JP3840901B2 - 成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板およびめっき鋼板ならびに冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設部材、機械構造用部品および自動車の構造用部品など、構造上の強度、とくに成形後に強度および/または剛性が必要とされる箇所に適用して好適な鋼板であって、特にプレス等による加工成形後に熱処理がなされる成形体の素材鋼板として好適な、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板およびめっき鋼板ならびに冷延鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
薄鋼板のプレス成形体の製造に際し、プレス成形前は軟質でプレス成形をし易くしておき、プレス成形後に硬化させて部品強度を高める方法として、 200℃未満で塗装焼付けを施す方法があり、かような塗装焼付け用鋼板としてBH鋼板が開発された。
【0003】
例えば、特開昭55−141526号公報や特開昭55−141555号公報には、鋼中のC,N,Al含有量に応じてNbを添加し、原子比でNb/(固溶C+固溶N)を特定範囲内に制限すると共に、焼鈍後の冷却速度を制御することによって、鋼板中の固溶Cと固溶Nを調整する方法が、また特公昭61−45689 号公報には、TiとNbの複合添加によって焼付硬化性を向上させる方法が開示されている。
しかしながら、上記したような鋼板は、深絞り性を重視しているため、素材鋼板の強度は低く、構造用材料としては必ずしも十分ではない。
また、特開平5−25549 号公報には、鋼にW,Cr,Moの単独または複合添加するによって焼付硬化性を向上させる方法が開示されている。
【0004】
しかしながら、焼付硬化による強度の上昇は、鋼板中に含まれる固溶Cや固溶Nを利用して材料の降伏強さのみを上昇させるだけで、引張強さ(引張強度)を上昇させるものではない。
このため、部材または部品の変形開始応力を高める効果しかなく、部材または部品の変形開始から変形終了までの変形全域にわたって変形に要する応力(以下、変形強度特性という)を高める効果については、必ずしも十分ではない。
【0005】
一方、プレス成形体の塗装焼付け以外の硬化方法としては、プレス成形後に窒化処理を施す方法がある。
例えば、特開平2−80539 号公報には、窒化処理によって強度が高まるようにCr,Al,V等の窒化物形成元素を鋼中に含有させる方法が、また特開平3−122255号公報には、窒化処理の熱を利用してCuを析出硬化させ部材の硬さを高める方法などが開示されている。
しかしながら、これらの方法では加熱温度が 450℃超と高いため、耐食性の向上を図った通常の亜鉛めっき鋼板を用いた場合には、めっき層が蒸散して耐食性の良いものが得られないという欠点があった。
【0006】
その他、成形後に引張強度が上昇する冷延鋼板として、例えば特開平10−310847号公報には、 200〜450 ℃の熱処理温度域で引張強度が60 MPa以上上昇する合金化溶融亜鉛めっき鋼板が開示されている。
この鋼板は、質量百分率で、C:0.01〜0.08%、Mn:0.01〜3.0 %を含有し、かつW, Cr, Moの1種または2種以上を合計で0.05〜3.0 %含有し、また必要に応じてTi:0.005 〜0.1 %, Nb:0.005 〜0.1 %, V:0.005 〜0.1 %の1種または2種以上を含有する組成になり、かつ鋼のミクロ組織がフェライトまたはフェライト主体からなるものである。
しかしながら、この技術は、成形後の熱処理により鋼板中で微細な炭化物を形成させ、プレス時に付与する歪みに対して転位を効果的に増殖させて、歪み量を増加させるものであるため、 200〜450 ℃の温度範囲で熱処理を行う必要があり、一般的な焼付硬化処理温度よりも必要とされる熱処理温度が高いという難点があった。自動車製造ラインにて通常実施されている塗装焼付け温度は170 ℃前後であり、450 ℃にも達する熱処理条件は実施に対して困難を伴う。
このため、より低温で60 MPa以上の硬化能を有する冷延鋼板の開発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の要請に有利に応えるもので、加工成形前は強度レベルが 340〜700 MPa 級で比較的軟質の高強度鋼でプレス成形等の加工成形がし易く、またプレス成形等の成形加工後に強度上昇を目的とした比較的低温での短時間熱処理によって、引張強さや硬さを効果的に上昇させて、部材や部品の変形強度特性や剛性を高めることができる、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板およびめっき鋼板を、冷延鋼板の有利な製造方法と共に提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
さて、発明者らは、成形後の熱処理温度が 120〜200 ℃の低温域で加工を加えた場合でも引張強さを増加できる手段、特に5%以上の歪を加えた場合には冷延鋼板の引張強さを60 MPa以上増加することができる手段について鋭意研究を重ねた結果、以下に述べる知見を得た。
