JP3844869B2 - 針状超音波探触子および超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、針状超音波探触子および超音波診断装置に関し、特に、体内深層部や管腔壁等の微細な組織性状や構造を実時間で計測する超音波診断装置の針状超音波探触子(針状超音波プローブ)に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
臓器に発生した病変を診断する方法として生体検査(バイオプシ)が知られている。この生体検査は、超音波撮像装置で体腔内の臓器を描出しながら、穿刺針を病変部まで刺入し、針の内部に病変部の生体組織を導入して採取し、この生体組織を鑑別して病名の診断を行うものである。しかしながら、この診断方法では生体組織を体外に摘出した後に、固定および染色してから検査を行う必要があるので、ただちに診断することができず、また取り出した生体組織が生体内の状態から変化してしまうという問題があった。
【0003】
これらの問題を解決する方法として、穿刺針に超音波変換器を取り付けて直接病変部に刺入し、病変部の組織性状を測定したり、周囲の生体組織を画像化する針状超音波プローブが提案されてきた。特に、周囲の組織を画像化することを目的としたプローブの例としては、特公平5−9097号(以下、「文献1」と記す)のごとく、外針の一部に開口部を設けて内針側面に実装した超音波変換器を露出させ、これを走査するようにしたものや、ウルトラソニックイメージング誌15巻1−13ページ(Ultrasonic Imaging Vol.15 pp.1-13 (1993))(以下、「文献2」と記す)のごとく、外針の先端から超音波変換器を実装した内針を露出させるものなどが知られていた。これらの例では、針の軸に垂直な平面、または針の軸を含む平面の画像、いわゆるBモード像を得る構成であった。ただし、これらの針状超音波プローブを用いた場合では、生体組織による超音波の吸収の制限のために、この方式で用いられる超音波の周波数はおおむね100MHz以下であった。
【0004】
さらには、ウルトラソニックイメージング誌18巻231−239ページ(Ultrasonic Imaging Vol.15 pp.231-239 (1996))(以下、「文献3」と記す)等では、100MHz以上の高周波、高分解能の超音波変換器を搭載した針状または棒状の超音波プローブ用い、これを生体組織内で回転方向、軸方向に機械的に走査して針の周囲の円筒形の面の画像、いわば円筒型Cモードを得る方式が提案されていた。
【0005】
以上に示す文献1〜3とは別に、血管、消化管、胆管、膵管および尿管などの管腔壁にできた腫瘤の深達度の診断などを目的とする超音波プローブが知られている。この超音波プローブは、血管内超音波プローブあるいは細径超音波プローブなどと呼ばれており、管腔内に挿入できる径の細い、屈曲可能なプローブであった。この超音波プローブを用いた計測では、超音波の周波数は最大40MHz程度でBモードの撮像を行っていた。
【0006】
このように、被検体への負担を軽減しつつ体内深層部の微細構造を描画するために、医療用超音波プローブは、細径化および高周波化するのが一つの技術潮流になっている。これらのプローブの直径は、概ね5mm以下であった。なお、本願明細書中においては、以下、これらのプローブを、「細径超音波プローブ」または「細径プローブ」と総称する。
【0007】
以上説明したように、画像化を目的とした医療用の細径超音波プローブでは、超音波変換器に音響レンズが設けられ、これによって超音波を収束させて高い分解能を得るのが一般的であった。たとえば、文献3に記載の細径超音波プローブでは、音響レンズ材(以下、「基材」と記す)については、周囲の生体組織に対向する面に音響レンズを設け、その反対面に下部電極、圧電薄膜、上部電極の3層膜を形成した構造であった。この構成では、圧電薄膜で発生した超音波(送波時の超音波)は、基材内部を伝搬して反対面の音響レンズに達し、収束して焦点を結んでいた。
【0008】
一方、超音波顕微鏡用の超音波変換器を主たる応用として、例えば、特開昭60−96996号(以下、「文献4」と記す)もしくは特開平2−2931号(以下、「文献5」と記す)等に記載されるように、基材の表面に凹型形状の音響レンズ面を形成し、この音響レンズ面に圧電薄膜および電極膜を形成する方式もあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前記従来技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0010】
従来の医療用の細径超音波プローブでは、圧電薄膜で変換された超音波は基材を伝搬し、その後、超音波プローブの周辺に満たした生理食塩水を伝搬し、その後、当該超音波プローブ周辺の生体組織に伝搬させ、生体組織で反射した超音波信号を送波時とは逆に順路で電気信号に変換し、この信号から超音波画像を得ていた。このために、前述する文献1〜3に記載の細径超音波プローブでは、基材と生理食塩水との音響インピーダンスの違いによって、基材と生理食塩水との境界面で超音波の反射が生じてしまい、超音波画像の画質を低下させてしまうという問題があった。すなわち、圧電薄膜で検出される超音波信号の内で、生体組織内で反射されてきた超音波と基材内における反射に伴う超音波とを分離することができないという問題があった。
【0011】
