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JP3866009B2 - 静電チャックおよび半導体素子収納用パッケージ - Google Patents

静電チャックおよび半導体素子収納用パッケージ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電チャック、IC,LSI等の半導体素子のパッケージ、セラミック気密端子等に適用されるセラミック部材と金属部材の接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アルミナセラミックス等のセラミックスにAgロウ等のロウ材を介して強固に接合される金属材料として、熱膨張率がセラミックスに近い鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金または鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金が一般に用いられている。この金属材料とセラミックスとの接合において、セラミックスの接合面にタングステン(W),モリブデン(Mo)−マンガン(Mn)合金等の高融点金属のメタライズ層を形成し、そのメタライズ層上において銀(Ag)ロウ等のロウ材を介して金属部材を接合させるのが一般的である。
【0003】
即ち、W,Mo−Mn等を適当な樹脂バインダ,溶剤等に混合させた金属ペーストを、セラミックスのグリーンシート(生シート)または焼成したセラミックスの表面に印刷塗布し、1300〜1600℃の温度、加湿N2−H2雰囲気中で焼成し、メタライズ層を形成する。このメタライズ層の表面には、Agロウ等の濡れ性を良好にするためにNiメッキを施し、また金属材料の少なくとも接合面にも、一般にNiメッキを施す。次いで、セラミックス表面のメタライズ層と金属材料との間にAgロウの箔を置き、800〜850℃の温度、N2−H2雰囲気中でロウ付けする。
【0004】
このような接合構造が適用される半導体素子収納用パッケージ(以下、半導体パッケージという)について、以下に説明する。従来、図4に示すような半導体素子3を収容するための半導体パッケージは、通常、酸化アルミニウム質焼結体から成り、その上面の略中央部に半導体素子3を収容するための凹部1a及び凹部1a周辺から外周縁にかけて導出された、W,Mo−Mn等の高融点金属粉末から成るメタライズ層4を有する絶縁基体1と、半導体素子3を外部電気回路に電気的に接続するためにそのメタライズ層4に銀ロウ等のロウ材7を介してロウ付けされたFe−Ni−Co合金から成る外部リード端子6と、蓋体2とから構成されている。
【0005】
そして、絶縁基体1の凹部1a底面に半導体素子3を接着材を介して接着固定するとともに、半導体素子3の各電極をボンディングワイヤ5を介してメタライズ層4に接続し、しかる後、絶縁基体1上面に蓋体2を接合させ、絶縁基体1と蓋体2とから成る容器内部に半導体素子3を気密に封止することによって最終製品としての半導体装置となる。
【0006】
なお、外部リード端子6を構成するFe−Ni−Co合金は、この合金から成るインゴット(塊)に圧延加工法及び打ち抜き加工法等、従来周知の金属加工法を施すことによって所定の板状に形成し、しかる後、これを所定温度(約1000℃)で加熱処理し、焼き鈍しすることによって製作される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては、セラミックスとFe−Ni−Co合金等の金属材料とをAgロウ等を介して、750℃程度以上の高温で接合する際に、溶融したAgロウが金属材料の結晶粒界に侵入して、接合部の金属材料を破壊するという現象、所謂Agロウ割れという現象を引き起こすことがあった。
【0008】
