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JP3723112B2 - 容器体の製造方法 - Google Patents

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JP3723112B2
JP3723112B2 JP2001303962A JP2001303962A JP3723112B2 JP 3723112 B2 JP3723112 B2 JP 3723112B2 JP 2001303962 A JP2001303962 A JP 2001303962A JP 2001303962 A JP2001303962 A JP 2001303962A JP 3723112 B2 JP3723112 B2 JP 3723112B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、調理鍋等の容器体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
シチュー等の煮込み料理を作る鍋として、容器を内容器と外容器とから成る二層構造とした保温性の高い調理鍋(容器体)が種々提案されている。尚、この調理鍋を用いての煮込み料理は、該調理鍋をコンロや電磁調理器等の加熱装置上に載置して調理物をある程度まで煮込んだ後、該加熱装置上から調理鍋を除去し、そのまま該調理鍋の保温性を利用して煮込みを進行させて作るものである。
【0003】
しかし、この種の二層構造の調理鍋は、底部が内容器の底壁と外容器の底壁とから成る二層構造である為、加熱装置での加熱が二層構造である分、調理物に伝達されにいという問題があり、更に、内容器と外容器との間を保温性の高い真空断熱層にした場合、より一層調理物に伝達されにくくなる。
【0004】
従って、二層構造を採用する場合には、内容器の底壁と外容器の底壁とは密着状態にする手段が採用されるが、このような手段を採用しても、わずかな歪みや寸法誤差によって内容器の底壁と外容器の底壁との間に真空断熱層が形成されてしまうことがあり、しかも、この内容器の底壁と外容器の底壁との間に形成された該真空断熱層は、存在の有無を確認する有効な手段が無い。
【0005】
更に、この種の二層構造の調理鍋は、内容器と外容器との間を空気断熱層とした場合、空気断熱層が真空断熱層より熱損失が大きいことは勿論、空気膨張による爆発事故が報告され、安全性に問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決し得る調理鍋を効率的に製造する技術を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
側部2と底部3とから成り、側部2は真空断熱二層構造が採用され、底部3は一層構造が採用された容器体4を製造する方法であって、側壁7aと底開口部9を有する底壁7bとから成り上部が開口した外容器体7の内部に、上部に前記外容器体7の側壁7aの上部を隠蔽するカール加工部 23 を設けた側壁6aと底壁6bとから成り上部が開口した内容器体6を重合状態で配設して該内容器体6の底壁6bの一部を前記底部3とするとともに、前記内容器体6と前記外容器体7を前記カール加工部 23 の内面と前記外容器体7の上端縁との間に隙間 27 が形成されるようにし、続いて、前記内容器体6と外容器体7を底壁6b・7bが上側となる状態となるようにするとともに、外容器体7の底開口部9の周縁部 10 と内容器体6の底壁6bとの間に下部ロウ付材 12 を挟持状態で配設し且つ前記外容器体7の側壁7aの外面と前記カール加工部 23 との境界部に上部ロウ付材 21 を配設し、続いて、この重合状態の内容器体6と外容器体7とを真空加熱炉に配設し、前記下部ロウ付材 12 を熔融せしめて内容器体6に対して外容器体7を降下摺動させ、その後、該下部ロウ付材 12 及び前記上部ロウ付材 21 を固化させて前記内容器体6の側壁6aの上部と前記外容器体7の側壁7aの上部とを接合すると共に前記内容器体6の底壁6bと前記外容器体7の底開口部9の周縁部10とを接合し且つ前記内容器体6の側壁6aと前記外容器体7の側壁7aとの間を真空封止することで、前記側部2に真空断熱層8を形成することを特徴とする容器体の製造方法に係るものである。