また、文献4および文献5に記載の超音波変換器では、圧電薄膜で変換された超音波は、基材内部に伝搬すると共に、たとえば、音響レンズ面と非測定物である試料との間に設けられた水等の伝搬体を伝搬して試料に送波されていた。このとき、試料内で反射された超音波は、伝搬体を伝搬して圧電薄膜に受波されていた。一方、基材内に伝搬した超音波は、当該基材内部で反射を繰り返しつつ基材内で減衰していた。このような構成の超音波変換器では、原理的に受波時における、基材内へ伝搬した超音波の反射波の影響を防止することが可能である。たとえば、文献4および5に記載の超音波変換器では、下記の数1を満たすことにより、基材内に入射した超音波が受波に重畳すること、すなわち、基材内における内部反射の影響を防止している。
【0012】
しかしながら、この技術をそのまま細径超音波プローブに適用した場合には、超音波の送波方向に対する基材の厚さ、すなわち、細径超音波プローブが太くなってしまうという問題があった。
【0013】
たとえば、文献3を例にとって数1を計算してみると、基材としてサファイアを用いた場合では、音速がv1=11000m/s、音響レンズの焦点距離は0.5mmとなるので、音響レンズから焦点までの超音波の伝搬時間tは、媒体を水とした場合(ただし、水中の音速1500m/sである)、t=0.33msとなる。したがって、数1を満たす基材の厚さd1は、d1>3.6mmとなり、針状超音波プローブの直径が、4〜5mm以上に制限されてしまうという問題があった。
【0014】
この結果から明らかなように、細径超音波プローブにおいては、基材の厚さを厚くする、すなわち数1を満たす厚さとすることによって、基材の内部反射を防止するのは極めて困難であった。
【0015】
【数1】
d1/v1 > t
ただし、v1は基材の音速、d1は厚さ、tは音響レンズから焦点までの超音波の伝搬時間を示す。
【0016】
さらには、超音波顕微鏡では、超音波の伝搬体として水を使用するのが一般的であり、生理食塩水を伝搬体として使用する細径超音波プローブと大きく異なっている。このために、文献4および文献5に記載の超音波変換器では、圧電薄膜に駆動電圧を供給するための信号線および圧電薄膜との接続に関する記述がされておらず、この構成をそのまま細径超音波プローブに適用した場合には、信号線が短絡してしまう、あるいは、約80V程度が印加される信号線と被検体とが接触してしまい、被検体が感電してしまうという問題があった。
【0017】
本発明の目的は、プローブ径を太くすることなく高画質の超音波画像を撮像することが可能な超音波プローブを提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、安全性を向上することが可能な超音波プローブを提供することにある。
【0019】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0021】
(1)先端が棒状または穿刺針状をなす直線状もしくは屈曲可能な構造をなし、生体内に挿入または刺入して側面に設けた超音波変換手段から超音波信号を周囲の生体組織に送受波する針状超音波探触子において、延在方向と垂直をなす軸に対して回転対象をなす曲面形状に形成された凹面部と、該凹部に沿って形成された超音波変換手段とを具備し、該超音波変換手段から超音波を送受波する。
【0022】
(2)超音波を送受波する超音波変換手段を有する超音波探触子と、受波した超音波から超音波像を構成する信号処理手段と、該超音波像を表示する表示手段とを有する超音波診断装置において、前述する(1)の超音波探触子を用いることを特徴とする超音波診断装置。
【0023】
前述した(1)および(2)手段によれば、超音波変換手段から送波される超音波の内、被検体の生体組織に送波される超音波と、この超音波と対称となる方向に送波される超音波とを完全に分離することができるので、被検体の生体組織内で反射されてきて超音波変換手段で受波した超音波にしめる当該超音波変換手段における内部反射の超音波の影響を防止することができる。したがって、高画質の超音波画像を撮像することができる。なお、詳細については、後述する低減原理の項に示す。
【0024】
(内部反射の低減原理)
図10に基づいて、超音波変換手段における内部反射と本発明によるこの内部反射の低減原理を説明する。
【0025】
図10aから明らかなように、本発明では、凹面をなす音響レンズ面に圧電薄膜4と図示しない電極膜を形成する場合では、圧電薄膜4が励振されることによって発生する超音波は、生体組織方向に出射される超音波100(図10中では上方方向)とともに、基材1の内部(図では下方)にも超音波200が送波される。このとき、生体組織方向に伝搬した超音波100は、音響レンズの作用により生体組織内部で焦点を結び、その位置での音響特性を反映して反射する。これが本来の信号(受波信号)である。一方、基材1の内部に送波された超音波200は主に基材の反対面で反射する。これが内部反射の原因となり、基材の上下面間で反射を繰り返して多重反射となる。
【0026】
図10bに示すように、従来の超音波プローブでは、圧電薄膜4は音響レンズの反対側の平坦面に成膜され、これが励振されることによって発生した超音波は基材1の内部を伝搬して音響レンズに達し、屈折して焦点を結ぶ超音波100となる。したがって、まず、音響レンズ面で反射してエネルギーを失い、反射した成分200が内部反射の原因となる。
【0027】
図10a,bから明らかなように、本発明の超音波プローブでは、信号となる超音波100は基材1内を伝搬しない。したがって、信号となる超音波100は、音響レンズ面では反射せず、無駄なく焦点に伝搬するため信号のS/Nが向上する。さらには、信号となる超音波100と内部反射の原因となる超音波200では、始めから異なった方向に伝搬するため、内部反射の成分だけを減衰させることが可能である。すなわち、本発明の構成で内部反射を軽減するためには、基材の反対面(音響レンズを形成した面に対向する側の面)に超音波を拡散、吸収または透過させる構造を設けることによって、音響レンズの反対面で反射する超音波200を低減させることが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、発明の実施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0030】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の針状超音波プローブ(超音波探触子)の概略構成を説明するための断面図であり、図2は本実施の形態1の超音波変換器部分の拡大図である。
