JP3800175B2 - 新規なアグリカナーゼ - Google Patents
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Description
本発明は、新規なアグリカナーゼに関する。
背景技術
関節疾患は、関節軟骨の損傷及び変性を主病変とする疾患である。関節疾患の中で最も患者数の多い疾患は、変形性関節症(osteoarthritis;以下、OAと略称することがある)である(Elders M.J.,J.Rheumatol.,27,Suppl.,60,6−8,2000)。しかし、現行の治療法においては、鎮痛消炎剤やヒアルロン酸製剤が軟骨変性や軟骨下骨破壊に伴う痛みを軽減する目的で対症療法的に用いられているに過ぎず、充分な治療効果を上げているとは言えない状況にある(Dieppe P.,Scand.J.Rheumatol.,29,279−281,2000)。
関節軟骨は、主にII型コラーゲンと軟骨特異的プロテオグリカンであるアグリカンとから構成される組織であり、関節疾患では両者の分解及び変性が観察されている。そのため、古くより、これら細胞外マトリクス成分の分解及び変性の制御が関節疾患の治療に繋がると考えられており、分解に関与するプロテアーゼ(コラゲナーゼ又はアグリカナーゼ)の同定、そして、それらに対する阻害剤の探索及び医薬品としての開発の試みが精力的に行われてきた。
コラゲナーゼ活性を有するプロテアーゼとしては、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP1、MMP8、MMP13、又はMMP14等)が同定され、それぞれの選択的阻害剤が発見されていた。しかしながら、多数のコラゲナーゼ阻害活性を有するMMP阻害剤を、OA及びリューマチ性関節炎(RA)を含む関節疾患治療薬として開発する動きがあったにもかかわらず、これらの疾患を適応症とするMMP阻害剤は上市されていなかった(Greenwald R.A.Ann.New York Acad.Sci.,878,413−419,1999)。このような状況下、関節軟骨のもう一つの主要構成成分であるアグリカンを選択的に分解するアグリカナーゼが注目された。
ヒト関節疾患患者の滑液中に検出される主要なアグリカン分解断片が、いずれもアグリカナーゼ切断部位での切断により生じているとの各種報告(Sandy J.D.ら,J Clin.Invest.,89,1512−1516,1992;及びLohmander L.S.らArthritis Rheum.,36,1214−1222,1993)から、アグリカンの第373番目のグルタミン酸残基と第374番目のアラニン残基との間(Glu373−Ala374の間)を切断する酵素アグリカナーゼが、関節疾患に関与することが明らかにされていた。一方、関節軟骨の体外移植培養系において、IL−1誘導により、まずアグリカンの分解が起こり、続いてII型コラーゲンの分解が亢進することが知られていた(Dingle L.T.ら,Ann.Rheum.Dis.,34,303−311,1975;Cawston T.E.ら,Biochem.Biophys.Res.Comm.,215,377−385,1995;及びKozaci L.D.ら,Arthritis Rheum.,40,164−174,1997)。マウス関節炎モデルにおいても、アグリカン分解がII型コラーゲン分解に先行することが報告されていた(van Meurs J.B.ら,Arthritis Rheum.,42,1128−1139,1999)。これらの報告は、先行するアグリカン分解を阻害することにより、II型コラーゲン分解をも制御しうる可能性を示唆していた。
ところが、金属プロテアーゼであること、細胞外に存在すること、基質認識に糖鎖の関与があること、IL−1、TNF、又はレチノイン酸で活性が誘導されること等の生化学的性質が分かっていたにも拘わらず、関節疾患の原因となるアグリカナーゼの本体は長い間不明のままであった。最近になり、ADAMTS4(aggrecanase−1;Tortorella M.D.ら,Science,284,1664−1666,1999)及びADAMTS11(aggrecanase−2;Abbaszade I.ら,J.Biol.Chem.,274,23443−23450,1999)が、前記のアグリカナーゼ活性を有するプロテアーゼとして報告された。しかし、これらのプロテアーゼはヒトOA軟骨で遺伝子発現増強されておらず、しかも、ヒト膝関節軟骨の体外移植培養系においてアグリカナーゼ活性を誘導することが知られているIL−1、TNF、又はレチノイン酸で遺伝子発現誘導されないことから、関節疾患に関する別のプロテアーゼの存在が示唆されていた(Flannery C.R.ら,Biochem.Biophys.Res.Commun.,260,318−322,1999)。
更に、近年、OAになりやすい家系やOA患者の遺伝学的調査により、その部分にOAとの関連性を示す遺伝的要因があるとされた染色体上の領域(OA感受性領域)が特定されてきている。例えば、11q(Chapman K.ら,Am.J.Hum.Genet.,65,167−174,1999)、4q12−4q21.2、6q21.1−6q22.1、16p13.1−16q12.1、及び16q21−16q23(Loughlin J.ら,Am.J.Hum.Genet.,65,1795−1798,1999)がOA感受性領域として報告されている。
発明の開示
本発明の課題は、関節疾患治療剤のスクリーニングツールとして有用な、関節疾患の原因となる新規のアグリカナーゼ、及びそれをコードする新規のポリヌクレオチドを提供し、関節疾患治療剤として有用な物質を得るための簡便なスクリーニング系を提供することにある。
本発明者は前記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、関節疾患の原因となるアグリカナーゼ[具体的には、MDTS8(Metalloprotease and Disintegrin with Thrombospondin type−1 repeats 8)]をコードする遺伝子を取得し、前記アグリカナーゼタンパク質を発現させた。次いで、前記タンパク質が、アグリカナーゼ活性を示すこと、軟骨細胞分化に伴い発現が誘導されること、及び、MDTS8の染色体座が関節疾患であるOA感受性領域として特定されている領域に存在することを示し、本発明のポリペプチドが、関節疾患の原因となるアグリカナーゼであり、関節疾患治療剤のスクリーニングツールとして有用であることを確認した。また、前記タンパク質を用い、試験化合物が関節疾患の原因となるアグリカナーゼ活性を阻害するか否かを検出する方法、及び、前記検出方法を用いた関節疾患治療剤のスクリーニング方法を確立した。更に、前記検出工程を含む、関節疾患治療用医薬組成物の製造法を確立し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1](1)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含み、あるいは、(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも、アグリカナーゼ活性を示すポリペプチド;
[2]配列番号2で表されるアミノ酸配列を含み、しかも、アグリカナーゼ活性を示す、[1]記載のポリペプチド;
[3]配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列であり、且つ軟骨細胞に分化することによりその発現が誘導されるアミノ酸配列を含み、しかも、アグリカナーゼ活性を示すポリペプチド;
[4]配列番号2で表されるアミノ酸配列との相同性が90%以上であるアミノ酸配列を含み、しかも、アグリカナーゼ活性を示すポリペプチド;
[5]配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
[6][1]〜[5]記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
[7][6]記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター;
[8][7]記載の発現ベクターでトランスフェクションされた細胞;
[9](1)[1]〜[5]記載のポリペプチドと、(2)アグリカナーゼにより切断可能な基質用ポリペプチドと、(3)試験化合物とを接触させる工程、及び前記基質用ポリペプチドの切断を分析する工程を含む、試験化合物が前記ポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害するか否かを検出する方法;
[10][9]記載の方法による検出工程、及びアグリカナーゼ活性を阻害する物質を選択する工程を含む、[1]〜[5]記載のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害する物質をスクリーニングする方法;
[11][10]記載の方法により、関節疾患治療用物質をスクリーニングする方法;
[12][9]記載の方法による検出工程、及び製剤化工程を含む、関節疾患治療用医薬組成物の製造方法;並びに
[13][1]〜[5]記載のポリペプチドに結合する抗体又はその断片
に関する。
本明細書において「アグリカン」とは、関節軟骨の細胞外マトリックスに存在し、N末端の2個の球状ドメイン(G1及びG2)、グリコサミノグリカン結合領域、及びC末端の球状ドメイン(G3)からなるコアタンパク質と、このコアタンパク質を修飾するコンドロイチン硫酸及びケラタン硫酸グリコサミノグリカンとからなるプロテオグリカンを意味する。
また、本明細書において「アグリカナーゼ活性」とは、関節軟骨に存在するヒトアグリカンを、第373番目のグルタミン酸残基と第374番目のアラニン残基との間(以下、「Glu373−Ala374の間」と称する)で選択的に切断する活性を意味する。
更に、本明細書において「アグリカナーゼ」とは、前記アグリカナーゼ活性を有する金属プロテアーゼを意味する。前記アグリカナーゼは、通常、亜鉛配位コンセンサス配列[すなわち、His−Glu−Xaa−Xaa−His(Xaaは任意のアミノ酸を意味する;配列番号24で表される配列)]を有する。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]本発明のポリペプチド
本発明のポリペプチドには、
(1)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含み、しかも、アグリカナーゼ活性を示すポリペプチド;
