置し、その浮遊電極間に火花放電、グロ−放電、あるいはコロナ放電によってプラズマを発生させる。少量の電力を使用するものの、上記のような保守点検の手間が省け、有害物を出さないなど理に叶った処理方式を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、一端にエチレンガスを含む混合気体の導入口2を有し、他端に排気部3を有し、送気手段により前記導入口2から気体取込み可能とした容器体1の内部に、絶縁基板4を介して、トランス5、インダクションコイル6、抵抗又はインダクタンス7から成る電源部Eと接続した二つの電極A、Bを固定するとともに両電極A、B間に多数の棒状浮遊電極8を設置して放電部9を形成して成り、前記電源部Eの電圧制御で前記両電極A、Bに大気圧下においてオゾンを殆ど発生しない値の電圧を印加して各棒状浮遊電極8間にプラズマを発生させ、前記送気手段の稼動で前記混合気体を前記容器体1の内部に流してプラズマに農作物が呼吸する際に放出するエチレンガスを接触させプラズマ中の高エネルギー電子の作用によりエチレンガスを炭素と酸素又は水に分解処理するとともに混合気体に混入した菌類を死滅させることにより生鮮農産物の鮮度を長期間保持できるようにしたことを特徴とする放出有機ガスの分解処理並びに殺菌作用による保存生鮮農産物の鮮度保持装置である。
【0010】
そして、請求項1記載の装置を、該貯蔵庫内に設置して成り、該装置に備えた送気手段により該貯蔵庫内の生鮮農作物が呼吸する際に放出するエチレンガスを含む混合気体を放電部9を通過させて循環させ、プラズマ中の高エネルギー電子の作用により貯蔵庫内のエチレンガスの分解処理並びに殺菌作用によって貯蔵庫の保存生鮮農産物の長期間の鮮度保持を可能にしたことを特徴とする貯蔵庫12である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図4に示す装置の実施例に基づいて、以下本発明の説明をする。同図において1がアクリル樹脂製の容器本体で、上流から放電部9、分類部10、気体ポンプ(図示していない)を備えた排気部3に区分けされている。Hがこれら各部と電源部の全てを包むハウジングである。
【0012】
放電部9は、図1乃至図3までに示すように、絶縁基板4を介して、トランス5、インダクションコイル6、抵抗又はインダクタンス7から成る電源部Eと接続した二つの棒状電極A、Bを固定するとともに両電極A、B間の前記絶縁基板4上にそれぞれが絶縁状態の多数の同形状の棒状浮遊電極8を等間隔に設置してある。
【0013】
分類部10は、平板電極11を設置して直流電圧を加えて電界を生じさせ、放電部9で分解された陽イオン、陰イオンをそれぞれ陰極側、陽極側に、中性粒子をそのまま通過させる過程である。
【0014】
下流の気体ポンプを備えた排気部3は、分解、分類された気体分子の排気を司り、装置内部の圧力をできるだけ大気圧に近く、プラズマを起こせる程度までに調整し、一定の圧力を保ったままエチレンガス乃至その混合気体を導入口2から容器本体1の内部へ取り込めるように設定される。
【0015】
そして以上の構成の装置を、図4に示すように、貯蔵庫内に設置して、前記装置に備えた気体ポンプにより該貯蔵庫内の気体を循環させるようにする。
そして、農作物が呼吸する際に放出するエチレンガスを含む混合気体を容器体1の内部を通って貯蔵庫内を放電部9を通過させて循環させ、該容器体1の内部の放電部9で発生させたプラズマ中の高エネルギー電子の作用により貯蔵庫内のエチレンガスの分解処理並びに殺菌作用によって貯蔵庫の保存生鮮農産物の鮮度保持を可能にする。
【0016】
【作用】
本発明は以上のようで、本発明の核心部分である放電形式の作用について詳説すると、図5の試験例に示すインダクションコイルに接続した両電極に、ステンレスビスを使用し、それらを平行に間隔2.2mmで設置した場合の放電開始電圧及び放電状態を調べたところ、火花放電となり、電極の崩壊及び温度上昇が見られず、良好な結果が得られた。放電開始電圧は1.6KVであった。
【0017】
また、グロ−放電(冷陰極放電)でプラズマを生成するには、放電部の圧力を下げる必要があるため、排気部に真空ポンプを備え、混合気体の導入口の口径を調節し、適度な圧力でグロ−放電を行う。
もっとも上記真空ポンプは、動作範囲の確認のためであり、生鮮農産物のある庫内には設置しない。
【0018】