本発明は上記問題に鑑み完成されたもので、その目的は、750℃程度以上の高温でセラミックスとFe−Ni−Co合金等の金属材料とをロウ付けした際に、ロウ材が金属部材の結晶粒界に侵入して金属部材を破壊するのを防止し、セラミックスと金属部材との接合性を良好なものとし、その結果気密性等に優れたセラミックスと金属部材との接合構造を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の静電チャックは、金属製の筒状体と、該筒状体の上側開口を封止するようにロウ付けされ、被処理体であるウエハを静電気力により上面に吸着するための電極を具備するとともに、前記筒状体の上側開口内に対応する部位に厚さ方向に貫通孔が形成されたセラミックス製の載置台と、上端に鍔部が形成され、前記貫通孔に対し同軸状に配置されて前記鍔部の上面が前記載置台の下面に接合されたガス導入用のパイプとを具備した静電チャックにおいて、前記パイプは、α相とγ相の結晶相のうちα相が30体積%以下とされたFe−Ni合金またはFe−Ni−Co合金から成り、前記載置台下面の前記貫通孔周囲に融点が750℃以上のロウ材を介して接合されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、セラミックスから成り上面に半導体素子を載置する載置部を有するとともに、該載置部の周辺から外周縁にかけて導出するようにメタライズ層が形成された基体と、該基体から外部に突出するように前記メタライズ層の前記外周縁側に接合された外部リード端子とを具備した半導体素子収納用パッケージにおいて、前記外部リード端子は、α相とγ相の結晶相のうちα相が30体積%以下とされたFe−Ni合金またはFe−Ni−Co合金から成り、融点が750℃以上のロウ材を介して接合されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、上記の構成により、750℃程度以上の高温でセラミックス部材とFe−Ni−Co合金等の金属部材とをロウ付けした際に、ロウ材が金属部材の結晶粒界に侵入して金属部材を破壊するのを防止し、セラミックス部材と金属部材とを強固に接合し得る。その結果、気密性等に優れたセラミックス部材と金属部材との接合構造を得ることができる。
【0012】
即ち、このような接合性の改善は以下のような原理に基づくものと考えられる。Fe−Ni合金,Fe−Ni−Co合金の結晶相は、高温で安定なγ相(面心立方格子)と低温で安定なα相(体心立方格子)とが存在し、一般にこれら合金の未加工のインゴット(塊)はγ相のみから成るが、圧延加工や研削加工等を施すことにより結晶が応力誘起マルテンサイト変態を起こし、γ相の一部がα相に転移する。この相転移した金属部材を、セラミック部材にロウ付けすると、700℃付近でα相がγ相に戻り、このとき金属部材が体積収縮し、相転移した領域にマイクロクラックが発生する。
【0013】
このような体積収縮の様子を図2のグラフ{「電子金属材料デザインガイド」総合電子出版社(坂本光雄著)参照}に示す。同図は、縦軸にFe−Ni−Co合金の熱膨張率、横軸に温度(℃)をとったものであり、Aは相転移のないFe56.2wt(重量)%−Ni27.4wt%−Co16.4wt%合金を−100℃程度に一旦冷却した後の熱膨張率の変化、BはAと同じ合金を−100℃程度に一旦冷却しγ相からα相に相転移させた後の熱膨張率の変化である。Bにおいて、400℃以下では相転移がなくAよりも熱膨張率が大きく、500℃付近からα相からγ相に転移し始めて700℃程度以上でγ相に戻る。このとき、図2には明示されていないが、Bにおいて700℃程度で熱膨張率が小さくなり、体積収縮が発生する。
【0014】
そして、ロウ付け前のα相が多ければ多いほど体積収縮も大きくなり、マイクロクラックも増大することになり、その結果ロウ付けの際にロウ材がマイクロクラックに侵入するとともに熱応力が加わって破壊に至ることとなる。従って、本発明では、Fe−Ni−Co合金等におけるα相の占める量を所定の値以下に制御することにより、ロウ材による割れを接合性に影響のない程度以下に抑制することができる。
【0015】
したがって、本発明の静電チャックは、上記構成により、ガス導入用のパイプが載置台に接合性良く接合され、その結果パイプからのガスの漏れが防止され、均熱化用ガス導入、雰囲気ガス導入、ウエハのエッチング、成膜等の処理が長期にわたり安定的に行え、また静電チャックおよび半導体素子等の製造装置が長寿命化する。
【0017】
