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JP3870847B2 - ポンプ - Google Patents

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JP3870847B2 JP2002166249A JP2002166249A JP3870847B2 JP 3870847 B2 JP3870847 B2 JP 3870847B2 JP 2002166249 A JP2002166249 A JP 2002166249A JP 2002166249 A JP2002166249 A JP 2002166249A JP 3870847 B2 JP3870847 B2 JP 3870847B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピストンあるいはダイヤフラム等により、ポンプ室内の容積を変更して動作流体の移動を行うポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のポンプとしては、特開平10−220357号公報に示されている、入口流路及び出口流路と容積が変更可能なポンプ室との間に、逆止弁が取り付けられている構成のものが一般的である。
【0003】
また、弁部に可動部品を使わず、ポンプの信頼性を向上させるポンプ構成として、特表平8−506874号公報に示されている、入口流路、出口流路ともに圧力降下が流れの方向によって異なる流路形状をした圧縮構成要素を備えた構成のものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−220357号公報の構成では、入口流路及び出口流路ともに逆止弁が必要であり、動作流体が2個所の逆止弁を通過すると圧力損失が大きいという問題があるため、小型軽量で高出力のポンプの実現は不可能であった。
【0005】
特表平8−506874号公報の構成は、ポンプ室体積の増減に従い圧縮構成要素を通過する流体の、流れの方向による圧力降下の違いにより正味流量を一方向に流す構成のため、ポンプ出口側の外部圧力(負荷圧力)が高くなるにつれて逆流量が増えてしまい、高負荷圧力ではポンプ動作をしなくなる問題がある。1996 IEEE 9th International Workshop on Micro Electro Mechanical Systemsにおいて発表された論文「An improved valve-less pump fabricated using deep reactive ion etching」によると、最大負荷圧力は0.76気圧程度である。
【0006】
また、双方の従来例とも、ポンプで送出される全ての動作流体は、薄いポンプ室内部を通過するため、ポンプ室内の流路抵抗による損失が大きいことも、出力を大きくできない要因となっていた。
【0007】
そこで本発明は、機械的開閉弁の個数を減らして、圧力損失を減らすとともにポンプの信頼性を高め、さらに、流体抵抗の大きなポンプ室を、全ての動作流体が通過する必要を無くすことにより、小型軽量高出力なポンプを実現でき、かつ、高負荷圧力にも対応するポンプを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るポンプによれば、容積が変更可能なポンプ室と、前記ポンプ室と接続流路によって連通する圧力室と、前記圧力室に流体を流入する入口流路と、前記圧力室から流体を流出する出口流路と、前記入口流路の前記圧力室との連通部分に逆止弁と、を備えたポンプであって、前記入口流路の合成イナータンス値が前記出口流路の合成イナータンス値よりも小さく、前記接続流路の断面積は前記ポンプ室の断面積より小さいことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るポンプによれば、容積が変更可能なポンプ室と、前記ポンプ室と接続流路によって連通する圧力室と、前記圧力室に流体を流入する入口流路と、前記圧力室から流体を流出する出口流路と、前記入口流路の前記圧力室との連通部分に逆止弁と、を備えたポンプであって、前記入口流路の合成イナータンス値が前記出口流路の合成イナータンス値よりも小さく、前記出口流路はポンプ動作時も含め常に前記ポンプ室と連通しており、前記接続流路の断面積は前記ポンプ室の断面積より小さいことを特徴とする。