(1) 熱処理以後に引張強度を上昇させるためには、成形により新たな転位を導入する必要がある。成形により導入された転位と侵入型元素または析出物との相互作用により、上降伏点に達しても予変形により導入された転位が移動しないことが必要となる。
(2) W, Cr, Mo, Ti, Nb, Alなどの炭化物、窒化物あるいは炭窒化物を形成させることで、上記の相互作用を得るためには、成形後の熱処理温度を 200℃以上に高める必要がある。従って、侵入型元素の積極的な活用が成形後の熱処理温度を低下させる上で有利である。
(3) 侵入型元素のうち、固溶Cよりも固溶Nの方が、成形後の熱処理温度を低めても成形により導入された転位との相互作用が大きく、上降伏点に達しても予変形で導入された転位が移動しにくい。
(4) 固溶Nと転位との相互作用により、成形後の熱処理で引張強度を上昇させる場合は、窒化物形成を制御することが特に重要となる。鋼板の固溶強化および変態組織強化などを目的として添加するMnおよびSiは冷延鋼板の固溶Nに多大な影響を及ぼす。
すなわち、十分な強度上昇能を得るために固溶Nを確保するためには、冷延鋼板の析出Mn%と析出Si%の積を所定の範囲に収めることが重要であることが究明されたのである。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0009】
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量百分率で、
C:0.15%以下、
Si:0.005 〜1.0 %、
Mn:0.01〜3.0 %、
Al:0.005 〜0.02%、
N:0.006 〜0.020 %および
P:0.002 〜0.10%
をN(%)/Al(%) ≧0.3 を満足する範囲で含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、しかもMn と Si の含有量の積〔 Mn %〕×〔 Si %〕が 1.0 以下、鋼中の析出Mn%と析出Si%の積が 0.00010以下で、かつ固溶Nを0.0015%以上含有し、さらに鋼組織がフェライトまたはフェライト主体の組織であることを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板。
2.質量百分率で、
C: 0.15 %以下、
Si : 0.005 〜 1.0 %、
Mn : 0.01 〜 3.0 %、
Al : 0.005 〜 0.02 %、
N: 0.006 〜 0.020 %および
P: 0.002 〜 0.10 %
をN (%)/Al(%) ≧ 0.3 を満足する範囲で含有し、残部は Fe および不可避的不純物の組成になり、しかも Mn と Si の含有量の積〔 Mn %〕×〔 Si %〕が 1.0 より大きく、鋼中の析出 Mn %と析出 Si %の積が 0.00010 以下で、かつ固溶Nを 0.0015 %以上含有し、さらに鋼組織がフェライトまたはフェライト主体の組織であることを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板。
【0010】
3.上記1または2において、鋼が、質量百分率で、さらに
Crおよび/またはMo:0.05〜2.0 %、
Ni:0.1 〜1.5 %および
Cu:0.1 〜1.5 %
のうちから選んだ一種または二種以上を含有し、さらに鋼組織が、フェライト主体で、第2相としてマルテンサイトを体積分率で3〜40%含有する複合組織であることを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板。
【0011】
4.上記1,2または3において、鋼が、質量百分率で、さらに
Nb,TiおよびVのうちから選んだ1種または2種以上合計:0.3 %以下
を含有する組成になることを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板。
【0012】
5.上記4において、鋼が、質量百分率で、さらに
B:0.0003〜0.0015%
を含有する組成になることを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板。
【0013】
6.上記1〜5のいずれかに記載の冷延鋼板の表面に、電気めっき層または溶融めっき層を被成したことを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れためっき鋼板。
【0014】
7.質量百分率で、
C:0.15%以下、
Si:0.005 〜1.0 %、
Mn:0.01〜3.0 %、
Al:0.005 〜0.02%、
N:0.006 〜0.020 %および
P:0.002 〜0.10%
を、N(%)/Al(%) ≧0.3 、〔 Mn %〕×〔 Si %〕≦ 1.0 を満足する範囲で含有する組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、ついで熱延後巻取るに際し、巻取り温度≦700 ℃とし、ついで酸洗後、冷間圧延した後、再結晶焼鈍工程において焼鈍温度を 650〜950 ℃とすることを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板の製造方法。