(3)配列番号2で表されるアミノ酸配列の1又は複数の箇所において、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも、アグリカナーゼ活性を示すポリペプチド(以下、機能的等価改変体と称する);並びに
(4)配列番号2で表されるアミノ酸配列との相同性が90%以上であるアミノ酸配列を含み、しかも、アグリカナーゼ活性を示すポリペプチド(以下、相同ポリペプチドと称する)
が含まれる。
本発明のポリペプチドである前記ポリペプチド(1)〜(4)の内、軟骨細胞に分化することによりその発現が誘導されるアミノ酸配列を含むポリペプチドが好ましい。
(1)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
本発明のポリペプチドとしては、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドが最も好ましい。配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドは、アグリカナーゼ活性を示し、1221個のアミノ酸残基からなるヒト由来の新規アグリカナーゼである。後述の実施例5に示すように、軟骨細胞に分化することによりその発現が誘導される。また、その遺伝子が、後述の実施例6に示すように、変形性関節症(OA)に関連する染色体の位置に存在することから、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドは、関節疾患の原因となるアグリカナーゼであると考えられる。
(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含み、しかも、アグリカナーゼ活性を示すポリペプチド
本発明のポリペプチドである「配列番号2で表されるアミノ酸配列を含み、しかも、アグリカナーゼ活性を示すポリペプチド」としては、例えば、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、あるいは、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドのN末端及び/又はC末端に、適当なマーカー配列等を付加したポリペプチド(すなわち、配列番号2で表されるアミノ酸配列のN末端及び/又はC末端に、適当なマーカー配列等が付加されたアミノ酸配列を有し、しかも、アグリカナーゼ活性を示す融合ポリペプチド)が含まれる。
前記マーカー配列としては、例えば、ポリペプチドの発現の確認、細胞内局在の確認、あるいは、精製等を容易に行なうための配列を用いることができ、例えば、FLAGタグ、ヘキサ−ヒスチジン・タグ(Hisタグとも称する)、ヘマグルチニン・タグ、又はmycエピトープなどを挙げることができる。
本明細書において、或るポリペプチドが「アグリカナーゼ活性を示す」か否かを判定する方法(以下、「アグリカナーゼ活性の判定方法」と称することがある)は、特に限定されるものではないが、例えば、前記の試験ポリペプチド(例えば、試験ポリペプチドを含む細胞、組織培養液、若しくは組織抽出液、又は試験ポリペプチドの部分精製若しくは精製標品など)と、アグリカナーゼの基質(例えば、ヒトアグリカン)とを適当な緩衝液[例えば、50mmol/Lトリス塩酸(pH7.4)]中で接触させ、前記基質がその切断部位(例えば、ヒトアグリカンにおけるGlu373−Ala374の間)で切断されたか否かを分析することにより確認することができ、好ましくは、後述の実施例4に記載の方法により確認することができる。
前記のアグリカナーゼの基質としては、アグリカナーゼにより切断可能なポリペプチド(以下、基質用ポリペプチドと称する)である限り、特に限定されるものではなく、例えば、ヒト又は他の動物由来のアグリカン、前記アグリカンの断片(但し、アグリカナーゼにより切断可能な断片)、あるいは、前記アグリカン又はその断片と適当なマーカー配列(例えば、FLAGタグ、Hisタグ、ヘマグルチニン・タグ、又はmycエピトープなど、好ましくは、FLAGタグ又はHisタグ)との融合ポリペプチド(但し、アグリカナーゼにより切断可能な融合ポリペプチド)を挙げることができる。より具体的には、例えば、ヒト又は他の動物の軟骨組織より精製したアグリカン、遺伝子組換えアグリカン(例えば、アグリカン又はその断片のN末端にFLAGタグを付加し、且つC末端にHisタグを付加した組換えアグリカン)、市販のアグリカン(生化学工業製)、あるいは、それらの部分ポリペプチドを用いることができる。
基質用ポリペプチドがアグリカナーゼ活性に基づいて切断されたか否かを分析する方法としては、例えば、基質用ポリペプチドが試験ポリペプチドで切断されることによって生じるポリペプチド断片を分析(例えば、ポリペプチド断片の有無を検出、あるいは、ポリペプチド断片の生成量を測定)する方法、あるいは、前記切断によって減少する基質用ポリペプチドを分析(例えば、基質用ポリペプチドの有無を検出、あるいは、基質用ポリペプチドの減少量を測定)する方法を挙げることができる。
例えば、基質用ポリペプチドとしてヒトアグリカンを用いる場合には、Glu373−Ala374の間で切断されることによって生じるポリペプチド断片の分析方法として、特に限定されるものではないが、例えば、常法に従って分解断片のN末端配列又はC末端配列を決定する手法、あるいは、より簡便に、Glu373−Ala374の間で切断されることにより生じるC末端のAsn369−Ile370−Thr371−Gly372−Glu373配列(配列番号25で表される配列)、又はN末端のAla374−Arg375−Gly376−Ser377−Val378配列(配列番号26で表される配列)を特異的に認識する抗ネオエピトープ抗体(Hughes C.E.ら,Biochem.J.,305,799−804,1995)を用いるELISA(Enzyme Linked Immuno Solvent Assay)又はウエスタンブロッティング等の免疫学的手法を用いることができる。なお、ELISA又はウエスタンブロッティング等の免疫学的手法は、例えば、右田俊介・紺田進・本庶佑・濱岡利之編、「免疫実験操作法I・II」、南江堂(1995年)に従って行なうことができる。
また、基質用ポリペプチドとしてヒトアグリカンを用いる場合には、Glu373−Ala374の間で切断されることによって減少するヒトアグリカンの分析方法として、特に限定されるものではないが、例えば、抗ヒトアグリカン抗体を用いるウエスタンブロッティングを用いることができる。
更に、基質用ポリペプチドとして、アグリカン又はその断片のN末端にFLAGタグを付加し、且つC末端にHisタグを付加した組換えアグリカンを用いる場合には、Glu373−Ala374の間で切断されることによって減少する前記組換えアグリカンの分析方法として、抗FLAGタグ抗体及び/又は抗Hisタグ抗体を用いるELISA又はウエスタンブロッティングを用いることができる。
(3)機能的等価改変体
本発明の機能的等価改変体は、配列番号2で表されるアミノ酸配列の1又は複数の箇所において、1又は複数個(好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜7個、更に好ましくは1〜5個)、例えば、1〜数個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも、アグリカナーゼ活性を示す(より好ましくは、更に、軟骨細胞に分化することによりその発現が誘導されるアミノ酸配列を含む)ポリペプチドである限り、特に限定されるものではなく、その起源もヒトに限定されない。。
例えば、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドのヒトにおける変異体が含まれるだけでなく、ヒト以外の生物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、又はイヌ)由来の機能的等価改変体が含まれる。更には、それらの天然ポリペプチド(すなわち、ヒト由来の変異体、あるいは、ヒト以外の生物由来の機能的等価改変体)を元にして、あるいは、配列番号2で表されるアミノ酸配列で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを元にして、遺伝子工学的に人為的に改変したポリペプチドなどが含まれる。なお、本明細書において「変異体」(variation)とは、同一種内の同一ポリペプチドにみられる個体差、あるいは、数種間の相同ポリペプチドにみられる差異を意味する。
配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドのヒトにおける変異体、あるいは、ヒト以外の生物由来の機能的等価改変体は、当業者であれば、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの塩基配列(例えば、配列番号1で表される塩基配列)の情報を基にして、取得することができる。なお、遺伝子組換え技術については、特に断りがない場合、公知の方法(例えば、Sambrook,J.ら,”Molecular Cloning−A Laboratory Manual”,Cold Spring Harbor Laboratory,NY,1989)に従って実施することが可能である。
例えば、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの塩基配列の情報を基にして適当なプライマー又はプローブを設計し、前記プライマー又はプローブと、目的とする生物[例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、又はイヌ)]由来の試料(例えば、総RNA若しくはmRNA画分、cDNAライブラリー、又はファージライブラリー)とを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法(Saiki,R.K.ら,Science,239,487−491,1988)又はハイブリダイゼーション法を実施することにより、ポリペプチドコードするポリヌクレオチドを取得し、そのポリヌクレオチドを適当な発現系を用いて発現させ、発現したポリペプチドが、例えば、実施例4に記載の方法により、アグリカナーゼ活性を示すことを確認することにより、所望のポリペプチドを取得することができる。