【0031】
図1および図2において、1は基材、2は音響レンズ、3は下部電極、4は圧電薄膜、5は上部電極、6は第1の絶縁膜、9は第2の絶縁膜、10は針体、20は生理食塩水、30は第1の信号線、35は第2の信号線、40,45は絶縁被覆を示す。ただし、以下の説明においては、説明を容易にするために、必要に応じて部分ごとの寸法比を変えている。また、煩雑さを防ぐために、その図で説明すべき内容以外の部分は適宜省略して示す。
【0032】
図1および図2から明らかなように、本実施の形態1の針状超音波プローブでは、超音波変換器(超音波変換手段)は基材1に凹面(凹面部)をなす音響レンズ2を加工・形成し、この凹面に沿って、下部電極3、圧電薄膜4、上部電極5、絶縁膜6を形成したものである。このときの基材1の材質としては、生理食塩水に対する耐腐食性能が高い金属やセラミクスなどの微細加工の可能なものであれば何でもよいが、本実施の形態1では、特に、加工性が容易であることから真鍮を用いるものとする。他の材質としては、リン青銅等も真鍮と同様に加工性が容易である。
【0033】
上部および下部電極3,5は共に金(Au)を用いており、圧電薄膜4はPVDF(ポリフッ化ビニリデン)またはP(VDF・TrFE)(ポリフッ化ビニリデンと3フッ化エチレンとの共重合体)等の高分子圧電体膜を用いるものとする。ただし、これら高分子圧電体膜は、曲面上(本実施の形態1では凹面部分)に形成することが可能であることはいうまでもない。また、上部および下部電極3,5の厚さは共に0.2μmであり、圧電薄膜4の厚さはP(VDF・TrFE)の場合で6μmである。ただし、図2では説明のために、圧電薄膜4の厚さを強調して示している。また、圧電薄膜4の厚さは、使用する超音波の周波数のよって変更する必要があることはいうまでもなく、本実施の形態1では100MHzの超音波を使用するので、厚さを6μmとした。よって、たとえば、200MHzの超音波を使用する場合には、その厚さを3μmに設定する必要がある。
【0034】
音響レンズ2を形成する凹面は、その軸線に対して回転対称形をなす非球面状の形状とすることによって、圧電薄膜4で発生された超音波を所定の位置で集束させるためである。ただし、本実施の形態1においては、送受波する超音波の中心周波数は100MHz、音響レンズの焦点距離は500μm、レンズのF値は1とする。針状超音波プローブの直径は1mmである。超音波変換器は針体10の内部に実装されるが、音響レンズと生体組織表面の間の距離は、必要に応じて間隔を開けるように実装される。なお、音響レンズ2の形状としては、収差を低減するためには非球面レンズが望ましいが、簡単には球面レンズであってよい。
【0035】
針体10の内部には生理食塩水20が満たされており、必要に応じてこの針体10内の生理食塩水20に水圧をかけることにより、音響レンズ2の近傍に生理食塩水20が漏出し、音響レンズ10と図示しない生体組織表面との間に供給される。ただし、本実施の形態1では、針体10の材質として、生理食塩水に対する腐食性能が高いステンレスを用いることとしたが、これに限定されることはなく、基材1と同様に、他の金属等でもよいことはいうまでもない。
【0036】
基材1の音響レンズ2との反対側の形状は円錐形に加工されており、図2に示すように、基材1の断面では先端の断面での角度は120゜である。また、基材の厚さ(音響レンズ端部から円錐形の頂点まで)は300μmであり、本実施の形態1では、さらに、基材1の周囲が第2の絶縁膜9で被われる構造となっている。ただし、絶縁膜9としては、本実施の形態1ではテフロン等の樹脂製の材料である。ここで、圧電薄膜4から送波され基材1内を伝搬してきた超音波は、この構造すなわち円錐形の形状により基材1の内部に散乱され、しだいに針体10の内部に満たした生理食塩水20に吸収されていく。これによって、基材1の内部反射は強い振幅をもたず、信号計測の障害にならない。すなわち、本実施の形態1の超音波変換器の構成では、圧電薄膜4で生成された超音波は、直接、生理食塩水20を介して生体組織側に送波されると共に、その反対の側である基材1の内部に送波されることとなる。一方、受波時においては、生体組織側に送波された超音波は音響レンズの焦点部分で反射され、送波と逆の経路で直接圧電薄膜4に入射するのに対して、基材1内に送波された超音波は前述するように、基材1の内部で減衰されてしまうので、圧電薄膜4で検出された場合であっても、音響レンズ2側から入射された超音波の信号強度に比較して十分振幅の小さい信号となる。したがって、前述した手段の項に示すように、従来の構成においては分離することができなかった基材1の超音波を、本実施の形態1においてはほぼ完全に分離できるので、その影響に伴う超音波画像の劣化をほぼ完全に取り除くことが可能となる。
【0037】
ただし、本実施の形態1においては、基材1の先端の断面の角度を120゜として設定したが、一般的に知られるようにこの角度は基材1に入射した超音波が最も効率よく散乱する角度であって、この角度に限定されることはなく、基本的には、音響レンズ2と対する側の面を音響レンズ2となる凹部の軸線と直交しないように形成すればよいことはいうまでもない。したがって、本実施の形態1においては、円錐形とした、基材1の音響レンズ2と対向する側の面の形状を角錐形、あるいは、凹部の軸線と直交しない任意の1以上の平面で切断した形状としてもよい。