8.質量百分率で、
C: 0.15 %以下、
Si : 0.005 〜 1.0 %、
Mn : 0.01 〜 3.0 %、
Al : 0.005 〜 0.02 %、
N: 0.006 〜 0.020 %および
P: 0.002 〜 0.10 %
を、N (%)/Al(%) ≧ 0.3 、〔 Mn %〕×〔 Si %〕> 1.0 を満足する範囲で含有する組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、ついで熱延後巻取るに際し、巻取り温度≦ 300 + 400 /(〔 Mn %〕×〔 Si %〕)とし、ついで酸洗後、冷間圧延した後、再結晶焼鈍工程において焼鈍温度を次式、
950 − 300/ (〔 Mn %〕×〔 Si %〕)≦焼鈍温度(℃)≦ 950
を満足する温度とすることを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の基礎となった研究結果について説明する。
表1に示す成分組成になるシートバーを、1250℃に均一加熱したのち、仕上温度が 920℃となるように3パス圧延を行い、圧延終了後直ちに急冷し、コイル巻取り温度を変化させて1時間保持した。ついで、得られた4mm厚の熱延板に対し、圧下率:75%の冷間圧延を施したのち、 700〜800 ℃の種々の温度で40秒間の再結晶焼鈍を施し、さらに圧下率:1%のスキンパス圧延を施した。
【0016】
【表1】
【0017】
かくして得られた冷延鋼板から、JIS 5号引張試験片を採取し、歪み速度:0.02s-1の条件で通常の引張試験機を用いて引張強さ(TS0) を測定した。また、これらの冷延鋼板に5%の引張歪みを付与し、 170℃, 20分の熱処理(塗装焼付け処理相当)を施した後、引張試験片を採取し、同様の引張試験を施して引張強度(TS1) を求めた。
成形後の熱処理による強度上昇代ΔTS(=TS1 −TS0 )を求め、〔析出Mn%〕および〔析出Si%〕との関係について調査した結果を、図1に示す。
図1に示したとおり、〔析出Mn%〕×〔析出Si%〕の値が 0.00010以下の場合に、ΔTSが60 MPa以上となることが判明した。なお、ΔTSが60 MPa以上となった場合は、全て0.0015mass%以上の固溶N量が確保されていた。
【0018】
次に、本発明の構成要件とその作用について説明する。
まず、本発明において鋼板の成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。なお、以下に示す成分組成の%表示は「質量%」である。
C:0.15%以下
Cは、鋼の強度を増加させる元素であり、強度確保の観点からは0.01%以上を添加することが好ましい。一方、0.15%を超えて含有すると溶接性が低下するため、0.15%以下とした。なお、鋼板の深絞り性を優先させる場合には、Cはできるだけ少量である方がプレス成形性には有利である。また、フェライト相に対するCの固溶限はNよりもかなり低いため、熱間圧延以降の冷延工程において再溶解が進行して結晶粒内の固溶Cが増加するため、耐常温時効性を低下させ易い。従って、耐常温時効性を重視する場合にはC量は0.01%以下とすることが望ましい。一方、過度にCを低減させることは製鋼コストの増大を招くので、下限は0.0005%程度とすることが望ましい。
【0019】
Si:0.005 〜1.0 %
Siは、伸びの低下を抑制し、また強度を向上させる有用な成分であるが、含有量が 0.005%に満たないとその添加効果に乏しく、一方 1.0%を超えると表面性状が悪化するだけでなく延性の低下を招くので、Siは 0.005〜1.0 %の範囲に限定した。より好ましくは 0.005〜0.75%の範囲である。なお、SiおよびMn含有量は、冷延鋼板の〔析出Mn%〕および〔析出Si%〕に影響を及ぼすため、これらの含有量に応じて熱延条件や焼鈍条件を適正化する必要がある。これは、Mn,SiおよびNを主成分とする窒化物が形成し、固溶Nが変動するためである。
【0020】
Mn:0.01〜3.0 %
Mnは、鋼の強化成分として有効に作用するが、含有量が 3.0%を超えると表面性状の悪化のみならず延性の低下を招くので 3.0%以下に限定した。より好ましくは 2.0%以下である。一方、Mnは、MnSを形成しSによる脆化を抑制する作用があるが、含有量が0.01%未満では十分な効果が得られない。
なお、Mnは、Siと同様に、含有量に応じて熱延条件や焼鈍条件を適正化する必要がある。
【0021】
Al:0.005 〜0.02%
Alは、脱酸剤として、また炭窒化物形成成分の歩留り向上のために添加されるが、添加量が 0.005%未満では十分な効果がなく、一方0.02%を超えると鋼中に添加が必要なN量が増大するため、製鋼時のNの歩留り的中が困難となる。
【0022】
N:0.006 〜0.020 %