また、前記の遺伝子工学的に人為的に改変したポリペプチドは、常法、例えば、部位特異的突然変異誘発法(site−specific mutagenesis;Mark,D.F.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81,5662−5666,1984)により、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを取得し、そのポリヌクレオチドを適当な発現系を用いて発現させ、発現したポリペプチドが、例えば、実施例4に記載の方法により、アグリカナーゼ活性を示すことを確認することにより、所望のポリペプチドを取得することができる。
また、本発明の機能的等価改変体には、配列番号2で表されるアミノ酸配列の1又は複数の箇所において、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は挿入され、更に、そのN末端及び/又はC末端に適当なマーカー配列等が付加されたアミノ酸配列を有し、しかも、アグリカナーゼ活性を示す融合ポリペプチドが含まれる。
更に、本発明の機能的等価改変体としては、配列番号2で表されるアミノ酸配列の1又は複数の箇所において、1又は複数個(好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜7個、更に好ましくは1〜5個)、例えば、1〜数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、しかも、アグリカナーゼ活性を示すポリペプチドであることが好ましく、更に、軟骨細胞に分化することによりその発現が誘導されるアミノ酸配列を含むポリペプチドであることがより好ましい。
(4)相同ポリペプチド
本発明の相同ポリペプチドは、配列番号2で表されるアミノ酸配列との相同性が90%以上であるアミノ酸配列を含み、しかも、アグリカナーゼ活性を示すポリペプチドである限り、特に限定されるものではないが、配列番号2で表されるアミノ酸配列に関して、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、更に好ましくは99%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含むことができる。また、本発明の相同ポリペプチドとしては、配列番号2で表されるアミノ酸配列との相同性が90%以上(より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上)であるアミノ酸配列からなり、しかも、アグリカナーゼ活性を示すポリペプチドが好ましい。
更に、本発明の相同ポリペプチドとしては、アグリカナーゼ活性を示し、しかも、軟骨細胞に分化することによりその発現が誘導されるアミノ酸配列を含むポリペプチドであることがより好ましい。
なお、本明細書における前記「相同性」とは、BLAST(Basic local alingment search tool;Altschul,S.F.ら,J.Mol.Biol.,215,403−410,1990)検索により得られた値を意味し、アミノ酸配列の相同性は、BLAST検索アルゴリズムを用いて決定することができる。具体的には、BLASTパッケージ(sgi32bit版,バージョン2.0.12;NCBIより入手)のbl2seqプログラム(Tatiana A.Tatusova及びThomas L.Madden,FEMS Microbiol.Lett.,174,247−250,1999)を用い、デフォルトパラメーターに従って算出することができる。ペアワイズ・アラインメント・パラメーターとして、プログラム名「blastp」を使用し、Gap挿入Cost値を「0」で、Gap伸長Cost値を「0」で、Query配列のフィルターとして「SEG」を、Matrixとして「BLOSUM62」をそれぞれ使用する。
[2]本発明のポリヌクレオチド
本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである限り、特に限定されるものではなく、例えば、配列番号1で表される塩基配列を含むポリヌクレオチドを挙げることができ、配列番号1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドが特に好ましい。なお、本明細書における用語「ポリヌクレオチド」には、DNA及びRNAの両方が含まれる。
本発明のポリヌクレオチドの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、(1)PCRを用いた方法、(2)常法の遺伝子工学的手法(すなわち、cDNAライブラリーで形質転換した形質転換株から、所望のcDNAを含む形質転換株を選択する方法)を用いる方法、又は(3)化学合成法などを挙げることができる。以下、各製造方法について、順次、説明する。
前記(1)のPCRを用いた方法では、例えば、以下の手順により、本発明のポリヌクレオチドを製造することができる。
すなわち、本発明のポリペプチドを産生する能力を有するヒト細胞又は組織からmRNAを抽出する。次いで、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの塩基配列に基づいて、本発明のポリペプチドに相当するmRNAの全長を挟むことのできる2個1組のプライマーセット、あるいは、その一部のmRNA領域を挟むことのできる2個1組のプライマーセットを作成する。抽出した前記mRNAを鋳型とする逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を行なうことにより、本発明のポリペプチドの全長cDNA又はその一部を得ることができる。
より詳細には、まず、本発明のポリペプチドの産生能力を有する細胞又は組織から、本発明のポリペプチドをコードするmRNAを含む総RNAを既知の方法により抽出する。抽出法としては、例えば、グアニジン・チオシアネート・ホット・フェノール法、グアニジン・チオシアネート−グアニジン・塩酸法、又はグアニジン・チオシアネート塩化セシウム法等を挙げることができるが、グアニジン・チオシアネート塩化セシウム法を用いることが好ましい。本発明のポリペプチドの産生能力を有する細胞又は組織は、例えば、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド又はその一部を用いたノーザンブロッティング法、あるいは、本発明のポリペプチドに特異的な抗体を用いたウエスタンブロッティング法などにより特定することができる。
続いて、抽出したmRNAを精製する。mRNAの精製は常法に従えばよく、例えば、mRNAをオリゴ(dT)セルロースカラムに吸着後、溶出させることにより精製することができる。所望により、ショ糖密度勾配遠心法等によりmRNAを更に分画することもできる。また、mRNAを抽出しなくても、市販されている抽出精製済みのmRNAを用いることもできる。
次に、精製されたmRNAを、例えば、ランダムプライマー、オリゴdTプライマー、及び/又はカスタム合成したプライマーの存在下で、逆転写酵素反応を行ない、第1鎖cDNAを合成する。この合成は、常法によって行なうことができる。得られた第1鎖cDNAを用い、目的ポリヌクレオチドの全長又は一部の領域を挟んだ2種類のプライマーを用いてPCRを実施し、目的とするcDNAを増幅することができる。得られたDNAをアガロースゲル電気泳動等により分画する。所望により、前記DNAを制限酵素等で切断し、接続することによって目的とするDNA断片を得ることもできる。
前記(2)の常法の遺伝子工学的手法を用いる方法では、例えば、以下の手順により、本発明のポリヌクレオチドを製造することができる。
まず、前記のPCRを用いた方法で調製したmRNAを鋳型として、逆転写酵素を用いて1本鎖cDNAを合成した後、この1本鎖cDNAから2本鎖cDNAを合成する。その方法としては、例えば、S1ヌクレアーゼ法(Efstratiadis,A.ら,Cell,7,279−288,1976)、Land法(Land,H.ら,Nucleic Acids Res.,9,2251−2266,1981)、O.Joon Yoo法(Yoo,O.J.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79,1049−1053,1983)、又はOkayama−Berg法(Okayama,H.及びBerg,P.,Mol.Cell.Biol.,2,161−170,1982)などを挙げることができる。
次に、前記2本鎖cDNAを含む組換えプラスミドを作製した後、大腸菌(例えば、DH5α株、HB101株、又はJM109株)に導入して形質転換させ、例えば、テトラサイクリン、アンピシリン、又はカナマイシン等に対する薬剤耐性を指標として、組換体を選択する。宿主細胞の形質転換は、例えば、宿主細胞が大腸菌の場合には、Hanahanの方法(Hanahan,D.J.,Mol.Biol.,166,557−580,1983)、すなわち、CaCl2、MgCl2、又はRbClを共存させて調製したコンピテント細胞に、前記組換えDNA体を加える方法により実施することができる。なお、ベクターとしては、プラスミド以外にもラムダ系などのファージベクターを用いることもできる。
このようにして得られる形質転換株から、目的のcDNAを有する形質転換株を選択する方法としては、例えば、以下に示す(i)合成オリゴヌクレオチドプローブを用いる形質転換株スクリーニング法、(ii)PCRにより作製したプローブを用いる形質転換株スクリーニング法、(iii)本発明のポリペプチドに対する抗体を用いる形質転換株スクリーニング法、又は(iv)セレクティブ・ハイブリダイゼーション・トランスレーション系を用いる形質転換株スクリーニング法を採用することができる。
前記(i)の合成オリゴヌクレオチドプローブを用いる形質転換株スクリーニング法では、例えば、以下の手順により、目的のcDNAを有する形質転換株を選択することができる。
すなわち、本発明のポリペプチドの全部又は一部に対応するオリゴヌクレオチドを合成し、これをプローブ(32P又は33Pで標識する)として、形質転換株のDNAを変性固定したニトロセルロースフィルター又はポリアミドフィルターとハイブリダイズさせ、得られた陽性株を検索して、これを選択する。なお、プローブ用のオリゴヌクレオチドを合成する場合には、コドン使用頻度を用いて導いたヌクレオチド配列とすることもできるし、あるいは、考えられるヌクレオチド配列を組合せた複数個のヌクレオチド配列とすることもできる。後者の場合には、イノシンを含ませてその種類を減らすことができる。
前記(ii)のPCRにより作製したプローブを用いる形質転換株スクリーニング法では、例えば、以下の手順により、目的のcDNAを有する形質転換株を選択することができる。