本発明の半導体パッケージは、上記構成により、外部リード端子を基板上に強固にかつ接合性良く接合することができ、その結果外部リード端子の接合不良による断線、信号の伝送損失、高周波信号の反射等の電気的特性も改善されることとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のセラミック部材と金属部材との接合構造、およびその接合構造を適用した静電チャック,半導体パッケージについて、以下に詳細に説明する。
【0019】
本発明において、α相とγ相の結晶相のうちα相が30体積%以下とされた、Fe−Ni合金またはFe−Ni−Co合金から成る金属部材を用いるが、α相が30体積%を超えると、α相からγ相への相転移時の体積収縮によるマイクロクラックが大きくかつ多くなり、そのため、金属部材の接合部表面に形成されたNi等のメッキ層にまでクラックが発生し、メッキ層の割れを通してロウ材が金属部材の結晶粒界に侵入する。その結果、金属部材の接合部がロウ材により破壊され、その接合性がきわめて劣化することとなる。接合性をより良好なものとするには、α相が占める割合を10体積%以下とすることが好ましい。
【0020】
このようなα相が30体積%以下とされた、Fe−Ni合金またはFe−Ni−Co合金から成る金属部材は、この金属部材の研削加工,圧延加工等の機械的加工の度合いを制御することにより、作製することができる。例えば、Fe−Ni−Co合金の場合、冷間加工の加工率を50%以下とすることにより、α相を30体積%以下とすることができる。同様に、α相を10体積%以下とするには、冷間加工の加工率を30%以下とする。この加工率は、例えば金属板の場合、加工前の板厚をt0,加工後の板厚をt1としたとき、(t0−t1)/t0×100(%)と定義されるものである。
【0021】
また、α相の体積%は、予め作成された検量線を元にX線回折のピーク強度比から求めることができる。検量線は、予め定量された複数のサンプルからα相の量とX線ピーク強度比を求めたものであり、例えばα相の量が増加するとそれに比例してX線ピーク強度比も大きくなるといったデータのグラフを作成しておき、そのグラフを元にX線ピーク強度比からα相の量を特定できることとなる。
【0022】
本発明では、融点が750℃以上のロウ材によりロウ付けするが、融点が750℃未満では、ロウ付け時の温度が750℃未満となり、金属材料のα相からγ相への相転移が不完全なままロウ付けが完了することとなり易い。その場合、ロウ付け後に750℃以上の熱処理がないとしても、熱膨張率の大きなα相が残るため、ロウ付け後の外部からの熱伝導、熱処理等の繰り返しにより、α相とγ相との熱膨張率の違いから金属材料にマイクロクラックが発生し、進展し易いものとなる。また、このロウ付け工程後に750℃以上の熱処理があると、再度相転移が起こり、マイクロクラックが進展し易いものとなる。
【0023】
金属部材をロウ付けするセラミックスとしては、750℃以上でロウ付けが可能なものであればよく、アルミナ(Al23)セラミックス,窒化アルミニウム(AlN)セラミックス,窒化珪素(Si34)セラミックス,フォルステライト(2MgO・SiO2)セラミックス,ムライト(3Al23・2SiO2)セラミックス等である。
【0024】
次に、本発明の静電チャックについて以下に説明する。図3は本発明の静電チャックを示し、同図において、21は、Fe−Ni合金,Fe−Ni−Co合金等からなる筒状体であり、例えばその内部を大気状態とし外部を真空状態として気密封止するためのものである。22は、筒状体21の上側開口に封止されて設置され、被処理体であるSi,GaAs等の半導体材料等から成るウエハ(図示せず)を静電気力により上面に吸着し載置するセラミックス製の載置台、23は、パイプ24の鍔部24aの下面に上面がロウ付けされ、パイプ24を支持するセラミックス製のリング体、24は、Fe−Ni合金またはFe−Ni−Co合金から成り、α相とγ相の結晶相のうちα相が30体積%以下とされた、上端に鍔部24aが形成されたガス導入用のパイプである。25は、静電気力発生用の電極、26は、筒状体21の上側開口内に対応する部位に厚さ方向に形成された貫通孔である。