次にエチレンガスの分解作用について詳説すると、放電路中の混合気体は火花放電、グロ−放電、あるいはコロナ放電によりプラズマ化される。化合物であるエチレンはそれら放電によって加速された高エネルギ−電子にたたかれて水素と炭素に解離する。混合気体の主構成分子が窒素:酸素:エチレンとして、このときの化学反応は、以下の化学式1で求められる。
【0019】
【化学式1】
【0020】
ここで、(イ)は放電開始前の容器本体1中の混合気体の分析結果であり、(ロ)は放電を開始してからある程度時間が経過した時の分析結果であり、(ハ)はさらに放電時間を長くした時の分析結果を示す。
【0021】
今、空気中にエチレンガスを2〜3%混合した気体に対して火花放電を行った場合の気体をガスクロメ−タで質量分析した結果を図6に示す。これらの化学反応は時間とともに次のように進展したと考えられる。
【0022】
t=0secに示された分析結果は、放電開始前の状態であり、上記(イ)に相当する。
t=30secの分析結果は、放電によってエチレンや一酸化炭素が解離し、水素は酸素と結合して水となる。また、炭素は活性炭素となることを示している。この反応は(イ)から(ロ)の化学反応へ移行している場合であり、エチレンと一酸化炭素は放電時間とともに減少する。この時点でエチレンは80〜90%解離されている。
t=60secの分析結果は、(ロ)から(ハ)への移行状態を示す。この時点でエチレンはほぼ100%解離された。また、活性炭素の一部は酸素と結合し、一酸化炭素を形成している。これは高エネルギ−の電子からエネルギ−を得て結合したものと考えられる(結合エネルギ−:6.1eV)。
【0023】
これらの実験結果が示すように、放電時間が長すぎると、(ロ)から(ハ)への化学反応が始り、一酸化炭素が増加する。従って、放電時間を(ハ)の化学反応が生じる寸前までとすれば、一酸化炭素の増加を防ぎ、エチレンを分解することができる。この時間は容積あるいは体積の関数となる。
【0024】
グロ−放電(放電開始電圧240V)においても、プラズマ化した後の気体のガスクロメ−タによる質量分析をした結果、エチレンの成分は放電開始と同時に瞬時に炭素と水素に分解されてしまうことが確認された。また放電電圧の増加に伴いエチレンの分解度も増加しているが、これは電子密度が増加して気体分子への電子の衝突が活発になって、分子の電離が進むためと思われる(図7)。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、以上のようで、火花放電、グロ−放電、コロナ放電により発生したプラズマを利用することにより、エチレンガス等の有機物を解離することに成功したものであり、これを装置化し、貯蔵庫に備えて空気循環を図ることにより、保存生鮮農作物から生成される有機ガスの分解を効果的に行えるものである。
特に、放電部が電極間に浮遊電極を多数設置してそれぞれの浮遊電極間での放電を行うことで、放電領域を拡張でき、放電電圧を小さくし、ア−ク放電のような温度の上昇や電極の崩壊が防止できる。
又、プラズマのエネルギ−状態が高いことから、殺菌効果も期待でき、庫内の流通空気の清浄作用をも伴う。
【0026】
少量の電力を消費することにはなるが、保守点検が大幅に省け、有害物を一切出さないから環境問題にも資すること大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置例の略図的縦断側面図
【図2】同上要部である放電部のみの略図的拡大側面図
【図3】同上要部である放電部の浮遊電極のみの略図的平面図
【図4】本発明装置の別例の略図的縦断側面図
【図5】本発明の要部である放電部と接続するインダクションコイルを用いた電源部のみの略図
【図6】火花放電後のガスクロメ−タによる質量分析結果を示し、(イ)が放電前の混合気体の質量分析表、(ロ)が放電後30秒における混合気体の質量分析表、(ハ)が放電後60秒における混合気体の質量分析表である。
【図7】グロ−放電(放電電圧240V)後のガスクロメ−タによる質量分析表
【符号の説明】
1 気体取込み容器本体
2 導入口
3 排気部
4 絶縁基板
5 トランス
6 インダクションコイル
7 抵抗又はインダクタンス
8 浮遊電極
9 放電部
E 電源部
A 電極
B 電極
10 分類部
H ハウジング
11 平板電極
12 貯蔵庫
Claims (2)