Nが 0.006%未満では十分な成形後強度上昇熱処理能が得られず、一方 0.020%を超えてNを含有させると、製鋼時にブローホールが発生しプレス成形性が低下するので、Nは 0.006〜0.02%の範囲に限定した。好ましくは 0.008〜0.019%の範囲である。
【0023】
N(%)/Al(%) ≧0.3
上述したとおり、Nは、本発明において成形後強度上昇能を鋼板に付与する重要な役割を果たす。そのためには、N含有量とAl含有量の比N(%)/Al(%) を 0.3以上とする必要がある。というのは、製造条件の変動の如何にかかわらず、安定して0.0015%以上の固溶Nを残留させるために、Nを強力に固定する元素であるAlとの組み合わせについて広範囲にわたって検討した結果、最終製品での固溶Nを安定して0.0015%以上とするためには、N(%)/Al(%) ≧0.3 とする必要があることが判明したからである。
さらに、MnおよびSi含有量の積〔Mn%〕×〔Si%〕が増加すると、最終製品での析出N量が増加するため、鋼成分としてMnおよびSi含有量に応じて、製造条件を制御することが好ましい。
【0024】
固溶N:0.0015%以上
成形後の熱処理温度:120 〜200 ℃の温度範囲で十分な強度上昇能を確保するには、例えば5%の予歪で 170℃時効処理後に 60 MPa 以上のΔTSを確保するためには、0.0015%以上の固溶Nを必要とする。
従って、本発明では、N量が上記の 0.006〜0.020 %を満足する範囲において、さらに固溶Nを0.0015%以上の範囲で含有させるものとした。
【0025】
P:0.002 〜0.10%
Pは、固溶強化成分として鋼の強化に有効に寄与するが、0.10%を超えて添加すると、(FeNb)X Pなどの燐化物が形成されるため深絞り性が低下するので、P量は0.10%以下に制限した。好ましくは0.08%以下である。一方、Pは、現状の製鋼段階で 0.002%未満とするにはコストが嵩むため、下限は現状の不純物レベルの下限である 0.002%とした。
【0026】
〔析出Mn%〕×〔析出Si%〕≦ 0.00010
また、本発明では、析出Mn量と析出Si量を極力低減することが重要で、前掲図1に示したとおり、析出Mn%と析出Si%の積を 0.00010以下とすることにより、0.0015%以上の固溶Nが確保されて、成形後の熱処理による強度上昇代ΔTSを60MPa 以上とすることができるので、本発明ではこれらの積〔析出Mn%〕×〔析出Si%〕を 0.00010以下に限定した。
【0027】
以上、必須成分について説明したが、本発明では、その他にも以下の元素を適宜含有させることができる。
Crおよび/またはMo:0.05〜2.0 %
CrおよびMoはいずれも、鋼の焼入れ性を向上させ、マルテンサイト相の生成を促進させる効果がある。しかしながら、これらの含有量が0.05%未満ではその添加効果に乏しく、一方 2.0%を超えると成形性、めっき性およびスポット溶接性の劣化を招く。従って、これらは単独使用または併用いずれの場合においても、0.05〜2.0 %の範囲で含有させるものとした。
【0028】
Ni:0.1 〜1.5 、Cu:0.1 〜1.5 %
Ni, Cuは、固溶強化により鋼の強度を増加させる元素であり、また焼鈍後の冷却過程でオーステナイトを安定化し、2相組織および低温変態相を形成し易くする効果がある。かような効果は、Ni, Cuとも含有量が 0.1%以上で認められるものの、1.5 %を超えて添加すると成形性、めっき性、溶接性を低下させるので、NiおよびCuはそれぞれ 0.1〜1.5 %の範囲に限定した。
そして、上記したCrおよび/またはMo、NiおよびCuのうちいずれか一種または二種以上を含有させることにより、第2相としてマルテンサイトを効果的に生成させることができる。
【0029】
Nb,TiおよびVのうちから選んだ1種または2種以上合計:0.3 %以下
Nb,TiおよびVはそれぞれ、炭窒化物形成元素であり、熱延組織および冷延再結晶焼鈍組織を微細化させる効果がある。この効果は、0.001 %以上で認められるが、0.3 %を超えると炭窒化物形成量が増大し、成形後の熱処理による引張強度上昇量の低下を招くので、これらの元素は合計で 0.3%以下の範囲に限定した。
【0030】
B:0.0003〜0.0015%
Bは、NbやTi, Vと複合添加することにより、熱延組織および冷延再結晶組織の微細化に寄与し、かつ耐二次加工脆性を改善する働きがある。しかしながら、B量が0.0003%未満では十分な微細化効果が得られず、一方0.0015%を超えるとBN析出量が増大し、またスラブ加熱段階での溶体化に支障をきたすので、Bは0.0003〜0.0015%の範囲で含有させるものとした。特に好ましくは0.0007〜0.0012%の範囲である。
【0031】
S:0.01%以下
その他、不純物中特にSが多量に含有されると、介在物量が増大して延性の低下を招くので、Sの混入は極力避けることが望ましいが、0.01%までなら許容される。
【0032】
上記した成分組成範囲において、請求項1の成分組成に調整した場合には、鋼組織はフェライトまたはフェライト主体の組織となる。ここに、フェライト以外の相としては、パーライト、ベイナイト、残留オーステナイトおよびマルテンサイト等が挙げられる。
