JP3849005B2 - 増感剤として有用な白金錯体 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光エネルギーを効率よく利用する増感剤として有用な白金錯体、この白金錯体を用いた色素増感酸化物半導体電極及びこの電極を含む太陽電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸化チタン等の酸化物半導体の表面に可視領域に吸収をもつルテニウム錯体等の化合物を吸着させてその増感作用を使って光エネルギーの利用効率を向上させることは知られている。しかしながら、これまでに増感剤として使用されている化合物は主にルテニウムを中心部にもつ金属錯体であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、可視光からの光電変換効率の高い新しい金属錯体、それを用いた色素増感酸化物半導体電極及びこの電極を含む太陽電池を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、下記一般式(1)で表される白金錯体が提供される。
【化7】
PtL1L2 (1)
〔式中、L1は少なくとも1つのアニオン基を含有する2,2’−ビピリジン系化合物からなる配位子又は少なくとも1つのアニオン基を含有する1,10−フェナントロリン系化合物からなる配位子を示し、L2は下記一般式(a)
【化8】
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜12を有するアルコキシアルキル基、炭素数1〜12のアミノアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル、シアノ又は水素原子を示す)
で表されるか、下記一般式(b)
【化9】
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜12を有するアルコキシアルキル基、炭素数1〜12のアミノアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル、シアノ又は水素原子を示す)
で表されるか、下記一般式(c)
【化10】
(式中、R及びR1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜12を有するアルコキシアルキル基、炭素数1〜12のアミノアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル、シアノ又は水素原子を示す)
で表されるか、又は下記一般式(d)
【化11】
(式中、R及びR1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜12を有するアルコキシアルキル基、炭素数1〜12のアミノアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル、シアノ又は水素原子を示す)
で表されるジチオレートを示す〕
また、本発明によれば、下記一般式で表される白金錯体が提供される。
【化12】
PtLX1X2
〔式中、Lは少なくとも1つのアニオン基を含有する2,2’−ビピリジン系化合物からなる配位子又は少なくとも1つのアニオン基を含有する1,10−フェナントロリン系化合物からなる配位子を示し、X1及びX2は同一又は異っていてもよく、下記一般式(e)
【化13】
・S−R (e)
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜12を有するアルコキシアルキル基、炭素数1〜12のアミノアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル、シアノ又は水素原子を示す)
で表されるか又は下記一般式(f)
【化14】
・S−Ar (f)
(式中、Arは炭素数6〜10の置換又は未置換のアリール基を示す)
で表されるチオレートを示す〕
さらに、本発明によれば、導電性表面に形成された酸化物半導体膜に前記白金錯体を吸着させてなる色素増感酸化物半導体電極が提供される。
さらにまた、本発明によれば、前記電極と、その対極と、それらの電極に接触するレドックス電解液とから構成されることを特徴とする太陽電池が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
前記一般式(1)におけるL1は、少なくとも1つのアニオン基を含有する2,2’−ビピリジン系化合物からなる配位子又は少なくとも1つのアニオン基を含有する1,10−フェナントロリン系化合物からなる配位子を示す。前記アニオン基には、従来公知の各種のもの、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が包含される。これらのアニオン基は、遊離酸基であることができる他、塩形成性陽イオン(Na、K等のアルカリ金属のイオン、アンモニウムイオン等)で中和された中和塩基であることができる。配位子L1又はL2中に含まれるアニオン基の数は1つ以上、好ましくは2つ以上であり、その上限値は、通常、4つ程度である。L1に含まれているアニオン基とL2に含まれているアニオン基の合計は、通常、1〜4、好ましくは2である。
