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JP3841141B2 - 下塗り剤組成物及びコーティング方法 - Google Patents

下塗り剤組成物及びコーティング方法 Download PDF

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JP3841141B2 JP2000027719A JP2000027719A JP3841141B2 JP 3841141 B2 JP3841141 B2 JP 3841141B2 JP 2000027719 A JP2000027719 A JP 2000027719A JP 2000027719 A JP2000027719 A JP 2000027719A JP 3841141 B2 JP3841141 B2 JP 3841141B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスに代わる構造材料として建物、車両等の窓用、計器カバー等に最近頻繁に使用されるようになったプラスチック基材に優れた耐擦傷性、耐候性保護被膜を形成するシリコーン系被膜を成形させるための下塗り剤組成物及びこの組成物を用いたコーティング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、透明板ガラスの代替として、非破砕性又はガラスよりも耐破砕性の大きい透明材料を使用することが広く行われるようになってきた。例えばプラスチック基材、特にポリカーボネート樹脂などは、透明性、耐衝撃性、耐熱性等に優れていることから、ガラスに代わる構造部材として建物や車両等の窓用、計器カバー等種々の用途に現在用いられている。
【0003】
しかし、ガラスに比べて耐擦傷性、耐候性などの表面特性に劣ることから、ポリカーボネート樹脂成形品の表面特性を改良することが切望されており、最近では、車両の窓、道路用遮音壁では屋外暴露10年以上でも耐え得るものが要望されている。
【0004】
ポリカーボネート樹脂成形品の耐候性を改良する手段としては、ポリカーボネート樹脂基材の表面に耐候性に優れたアクリル系樹脂フィルムなどをラミネートする方法や共押出等により樹脂表面に紫外線吸収剤を含有した樹脂層を設ける方法が提案されている。
【0005】
また、ポリカーボネート樹脂成形品の耐擦傷性を改良する方法としては、ポリオルガノシロキサン系、メラミン系などの熱硬化性樹脂をコーティングする方法や多官能性アクリル系の光硬化性樹脂をコーティングする方法が提案されている。
【0006】
一方、耐候性及び耐擦傷性を併せ持つ透明体を製造する方法としては、特開昭56−92059号公報及び特開平1−149878号公報などに多量の紫外線吸収剤を添加した下塗り層を介してコロイダルシリカ含有ポリシロキサン塗料の保護被膜を設けた紫外線吸収透明基板が知られている。
【0007】
しかしながら、下塗り層への多量の紫外線吸収剤の添加は、基材や下塗り層の上面に塗布されるコロイダルシリカ含有ポリシロキサン塗料による保護被膜との密着性を悪くしたり、加熱硬化工程中に、例えば揮発化することによって組成物中から除去されてしまったり、屋外で長期間にわたって使用した場合、徐々に紫外線吸収剤がブリードアウトして白化するといった悪影響があった。更に、その上面のコロイダルシリカ含有ポリシロキサンからなる保護被膜層には、耐擦傷性の面から紫外線吸収剤を多量に添加できないという問題もあった。
【0008】
また、耐候性向上の目的で、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性ビニル系単量体あるいはベンゾフェノン系紫外線吸収性ビニル系単量体とこの単量体に共重合可能なビニル系単量体との共重合体を粘着剤組成物、耐光耐薬品性合成樹脂及び粉体塗料樹脂の成分とすることが知られている(特開平6−299132号、特開平7−90184号、特開平10−25434号公報)。しかし、このような紫外線吸収性共重合体を下塗り層に使用した例はなく、また、基材や下塗り層の上面に塗布されるコロイダルシリカ含有ポリシロキサン塗料による保護被膜との密着性が悪いといった欠点があった。
【0009】
更に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性ビニル系単量体あるいはベンゾフェノン系紫外線吸収性ビニル系単量体とこの単量体に共重合可能なビニル系単量体の混合物を塗料の成分とし、これを用いて合成樹脂等の表面に保護塗膜を形成することが知られている(特開平8−151415号公報)。しかし、この保護被膜は、ビニル系重合体からなるため、耐擦傷性に限界がある。
【0010】
従って、本発明の目的は、このような欠点がなく、耐擦傷性、耐候性に優れた保護被膜を形成するための下塗り剤組成物及びこれを用いたコーティング方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、(A)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性ビニル系単量体と、(B)アルコキシシリル基を含有するビニル系単量体と、(C)共重合可能な他の単量体との有機共重合体であって、共重合組成でアルコキシシリル基を含有するビニル系単量体が0.1〜50重量%である有機共重合体、更には、(C)成分として環状ヒンダードアミン系光安定基を有するアクリル系単量体を0.1〜10重量%含有するように共重合した有機共重合体を使用すること、また、有機共重合体100重量部に対して、更に、一分子内に窒素原子及びアルコキシシリル基を含有する化合物を0.1〜50重量部含有する下塗り剤組成物が上記課題を解決することを見出した。
【0012】
即ち、本発明者らは、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂成形品のオルガノポリシロキサン系塗膜被覆時における接着性、耐候性を向上させる下塗り剤組成物の改良について種々検討した。その結果、下塗り剤に上記有機共重合体を用いると、ポリマー主鎖にベンゾトリアゾール系紫外線吸収性基が化学結合によって固定化されているため、表面への移行が起こらず、外観の白化現象もなくなる点、水、溶剤等への溶出がなく、初期の添加部数が長期間保持されるため、経時による紫外線吸収効果の低下が少ない点、高温で熱硬化処理を行っても塗膜から紫外線吸収剤が揮散しない点で優れていること、上述のように共重合体を作るため、下塗り剤の他成分との相溶性が向上し、多量の添加が可能となり、多量に加えても、基材や保護被膜との密着性、透明性を悪化することはないことを知見した。
【0013】
また、アルコキシシリル基を含有するビニル系単量体を用い、アルコキシシリル基を導入することにより、下塗り剤塗膜層に、その上面に被覆する保護コーティング被覆層との反応性が付与され、接着性が向上し、アルコキシシリル基同士が架橋することにより、耐熱性が向上し、耐久性を付与できる。
【0014】
更に、一分子内に窒素原子及びアルコキシシリル基を含有する化合物、好ましくは、一分子内に窒素原子を1個以上及びアルコキシシリル基を2個以上含有する化合物を上記有機共重合体に添加することにより、下塗り剤塗膜層に耐水性の良好な接着性が付与され、更に、上記有機共重合体中のアルコキシシリル基と架橋するため塗膜を緻密にし、また、必要に応じて添加される光安定剤などを下塗り剤塗膜層中に固定化できること、そして、このように種々の特性を維持したまま下塗り層に多量の紫外線吸収性基を導入できるため、あえてオルガノポリシロキサン系塗膜中に耐擦傷性の悪化因子である紫外線吸収剤を加えなくても、あるいは少量でもよいことを見出し、この下塗り剤組成物の成分比、添加量等を検討して本発明を完成させたものである。