なお、ここでフェライト主体の組織とは、フェライト相を体積分率で60%以上含有する組織を意味する。また、本発明でいうフェライトは、通常の意味のフェライト(ポリゴナルフェライト)だけではなく、炭化物を含まないベイニティックフェライトやアシキュラーフェライトを含むものとする。
【0033】
また、請求項2のように、鋼中にさらに、CrやMo, Ni, Cuを添加すると、フェライトを主体とし、第2相としてマルテンサイトを体積率で3%以上(3 vol%以上)生成させることができ、このマルテンサイトは3 vol%以上でとりわけ良好に延性を向上させる効果があるが、40 vol%を超えると強度が高くなりすぎ、十分な延性を確保できないので、第2相としてマルテンサイトを生成させる場合、その生成量は40 vol%以下とすることが好ましい。なお、この場合に少量の低温変態相(ベイナイト)が生成する場合がある。このような変態組織鋼にすることによって、延性を大幅に高めることができる。
【0034】
次に、本発明に従う製造方法について説明する。
上記の好適成分組成に調整した鋼を、転炉等の通常公知の溶製方法で溶製し、造塊法あるいは連続鋳造法で凝固させ、鋼素材とする。連続鋳造スラブは、鋳造ままで熱延工程へ直送してもよいし、一旦冷却後に再加熱して熱延工程に供給してもよい。
これら鋼素材を、加熱、均熱したのち、熱間圧延により熱延板とする。本発明では、熱間圧延の加熱温度は特に規定するものではないが、Nを溶体化するためには加熱温度は1150℃以上とするのがよい。なお、溶体化のより一層の向上のためには、1200℃以上とするのが好ましい。しかしながら、加熱温度が1300℃を超えると溶体化の改善効果は飽和し、逆に結晶粒の粗大化に伴う加工性の低下を招く。
【0035】
また、熱間圧延の全圧下率は70%以上とすることが好ましい。というのは、70%未満では熱延板の結晶粒微細化が不十分となるからである。さらに、熱間圧延仕上温度は、Ar3変態点以上のγ域あるいはAr3変態点以下のα域のいずれでもよいが、特に好ましく 960〜650 ℃の温度範囲である。というのは、熱間圧延仕上温度が 960℃超えると熱延板の結晶粒が粗大化して、冷延・焼鈍後の加工性が低下し、一方 650℃未満では変形抵抗が増加するため熱延負荷の増大を招き、圧延が困難になるからである。
【0036】
熱間仕上圧延終了後は直ちに冷却することが、粒成長を防止し、かつ冷却過程でのAlNの析出およびMnSiN2あるいはMnSiNといったMn, Siの析出を抑制する上で有利であり、かくして結晶粒の微細化を図ることができる。
【0037】
ついで、熱延板はコイル状に巻取られる。熱延板の巻取り温度は高温ほど炭化物の粗大化には有利であるが、800 ℃を超えると熱延板表面に形成されるスケールが厚くなってスケール除去作業の負荷が増大するだけでなく、窒化物形成が進行しコイル長手方向の固溶N量の変動を招く。また、巻取り温度が 200℃未満では、巻取り作業が困難になる。
従って、これらの観点からは、巻取り温度は 200℃以上、 800℃以下とすることが好ましい。
【0038】
前掲表1に示した成分組成になるシートバーを、1270℃で均一加熱したのち、仕上温度が 920℃となるように3パス圧延を行い、熱延終了後、直ちに急冷し、コイル巻取り温度を 750, 610, 480, 350 ℃と変化させて1時間保持した。
得られた4mm厚の熱延板に、圧下率:75%の冷間圧延を施したのち、820 ℃で40秒間の再結晶焼鈍を施し、さらに圧下率:1%のスキンパス圧延を施した。
かくして得られた冷延鋼板から、JIS 5号引張試験片を採取し、歪み速度:0.02s-1の条件で通常の引張試験機を用いて、引張強さ(TS0) を測定した。また、これらの冷延鋼板に5%の引張歪みを付与し、 170℃, 20分の熱処理(塗装焼付け処理相当)を施したのち、引張試験片を採取し、同様の引張試験を施して引張強度(TS1) を求めた。
【0039】
成形後の熱処理による強度上昇代ΔTS(=TS1 −TS0 )を求め、〔Mn%〕および〔Si%〕との関係について調査した結果を、図2に示す。図中の○内の数値がΔTSである。
同図から明らかなように、MnとSiの含有量の積、すなわち〔Mn%〕×〔Si%〕が 1.0以下の場合にはCT≦700 ℃とし、一方〔Mn%〕×〔Si%〕が 1.0より大きい場合には、CT≦ 300+ 400/(〔Mn%〕×〔Si%〕)とすることにより、安定して0.0015%以上の固溶N量を確保でき、ΔTS≧60 MPaを達成することができた。
【0040】
ついで、熱延板を酸洗したのち、冷間圧延を施す。この冷間圧延における圧下率:60〜95%とすることが好ましい。というのは、冷延圧下率が60%未満では、再結晶時のストアードエネルギーが小さく、一方95%を超えると圧延負荷が増大するからである。
【0041】
冷間圧延を施された冷延鋼板は、ついで再結晶焼鈍に供される。再結晶焼鈍条件は 650℃以上、5秒以上とすることが好ましい。というのは、焼鈍温度および時間がそれぞれ 650℃未満、5秒未満では再結晶が完了せず、そのため加工性が低下するからである。加工性をより向上させるためには 800℃以上で5秒以上とすることが望ましい。なお、焼鈍温度の上限は 950℃とすることが好ましい。というのは、焼鈍温度が 950℃を超えると、炭化物の再溶解が進行し固溶Cが過度に増加するため、遅時効性が劣化するからである。