【0006】
前記2,2’−ピリジン系化合物には、下記一般式(2)示されるものが包含される。
【化15】
前記式中、Y1及びY2は同一又は異なっていてもよく、アニオン基を示し、R1及びR2は同一又は異なっていてもよく、置換基を示す。置換基には、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基等が包含される。n及びmは0〜4、好ましくは1〜2の数を示し、n+mは1〜6、好ましくは2を示す。p及びqは0〜6の数を示し、好ましくは0〜2の数を示す。
【0007】
前記2,2’−ピリジン系化合物の具体例を示すと、2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸、2,2’−ビピリジン−4,4’−ジスルホン酸、2,2’−ビピリジン−4,4’−ジリン酸、2,2’−ピリジン−3,3’−ジメチル−4,4’−ジカルボン酸(又はジスルホン酸もしくはジリン酸)等が挙げられる。
【0008】
前記1,10−フェナントロリン系化合物には、下記一般式(3)で示されるものが包含される。
【化16】
前記式中、Y1及びY2は同一又は異なっていてもよく、アニオン基を示し、R1、R2及びR3は同一又は異なっていてもよく、置換基を示す。置換基には、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基等が包含される。n及びmは0〜4、好ましくは1〜2の数を示し、n+mは1〜4、好ましくは2の数を示す。p、q及びrは0〜6の数を示し、好ましくは0〜2の数を示す。
【0009】
前記1,10−フェナントロリン系化合物の具体例を示すと、1,10−フェナントロリン−4,7−ジカルボン酸、1,10−フェナントロリン−4,7−ジスルホン酸、1,10−フェナントロリン−4,7−ジリン酸、1,10−フェナントロリン−3,8−ジメチル−4,7−ジカルボン酸(又はジスルホン酸もしくはジリン酸)等が挙げられる。
【0010】
前記L2は、下記一般式(a)〜(d)の中から選ばれるジチオレートを示す。
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【0011】
前記アルキル基において、その炭素数は1〜6、好ましくは1〜4である。その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等が挙げられる。前記アルコキシアルキル基は、下記一般式(4)で表される。
【化21】
R1OR2− (4)
前記式中、R1は炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基を示す。R1とR2の合計炭素数は2〜12、好ましくは3〜6である。アルコキシアルキル基の具体例としては、メトキシエチル、メトキシブチル、メトキシプロピル等が挙げられる。
【0012】
前記アミノアルキル基は、下記一般式(5)で表される。
【化22】
(5)
前記式中、R1及びR2は水素原子又はアルキル基を示す。そのアルキル基の炭素数は1〜12、好ましくは1〜4である。R3は炭素数1〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基を示す。アミノアルキル基の具体例を示すと、アミノメチル、アミノエチル、アミノブチル、N−メチル−アミノエチル、N,N−ジメチルアミノエチル、N−メチルアミノブチル等が挙げられる。
【0013】
前記アルコキシカルボニル基は、下記一般式(6)で表される。
【化23】
ROCO− (6)
前記式中、Rは炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基を示す。前記アルコキシカルボニル基の具体例を示すと、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル等が挙げられる。
【0014】
前記一般式(1)の白金錯体は、可溶性白金化合物、例えば、テトラクロロ白金酸ナトリウムに配位子化合物L1を反応させた後、配位子化合物L2を反応させることによって製造することができる。
【0015】
下記一般式で表される白金錯体
【化24】
PtLX 1 X 2
におけるLは、少なくとも1つのアニオン基を含有する2,2’−ビピリジン系化合物からなる配位子又は少なくとも1つのアニオン基を含有する1,10−フェナントロリン系化合物からなる配位子を示す。これらの配位子化合物の具体例などに関しては、前記L1及びL2に関するものを示すことができる。
【0016】
前記X1及びX2は、下記一般式(e)