【0015】
従って、本発明は下記下塗り剤組成物及びコーティング方法を提供する。
[I](A)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性ビニル系単量体と、(B)アルコキシシリル基を含有するビニル系単量体と、(C)共重合可能な他の単量体との有機共重合体であって、共重合組成でアルコキシシリル基を含有するビニル系単量体が0.1〜50重量%であるアルコキシ基含有有機共重合体を含有すると共に、更に、一分子内に窒素原子及びアルコキシシリル基を含有する化合物を上記有機共重合体100重量部に対して0.1〜50重量部含有する下塗り剤組成物。
[II]更に分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を上記有機共重合体100重量部に対して0.1〜10重量部含有する上記下塗り剤組成物。
[III](C)成分として環状ヒンダードアミン系光安定基を有するアクリル系単量体を0.1〜10重量%含有する上記下塗り剤組成物。
IV]一分子内に窒素原子及びアルコキシシリル基を含有する化合物が、一分子内に窒素原子を1個以上及びアルコキシシリル基を2個以上含有する上記下塗り剤組成物。
](i)上記下塗り剤組成物の有機溶剤溶液をプラスチック基体上に塗布し、
(ii)溶剤を蒸発させて被膜を硬化させ、
(iii)次いで、この被膜上に下記一般式(1)
4 mSi(OR54-m (1)
(式中、R4は炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、(メタ)アクリロオキシ基、メルカプト基、アミノ基もしくはシアノ基を有する有機基を表し、R5は水素原子、又は炭素原子数1〜10の有機基であり、mは0,1又は2である。)
で示されるオルガノオキシシランの加水分解物又は共加水分解物を含むオルガノポリシロキサン組成物を塗布し、
(iv)加熱することによりこの塗布膜を硬化させる
ことを特徴とするプラスチック基体を耐候性、耐磨耗性の被膜で被覆する方法。
VI]オルガノポリシロキサン組成物が、コロイダルシリカを添加してなるコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物である上記方法。
【0016】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明に係る下塗り剤組成物の必須成分は、(A)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性ビニル系単量体と、(B)アルコキシシリル基を含有するビニル系単量体と、(C)共重合可能な他の単量体との有機共重合体であって、共重合組成でアルコキシシリル基を含有するビニル系単量体が0.1〜50重量%であることを特徴とするアルコキシ基含有有機共重合体である。
【0017】
ここで、(A)のベンゾトリアゾール系紫外線吸収性ビニル系単量体としては、分子内にベンゾトリアゾール系紫外線吸収基とビニル基とをそれぞれ少なくとも1つ有する化合物であれば特に制限はない。このような化合物として、例えば、下記一般式(2)で表される化合物を挙げることができる。
【0018】
【化1】
Figure 0003841141
(式中、Xは水素原子又は塩素原子を示す。R1は水素原子、メチル基、又は炭素数4〜8の第3級アルキル基を示す。R2は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜10のアルキレン基を示す。R3は水素原子又はメチル基を示す。nは0又は1を示す。)
【0019】
上記一般式(2)において、R1で示される炭素数4〜8の第3級アルキル基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基、tert−ヘプチル基、tert−オクチル基、ジtert−オクチル基等を挙げることができる。R2で示される直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜10のアルキレン基としは、例えば、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、ブチレン基、オクチレン基、デシレン基等を挙げることができる。これらの中でも、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
【0020】
上記一般式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メタクリロキシメチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−アクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−(8−アクリロキシオクチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
【0021】
上記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性ビニル系単量体は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0022】
本発明の有機共重合体におけるベンゾトリアゾール系紫外線吸収性ビニル系単量体の量は、得られる有機共重合体と他の下塗り剤を構成する組成物との相溶性、得られる下塗り剤組成物の耐候性等を考慮し、共重合組成で0.1〜50重量%がよく、より好ましくは3〜40重量%である。50重量%より多いと下塗り剤を構成する他の組成物との相溶性が悪くなるおそれがあり、経済的にも不利である。また、0.1重量%よりも少ないと所望の耐候性が得られない場合がある。
【0023】
本発明の有機共重合体における(B)のアルコキシシリル基を含有するビニル系単量体の量は、共重合組成で0.1〜50重量%の範囲が必要とされる。0.1重量%未満では耐熱性、耐久性が改良されず、また50重量%を超えると硬くなりすぎて接着性が低下する。
【0024】
ここで、(B)のアルコキシシリル基を含有するビニル系単量体としては、分子内にアルコキシシリル基とビニル基とをそれぞれ少なくとも1つ有する化合物であれば特に制限はない。このような化合物として、例えば下記一般式(3)で示される化合物を挙げることができる。
6−R7−SiR8 3-L(OR9L (3)
(式中、R6は重合性不飽和基を示し、R7は直鎖状又は分岐状の炭素数1〜10のアルキレン基を示し、R8及びR9は同一でも異なってもよく炭素数1〜6のアルキル基を示す。Lは1〜3の整数である。)
【0025】
上記一般式(3)において、R6で示される重合性不飽和基としては、ビニル基、ビニロキシ基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、スチリル基等を挙げることができる。R7で示される直鎖状又は分岐状の炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、ブチレン基、オクチレン基、デシレン基等を挙げることができる。R8及びR9で示される炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。
【0026】
このアルコキシシリル基を含有するビニル系単量体としては、(メタ)アクリル官能性のものとしては3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−アクリロキシメチルトリエトキシシラン、3−アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシメチルメチルジエトキシシランなどが例示されるが、これらの中で取り扱い性、架橋密度、反応性などから3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