【0009】
また、請求項記載の容器体の製造方法において、外容器体7の側壁7aの上部に外方に向けて突出する鍔部26を設け、内容器体6の側壁6aの上部にカール加工部23を形成して該カール加工部23により前記鍔部26を被覆し、その後、重合状態の内容器体6と外容器体7を底壁6b・7bが上側となる状態にすると共に、該外容器体7の側壁7aの外面と前記カール加工部23との境界部及びカール加工部23の内側にして該カール加工部23と前記鍔部26との間に夫々上部ロウ付材21・25を配設して該重合状態の内容器体6と外容器体7とを真空加熱炉に配設することを特徴とする容器体の製造方法に係るものである。
【0010】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の容器体の製造方法において、内容器体6の側壁6aの上部に形成したカール加工部23は、断面視C字状に構成され、更にこの断面視C字状のカール加工部23の先端部に上方に折曲して延設され外容器体7の側壁7aの外面に添設される添設部24が設けられたカール加工部23であり、且つ、外容器体7と内容器体6とは、内容器体6に対して外容器体7が上下摺動可能となるように配設され、この外容器体7の上下摺動は、前記添設部24にガイドされてなされる重合状態であることを特徴とする容器体の製造方法に係るものである。
【0011】
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の容器体の製造方法において、内容器体6の底壁6aに外容器体7の底壁7aの底開口部9から突出して該外容器体7に対する該内容器体6の径方向の位置を決定する位置決め突部13を設け、この位置決め突部13の外縁と底開口部9の縁との間に間隙を設け、外容器体7の内部に内容器体6を重合状態で配設し前記位置決め突部13を前記底開口部9から突出せしめて内容器体6の底壁6bの一部を前記底部3とし、続いて、前記内容器体6の側部6aの上部と前記外容器体7の側部7aの上部との間に上部ロウ付材21を配設せしめと共に、前記位置決め突部13の外縁と底開口部9の縁との間の間隙からロウ付材12を該外容器体7の底開口部9の周縁部10と内容器体6の底壁6bとの間に挟持状態で配設することを特徴とする容器体の製造方法に係るものである。
【0012】
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の容器体の製造方法において、外容器体7の底開口部9の周縁部10の上面を水平面に設定し、内容器体6に該水平面と面当接する水平面を設け、この外容器体7の水平面と内容器体6の水平面との間に下部ロウ付材12を挟持状態で配設せしめることを特徴とする容器体の製造方法に係るものである。
【0013】
また、側部2と底部3とから成り、側部2は真空断熱二層構造が採用され、底部3は一層構造が採用された容器体4を製造する方法であって、側壁7aと底壁7bとから成り上部が開口した外容器体7の内部に、上部に前記外容器体7の側壁7aの上部を隠蔽するカール加工部 23 を設けた側壁6aと底開口部を有する底壁6bとから成り上部が開口した内容器体6を重合状態で配設して該外容器体7の底壁7bの一部を前記底部3とするとともに、前記内容器体6と前記外容器体7を前記カール加工部 23 の内面と前記外容器体7の上端縁との間に隙間 27 が形成されるようにし、続いて、前記内容器体6と外容器体7を底壁6b・7bが上側となる状態となるようにするとともに、内容器体6の底開口部の周縁部 と外容器体7の底壁7bとの間に下部ロウ付材 12 を挟持状態で配設し且つ前記外容器体7の側壁7aの外面と前記カール加工部 23 との境界部に上部ロウ付材 21 を配設し、続いて、この重合状態の内容器体6と外容器体7とを真空加熱炉に配設し、前記下部ロウ付材 12 を熔融せしめて内容器体6に対して外容器体7を降下摺動させ、その後、該下部ロウ付材 12 及び前記上部ロウ付材 21 を固化させて前記内容器体6の側壁6aの上部と前記外容器体7の側壁7aの上部とを接合すると共に前記外容器体7の底壁7bと前記内容器体6の底開口部の周縁部とを接合し且つ前記内容器体6の側壁6aと前記外容器体7の側壁7aとの間を真空封止することで、前記側部2に真空断熱層8を形成することを特徴とする容器体の製造方法に係るものである。