【化25】
・S−R (e)
で表されるか又は下記一般式(f)
【化26】
・S−Ar (f)
で表されるチオレートを示す。
【0017】
前記一般式(e)中、Rは炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基、炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルケニル基、炭素数2〜12、好ましくは3〜6を有するアルコキシアルキル基、炭素数1〜12、好ましくは1〜8のアミノアルキル基、炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルコキシカルボニル基を示す。
【0018】
前記アルキル基、アルコキシアルキル基、アミノアルキル基及びアルコキシカルボニル基の具体例としては、前記一般式(a)〜(d)に関して示したものを示すことができる。また、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基等を示すことができる。前記一般式(f)中、Arは炭素数6〜10、好ましくは6〜8の置換又は未置換のアリール基を示す。置換基としては、ハロゲン原子や、アミノ基、シアノ基等を挙げることができる。未置換のアリール基の具体例としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル等が挙げられる。
【0019】
前記一般式で表される白金錯体は、可溶性白金化合物、例えば、テトラクロロ白金酸ナトリウムに配位子化合物Lを反応させた後、配位子化合物X1及びX2を反応させることに製造することができる。
【0020】
本発明の色素増感半導体電極は、従来公知の方法に従って、導電性表面に形成された酸化物半導体膜に、前記一般式(1)又は一般式(2)で表される白金錯体を吸着させることによって製造される。酸化物半導体としては、従来公知のもの、例えば、酸化チタン(TiO2)や、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ、(SnO2)、酸化インジウム(In2O3)、酸化ニオブ(Nb2O5)等が挙げられる。高性能の電池を得る点からは、酸化物半導体の表面積は高い方が好ましいが、高表面積を得るためには、酸化物半導体の1次粒子径が小さいことが好ましい。酸化物半導体の1次粒子径は、1〜200nm、好ましくは50nm以下である。その比表面積は、5〜100m2/g程度である。酸化物半導体を電極とするには、その粉末をそれだけでペレット化して焼結してもよいが、導電性表面上に膜状に固定化して用いるのが取扱い上好ましい。この場合の導電性表面(基板)は、チタンやタンタルなどの安定な金属や、導電性ガラス、カーボン等でもよい。基板上の酸化物半導体の厚さは200〜20,000nmであり、少なくとも1000nmであることが望ましい。
【0021】
酸化物半導体粒子を基板に固定するには、酸化物半導体の懸濁液に基板をディッピングしてもいいし、半導体酸化物のスラリーを塗布してもよい。酸化物半導体スラリーは水または界面活性剤水溶液を用いたり、ポリエチレングリコールなどを添加して粘性を高めてもよい。その後基板上でゆっくり乾燥させる。次に基板ごと空気中又は不活性雰囲気下で焼成を行う。焼成温度は300〜900℃、好ましくは400〜800℃で1時間行う。ただし、焼成温度は基板が損傷しない温度以下で行なわなければいけない。
【0022】
次に、白金錯体の酸化物半導体電極への吸着について説明する。白金錯体は、これを酸化物半導体電極に単分子吸着させるが、このためには、まず、白金錯体をメタノール、エタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドなどの溶媒に溶かす。溶媒の種類は、色素に対しある程度の溶解度を持ち、かつ白金錯体の半導体への吸着を阻害しないものを選ぶ。次に、半導体電極をこの溶液に浸す。溶液を多孔質な電極の内部までしみ込ませるために、減圧、または温度を上げて電極内部の気泡を除去する。温度は溶媒の沸点または色素の分解温度のいずれか低い温度にあわせる。白金錯体の溶解度が低い場合は、吸着操作を繰り返す。
【0023】
本発明の太陽電池は、前記のようにして得られる色素増感酸化物半導体電極と、その対電極と、それらの電極に接触するレドックス電解液とから構成される。この場合の電解液の溶媒としては、電気化学的に不活性で、かつ電解質を充分な量溶解できる物質が望まれる、例えば、アセトニトリルや炭酸プロピレンなどがある。電解質については安定なイオンのレドックス対で電荷を充分な速度で電極間を輸送できる物質が望まれる、レドックス対としてはI−/I3 −やBr−/Br3 −、キノン/ヒドロキノン対がある、例えばI−/I3 −対をつくるときには沃素のアンモニウム塩と沃素を混合する。陽イオンは電解質が溶媒に溶解しやすいものを選択する。対電極についてはI3 −イオンなどの酸化型レドックスの還元反応を充分な早さでおこなわせる触媒能を持った材料が望まれる、例えば白金又はこれを導電性材料に把持した電極などがある。最終的に電池を作成するときには色素を吸着させた電極と対極との間にレドックスを含む電界溶液をはさみ、シール剤で封止する。以上の作業は空気中の水分や酸素を完全に触れさせないような条件下でおこなわなければいけない。