【0027】
また、このアルコキシシリル基を含有するビニル系単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−ビニロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ビニロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ビニロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−ビニロキシプロピルメチルジエトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、スチリルトリメトキシシランなどが例示されるが、これらの中で取り扱い性、反応性などからビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−ビニロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0028】
次に、上記単量体と共重合可能な他の単量体(C)としては、環状ヒンダードアミン構造を有するアクリル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、アルキルビニルエーテル、アルキルビニルエステル、スチレン又はこれらの誘導体等を挙げることができる。
【0029】
環状ヒンダードアミン構造を有するアクリル系単量体の具体例としては、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート等が挙げられ、これらの光安定剤は2種以上併用してもよい。
【0030】
(メタ)アクリル酸エステル又はその誘導体の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の1価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(エチレングリコール単位数は例えば2〜20)、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート(プロピレングリコール単位数は例えば2〜20)等のアルコキシ(ポリ)アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(エチレングリコール単位数は例えば2〜20)、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート(プロピレングリコール単位数は例えば2〜20)等の多価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレングリコール単位数は例えば2〜20)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレングリコール単位数は例えば2〜20)等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリル酸エステル類;コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、コハク酸ジ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、アジピン酸モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、アジピン酸ジ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、フタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、フタル酸ジ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]等の非重合性多塩基酸と(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルとの(ポリ)エステル類;(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸2−(N−メチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(N−エチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸4−(N,N−ジメチルアミノ)ブチル等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類等を挙げることができる。
【0031】
また、(メタ)アクリロニトリルの誘導体の具体例としては、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル、α−トリフルオロメチルアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等を挙げることができる。(メタ)アクリルアミドの誘導体の具体例としては、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメトキシ(メタ)アクリルアミド、N−エトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエトキシ(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。アルキルビニルエーテルの具体例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等を挙げることができる。アルキルビニルエステルの具体例としては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、アクリル酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等を挙げることができる。スチレン及びその誘導体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等を挙げることができる。これらのモノマーのうち、(メタ)アクリル酸エステル類が好ましく、特に(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル等が好ましい。
【0032】
本発明において、前記モノマーは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。中でも、光安定化し、更に耐候性を向上させるために、環状ヒンダードアミン構造を有するアクリル系単量体を共重合させることが好ましく、この配合量は、共重合組成で0.1〜10重量%が好ましい。10重量%を超えると塗膜の密着性が低下することがある。
【0033】
本発明の下塗り剤組成物の主要構成成分である有機共重合体は、(A)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性ビニル系単量体と、(B)アルコキシシリル基を含有するビニル系単量体と、(C)共重合可能な他の単量体との有機共重合体であり、この共重合体は、これら単量体を含有する溶液にジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のパーオキサイド類又はアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物から選択されるラジカル重合用開始剤を加え、加熱下に反応させることにより容易に得られる。
