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JP3861281B2 - 自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents

自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法 Download PDF

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JP3861281B2
JP3861281B2 JP2001250635A JP2001250635A JP3861281B2 JP 3861281 B2 JP3861281 B2 JP 3861281B2 JP 2001250635 A JP2001250635 A JP 2001250635A JP 2001250635 A JP2001250635 A JP 2001250635A JP 3861281 B2 JP3861281 B2 JP 3861281B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法は、従来より種々知られている。例えば、特開2000−34439号公報、特開平11−349805号公報、特開平11−100426号公報等に示されている。
【0003】
しかしながら、これらに記載されているアロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法のほとんどは、アロファネート基の生成を目的としているにもかかわらず、副反応として自己付加反応や自己重合反応が進行し、副生成物が生じるいう問題がある。前記副生成物としては、例えば、熱的に不安定なウレトジオン基を含む二量体や最終生成物の粘度を飛躍的に増大させ、かつ非極性溶剤への溶解性や高分子ポリエステル等の樹脂との相溶性を低下させるイソシアヌレート基を含む三量体が挙げられる。また、最終生成物に変色や濁りを生じさせるという問題がある。更には、高官能ポリイソシアネートを製造する際、ゲル化のおそれが多分にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、実質的に二量体や三量体を含有していないにもかかわらず高官能を達成し、また、水分散後のポットライフが改善された自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
本発明者等は鋭意検討した結果、特定の金属塩をアロファネート化触媒に用いることにより、前記課題を解決することを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、以下の(1)〜(3)に示されるものである。
(1) 以下の工程からなる自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法。
第一工程:平均官能基数2以上、数平均分子量300〜3,000のポリオール(a)と有機ジイソシアネート(b)を、カルボン酸ジルコニウム塩からなるアロファネート化触媒(c)の存在下で反応させる工程。
第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化反応を停止する工程。
第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを除去する工程。
第四工程:第三工程から得られたポリイソシアネートと、下記式で示されるノニオン性親水基含有一官能アルコール(e)を反応させる工程。
【化2】
Figure 0003861281
【0007】
(2) 有機ジイソシアネート(a)が、ヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とする前記(1)の製造方法。
【0008】
(3) 一官能アルコール(e)の使用量が、最終的に得られるポリイソシアネートに対して2〜20質量%であることを特徴とする、前記(1)又は(2)の製造方法。
【0009】
【発明の実施の手段】
本発明に用いられる原料について説明する。
本発明に用いられる、平均官能基数2以上、数平均分子量300〜3,000のポリオール(a)は、いわゆる高分子ポリオールと呼ばれるもので、ポリエステルポリオール、ポリエステル−アミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。これらは単独又は2種類以上の混合物であってもよい。本発明では、得られる自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートの粘度を考慮すると、ポリエーテルポリオールが好ましい。
【0010】
ポリエステルポリオール、ポリエステル−アミドポリオールは、公知の方法で得られるものであり、後述するポリカルボン酸、酸エステル、又は酸無水物等の1種以上と、後述する低分子ポリオール、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコールの1種以上との反応で得られる。
【0011】
ポリカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等が挙げられる。
【0012】
低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレングリコール、2−n−エイコサン−1,2−エチレングリコール、2−n−オクタコサン−1,2−エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、水素添加ビスフェノールA、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、あるいはビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0013】