【0014】
【発明の作用及び効果】
本発明により製造される容器体4は、側部2は真空断熱二層構造が採用されているから高い保温性を発揮し、しかも、底部3は一層構造が採用されているから該容器体4に入れる調理物に良好に伝熱することができ、よって、高い保温性と調理物への良好な伝熱性とを兼ね備えたものとなる。
【0015】
ところで、従来の二層構造の容器体は、上部開口部と側壁と底壁とを夫々有する内容器体と外容器体とを重合せしめ、この内容器体の上部と外容器体の上部との間にロウ付材を配設し、該重合状態の内容器体と外容器体とを真空加熱炉に入れ、内容器体と外容器体との間を真空にすると共に前記ロウ付材を熔融せしめて該内容器体の上部と外容器体の上部を封止することで該内容器体と外容器体との間に真空断熱層を形成している。
【0016】
本発明は、上記従来の二層構造の容器体の製造方法と同様に、効率的な製造が可能となる。
【0017】
更に、本発明は、容器体4の底部3を一層構造とする為の外容器体7の底開口部9を利用して該底開口部9の縁と内容器体6の底壁6bとの間からロウ付材12を導入するから、該ロウ付材12を真空封止に適した位置に簡単且つ確実に配設することができる。
【0018】
本発明は上述のようにするから、高い保温性と調理物への良好な伝熱性とを兼ね備えた容器体を簡単且つ効率的に製造できる実用性に秀れた容器体の製造方法となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1〜3は第一実施例、図4は第二実施例、図5は第三実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0020】
第一実施例は、内容器体6の側壁6aの上部と外容器体7の側壁7aの上部を予め接合してから、該内容器体6の側壁6aと外容器体7の側壁7aとの間に真空断熱部8を形成することで、上部開口部1と側部2と底部3とを有し、側部2は真空断熱二層構造が採用され、底部3は一層構造が採用された容器体4を製造する方法である。
【0021】
先ず、この容器体4の構成について詳述する(図1参照)。
【0022】
容器体4の側部2は、前記内容器体6の側壁6a,前記外容器体7の側壁7a及び両者の間に設けられた真空断熱層8から成る真空断熱二層構造が採用され、前記容器体4の底部3は、前記内容器体6の底壁6bのみが存在する一層構造が採用されている。
【0023】
また、内容器体6の底壁6bには、外容器体7の該内容器体6に対する径方向の位置を決定する位置決め突部13が設けられている。尚、図面の位置決め突部13は、底開口部9の内縁と略嵌合する構造を図示している。
【0024】
更に、位置決め突部13の下面は、外容器体7の底壁7bより下方に位置するように構成されている。従って、この外容器体7の底開口部9から突出する内容器体6の位置決め突部13の下面と、外容器体7の底開口部9の周縁部10の下面との間には段差が形成され、容器体4を水平面に載置した際、該水平面には内容器体6の位置決め突部13のみが当接することになる。
【0025】
尚、前記段差は、約0.3mm程度が良い。
【0026】
また、内容器体6の位置決め突部13の外縁と外容器体7の底開口部9の縁との間には、後記ロウ付材12が配設される間隙が設けられている。
【0027】
また、内容器体6の位置決め突部13の中央部には、凹部14が設けられている。
【0028】
また、内容器体6の底壁6b、具体的に、前記位置決め突部13の周縁には、外容器体7の底開口部9の周縁部10が嵌合する嵌合凹部11が設けられている。
【0029】
また、この嵌合凹部11の下面は、水平面に設定されている。尚、第一実施例における水平とは、容器体4を水平面に載置した際の略水平という意味である。
【0030】
外容器体7に設けられた前記底開口部9の周縁部10の上面は、前記下面が水平面に設定された嵌合凹部11と面当接し得るように水平面に設定されている。
【0031】