なお、再結晶焼鈍は、連続焼鈍ラインまたは連続めっきラインで行うことが好ましい。
また、焼鈍雰囲気の主なガス種は、H2とN2であり、H2とN2の混合ガスとは3〜9%のH2を含むN2ガスとすることが好ましい。
【0042】
さらに、連続焼鈍における再結晶焼鈍後の冷却は、組織の微細化、固溶N量の確保の観点から、本発明では、焼鈍後少なくとも10℃/s以上で冷却することが好ましい。より好ましくは20℃/s以上である。なお、冷却速度が 300℃/sを超えると、鋼板の幅方向での材質の均一性の低下などの不具合が発生するので、冷却速度は 300℃/s以下とすることが好ましい。
【0043】
前掲表1に示した鋼A〜Eのシートバーを、1270℃に均一加熱したのち、仕上温度が 920℃となるように3パス圧延を行い、圧延終了後直ちに急冷し、コイル巻取り温度を 450℃とし1時間保持した。得られた4mm厚の熱延板を圧下率:75%の冷間圧延を施したのち、種々の温度で40秒間の再結晶焼鈍を施し、さらに圧下率:1%のスキンパス圧延を施した。
かくして得られた冷延鋼板から、JIS 5号引張試験片を採取し、歪み速度:0.02s-1の条件で通常の引張試験機を用いて、引張強さ(TS0) を測定した。また、これらの冷延鋼板に5%の引張歪みを付与し、 170℃, 20分の熱処理(塗装焼付け処理相当)を施したのち、引張試験片を採取し、同様の引張試験を施して引張強度(TS1) を求めた。
【0044】
成形後の熱処理による強度上昇代(ΔTS=TS1 −TS0 )を求め、〔Mn%〕および〔Si%〕との関係について調査した結果を、図3に示す。図中の○内の数字がΔTSである。
同図から明らかなように、〔Mn%〕×〔Si%〕が1.0 以下の場合には、焼鈍温度が 650〜950 ℃の範囲でΔTS≧60 MPaを達成できる。一方、〔Mn%〕×〔Si%〕が 1.0よりも大きい場合には、 950−300/(〔Mn%〕×〔Si%〕)≦焼鈍温度(℃)≦950 の範囲においてΔTS≧60 MPaを達成することができた。
【0045】
なお、上記の再結晶焼鈍後、鋼板には、形状矯正、表面粗さ調整のため、10%以下の調質圧延を行ってもよい。
本発明では、上記のようにして得られた冷延鋼板の表面に、電気めっきまたは溶融めっきを施しても何ら問題はない。これらのめっき鋼板も、冷延鋼板と同程度のTS、BH量およびΔTS量を示す。
また、めっきの種類としては、電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、電気錫めっき、電気クロムめっきおよび電気ニッケルめっきなどいずれもが有利に適合する。
【0046】
なお、再結晶焼鈍を経た冷延鋼板に溶融亜鉛めっき処理を施して鋼板表面に溶融亜鉛めっき層を被成する場合、めっき処理は、通常、溶融亜鉛めっきラインで行われる条件と同様に、板温が 450〜550 ℃の温度範囲で溶融亜鉛めっきを施すことが好ましい。亜鉛浴は、Alを0.10〜0.15%含有するZn浴とすることが好ましい。かかるめっき処理後、必要に応じて目付量調整のためのワイピングを行っても良いのはいうまでもない。
また、再結晶焼鈍工程を経た冷延鋼板を連続めっき焼鈍ラインに通板し、再度焼鈍後、めっきすることも可能である。ただし、この場合も焼鈍温度は前述したように〔Mn%〕と〔Si%〕で規制される条件を満足させる必要がある。
さらに、焼鈍後は、 550℃までを10℃/s以上、 300℃/s以下の速度で冷却することが好ましい。
【0047】
また、上記の溶融亜鉛めっき処理後、めっき層を合金化する合金化処理を施してもよい。合金化処理における加熱温度は 450℃〜Ac1変態点程度とすることが好ましい。というのは、加熱温度が 450℃に満たないと合金化の進行が遅くて生産性の低下を招き、一方Ac1変態点を超えるとめっき層の合金化が進行しすぎてめっき層が脆化するからである。
なお、めっき処理後、鋼板は冷却されるが、その工程中 300℃までの温度域については5℃/s以上の速度で冷却することが好ましい。
また、上記合金化溶融亜鉛めっき鋼板などとしたのち、加工性の向上や加工後の外観のために調質圧延を施した鋼板(ダル仕上鋼板、ブライト仕上鋼板、表面に特定の形状パタンを形成した鋼板)、さらには表面に防錆油、潤滑油などの油膜層を有する鋼板など、通常、薄鋼板として採用する表面処理を施した鋼板については、いずれも本発明を適用することができ、その効果を十分に享受することができる。
【0048】
その後、加工成形、例えば絞り加工などのプレス加工が施される。このプレス加工を行うに際しては、鋼板に適当な量の転位を付与する必要がある。熱処理後に強度を上昇させるには、強度や硬度が必要とされる部位に、少なくとも2%の塑性相当歪みが付与することが必要である。歪み量が少なすぎる場合には、成形後熱処理を施しても十分な強度上昇が発現しない。好適には5%以上の塑性相当歪みを付与することが好ましく、この場合ΔTS≧60 MPaを確保することができる。