【0009】
ここで、イナータンス値Lとは、流路の断面積をS、流路の長さをL、動作流体の密度をρとした場合に、L=ρL/Sで与えられる。流路の差圧をP、流路を流れる流量をQとした場合に、イナータンス値Lを用いて流路内流体の運動方程式を変形することで、P=L×dQ/dtという関係が導出される。つまりイナータンス値とは単位圧力が流量の時間変化に与える影響度合を示しており、イナータンス値が大きいほど流量の時間変化が小さく、イナータンス値が小さいほど流量の時間変化が大きくなる。
【0010】
また、複数の流路の並列接続や、複数の形状が異なる流路の直列接続に関する合成イナータンス値は、個々の流路のイナータンス値を、電気回路におけるインダクタンスの並列接続、直列接続と同様に合成して算出すれば良い。
【0011】
また、本発明の一態様に係るポンプによれば、前記接続流路は前記逆止弁と正対していることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るポンプによれば、前記入口流路から前記逆止弁を経て流出する流体の流線方向に前記出口流路が開口していることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様に係るポンプによれば、前記接続流路には、前記ポンプ室の容積変化量の変形が可能な隔膜が備えられ、前記ポンプ室には流体が充填されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るポンプによれば、前記出口流路は、前記圧力室に連通する第1の出口流路と、前記第1の出口流路に連通する第2の出口流路とから構成され、前記第2の出口流路の断面積は前記第1の出口流路の断面積よりも大きいことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様に係るポンプによれば、前記ポンプ室は、ピストン、あるいは、圧電素子により弾性変形されるダイヤフラムにより容積が変更可能に駆動されることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかわる実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明にかかわる、ポンプの縦断面を示している。ダイヤフラム13は外周縁がケース10に固定支持されて弾性変形自在となっている。ダイヤフラム13の底面には、ダイヤフラム13を動かすためのアクチュエータとして、図面の上下方向に伸縮する圧電素子12が配置されている。
【0016】
ポンプ室17は、ダイヤフラム13とケース10との間に形成され、圧力室21とは、ポンプ室17より、ポンプ室17の断面積より小さい断面積の接続流路22によって連通している。この圧力室21へ向けて流体抵抗要素である逆止弁16を設けた入口流路15と、出口流路19とが開口している。この逆止弁16は、接続流路22に正対し、さらに逆止弁16から流出する動作流体の流線方向に出口流路19が開口している。流線方向とは、逆止弁16の弁の開く方向である。出口流路19は、圧力室下流直後は、その断面積が小さい出口流路細管部18を含む。
【0017】
次に、本発明のポンプの動作について、図1を用いて説明する。ここで矢印は、本発明のポンプの動作流体の送出方向である。
【0018】
まず、ダイヤフラム13がポンプ室17の容積を小さくする方向に動作すると、ポンプ室内の動作流体が接続流路22を経て圧力室21側に移動する。その結果、圧力室21の圧力は上昇し、入口流路15では動作流体が流出する方向となるため逆止弁16は閉鎖し、流体抵抗が大きくなるため、入口流路15からの動作流体の流出は微少、若しくは、ゼロとなる。一方、出口流路細管部18を含む出口流路19においては、動作流体の圧縮率に従って圧力室内の圧力が高まると、その圧力と負荷圧力との圧力差と、イナータンス値に従って動作流体が圧力室21から流出する方向の流量が増加する。
【0019】
次に、ダイヤフラム13がポンプ室17の容積を大きくする方向に動作する場合、圧力室21内の動作流体はポンプ室17側に移動する。その結果、圧力室21内部の圧力が減少する。入口流路15の外部圧力よりも圧力室内の圧力が低下すると、入口流路15では動作流体が流入する方向となるため逆止弁16は開放しその流体抵抗が小さくなるため、圧力差と入口流路15のイナータンス値に従って、動作流体が圧力室へ流入する方向の流量が増加する。一方、出口流路細管部18を含む出口流路19においては、負荷圧力と圧力室内の圧力との圧力差と、イナータンス値に従って動作流体が圧力室から流出する方向の流量が減少する。