【0024】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、以下に示す実施例においては、測定する電池の大きさはいずれも1×1cmを用いた。光源としては500Wのキセノンランプを用いた、フィルターとしては420nmカットオフフィルター(約50mW/cm2)を用いた。短絡電流、開放電圧、形状因子の測定は無抵抗電流計を備えたポテンシオスタットを用いて行った。TiO2酸化物半導体粉末は市販品(日本エアロゾル、P−25、表面積55m2/g)を用いた。酸化物粉末は、水、アセチルアセトン、界面活性剤と混合しスラリー状にした。このスラリーを導電性ガラス(F−SnO2、10Ω/sq)上に焼成後に所定の膜厚になるように塗布した。焼成はいずれも500℃、1時間空気中でおこない酸化物半導体電極を作成した。白金錯体をエタノールに100mg/100mlの濃度で溶解し、この中に酸化物半導体電極を入れて、80℃、1時間還流して白金錯体を電極に吸着させた。その後室温で乾燥させた。対極としては白金を20nmの厚さで蒸着した導電性ガラスを用いた。レドックス対はI−/I3 −を用いた。溶質としてはテトラプロピルアンモニウムヨージド(0.46M)と沃素(0.06M)を用い、溶媒としてはエチレンカーボネイト(80vol%)とアセトニトリル(20vol%)の混合液を用いた。
【0025】
実施例1テトラクロロ白金酸ナトリウム500mgと4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン294mgを50mlの水に溶かし4時間加熱沸騰させる。冷却後、生成する沈殿を濾過しジクロロ(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン)白金(II)を得る。得られたジクロロ(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン)白金(II)の水酸化カリウムでアルカリ性にした水溶液にキノキサリン−2,3−ジチオラート溶液を加え、さらに酸性にする。このようにして、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン(2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸)と、キノキサリン−2,3−ジチオラートを配位子とする白金錯体を得た。この白金錯体を導電性ガラス表面に作成した酸化チタン多孔質膜に吸着させることにより可視光応答性の電極を得た。この電極と、導電性ガラス表面に白金を蒸着した対電極との間に電解質溶液をはさみ太陽電池を構成した。その結果、この電池からは、AM1.5の擬似太陽光照射下において、短絡電流6.14mA/cm2、開放電圧0.6V、FF0.71の光電流を取り出すことができた。なお、前記AMは通過空気量を示し、AM1.5は天頂角48°の太陽光に相当し、FFは形状因子〔最大出力/(短絡電流×開放電圧)〕を示す。
【0026】
実施例2実施例1において、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジンの代りに4,7−ジカルボキシ−1,10−フェナントロリンを用いた以外は同様にして実験を行った。その結果、得られた太陽電池から、短絡電流5.02mA/cm2、開放電圧0.6V、FF0.76の光電流を取り出すことができた。
【0027】
【発明の効果】
本発明により実現された白金錯体はそのカルボキシル基等のアニオン基によって半導体表面に効果的に吸着することができるため、幅広い光吸収領域と大きな吸光係数をもつことにより、高い光電変換効率を達成することが可能となった。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光エネルギーを効率よく利用する増感剤として有用な白金錯体、この白金錯体を用いた色素増感酸化物半導体電極及びこの電極を含む太陽電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸化チタン等の酸化物半導体の表面に可視領域に吸収をもつルテニウム錯体等の化合物を吸着させてその増感作用を使って光エネルギーの利用効率を向上させることは知られている。しかしながら、これまでに増感剤として使用されている化合物は主にルテニウムを中心部にもつ金属錯体であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、可視光からの光電変換効率の高い新しい金属錯体、それを用いた色素増感酸化物半導体電極及びこの電極を含む太陽電池を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、下記一般式(1)で表される白金錯体が提供される。