【0034】
なお、この有機共重合体の重量平均分子量は1,000〜200,000であることが好ましい。
【0035】
この有機共重合体の下塗り剤組成物における含有量は、好ましくは10〜80重量%の範囲である。10重量%未満では熱可塑性となり、耐熱性が低下し、また80重量%を超えると接着性が不良となるおそれがある。
【0036】
上記有機共重合体に添加される一分子内に窒素原子及びアルコキシシリル基を含有する化合物、更に好ましくは、一分子内に窒素原子を1個以上及びアルコキシシリル基を2個以上含有する化合物としては、アミノ基含有アルコキシシラン、アミノ基含有ジ(アルコキシシラン)、アミド基含有アルコキシシラン、アミノ基含有アルコキシシランとエポキシ基含有アルコキシシラン及びシリル化剤との反応生成物をアミド化したもの、アミノ基含有アルコキシシランと(多)(メタ)アクリル化合物との反応生成物、アミノ基含有アルコキシシランと(メタ)アクリル基含有アルコキシシランとの反応生成物、ポリアミン化合物と(メタ)アクリル基含有アルコキシシランとの反応生成物、アミノ基含有アルコキシシランと多イソシアネート化合物との反応生成物をアミド化したものなどが好適に使用されるが、より好ましくはアミノ基含有アルコキシシランとエポキシ基含有アルコキシシラン及びシリル化剤との反応生成物をアミド化したものが望ましい。
【0037】
これらの成分として使用されるものの具体例を下記に例示すると、アミノ基含有アルコキシシランとしては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−(トリメトキシシリルプロピル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(トリエトキシシリルプロピル)アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(トリメトキシシリルプロピル)アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−(トリエトキシシリルプロピル)アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが例示される。
【0038】
アミノ基含有ジ(アルコキシシラン)としては、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンなどが例示される。
【0039】
アミド基含有アルコキシシランとしては、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルメチルジメトキシシラン、ウレイドプロピルメチルジエトキシシランなどが例示される。
【0040】
(多)(メタ)アクリル化合物としては、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキルメタクリレート類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレート類、アクリルアミド、アクリルニトリル、エチレングリコールジメタクリレートなどが例示される。
【0041】
ポリアミン化合物としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ピペラジンなどが例示される。
【0042】
多イソシアネート化合物としては、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、trans−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、リシンジイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートなどが例示される。
【0043】
(メタ)アクリル基含有アルコキシシランとしては、上述のアルコキシシリル基を含有するアクリル系単量体の例示化合物が挙げられる。
【0044】
アミノ基含有アルコキシシランとエポキシ基含有アルコキシシラン及びシリル化剤との反応生成物をアミド化したものは、下記の方法により製造することができる。この場合、アミノ基含有アルコキシシランとしては、上記に示されたものが挙げられるが、接着性、操作性の点からN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどが好ましい。また、ここで使用されるエポキシ基含有アルコキシシランは特に限定されないが、反応性、操作性の点からγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシランとすることが好ましい。なお、ここで使用されるシリル化剤としては、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ホルムアミド、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレアなどが例示されるが、このものはアミノ基含有アルコキシシランとエポキシ基含有アルコキシシランとの反応により、生成するOH基を保護してOH基とアルコキシシリル基との反応を防止し、この反応生成物の経時変化を防止するためのものである。
【0045】
このアミノ基含有アルコキシシランとエポキシ基含有アルコキシシラン及びシリル化剤との反応は、アミノ基含有アルコキシシランとシリル化剤との混合物にエポキシ基含有アルコキシシランを滴下し、加熱反応させればよく、あるいはアミノ基含有アルコキシシランとエポキシ基含有アルコキシシランとを反応させ、この反応生成物にシリル化剤を添加して反応させるようにしてもよい。
【0046】
なお、この反応におけるアミノ基含有アルコキシシランとエポキシ基含有アルコキシシランの配合比はエポキシ基/アミノ基(=N−H)のモル比が0.3未満では1分子中の架橋に関与するアルコキシ基の数が少なすぎて硬化性が弱くなるし、分子全体の広がりがなくなり、面接着性が弱くなって接着性が劣るようになり、これが1.2を超えると、後述するアミド化においてアミド化し得る=N−H基が殆どなくなって耐水接着性が悪くなるので、0.3〜1.2の範囲とすることが好ましい。
【0047】
更に、この成分は、この反応生成物をアミド化したものとされるが、このアミド化は酢酸クロリド、酢酸ブロミド、プロピオン酸クロリド、無水酢酸、酢酸イソプロペニル、ベンゾイルクロリドなどで例示されるカルボン酸の酸ハロゲン化物、酸無水物、酸イソプロペニルエステル化合物と反応させればよい。
【0048】
なお、本発明の下塗り剤組成物中におけるこの成分の添加量は、上記に示した有機共重合体100重量部に対し、0.1〜50重量部、より好ましくは0.5〜20重量部含有するのがよい。50重量部を超えて添加すると、下塗り層における架橋密度が高くなりすぎて、得られる被膜の硬度が高くなって逆に接着性が不良となる場合がある。
【0049】
次に、下塗り剤組成物の必須成分である上記反応生成物以外の他の構成成分について説明する。
【0050】
上記下塗り剤組成物に、分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を添加することにより、耐候性を向上させることができる。使用される光安定剤としては、下塗り剤組成物に用いた溶剤によく溶解し、かつ上記有機共重合体との相溶性がよく、また低揮発性のものが好ましい。
【0051】
添加量は上記有機共重合体100重量部に対して0.1〜10重量部がよく、10重量部を超えて添加すると塗膜の密着性が低下する場合がある。
【0052】