【0049】
プレス成形後、低温での熱処理を施す。この際、熱処理温度は従来塗装焼付け処理で行われている 120〜200 ℃程度でよい。熱処理温度が 120℃未満では成形後強度上昇熱処理能が塑性相当歪みが低い場合に十分に得られない。一方、200℃を超える加熱処理は成形後強度上昇熱処理能は満足するものの、格別な加熱装置が必要となる場合がある。なお、加熱方法としては、熱風加熱、赤外炉加熱、温浴熱処理、通電加熱、高周波加熱などの方法が適用でき、特に規定されない。また、強度を上昇させたい部分のみを選択的に加熱する場合でもよい。なお 250℃を超える熱処理は表面性状を損なう懸念がある。
【0050】
【実施例】
実施例1
表2に示す成分組成になる鋼スラブを、表3に示す熱延条件で熱延板とした。ついで、これらの熱延板に冷間圧延を施して冷延板としたのち、連続焼鈍ラインにて再結晶焼鈍を施し、さらに圧下率:1.0 %の調質圧延を施した。
かくして得られた製品板の組織、機械的特性および予変形−塗装焼付け後特性について調べた結果を表4に示す。
【0051】
なお、引張特性は、製品板からJIS 5号試験片を採取して実施した。
また、固溶N量および〔析出Mn%〕〔析出Si%〕に次のようにして求めた。
固溶N量、析出Mn量および析出Si量は、定電位電解法を用いた電解抽出分析法により求めるのが有効であり、抽出分析に用いる地鉄を溶解する方法としては、酸分解法、ハロゲン法および電解法がある。この中で電解法は、炭化物や窒化物などの極めて不安定な析出物を分解させることなく安定して抽出し、地鉄のみを溶解することができる。
本発明では、上記の方法で求めた電解抽出物中のMn,Si量を測定し、〔析出Mn%〕、〔析出Si%〕とした。
また、固溶N量は、上記のようにして電解抽出した電解抽出物中のNを析出Nとし、鋼中の全N量から析出N量を差し引いて求めた。
【0052】
さらに、その他の特性は次のようにして求めた。
・歪時効硬化特性
各製品板からJIS 5号試験片を圧延方向に採取し、予変形として5%の引張予歪みを与えて、ついで 170℃, 20分の塗装焼付け処理相当の熱処理を施した後、歪速度:0.02s-1の条件で引張試験を実施し、予変形を行い、さらに塗装焼付け処理を施した後の引張強さTSBHを求め、ΔTS=TSBH−TSを求めた。TSは製品板の引張強さである。
・組織
各鋼板から試験片を採取し、圧延方向に直交する断面(C断面)について、光学顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡を用いて微視組織を撮像し、画像解析装置を用いて組織の種類、フェライトの組織分率を求めた。
【0053】
・耐衝撃特性
各製品板から衝撃試験片を圧延方向に採取して、「Journa1 of Society of Materials Science Japan. 10 (1998). P.1058」に記載された高速引張試験方法に準拠して、歪み速度:2000s-1で高速引張試験を実施し、応力−歪み曲線を測定した。得られた応力−歪み曲線を用いて、応力を歪み:0〜30%の範囲で積分して、吸収エネルギ−Eを求めた。また、予変形として5%の引張変形を与え、ついで 170℃, 20分の塗装焼付け相当熱処理を施したのち、同様な衝撃試験を実施し、吸収エネルギ−EBHを求め、予変形−塗装焼付け処理による耐衝撃特性の向上代EBH/Eを評価した。
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
表4から明らかなように、本発明の要件を満足する製品板はいずれも、比較例に比べて、成形後熱処理による引張強度の上昇が高い。
【0058】
実施例2
表5に示す成分組成になる鋼スラブを、表6に示す熱延条件で熱延板とした。ついで、これらの熱延板を、表6に示す圧下率で冷間圧延したのち、 840℃, 20秒の再結晶焼鈍を施した。なお、この 840℃という温度は、鋼種X,Y,Zともに、MnおよびSi含有量で規制される焼鈍温度下限値よりも高い温度である。
ついで、鋼板表面の酸化層を酸洗または機械的に除去したのち、表6に示す連続めっき焼鈍条件で溶融亜鉛めっきまたは合金化溶融亜鉛めっきを施した。この時、合金化処理温度は全てAc1変態点以下とした。その後、圧下率:0.8 〜1.2%の調質圧延を行った。
かくして得られた製品板の組織、機械的特性および予変形−塗装焼付け後特性について調べた結果を表7に示す。
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】
表7に示したとおり、本発明の要件を満足するめっき鋼板はいずれも、冷延鋼板で検討した場合と同様に、成形後熱処理による引張強度の上昇が比較例に比べて高い。
【0063】
【発明の効果】
かくして、本発明によれば、プレス成形時に優れた加工性を維持しつつ、プレス成形−熱処理によって引張強度が大幅に向上する冷延鋼板、さらには合金化溶融亜鉛めっき鋼板等のめっき鋼板を、工業的に安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 成形後の熱処理による強度上昇代ΔTS(=TS1 −TS0 )に及ぼす〔析出Mn%〕×〔析出Si%〕の影響を示した図である。
