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JP3876980B2 - インクジェット記録用インクセットおよびインクジェット記録方法、並びに記録物 - Google Patents

インクジェット記録用インクセットおよびインクジェット記録方法、並びに記録物 Download PDF

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JP3876980B2 JP2002076941A JP2002076941A JP3876980B2 JP 3876980 B2 JP3876980 B2 JP 3876980B2 JP 2002076941 A JP2002076941 A JP 2002076941A JP 2002076941 A JP2002076941 A JP 2002076941A JP 3876980 B2 JP3876980 B2 JP 3876980B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用インクセット及びそれを用いるインクジェット記録方法、並びにそれにより得られた記録物に関するものであり、詳細には印刷した際に、汚れが殆ど認識されない優れた画像品質を得ることのできるインクジェット記録用インクセット及びそれを用いるインクジェット記録方法並びにそれにより得られた記録物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、微細なノズルからインクを小滴として吐出し、文字や図形を被記録体表面に記録する方法である。インクジェット記録方法としては電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換し、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して被記録体表面に文字や記号を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出して、被記録体表面に文字や記号を記録する方法などが実用化されている。
【0003】
インクジェット記録におけるインクの供給形態としては、複数の異なる色を有するインクを組み合わせてなるインクセットを使用する方法が知られている。このようなインクセットによれば、インクセットから吐出される各インクの種類と吐出量とが、画像情報に基づいた信号に応じて随時選択されることにより、写真画像などのカラー画像を高画質で容易に得ることができるという利点がある。
インクセットとしては、同一色相において、着色剤濃度が異なる複数のインクを具備するもの(濃淡インクセットともいう)が知られており、所定の印字濃度に印刷すべき領域に対して、着色剤濃度が高く設定されたインク(濃インクともいう)のインクDuty(単位面積あたりのインクの打ち込み量)よりも着色剤濃度が低く設定されたインク(淡インクともいう)のインクDutyを積極的に高くすることにより、得られる画像の粒状感を低減できる。
【0004】
しかしながら、特に、インクDutyを高くする必要のある画像(特に、写真画像)を印刷すると、紙(特に、普通紙)がインクの水分を吸収して伸びることにより、凹凸形状となったり、湾曲しやすく、変形した紙とプリンタのヘッドとが接触して、所望の印刷が実施できなくなる虞れが生じる。そのため、通常、プリンタには、紙を挟み込むことによって所定位置に維持して紙とヘッドとの接触を防止できるローラーが配設されている。
【0005】
このようなプリンタに供されるインクセットが具備するインクとしては、一般には各種の水溶性染料を水性媒体に溶解させたものが汎用されているが、最近では、顔料を分散剤によって水性媒体に分散させたインクも提供されている。これは、顔料を用いたインク(以下、顔料インクともいう)が、水溶性染料を用いたインクに比べて耐候性(耐水性や耐光性など)に優れるという特徴を有することにある。
ここで、顔料は一般的に水には不溶であるため、通常、顔料を水系インク組成物の着色剤として利用する場合には、顔料を分散剤と共に混合して、水に安定分散させた後にインク組成物として調製される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのように調製した顔料インクを用いても、特に、普通紙を用いる場合、または、写真画像等のインクDutyの多い画像を形成させる場合に、インクが紙に浸透し難い。よってこのような場合においては、前記したローラーに、紙に浸透しなかったインクが付着しやすく、インクが付着したローラーが画像を汚しやすい(以下、この現象を“インク転写”ともいう)という問題がある。
画像の粒状感を低減するために前記した濃淡インクセットを使用して印刷する場合、淡インクのインクDutyが高く設定されるなどして、紙に打ち込まれるインク量は多くなる傾向となるので、記録紙に対してインクが浸透し難く、浸透しなかったインクによってインク転写が生じて、画像の汚れが視認されやすくなる。
特に、発色性が高い画像を得るべく濃淡インクの顔料濃度が高く設定されたインクセットを使用する場合は、画像の汚れが目立ちやすい。
さらに、昨今求められている印刷の高速化は、インクが紙に浸透する前にローラーに付着しやすくなるので、インク転写を増長する一因となってしまうという問題もある。
【0007】
また、顔料インクを使用すると、前記したように耐候性には優れるものの、紙に対する画像の定着性が不十分であったり、インクDutyが異なる領域間の光沢性の違いに起因するムラ(光沢ムラともいう)が顕在化しやすいという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するものであり、印刷した際に、汚れが殆ど認識されない優れた画像品質を得ることができ、画像の定着性に優れ、光沢ムラが生じにくいインクジェット記録用インクセット及びインクジェット記録方法、並びに、汚れが殆ど認識されない優れた画像品質を有し、画像の定着性に優れ、光沢ムラが生じにくい記録物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討した結果、特定の顔料インクを組み合わせてインクセットとすることによって、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)「顔料と樹脂分散剤と水とを含有する顔料濃インク」の一種以上と、「顔料と樹脂分散剤と水とを含有するとともに、該顔料の濃度が前記顔料濃インクにおける顔料濃度の1/2以下である顔料淡インク」の一種以上とを具備し、前記顔料濃インクにおける樹脂分散剤の酸価が、前記顔料淡インクにおける樹脂分散剤の酸価よりも小さくなるように構成されたインクジェット記録用インクセット。
(2) 前記顔料濃インクにおける樹脂分散剤の酸価が50〜120であって、かつ前記顔料淡インクにおける樹脂分散剤の酸価が150以上であることを特徴とする上記(1)に記載のインクジェット記録用インクセット。
【0010】
(3) 前記顔料濃インクが、シアンインク又はマゼンタインクであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のインクジェット記録用インクセット。(4) 前記シアンインクに含まれる顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3であることを特徴とする上記(3)に記載のインクジェット記録用インクセット。
(5) 前記シアンインクの顔料濃度が3重量%以上であることを特徴とする上記(3)又は(4)に記載のインクジェット記録用インクセット。
【0011】