【0025】
本発明のパイプ24は、その鍔部24aの下面がリング体23上面に、鍔部24aの上面が載置台22下面の貫通孔26周囲に接合されて、リング体23の中心孔に挿入設置されている。また、パイプ24は、筒状体21内でその上端が貫通孔26に対して同軸状に配置される。即ち、パイプ24の少なくとも上端が貫通孔26に対して同軸状とされていればよく、上端より下方の胴体部が貫通孔26に対して同軸状になっていなくても構わない。
【0026】
パイプ24の鍔部24aは、パイプ24の管軸方向に垂直な方向(径方向)に2〜15mmの幅で形成されているのがよく、2mm未満では、鍔部24aの接合面積が小さく接合強度が不十分であり、15mmを超えると、鍔部24aの接合による拘束が強化され過ぎて、パイプ24自体が割れ易くなる。
【0027】
また、パイプ24の接合部である鍔部24aには、その表面にNi,Au等の耐蝕性に優れかつロウ材と濡れ性の良い金属を、メッキ法により0.5〜20μm、より好ましくは0.5〜9μmの厚みに被着させておくのがよい。この場合、鍔部24aの酸化腐食を有効に防止することができるとともに、鍔部24aと、載置台22およびリング体23とを強固に接合させることができる。
【0028】
上記のリング体23は、パイプ24を支持するものであり、これが鍔部24aの下面にロウ付けされているのが好ましい。リング体23上面の鍔部24aとのロウ付け部には、Ag−Cu−Ti等のメタライズ層およびメッキ層を形成するのがよい。また、リング体23のリング部の径方向の幅は2〜15mmであるのが良く、2mm未満では、パイプ24の鍔部24aを支持固定するバックアップリングとして十分な応力緩和の機能を果たさなくなり、15mmを超えると、パイプ24の鍔部24aの拘束力が強化され過ぎて、パイプ24自体が割れ易くなる。
【0029】
さらに、リング体23のリング部の厚さは2〜15mmであるのが良く、2mm未満では、強度が不十分でリング体23自体が割れ易くなり、15mmを超えると、パイプ24の鍔部24aの拘束力が強化され過ぎることはないが、リング体23および他の部品が大型化し実用性が低下する。
【0030】
本発明において、載置台22およびリング体23はセラミックスから成り、具体的にはアルミナ(Al23)セラミックス,窒化アルミニウム(AlN)セラミックス,窒化珪素(Si34)セラミックス,フォルステライト(2MgO・SiO2)セラミックス,ムライト(3Al23・2SiO2)セラミックス等である。
【0031】
なお、上記静電チャックにおいて、筒状体21とウエハに電圧を印加して静電気力により吸着させる直流電源(図示せず)が設けられることはいうまでもない。
【0032】
本発明による半導体素子を収容する半導体パッケージにおいて、セラミック部材から成る絶縁基体(以下、基体という)と金属部材から成る外部リード端子との接合について説明する。本発明の半導体パッケージ全体の基本構成は、図4のものと同様であり、1はセラミック部材としての基体、2は蓋体である。この基体1と蓋体2とで内部に半導体素子3を収容する容器が構成される。
【0033】
この基体1は、例えばアルミナセラミックス,窒化アルミニウムセラミックス等から成り、その上面中央部に、半導体素子3の載置部であり、半導体素子3を収容するための空所を形成する凹部1aが設けてあり、その凹部1a底面には半導体素子3がロウ材、ガラス、樹脂等の接着材を介して接着固定される。
【0034】
基体1は、例えば窒化アルミニウムセラミックスにより形成されている場合、主原料としての窒化アルミニウム(AlN)に焼結助剤としてのイットリアやカルシア及び適当な有機溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状となすとともに、これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法を採用することによってセラミックグリーンシート(生シート)を形成する。しかる後、このグリーンシートに貫通導体形成のために適当な打ち抜き加工を施すとともに複数枚積層し、高温(約1800℃)で焼成することによって製作される。