尚、この周縁部10の上面と嵌合凹部11の下面との面当接部位は、位置決め突部13の周囲に所定巾を有するリング状に形成されるが、この所定巾が5mm程度となるように該周縁部10や嵌合凹部11の水平面を設定すると良い。
【0032】
また、内容器体6の肉厚は外容器体7の肉厚より厚く設定されている。この点詳述すると、第一実施例は、容器体4の底部3の略全面を内容器体6の底壁6bのみの一層構造とする為、容器体4の強度上の観点から、内容器体6はある程度肉厚が厚いものが採用される。一方、外容器体7も内容器体6と同様の肉厚とすると、容器体4の重量が重くなって取り扱い性が悪化する為、この容器体4の取り扱い性の観点から、外容器体7はある程度肉厚が薄いものが採用される。
【0033】
容器体4の上部内面、具体的に、内容器体6の側壁6aの上部内面には、容器体4の上部開口部1を閉塞する蓋体5を載置し得る蓋載置段部15と、中蓋体16を載置し得る中蓋載置段部17が設けられている。
【0034】
中蓋体16は、本体は透明ガラス製で、且つ、上部中央部に摘持部18が設けられたものが採用されている。
【0035】
蓋体5は、本体の内部に断熱材が充填され、且つ、上部中央部に摘持部19が設けられたものが採用されている。
【0036】
符号20は、容器体4若しくは容器体そのものを持ち運ぶ際に把持する把持部20である。
【0037】
次に、容器体4の製造方法について詳述する。
【0038】
先ず、内容器体6と外容器体7を形成する。
【0039】
この内容器体6と外容器体7は、共に金属製の筒状体を変形加工して形成する。
【0040】
内容器体6の底部6bに、前記位置決め突部13を形成する。また、この位置決め突部13は、外容器体7の底開口部9の略全域から該位置決め突部13が突出し、且つ、この位置決め突部13の下面が外容器体7の底開口部9の内縁の下面より下方に突出し得るように形成する。また、この位置決め突部13の外縁は底開口部9の内縁より径小に設定しており、この径の差により、該位置決め突部13の外縁と底開口部9の内縁との間から後記下部ロウ付材12を導入し得るように設定している。
【0041】
また、内容器体6の位置決め突部13の周縁には、前記外容器体7の底開口部9の周縁部10が嵌合して該周縁部10の上面と水平面同志で接合される嵌合凹部11を形成する。
【0042】
また、内容器体6の位置決め突部13の略中央部には、凹部14を形成する。
【0043】
また、内容器体6の側部6aの上部には、前記蓋載置段部15及び前記中蓋載置段部17を形成する。
【0044】
外容器体7の底部7bの略全域には底開口部9を形成する。
【0045】
また、外容器体7の底開口部9の周縁部10の上面には前記嵌合凹部11の下面と水平面同志で接合される水平面を形成する。
【0046】
尚、必要に応じて内容器体6の上部や外容器体7の上部に両者を良好に接合する為の構造を形成しても良い。
【0047】
次に、この内容器体6と外容器体7を接合し、容器体4とする。
【0048】
先ず、内容器体6と外容器体7とを重合状態とする。この状態において、外容器体7の底開口部9から位置決め突部13が突出し、該内容器体6と外容器体7とは径方向に対して位置決めされることになる。
【0049】
続いて、内容器体6の側壁6aの上部と外容器体7の側壁7aの上部とを接合する。この側壁6a・7aの上部同志の接合は、例えば、アルゴン溶接等により行う。
【0050】
続いて、重合状態の内容器体6と外容器体7における内容器体6の位置決め突部13の周縁と外容器体7の底開口部9の縁との間から所定温度で熔融するロウ付材12を導入し、該ロウ付材12を内容器体6の嵌合凹部11と外容器体7の底開口部9の周縁部10との間に挟持状態で配設する(図2参照)。尚、図面はロウ付材12として線材状のものを採用し、該線材状のロウ付材12を外容器体7の底開口部9の周縁部10にリング状に配設する場合を図示している。
【0051】
続いて、ロウ付材12が配設され且つ重合状態の内容器体6及び外容器体7を真空加熱炉に導入する。
【0052】
続いて、真空加熱炉内を真空にしていくことで、前記内容器体6の位置決め突部13の外縁と外容器体7の底開口部9の内縁との間から該内容器体6の側壁6aと外容器体7の側壁7aとの間の空気を徐々に抜いて真空にしていく。また、真空加熱炉内を真空にしていく際、真空加熱炉内を加熱して前記ロウ付材12の熔融温度に近づけていく。