(6) 前記マゼンタインクに含まれる顔料が、C.I.ピグメントレッド122であることを特徴とする上記(3)に記載のインクジェット記録用インクセット。
(7) 前記マゼンタインクの顔料濃度が5重量%以上であることを特徴とする上記(3)又は(6)に記載のインクジェット記録用インクセット。
【0012】
(8) 前記顔料濃インク及び前記顔料淡インクが、更に界面活性剤及び浸透促進剤を含むことを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
(9) 前記界面活性剤が、アセチレングリコール及び/又はポリオルガノシロキサンであることを特徴とする上記(8)に記載のインクジェット記録用インクセット。
(10)前記浸透促進剤が、グリコールエーテル及び/又は1,2−アルカンジオールであることを特徴とする上記(8)に記載のインクジェット記録用インクセット。
【0013】
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセットを用いてインクジェット記録するインクジェット記録方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録用インクセット(単に、“インクセット”ともいう)は、「顔料と樹脂分散剤と水とを含有する顔料濃インク」の一種以上と、「顔料と樹脂分散剤と水とを含有するとともに、該顔料の濃度が前記顔料濃インクにおける顔料濃度の1/2以下である顔料淡インク」の一種以上とを具備してなり、顔料濃インクにおける樹脂分散剤の酸価が顔料淡インクにおける樹脂分散剤の酸価よりも小さくなるように構成されている。
顔料濃インクの酸価は、好ましくは50〜120であり、より好ましくは50〜90である。また顔料淡インクの酸価は、好ましくは150以上であり、より好ましくは170〜250である。上記の好適な範囲とすることにより、より確実に画像の汚れが視認されにくくなる。
本発明において顔料濃インクと顔料淡インクは、顔料の濃度が異なり、樹脂分散剤の酸価が異なる以外は、顔料及びその他の成分等は同じものを使用できる。
【0015】
本発明の顔料濃インク及び顔料淡インクで使用され得る顔料は、分散剤によりインク中に分散させることができるものである限りいずれの顔料も選択可能である。したがって、このような顔料としては、記録媒体上に記録した場合にいずれの色を発色するのものであってもよく、また、無機顔料、または有機顔料のいずれであってもよい。またこれらの混合物であってもよい。
【0016】
無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
【0017】
本発明において使用可能な顔料としては、イエローインクの顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、14C、16、17、24、34、35、37、42、53 、55 、65、73、74、75、81、83、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、114、117、120、128、129、138、150、151、153、154、180等が挙げられる。
【0018】
また、マゼンタインクの顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、48(Ca)、48(Mn)、48:2、48:3、48:4 、49、49:1、50、51、52、52:2、53:1、53、55、57(Ca)、57:1、60、60:1、63:1、63:2、64、64:1、81、83、87、88、89、90、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、163、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、209、219等が挙げられ、C.I.ピグメントレッド122が好ましい。
【0019】
また、シアンインクの顔料としては、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、16、17:1、22、25、56、60、C.I.バットブルー 4、60、63等が挙げられ、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
【0020】
その他のカラーインクの顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C .I .ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、C .I .ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19(キナクリドンレッド)、23、38等も挙げられる。その他顔料表面を樹脂等で処理したグラフトカーボン等の加工顔料等も使用できる。
【0021】
黒色系のものとしては、例えばカーボンブラックが挙げられる。かかるカーボンブラックの具体例としては、三菱化学製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B 等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700 等が、キャボット社製のRegal 400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、Monarch700、Monarch800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400 等が、デグッサ社製のColor Black FW1、ColorBlack FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、ColorBlack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black4A、Special Black4 等が挙げられる。
【0022】
上記の顔料は、単独種で使用してもよく、また上記した各群内もしくは各群間より複数種選択してこれらを組み合わせて使用してもよい。
【0023】
本発明において使用される顔料の粒径は、0.2μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.15μmである。
【0024】
顔料濃インクにおける顔料の含有量は、インクの全量に対して、2〜10 重量%が好ましく、より好ましくは2〜6重量%である。また、顔料淡インクにおける顔料の含有量は、インクの全量に対して、0.1〜2 重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜1.0重量%である。
【0025】
また、顔料濃インクがシアンインクの場合、濃シアンインクの顔料濃度を3重量%以上とし、顔料濃インクがマゼンタインクの場合、濃マゼンタインクの顔料濃度を5重量%以上とするのが好ましく、汚れが殆ど認識されないだけでなく、発色性にも優れた記録物を得ることができる。
【0026】
本発明において、顔料濃インク及び淡インクに含有される顔料は、樹脂分散剤によってインク中に分散させられており、樹脂分散剤としては、好ましくは天然高分子が挙げられる。
その具体例としては、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、アルブミンなどのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸及びアルギン酸プロピレングリコールエステルアルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0027】
