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JP3812002B2 - インクジェット用記録液 - Google Patents

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JP3812002B2
JP3812002B2 JP22333896A JP22333896A JP3812002B2 JP 3812002 B2 JP3812002 B2 JP 3812002B2 JP 22333896 A JP22333896 A JP 22333896A JP 22333896 A JP22333896 A JP 22333896A JP 3812002 B2 JP3812002 B2 JP 3812002B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット用記録液に関し、一般のオフィス等で使用されている酸性紙、中性紙等のいわゆる普通紙に対する印字記録物の耐水性および耐光性に優れ、且つ高彩度の記録ができる記録液に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット用記録液としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料等の水溶性染料をグリコール系溶剤と水に溶解したものがよく用いられている(例えば、特開昭53─61412、特開昭54─89811、特開昭55─65269)。
水溶性染料としては、記録液の安定性を得るため水に対する溶解性の高いものが一般的に用いられる。したがって、インクジェット記録物は一般的に耐水性が悪く、水をこぼしたりすると容易に記録部分の染料のにじみを生じるという問題があった。
【0003】
このような耐水性の不良を改良するため、染料の構造を変えたり、塩基性の強い記録液を調製することが試みられている(特開昭56─57862)。また、記録紙と記録液との反応をうまく利用して耐水性の向上を図ることも行われている(特開昭50─49004、特開昭57─36692、特開昭59─20696、特開昭59─146889)。
これらの方法は、特定の記録紙については著しい効果をあげているが、記録紙の制約を受けるという点で汎用性に欠け、また特定の記録紙以外を用いた場合には、水溶性染料を使用する記録液では記録物の充分な耐水性が得られないことが多い。
【0004】
また、耐水性の良好な記録液としては、油溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解したもの、油溶性染料を揮発性の溶剤に溶解したものがあるが、溶剤の臭気や溶剤の排出の問題があり、環境上好ましくない。また、大量の記録を行う場合や装置の設置場所によっては、溶剤回収等が必要になる問題がある。
そこで、記録物の耐水性、耐光性をよくするために、水系媒体に顔料を分散した記録液の開発が行われている。インクジェット用の記録液においては、プリンターに高解像度が望まれるにつれノズルの径が細くなってきており、これに伴い着色剤の粒子径も微細化してきている。しかしながら、微細化するとオーバーヘッドプロジェクター等の透明基材への画像形成においては、染料並みの透明性、鮮明性、染料以上の耐光性が可能になるが、記録紙上では染料が記録紙繊維を染色して鮮明な画像が得られるのに対し、顔料分散タイプの記録液(水分散インクジェット記録液)を用いた場合、繊維の間に顔料が落ち込んでしまい下地の記録紙の色を隠蔽することができなくて鮮明性が損なわれる問題が発生している。この問題は顔料の微細化と共に顕著になってきている。
鮮明化の向上にはバインダーである水性樹脂の増加により改善はされるが、粘度の著しい増大、吐出安定性に悪影響をきたす。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の方法の問題点を解決し、透明でかつ鮮明な画質が得られる水分散インクジェット用記録液に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、顔料、コロイダルシリカ及びキレート剤を水性の液体中に含有してなることを特徴とするインクジェット用記録液に関する。
更に本発明は、顔料を記録液中0.1〜10重量%含む上記インクジェット用記録液に関する。
更に本発明は、記録液中、コロイダルシリカを0.5〜30重量%及びキレート剤を0.01〜5重量%含む上記インクジェット用記録液に関する。
更に本発明は、顔料が、キナクリドン系、フタロシアニン系、アゾ系、イソインドリノン系、ジアンスラキノニルレッド系、スレン系、ペリレン系、カーボンブラックからなる群より選ばれる1種である上記インクジェット用記録液に関する。
更に本発明は、更に水性樹脂を含む上記インクジェット用記録液に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる顔料は水に溶解しなければ特に限定されない。不溶性の染料として、分散染料、油溶染料の水不溶性染料、又は直接染料、酸性染料、塩基性染料等をレーキ化により不溶化したものも用いられる。ただし、用いる合成樹脂に完全に溶解する染料は本発明から除外される。
【0008】