【0035】
この窒化アルミニウムセラミックスから成る基体1は、その熱伝導率が150W/mK(W・m-1・K-1)以上であり、熱を伝え易いことから基体1の凹部1a底面に接着固定した半導体素子3が作動時に熱を発したとしても、半導体素子3の発した熱は基体1を介して大気中に良好に放出され、その結果、半導体素子3を常に適温として半導体素子3を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0036】
また、基体1はその上面中央部に設けた凹部1aの周辺から外周縁にかけて複数個のメタライズ層4が被着形成されており、メタライズ層4の凹部1a周辺部側には半導体素子3の電極がボンデイングワイヤ5を介して電気的に接続され、また基体1の外周縁側に導出された部位には外部リード端子6が銀ロウ等のロウ材7を介してロウ付けされている。
【0037】
基体1に設けたメタライズ層4は外部電気回路に接続される外部リード端子6と半導体素子3の各電極とを電気的に導通させる作用をなし、W,Mo,Mn等の金属粉末で形成されている。
【0038】
メタライズ層4は、例えばW等の金属粉末に有機溶剤、溶媒を添加混合して得た金属ペーストを、基体1となるセラミックグリーンシートに予め従来周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって、基体1の凹部1a周辺から外周縁にかけて所定パターンに被着形成される。
【0039】
基体1に設けたメタライズ層4は、基体1を構成するセラミックスが比誘電率が8.5(室温で信号の周波数1MHz)以下と低い窒化アルミニウムセラミックスから成る場合、メタライズ層4を伝わる電気信号の伝搬速度が速いものとなり、その結果、基体1の凹部1a底面に電気信号の高速伝搬を要求する高速駆動を行う半導体素子の収容が可能となり、好ましい。
【0040】
なお、メタライズ層4はその露出する外表面に、Ni,Au等の耐蝕性に優れかつロウ材と濡れ性の良い金属を、メッキ法により0.5〜20μm、より好ましくは0.5〜9μmの厚みに被着させておくと、メタライズ層4の酸化腐食を有効に防止することができるとともに、メタライズ層4とボンデイングワイヤ5及び外部リード端子6とのロウ付け接合を強固なものとなすことができる。従って、メタライズ層4はその表面にNi,Au等の耐蝕性に優れかつロウ材と濡れ性の良い金属をメッキ法により0.5〜20μmの厚みに被着させておくことが好ましい。
【0041】
また、基体1に被着させたメタライズ層4には、基体1から外部に突出するように外部リート端子6が銀ロウ等のロウ材7によりロウ付けされており、外部リード端子6は半導体素子3の各電極を外部電気回路に電気的に接続する作用をなす。
【0042】
外部リード端子6はFe−Ni−Co合金から成り、その合金のインゴット(塊)を圧延加工法や打ち抜き加工法等の従来周知の金属加工法を採用し、所定の板状に形成するとともに所定の温度で熱処理し、焼き鈍しすることによって製作される。
【0043】
更に、外部リード端子6の基体1に被着させたメタライズ層4へのロウ付けは、例えば、基体1に被着させたメタライズ層4上に外部リード端子6を間に銀ロウから成るロウ材7の箔を挟んで載置させ、しかる後、ロウ材7の箔を780℃〜900℃の温度に加熱し、ロウ材7を溶融させることによって行われる。
【0044】
また更に、外部リード端子6はその露出する外表面に、Ni,Au等の耐蝕性に優れかつロウ材と濡れ性の良い金属を、メッキ法により0.5〜20μmの厚みに被着させておくと、外部リード端子6の酸化腐食を有効に防止することができるとともに外部リード端子6の外部電気回路へのロウ材を介しての電気的接続が良好となる。従って、外部リード端子6はその表面にNi,Au等の耐蝕性に優れかつロウ材と濡れ性の良い金属をメッキ法により0.5〜20μmの厚みに被着させておくことが好ましい。より好ましくは、0.5〜9μmの厚さとするのがよい。
【0045】