【図2】 成形後の熱処理による強度上昇代ΔTS(=TS1 −TS0 )に及ぼす〔Mn%〕×〔Si%〕と巻取温度の影響を示した図である。
【図3】 成形後の熱処理による強度上昇代(ΔTS=TS1 −TS0 )に及ぼす〔Mn%〕×〔Si%〕と焼鈍温度の影響を示した図である。
Claims (8)
- 質量百分率で、
C:0.15%以下、
Si:0.005 〜1.0 %、
Mn:0.01〜3.0 %、
Al:0.005 〜0.02%、
N:0.006 〜0.020 %および
P:0.002 〜0.10%
をN(%)/Al(%) ≧0.3 を満足する範囲で含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、しかもMn と Si の含有量の積〔 Mn %〕×〔 Si %〕が 1.0 以下、鋼中の析出Mn%と析出Si%の積が 0.00010以下で、かつ固溶Nを0.0015%以上含有し、さらに鋼組織がフェライトまたはフェライト主体の組織であることを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板。 - 質量百分率で、
C: 0.15 %以下、
Si : 0.005 〜 1.0 %、
Mn : 0.01 〜 3.0 %、
Al : 0.005 〜 0.02 %、
N: 0.006 〜 0.020 %および
P: 0.002 〜 0.10 %
をN (%)/Al(%) ≧ 0.3 を満足する範囲で含有し、残部は Fe および不可避的不純物の組成になり、しかも Mn と Si の含有量の積〔 Mn %〕×〔 Si %〕が 1.0 より大きく、鋼中の析出 Mn %と析出 Si %の積が 0.00010 以下で、かつ固溶Nを 0.0015 %以上含有し、さらに鋼組織がフェライトまたはフェライト主体の組織であることを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板。 - 請求項1または2において、鋼が、質量百分率で、さらに
Crおよび/またはMo:0.05〜2.0 %、
Ni:0.1 〜1.5 %および
Cu:0.1 〜1.5 %
のうちから選んだ一種または二種以上を含有し、さらに鋼組織が、フェライト主体で、第2相としてマルテンサイトを体積分率で3〜40%含有する複合組織であることを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板。 - 請求項1,2または3において、鋼が、質量百分率で、さらに
Nb,TiおよびVのうちから選んだ1種または2種以上合計:0.3 %以下
を含有する組成になることを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板。 - 請求項4において、鋼が、質量百分率で、さらに
B:0.0003〜0.0015%
を含有する組成になることを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の冷延鋼板の表面に、電気めっき層または溶融めっき層を被成したことを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れためっき鋼板。
- 質量百分率で、
C:0.15%以下、
Si:0.005 〜1.0 %、
Mn:0.01〜3.0 %、
Al:0.005 〜0.02%、
N:0.006 〜0.020 %および
P:0.002 〜0.10%
を、N(%)/Al(%) ≧0.3 、〔 Mn %〕×〔 Si %〕≦ 1.0 を満足する範囲で含有する組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、ついで熱延後巻取るに際し、巻取り温度≦700 ℃とし、ついで酸洗後、冷間圧延した後、再結晶焼鈍工程において焼鈍温度を 650〜950 ℃とすることを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板の製造方法。 - 質量百分率で、
C: 0.15 %以下、
Si : 0.005 〜 1.0 %、
Mn : 0.01 〜 3.0 %、
Al : 0.005 〜 0.02 %、
N: 0.006 〜 0.020 %および
P: 0.002 〜 0.10 %
を、N (%)/Al(%) ≧ 0.3 、〔 Mn %〕×〔 Si %〕> 1.0 を満足する範囲で含有する組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、ついで熱延後巻取るに際し、巻取り温度≦ 300 + 400 /(〔 Mn %〕×〔 Si %〕)とし、ついで酸洗後、冷間圧延した後、再結晶焼鈍工程において焼鈍温度を次式、
950 − 300/ (〔 Mn %〕×〔 Si %〕)≦焼鈍温度(℃)≦ 950
を満足する温度とすることを特徴とする、成形後の熱処理による強度上昇能に優れた冷延鋼板の製造方法。
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