すなわち、本発明のポリペプチドの一部に対応するセンスプライマー及びアンチセンスプライマーの各オリゴヌクレオチドを合成し、これらを組合せてPCRを行ない、目的ポリペプチドの全部又は一部をコードするDNA断片を増幅する。ここで用いる鋳型DNAとしては、本発明のポリペプチドを産生する細胞のmRNAより逆転写反応にて合成したcDNA、又はゲノムDNAを用いることができる。このようにして調製したDNA断片を、例えば、32P又は33Pで標識し、これをプローブとして用いてコロニーハイブリダイゼーション又はプラークハイブリダイゼーションを行なうことにより、目的のcDNAを有する形質転換株を選択する。
前記(iii)の本発明のポリペプチドに対する抗体を用いる形質転換株スクリーニング法では、例えば、以下の手順により、目的のcDNAを有する形質転換株を選択することができる。
すなわち、予め、cDNAを発現ベクターに組込み、形質転換株の培養上清、細胞内、又は細胞表面にポリペプチドを産生させ、本発明のポリペプチドに対する抗体及び前記抗体に対する2次抗体を用いて、所望のポリペプチド産生株を検出し、目的のcDNAを有する形質転換株を選択する。
前記(iv)のセレクティブ・ハイブリダイゼーション・トランスレーション系を用いる形質転換株スクリーニング法では、例えば、以下の手順により、目的のcDNAを有する形質転換株を選択することができる。
すなわち、形質転換株から得られるcDNAを、ニトロセルロースフィルター等にブロットし、本発明のポリペプチドの産生能力を有する細胞から別途調製したmRNAをハイブリダイズさせた後、cDNAに結合したmRNAを解離させ、回収する。回収されたmRNAを適当なポリペプチド翻訳系、例えば、アフリカツメガエルの卵母細胞へ注入したり、あるいは、ウサギ網状赤血球ライゼート又は小麦胚芽等の無細胞系を用いて、ポリペプチドに翻訳させる。本発明のポリペプチドに対する抗体を用いて検出して、目的のcDNAを有する形質転換株を選択する。
得られた目的の形質転換株より本発明のポリヌクレオチドを採取する方法は、公知の方法(例えば、Sambrook,J.ら,”Molecular Cloning−A Laboratory Manual”,Cold Spring Harbor Laboratory,NY,1989)に従って実施することができる。例えば、細胞よりプラスミドDNAに相当する画分を分離し、得られたプラスミドDNAからcDNA領域を切り出すことにより行なうことができる。
前記(3)の化学合成法を用いた方法では、例えば、化学合成法によって製造したDNA断片を結合することによって、本発明のポリヌクレオチドを製造することができる。各DNAは、DNA合成機[例えば、Oligo 1000M DNA Synthesizer(Beckman社製)、又は394 DNA/RNA Synthesizer(Applied Biosystems社製)など]を用いて合成することができる。
また、本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドの情報に基づいて、例えば、ホスファイト・トリエステル法(Hunkapiller,M.ら,Nature,10,105−111,1984)等の常法に従い、核酸の化学合成により製造することもできる。なお、所望アミノ酸に対するコドンは、それ自体公知であり、その選択も任意でよく、例えば、利用する宿主のコドン使用頻度を考慮して、常法に従って決定することができる(Crantham,R.ら,Nucleic Acids Res.,9,r43−r74,1981)。更に、これら塩基配列のコドンの一部改変は、常法に従い、所望の改変をコードする合成オリゴヌクレオチドからなるプライマーを利用した部位特異的突然変異誘発法(site specific mutagenesis)(Mark,D.F.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81,5662−5666,1984)等により実施することができる。
これまで述べた種々の方法により得られるDNAの配列決定は、例えば、マキサム−ギルバートの化学修飾法(Maxam,A.M.及びGilbert,W.,“Methods in Enzymology”,65,499−559,1980)やジデオキシヌクレオチド鎖終結法(Messing,J.及びVieira,J.,Gene,19,269−276,1982)等により行なうことができる。
[3]本発明の発現ベクター及び細胞
単離された本発明のポリヌクレオチドを、適当なベクターDNAに再び組込むことにより、真核生物又は原核生物の宿主細胞をトランスフェクションすることができる。また、これらのベクターに適当なプロモーター及び形質発現にかかわる配列を導入することにより、それぞれの宿主細胞においてポリヌクレオチドを発現させることが可能である。
本発明の発現ベクターは、本発明のポリヌクレオチドを含む限り、特に限定されるものではなく、例えば、用いる宿主細胞に応じて適宜選択した公知の発現ベクターに、本発明のポリヌクレオチドを挿入することにより得られる発現ベクターを挙げることができる。
また、本発明の細胞も、本発明の前記発現ベクターでトランスフェクションされ、本発明のポリヌクレオチドを含む限り、特に限定されるものではなく、例えば、本発明のポリヌクレオチドが、宿主細胞の染色体に組み込まれた細胞であることもできるし、あるいは、本発明によるポリヌクレオチドを含む発現ベクターの形で含有する細胞であることもできる。また、本発明のポリペプチドを発現している細胞であることもできるし、あるいは、本発明のポリペプチドを発現していない細胞であることもできる。本発明の細胞は、例えば、本発明の発現ベクターにより、所望の宿主細胞をトランスフェクションすることにより得ることができる。
例えば、真核生物の宿主細胞には、脊椎動物、昆虫、及び酵母等の細胞が含まれ、脊椎動物細胞としては、例えば、サルの細胞であるCOS細胞(Gluzman,Y.,Cell,23,175−182,1981)、チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO)のジヒドロ葉酸レダクターゼ欠損株(Urlaub,G.及びChasin,L.A.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77,4216−4220,1980)、ヒト胎児腎臓由来HEK293細胞、及び前記HEK293細胞にエプスタイン・バーウイルスのEBNA−1遺伝子を導入した293−EBNA細胞(Invitrogen社)等を挙げることができる。
脊椎動物細胞の発現ベクターとしては、通常発現しようとする遺伝子の上流に位置するプロモーター、RNAのスプライス部位、ポリアデニル化部位、及び転写終結配列等を有するものを使用することができ、更に必要により、複製起点を有していることができる。前記発現ベクターの例としては、例えば、SV40の初期プロモーターを有するpSV2dhfr(Subramani,S.ら,Mol.Cell.Biol.,1,854−864,1981)、ヒトの延長因子プロモーターを有するpEF−BOS(Mizushima,S.及びNagata,S.,Nucleic Acids Res.,18,5322,1990)、又はサイトメガロウイルスプロモーターを有するpCEP4(Invitrogen社)等を挙げることができる。
宿主細胞として293−EBNA細胞を用いる場合には、発現ベクターとして、エプスタイン・バーウイルスの複製起点を有し、293−EBNA細胞で自己増殖が可能なpCEP4(Invitrogen社)などを用いることができる。
また、宿主細胞としてCOS細胞を用いる場合には、発現ベクターとして、SV40複製起点を有し、COS細胞において自律増殖が可能であり、更に、転写プロモーター、転写終結シグナル、及びRNAスプライス部位を備えたものを用いることができ、例えば、pME18S(Maruyama,K.及びTakebe,Y.,Med.Immunol.,20,27−32,1990)、pEF−BOS(Mizushima,S.及びNagata,S.,Nucleic Acids Res.,18,5322,1990)、又はpCDM8(Seed,B.,Nature,329,840−842,1987)等を挙げることができる。
前記発現ベクターは、例えば、DEAE−デキストラン法(Luthman,H.及びMagnusson,G.,Nucleic Acids Res.,11,1295−1308,1983)、リン酸カルシウム−DNA共沈殿法(Graham,F.L.及びvan der Ed,A.J.,Virology,52,456−457,1973)、市販のトランスフェクション試薬(例えば、FuGENETM6 Transfection Reagent;Boeringer Mannheim社製)を用いた方法、あるいは、電気パスル穿孔法(Neumann,E.ら,EMBO J.,1,841−845,1982)等により、COS細胞に取り込ませることができる。
更に、宿主細胞としてCHO細胞を用いる場合には、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターと共に、G418耐性マーカーとして機能するneo遺伝子を発現することのできるベクター、例えば、pRSVneo(Sambrook,J.ら,“Molecular Cloning−A Laboratory Manual”,Cold Spring Harbor Laboratory,NY,1989)又はpSV2−neo(Southern,P.J.及びBerg,P.,J.Mol.Appl.Genet.,1,327−341,1982)等をコ・トランスフェクトし、G418耐性のコロニーを選択することにより、本発明のポリペプチドを安定に産生するトランスフェクションされた細胞を得ることができる。
本発明の細胞は、常法(例えば、日本生化学会編,「新生化学実験講座18細胞培養技術」,東京化学同人,1990)に従って培養することができ、前記培養により細胞外に本発明のポリペプチドが生産される。前記培養に用いることのできる培地としては、採用した宿主細胞に応じて慣用される各種の培地を適宜選択することができる。例えば、COS細胞の場合には、例えば、RPMI−1640培地又はダルベッコ修正イーグル最小必須培地(DMEM)等の培地に、必要に応じて牛胎仔血清(FBS)等の血清成分を添加した培地を使用することができる。また、293−EBNA細胞の場合には、牛胎仔血清(FBS)等の血清成分を添加したダルベッコ修正イーグル最小必須培地(DMEM)等の培地にG418を加えた培地を使用することができる。