【化7】
PtL1L2 (1)
〔式中、L1は少なくとも1つのアニオン基を含有する2,2’−ビピリジン系化合物からなる配位子又は少なくとも1つのアニオン基を含有する1,10−フェナントロリン系化合物からなる配位子を示し、L2は下記一般式(a)
【化8】
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜12を有するアルコキシアルキル基、炭素数1〜12のアミノアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル、シアノ又は水素原子を示す)
で表されるか、下記一般式(b)
【化9】
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜12を有するアルコキシアルキル基、炭素数1〜12のアミノアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル、シアノ又は水素原子を示す)
で表されるか、下記一般式(c)
【化10】
(式中、R及びR1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜12を有するアルコキシアルキル基、炭素数1〜12のアミノアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル、シアノ又は水素原子を示す)
で表されるか、又は下記一般式(d)
【化11】
(式中、R及びR1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜12を有するアルコキシアルキル基、炭素数1〜12のアミノアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル、シアノ又は水素原子を示す)
で表されるジチオレートを示す〕
また、本発明によれば、下記一般式で表される白金錯体が提供される。
【化12】
PtLX1X2
〔式中、Lは少なくとも1つのアニオン基を含有する2,2’−ビピリジン系化合物からなる配位子又は少なくとも1つのアニオン基を含有する1,10−フェナントロリン系化合物からなる配位子を示し、X1及びX2は同一又は異っていてもよく、下記一般式(e)
【化13】
・S−R (e)
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜12を有するアルコキシアルキル基、炭素数1〜12のアミノアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル、シアノ又は水素原子を示す)
で表されるか又は下記一般式(f)
【化14】
・S−Ar (f)
(式中、Arは炭素数6〜10の置換又は未置換のアリール基を示す)
で表されるチオレートを示す〕
さらに、本発明によれば、導電性表面に形成された酸化物半導体膜に前記白金錯体を吸着させてなる色素増感酸化物半導体電極が提供される。
さらにまた、本発明によれば、前記電極と、その対極と、それらの電極に接触するレドックス電解液とから構成されることを特徴とする太陽電池が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
前記一般式(1)におけるL1は、少なくとも1つのアニオン基を含有する2,2’−ビピリジン系化合物からなる配位子又は少なくとも1つのアニオン基を含有する1,10−フェナントロリン系化合物からなる配位子を示す。前記アニオン基には、従来公知の各種のもの、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が包含される。これらのアニオン基は、遊離酸基であることができる他、塩形成性陽イオン(Na、K等のアルカリ金属のイオン、アンモニウムイオン等)で中和された中和塩基であることができる。配位子L1又はL2中に含まれるアニオン基の数は1つ以上、好ましくは2つ以上であり、その上限値は、通常、4つ程度である。L1に含まれているアニオン基とL2に含まれているアニオン基の合計は、通常、1〜4、好ましくは2である。
【0006】
前記2,2’−ピリジン系化合物には、下記一般式(2)示されるものが包含される。
【化15】
前記式中、Y1及びY2は同一又は異なっていてもよく、アニオン基を示し、R1及びR2は同一又は異なっていてもよく、置換基を示す。置換基には、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基等が包含される。n及びmは0〜4、好ましくは1〜2の数を示し、n+mは1〜6、好ましくは2を示す。p及びqは0〜6の数を示し、好ましくは0〜2の数を示す。
【0007】