そして、上述の半導体パッケージによれば、基体1の凹部1a底面に半導体素子3をロウ材、低融点ガラス(ガラスフリット)、樹脂等の接着剤を介して取着するとともに、半導体素子3の各電極をボンデイングワイヤ5を介してメタライズ層4に電気的に接続し、しかる後、基体1の上面に蓋体2を樹脂、低融点ガラス等の封止材を介して接合させ、基体1と蓋体2とから成る容器内部に半導体素子3を気密に収容することによって、製品としての半導体装置が完成する。
【0046】
かくして、本発明の接合構造は、750℃程度以上の高温でセラミックスとFe−Ni−Co合金等の金属材料とをロウ付けした際に、ロウ材が金属部材の結晶粒界に侵入して金属部材を破壊するのを防止し、セラミックスと金属部材とを強固に接合し得る。その結果、気密性等に優れたセラミックスと金属部材との接合構造を得ることができる。また、本発明の静電チャックは、ガス導入用のパイプが筒状体および載置台に接合性良く接合され、その結果パイプからのガスの漏れが防止され、雰囲気ガス導入、ウエハのエッチング、成膜等の処理が長期にわたり安定的に行え、また静電チャックおよび半導体素子等の製造装置が長寿命化する。本発明の半導体パッケージは、外部リード端子を基板上に強固にかつ接合性良く接合することができ、その結果外部リード端子の接合不良による断線、信号の伝送損失、高周波信号の反射等の電気的特性も改善されることとなる。
【0047】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は何等差し支えない。例えば、半導体パッケージにおいて、外部リード端子の接合構造に限らず、蓋体がFe−Ni−Co合金等から成り、その蓋体をセラミックス製の側壁用の枠体上に接合する場合、半導体パッケージの側壁を成す枠体がFe−Ni−Co合金等から成り、その枠体の貫通孔にセラミック端子を嵌着しロウ付けする場合、このセラミック端子にリード端子をロウ付けする場合などにも本発明の接合構造を適用できる。また、半導体素子としては、IC,LSI等の半導体集積回路素子ばかりでなく,LD(半導体レーザ素子),PD(フォトダイオード)等の光半導体素子を用いてもよい。
【0048】
【実施例】
本発明の実施例を以下に説明する。
(実施例1)
図1は、図3の静電チャックのパイプ24の接合構造を模したものであり、パイプ24の鍔部24aの上面のみを接合させた構成に相当する。同図において、11は窒化アルミニウムセラミックスから成る基板、12はAg−Cu−Ti合金から成る厚さ30μmのメタライズ層、13は厚さ3μmのNiメッキ層、14はα相とγ相の結晶相のうちα相が30体積%以下とされた、Fe56.2wt%−Ni27.4wt%−Co16.4wt%合金から成るパイプ、15は融点が780℃程度のAg−Cuロウ{BAg−8(JIS Z 3261)}である。パイプ14の表面にも、Agロウの濡れ性を良好にするために、厚さ5μmのNiメッキ層を被着させた。また、上記パイプ14の鍔部24aの幅は11.5mmであった。
【0049】
そして、ロウ付け前にパイプ14に含まれるα相の量(体積%)と、ロウ付け後の外観検査によるAgロウ割れの有無について調査した結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0003866009
【0051】
表1に示すように、パイプ14に含まれるα相の量が30体積%を超えると、Agロウ割れが発生することが判った。これは、パイプ14にNiメッキを施した後、N2−H2雰囲気中で830℃でシンターを行うが、このとき約700℃で体積収縮を伴うα相からγ相への相転移が起こり、パイプ14にマイクロクラックが発生して、それがNiメッキ層まで達し、その後のロウ付け時にさらにマイクロクラックが進展するとともにAg−Cuロウがマイクロクラックに侵入しAgロウ割れを引き起こしたものと考えられる。
(実施例2)
図4の半導体パッケージにおける外部リード端子6の接合構造を以下のように構成した。基体1はアルミナセラミックス、蓋体2はFe−Ni−Co合金から成り、基体1上面の凹部1a周囲から外周縁にかけて、厚さ15μmのWのメタライズ層4を被着し、メタライズ層4上には融点が780℃程度のAg−Cuロウ{BAg−8(JIS Z 3261)}から成るロウ材7を配置した。そして、α相とγ相の結晶相のうちα相が30体積%以下とされた、Fe−Ni−Co合金から成る外部リード端子6を、基体1から外部に突出するようにメタライズ層4の外周縁側にロウ材7を介して接合した。