さらに、樹脂分散剤の好ましい例としては合成高分子も挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン− α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。
【0028】
これらの中で、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、及び疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましく、共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。
上記の塩としては、ジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどの塩が挙げられる。
塩を形成するためのこれら化合物は、塩を形成する前の有機物からなる分散剤の中和当量以上であればよいが、印字後の定着性の点から中和当量の約1.3倍位の添加量が好ましい。
これらの共重合体は、重量平均分子量が1000〜50000であるのが好ましく、より好ましくは3000〜10000である。
【0029】
これらの樹脂分散剤を用いる場合には、その添加量は、顔料に対して10〜100重量%程度が好ましく、より好ましくは20〜50重量%の範囲である。
本発明において、特に好ましい樹脂分散剤は、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の塩である。係るスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の塩は、基本的にはその構造中に少なくともスチレン骨格と(メタ)アクリル酸の塩の骨格を含んでなるものを示し、構造中に(メタ)アクリル酸エステル骨格等の他の不飽和基を有するモノマー由来の骨格を有していても構わない。係るスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の塩は、ランダム共重合体、ブロック共重合体の何れであってもよく、ラジカル共重合、グループトランスファー重合等の公知の重合法によって製造される。係るスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の塩の酸価は50〜300の範囲が好ましく、より好ましくは70〜150の範囲である。また、分子量は重量平均分子量で1000〜50000の範囲が好ましく、より好ましくは1000〜15000の範囲であり、さらに好ましくは3000〜10000の範囲である。
【0030】
前記樹脂分散剤としては、市販のものを使用することができ、その具体例としては、ジョンソンポリマー株式会社製、ジョンクリル68(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル680(分子量3900、酸価215)、ジョンクリル682(分子量1600、酸価235)、ジョンクリル550(分子量7500、酸価200)、ジョンクリル555(分子量5000、酸価200)、ジョンクリル586(分子量3100、酸価105)、ジョンクリル683(分子量7300、酸価150)、B−36(分子量6800、酸価250)等が挙げられる。
【0031】
これらの樹脂分散剤の酸価は、カルボン酸基を有するモノマー(アクリル酸など)と、カルボン酸基を有しないモノマー(アクリル酸エステル,スチレンなど)の使用比率を変更することにより、調整することが可能である。ここで、樹脂分散剤の酸価とは、樹脂の1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。
【0032】
本発明において顔料濃インク及び顔料淡インクは、上記した顔料、樹脂分散剤及び水の他に、所望の他の添加剤を含有することができる。
他の添加剤としては、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤などの各種界面活性剤、浸透促進剤としての水溶性有機溶媒、保湿剤等が挙げられる。以下詳細に説明する。
尚、本発明において顔料濃インク及び顔料淡インクに含有される水としては、限定されるものではなく、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水などの純水、もしくは超純水が好ましく使用することができる。また、紫外線照射、過酸化水素の添加により殺菌した水を用いることで、長期保存に際しカビ、バクテリアなどの発生を防止できるので好ましい。
【0033】
本発明の好ましい態様によれば、顔料濃インク及び顔料淡インク(以下、まとめて、顔料インクともいう)は、ノニオン系界面活性剤をさらに含んでなる。
このようなノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、および、後述するアセチレングリコール系界面活性剤等が挙げられる。これらは二種以上を混合して使用してもよい。
本発明の好ましい態様によれば、顔料インクは、ノニオン系界面活性剤としてアセチレングリコール系界面活性剤をさらに含んでなることが好ましい。本発明において、アセチレングリコール系界面活性剤の好ましい具体例としては、下記の式(a)で表される化合物が挙げられる。
【0034】
【化1】
Figure 0003876980
[上記式中、0≦m+n≦50、R1*、R2*、R3*、およびR4*は独立してアルキル基(好ましくは炭素数1〜6のアルキル基)を表す]
【0035】
上記の式(a)で表される化合物の中で特に好ましくは2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどが挙げられる。上記の式(a)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤として市販品を利用することも可能であり、その具体例としてはサーフィノール82、104、440、465、485、またはTG(いずれもAir Products and Chemicals.Inc.より入手可能)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(商品名)(以上、日信化学社製)が挙げられる。これらのアセチレングリコール系界面活性剤は、2種以上を混合して使用してもよい。
【0036】
また、本発明においてノニオン系界面活性剤として、ポリオルガノシロキサンを含有するのも好ましい。
ポリオルガノシロキサンとしては、以下の式(I)で示される化合物を好適に例示できる。
【0037】
【化2】
Figure 0003876980
(上記式中、
l〜R7は、独立して、C1 6アルキル基を表し、jおよびkは、独立して1以上の整数を表し、
EOはエチレンオキシ基を表し、
POはプロピレンオキシ基を表し、
mおよびnは0以上の整数を表すが、但しm+nは1以上の整数を表し、
EOおよびPOは、[ ]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい。)
【0038】
式(I)において、R1〜R7は、独立して、C1 6アルキル基、好ましくはメチル基を表す。jおよびkは、独立して、1以上の整数を表すが、より好ましくは1または2である。また、mおよびnは0以上の整数を表すが、但しm+nは1以上の整数を表す。好ましくはm+nは2〜4である。
【0039】
式(I)の化合物として、j=k=1を満足するものが好ましい。また、式(I)の化合物として、R1〜R7が全てメチル基を表し、jが1を表し、kが1を表し、lが1を表し、mが1以上の整数を表し、nが0を表すものがより好ましい。