前記2,2’−ピリジン系化合物の具体例を示すと、2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸、2,2’−ビピリジン−4,4’−ジスルホン酸、2,2’−ビピリジン−4,4’−ジリン酸、2,2’−ピリジン−3,3’−ジメチル−4,4’−ジカルボン酸(又はジスルホン酸もしくはジリン酸)等が挙げられる。
【0008】
前記1,10−フェナントロリン系化合物には、下記一般式(3)で示されるものが包含される。
【化16】
前記式中、Y1及びY2は同一又は異なっていてもよく、アニオン基を示し、R1、R2及びR3は同一又は異なっていてもよく、置換基を示す。置換基には、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基等が包含される。n及びmは0〜4、好ましくは1〜2の数を示し、n+mは1〜4、好ましくは2の数を示す。p、q及びrは0〜6の数を示し、好ましくは0〜2の数を示す。
【0009】
前記1,10−フェナントロリン系化合物の具体例を示すと、1,10−フェナントロリン−4,7−ジカルボン酸、1,10−フェナントロリン−4,7−ジスルホン酸、1,10−フェナントロリン−4,7−ジリン酸、1,10−フェナントロリン−3,8−ジメチル−4,7−ジカルボン酸(又はジスルホン酸もしくはジリン酸)等が挙げられる。
【0010】
前記L2は、下記一般式(a)〜(d)の中から選ばれるジチオレートを示す。
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【0011】
前記アルキル基において、その炭素数は1〜6、好ましくは1〜4である。その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等が挙げられる。前記アルコキシアルキル基は、下記一般式(4)で表される。
【化21】
R1OR2− (4)
前記式中、R1は炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基を示す。R1とR2の合計炭素数は2〜12、好ましくは3〜6である。アルコキシアルキル基の具体例としては、メトキシエチル、メトキシブチル、メトキシプロピル等が挙げられる。
【0012】
前記アミノアルキル基は、下記一般式(5)で表される。
【化22】
(5)
前記式中、R1及びR2は水素原子又はアルキル基を示す。そのアルキル基の炭素数は1〜12、好ましくは1〜4である。R3は炭素数1〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基を示す。アミノアルキル基の具体例を示すと、アミノメチル、アミノエチル、アミノブチル、N−メチル−アミノエチル、N,N−ジメチルアミノエチル、N−メチルアミノブチル等が挙げられる。
【0013】
前記アルコキシカルボニル基は、下記一般式(6)で表される。
【化23】
ROCO− (6)
前記式中、Rは炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基を示す。前記アルコキシカルボニル基の具体例を示すと、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル等が挙げられる。
【0014】
前記一般式(1)の白金錯体は、可溶性白金化合物、例えば、テトラクロロ白金酸ナトリウムに配位子化合物L1を反応させた後、配位子化合物L2を反応させることによって製造することができる。
【0015】
下記一般式で表される白金錯体
【化24】
PtLX 1 X 2
におけるLは、少なくとも1つのアニオン基を含有する2,2’−ビピリジン系化合物からなる配位子又は少なくとも1つのアニオン基を含有する1,10−フェナントロリン系化合物からなる配位子を示す。これらの配位子化合物の具体例などに関しては、前記L1及びL2に関するものを示すことができる。
【0016】
前記X1及びX2は、下記一般式(e)
【化25】
・S−R (e)
で表されるか又は下記一般式(f)
【化26】
・S−Ar (f)
で表されるチオレートを示す。
【0017】
前記一般式(e)中、Rは炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基、炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルケニル基、炭素数2〜12、好ましくは3〜6を有するアルコキシアルキル基、炭素数1〜12、好ましくは1〜8のアミノアルキル基、炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルコキシカルボニル基を示す。
【0018】