【0053】
続いて、真空加熱炉内が真空となることで前記内容器体6の側壁6aと外容器体7の側壁7aとの間を真空とした後、真空加熱炉内を前記ロウ付材12が熔融する温度に加熱して該ロウ付材12を熔融せしめ、内容器体6の側壁6aと外容器体7の側壁7aとの間を真空封止する。この際、熔融したロウ付材12の殆どは、内容器体6の嵌合凹部11と外容器体7の底開口部9の周縁部10との間に行き渡る。また、ロウ付材12の余剰分は、該ロウ付材12の配設に利用した内容器体6の位置決め突部13の外縁と外容器体7の底開口部9の内縁との間から漏洩し、該部位に溜まることができる。
【0054】
続いて、真空加熱炉内を冷却することで前記熔融したロウ付材12を固化せしめ、内容器体6の側壁6aと外容器体7の側壁7aとの間に真空断熱層8を形成する。
【0055】
以上の工程により、上部開口部1と側部2と底部3とを有し、側部2は内容器体6の側壁6aと外容器体7の側壁7aと真空断熱層8から成る真空断熱二層構造が採用され、底部3は内容器体6の底壁6bのみが存在する一層構造が採用された容器体4を製造することができる。
【0056】
この第一実施例の容器体4と、真空断熱層8を空気断熱層とした以外は全く第一実施例の容器体4と同じ構造の比較例とで水を100℃に沸騰させた後の温度低下がどのようになるか、比較実験を行ったところ、1,2,3時間後の温度は、第一実施例の容器体4では夫々79.2℃,69.2℃,61.8℃であったが、比較例では夫々73.2℃,63.2℃,56.7℃であった。このように第一実施例の容器体4は温度低下が緩やかであるから、当該第一実施例の容器体4を用いて良好な煮込み料理を行えるものと推測される。即ち、煮込み料理において調理物に味が良くしみ込む場面は、加熱が終了した後に温度がある程度低下する場面と言われており、第一実施例は前記緩やかな温度低下期間を有効利用して味の良い煮込み料理を調理できると推測される。
【0057】
第一実施例は上述のようにするから、高い保温性と調理物への良好な伝熱性とを兼ね備えた容器体4を従来の二層構造の容器体と同様の方法によって効率的に製造できる実用性,生産性に秀れた容器体の製造方法となる。
【0058】
また、ロウ付材12は、容器体4の底部3を一層構造とする為の外容器体7の底開口部9を利用して該底開口部9の縁と内容器体6の位置決め突部13の周縁との間から導入するから、該ロウ付材12の配設は非常に簡単に行うことができ、この点においても実用性,生産性に秀れることになる。
【0059】
また、熔融したロウ付材12の余剰分が内容器体6の位置決め突部13の周縁と外容器体7の底開口部9の縁との間の溜まることができるから、内容器体6の底壁6bと外容器体7の底壁7bとの間にロウ付材12が適正に介在することになり、内容器体6と外容器体7との接合を適正に行うことができる。更に、余剰分のロウ付材12が容器体4の外部に突出したりせず、よって、該余剰分のロウ付材12を除去する工程が不要で生産性も高いことになる。
【0060】
また、容器体4の底部3は、調理物と直接当接する内容器体6の底壁6bとなるから、この底部3に加えられた熱が非常に良好に調理物に伝達されることになり、この点においても伝熱性に秀れた容器体4が得られることになる。
【0061】
また、従前の空気断熱タイプの容器体では、空気膨張により外容器体から内容器体が突然飛び出すという事故が報告されているが、第一実施例により製造された容器体4は真空断熱構造が採用されているから、このような事故のおそれはなく、安全性に秀れたものとになる。
【0062】
また、内容器体6の位置決め突部13が単なる位置決め突部であると、容器体4を電磁調理器に載置した際、前記位置決め突部の僅かな凹凸により、該容器体4が位置決め突部の中央部(容器体4の重心に相当)を支点にコマのように回転してしまう現象が起こることがあるが、第一実施例により製造された容器体4では、位置決め突部13の中央部が凹部14であるから、該凹部14が回転に支点になることはあり得ず、よって、前記回転現象の問題も解消されることになる。
【0063】