【0040】
式(I)の化合物の添加量は適宜決定されてよいが、顔料インクに対して0.03〜3重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜2重量%程度であり、さらに好ましくは0.3〜1重量%程度である。
【0041】
式(I)の化合物は市販されており、それを利用することが可能である。例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社より、シリコン系界面活性剤BYK−347が利用可能である。
【0042】
また、ポリオルガノシロキサンとしては、以下の式(II)で示される化合物も好適に例示できる。
【0043】
【化3】
Figure 0003876980
(上記式中、
11〜R19は、独立して、C1 6アルキル基を表し、
j’およびk’は、独立して1以上の整数を表し、
EOはエチレンオキシ基を表し、
POはプロピレンオキシ基を表し、
m’およびn’は0以上の整数を表すが、但しm’+n’は1以上の整数を表し、
EOおよびPOは、[ ]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい。)
【0044】
式(II)において、R11〜R18は、独立して、C1 6アルキル基、好ましくはメチル基を表す。j’およびk’は、独立して、1以上の整数を表すが、より好ましくは1〜2である。また、m’およびn’は0以上の整数を表すが、但しm’+n’は1以上の整数を表す。好ましくはm’+n’は2〜4である。
【0045】
本発明の好ましい態様によれば、式(II)の化合物として、j’=k’+1を満足するものが好ましい。また別の本発明の好ましい態様によれば、式(II)の化合物として、R11〜R13が全てメチル基を表し、j’が2を表し、k’が1を表し、l’が1を表し、m’が1以上の整数を表し、n’が0を表すものが好ましい。
【0046】
式(II)の化合物の添加量は適宜決定されてよいが、顔料インクに対して、0.03〜3重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜2重量%程度であり、さらに好ましくは0.3〜1重量%程度である。
【0047】
式(II)の化合物は市販されており、それを利用することが可能である。例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社より、シリコン系界面活性剤BYK−345、同346、同348が利用可能である。
【0048】
ノニオン系界面活性剤の添加量は顔料インクに対して0.1〜5重量%程度の範囲であるのが好ましく、より好ましくは0.5〜2重量%程度の範囲である。
【0049】
本発明に用いられる顔料インクは、インクの保湿性を調整したり、または浸透性を付与したりする目的で、水以外に溶媒として水溶性有機溶媒をさらに含んでいてもよい。本発明においては、前記したインクの保湿性を調整する水溶性有機溶媒は、保湿剤もしくは乾燥促進剤として本発明による顔料インクに添加されるものであり、また、インクに浸透性を付与する水溶性有機溶媒は、浸透促進剤として本発明による顔料インクに添加されるものである。
【0050】
インクの保湿性を調整する水溶性有機溶媒としては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−プタノール、n−ペンタノール等の一価アルコール類、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0051】
本発明においては、このようなインクの保湿性を調整する水溶性有機溶媒は、保湿剤として顔料インクに添加されるが、本発明において保湿剤は主として、インクの乾燥を抑制してインクジェット記録装置の吐出ノズルでのインク固化を防止するために用いられる。なお、本発明において使用可能な保湿剤としては、前記した水溶性有機溶媒の他に、例えば、ε−カプロラクタム等のラクタム類、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の固体グリセリン類、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等の糖類も使用可能である。
【0052】
インクに浸透性を付与する水溶性有機溶媒、すなわち浸透促進剤としては、好ましくはグリコールエーテル、特にはグリコールモノエーテルが挙げられる。
本発明において、グリコールモノエーテルとしては、モノおよびポリエチレングリコール、モノおよびポリプロピレングリコール等のグリコール類のモノエーテル化合物より選択されるものであり、下記式(i)で表される化合物より選択されるものであることが好ましい。
R−O−[Cx2x−O]y−H (i)
[前記式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、またはベンジル基、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、またはブチル基であり、xは1〜3、好ましくは2または3であり、yは1〜8、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3である]
【0053】
本発明における浸透促進剤としては、具体的には例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルが挙げられる。
【0054】
このうち、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、またはジプロピレングリコールモノブチルエーテル好ましい。これらは後記する1,2−アルカンジオールとの相溶性が高いことが知られている。
【0055】
また、本発明における浸透促進剤としては、1,2−アルカンジオールも好ましい。1,2−アルカンジオールとしては、その炭素数が4〜10の1,2−アルカンジオールの利用が好ましい。1,2−アルカンジオールは、二種以上を混合して添加してもよい。
好ましい1,2−アルカンジオールとしては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、およびそれらの混合物からなる群より選択されるものである。
これらは、記録媒体への浸透性に優れている点でより好ましい。
より好ましい1,2−アルカンジオールは、1,2−ヘキサンジオール、または1,2−ペンタンジオールであり、最も好ましくは、1,2−ヘキサンジオールである。
【0056】
本発明における浸透促進剤としては、1,2−アルカンジオールとグリコールエーテルとを組み合わせて使用するのが好ましい。組み合わせて使用することにより、1,2−アルカンジオール単体を用いる場合に比べて、より少ない添加量で同等の浸透性を顔料インクに付与することができる。また、インクジェット印刷装置の吐出ノズルに対するインクの濡れを低減させることもできる。さらに、1,2−アルカンジオールの添加によって生じる吐出ノズルへのインク付着は、グリコールエーテルを1,2−アルカンジオールとともに使用することによって、さらに効果的に防止できる。そのため上述の添加量低減の効果と相まって、インクジェット記録装置の吐出ノズルへのインク付着を防止して、印字安定性の高い顔料インクを提供できる。
【0057】
本発明において、顔料インクがグリコールエーテルを含んでいる場合には、グリコールエーテルは、顔料インクそれぞれに対して、0.25〜10重量%の範囲の量添加することが好ましい。