顔料の例としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リソールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系、ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系、ジアンスラキノニルレッド系、建染染料から誘導されるスレン系、カーボンブラック等がある。
【0009】
このような顔料としては、下記の顔料が例示できる。
カラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示す。C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86 93、109、110、117、125、137、138、147、148、153、154、166、161、C.I.ピグメントオレンジ13、16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26、C.I.ピグメントブラック6、7等が例示できる。
【0010】
好ましい処理顔料の分散粒子径及び一次粒子径としては、レーザー散乱による測定あるいは電子顕微鏡において平均粒子径が1.0μm以下、さらに好ましくは、0.2μm以下である。顔料の分散粒子径及び一次粒子が0.2μm以上である場合には顔料をソルトミリング処理(無機塩を磨砕助剤とし、少量の溶剤を粘結剤として用いて顔料の一次粒子径を機械的に微細化する処理)を実施してもよい。また、顔料の表面に官能基を付加させた表面処理顔料を用いても良い。
このような粒径であると、記録液の製造においての濾過操作が容易であり、記録液の経時での沈降も少なくなる。
【0011】
本発明におけるコロイダルシリカは、粒子の表面にシラノール基と水酸基の陰イオンが存在し、無水ケイ酸の超微粒子をコロイド溶液とし、酸化ナトリウムとしてソーダを含有し、安定化させたものであり、コロイドの大きさ(粒径1〜100nm)をもつシリカが水性の液体中に安定に分散しているものである。本発明において用いられるコロイダルシリカは5〜100nmの範囲の大きさの粒子径のものを用いる。好ましくは粒子径が細かく粒度分布の揃った5〜60nmのものである。また粒子径の異なる二種類以上を併用してもよいし、pH調整剤を必要に応じ、適宜調整して、塩基性成分または、酸性成分を加えることもできる。具体的には、スノーテックス(日産化学社製商品名)、ルドックス(デュポン社製商品名)、カタロイド(触媒化学社製商品名)、アデライト(旭電化社製商品名)等が挙げられる。
【0012】
コロイダルシリカの重量比率は記録液の組成で0.5〜30重量%、より好ましくは1〜15重量%である。この量が少ないと鮮明性の良好なインクが得られず、一方この量が大きいと保存安定性、吐出安定性の良好なインクが得られない。
【0013】
本発明におけるキレート剤は金属イオンと反応してキレート環をつくる。環形成は、共有結合あるいは配位結合またはその双方の生成によって起こる。
キレート剤の効果は金属イオンの補足にあるため、記録液中に含有されているコロイダルシリカの表面の金属イオンを補足する。このためコロイダルシリカは準安定状態になり、紙面上で凝集して膜を造り色素の落ち込みが少なくなり、鮮明性が向上する。しかし、キレート剤を含まないと、ヘッドを腐食させないアルカリ領域の記録液とした場合の鮮明性が低下する。
【0014】
キレート剤の具体例としては二つの酸性基をもった配位子としては、例えば、マロン酸、シュウ酸、フタル酸、グリコール酸、サリチル酸がある。一つの酸性基と一つの非酸性配位基をもった配位子として、例えば、8−キノリノール、アセチルアセトン、トリフルオロアセトン、ジメチルグリオキシム、ジチゾン、サリチルアルデヒドがある。二つの非酸性配位基をもった配位子としてエチレンジアミン、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリンがある。アミノポリカルボン酸としてエチレンジアミン四酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、ブチレンジアミン四酢酸、ペンチレンジアミン四酢酸及びこれらのナトリウム塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。
キレート剤の重量比率はインクジェット用記録液の組成で0.01〜5重量%であり、好ましくは0.1〜1重量%である。キレート剤の量が下限より少ないと鮮明性の良好なインクが得られず、上限より多いと保存安定性、吐出安定性の良好なインクが得られない。
【0015】
顔料をインクジェット用記録液中で沈殿することなく安定に分散させるために分散剤として界面活性剤を用いてもよいが、特に透明性、鮮明性、分散安定性に優れた性能を有するためにはアニオン性あるいはノニオン性の界面活性剤を用いる方が望ましい。
界面活性剤としてアニオン性あるいはノニオン性を用いる理由としてコロイダルシリカの表面はマイナスに帯電しており、顔料を安定化するための分散剤がカチオン性だとコロイダルシリカは凝集するためである。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等を例示できる。
【0016】
ノニオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等を例示できる。