【0038】
また、図2に示すように、上部電極の上すなわち送波面側にはさらに保護膜と音響整合層との機能を兼ねた第1の絶縁膜6が設けられている。ただし、絶縁膜6の材質としては、例えば、SiO2(酸化シリコン膜)等が適当である。この絶縁膜6は、第1の信号線30との接続部分以外は上部電極の全体を覆う構成となっている。本実施の形態1においては、基材1として金属である真鍮を用いているので、下部電極3は基材1と等電位になっており、信号線の一方である第2の信号線35は基材に接続される構成となっている。ただし、第1および第2の信号線30,35もまた、それぞれ絶縁被覆40,45に被われて絶縁されている。したがって、本実施の形態1の超音波プローブでは、これらの絶縁膜6,9や絶縁被覆40,45の絶縁によって、上部および下部の電極3,5は超音波変換器周囲で周囲環境に対して全く露出せず、周囲を生理食塩水20が満たしていても供給した電力や受信した信号が漏洩したり、電極間が短絡したりすることを防止できる。したがって、超音波プローブの安全性を向上することができる。
【0039】
また、図1および図2から明らかなように、基材1が金属でできている場合には、下部電極3は必ずしも必要ではないことはいうまでもない。
【0040】
以上説明したように、本発明の実施の形態1の針状超音波プローブでは、基材1の一方の側の面上に音響レンズ2となる凹部形状の溝を設け、この溝に沿って下部電極3、圧電薄膜4、上部電極5を順番に形成すると共に、基材2の他方の側の面の形状を頂角が120°の円錐状に形成し、この基材1を送波面側すなわち音響レンズ2側が針状超音波プローブの中心軸方向と垂直をなすように構成することによって、圧電薄膜4によって発生された超音波は、その振動方向すなわち凹部の曲面に対する法線方向である生体組織側と基材1の側とに送波される。このとき、生体組織側に送波された超音波は、生体組織内で反射した後に圧電薄膜4で受波されて電気信号(受波信号)に変換される。一方、基材1の内部に送波された超音波は、前述するように、円錐形の形状により圧電薄膜4に入射されることなく、基材1の内部に散乱されて、しだいに針体10の内部に満たした生理食塩水20に吸収されて減衰していく。したがって、本実施の形態1の針状超音波プローブでは、基材1の厚さを前述する数1を満たすような厚さにすることなく、すなわち、針状超音波プローブ径を太くすることなく、基材1の内部反射の影響を防止することができる。この結果、高画質の超音波画像を撮像することができる。
【0041】
さらには、本実施の形態1の針状超音波プローブでは、圧電薄膜4に駆動電圧を供給する第1および第2の信号線30,35、上部および下部の電極3,5、並びに、下部電極3と接続される基材1を、それぞれ絶縁皮膜および絶縁被覆で覆う構造としているので、供給した電力や受信した信号が漏洩したり、電極間が短絡することを防止できる。したがって、針状超音波プローブの安全性を向上することができる。
【0042】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2の針状超音波プローブの超音波変換部の概略構成を説明するための断面図であり、本実施の形態2の針状超音波プローブは実施の形態1の針状超音波プローブと超音波変換器の構成が異なるのみで、他の構成は同じとなるので、本実施の形態2においては、超音波変換器の構成についてのみ説明する。
【0043】
図2に示すように、本実施の形態2の針状超音波プローブでは、音響レンズ2と対向する側の面を、たとえば、頂角が120°であり、紙面鉛直方向に延在する三角波形に形成している。
【0044】
本実施の形態2の針状超音波プローブでは、音響レンズ2と対向する側の面をこのような形状に形成することによって、圧電薄膜4から送波されて基材1内を伝搬してきた超音波は、この三角波形の面で散乱されて基材1の内部に散乱され、しだいに針体10の内部に満たした生理食塩水20に吸収されていく。すなわち、基材1の内部反射に伴う強い振幅の超音波が圧電薄膜4で検出されることによる、受波信号計測の障害を防止できる。すなわち、生体組織内で反射された生体組織および生理食塩水20を介して直接圧電薄膜4に入射すると共に、基材1内に送波された超音波は前述するように、基材1の内部で減衰されてしまうので、圧電薄膜4で検出された場合であっても、音響レンズ2側から入射された超音波の信号強度に比較して十分振幅の小さい信号となる。したがって、前述した手段の項に示すように、従来の構成においては分離することができなかった基材1の超音波を、本実施の形態1においてはほぼ完全に分離できるので、その影響に伴う超音波画像の劣化をほぼ完全に取り除くことが可能となる。
【0045】
ただし、本実施の形態2においては、三角波形の先端の角度を120゜として設定したが、この角度に限定されることはなく、基本的には、音響レンズ2と対する側の面を音響レンズ2となる凹部の軸線と直交しないように形成すればよいことはいうまでもない。その結果、本実施の形態2の針状超音波プローブでは、実施の形態1と同様に、基材1の厚さを前述する数1を満たすような厚さにすることなく、すなわち、針状超音波プローブ径を太くすることなく、基材1の内部反射を防止することができる。よって、高画質の超音波画像を撮像することができる。
【0046】
また、本実施の形態2の針状超音波プローブでは、実施の形態1と同様に、圧電薄膜4に駆動電圧を供給する第1および第2の信号線30,35、上部および下部の電極3,5、並びに、下部電極3と接続される基材1を、それぞれ絶縁皮膜および絶縁被覆で覆う構造としているので、供給した電力や受信した信号が漏洩したり、電極間が短絡することを防止できる。したがって、針状超音波プローブの安全性を向上することができる。