本発明の細胞を培養することにより、前記細胞の細胞外に生産される本発明のポリペプチドは、前記ポリペプチドの物理的性質や生化学的性質等を利用した各種の公知の分離操作法(例えば、岡田雅人及び宮崎香編,「改訂タンパク質実験ノート上・下」,羊土社,1999)により、分離精製することができる。具体的には、本発明のポリペプチドを含む培養液を、例えば、通常のタンパク質沈殿剤による処理、限外濾過、各種液体クロマトグラフィー[例えば、分子ふるいクロマトグラフィー(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィー、イオン交換体クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、又は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等]、若しくは透析法、又はこれらの組合せ等により、本発明のポリペプチドを精製することができる。
本発明のポリペプチドは、マーカー配列とインフレームで融合して発現させることにより、本発明のポリペプチドの発現の確認、又は精製等が容易になる。前記マーカー配列としては、例えば、FLAGタグ、ヘキサ−ヒスチジン・タグ、ヘマグルチニン・タグ、又はmycエピトープなどを挙げることができる。また、マーカー配列と本発明のポリペプチドとの間に、プロテアーゼ(例えば、エンテロキナーゼ、ファクターXa、又はトロンビンなど)が認識する特異的なアミノ酸配列を挿入することにより、マーカー配列部分をこれらのプロテアーゼにより切断除去することが可能である。
[4]本発明の検出方法及びスクリーニング方法
本発明のポリペプチドを用いると、試験化合物が、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害するか否かを検出することができる。また、この本発明の検出方法を用いると、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害する物質をスクリーニングすることができる。本発明のポリペプチドは、後述の実施例5に示すように、軟骨細胞に分化することによりその発現が誘導されるタンパク質であり、しかも、その遺伝子は、後述の実施例6に示すように、変形性関節症(OA)に関連する染色体の位置に存在することから、関節疾患の原因となるアグリカナーゼであると考えられる。従って、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害する物質は、関節疾患治療用物質として有用であり、本発明のポリペプチドそれ自体を、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害する物質、あるいは、関節疾患治療用物質(特には、変形性関節症治療剤)のスクリーニングツールとして使用することができる。
本発明の検出方法又はスクリーニング方法にかけることのできる試験化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ケミカルファイルに登録されている種々の公知化合物(ペプチドを含む)、コンビナトリアル・ケミストリー技術(Terrett,N.K.ら,Tetrahedron,51,8135−8137,1995)又は通常の合成技術によって得られた化合物群、あるいは、ファージ・ディスプレイ法(Felici,F.ら,J.Mol.Biol.,222,301−310,1991)などを応用して作成されたランダム・ペプチド群を用いることができる。前記公知化合物には、例えば、金属プロテアーゼ阻害活性を有することが知られているが、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性に対して阻害するか否かが不明な化合物(ペプチドを含む)が含まれる。また、微生物の培養上清、植物若しくは海洋生物由来の天然成分、又は動物組織抽出物などもスクリーニングの試験化合物として用いることができる。更には、本発明のスクリーニング方法により選択された化合物(ペプチドを含む)を、化学的又は生物学的に修飾した化合物(ペプチドを含む)を用いることができる。
本発明の検出方法においては、試験ポリペプチドと基質用ポリペプチドとを接触させる代わりに、本発明のポリペプチドと基質用ポリペプチドと試験化合物とを接触させること以外は、先述のアグリカナーゼ活性の判定方法と同様にして実施することができる。すなわち、本発明の検出方法では、本発明のポリペプチドと基質用ポリペプチドと試験化合物とを接触させ、前記試験化合物の存在下において、前記基質用ポリペプチドが、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性に基づいて切断されたか否か(あるいは、その切断の程度)を分析することにより、前記試験化合物が、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害するか否かを検出する。基質用ポリペプチドが、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性に基づいて切断されないか、あるいは、前記切断の程度が減少する場合には、前記試験化合物が、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害すると判断することができる。
本発明の検出方法に用いることのできる基質用ポリペプチドとしては、先述のアグリカナーゼ活性の判定方法で説明した基質用ポリペプチドを用いることができる。
また、本発明の検出方法において、基質用ポリペプチドが、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性に基づいて切断されたか否かを分析する方法としては、先述のアグリカナーゼ活性の判定方法で説明した方法を用いることができる。前記方法としては、例えば、基質用ポリペプチドが、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性に基づいて切断されることによって生じるポリペプチド断片を分析(例えば、ポリペプチド断片の有無を検出、あるいは、ポリペプチド断片の生成量を測定)する方法、あるいは、前記切断によって減少する基質用ポリペプチドを分析(例えば、基質用ポリペプチドの有無を検出、あるいは、基質用ポリペプチドの減少量を測定)する方法を挙げることができる。
本発明のスクリーニング方法では、本発明の検出方法により、試験化合物が、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害するか否かを検出し、その結果に基づいて、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害する物質、あるいは、関節疾患治療用物質を選択する。より具体的には、例えば、本発明のポリペプチドと基質用ポリペプチドと試験化合物とを接触させ、前記試験化合物の存在下における前記基質用ポリペプチドの切断の有無又は程度を指標として、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害する物質、あるいは、関節疾患治療用物質を選択することができる。基質用ポリペプチドが、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性に基づいて切断されないか、あるいは、前記切断の程度が減少する場合には、前記試験化合物が、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害する物質、あるいは、関節疾患治療用物質であると判定することができる。
[5]本発明の関節疾患治療用医薬組成物の製造方法
本発明には、本発明のスクリーニング方法により選択される、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害する物質を有効成分とする関節疾患治療用医薬組成物が包含される。
関節疾患治療用医薬組成物の品質規格の確認試験において、本発明の検出方法により、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害するか否かを検出する工程、及び製剤化工程を含む、関節疾患治療用医薬組成物の製造方法も本発明に含まれる。
また、前記検出工程を含む本発明のスクリーニング方法で得られた物質を製剤化することからなる、関節疾患治療用医薬組成物の製造方法も本発明に含まれる。
本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害する物質を有効成分とする製剤は、前記有効成分のタイプに応じて、それらの製剤化に通常用いられる担体、賦形剤、及び/又はその他の添加剤を用いて調製することができる。
投与としては、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、又は経口用液剤などによる経口投与、あるいは、静注若しくは筋注などの注射剤、坐剤、経皮投与剤、又は経粘膜投与剤などによる非経口投与を挙げることができる。特に胃で消化されるペプチドにあっては、静注等の非経口投与又は消化を受けない製剤化手段、例えば、WO95/28963号パンフレットに記載の製剤化手段が好ましい。
経口投与のための固体組成物においては、1又はそれ以上の活性物質と、少なくとも一つの不活性な希釈剤、例えば、乳糖、マンニトール、ブドウ糖、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、又はメタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどと混合することができる。前記組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば、滑沢剤、崩壊剤、安定化剤、又は溶解若しくは溶解補助剤などを含有することができる。錠剤又は丸剤は、必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質などのフィルムで被覆することができる。
経口のための液体組成物は、例えば、乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、又はエリキシル剤を含むことができ、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば、精製水又はエタノールを含むことができる。前記組成物は、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば、湿潤剤、懸濁剤、甘味剤、芳香剤、又は防腐剤を含有することができる。