【0017】
界面活性剤の使用量には特に限定されないが、一般的にはインクの全重量に対して0.1〜15重量%の範囲が好ましいが、さらに好ましくは0.1〜10重量%である。
【0018】
本発明のインクジェット用記録液は、記録液の分散安定性や特に印字記録特性を良好とするに、水性の液体のpHが7〜10であることが好ましく、特に好ましくは7〜9の弱アルカリ性である。pHが6以下であると記録液の安定性が好ましくなく、経時で凝集あるいはゲル化を生じ、10以上ではコロイダルシリカの安定性が悪い。pHの調整にはアミン、無機塩、アンモニア、リン酸、酢酸等を用いることができる。
【0019】
本発明のインクジェット用記録液において、水の他に用いられる水性溶剤は、記録液のノズル部分での乾燥、記録液の個化を防止し、安定な記録液の噴射およびノズルの経時での乾燥を防止するものである。
このような水性溶剤としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ケトンアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテル、1、2−ヘキサンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、2、4、6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシペンタンノン等を例示できる。
【0020】
本発明のインクジェット用記録液において、顔料を良好に定着させるために水性樹脂を用いてもよい。この水性樹脂は、水溶解性の樹脂又は水分散性の樹脂が用いられる。
このような水性樹脂としては、アクリル系、スチレン─アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系等の水溶解性樹脂又は水分散性樹脂がある。
これらの樹脂は、インクジェット用記録液中に0.5〜10重量%を含有させることが好ましく、更に好ましくは1〜5重量%用いる。0.5重量%よりも少ないと着色剤を十分に定着できない。また、10重量%よりも多くなると、記録液の吐出安定性を低下させることがある。
なお、水性樹脂として水溶解性の樹脂を用いた場合、記録液の粘度を高くする傾向があるが、水分散性の樹脂では粘度が低く抑えることができたり、また、記録物の耐水性を向上することができる。これらの樹脂は、必要に応じ、アンモニア、アミン、無機アルカリ等の中和剤を適宜調整して加えることができる。
【0021】
また、記録液の紙への乾燥を速める目的において見掛けの乾燥性を早くするため浸透剤を加えることができる。
このような浸透剤としてメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル、アルキレングリコール、アルキレンジオール、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等を用いることができる。これらは、記録液の5重量%以下の使用量で十分な効果があり、これよりも多いと印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こし好ましくなくなる。
【0022】
本発明の記録液に、黴の発生を防止するために、防黴剤を添加することもできる。
具体的は、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等が用いられる。これらは、記録液の0.05〜1.0重量%程度用いることができる。
また、記録液の循環、あるいは、移動、また、記録液の製造時の泡の発生を防止するため消泡剤を添加することもできる。
【0023】
染料としては、顔料の色相の調整、濃度の付与等を目的として耐水性、耐光性に問題が無いかぎり使用することが可能である。
染料の使用によっては、顔料の分散の安定性を悪くすることもあるので、顔料の40重量%以下、好ましくは25重量%以下の使用に止める必要がある。
染料としては、分散染料、油溶染料の水不溶性染料、直接染料、酸性染料、塩基性染料等をレーキ化により不溶化したもの、反応性染料、含金属染料等が用いられる。これらの染料は、無機塩の除去された精製染料が好ましい。
【0024】
染料の具体例としては、C.I.ダイレクトブラック17、19、32、51、71、108、146、154、166、C.I.アッドブラック2、7、24、26、31、52、63、112、118、C.I.ベーシックブラック2、C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、90、106、C.I.アシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、113、117、120、167、229、234、C.I.ベイシックブルー1、3、5、7、9、24、25、26、28、29、C.I.ダイレクトレッド1、4、17、28、83、C.I.アシッドレッド1、6、32、37、51、52、80、85、87、92、94、115、180、256、315、317.C.I.ベイシックレッド1、2、9、12、13、14、37、C.I.ダイレクトエロー12、24、26、98、C.I.アシッドエロー11、17、23、25、29、42、61、71、C.I.ベーシックエロー11、28.C.I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46、60、C.I.ダイレクトバイオレット47、48、C.I.ダイレクトブラウン109、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.アシッドオレンジ7、19、C.I.アシッドバイオレット49、C.I.ベーシックバイオレット7、14、27等を例示できる。