【0047】
なお、本実施の形態2においては、音響レンズ2と対向する側の面を三角波形に形成することとしたが、これに限定されることはなく、たとえば、音響レンズ2と対向する側の面を磨りガラスの表面のように、複数の凹凸を設けた形状としてもよいことはいうまでもない。さらには、音響レンズ2と対する側の面に凹部の軸線と直交する面を有しないように、当該面の一面に複数個の角錐を形成してもよい。ただし、これらの場合には、この面での超音波の反射を防止するために、凹凸部分の凹部と凸部との高さの差が、基材1と使用する超音波の波長とによって決定される長さの1/2以上でなければならない。
【0048】
(実施の形態3)
図4は本発明の実施の形態3の針状超音波プローブの超音波変換部の概略構成を説明するための断面図であり、本実施の形態3の針状超音波プローブは実施の形態1,2の針状超音波プローブと超音波変換器の構成が異なるのみで、他の構成は同じとなるので、本実施の形態3においては、超音波変換器の構成についてのみ説明する。
【0049】
図4から明らかなように、本実施の形態3の超音波変換器では、音響レンズ2を形成する凹部側の面の構成およびこの凹部に設けた圧電薄膜4に駆動電流を供給する信号線30,35の構成は、実施の形態1の超音波変換器と同様の構成となる。一方、音響レンズ2を形成する凹部に対向する側の面には、たとえば、音響インピーダンスを調整するための金属粉を混入した周知のエポキシ樹脂をダンピング材7として配置している。したがって、本実施の形態3の超音波変換器では、圧電薄膜4の振動によって発生されて基材1内を伝搬してきた超音波は、このダンピング材7によってそのほとんどが吸収され、吸収されなかった一部の超音波が基材1内を伝搬して圧電薄膜4で検出されることとなる。しかしながら、このときの超音波は、音響レンズ2側から入射された超音波の信号強度に比較して基材1内からの超音波は十分振幅の小さい信号である。したがって、前述した実施の形態1,2の超音波変換器と同様に、従来の構成においては分離することができなかった基材1の超音波を、本実施の形態1においてはほぼ完全に分離できるので、その影響に伴う超音波画像の劣化をほぼ完全に取り除くことが可能となる。その結果、本実施の形態3の針状超音波プローブでは、実施の形態1,2と同様に、基材1の厚さを前述する数1を満たすような厚さにすることなく、すなわち、針状超音波プローブ径を太くすることなく、基材1の内部反射を防止することができる。よって、アーチファクトを大幅に低減した高画質の超音波画像を撮像することができる。ただし、ダンピング材7の厚さをより厚くすることによって、さらに、高画質の超音波画像を撮像できることはいうまでもない。
【0050】
また、本実施の形態3の針状超音波プローブでは、実施の形態1,2と同様に、圧電薄膜4に駆動電圧を供給する第1および第2の信号線30,35、上部および下部の電極3,5、並びに、下部電極3と接続される基材1を、それぞれ絶縁皮膜および絶縁被覆で覆う構造としているので、供給した電力や受信した信号が漏洩したり、電極間が短絡することを防止できる。したがって、針状超音波プローブの安全性を向上することができる。
【0051】
なお、本実施の形態3では、ダンピング材7としてエポキシ樹脂を用いた場合について説明したが、従来の探触子において音響整合層として用いている、たとえば、ゴム等を使用した場合であっても、前述する効果を得ることができることはいうまでもない。
【0052】
(実施の形態4)
図5は本実施の形態4の針状超音波プローブの超音波変換部の概略構成を説明するための断面図であり、本実施の形態4の針状超音波プローブは実施の形態1の針状超音波プローブと超音波変換器の構成が異なるのみで、他の構成は同じとなるので、本実施の形態4においては、超音波変換器の構成についてのみ説明する。
【0053】
図5から明らかなように、本実施の形態4の超音波変換器では、音響レンズ2を形成する凹部側の面の構成およびこの凹部に設けた圧電薄膜4に駆動電流を供給する信号線30,35の構成は、実施の形態1の超音波変換器と同様の構成となる。
【0054】
一方、音響レンズ2を形成する凹部に対向する側の面には、たとえば、音響インピーダンスを調整するための周知の酸化シリコン膜(SiO2膜)からなる音響整合層8を配置している。ただし、音響整合層8厚さは、送受波に使用する超音波の波長の1/4の整数倍に設定される。
【0055】
したがって、本実施の形態4の超音波変換器では、圧電薄膜4の振動によって発生されて基材1内を伝搬してきた超音波は、この音響整合層8によってそのほとんどが針体10内を満たす生理食塩水20中に伝搬して減衰することとなる。一方、音響整合層8によって生理食塩水20中に伝搬しなかった一部の超音波は、基材1内を伝搬して圧電薄膜4で検出されることとなる。しかしながら、このときの超音波は、音響レンズ2側から入射された超音波の信号強度に比較して基材1内からの超音波は十分振幅の小さい信号である。したがって、前述した実施の形態1の超音波変換器と同様に、従来の構成においては分離することができなかった基材1の超音波を、本実施の形態1においてはほぼ完全に分離できるので、その影響に伴う超音波画像の劣化をほぼ完全に取り除くことが可能となる。その結果、本実施の形態4の針状超音波プローブでは、実施の形態1と同様に、基材1の厚さを前述する数1を満たすような厚さにすることなく、すなわち、針状超音波プローブ径を太くすることなく、基材1の内部反射を防止することができる。よって、高画質の超音波画像を撮像することができる。
【0056】