非経口のための注射剤としては、無菌の水性若しくは非水性の溶液剤、懸濁剤、又は乳濁剤を含むことができる。水溶性の溶液剤又は懸濁剤には、希釈剤として、例えば、注射用蒸留水又は生理用食塩水などを含むことができる。非水溶性の溶液剤又は懸濁剤の希釈剤としては、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、アルコール類(例えば、エタノール)、又はポリソルベート80等を含むことができる。前記組成物は、更に湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解若しくは溶解補助剤、又は防腐剤などを含むことができる。前記組成物は、例えば、バクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合、又は照射によって無菌化することができる。また、無菌の固体組成物を製造し、使用の際に、無菌水又はその他の無菌用注射用媒体に溶解し、使用することもできる。
投与量は、前記スクリーニング法により選択された有効成分の活性の強さ、症状、投与対象の年齢、又は性別等を考慮して適宜決定することができる。
例えば、経口投与の場合、その投与量は、通常、成人(体重60kgとして)において、1日につき約0.01〜1000mg、好ましくは0.01〜100mgである。また、非経口投与の場合、注射剤の形では、1日につき0.01〜1000mg、好ましくは0.01〜100mgである。
[6]本発明の抗体又はその断片
本発明のポリペプチドに反応する抗体(例えば、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体)は、各種動物に、本発明のポリペプチド、又はその断片を直接投与することで得ることができる。また、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを導入したプラスミドを用いて、DNAワクチン法(Raz,E.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91,9519−9523,1994;又はDonnelly,J.J.ら,J.Infect.Dis.,173,314−320,1996)によっても得ることができる。
ポリクローナル抗体は、例えば、本発明のポリペプチド又はその断片を適当なアジュバント(例えば、フロイント完全アジュバントなど)に乳濁した乳濁液を、腹腔、皮下、又は静脈等に免疫して感作した動物(例えば、ウサギ、ラット、ヤギ、又はニワトリ等)の血清又は卵から製造することができる。このように製造された血清又は卵から、常法のポリペプチド単離精製法によりポリクローナル抗体を分離精製することができる。そのような分離精製方法としては、例えば、遠心分離、透析、硫酸アンモニウムによる塩析、又はDEAE−セルロース、ハイドロキシアパタイト、若しくはプロテインAアガロース等によるクロマトグラフィー法を挙げることができる。
モノクローナル抗体は、例えば、ケーラーとミルスタインの細胞融合法(Kohler,G.及びMilstein,C.,Nature,256,495−497,1975)により、当業者が容易に製造することが可能である。
すなわち、本発明のポリペプチド又はその断片を適当なアジュバント(例えば、フロイント完全アジュバントなど)に乳濁した乳濁液を、数週間おきにマウスの腹腔、皮下、又は静脈に数回繰り返し接種することにより免疫する。最終免疫後、脾臓細胞を取り出し、ミエローマ細胞と融合してハイブリドーマを作製する。
ハイブリドーマを得るためのミエローマ細胞としては、例えば、ヒポキサンチン−グアニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損又はチミジンキナーゼ欠損のようなマーカーを有するミエローマ細胞(例えば、マウスミエローマ細胞株P3X63Ag8.U1)を利用することができる。また、融合剤としては、例えば、ポリエチレングリーコールを利用することができる。更には、ハイブリドーマ作製における培地として、例えば、イーグル氏最小必須培地、ダルベッコ氏変法最小必須培地、又はRPMI−1640などの通常よく用いられている培地に、10〜30%のウシ胎仔血清を適宜加えて用いることができる。融合株は、HAT選択法により選択することができる。ハイブリドーマのスクリーニングは培養上清を用い、ELISA法又は免疫組織染色法などの周知の方法により行ない、目的の抗体を分泌しているハイブリドーマのクローンを選択することができる。また、限界希釈法によってサブクローニングを繰り返すことにより、ハイブリドーマの単クローン性を保証することができる。このようにして得られるハイブリドーマは、培地中で2〜4日間、あるいは、プリスタンで前処理したBALB/c系マウスの腹腔内で10〜20日間培養することで、精製可能な量の抗体を産生することができる。
このように製造されたモノクローナル抗体は、培養上清又は腹水から常法のポリペプチド単離精製法により分離精製することができる。そのような分離精製方法としては、例えば、遠心分離、透析、硫酸アンモニウムによる塩析、又はDEAE−セルロース、ハイドロキシアパタイト、若しくはプロテインAアガロース等によるクロマトグラフィー法を挙げることができる。
また、モノクローナル抗体又はその一部分を含む抗体断片は、前記モノクローナル抗体をコードする遺伝子の全部又は一部を発現ベクターに組み込み、適当な宿主細胞(例えば、大腸菌、酵母、又は動物細胞)に導入して生産させることもできる。
以上のように分離精製された抗体(ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体を含む)について、常法により、ポリペプチド分解酵素(例えば、ペプシン又はパパイン等)によって消化を行ない、引き続き、常法のポリペプチド単離精製法により分離精製することで、活性のある抗体の一部分を含む抗体断片、例えば、F(ab’)2、Fab、Fab’、又はFvを得ることができる。
更には、本発明のポリペプチドに反応する抗体を、クラクソンらの方法又はゼベデらの方法(Clackson,T.ら,Nature,352,624−628,1991;又はZebedee,S.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,3175−3179,1992)により、一本鎖(single chain)Fv又はFabとして得ることも可能である。また、マウスの抗体遺伝子をヒト抗体遺伝子に置き換えたトランスジェニックマウス(Lonberg,N.ら,Nature,368,856−859,1994)に免疫することで、ヒト抗体を得ることも可能である。
実施例
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。なお、特に断らない限り、公知の方法(Sambrook,J.ら,”Molecular Cloning−A Laboratory Manual”,Cold Spring Harbor Laboratory,NY,1989)に従って実施した。
実施例1:C末FLAG付加型発現ベクターの作製
プラスミドpCEP4(インビトロジェン社製)を、制限酵素ClaI及びNsiIで切断し、平滑末端化した後、自己連結反応を行なうことにより、エプスタイン・バーウイルス由来のEBNA1発現ユニットを除去した発現ベクターpCEP4dを作製した。得られた発現ベクターpCEP4dを、制限酵素NheI及びBamHIで切断した後、アガロースゲル抽出することにより得られた約7.7kbpのDNA断片に、配列番号7で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号8で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとをアニールさせて得られた二重鎖オリゴヌクレオチドを挿入することにより、発現ベクターpCEP4d−FLAGを作成した。なお、得られた発現ベクターが目的の配列を有することは、塩基配列により確認した。
得られた発現ベクターpCEP4d−FLAGを鋳型とし、配列番号9で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号10で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとの組み合わせをプライマーとして、パイロベスト(PyroBestTM)DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)を用いてPCRを行なった。前記PCRでは、最初に94℃(2分間)で熱変性を行なった後、94℃(30秒間)と55℃(30秒間)と72℃(30秒間)とからなるサイクルを15回繰り返し、最後に72℃(7分間)の伸長反応を行なった。
前記PCRにより生じた約0.4kbpのDNA断片を制限酵素SpeIで切断した後、このDNA断片を、制限酵素XbaIで切断したpCEP4d−FLAG(約7.7Kbp)に挿入することにより、発現ベクターpCEP4dE2−FLAGを作成した。得られた発現ベクターpCEP4dE2−FLAGにおいては、プロモーターから下流に向かって、クローニングサイトであるXbaI認識配列、NheI認識配列、NotI認識配列、及びBamHI認識配列、並びにFLAGタグがこの順に配列されている。
実施例2:新規アグリカナーゼ遺伝子MDTS8の全長ORF遺伝子のクローニング
配列番号3で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(5’側にXbaI認識配列及びKozak配列が付加してある)と配列番号4で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(5’側にNotI認識配列が付加してある)との組み合わせをプライマーとし、ヒト胎盤cDNA(Marathon−ReadyTM cDNA;クロンテック社製)を鋳型として、DNAポリメラーゼ(TaKaRa LA TaqTM;宝酒造社製)を用いてPCRを行なった。前記PCRでは、最初に94℃(2分間)で熱変性を行なった後、98℃(10秒間)と68℃(3分間)とからなるサイクルを45回繰り返し、最後に68℃(7分間)の伸長反応を行なった。
前記PCRにより生成した約2.3kbpのDNA断片(5’側にXbaI認識配列及びKozak配列が付加され、3’側にNotI認識配列が付加されている)を、プラスミドPCR2.1(インビトロジェン社製)にサブクローンすることにより、クローンpMDTS8Cysを得た。