- 一端にエチレンガスを含む混合気体の導入口(2)を有し、他端に排気部(3)を有し、送気手段により前記導入口(2)から気体取込み可能とした容器体(1)の内部に、絶縁基板(4)を介して、トランス(5)、インダクションコイル(6)、抵抗又はインダクタンス(7)から成る電源部(E)と接続した二つの電極(A)、(B)を固定するとともに両電極(A)、(B)間に多数の棒状浮遊電極(8)を設置して放電部(9)を形成して成り、前記電源部Eの電圧制御で前記両電極(A)、(B)に大気圧下においてオゾンを殆ど発生しない値の電圧を印加して各棒状浮遊電極(8)間にプラズマを発生させ、前記送気手段の稼動で前記混合気体を前記容器体(1)の内部に流してプラズマに農作物が呼吸する際に放出するエチレンガスを接触させプラズマ中の高エネルギー電子の作用によりエチレンガスを炭素と酸素又は水に分解処理するとともに混合気体に混入した菌類を死滅させることにより生鮮農産物の鮮度を長期間保持できるようにしたことを特徴とする放出有機ガスの分解処理並びに殺菌作用による保存生鮮農産物の鮮度保持装置。
- 請求項1記載の装置を用いた生鮮農作物の貯蔵庫であって、該貯蔵庫内に請求項1記載の装置を設置して成り、該装置に備えた送気手段により該貯蔵庫内の農作物が呼吸する際に放出するエチレンガスを含む混合気体を放電部(9)を通過させて循環させ、プラズマ中の高エネルギー電子の作用により貯蔵庫内のエチレンガスの分解処理並びに殺菌作用によって貯蔵庫の保存生鮮農産物の鮮度保持を可能にしたことを特徴とする貯蔵庫(12)。
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| JP33853298A JP3819167B2 (ja) | 1998-11-12 | 1998-11-12 | 放出有機ガスの分解処理並びに殺菌作用による保存生鮮農産物の鮮度保持装置及びその装置を用いた貯蔵庫 |
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| JP33853298A JP3819167B2 (ja) | 1998-11-12 | 1998-11-12 | 放出有機ガスの分解処理並びに殺菌作用による保存生鮮農産物の鮮度保持装置及びその装置を用いた貯蔵庫 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000139198A JP2000139198A (ja) | 2000-05-23 |
| JP3819167B2 true JP3819167B2 (ja) | 2006-09-06 |
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ID=18319062
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Country Status (1)
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| JP2004331407A (ja) * | 2003-04-30 | 2004-11-25 | Takeshi Nagasawa | 水素製造装置及び水素製造方法 |
| JP2006353046A (ja) * | 2005-06-20 | 2006-12-28 | Utsunomiya Univ | 雷サージ保護装置 |
| EP2759330A4 (en) | 2011-09-21 | 2016-05-04 | Nbc Meshtec Inc | DEVICE AND METHOD FOR GAS TREATMENT USING LOW TEMPERATURE PLASMA AND CATALYTIC AGENT |
| KR20250152794A (ko) * | 2024-04-17 | 2025-10-24 | 삼성전자주식회사 | 에틸렌 분압 조절 장치 및 이를 포함하는 에틸렌 분압 조절 시스템 |
-
1998
- 1998-11-12 JP JP33853298A patent/JP3819167B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JP2000139198A (ja) | 2000-05-23 |
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