また、本実施の形態4の針状超音波プローブでは、実施の形態1と同様に、圧電薄膜4に駆動電圧を供給する第1および第2の信号線30,35、上部および下部の電極3,5、並びに、下部電極3と接続される基材1を、それぞれ絶縁皮膜および絶縁被覆で覆う構造としているので、供給した電力や受信した信号が漏洩したり、電極間が短絡することを防止できる。したがって、針状超音波プローブの安全性を向上することができる。
【0057】
(実施の形態5)
図6は本発明の実施の形態5の針状超音波プローブの概略構成を説明するための断面図であり、11は針体、50は供給管を示す。
【0058】
この図6から明らかなように、本実施の形態5の針状超音波プローブでは、針体11の側面に音響レンズ2となる非球面形の凹部を設け、この凹部に前述する実施の形態1と同様に、圧電薄膜4を形成することによって、超音波の送受を行う構成となっている。すなわち、本実施の形態5の針状超音波プローブでは、前述した音響変換器の基材1と針体とを一体とした構造となっている。したがって、本実施の形態5では、この図6に示すように、音響レンズ2から送波される超音波を被検体の生体組織に伝達するための生理食塩水20を音響レンズ2の周囲に供給するための供給管50が針体11内に設けられている。一方、音響レンズ2部分に形成した図示しない圧電薄膜に駆動電圧を供給する信号線30,35は、針体11の側面に延在方向に設けた溝15に埋設して配置される。ただし、この溝15は、信号線30,35を配置した後に、たとえば、周知の絶縁体によってその表面が針体11と同様の円形形状となるように成形されて埋められている。
【0059】
図7は本発明の実施の形態5の針状超音波プローブの音響レンズ2の部分の拡大図であり、この図7から明らかなように、本実施の形態5においても、前述する実施の形態1と同様に、音響レンズ2となる凹部に下部電極3、圧電薄膜4、上部電極5および絶縁膜6とを順番に形成し、絶縁体60によって埋設される信号30,35とそれぞれの電極3,5とを接続する構成となっている。
【0060】
ただし、図7から明らかなように、下部電極3と針体11とは直接接続される構成となっているので、下部電極3と針体11とは同電位となっている。したがって、本実施の形態5の針状超音波プローブでは、下部電極3に接続される第2の信号線35にアース側の電圧を供給することによって、被検体が感電してしまうことを防止できる。また、本実施の形態5では、溝15部分に第1および第2の信号線30,35を絶縁体60で埋設するという構成となっているので、これらの信号線30,35を、特に、被覆しなくてもよい。ただし、第1および第2の信号線30,35として、実施の形態1と同様に、絶縁被覆40,45を施した信号線を用いることによって、製造時における第1および第2の信号線30,35の配設が容易となり、作業効率を向上できることはいうまでもない。
【0061】
次に、図8に本発明の実施の形態5の針状超音波プローブにおける超音波の除去作用を説明するための図を示し、以下、図8に基づいて、針体11内における超音波の除去作用を説明する。
【0062】
図8に示すように、実施の形態5の針状超音波プローブは、軸方向に垂直な断面は円形状である。すなわち、音響レンズ2を形成した部分においても、音響レンズ2部分を除いた他の部分は全て円形状となっている。
【0063】
したがって、圧電薄膜4から針体11の側(下部電極3の側)に送波された超音波は、下部電極3を伝搬し針体11の内部に伝搬した後に、針体11の表面に到達する。このとき、前述するように、針体11はその形状が円錐もしくは円柱状となっている、すなわち、音響レンズ2となる凹部の軸線と垂直となる面が存在しないので、針体11を伝搬した超音波は針体11の側面部分で散乱された後に、針体11の内部でそのほとんどが減衰することになる。このとき、一部の超音波は圧電薄膜4で検出されることとなるが、前述した実施の形態1と同様に、圧電薄膜4で検出される針体11からの超音波は、生体組織内から反射されてくる超音波の信号強度に比較して十分振幅の小さい信号である。したがって、前述した実施の形態1の針状超音波プローブと同様に、従来の構成においては分離することができなかった不要の超音波を、本実施の形態5においてはほぼ完全に分離できるので、その影響に伴う超音波画像の劣化をほぼ完全に取り除くことが可能となる。その結果、本実施の形態5の針状超音波プローブでは、針状超音波プローブ径を太くすることなく、内部反射を防止することができる。よって、高画質の超音波画像を撮像することができる。
【0064】
また、本実施の形態5の針状超音波プローブにおいても、実施の形態1と同様に、圧電薄膜4に駆動電圧を供給する第1および第2の信号線30,35、並びに、上部および下部の電極3,5を、それぞれ絶縁膜6および絶縁体60で覆う構造としているので、供給した電力や受信した信号が漏洩したり、電極間が短絡することを防止できる。したがって、針状超音波プローブの安全性を向上することができる。
【0065】
さらには、この構造では図1から図5に示す実施の形態1〜4の針状超音波プローブに比べてその構造が簡単になるので、たとえば、1本の針体11に複数の個の超音波変換器を搭載することも容易である。この結果、一度に、多くの個所の測定ができ、検査に要する時間を短縮することが可能となる。
【0066】
さらには、針体11の材質を、前述した実施の形態1の基材1と同様に、加工性が容易な真鍮等を用いることによって、製造時における音響レンズ部分の加工性能を向上できるので、生産効率を向上することができる。
【0067】
(実施の形態6)
図9は本発明の実施の形態6の超音波診断装置の概略構成を説明するためのブロック図であり、901は針状超音波プローブ、902は送受波回路、903は信号処理装置、904は記憶装置、905は表示装置を示す。
【0068】