上記範囲内であると、1,2−アルカンジオールと併用した場合により高い浸透性を得ることができ、また、他の添加剤と合わせて印字可能なインク粘度に調整することができる。またグリコールモノエーテルと1,2−アルカンジオールとの比率(重量比)は、1:5〜5:1の範囲であることが好ましく、1:2〜2:1の範囲であることがより好ましい。
【0058】
なお以上において、水溶性有機溶媒を、保湿性を調整する有機溶媒と、浸透性を付与する有機溶媒という観点から説明したが、保湿性を調整するとして挙げた有機溶媒が同時にインクに浸透性を付与する場合もあり、また浸透性を付与するとして挙げた有機溶媒が同時に保湿剤として作用する場合もある。
【0059】
本発明における顔料インクは、浸透促進および吐出信頼性と良好な画像を得ることを目的として、さらに界面活性剤を含有してもよい。このような界面活性剤としては、前記したノニオン系界面活性剤の他に、例えば、アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。これらは単独種で使用してもよく、また二種以上を併用してもよい。なお、本発明による顔料インクの表面張力は、20〜50mN/m範囲程度であり、好ましくは25〜40mN/m範囲程度が好ましい。
【0060】
本発明における顔料インクは、保湿剤をさらに含んでなってもよい。保湿剤は、インクの乾燥を抑制してインクジェット記録装置の吐出ノズルでのインク固化を防止するために用いられる。
保湿剤としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等のポリオール類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が好ましく、水溶性有機溶剤のなかで保湿性・吸湿性のある材料から選ばれる。あるいは、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、1,3−ジメチルイミダゾリジノン類等の尿素類、ε−カプロラクタム等のラクラム類、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の固体グリセリン類、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等の糖類が好ましく、水溶性の吸湿材料から選ばれる。
【0061】
本発明による顔料インクは、さらにノズルの目詰まり防止剤、防腐剤、酸化防止剤・紫外線吸収剤、導電率調整剤、pH調整剤、溶解助剤、粘度調整剤、酸素吸収剤などの他の任意成分をさらに含んでなることができる。
【0062】
防腐剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンゾチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)などが挙げられる。
【0063】
また、pH調整剤、溶解助剤、または酸化防止剤の例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリンなどのアミン類およびそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩など、あるいはN−メチル−2−ピロリドン、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩を挙げることができる。本発明においてはまた、前記した他の任意の成分は、単独または各群内および各群間において複数種選択して混合して用いてもよい。
【0064】
本発明においては、顔料インクのすべての成分の量は、顔料インクの粘度が、20℃で10mPa・s以下であるように選択されることが好ましい。
【0065】
本発明における顔料インクは、前記成分を慣用の適当な方法で分散し、混合することによって製造することができる。好ましくは有機溶剤および揮発性の成分を除いた混合物を適当な分散機(例えは、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、アジテーターミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、ジェットミル、オングミル、超音波ホモジナイザー等)で混合し、均質な組成物としてから有機溶剤および揮発性の成分を添加するのが好ましい。その後、粗大粒子および異物を除去する為に、金属フィルター、メンブレンフィルター等を用いた減圧および加圧濾過や遠心分離を行うのが好ましい。
【0066】
以上、本発明のインクセットが備えてなるインクの構成について説明したが、本発明のインクセットは、顔料濃インクの一種以上が、ブラックインク、マゼンタインク、シアンインクおよびイエローインクからなる群から選択される一種以上であるとともに、顔料淡インクの一種以上が、ブラックインク、マゼンタインク、シアンインクおよびイエローインクからなる群から選択される一種以上であるのが好ましい。
【0067】
即ち、顔料濃インクがブラックインクであり、顔料淡インクがブラックであるインクセット、顔料濃インクがブラックインク及びマゼンタインクであり、顔料淡インクがブラックインク及びマゼンタインクであるインクセット、顔料濃インクがブラックインク及びマゼンタインクであり、顔料淡インクがブラックインク及びシアンインクであるインクセット、顔料濃インクがブラックインク、マゼンタインク及びシアンインクであり、顔料淡インクがブラックインク、シアンインク及びイエローインクであるインクセット等、種々の組み合わせからなるインクセットが本発明に含有され得る。
【0068】
また、本発明において好ましいインクセットは、顔料濃インクの一種以上と、顔料淡インクの一種以上とが、色相に関し対応するように構成されているインクセットである。
色相に関し対応するように構成されているとは、例えば顔料濃インクがブラックインク及びマゼンタインクである場合には、顔料淡インクがブラックインク及びマゼンタインクであるインクセット、顔料濃インクがブラックインク、マゼンタインク及びシアンインクである場合には、顔料淡インクがブラックインク、マゼンタインク及びシアンインクであるインクセット、顔料濃インクがブラックインク、マゼンタインク、シアンインク及びイエローインクである場合には、顔料淡インクがブラックインク、マゼンタインク、シアンインク及びイエローインクであるインクセット等を意味する。このような構成によれば、顔料濃インクと顔料淡インクのインクDutyを各々制御して、特定の色相を粒状感なく印刷することができる。
【0069】
そして、このような本発明のインクジェット記録用インクセットを用いてインクジェット記録した場合に、汚れが殆ど認識されない優れた画像品質を供することができる。
【0070】
本発明のインクジェット記録方法は、顔料濃インク及び顔料淡インクを微細なノズルより液滴として吐出して、その液滴を記録媒体に付着させる方式であればいかなる方法も使用することができる。このような方法としては、例えば、電歪素子の応答による機構のインクジェットヘッドを用いた方法、すなわちインク液に電歪素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、奇形的変形によりインク滴を噴射し形成させる方法、熱エネルギーの作用によりインク液を急激に体積膨張させる方法、静電吸引方式の方法、および、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方法等が挙げられる。
本発明のより好ましい態様によれば、本発明によるインクジェット記録方法は、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた方法であるのが好ましい。