低分子ポリアミンとしては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、水素添加ジフェニルメタンジアミン、ジエチレントリアミン等が挙げられる。
【0014】
低分子アミノアルコールとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、N,N−ジプロパノールアニリン等が挙げられる。
【0015】
また、低分子ポリオール、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコールを開始剤として、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールも好適に使用できる。
【0016】
ポリエーテルポリオールは公知の反応で得られ、前述の低分子ポリオール、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコール、アンモニアの1種以上の化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドや、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを開環付加させて得られる。
【0017】
ポリカーボネートポリオールとしては、前述の低分子ポリオールと、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等との脱アルコール反応、脱フェノール反応等で得られる。
【0018】
(a)の平均官能基数は2以上、好ましくは2.5〜6である。平均官能基数が下限未満の場合は、得られるポリイソシアネートの平均官能基数が低下するため、架橋効果が少なくなり、塗膜強度が不十分となりやすい。
【0019】
(a)の数平均分子量は300〜3,000であり、好ましくは300〜2,500である。数平均分子量が下限未満の場合は、アロファネート化反応後に得られるポリイソシアネートの高粘度となるため、作業性が悪くなりやすい。一方上限を越える場合は、塗膜強度が不十分となりやすい。
【0020】
なお、得られるポリイソシアネートの平均官能基数調整等の目的で、(a)の一部を一官能アルコールに置き換えることもできる。
【0021】
本発明に用いられる有機ジイソシアネート(b)としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。これらの有機ジイソシアネートは、単独あるいは2種以上の混合物のいずれの形態で用いてもよい。本発明では得られるアロファネート変性ポリイソシアネートの耐候性等の点を考慮すると、無黄変ジイソシアネートが好ましく、特にヘキサメチレンジイソシアネートが最適である。
【0022】
本発明に用いられるアロファネート化触媒(c)は、カルボン酸ジルコニウム塩を用いる。カルボン酸ジルコニウム塩を用いることにより、助触媒等を使用することなく、実質的に着色のない(自己乳化型)アロファネート変性ポリイソシアネートが比較的容易に得られる。ここで使用されるカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸等の飽和脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸等の飽和単環カルボン酸、ビシクロ(4.4.0)デカン−2−カルボン酸等の飽和複環カルボン酸、ナフテン酸等の上記したカルボン酸の混合物、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸等の不飽和脂肪族カルボン酸、ジフェニル酢酸等の芳香脂肪族カルボン酸、安息香酸、トルイル酸等の芳香族カルボン酸等のモノカルボン酸類、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、クルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のポリカルボン酸類が挙げられる。これらのカルボン酸ジルコニウム塩は、単独あるいは2種以上の混合物のいずれの形態で用いてもよい。本発明で好ましい(c)は、炭素数10以下のモノカルボン酸ジルコニウム塩である。
【0023】
本発明に用いられる触媒毒(d)としては、リン酸、塩酸等の無機酸、スルホン酸基、スルファミン酸基等を有する有機酸及びこれらのエステル類、アシルハライド等公知の物が挙げられる。
【0024】
本発明に用いられる一官能アルコール(e)は、以下の式で示されるノニオン性親水基を含有するものである。
【化3】
Figure 0003861281
【0025】
(e)は、例えば分子量32〜200程度の一官能アルコールを開始剤として、エチレンオキサイドを30モル%以上含有するアルキレンオキサイドを開環付加させることで得られるものである。ここで使用される開始剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノール、フェノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、アニリン、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。これらのうちで、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の炭素数5以下の化合物が、得られる自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートの水分散性が良好となるので好ましい。
【0026】
一官能アルコール(e)の使用量は、得られるポリイソシアネートの水分散性を考慮すると、最終的に得られるポリイソシアネートに対して2〜20質量%であることが好ましい。(e)の導入量が下限未満の場合は、得られるポリイソシアネートが水に分散しないおそれがある。上限を越える場合は、ポリイソシアネートの平均官能基数が低くなり、塗膜強度が不十分となりやすい。