その他の添加剤として、尿素、ジメチル尿素等を加えることもできる。
【0025】
記録液の製造については、例えば、微細化処理した顔料の分散体、分散剤、水ないし水性樹脂、水性溶剤等を混合し、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機等にて分散するか、あるいは、二本ロールミルにてあらかじめ良く混練したのち、上記サンドミル等にてさらに分散し、適宜水にて希釈、コロイダルシリカ、キレート剤及び他の添加剤を混合して記録液を製造する。混合攪拌は、通常の羽を用いた攪拌機による攪拌のほか、高速の分散機、乳化機等により行うことができる。
【0026】
記録液は、希釈の前あるいは、後に孔径3μm以下のフィルターにて十分濾過する。好ましくは、1.0μm以下のフィルターにて、さらに好ましくは0.45μm以下のフィルターにて濾過することが好ましい。フィルターの濾過に先立って、遠心分離によって、大きな粒径のものを除くこともでき、これによってフィルターによる濾過における目詰まりを少なくし、フィルターの使用期間が長くなる。
【0027】
記録液は、記録装置の方式にもよるが、粘度0.8〜15mPa・s(25℃)の液体として調整することが望ましい。表面張力は、25〜60dyn/cmが好ましく、pHは7〜9の弱アルカリ性が好ましい。
【0028】
本発明により製造される記録液は、水性でありながら耐水性が著しく良好であるのでインクジェット用記録液として好適に用いられ、オフィスにおける書類の作成、記号、更に耐光性が染料タイプより優れているのでアウトボード用途で用いられるダンボールのマーキング、ナンバリング、バーコード等の記録物の分野に利用することもできる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。例中部、%とあるのは、それぞれ重量部、重量%を示す。
実施例1
[ソルトミリング処理顔料の作成方法]
粗製銅フタロシアニン(東洋インキ社製) 250部
塩化ナトリウム 2500部
ジエチレングリコール 200部
をステンレス1ガロンニーダーに仕込み、3時間混練した。つぎにこの混合物を2.5リットルの温水に投入し、約80℃に加熱、攪拌した。約1時間攪拌してスラリー状とした後、濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除き、固形分50%の水性顔料分散体(ソルトミリング処理品)を得た。
サンドミルに下記の原料を入れ3時間分散し、インクジェット用濃縮記録液を作成した。
【0030】
[濃色記録液の作成方法]
藍顔料(ソルトミリング処理品 固形分50%) 30.0部
ジメチルアミノエタノール 0.1部
分散剤(花王社製エマルゲン420) 8.0部
精製水 55.7部
グリセリン 6.0部
ソジウムオマジン(オーリン社製) 0.2部
分散後、下記のものと混合した。混合後、1μmのメンブランフィルターにて濾過、続いて0.45μmのメンブランフィルターにて濾過し、記録液を製造した。
【0031】
[記録液の作成方法]
上記濃縮記録液 16.7部
コロイダルシリカ(日産化学社製スノーテックス30) 16.7部
ジメチルアミノエタノール 0.1部
分散剤(花王社製エマルゲン420) 1.2部
アクリル樹脂(日本ポリマー社製W−215) 3.0部
ソジウムオマジン(オーリン社製) 0.2部
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 0.1部
グリセリン 10.0部
精製水 52.0部
【0032】
記録液を得るときの濾過性を評価し、得られた記録液について下記のようにして粘度、平均粒径を評価し、さらに該記録液を用いた時の噴射特性、印字状態、記録物の鮮明性、透明性および記録物の耐水性等を評価した。結果を表1に示す。
[濾過性]
一定時間内に直径90mmの1μmおよび0.45μmのメンブランフィルターにて濾過できた量。
[粘度]
B型粘度計を用いて25℃にて測定した。
[平均粒径]
レーザー回折方式の粒度分布計(島津製作所社製「SALD−1100」)で測定した。
[印字状態]
記録液をエプソン社製HG5130のカートリッジに入れて普通紙(ゼロックス社製K)に記録を行った。記録物の印字状態を目視評価した。
[噴射特性]
連続印字中のノズルの噴射状態を印字物によって評価した。
良:所定位置に正確に連続印字できている。
不良:連続印字したにも関わらず、途中に欠損を生じたり、所定位置に印字されていない。
[耐水性]
普通紙(ゼロックス社製K)に記録した場合において、記録面に水を垂らしたり、あるいは印字したものを乾燥後、1分間水に浸漬した時のインキのにじみの有無、インキの流れだしを目視にて評価した。
[透明性]
インクジェット用OHPシートに1.5ミルのアプリケーターにてインキを展色したした時の透明性を目視にて評価した。
[鮮明性]