得られたプラスミドpMDTS8Cysを制限酵素XbaI及びNotIで切断し、得られた約2.3kbpのDNA断片を、前記実施例1で作製したプラスミドpCEP4dE2−FLAGのXbaI及びNotI部位に挿入することにより、プラスミドpCEPdE2−MDTS8Cys−FLAGを得た。
得られたプラスミドpCEPdE2−MDTS8Cys−FLAGを制限酵素KpnI及びNotIで切断し、約8.3kbpのDNA断片(以下、DNA断片Aと称する)を得た。また、前記プラスミドpCEPdE2−MDTS8Cys−FLAGを制限酵素KpnI及びSpeIで切断し、約1.5kbpのDNA断片(以下、DNA断片Bと称する)を得た。
配列番号3で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号4で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとの組み合わせの代わりに、配列番号5で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号6で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(5’側にNotI認識配列が付加してある)との組み合わせをプライマーとして用いること以外は、前記PCRと同じ条件でPCRを実施した。前記PCRにより生じた約1.5kbpのDNA断片(3’側にNotI認識配列が付加されている)を、プラスミドPCR2.1(インビトロジェン社製)にサブクローンすることにより、クローンpMDTS8−3Hを得た。得られたクローンpMDTS8−3Hを、制限酵素SpeI及びNotIで切断し、約1.5kbpのDNA断片(以下、DNA断片Cと称する)を得た。
前記DNA断片A、前記DNA断片B、及び前記DNA断片Cを連結することにより、プラスミドpCEPdE2−MDTS8Full−FLAGを作製した。このプラスミドpCEPdE2−MDTS8Full−FLAGは、新規アグリカナーゼ遺伝子MDTS8の配列番号1で表される塩基配列における第1番〜第3663番の塩基からなる遺伝子を含有し、配列番号2で表されるアミノ酸配列における第1番〜第1221番のアミノ酸からなる配列のC末端に、配列番号23で表されるアミノ酸配列が付加したポリペプチドを、動物細胞を宿主として、発現することができる。
実施例3:MDTS8全長タンパク質(MDTS8Full)の発現
前記実施例2で作製したプラスミドpCEPdE2−MDTS8Full−FLAG(あるいは、コントロールとして、前記実施例1で作製したプラスミドpCEPdE2−FLAG)を、市販のトランスフェクション試薬(FuGENETM6 Transfection Reagent;ベーリンガー・マンハイム社製)を用いて、添付指示書に従い、HEK293−EBNA細胞(インビトロジェン社製)に導入した。
プラスミド導入後、1〜2日間培養して得た培養上清中に、目的タンパク質が存在することを、C末端に付加したFLAGタグに対する抗体(マウス抗FLAGモノクローナル抗体M2;シグマ社製)を用いたウエスタンブロッティングで確認した。すなわち、前記培養上清を、SDS/10%〜20%アクリルアミドゲル(第一化学薬品社製)を用いて電気泳動した後、ブロッティング装置を用いてポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜に転写した。転写後のPVDF膜に、ブロッキング剤(ブロックエース;大日本製薬社製)を添加してブロッキングした後、前記マウス抗FLAGモノクローナル抗体M2と、西洋わさびパーオキシダーゼ標識ウサギ抗マウスIgGポリクローナル抗体(ザイメッド社製又はタゴ社製)とを、順次反応させた。あるいは、前記ブロッキングに続いて、ビオチン化M2抗体(シグマ社製)と、西洋わさびパーオキシダーゼ標識ストレプトアビジン(アマシャムファルマシアバイオテク社製)とを、順次反応させた。反応後、市販のウエスタンブロッティング検出システム(ECLウエスタンブロッティング検出システム;アマシャムファルマシアバイオテク社製)を用いて、目的タンパク質の発現を確認した。検出されたタンパク質のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)における見かけ上の分子質量は、約120〜140KDaであった。
実施例4:MDTS8全長タンパク質のアグリカナーゼ活性の確認
(1)組換えアグリカンG1G2の調製
公知のヒトアグリカンの遺伝子配列(Doege K.,ら,Biochem.Soc.Trans.,18,200−202,1990)に基づいて合成した配列番号11で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号12で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとの組み合わせをプライマーとし、ヒト胎盤cDNA(Marathon−ReadyTM cDNA;クロンテック社製)を鋳型とし、パイロベスト(PyroBestTM)DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)を用いてPCRを行なった。前記PCRでは、最初に94℃(1分間)で熱変性を行なった後、98℃(10秒間)と68℃(2分間)とからなるサイクルを40回繰り返し、最後に68℃(7分間)の伸長反応を行なった。
前記PCRにより生成したDNA断片を制限酵素BamHIで切断し、プラスミドpCEP−SigFlaのBamHI部位に導入することにより、ヒトアグリカンの球状ドメイン1(G1)−球状ドメイン2(G2)のN末にFLAGタグを、そして、C末にHisタグを付加したタンパク質(以下、組換えアグリカンG1G2と称する)を発現するために用いる発現プラスミドpCEP−rAggを作製した。なお、前記プラスミドpCEP−SigFlaは、前記実施例1で作製したプラスミドpCEP4dのHindIII部位及びXhoI部位に、配列番号13で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号14で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとをアニールさせて得られた二重鎖オリゴヌクレオチドを導入することにより得られた発現ベクターである。プラスミドpCEP−SigFlaでは、プロモーターから下流に向かって、インフルエンザウィルスのヘマグルチニン(hemaglutinin)由来の分泌シグナル配列(Guan X−M.ら,J.Biol.Chem.,267,21995−21998,1992)、FLAGタグ配列、そして、BamHI認識配列がこの順に配列されている。
得られた発現プラスミドpCEP−rAggを、HEK293−EBNA細胞に導入し、3〜7日間培養して目的タンパク質(すなわち、組換えアグリカンG1G2)を発現させた。培養上清からの目的タンパク質の精製は、N末端にFLAGタグが付加していることを利用して、アフィニィティクロマトグラフィーにより精製した。すなわち、培養上清を、カラムに詰めたM2−アガロース(シグマ社製)にアプライし、20mmol/Lトリス塩酸(pH7.4)/150mmol/L塩化ナトリウム(以下、TBSと称する)で洗浄した後、0.1mol/Lグリンシン塩酸(pH3.0)で溶出することにより分画し、直ちに1mol/Lトリス塩酸(pH8.0)で中和した。
(2)アグリカナーゼ活性の検出
前記実施例3と同様にして、前記実施例2で作製したプラスミドpCEPdE2−MDTS8Full−FLAG(あるいは、コントロールとして、前記実施例1で作製したプラスミドpCEPdE2−FLAG)を、HEK293−EBNA細胞(インビトロジェン社製)に導入した。前記プラスミド導入から16時間した経過したところで、培地を無血清培地に置換し、更に34時間培養を継続した後、培養上清を回収した。
得られた各培養上清と、前記実施例4(1)で調製した組換えアグリカンG1G2とを混合し、37℃で1夜反応させた後、前記実施例3に記載した手順に従って、SDS−PAGE、PVDF膜への転写、及びブロッキングを実施した。続いて、前記PVDF膜に、アグリカナーゼネオエピトープを認識するマウスモノクローナル抗体BC−3(Hughes C.E.ら,Biochemical J.,305,799−804,1995)と、パーオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgGポリクローナル抗体(タゴ社製)とを、順次反応させた後、市販のウエスタンブロッティング検出システム(ECLウエスタンブロッティング検出システム;アマシャムファルマシア社製)を用いて検出した。
その結果、プラスミドpCEPdE2−FLAG(コントロール)でトランスフェクションしたHEK293−EBNA細胞の培養上清と、組換えアグリカンG1G2とを反応させても、抗アグリカナーゼネオエピトープ抗体と反応する分解物が認められなかったのに対して、プラスミドpCEPdE2−MDTS8Full−FLAGでトランスフェクションしたHEK293−EBNA細胞の培養上清と、組換えアグリカンG1G2とを反応させると、前記分解物が生成することが判明した。
本実施例により、MDTS8がアグリカナーゼ活性を有することが明らかになった。
実施例5:軟骨細胞分化に伴うMDTS8のmRNAの発現誘導
(1)間葉系幹細胞の軟骨細胞への分化誘導
ヒト間葉系幹細胞は、TGF−β3等の刺激下でスフェロイド培養することにより、軟骨細胞に分化することが知られている(Pittenger M.F.ら,Science,284,143−147,1999)。
正常ヒト間葉系幹細胞(バイオ・ホイタッカー社製)を、ヒト間葉系幹細胞増殖培地キット(バイオ・ホイタッカー社製)で培養して5×105個の細胞を得た。続いて、2.5×105個の細胞を、不完全軟骨分化誘導培地[DMEM−high glucose(ライフテクノロジー社製)、1mmol/Lピルビン酸ナトリウム(ライフテクノロジー社製)、0.35mmol/Lプロリン(ライフテクノロジー社製)、0.1μmol/Lデキサメタゾン(シグマ社製)、0.17mmol/Lアスコルビン酸−2−リン酸(シグマ社製)、及びITS+1 Cuiture Supplement(シグマ社製)]で洗浄した後、完全軟骨分化誘導培地[0.01μg/mLのTGF−β3(シグマ社製)を含む不完全軟骨分化誘導培地]500μLに細胞を懸濁し、ポリプロピレンチューブを用いて150×gで5分間遠心分離することにより細胞ペレットを得た。得られた細胞ペレットを、そのまま細胞培養装置中で培養して、3〜4日に一度、完全軟骨分化誘導培地に培地交換しながら、2週間培養を継続した。