光安定剤の具体例としては、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、N−メチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジノールとトリデカノールとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、また、光安定剤を固定化させる目的で、特公昭61−56187号公報にあるようなシリル化変性の光安定剤、例えば2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−プロピルトリメトキシシラン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−プロピルメチルジメトキシシラン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−プロピルトリエトキシシラン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−プロピルメチルジエトキシシラン、更にこれらの(部分)加水分解物等が挙げられ、これらの光安定剤は2種以上併用してもよい。
【0053】
上記下塗り剤組成物には弊害を及ぼさない範囲で重合性基を含まない通常の紫外線吸収剤を加えてもよい。この場合、上記の有機共重合体と相溶性が良好な有機系紫外線吸収剤が好ましい。特に、主骨格がヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系である化合物誘導体が好ましい。更に側鎖にこれら紫外線吸収剤を含有するビニルポリマーなどの重合体でもよい。具体的には、2,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジエトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジプロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジブトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−プロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−ブトキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−t−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニルトリアジン、4−(2−アクリロキシエトキシ)−2−ヒドロキシベンゾフェノンの重合体、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールの重合体等が例示される。これらの中で、下塗り剤組成物との相溶性、揮散性の点から2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンが好適に使用される。またこれらの有機系紫外線吸収剤は2種以上併用してもよい。
【0054】
更に、この下塗り剤組成物の粘度が低すぎて塗工しづらく、塗膜が薄くなってしまうような場合、接着性を低下させずに、可撓性を付与する成分としてアクリル系重合体を添加してもよい。アクリル系共重合体としては、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(ブチルアクリレート)などのポリ(アルキルメタクリレート)、ポリ(アルキルアクリレート)あるいはこれらの共重合体が例示される。これらのものは、接着性を低下させることなく下塗り剤組成物に可撓性を付与できるものである。
【0055】
これを添加する場合、下塗り剤組成物に対して30重量%を超えて添加すると、この組成物の熱硬化性が悪化する場合があるので、この添加は30重量%以下が望ましい。
【0056】
上記下塗り剤組成物は、溶剤により希釈され使用される。この溶剤としては、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、トルエン等が挙げられる。この下塗り剤組成物は、通常、上記溶剤で希釈され、上記有機共重合体の5〜10重量%の溶液として使用される。
【0057】
この下塗り剤組成物溶液を予め清浄化したプラスチックフィルム等の基材の表面に塗布し、上記希釈溶剤を室温あるいは加熱下で蒸発させて、厚さ0.5〜20μm、好ましくは1〜10μmの塗膜を形成させるようにすればよい。なお、この有機溶剤希釈液は粘度が5cS未満では塗膜を厚くすることができず、50cSを超えると取り扱いや塗布方法が難しくなるので、5〜50cSの範囲のものとするのが好ましい。更に、塗膜の平滑化をはかるため、フッ素系あるいはシリコーン系の界面活性剤を効果量添加してもよい。また、この塗膜の硬化を促進させるために架橋硬化触媒を触媒量添加してもよい。
【0058】
このようにして得られる本発明の下塗り剤組成物による硬化被膜を設けたプラスチックフィルム、基板などのプラスチック成形品は、初期接着性、耐熱性、耐温水性、耐候性の優れたものとされるが、このものはこの下塗り剤被膜の上に公知のオルガノポリシロキサン組成物、例えば、下記一般式(1)
4 mSi(OR54-m (1)
(式中、R4は炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、(メタ)アクリロオキシ基、メルカプト基、アミノ基もしくはシアノ基を有する有機基を表し、R5は水素原子、又は炭素原子数1〜10の有機基であり、mは0,1又は2である。)
で示されるオルガノオキシシランの加水分解物又は共加水分解物を塗布し、加熱硬化、特に好ましくは50〜140℃に加熱硬化させると、このプラスチック成形品はその表面に本発明の下塗り剤組成物が塗布されていることから、この下塗り剤塗膜とオルガノポリシロキサンとの相乗作用により、接着性、耐磨耗性も良好で、更に紫外線吸収剤が強固に下塗り剤塗膜中に固定化されているため、耐候性、耐候安定性が優れるという有利性が与えられる。
【0059】
ここで、式(1)において、R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、(メタ)アクリロオキシ基、メルカプト基、アミノ基もしくはシアノ基を有する有機基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基、フェニル基、フェネチル基などのアリール基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等のハロゲン化アルキル基、p−クロロフェニル基などのハロゲン化アリール基、ビニル基、アリル基、9−デセニル基、p−ビニルベンジル基などのアルケニル基、3−グリシドキジプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、9,10−エポキシデシル基などのエポキシ基含有有機基、γ−メタクリルオキシプロピル基、γ−アクリルオキシ基などの(メタ)アクリルオキシ基含有有機基、γ−メルカプトプロピル基、p−メルカプトメチルフェニルエチル基などのメルカプト基含有有機基、γ−アミノプロピル基、(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基などのアミノ基含有有機基、β−シアノエチル基などのシアノ基含有有機基などを例示することができる。
【0060】
また、R5は水素原子、炭素数1〜10の有機基であり、有機基としてはアルキル基、アルケニル基、アルコキシアルキル基又はアシル基が挙げられ、アルキル基、アシル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、イソプロペニル基、メトキシエチル基、アセチル基等が例示される。