針状超音波プローブ901は、前述する実施の形態1〜5に示す針状超音波プローブであり、前述するように、先端部分の形状が、たとえば、注射器あるいは生検針同様に生体組織に刺入しやすいように、穿刺針状となっている。また、側面部分には、超音波変換器が設けられている。
【0069】
送受波回路902は、超音波変換器から100MHz以上の超音波を発生させるための高周波信号を発生させると共に、受波時には、超音波変換器が受波した超音波に対応して発生する高周波信号を増幅した後、信号処理装置に出力する周知の送受波回路である。また、送受波回路902は、図示しない制御装置とも接続されており、この制御装置の制御信号に基づいて送波時の高周波信号の発生と増幅とを行う。
【0070】
信号処理装置903は、まず、送受波回路902から出力されるアナログの高周波の受波信号をA/D変換器でデジタル信号(デジタル高周波信号)に変換する。次に、信号処理装置903は、予め検者等によって設定された指示に基づいて、このデジタル高周波信号から針状超音波プローブ901の周辺組織の超音波の反射率、音速、減衰率等の超音波像の内から1以上の項目についての計算を行う。このとき、反射率は、受波信号から得られたデジタル高周波信号の時間波形、すなわち、信号強度の時間変化から計算する。一方、音速および減衰率については、超音波変換器から出力される超音波の焦点位置に設けた超音波の反射体からの反射信号の強度と遅延時間を予め求めておき、これをもとに計算する。次に、信号処理装置903は、計算値に対して周知のフィルタリング処理を行った後に、その値を画像化して表示装置905および記憶装置904に出力する。このとき、本実施の形態の超音波診断装置では、本実施の形態1〜5の針状超音波プローブ901を用いているので、生体組織内から反射されてくる超音波の信号強度に比較して、超音波変換器内での反射波の振幅は十分小さいものである。したがって、本実施の形態の超音波診断装置では、従来の同様の周知のフィルタリング処理のみで、この超音波変換器内で発生する反射波の成分を除去できる。その結果、アーチファクトを低減した高画質の超音波像を撮像することができる。よって、医師の診断効率を向上することができる。
【0071】
記憶手段904は、たとえば、磁気ディスク装置、光ディスク装置、光磁気ディスク装置あるいは磁気テープ装置等の周知の記憶手段であり、信号処理装置903が計算した計算値を格納する。
【0072】
表示装置905は、周知の表示装置であり、信号処理装置903の出力に基づいて、該出力値を表示する。
【0073】
次に、図9に基づいて、本実施の形態の超音波診断装置の動作を説明する。
【0074】
まず、図示しない操作卓からの検者の検査開始指示が本実施の形態6の超音波撮像装置の撮像動作の開始となる。ただし、このときには、針状超音波プローブは、図示しない被検体の生体組織中に刺し入れられている。
【0075】
検査開始指示に基づいて、図示しない制御装置が送受波回路902に高周波信号を発生させることによって、まず、超音波変換器から、たとえば、150MHzの超音波を生体組織に対して送波させる。次に、超音波変換器が受波した反射波を送受波回路902が増幅した後、信号処理装置903に出力する。信号処理装置903は、送受波回路902から入力された信号(高周波信号)をデジタル信号に変換した後、該デジタル信号を、たとえば、図示しないメモリに一時的に格納することにより記録する。
【0076】
次に、信号処理装置903が、たとえば、送波を行ったときの高周波信号レベルと受波した高周波信号の信号レベルとから、各測定位置での反射率を計算し、その結果を表示装置905に出力し表示させる。
【0077】
このとき、たとえば、信号処理装置903は、記憶装置904に記憶している過去の症例の内から、前述のパラメータに等しいあるいは近い値を有する症例を検索し、可能性のある疾患の名称等を表示装置905に出力し表示する。
【0078】
具体的には、たとえば、癌細胞は繊維化して正常細胞と比較して超音波の反射率が高くなることが知られている。そこで、通常の症例から癌細胞と正常細胞の超音波反射率の平均を求め、これを記憶装置905に記憶させておく。
【0079】
検査に際しては、針状超音波探触子の超音波変換器を正常細胞と関心部位の双方にまたがって走査する。
【0080】
信号処理装置903における信号処理時においては、正常細胞部位と関心部位との反射率および各部位での平均値とをそれぞれ計算し、この値を記憶装置904に記憶する過去の症例ならびに正常細胞および癌細胞の反射率の平均値と比較する。その結果、関心部位が癌細胞である可能性を、たとえば、百分率で表示し、医師の診断を容易ならしめることができるので、医師の診断効率を向上することができる。
【0081】
なお、本実施の形態においては、基材1の音響レンズ2面と対向する側の面を、当該音響レンズ2となる凹部の軸線と垂直とならないような構成、あるいは、対向する面に超音波を吸収する吸収体を配置する構成としたが、この2つの構成を組み合わせた構成としてもよく、組み合わせることによって基材1内に送波された超音波の影響をさらに低減した高画質の超音波画像を撮像できることはいうまでもない。
【0082】
また、本発明は針状超音波プローブに限らず、たとえば、血管内超音波プローブなどの径の細い超音波プローブ全般に適用できることはいうまでもない。
【0083】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0084】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
【0085】
(1)超音波プローブの径を太くすることなく高画質の超音波画像を撮像することができる。
【0086】