普通紙(ゼロックス社製K)に展色して鮮明性を目視、カラーマシン機(日本電色工業社製Σ80)のマンセルのC値の両方で比較した。
[耐光性]
普通紙(ゼロックス社製K)に展色してフェドメーター(スガ試験機社製紫外線ロングライフフェドメーター)にて促進試験を行い、色の褪色の程度を目視、カラーマシン機(日本電色工業社製Σ80)のΔE値の両方で比較した。
【0033】
実施例2
実施例1の粗製銅フタロシアニンの代わりに、ハンザエロー系黄色顔料(ヘキスト社製ホスターパームエローH−3G)260部を用いて実施例1と同様にして水性分散体(ソルトミリング処理品)を得た。その後、実施例1と同様にしてインクジェット用濃縮記録液を作成した。透明性及び鮮明性に優れたインクジェット用記録液を得た。評価結果を表1に示す。
【0034】
実施例3
実施例1の粗製銅フタロシアニンの代わりに、キナクリドン系赤色顔料(ヘキスト社製ホスターパームピンクE)250部を用いて実施例1と同様にして水性分散体(ソルトミリング処理品)を得た。その後、実施例1と同様にしてインクジェット用濃縮記録液を作成した。透明性及び鮮明性に優れたインクジェット用記録液を得た。評価結果を表1に示す。
【0035】
実施例4
実施例1の粗製銅フタロシアニンの代わりに、イソインドリン系黄色顔料(BASF社製パリオトールエローD−1819)を用いた。実施例1のソルトミリンクは行わないまま、実施例1と同様の方法でインクジェット用濃縮記録液を作成した。透明性及び鮮明性に優れたインクジェット用記録液を得た。評価結果を表1に示す。
【0036】
実施例5
実施例1の粗製銅フタロシアニンの代わりに、ジアミノジアントラニル系赤色顔料(チバガイギー社製クロモフタルレッドA−2B)を用いた。実施例1のソルトミリングは行わないまま、実施例1と同様の方法でインクジェット用濃縮記録液を作成した。透明性及び鮮明性に優れたインクジェット用記録液を得た。評価結果を表1に示す。
【0037】
実施例6
実施例1の粗製銅フタロシアニンの代わりに、インダンスレン系青色顔料(東洋インキ社製リオノーゲンブルー6505)250部を用いて実施例1と同様にして水性分散体(ソルトミリング処理品)を得た。その後、実施例1と同様にしてインクジェット用濃縮記録液を作成した。透明性及び鮮明性に優れたインクジェット用記録液を得た。評価結果を表1に示す。
【0038】
実施例7
カーボンブラックを用いて、実施例1と同様なソルトミリング処理工程を実施することなく、サンドミルに下記の原料を入れ3時間分散し、インクジェット用濃縮記録液を作成した。
カーボンブラック(三菱化学社製#2600) 15.0部
ジメチルアミノエタノール 0.1部
分散剤(花王社製エマルゲン420) 8.0部
精製水 70.7部
グリセリン 6.0部
ソジウムオマジン(オーリン製) 0.2部
その後、実施例1と同様にしてインクジェット用記録液を作成した。透明性および鮮明性に優れたインクジェット用記録液を得た。評価結果を表1に示す。
【0039】
比較例1〜7
実施例1〜7で用いた顔料について、記録液の製造時にコロイダルシリカ、キレート剤を除き、その不足分を精製水で補ったものをそれぞれ比較例1〜7のインクジェット用濃縮記録液とした。評価は実施例と同様にして行い、結果を表2に示す。
比較例8〜11
ある染料タイプのインクジェット用記録液(YMCBK)について、評価を実施例と同様にして行った結果を表3に示す。
【0040】
なお、実施例1〜7で得られた記録液、比較例1〜7で得られた記録液を−40℃にて一週間保存後、自然溶解した場合、60℃の恒温槽にて1月保存した場合、−40℃にて3時間保持し、3時間かけて60℃まで昇温し、60℃にて3時間保持、続いて3時間かけて−40℃まで冷却し、これを3日間繰り返した場合、いずれの場合においても、沈澱物の発生も無く、初期の粘度を維持しており、噴射特性も安定していた。
【0041】
【表1】
Figure 0003812002
【0042】
【表2】
Figure 0003812002
【0043】
【表3】
Figure 0003812002
【発明の効果】
本発明により、一般のオフィス等で使用されている酸性紙、中性紙等のいわゆる普通紙に対し印字記録を行った場合に、記録物の画像品位に悪影響を与えることなく、印字記録物が十分な耐水性および耐光性を有し、且つ長期の保存に対しても問題がなく、更に目詰まりに対しても問題がない高品位な印字を可能にすることができるインクジェット用記録液を提供することができた。

Claims (5)

  1. 顔料、コロイダルシリカ及びキレート剤を水性の液体中に含有してなることを特徴とするインクジェット用記録液。
  2. 顔料を記録液中0.1〜10重量%含む請求項1記載のインクジェット用記録液。
  3. 記録液中、コロイダルシリカを0.5〜30重量%及びキレート剤を0.01〜5重量%含む請求項1又は2記載のインクジェット用記録液。
  4. 顔料が、キナクリドン系、フタロシアニン系、アゾ系、イソインドリノン系、ジアンスラキノニルレッド系、スレン系、ペリレン系、カーボンブラックからなる群より選ばれる1種である請求項1記載のインクジェット用記録液。
  5. 更に水性樹脂を含む請求項1〜4いずれか記載のインクジェット用記録液。
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