【0061】
これらの条件を満たすシラン化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリプロポキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリメトキシシラン等のトリアルコキシ又はトリアシルオキシシラン類及びジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ(2−メトキシエトキシ)シラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロペノキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジイソプロペノキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジアセトキシシラン、γ−プロピルメチルジメトキシシラン、γ−プロピルメチルジエトキシシラン、γ−プロピルメチルジプロポキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−シアノエチルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン又はジアシルオキシシラン類、テトラアルコキシシラン類の例としてはメチルシリケート、エチルシリケート、N−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、sec−ブチルシリケート及びt−ブチルシリケート等を挙げることができる。
【0062】
これらのシラン化合物の(共)加水分解したものを使用してもよい。また、これらのシラン化合物の(共)加水分解物は1種単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0063】
上記シラン化合物の(共)加水分解物は、例えば酸触媒存在下、そのシラン化合物の低級アルコール溶液に水を添加して加水分解を行うことによって得ることができる。低級アルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等が例示される。更にそのアルコールと併用可能な溶媒としてはアセトン、アセチルアセトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類が例示される。
【0064】
また、オルガノポリシロキサン組成物に、1〜100mμのシリカ微粒子を水又はメタノール、エタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコールに分散させたコロイダルシリカを5〜70重量%添加したコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物を塗布する方法が、耐擦傷性を向上するためにより好ましい。また、オルガノポリシロキサン組成物に紫外線遮蔽剤として酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化タングステン等の金属酸化物を添加してもよい。更に、上記のオルガノポリシロキサン組成物の硬化触媒として第四級アンモニウム塩、有機酸のアルカリ金属塩、アルミニウム、チタン、クロム及び鉄等のアルコキシドやキレート、過塩素酸塩、酸無水物、ポリアミン、ルイス酸等を触媒量添加してもよい。
【0065】
本発明の下塗り剤組成物は、各種プラスチック材料に好適に使用され、特にポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、変性アクリル樹脂、ウレタン樹脂、チオウレタン樹脂、ハロゲン化ビスフェノールAとエチレングリコールの重縮合物、アクリルウレタン樹脂、ハロゲン化アリール基含有アクリル樹脂、含硫黄樹脂等に好適に使用される。
【0066】
【実施例】
以下、合成例及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は重量%、部は重量部を示す。
【0067】
<アルコキシシリル基含有の紫外線吸収性有機共重合体の合成>
[合成例1]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに溶剤としてジアセトンアルコール376.7gを仕込み、窒素気流下にて80℃に加熱した。ここに予め調製しておいた2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール16.5g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン54g、メチルメタクリレート216g、エチルアクリレート16.9g、酢酸ビニル16.9g、グリシジルメタクリレート33.8gの単量体混合物のうち90g及び予め調製しておいた重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)2.3gをジアセトンアルコール177.7gに溶解した溶液のうち36gを順次投入した。80℃で30分反応させた後、残りの単量体混合物と残りの重合開始剤溶液を同時に80〜90℃で1.5時間かけて滴下した。更に80〜90℃で5時間撹拌した。
【0068】
得られたアルコキシシリル基を含有する紫外線吸収性有機共重合体溶液の粘度は14,000CP、またその共重合体中の紫外線吸収性単量体の含有量は4.7%、アルコキシル基含有単量体量は15.2%であった。また、標準ポリスチレンを基準とするGPC分析により重量平均分子量は105,000であった。
【0069】
[合成例2]
合成例1の溶剤としてのジアセトンアルコール376.7gを385.4gに、単量体成分としての2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール16.5gを35gに、更に単量体成分に1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート2.8gを追加したこと以外は合成例1と同様に合成してアルコキシシリル基を含有する紫外線吸収性有機共重合体溶液を作製した。
【0070】
得られた共重合体溶液の粘度は7,500CP、またその共重合体中の紫外線吸収性単量体の含有量は9.3%、アルコキシル基含有単量体量は14.3%であった。また、標準ポリスチレンを基準とするGPC分析により重量平均分子量は96,400であった。
【0071】
[合成例3]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに溶剤としてジアセトンアルコール471.3g及び2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール55.2gを仕込み、窒素気流下にて80℃に加熱した。ここに予め調製しておいた2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール40.0g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン54g、メチルメタクリレート216g、エチルアクリレート16.9g、酢酸ビニル16.9g、グリシジルメタクリレート33.8g、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート2.8gの単量体混合物のうち90g及び予め調製しておいた重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)2.3gをジアセトンアルコール177.7gに溶解した溶液のうち36gを順次投入した。80℃で30分反応させた後、残りの単量体混合物と残りの重合開始剤溶液を同時に80〜90℃で1.5時間かけて滴下した。更に80〜90℃で5時間撹拌した。