前記アルキル基、アルコキシアルキル基、アミノアルキル基及びアルコキシカルボニル基の具体例としては、前記一般式(a)〜(d)に関して示したものを示すことができる。また、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基等を示すことができる。前記一般式(f)中、Arは炭素数6〜10、好ましくは6〜8の置換又は未置換のアリール基を示す。置換基としては、ハロゲン原子や、アミノ基、シアノ基等を挙げることができる。未置換のアリール基の具体例としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル等が挙げられる。
【0019】
前記一般式で表される白金錯体は、可溶性白金化合物、例えば、テトラクロロ白金酸ナトリウムに配位子化合物Lを反応させた後、配位子化合物X1及びX2を反応させることに製造することができる。
【0020】
本発明の色素増感半導体電極は、従来公知の方法に従って、導電性表面に形成された酸化物半導体膜に、前記一般式(1)又は一般式(2)で表される白金錯体を吸着させることによって製造される。酸化物半導体としては、従来公知のもの、例えば、酸化チタン(TiO2)や、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ、(SnO2)、酸化インジウム(In2O3)、酸化ニオブ(Nb2O5)等が挙げられる。高性能の電池を得る点からは、酸化物半導体の表面積は高い方が好ましいが、高表面積を得るためには、酸化物半導体の1次粒子径が小さいことが好ましい。酸化物半導体の1次粒子径は、1〜200nm、好ましくは50nm以下である。その比表面積は、5〜100m2/g程度である。酸化物半導体を電極とするには、その粉末をそれだけでペレット化して焼結してもよいが、導電性表面上に膜状に固定化して用いるのが取扱い上好ましい。この場合の導電性表面(基板)は、チタンやタンタルなどの安定な金属や、導電性ガラス、カーボン等でもよい。基板上の酸化物半導体の厚さは200〜20,000nmであり、少なくとも1000nmであることが望ましい。
【0021】
酸化物半導体粒子を基板に固定するには、酸化物半導体の懸濁液に基板をディッピングしてもいいし、半導体酸化物のスラリーを塗布してもよい。酸化物半導体スラリーは水または界面活性剤水溶液を用いたり、ポリエチレングリコールなどを添加して粘性を高めてもよい。その後基板上でゆっくり乾燥させる。次に基板ごと空気中又は不活性雰囲気下で焼成を行う。焼成温度は300〜900℃、好ましくは400〜800℃で1時間行う。ただし、焼成温度は基板が損傷しない温度以下で行なわなければいけない。
【0022】
次に、白金錯体の酸化物半導体電極への吸着について説明する。白金錯体は、これを酸化物半導体電極に単分子吸着させるが、このためには、まず、白金錯体をメタノール、エタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドなどの溶媒に溶かす。溶媒の種類は、色素に対しある程度の溶解度を持ち、かつ白金錯体の半導体への吸着を阻害しないものを選ぶ。次に、半導体電極をこの溶液に浸す。溶液を多孔質な電極の内部までしみ込ませるために、減圧、または温度を上げて電極内部の気泡を除去する。温度は溶媒の沸点または色素の分解温度のいずれか低い温度にあわせる。白金錯体の溶解度が低い場合は、吸着操作を繰り返す。
【0023】
本発明の太陽電池は、前記のようにして得られる色素増感酸化物半導体電極と、その対電極と、それらの電極に接触するレドックス電解液とから構成される。この場合の電解液の溶媒としては、電気化学的に不活性で、かつ電解質を充分な量溶解できる物質が望まれる、例えば、アセトニトリルや炭酸プロピレンなどがある。電解質については安定なイオンのレドックス対で電荷を充分な速度で電極間を輸送できる物質が望まれる、レドックス対としてはI−/I3 −やBr−/Br3 −、キノン/ヒドロキノン対がある、例えばI−/I3 −対をつくるときには沃素のアンモニウム塩と沃素を混合する。陽イオンは電解質が溶媒に溶解しやすいものを選択する。対電極についてはI3 −イオンなどの酸化型レドックスの還元反応を充分な早さでおこなわせる触媒能を持った材料が望まれる、例えば白金又はこれを導電性材料に把持した電極などがある。最終的に電池を作成するときには色素を吸着させた電極と対極との間にレドックスを含む電界溶液をはさみ、シール剤で封止する。以上の作業は空気中の水分や酸素を完全に触れさせないような条件下でおこなわなければいけない。