また、内容器体6の嵌合凹部11に外容器体7の底開口部9の周縁部10を嵌合するから、この内容器体6と外容器体7とが強固に固定されることになり、容器体4の強度が秀れることになる。
【0064】
また、この内容器体6の嵌合凹部11と外容器体7の底開口部9の周縁部10とを水平面同志で接合するから、容器体4の底部3に内容器体6と外容器体7が接合している部位が所定巾を有するリング状に形成され、この面接合部位によって容器体4の底部3の強度をより一層高めることになる。
【0065】
また、内容器体6の位置決め突部13や嵌合凹部11等は、筒状体を変形加工することによって形成しているから、加工硬化によって強度が高く、この強度の高い位置決め突部13や嵌合凹部11等によっても容器体4が補強され、この点においても強度の高い容器体4が得られることになる。
【0066】
また、内容器体6の肉厚を外容器体7の肉厚より厚く設定したから、容器体4の底部3の強度を保ちつつ、軽くて取り扱い性に秀れた容器体4を製造することができる。
【0067】
また、内容器体6の底壁6bの位置決め突部13が外容器体7の底壁7bに設けられた底開口部9より突出せしめているから、製造された容器体4を水平面に載置した際、底開口部9の周縁が前記水平面を傷つけたりせず、よって、容器体4を載置する部位が水平面の電磁調理器を傷つけたりすることが防止され、この点においても実用性に秀れた容器体4を製造することができる。
尚、第一実施例は、容器体4の底部3を内容器体6の底壁6bによって形成する場合を説明したが、例えば、内容器体6の底壁6bに底開口部を設け、この底開口部から外容器体7の底壁7bが容器体4の内面に露出せしめて容器体4の底部3を形成する方法を採用しても良い。
【0068】
第二実施例は、第一実施例と異なり、内容器体6の側壁6aの上部と外容器体7の側壁7aの上部を予め接合せず、該内容器体6の側壁6aの外容器体7の側壁7aの間に真空断熱層8を形成する際に、内容器体6の側壁6aの上部と外容器体7の側壁7aの接合、及び、内容器体6の底壁6b(位置決め突部13の周縁)と外容器体7の底壁7b(底開口部9の周縁部10)の接合を同時に行うことで、上部開口部1と側部2と底部3とを有し、側部2は真空断熱二層構造が採用され、底部3は一層構造が採用された容器体4を製造するものである。
【0069】
この第二実施例では、内容器体6の側壁6aの上部と外容器体7の側壁7aの上部とを上部ロウ付材21で接合し、内容器体6の底壁6bと外容器体7の底壁7bとを前記第一実施例と同様に下部ロウ付材12で接合する方法を採用している。
【0070】
上部ロウ付材21及び下部ロウ付材12は、略同温で熔融するものを採用する。
【0071】
下部ロウ付材12は、第一実施例と同様の方法により内容器体6の底壁6bと外容器体7の底壁7bとの間に配設する。一方、上部ロウ付材21は、内容器体6の側壁7aの上部若しくは外容器体7の側壁7aの上部に該上部ロウ付材21を配設する為の構造を設けてから配設する。
【0072】
この上部ロウ付材21を配設する為の構造は、内容器体6の側壁6aの上部に外容器体7の側壁7aの上部を隠蔽するカール加工部23を形成することで設けている。従って、外容器体7内に内容器体6を重合せしめた際、前記カール加工部23は外容器体7の外方に突出し、このカール加工部23の下部と外容器体7の側壁7aとの間に上部ロウ付材21を配設することができる。
【0073】
また、前記カール加工部23は断面視C字状のものが採用され、この断面視C字状のカール加工部23は該カール加工部23の内側に折曲せしめられる(湾曲でも良い)ことで外容器体7の側壁7aの外面に沿って上方に延設された添設部24を形成している。
【0074】
また、内容器体6のカール加工部23は、内容器体6と外容器体7を重合させ且つ上部ロウ付材21及び下部ロウ付材12を夫々所定の位置に配設した状態において、該カール加工部23の上部内面と外容器体7の上端縁との間に間隙27が形成されるように設定している。
【0075】
尚、このカール加工部23は、内容器体6と外容器体7を重合する前に形成しても、重合した後に形成しても良い。
【0076】
以下、この第二実施例における内容器体6と外容器体7との接合方法及び真空断熱層8の形成方法について詳述する。
【0077】