(2)軟骨細胞への分化の確認
未分化ヒト間葉系幹細胞及び分化誘導した細胞から、それぞれ、市販の総RNA精製試薬(ISOGEN;日本ジーン社製)を用いて総RNAを調製した。得られた総RNAをDNアーゼ(日本ジーン社製)を用いて、37℃で15分間反応させた。DNアーゼ処理した総RNA0.5μgをスーパースクリプト・ファーストストランドシステム(RT−PCR用)(ギブコ・BRL社製)を用いてcDNAに変換した。
前記実施例5(1)の分化誘導処理により、ヒト間葉系幹細胞が軟骨細胞に分化したことは、軟骨細胞に特異的に発現しているII型コラーゲン及びIX型コラーゲンのmRNAが分化誘導に伴い、著しく発現上昇していることで確認した。具体的には、シークエンスディテクター(Prism7700 Sequence Detector;アプライド・バイオシステムズ社製)を用いた定量PCRにより存在量を測定し、比較した。なお、プライマーセットとしては、II型コラーゲンについては、配列番号15で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと、配列番号16で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとの組み合わせを、IX型コラーゲンについては、配列番号17で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと、配列番号18で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとの組み合わせを、それぞれ使用した。また、PCRは、市販のPCR試薬(SYBR Green PCR core reagent;アプライド・バイオシステムズ社製)を用い、95℃(10分間)の初期変性反応を実施した後、94℃(15秒間)と60℃(30秒間)と72℃(60秒間)とからなるサイクル反応を45回繰り返すことにより実施した。
また、mRNA発現量算出の標準曲線を得るために、ヒト染色体DNAを鋳型として、前記プライマーセットを用いて同条件のPCRを行なった。更に、内部標準としてヒトグリセルアルデヒド3−リン酸脱水素酵素(G3PDH)の発現量を算出するために、前記cDNA及びヒト染色体DNAをそれぞれ鋳型として、配列番号21で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと、配列番号22で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとの組み合わせをプライマーセットとして、同条件のPCRを行なった。このG3PDHの測定値により、II型コラーゲン又はIX型コラーゲンの各mRNAの存在量を補正した。
(3)軟骨細胞でのMDTS8遺伝子の発現
新規アグリカナーゼ遺伝子MDTS8のmRNA量を測定するのに用いるプライマーセットとして、配列番号1で表される塩基配列に基づいて、配列番号19で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと、配列番号20で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとを設計した。これらのオリゴヌクレオチドの組み合わせをプライマーセットとし、前記実施例5(2)で調製したcDNA(総RNA換算で5ng相当)を鋳型とし、DNAポリメラーゼ(TaKaRa LA TaqTM;宝酒造社製)を用いてPCRを行なった。前記PCRでは、最初に94℃(2分間)で熱変性を行なった後、98℃(10秒間)と60℃(30秒間)と72℃(1分間)とからなるサイクルを40回繰り返した。
また、G3PDH遺伝子の発現をモニターするために、配列番号21で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと、配列番号22で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとの組み合わせをプライマーセットとして用い、前記実施例5(2)で調製したcDNA(総RNA換算で5ng相当)を鋳型とし、DNAポリメラーゼ(TaKaRa LA TaqTM;宝酒造社製)を用いてPCRを行なった。前記PCRでは、最初に94℃(2分間)で熱変性を行なった後、98℃(10秒間)と60℃(30秒間)と72℃(1分間)とからなるサイクルを30回繰り返した。
その結果、軟骨細胞分化に伴ったG3PDH遺伝子の大きな発現変動は認められなかったのに対して、本発明の新規アグリカナーゼ遺伝子MDTS8のmRNAは、分化前のヒト間葉系幹細胞では検出されず、軟骨細胞では約0.33kbpのバンドとして検出された。すなわち、本発明の新規アグリカナーゼ遺伝子MDTS8のmRNAが軟骨細胞で遺伝子発現することが示された。
実施例6:新規アグリカナーゼ遺伝子MDTS8の染色体座の決定
配列番号1で表される塩基配列からなる新規アグリカナーゼ遺伝子MDTS8の全長ORFの遺伝子配列を問い合わせ配列として、GenBankをBLAST検索したところ、MDTS8の部分配列を含有するBACクローンAC026498、AC025284、AC010548、及びAC009139が発見された。なお、いずれのクローンにも、最小で24個あるエクソンの一部しか存在しなかった。
続いて、東大医科学研究所及び理化学研究所により構築され、ウェブ上に公開されている公開データベース(Human Genome REconstruction Project;http://hgrep.ims.u−tokyo.ac.jp/cgi−bin/HTG_tool/view.cgi?layer=top)を利用し、これらのクローン4種が染色体16qに存在することを確認した。また、この検索により、前記クローン4種には、16q番染色体に存在する遺伝子座マーカーWI−22533、stSG3069、SGC32952、及びstSG62732が含まれていることが確認された。
続いて、16q番染色体に存在する前記マーカーWI−22533、stSG3069、SGC32952、及びstSG62732を用い、より詳細な遺伝子座を決定した。具体的には、別の公開データベース(The Genome Database;http://www.gdb.org/)を用いて、前記の4つの遺伝マーカーを検索し、それらがいずれも染色体の物理地図上の16q22.3−23.1にあることから、MDTS8が染色体16q22.3−23.1にあることが判明した。これにより、MDTS8の染色体座が、関節疾患であるOA感受性領域として特定されている領域に存在することが明らかとなった。
産業上の利用可能性
本発明のポリペプチドは、関節疾患(特にOA)の原因となる新規アグリカナーゼであるので、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害する物質は、関節疾患治療用物質として有用である。
また、本発明のポリペプチドによれば、関節疾患治療剤の簡便なスクリーニング系を提供することができる。すなわち、本発明のポリペプチドを利用する本発明の検出方法を用いることにより、本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害する物質を選択し、関節疾患治療用物質をスクリーニングすることができる。
また、前記スクリーニング方法で選択された物質を有効成分とし、担体、賦形剤、及び/又はその他の添加剤を用いて製剤化することにより、関節疾患治療用医薬組成物を製造することができる。
本発明の検出方法は、関節疾患治療用物質をスクリーニングする為のみでなく、関節疾患治療用医薬組成物の品質規格の確認試験において、用いることも可能である。すなわち、本発明の検出方法を用いて、試験化合物が本発明のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害するか否かを検出し、次いで、前記アグリカナーゼ活性阻害物質を製剤化することにより、関節疾患治療用医薬組成物を製造することができる。
更に、本発明のポリヌクレオチド、発現ベクター、細胞、及び抗体は、本発明のポリペプチドを製造するのに有用である。
配列表フリーテキスト
以下の配列表の数字見出し<223>には、「Artificial Sequence」の説明を記載する。具体的には、配列表の配列番号3〜6、及び9〜12の配列で表される各塩基配列は、人工的に合成したプライマー配列である。また、配列表の配列番号7、8、13、及び14の配列で表される各塩基配列は、人工的に合成したリンカー配列である。更に、配列表の配列番号23の配列で表される塩基配列は、制限酵素NotI認識配列及びFLAGタグ配列を含む人工的に合成した配列である。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。
【配列表】
Claims (8)
- (1)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含み、あるいは、(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも、アグリカナーゼ活性を示すポリペプチド。
- 配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド。
- 請求項1〜2のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
- 請求項3に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
- 請求項4に記載の発現ベクターでトランスフェクションされた細胞。
- (1)請求項1〜2のいずれか一項に記載のポリペプチドと、(2)アグリカナーゼにより切断可能な基質用ポリペプチドと、(3)試験化合物とを接触させる工程、及び
前記基質用ポリペプチドの切断を分析する工程
を含む、試験化合物が前記ポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害するか否かを検出する方法。 - 請求項6に記載の方法による検出工程、及び
アグリカナーゼ活性を阻害する物質を選択する工程
を含む、請求項1〜2のいずれか一項に記載のポリペプチドのアグリカナーゼ活性を阻害する物質をスクリーニングする方法。 - 請求項1〜2のいずれか一項に記載のポリペプチドに結合する抗体又はその断片。
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