(2)超音波プローブの安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の針状超音波プローブの概略構成を説明するための断面図である。
【図2】本実施の形態1の超音波変換器部分の拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態2の針状超音波プローブの超音波変換部の概略構成を説明するための断面図である。
【図4】本発明の実施の形態3の針状超音波プローブの超音波変換部の概略構成を説明するための断面図である。
【図5】本実施の形態4の針状超音波プローブの超音波変換部の概略構成を説明するための断面図である。
【図6】本発明の実施の形態5の針状超音波プローブの概略構成を説明するための断面図である。
【図7】本発明の実施の形態5の針状超音波プローブの音響レンズ2の部分の拡大図である。
【図8】本発明の実施の形態5の針状超音波プローブにおける超音波の除去作用を説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態6の超音波診断装置の概略構成を説明するためのブロック図である。
【図10】本発明による超音波変換手段における内部反射の低減原理を説明するための図である。
【符号の説明】
1…基材、2…音響レンズ、3…下部電極、4…圧電薄膜、5…上部電極、6…第1の絶縁膜、9…第2の絶縁膜、10…針体、11…針体、20…生理食塩水、30…第1の信号線、35…第2の信号線、40,45…絶縁被覆、50…供給管、901…針状超音波プローブ、902…送受波回路、903…信号処理装置、904…記憶装置、905…表示装置。
Claims (7)
- 先端が棒状または穿刺針状をなす直線状もしくは屈曲可能な構造をなし、生体内に挿入または刺入して、側面に設けた超音波変換手段から超音波信号を周囲の生体組織に送受波する針状超音波探触子において、
延在方向と垂直をなす軸に対して回転対称をなす曲面形状に形成された凹面部を有する基材部と、前記凹面部に沿って形成された超音波変換手段とを具備し、
前記基材部の前記凹面部が形成される面と対向する側の面を、前記凹面部の軸線と直交する面を有しない形状とし、前記基材部および前記超音波変換手段は絶縁膜で覆われており、前記基材部の内で前記凹面部が形成される面と対向する側の面の形状を、前記凹面部と軸線を共有する円錐状とすることを特徴とする超音波探触子。 - 先端が棒状または穿刺針状をなす直線状もしくは屈曲可能な構造をなし、生体内に挿入または刺入して、側面に設けた超音波変換手段から超音波信号を周囲の生体組織に送受波する針状超音波探触子において、
延在方向と垂直をなす軸に対して回転対称をなす曲面形状に形成された凹面部を有する基材部と、前記凹面部に沿って形成された超音波変換手段とを具備し、
前記基材部の前記凹面部が形成される面と対向する側の面を、前記凹面部の軸線と直交する面を有しない形状とし、前記基材部および前記超音波変換手段は絶縁膜で覆われており、前記基材部の内で前記凹面部が形成される面と対向する側の面に、基材の材質と超音波の周波数とから決定される波長の1/2以上の差を有する凹凸を設けたことを特徴とする超音波探触子。 - 先端が棒状または穿刺針状をなす直線状もしくは屈曲可能な構造をなし、生体内に挿入または刺入して、側面に設けた超音波変換手段から超音波信号を周囲の生体組織に送受波する針状超音波探触子において、
延在方向と垂直をなす軸に対して回転対称をなす曲面形状に形成された凹面部を有する基材部と、前記凹面部に沿って形成された超音波変換手段とを具備し、
前記基材部の内で前記凹面部が形成される面と対向する側の面に、超音波を吸収するダンピング材または音響整合層膜を形成し、前記基材部および前記超音波変換手段は絶縁膜で覆われており、前記音響整合層膜は、前記基材部の音響インピーダンスと生理食塩水の音響インピーダンスとの間の値の音響インピーダンスを有し、その厚さが送受波する超音波の中心周波数の1/4もしくはその整数倍であることを特徴とする超音波探触子。 - 先端が棒状または穿刺針状をなす直線状もしくは屈曲可能な構造をなし、生体内に挿入または刺入して、側面に設けた超音波変換手段から超音波信号を周囲の生体組織に送受波する針状超音波探触子において、
延在方向と垂直をなす軸に対して回転対称をなす曲面形状に形成された凹面部を有する基材部と、前記凹面部に沿って形成された超音波変換手段とを具備し、
前記基材部の前記凹面部が形成される面と対向する側の面を、前記凹面部の軸線と直交する面を有しない形状とし、前記基材部および前記超音波変換手段は絶縁膜で覆われており、前記超音波変換手段は、圧電薄膜と、該圧電薄膜に駆動電圧を供給し、前記圧電薄膜の出力電圧を感知する電極部と、該電極部を覆う絶縁体膜を具備し、
前記絶縁体膜に液体の音響伝搬体が接触しており、前記絶縁体膜は、前記圧電薄膜の音響インピーダンスと前記音響伝搬体の音響インピーダンスとの間の値の音響インピーダンスを有し、その厚さが送受波する超音波の中心周波数の1/4もしくはその整数倍であることを特徴とする超音波探触子。 - 前記凹面部を前記外針部の側面部分に設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超音波探触子。
- 超音波を送受波する超音波変換手段を有する超音波探触子と、受波した超音波から超音波像を構成する信号処理手段と、超音波像を表示する表示手段とを有する超音波診断装置において、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の超音波探触子を用いることを特徴とする超音波診断装置。
- 前記円錐の先端の頂角は120°であることを特徴とする請求項1に 記載の超音波探触子。
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