【0027】
なお必要に応じて(e)以外の他の一官能アルコールを使用してもよい。(e)以外の他の一官能アルコールとしては、前述の(e)の開始剤としての低分子一官能アルコール類、炭素数6以上の高級モノアルコール類、ヒドロキシモノカルボン酸エステル類、(e)以外のポリ(オキシアルキレン)モノオール等が挙げられる。更に具体的には、メタノール、エタノール、オクタノール、ステアリルアルコール、リシノール酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0028】
次に具体的な製造手順について説明する。
本発明は、以下の工程からなる。
第一工程:ポリエーテルポリオール(a)と有機ジイソシアネート(b)をアロファネート化触媒(c)の存在下で反応させる工程。
第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化反応を停止する工程。
第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを除去する工程。
第四工程:第三工程から得られたポリイソシアネートと、一官能アルコール(e)を反応させる工程。
【0029】
第一工程は、ウレタン化反応とアロファネート化反応からなる。具体的な手順は、ポリエーテルポリオール(a)及び有機ジイソシアネート(b)をイソシアネート基を水酸基に対して過剰となる量を仕込んで、20〜100℃でウレタン化反応させた後、70〜150℃にてアロファネート化触媒(c)の存在下でウレタン基が実質的に存在しなくなるまでアロファネート化反応させる、という手順である。
【0030】
ここで「イソシアネート基を水酸基に対して過剰となる量」とは、原料仕込みの際、イソシアネート基を水酸基に対して過剰となるという意味であり、イソシアネート基と水酸基のモル比がイソシアネート基/水酸基=8以上が好ましく、10〜50が特に好ましい。
【0031】
ウレタン化反応の反応温度は20〜120℃であり、好ましくは50〜100℃である。なお、ウレタン化反応の際、公知のいわゆるウレタン化触媒を用いることができる。具体的には、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩等が挙げられる。
【0032】
ウレタン化反応の反応時間は、触媒の有無や種類、反応温度により異なるが、一般には10時間以内、好ましくは1〜5時間である。
【0033】
ウレタン化反応が終了したら、アロファネート化反応を行う。アロファネート化反応は、前述のアロファネート化触媒(c)を添加し、反応温度を70〜150℃、好ましくは80〜130℃にして行う。反応温度が低すぎる場合は、アロファネート基があまり生成せず、得られるポリイソシアネートの平均官能基数が低下することになる。このようなポリイソシアネートを塗料用硬化剤に用いると、塗膜物性が不十分となりやすい。反応温度が高すぎる場合は、得られるポリイソシアネートを不必要に加熱することになり、ポリイソシアネートが着色する原因になることがある。なお、ポリイソシアネートの平均官能基数とは、1分子中に存在するイソシアネート基の平均数である。
【0034】
なお、本発明においては、ウレタン化反応とアロファネート化反応を同時に行うこともできる。この場合は、ポリエーテルポリオール(a)及び有機ジイソシアネート(b)をイソシアネート基を水酸基に対して過剰となる量を仕込んで、70〜150℃にてアロファネート化触媒(c)の存在下でウレタン化反応及びアロファネート化反応を同時に行う。
【0035】
アロファネート化触媒(c)の使用量はその種類により異なるが、上記(a)と(b)の総和量に対して、0.0005〜1質量%が好ましく、0.001〜0.1質量%がより好ましい。触媒使用量が0.0005質量%未満の場合は、反応が遅くなって長時間を要し、熱履歴による着色が起こる場合がある。一方触媒使用量が1質量%を超える場合は、反応制御が難しなり、副反応である二量化反応(ウレトジオン化反応)や三量化反応(イソシアヌレート化反応)が起こる場合があり、また得られたポリイソシアネートを二液型塗料の硬化剤として用いた場合、塗料のポットライフが短くなる等の問題が生じることがある。
【0036】
反応時間は、触媒の種類や添加量、反応温度により異なるが、通常10時間以内が好ましく、特に好ましくは1〜5時間である。
【0037】
なお、このとき必要に応じて有機溶剤を用いることができる。この有機溶剤としては、n−ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系有機溶剤、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル系有機溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系有機溶剤、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系有機溶剤、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミド等の極性非プロトン溶剤等が挙げられる。前記溶剤は1種又は2種以上使用することができる。
【0038】
第二工程は、アロファネート化反応後、触媒毒(d)を添加してアロファネート化反応を停止させる工程である。触媒毒(d)の添加時期は、アロファネート化反応後であれば特に制限はないが、第三工程における、遊離の有機ジイソシアネートを除去する方法に薄膜蒸留を行う場合は、アロファネート反応後かつ薄膜蒸留前に触媒毒(d)の添加を行うのが好ましい。これは、薄膜蒸留時の熱により、副反応が起こるのを防止するためである。
【0039】
触媒毒(d)の添加量はその種類や触媒の種類により異なるが、触媒の0.5〜2当量となる量が好ましく、0.8〜1.5当量が特に好ましい。触媒毒が少なすぎる場合は、得られるポリイソシアネートの貯蔵安定性が低下しやすい。多すぎる場合は、得られるポリイソシアネートが着色する場合がある。