【0020】
この際、入口流路15では、流入流量の増加率が大きい程、出口流路細管部18を含む出口流路19における流出流量の減少量が少ないうちに、圧力室内から流出した体積分の動作流体をポンプ室内へ流入させることができる。この状態において、入口流路15から流入した動作流体が圧力室を経由して直接、出口流路細管部18を含む出口流路19へ流出するため、ダイヤフラム13の変形によるポンプ室17の体積変化より、大きな流量を送出できるのである。
【0021】
この効果を大きくするには、本発明のように入口流路15の合成イナータンス値を出口流路細管部18を含む出口流路19の合成イナータンス値よりも小さくすると良い。出口流路細管部18は、断面積が小さくL=ρL/Sで与えられるイナータンス値が大きくなっている。
【0022】
さらに、本発明では、逆止弁16から流出する動作流体の流線方向に出口流路19が開口していることから、動作流体への流体抵抗が小さく、さらに大きな流量を流すことができる。
【0023】
また、圧電素子をポンプの駆動に用いる場合、その変位量が小さいいため、ダイヤフラムやピストンの断面積を大きくしなければならない。しかし、一方、ポンプ室の圧力を高めようとすると、動作流体自体が圧縮されてしまい、ポンプの体積効率を悪化させることになる。そこで、ポンプ室の厚さを薄くすることでポンプ室体積を小さくさせる解決法があるが、この場合、入口流路や出口流路が直接ポンプ室に開口していると、薄いポンプ室内部がその流路となるため、流体抵抗が増加してしまう。
【0024】
本発明においては、圧力室21は、ポンプ室のようなダイヤフラムあるいはピストンの断面積による制約が無く、ポンプ室からの接続流路の断面積は、ポンプ室断面積より小さいため、体積を小さくしたまま、流路抵抗の少ない形状にでき、損失の小さい流路が構成できるのである。
【0025】
以上のような構成で、逆止弁等の流体抵抗要素の個数を減らして、圧力損失を減少し、小型軽量高出力なポンプを実現できる。
【0026】
さらに、本発明では、流体抵抗要素である逆止弁16を、ポンプ室17と圧力室21を連通する接続流路22に正対させているため、ダイヤフラム13がポンプ室17の容積を小さくする方向に動作するとき、ポンプ室から圧力室への動作流体の移動によって、圧力室内に流れが発生し、その流れによる圧力が、逆止弁16を閉鎖する方向に作用する。その結果、逆止弁16は速やかに閉鎖し、高圧負荷に対しても逆流の少ない高効率高出力のポンプが構成できるのである。
【0027】
次に、本発明の第2の実施形態について、図2に基づいて説明する。図2は本発明にかかわるポンプの縦断面図である。
【0028】
基本的な構成は、第1の実施形態と同様であるが、ポンプ室17には液体が充填され、接続流路22に薄い樹脂フィルム製の隔膜20が固定してある。この隔膜20は、ポンプ室17の容積変化量の変形が可能な薄いフィルムであるため、接続流路22内の微小な動作流体移動にほとんど影響を与える事がない。例えば接続流路22断面積がポンプ室断面積の1/10である場合においても、圧電素子12の伸張量は数μmであるため、接続流路22における動作流体の移動量も数十μmである。従って、圧電素子等による微小な動作流体の流れにおいては、接続流路によってポンプ室と圧力室が連通していることと等価となり、その動作は実施形態1とまったく同様である。
【0029】
本実施形態において、動作流体の含まれる気体成分が、流路内で気泡となっても、隅部の多いポンプ室を通過しないため、動作流体の送出とともに、外部に効率よく排出される。気泡が、ポンプ室内に溜まると、ポンプ室の容積が変化しても、期待の圧縮性から圧力上昇が小さくなり、出力が低下してしまう。しかしながら、本発明において、ポンプ室は動作流体と隔離されているため、圧力損失の原因となる気泡ポンプ室内では発生しないのである。また、動作流体とポンプ室内液体が異なっても良いため、圧縮率の小さく、気体含有率の小さい液体をポンプ室内に封入しておくことが可能である。
【0030】
また、隔膜には、両面から同じ圧力がかかるため、引っ張り方向の強度は小さくてもいいため、薄い材料を用いることで厚み方向の高い剛性が確保でき、圧力損失が小さくなる。また、金属ベローズ等の使用も可能である