【0071】
以上のようにして得られる本発明の記録物は、汚れが殆ど記載されない優れた画像品質を有する。
【0072】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0073】
(1)インク組成物の調製
インク組成物A1の調製
シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を100g、スチレン−アクリル酸樹脂(酸価:80、分子量:7000)を50g、水酸化カリウムを4.5g、及び水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミティッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度20%になるまで希釈して、シアン顔料分散液A1を調製した。
得られたシアン顔料分散液A1を20g、グリセリンを10g、1,2−ヘキサンジオールを5gおよびBYK−347(ビックケミー社の商品名)を0.5g混合して、更に超純水を加えて全量を100gとした。さらに、pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH9.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタにより濾過して、インク組成物A1を調製した。
【0074】
インク組成物A1’の調製
シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を100g、スチレン−アクリル酸樹脂(酸価:80、分子量:7000)を50g、水酸化カリウムを4.5g、及び水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミティッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度20%になるまで希釈して、シアン顔料分散液A1’を調製した。
得られたシアン顔料分散液A1’を10g、グリセリンを10g、1,2−ヘキサンジオールを5gおよびBYK−347(ビックケミー社の商品名)を0.5g混合して、更に超純水を加えて全量を100gとした。さらに、pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH9.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタにより濾過して、インク組成物A1’を調製した。
【0075】
インク組成物A2の調製
マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122を100g、スチレン−アクリル酸樹脂(酸価:80、分子量:7000)を20g、水酸化カリウムを2g、及び水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミティッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度20%になるまで希釈して、マゼンタ顔料分散液A2を調製した。
得られたマゼンタ顔料分散液A2を30g、グリセリンを10g、1,2−ヘキサンジオールを5gおよびBYK−347(ビックケミー社の商品名)を0.5g混合して、更に超純水を加えて全量を100gとした。さらに、pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH9.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタにより濾過して、インク組成物A2を調製した。
【0076】
インク組成物A2’の調製
マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122を100g、スチレン−アクリル酸樹脂(酸価:80、分子量:7000)を20g、水酸化カリウムを2g、及び水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミティッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度20%になるまで希釈して、マゼンタ顔料分散液A2’を調製した。
得られたマゼンタ顔料分散液A2’を15g、グリセリンを10g、1,2−ヘキサンジオールを5gおよびBYK−347(ビックケミー社の商品名)を0.5g混合して、更に超純水を加えて全量を100gとした。さらに、pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH9.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタにより濾過して、インク組成物A2’を調製した。
【0077】
インク組成物A3の調製
上記で作成したシアン分散液A1:20gに、グリセリンを10g、およびトリエチレングリコールモノブチルエーテルを5gおよびオルフィンE1010(日信化学工業社の商品名)を1g混合して、更に超純水を加えて全量を100gとした。さらに、pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH9.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタにより濾過して、インク組成物A3を調製した。
【0078】
インク組成物A4の調製
シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を100g、スチレン−アクリル酸樹脂(酸価:180、分子量:7000)を50g、水酸化カリウムを10g、及び水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミティッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度20%になるまで希釈して、シアン顔料分散液A4を調製した。
得られたシアン顔料分散液A4を20g、グリセリンを10g、1,2−ヘキサンジオールを5gおよびBYK−347(ビックケミー社の商品名)を0.5g混合して、更に超純水を加えて全量を100gとした。さらに、pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH9.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタにより濾過して、インク組成物A4を調製した。
【0079】
インク組成物A4’の調製
シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を100g、スチレン−アクリル酸樹脂(酸価:180、分子量:7000)を50g、水酸化カリウムを10g、及び水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミティッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度20%になるまで希釈して、シアン顔料分散液A4’を調製した。
得られたシアン顔料分散液A4’を10g、グリセリンを10g、1,2−ヘキサンジオールを5gおよびBYK−347(ビックケミー社の商品名)を0.5g混合して、更に超純水を加えて全量を100gとした。さらに、pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH9.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタにより濾過して、インク組成物A4’を調製した。