【0052】
この外部リード端子6は、Fe−Ni−Co合金のバルク体を圧延加工した後、打ち抜き加工またはエッチング加工してパターン加工したものであり、圧延加工の条件(加工率)により外部リード端子6中に含まれるα相の量が変化する。そして、表2は、種々の加工率により外部リード端子6中のα相の量を変化させた場合に、外部リード端子6の外観検査を行ったときの結果を示すものである。
【0053】
【表2】
Figure 0003866009
【0054】
表2より、α相の量が30%を超えると、Agロウ割れが発生することが判った。
【0056】
【発明の効果】
本発明の静電チャックは、Fe−Ni合金またはFe−Ni−Co合金から成り、α相とγ相の結晶相のうちα相が30体積%以下とされた、上端に鍔部が形成されたガス導入用のパイプが、筒状体内で上端が貫通孔に対し同軸状に配置され、かつ鍔部の上面が載置台下面の貫通孔周囲に融点が750℃以上のロウ材を介して接合されていることにより、ガス導入用のパイプが載置台に接合性良く接合され、その結果パイプからのガスの漏れが防止され、均熱化ガス導入、Arガス等の雰囲気ガスの導入、ウエハのエッチング、成膜等の処理が長期にわたり安定的に行え、また静電チャックおよび半導体素子等の製造装置が長寿命化する。
【0057】
本発明の半導体パッケージは、Fe−Ni合金またはFe−Ni−Co合金から成り、α相とγ相の結晶相のうちα相が30体積%以下とされた外部リード端子と、基体とが融点が750℃以上のロウ材を介して接合されていることにより、外部リード端子を基板上に強固にかつ接合性良く接合することができ、その結果外部リード端子の接合不良による断線、信号の伝送損失、高周波信号の反射等の電気的特性も改善されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック部材と金属部材の接合構造の一実施形態を示す断面図である。
【図2】Fe56.2wt%−Ni27.4wt%−Co16.4wt%合金の温度に関する熱膨張率の変化を示し、α相が存在しないものの曲線(A)とα相が存在するものの曲線(B)のグラフである。
【図3】本発明の静電チャックの断面図である。
【図4】本発明の半導体パッケージの断面図である。
【符号の説明】
1:基体
2:蓋体
3:半導体素子
4:メタライズ層
6:外部リード端子
7:ロウ材
11:基板
12:メタライズ層
13:Niメッキ層
14:パイプ
15:Ag−Cuロウ

Claims (2)

  1. 金属製の筒状体と、該筒状体の上側開口を封止するようにロウ付けされ、被処理体であるウエハを静電気力により上面に吸着するための電極を具備するとともに、前記筒状体の上側開口内に対応する部位に厚さ方向に貫通孔が形成されたセラミックス製の載置台と、上端に鍔部が形成され、前記貫通孔に対し同軸状に配置されて前記鍔部の上面が前記載置台の下面に接合されたガス導入用のパイプとを具備した静電チャックにおいて、前記パイプは、α相とγ相の結晶相のうちα相が30体積%以下とされたFe−Ni合金またはFe−Ni−Co合金から成り、前記載置台下面の前記貫通孔周囲に融点が750℃以上のロウ材を介して接合されていることを特徴とする静電チャック。
  2. セラミックスから成り上面に半導体素子を載置する載置部を有するとともに、該載置部の周辺から外周縁にかけて導出するようにメタライズ層が形成された基体と、該基体から外部に突出するように前記メタライズ層の前記外周縁側に接合された外部リード端子とを具備した半導体素子収納用パッケージにおいて、前記外部リード端子は、α相とγ相の結晶相のうちα相が30体積%以下とされたFe−Ni合金またはFe−Ni−Co合金から成リ、融点が750℃以上のロウ材を介して接合されていることを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
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