【0031】
以上のように、本発明のポンプは、弁を入口流路だけに配置すれば良く、弁での入口流路から出口流路までの間で生じる圧力損失を減らすとともに、流体抵抗の少ない流路の構成が可能で、小型軽量で高出力が実現できる。
【0032】
以上の実施形態において、ダイヤフラムは円形に限定するものではない。また、ダイヤフラムを動かすアクチュエータは圧電素子に限定するものではなく、伸縮するアクチュエータであれば良い。さらに、逆止弁は動作流体の圧力差によって開閉するものだけではなく、動作流体の圧力差以外の力で開閉を制御することができるタイプのものを使用しても構わない。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1から請求項3記載の発明によると、弁等の流体抵抗要素を入口流路だけに配置すれば良いため、入口流路から出口流路までの間で生じる流体抵抗要素での圧力損失を小さいこと、及び、動作流体が、形状自由度の小さいポンプ室を経由せず、主に、入口流路、圧力室、出口流路の流路抵抗の少ない経路を流れるため、動作流体のエネルギー損失も小さいため小型軽量で高出力のポンプが実現できる。
【0034】
また、請求項5の発明によると、あらかじめ動作流体とは別の液体を、ポンプ室封入できるため、圧縮率の小さい液体を封入して、圧電素子等の駆動素子の伸張を無駄なく動作流体に伝えることが可能でより高出力高効率化できる。さらに、ポンプ動作時には、気泡の残渣を少なくでき、高効率化に繋がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる実施形態のポンプの縦断面を示した図である。
【図2】本発明に係わる別の実施形態のポンプの縦断面を示した図である。
【符号の説明】
10 ケース
12 圧電素子
13 ダイヤフラム
15 入口流路
16 逆止弁
17 ポンプ室
18 出口流路細管部
19 出口側流路
20 隔膜
21 圧力室
22 接続流路

Claims (7)

  1. 容積が変更可能なポンプ室と、前記ポンプ室と接続流路によって連通する圧力室と、前記圧力室に流体を流入する入口流路と、前記圧力室から流体を流出する出口流路と、前記入口流路の前記圧力室との連通部分に逆止弁と、を備えたポンプであって、
    前記入口流路の合成イナータンス値が前記出口流路の合成イナータンス値よりも小さく、
    前記接続流路の断面積は前記ポンプ室の断面積より小さいことを特徴とするポンプ。
  2. 容積が変更可能なポンプ室と、前記ポンプ室と接続流路によって連通する圧力室と、前記圧力室に流体を流入する入口流路と、前記圧力室から流体を流出する出口流路と、前記入口流路の前記圧力室との連通部分に逆止弁と、を備えたポンプであって、
    前記入口流路の合成イナータンス値が前記出口流路の合成イナータンス値よりも小さく、
    前記出口流路はポンプ動作時も含め常に前記ポンプ室と連通しており、
    前記接続流路の断面積は前記ポンプ室の断面積より小さいことを特徴とするポンプ。
  3. 請求項1または2において、
    前記接続流路は前記逆止弁と正対していることを特徴とするポンプ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記入口流路から前記逆止弁を経て流出する流体の流線方向に前記出口流路が開口していることを特徴とするポンプ。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記接続流路には、前記ポンプ室の容積変化量の変形が可能な隔膜が備えられ、前記ポンプ室には流体が充填されていることを特徴とするポンプ。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記出口流路は、前記圧力室に連通する第1の出口流路と、前記第1の出口流路に連通する第2の出口流路とから構成され、
    前記第2の出口流路の断面積は前記第1の出口流路の断面積よりも大きいことを特徴とするポンプ。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記ポンプ室は、ピストン、あるいは、圧電素子により弾性変形されるダイヤフラムにより容積が変更可能に駆動されることを特徴とするポンプ。
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