【0040】
第三工程は、遊離の有機ジイソシアネート(b)を除去する工程である。本発明においては、基本的にはアロファネート化反応後の生成物には、遊離の有機ジイソシアネートが存在している。この遊離の有機ジイソシアネートは、臭気や経時変化した場合に濁りの原因となるため、遊離の有機ジイソシアネート含有量が1質量%以下となるまで未反応の有機ジイソシアネート(b)を除去するのが好ましい。
【0041】
遊離の有機ジイソシアネートを除去する方法としては、蒸留、再沈、抽出等公知の方法が挙げられ、蒸留法、特に薄膜蒸留法を使用すると、溶剤等を用いる必要がないので好ましい。また、好ましい薄膜蒸留の条件としては、圧力:0.1kPa以下、温度:100〜200℃であり、特に好ましい条件は圧力:0.05kPa以下、温度:120〜180℃である。
【0042】
第四工程は、得られたアロファネート変性ポリイソシアネートと、一官能アルコール(e)を反応させる工程である。反応条件は、反応温度:20〜120℃、好ましくは50〜100℃、反応時間:10時間以内、好ましくは1〜5時間である。なお、反応の際に、公知のいわゆるウレタン化触媒を用いることができる。
【0043】
本発明によって得られる自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートの好ましい粘度(25℃、固形分=100%換算)は200〜10,000mPa・sあり、特に好ましくは300〜8,500mPa・sである。イソシアネート含量(固形分=100%換算)は5〜20質量%が好ましく、特に好ましくは8〜18質量%である。平均官能基数は6以上、好ましくは6.5〜10である。なお、平均官能基数は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる数平均分子量とイソシアネート含量から算出される。
【0044】
本発明によって得られた自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートには、必要に応じて、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等の酸化防止剤や、紫外線吸収剤、顔料、染料、溶剤、難燃剤、加水分解防止剤、潤滑剤、可塑剤、充填剤、貯蔵安定剤等の添加剤を適宜配合することができる。
【0045】
【実施例】
本発明について、実施例、比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例において「%」は「質量%」を意味する。
【0046】
〔アロファネート変性ポリイソシアネートの製造〕
合成実施例1
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:100Lの反応器に、ヘキサメチレンジイソシアネートを90.0kg、ポリオール−1を10.0kg仕込み、90℃で2時間ウレタン化反応を行った。反応生成物をFT−IRにて分析したところ、水酸基は消失していた。次に2−エチルヘキサン酸ジルコニウムを0.02kg仕込み、110℃にて4時間反応させた。反応生成物をFT−IR及び13C−NMRにて分析したところ、ウレタン基は消失していた。次いで、リン酸を0.01kg仕込み50℃で1時間停止反応を行った。停止反応後の反応生成物のイソシアネート含量は41.9%であった。この反応生成物を130℃×0.04kPaにて薄膜蒸留を行い、アロファネート変性ポリイソシアネートNCO−1を得た。NCO−1のイソシアネート含量は16.0%、25℃の粘度は6,830mPa・s、平均官能基数は8.76、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量は0.1%であった。また、NCO−1をFT−IR及び13C−NMRにて分析したところ、ウレタン基は確認されず、アロファネート基の存在が確認された。また、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基は痕跡程度であった。結果を表1に示す。
【0047】
合成実施例2〜4、合成比較例1
合成実施例1と同様にして、表1に示す原料を用いてアロファネート変性ポリイソシアネートの製造を行った。結果を表1に示す。なお、NCO−5(合成比較例1)は、合成の際にゲル化した。
【0048】
【表1】
Figure 0003861281
【0049】
合成実施例1〜4、合成比較例1、表1において
ポリオール−1:グリセリンを開始剤に用いて、プロピレンオキサイドを開環付加させたポリエーテルポリオール
数平均分子量=400
ポリオール−2:グリセリンを開始剤に用いて、プロピレンオキサイドを開環付加させたポリエーテルポリオール
数平均分子量=700
ポリオール−3:グリセリンを開始剤に用いて、プロピレンオキサイドを開環付加させたポリエーテルポリオール
数平均分子量=1,000
ポリオール−4:メタノールを開始剤に用いて、エチレンオキサイドを開環付加させたポリエーテルポリオール
数平均分子量=400
ポリオール−5:トリメチロールプロパン(TMP)を開始剤に用いて、ε−カプロラクトンを開環付加させたポリエステルポリオール
数平均分子量=400
ポリオール−6:数平均分子量=1,000のポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール(HD−PCD)とTMPとをエステル交換させたポリカーボネートポリオール
但し、HD−PCD/TMP=1/1(モル比)
数平均分子量=570
HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート
Zr−2EH :2−エチルヘキサン酸ジルコニウム
Pb−2EH :2−エチルヘキサン酸鉛
【0050】