【0024】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、以下に示す実施例においては、測定する電池の大きさはいずれも1×1cmを用いた。光源としては500Wのキセノンランプを用いた、フィルターとしては420nmカットオフフィルター(約50mW/cm2)を用いた。短絡電流、開放電圧、形状因子の測定は無抵抗電流計を備えたポテンシオスタットを用いて行った。TiO2酸化物半導体粉末は市販品(日本エアロゾル、P−25、表面積55m2/g)を用いた。酸化物粉末は、水、アセチルアセトン、界面活性剤と混合しスラリー状にした。このスラリーを導電性ガラス(F−SnO2、10Ω/sq)上に焼成後に所定の膜厚になるように塗布した。焼成はいずれも500℃、1時間空気中でおこない酸化物半導体電極を作成した。白金錯体をエタノールに100mg/100mlの濃度で溶解し、この中に酸化物半導体電極を入れて、80℃、1時間還流して白金錯体を電極に吸着させた。その後室温で乾燥させた。対極としては白金を20nmの厚さで蒸着した導電性ガラスを用いた。レドックス対はI−/I3 −を用いた。溶質としてはテトラプロピルアンモニウムヨージド(0.46M)と沃素(0.06M)を用い、溶媒としてはエチレンカーボネイト(80vol%)とアセトニトリル(20vol%)の混合液を用いた。
【0025】
実施例1テトラクロロ白金酸ナトリウム500mgと4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン294mgを50mlの水に溶かし4時間加熱沸騰させる。冷却後、生成する沈殿を濾過しジクロロ(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン)白金(II)を得る。得られたジクロロ(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン)白金(II)の水酸化カリウムでアルカリ性にした水溶液にキノキサリン−2,3−ジチオラート溶液を加え、さらに酸性にする。このようにして、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン(2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸)と、キノキサリン−2,3−ジチオラートを配位子とする白金錯体を得た。この白金錯体を導電性ガラス表面に作成した酸化チタン多孔質膜に吸着させることにより可視光応答性の電極を得た。この電極と、導電性ガラス表面に白金を蒸着した対電極との間に電解質溶液をはさみ太陽電池を構成した。その結果、この電池からは、AM1.5の擬似太陽光照射下において、短絡電流6.14mA/cm2、開放電圧0.6V、FF0.71の光電流を取り出すことができた。なお、前記AMは通過空気量を示し、AM1.5は天頂角48°の太陽光に相当し、FFは形状因子〔最大出力/(短絡電流×開放電圧)〕を示す。
【0026】
実施例2実施例1において、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジンの代りに4,7−ジカルボキシ−1,10−フェナントロリンを用いた以外は同様にして実験を行った。その結果、得られた太陽電池から、短絡電流5.02mA/cm2、開放電圧0.6V、FF0.76の光電流を取り出すことができた。
【0027】
【発明の効果】
本発明により実現された白金錯体はそのカルボキシル基等のアニオン基によって半導体表面に効果的に吸着することができるため、幅広い光吸収領域と大きな吸光係数をもつことにより、高い光電変換効率を達成することが可能となった。
Claims (3)
- 下記一般式(1)で表される白金錯体。
〔式中、L1は、一般式(2)で示される2,2’−ビピリジン系化合物又は一般式(3)で示される1,10−フェナントロリン系化合物であり、
【化2】
(2)
【化3】
(3)
[式中、Y 1 及びY 2 はカルボン酸、スルホン酸及びリン酸から選ばれるアニオン基、R 1 〜R 3 は、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基、及びハロゲン化アルキル基から選ばれ、n及びmは0から4、n+mは 1 〜4を示す。p、q及びrは0〜6の整数を示す。)
L2は下記一般式(a)
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜12を有するアルコキシアルキル基、又は水素原子を示す)
で表されるか、下記一般式(b)
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜12を有するアルコキシアルキル基、又は水素原子を示す)
で表されるか、又は下記一般式(c)
(式中、R及びR1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜12を有するアルコキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル、シアノ又は水素原子を示す)
で表されるジチオレートを示す〕 - 導電性表面に形成された酸化物半導体膜に請求項1の白金錯体を吸着させてなる色素増感酸化物半導体電極。
- 請求項2の電極と、その対極と、それらの電極に接触するレドックス電解液とから構成されることを特徴とする太陽電池。
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