【0080】
インク組成物A5の調製
マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122を100g、スチレン−アクリル酸樹脂(酸価:180、分子量:7000)を20g、水酸化カリウムを2g、及び水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミティッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度20%になるまで希釈して、マゼンタ顔料分散液A5を調製した。
得られたマゼンタ顔料分散液A5を15g、グリセリンを10g、1,2−ヘキサンジオールを5gおよびBYK−347(ビックケミー社の商品名)を0.5g混合して、更に超純水を加えて全量を100gとした。さらに、pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH9.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタにより濾過して、インク組成物A5を調製した。
【0081】
インク組成物B1の調製
シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を100g、スチレン−アクリル酸樹脂(酸価:180、分子量:7000)を50g、水酸化カリウムを10g、及び水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミティッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度20%になるまで希釈して、シアン顔料分散液B1を調製した。
得られたシアン顔料分散液B1を5g、グリセリンを15g、1,2−ヘキサンジオールを5gおよびBYK−347(ビックケミー社の商品名)を0.5g混合して、更に超純水を加えて全量を100gとした。さらに、pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH9.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタにより濾過して、インク組成物B1を調製した。
【0082】
インク組成物B1’の調製
シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を100g、スチレン−アクリル酸樹脂(酸価:180、分子量:7000)を50g、水酸化カリウムを10g、及び水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミティッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度20%になるまで希釈して、シアン顔料分散液B1’を調製した。
得られたシアン顔料分散液B1’を2.5g、グリセリンを15g、1,2−ヘキサンジオールを5gおよびBYK−347(ビックケミー社の商品名)を0.5g混合して、更に超純水を加えて全量を100gとした。さらに、pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH9.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタにより濾過して、インク組成物B1’を調製した。
【0083】
インク組成物B2の調製
マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122を100g、スチレン−アクリル酸樹脂(酸価:180、分子量:7000)を20g、水酸化カリウムを4g、及び水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミティッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度20%になるまで希釈して、マゼンタ顔料分散液B2を調製した。
得られたマゼンタ顔料分散液B2を5g、グリセリンを15g、1,2−ヘキサンジオールを5gおよびBYK−347(ビックケミー社の商品名)を0.5g混合して、更に超純水を加えて全量を100gとした。さらに、pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH9.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタにより濾過して、インク組成物B1を調製した。
【0084】
インク組成物B2’の調製
マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122を100g、スチレン−アクリル酸樹脂(酸価:180、分子量:7000)を20g、水酸化カリウムを4g、及び水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミティッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度20%になるまで希釈して、マゼンタ顔料分散液B2’を調製した。
得られたマゼンタ顔料分散液B2’を3.75g、グリセリンを15g、1,2−ヘキサンジオールを5gおよびBYK−347(ビックケミー社の商品名)を0.5g混合して、更に超純水を加えて全量を100gとした。さらに、pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH9.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタにより濾過して、インク組成物B2’を調製した。
【0085】
インク組成物B3の調製
上記で作成したシアン分散液B1:5gに、グリセリンを15g、およびトリエチレングリコールモノブチルエーテルを5gおよびオルフィンE1010(日信化学工業社の商品名)を1g混合して、更に超純水を加えて全量を100gとした。さらに、pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH9.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタにより濾過して、インク組成物B3を調製した。
【0086】
インク組成物B4の調製
マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122を100g、スチレン−アクリル酸樹脂(酸価:80、分子量:7000)を50g、水酸化カリウムを4.5g、及び水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミティッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度20%になるまで希釈して、マゼンタ顔料分散液B4を調製した。
得られたマゼンタ顔料分散液B4を5g、グリセリンを10g、1,2−ヘキサンジオールを5gおよびBYK−347(ビックケミー社の商品名)を0.5g混合して、更に超純水を加えて全量を100gとした。さらに、pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH9.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタにより濾過して、インク組成物B4を調製した。
【0087】
(2)インクセットの作製
上記にて得られた各インク組成物を用いて、実施例および比較例のインクセットを作製した。