表1より、Zr系触媒を用いることにより、副反応がほぼ抑えることが可能で、かつ、高官能のアロファネート変性ポリイソシアネートが得られた。一方、従来の触媒系(鉛系)では、高官能のアロファネート変性ポリイソシアネートを得ることはできなかった。
【0051】
〔自己乳化型ポリイソシアネートの製造〕
実施例1
合成実施例1と同様な容量:1Lの反応器に、NCO−1を901g、モノオール−1を99g、ジオクチルチンジラウレートを0.05g仕込み、80℃で4時間反応させて、自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートP−1を得た。P−1のイソシアネート含量は13.4%、25℃の粘度は10,000mPa・s、平均官能基数は8.13であった。結果を表2に示す。
【0052】
実施例2〜9、比較例1、2
実施例1と同様にして、表2、3に示す原料を用いて自己乳化型ポリイソシアネートの製造を行った。結果を表2、3に示す。
【0053】
【表2】
Figure 0003861281
【0054】
【表3】
Figure 0003861281
【0055】
実施例1〜9、比較例1〜2、表2〜3において
コロネートHX:日本ポリウレタン工業製ポリイソシアネート
ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート
イソシアネート含量=21.3%
25℃の粘度=2,400mPa・s
数平均分子量=400
OH−1 :メタノールを開始剤に用いて、エチレンオキサイドを開環付加させたポリエーテルモノオール
数平均分子量=400
OH−2 :リシノール酸メチルエステル
DOTDL :ジオクチルチンジラウレート
【0056】
応用実施例1〜9、応用比較例1〜2
得られた自己乳化型ポリイソシアネートを用いて以下の評価を行った。
【0057】
〔ポットライフ測定〕
容量:300mlの容器に、ポリイソシアネート/水=20g/180gの割合で配合した後、ホモミキサーで2,000rpm×30秒攪拌・分散させた。その後、室温下に静置して1時間毎にイソシアネート含量を測定し、イソシアネート含量が0%となったところをポットライフ時間とした。結果を表4、5に示す。
【0058】
〔ラビング試験〕
容量:300mlの容器に、以下に示す水性アクリルエマルジョン100g、ポリイソシアネートを3g仕込み、ホモミキサーで2,000rpm×30秒攪拌して、クリヤー塗料を調整した。このクリヤー塗料をアルミ板にアプリケーターにて、乾燥膜厚20μmになるように塗布した後、50℃にて20時間硬化させて塗装サンプルを得た。この塗装サンプルに、キシレンをしみ込ませた脱脂綿を擦り付け、塗膜表面の荒れが生じる回数を測定した。
【0059】
[水性アクリルエマルジョンの合成]
攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた容量:2,000mlの反応器に、イオン交換水を170g、レベノールWZ(アニオン性乳化剤、花王製)を4g、ノイゲンEA−170(ノニオン性乳化剤、第一工業製薬製)を1g仕込み、80℃まで加熱した。次いでメタクリル酸メチルが300g、アクリル酸ブチルが180g、アクリル酸が4g、ダイアセトンアクリルアミドが5g、イオン交換水が330g、ノイゲンEA−170が5g、過酸化カリウム(開始剤)が1gからなる混合液を、反応液中の温度を80℃に保ちながら3時間かけて滴下し、その後、80℃で3時間反応させた。反応終了後室温まで冷却し、25%アンモニア水溶液にてpH8に調製し、固形分49.5%の水性アクリルエマルジョンを得た。
【0060】
【表4】
Figure 0003861281
【0061】
【表5】
Figure 0003861281
【0062】
表4、5から、本発明によって得られた自己乳化型ポリイソシアネートは、水分散後のポットライフが長く、また高官能性であるので、少ない配合量で良好な架橋物性を示した。
【0063】
【発明の効果】
本発明によって得られた自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートは、従来の自己乳化型ポリイソシアネートと比較して、高官能基数であり、また、水分散後のポットライフが長いという特徴を有するものである。
【0064】
本発明によって得られる自己乳化型アロファネート変性水性ポリイソシアネートは、水性塗料の硬化剤に最適である。また、水性塗料の主剤や、水性の接着剤、シール材、インキ、繊維・ガラスファイバー処理剤、サイジング剤、目止め剤、プライマー、固結剤、アンカーコート剤、各種バインダー等の主剤や硬化剤として使用することができる。

Claims (3)

  1. 以下の工程からなる自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法。
    第一工程:平均官能基数2以上、数平均分子量300〜3,000のポリオール(a)と有機ジイソシアネート(b)を、カルボン酸ジルコニウム塩からなるアロファネート化触媒(c)の存在下で反応させる工程。
    第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化反応を停止する工程。
    第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを除去する工程。
    第四工程:第三工程から得られたポリイソシアネートと、下記式で示されるノニオン性親水基含有一官能アルコール(e)を反応させる工程。
    Figure 0003861281
  2. 有機ジイソシアネート(a)が、ヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
  3. 一官能アルコール(e)の使用量が、最終的に得られるポリイソシアネートに対して1〜30質量%であることを特徴とする、請求項1又は2記載の製造方法。
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