【0072】
得られたアルコキシシリル基を含有する紫外線吸収性共重合体溶液の粘度は10,700CP、またその共重合体中の紫外線吸収性単量体の含有量は22.0%、アルコキシル基含有単量体量は12.3%であった。また、標準ポリスチレンを基準とするGPC分析により重量平均分子量は58,000であった。
【0073】
[合成例4]
合成例1の2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール16.5gを0.2gに、メチルメタクリレート216gを232.3gに代えた以外は合成例1と同様に合成してアルコキシシリル基を含有する紫外線吸収性有機共重合体溶液を作製した。
【0074】
得られた共重合体溶液の粘度は13,200CP、またその共重合体中の紫外線吸収性単量体の含有量は0.06%、アルコキシル基含有単量体量は15.2%であった。また、標準ポリスチレンを基準とするGPC分析により重量平均分子量は99,900であった。
【0075】
[合成例5]
合成例1の2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール16.5gを194.8gに、メチルメタクリレート216gを37.7gに代えた以外は合成例1と同様に合成してアルコキシシリル基を含有する紫外線吸収性有機共重合体溶液を作製した。なお、このとき単量体混合物は2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールが完全に溶解しないためスラリー状態となった。
【0076】
得られた共重合体溶液の粘度は3,400CP、またその共重合体中の紫外線吸収性単量体の含有量は55.0%、アルコキシル基含有単量体量は15.2%であった。また、標準ポリスチレンを基準とするGPC分析により重量平均分子量は32,000であった。
【0077】
[合成例6]
合成例1のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン54gを0gに、メチルメタクリレート216gを270gに代えた以外は合成例1と同様に合成して紫外線吸収性有機共重合体溶液を作製した。
【0078】
得られた共重合体溶液の粘度は38,000CP、またその共重合体中の紫外線吸収性単量体の含有量は4.7%、アルコキシル基含有単量体量は0%であった。また、標準ポリスチレンを基準とするGPC分析により重量平均分子量は94,000であった。
【0079】
<分子内に窒素原子とアルコキシシリル基を含有する化合物の合成>
[合成例7]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコにN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン222gとシリル化剤としてのヘキサメチルジシラザン242gを仕込んで窒素気流下に120℃に加熱し、ここにγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン496gを滴下して反応させ、120℃で5時間加熱撹拌したのち、低沸点分を減圧下100℃で除去したところ、粘度1,387cS、屈折率1.4618、比重1.048の粘稠な化合物862gが得られた。
【0080】
次いで、この反応生成物862gとトルエン862gを撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに仕込み、窒素気流下に室温でここに無水酢酸141gを滴下して反応させ、110℃で2時間加熱撹拌させたのち、50℃でメタノール141gを滴下し、50℃で1時間加熱撹拌し、次いで減圧下に100℃で低沸分を除去し、高粘稠な化合物を得た。
【0081】
この化合物の赤外吸収スペクトル測定を行ったところ、3,000cm-1以上の領域にOH基あるいはNH基に起因する吸収は認められず、1,650cm-1にアミド基に起因する強い吸収が認められた。
【0082】
<コロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物の合成>
[合成例8]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた1リットルフラスコにメチルトリエトキシシラン164g、イソブタノール46gを仕込み、氷冷下に撹拌しながら5℃以下に維持し、ここに5℃以下としたコロイダルシリカ(SiO220%含有品)138gを添加して氷冷下で2時間、更に20〜25℃で8時間撹拌したのち、ジアセトンアルコールを45g、イソブタノールを50g添加した。次いで10%プロピオン酸ナトリウム水溶液を1.5g加え、更に酢酸にてpHを6〜7に調整した。そして、不揮発分(JIS K6833)が17%となるようにイソブタノールで調整し、常温で5日間熟成して得られたコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物の粘度は約5cst、不揮発分の数平均分子量は約1,000であった。
【0083】
[合成例9]
合成例8においてプロピオン酸ナトリウム水溶液の代わりに、10%テトラメチルアンモニウムベンゾエート水溶液を3.0gとした以外は同様に処理してコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物を得た。
【0084】
[合成例10]
合成例8において更に2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンを1.8g(コロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物固形分100重量部に対して2重量部)添加した以外は同様に処理してコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物を得た。
【0085】
<シリル化変性光安定剤の合成>
[合成例11]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.3リットルフラスコに2,2,6,6−テトラメチル−4−アリル−ピペリジン100g(0.5モル)、塩化白金酸のブタノール溶液(H2PtCl6・6H2Oの2重量%溶液)0.13gを仕込み、室温でトリメトキシシラン80.6g(0.66モル)を1時間かけて滴下し、更に90℃で5時間反応させた。反応終了後、減圧下で蒸留を行い、7mmHgで151〜154℃の溜分126gを得た。ガスクロマトグラフィー測定により97%純度で2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−プロピルトリメトキシシランを得た。このものの構造は赤外吸収スペクトル測定、1H−NMR測定により確認した。
【0086】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例及び比較例に用いた紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、有機共重合体等の略号は以下の通りである。
<アルコキシシリル基含有の紫外線吸収性有機共重合体>
Pol−1:合成例1の反応生成物
Pol−2:合成例2の反応生成物
Pol−3:合成例3の反応生成物
Pol−4:合成例4の反応生成物
Pol−5:合成例5の反応生成物
Pol−6:合成例6の反応生成物
<紫外線吸収剤>
UVA−1:2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン
UVA−2:2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UVA−3:2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニルトリアジン
UVA−4:2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(30重量%)とメチルメタクリレート(70重量%)の共重合体
UVA−5:2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(30重量%)とスチレン(70重量%)の共重合体
<ヒンダードアミン系光安定剤>
HALS−1:N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン
HALS−2:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジノールとトリデカノールとの縮合物
HALS−3:合成例11で合成した2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−プロピルトリメトキシシラン
<分子内に窒素原子とアルコキシシリル基を含有する化合物>
NSi−1:ウレイドプロピルトリエトキシラン
NSi−2:合成例7の反応生成物
<コロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物>
HC−1:合成例8のコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物
HC−2:合成例9のコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物
HC−3:合成例10のコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物
【0087】
また、実施例中の各種物性の測定及び評価は以下の方法で行った。
(1)耐候性試験:JIS K5400に準拠し、カーボンアーク式サンシャインウェザーメーターにて5,000時間の促進試験を行った。促進試験前後に、JIS K7103に準拠し、黄色度、黄変度及び下記方法により密着性を調べた。
(2)耐擦傷性試験:ASTM1044に準拠し、テーバー磨耗試験機にて磨耗輪CS−10Fを装着し、荷重500g下で1,000回転後の曇価を測定した。テーバー磨耗性(%)は(試験後の曇価)−(試験前の曇価)で示した。
(3)硬化被膜の密着性:JIS K5400に準拠し、サンプルをカミソリの刃で1mm間隔の縦横11本ずつ切れ目を入れて100個の碁盤目を作り、市販のセロハン粘着テープをよく密着させた後、90度手前方向に急激に剥がした時、被膜が剥離せずに残存したます目数(X)をX/100で表示した。
【0088】
[実施例1〜、比較例1〜10]
合成例1〜6で作製したアルコキシシリル基含有の紫外線吸収性有機共重合体(Pol−1〜6)、平均分子量15万のポリメチルメタクリレート、分子内に窒素原子とアルコキシシリル基を含有する化合物(NSi−1,2)、紫外線吸収剤(UVA−1〜5)、光安定剤(HALS−1〜3)などを混合し、有機共重合体の固形分が10%になるようにジアセトンアルコールとエチレングリコールモノメチルエーテルの比率を20/80とした混合溶液にて調整して、下塗り剤組成物A〜Vを表1〜4に示したように調製した。
【0089】
次いで、この下塗り剤組成物を表面を清浄化した0.5mmポリカーボネート樹脂板に硬化塗膜として0.5〜20μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、約120℃にて約30分硬化させた後、その上に合成例8〜10で得られたコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物を塗布し、硬化塗膜として0.5〜20μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、約120℃にて約1時間硬化させた。このようにして得られた塗膜の物性評価結果を表5示した。
【0090】
【表1】
Figure 0003841141
【0091】
【表2】
Figure 0003841141
【0092】
【表3】
Figure 0003841141
【0093】
【表4】
Figure 0003841141
【0094】
【表5】
Figure 0003841141
【0095】
【発明の効果】
本発明の下塗り剤組成物により被膜を施されたプラスチック物品、特にポリカーボネート樹脂は、優れた透明性、耐擦傷性、耐候性、耐薬品性を付与することが可能なため、車両、飛行機など運送機の窓、風防、建物の窓、道路の遮音壁等屋外で使用される用途に好適なものである。

Claims (8)

  1. (A)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性ビニル系単量体と、(B)アルコキシシリル基を含有するビニル系単量体と、(C)共重合可能な他の単量体との有機共重合体であって、共重合組成でアルコキシシリル基を含有するビニル系単量体が0.1〜50重量%であるアルコキシ基含有有機共重合体を含有すると共に、更に、一分子内に窒素原子及びアルコキシシリル基を含有する化合物を上記有機共重合体100重量部に対して0.1〜50重量部含有することを特徴とする下塗り剤組成物。
  2. 更に分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を上記有機共重合体100重量部に対して0.1〜10重量部含有することを特徴とする請求項1記載の下塗り剤組成物。
  3. (C)成分として環状ヒンダードアミン系光安定基を有するアクリル系単量体を0.1〜10重量%含有することを特徴とする請求項1記載の下塗り剤組成物。
  4. 一分子内に窒素原子及びアルコキシシリル基を含有する化合物が、一分子内に窒素原子を1個以上及びアルコキシシリル基を2個以上含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の下塗り剤組成物。
  5. (i)請求項1乃至のいずれか1項記載の下塗り剤組成物の有機溶剤溶液をプラスチック基体上に塗布し、
    (ii)溶剤を蒸発させて被膜を硬化させ、
    (iii)次いで、この被膜上に下記一般式(1)
    4 mSi(OR54-m (1)
    (式中、R4は炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、(メタ)アクリロオキシ基、メルカプト基、アミノ基もしくはシアノ基を有する有機基を表し、R5は水素原子、又は炭素原子数1〜10の有機基であり、mは0,1又は2である。)
    で示されるオルガノオキシシランの加水分解物又は共加水分解物を含むオルガノポリシロキサン組成物を塗布し、
    (iv)加熱することによりこの塗布膜を硬化させる
    ことを特徴とするプラスチック基体を耐候性、耐磨耗性の被膜で被覆する方法。
  6. オルガノポリシロキサン組成物が、コロイダルシリカを添加してなるコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物である請求項記載のプラスチック基体を耐候性、耐磨耗性被膜で被覆する方法。
  7. プラスチック基体がポリカーボネート樹脂である請求項又は記載のプラスチック基体を耐候性、耐磨耗性被膜で被覆する方法。
  8. ポリカーボネート樹脂が透明である請求項記載の耐候性、耐磨耗性被膜で被覆する方法。
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