(実施例1のインクセット)
濃インクがインクA1、淡インクがインクB1のシアンインクセット
(実施例2のインクセット)
濃インクがインクA2、淡インクがインクB2のマゼンタインクセット
(実施例3のインクセット)
濃インクがインクA3、淡インクがインクB3のシアンインクセット
(実施例4のインクセット)
濃インクがインクA1’、淡インクがインクB1’のシアンインクセット
(実施例5のインクセット)
濃インクがインクA2’、淡インクがインクB2’のマゼンタインクセット
(比較例1のインクセット)
濃インクがインクA2、淡インクがインクB4のマゼンタインクセット
(比較例2のインクセット)
濃インクがインクA4、淡インクがインクB1のシアンインクセット
(比較例3のインクセット)
濃インクがインクA5、淡インクがインクB2’のマゼンタインクセット
(比較例4のインクセット)
濃インクがインクA4’、淡インクがインクB1’のシアンインクセット
【0088】
(3)評価
(インクの転写)
実施例及び比較例のインクセットを、インクジェットプリンタPM900C(セイコーエプソン社製)の濃シアンインクと淡シアンインク、または濃マゼンタインクと淡マゼンタインクのインクカートリッジに充填し、濃淡インクの混合比を変えた5種類のカラーパッチを、以下の4種類の印刷メディアに印刷した。各カラーパッチは2cm平方とし、印刷dutyは濃インクと淡インクの合計が100%となるように設定した。また、印刷モードは「普通紙・きれい」を選択した。
【0089】
MC写真用紙
MC光沢紙
スーパーファイン紙 (以上セイコーエプソン社)
普通紙 Xerox P (ゼロックス社)
【0090】
カラーパッチの上を通過した紙ローラーが、非印刷部分にインクを転写するかどうかを、以下の基準に従って判断した。
判定A インクの転写がいずれのメディアでも起きない
判定B インクの転写が1紙また2紙で起きる
判定C インクの転写が3紙以上で起きる
【0091】
(定着性の評価)
実施例及び比較例のインクセットを、インクジェットプリンタPM900C(セイコーエプソン社製)の濃シアンインクと淡シアンインク、または濃マゼンタインクと淡マゼンタインクのインクカートリッジに充填し、MC光沢紙に印刷を行った。印刷30分後に印刷部を指で強く擦り、以下の判断基準に従って評価した。
判定A 汚れは全く生じない
判定B わずかに汚れる
判定C 汚れる
【0092】
(光沢ムラの評価)
実施例及び比較例のインクセットを、インクジェットプリンタPM900C(セイコーエプソン社製)の濃シアンインクと淡シアンインク、または濃マゼンタインクと淡マゼンタインクのインクカートリッジに充填し、MC写真用紙に10%、20%、40%、60%、80%、100%の印刷dutyでカラーパッチを印刷した。
判定A 異なる印刷dutyであっても光沢の違いがほとんど気にならない。
判定B 異なる印刷dutyでの光沢の違いが認められるが、目立たない。
判定C 異なる印刷dutyでの光沢の違いが気になる。
【0093】
(発色性の評価)
実施例及び比較例のインクセットを、インクジェットプリンタPM900C(セイコーエプソン社製)の濃シアンインクと淡シアンインク、または濃マゼンタインクと淡マゼンタインクのインクカートリッジに充填し、MCマット紙(セイコーエプソン社製)に100%の印刷dutyでカラーパッチを印刷した。印刷して1日後、カラーパッチの光学濃度(OD)を測定し、以下の基準に従って判定した。
判定A ODが1.3以上
判定B ODが1.0以上1.3未満
【0094】
実施例及び比較例のインクセットの各インク成分、及び評価結果を、まとめて下記表1および表2に示す。
【0095】
【表1】
Figure 0003876980
【0096】
【表2】
Figure 0003876980
【0097】
表1に示される通り、実施例1〜5のインクセットによれば、インク転写がなく、またインクの定着性がよく、光沢ムラも殆ど生じていないことが判る。
特に、濃シアンインクの顔料濃度が3重量%以上とされた実施例1,3のインクセット、及び、濃マゼンタインクの顔料濃度が5重量%以上とされた実施例2のインクセットによれば、インク転写が起こることなく、発色性に優れた記録物を得ることができた。
一方、表2に示される通り、顔料濃インクと顔料淡インクのそれぞれの酸価が同じである比較例1〜4のインクセットによれば、インクの定着性が悪く、光沢ムラも生じていることが判る。
特に、顔料濃インクと顔料淡インクの酸価が共に180とされた比較例2〜4のインクセットを用いた場合は、インク転写が生じ、濃マゼンタインクの顔料濃度が5重量%以上とされた比較例2のインクセットでは、発色性には優れたものの、インク転写が著しく生じた。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、印刷した際に、汚れが殆ど認識されない優れた画像品質を得ることができ、画像の定着性に優れ、光沢ムラが生じにくいインクジェット記録用インクセット及びインクジェット記録方法を提供できる。

Claims (11)

  1. 「顔料と樹脂分散剤と水とを含有する顔料濃インク」の一種以上と、「顔料と樹脂分散剤と水とを含有するとともに、該顔料の濃度が前記顔料濃インクにおける顔料濃度の1/2以下である顔料淡インク」の一種以上とを具備し、前記顔料濃インクにおける樹脂分散剤の酸価が、前記顔料淡インクにおける樹脂分散剤の酸価よりも小さくなるように構成されたインクジェット記録用インクセット。
  2. 前記顔料濃インクにおける樹脂分散剤の酸価が50〜120であって、かつ前記顔料淡インクにおける樹脂分散剤の酸価が150以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インクセット。
  3. 前記顔料濃インクが、シアンインク又はマゼンタインクであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インクセット。
  4. 前記シアンインクに含まれる顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録用インクセット。
  5. 前記シアンインクの顔料濃度が3重量%以上であることを特徴とする請求項3又は4に記載のインクジェット記録用インクセット。
  6. 前記マゼンタインクに含まれる顔料が、C.I.ピグメントレッド122であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録用インクセット。
  7. 前記マゼンタインクの顔料濃度が5重量%以上であることを特徴とする請求項3又は6に記載のインクジェット記録用インクセット。
  8. 前記顔料濃インク及び前記顔料淡インクが、更に界面活性剤及び浸透促進剤を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インクセット。
  9. 前記界面活性剤が、アセチレングリコール及び/又はポリオルガノシロキサンであることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録用インクセット。
  10. 前記浸透促進剤が、グリコールエーテル及び/又は1,2−アルカンジオールであることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録用インクセット。
  11. 請求項1〜10に記載のインクジェット記録用インクセットを用いてインクジェット記録するインクジェット記録方法。
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