内容器体6と外容器体7を重合し、該内容器体6の位置決め突部13の周縁と外容器体7の底開口部9の縁の間から下部ロウ付材12を導入し、該ロウ付材12を内容器体6の嵌合凹部11と外容器体7の底開口部9の周縁部10との間に挟持状態で配設する点は第一実施例と同様である。
【0078】
一方、上部ロウ付材21の配設は、重合状態の底壁6b・7bが上側となる状態とし、この状態において、外容器体7の側壁7aの外面と、該外容器体7の側壁7aの外面から突出する前記カール加工部23との間に上部ロウ付材21を載置することにより行う(図4参照)。
【0079】
尚、この重合状態で且つ底壁6b・7bが上側となる状態の内容器体6と外容器体7に対して前記下部ロウ付材12の配設を行う方法を採用しても良い。
【0080】
続いて、この重合状態で且つ底壁6b・7bが上側となる状態の内容器体6と外容器体7を真空加熱炉に導入し、第一実施例と同様に該内容器体6の側壁6aと外容器体7の側壁7aの間を真空とし、続いて、前記上部ロウ付材21及び下部ロウ付材12を熔融せしめる。
【0081】
この上部ロウ付材21及び下部ロウ付材12の熔融の際、前記カール加工部23の上部内面と外容器体7の上端縁との間に前記間隙27 が存在するから、下部ロウ付材12が熔融すると内容器体6に対して外容器体7が前記添設部24に沿って降下摺動することができる。従って、この外容器体7の降下摺動により、該外容器体7の底壁7bと内容器体6の底壁6abとの間隙、即ち、外容器体7の底開口部9の周縁部10と内容器体6の位置決め突部13の周縁に設けられた嵌合凹部11との間隙が適正なものとなり、該間隙に下部ロウ付材12が適正に行き渡ることになる。更に、この外容器体7の降下摺動により、前記外容器体7の側壁7aの外面と前記カール加工部23との間に載置され且つ熔融した上部ロウ付材21が、該カール加工部23の添設部24と外容器体7の側壁7aとの間に引き込まれ、よって、この上部ロウ付材21による接合も良好に行われる。
【0082】
上部ロウ付材21及び下部ロウ付材12を熔融せしめた後、第一実施例と同様、真空加熱炉内を冷却することで前記熔融した上部ロウ付材21及び下部ロウ付材12を固化せしめ、内容器体6の側壁6aと外容器体7の側壁7aとの間に真空断熱層8を形成する。
【0083】
第二実施例は上述のように、内容器体6と外容器体7の接合を真空断熱層8の形成と同時に行うから、それだけ工程が少なく、容器体4を簡単に製造できる実用性,生産性に秀れた容器体の製造方法となる。
【0084】
また、上部ロウ付材21を配設する為の構造は、内容器体6にカール加工部23を形成するだけで設けているから、この構造の形成は簡易であり、この点においても生産性に秀れることになる。
【0085】
また、上部ロウ付材21及び下部ロウ付材12を熔融せしめると内容器体6に対して外容器体7が降下摺動し得るから、該上部ロウ付材21及び下部ロウ付材12による内容器体6と外容器体7の接合を極めて適正に行うことができ、この点においても生産性,強度に秀れることになる。
【0086】
尚、その余は第一実施例と同様である。
【0087】
第三実施例は第二実施例の別例であり、外容器体7の側壁7aの上部に外方に向けて突出する鍔部26を設け、この鍔部26を内容器体6に設けたカール加工部23で被覆し、このカール加工部23の内側にして該カール加工部23と前記鍔部26との間にも上部ロウ付材25を配設せしめるものである(図5参照)。
【0088】
この第三実施例によれば、内容器体6のカール加工部23と外容器体7の側壁7aとの接合は、該カール加工部23の先端部の上下に夫々配設される上部ロウ付材21・25によって行われるから、それだけ接合が確実に行われ、且つ、接合強度も高くなる。
【0089】
更に、外容器体7に設けた鍔部26が熔融した上部ロウ付材21・25の受部となるから、該上部ロウ付材21・25が内容器体6のカール加工部23と外容器体7の側壁7aとの接合に有効に利用され、よって、この点においても接合が確実且つ強固に行われる。
【0090】
尚、図面はカール加工部23の上部内面と外容器体7の上端縁(第三実施例の場合鍔部26)との間に間隙が存在しない場合を図示したが、第二実施例と同様に該部位に間隙を設けて上部ロウ付材21・25及び下部ロウ付材12の熔融によって内容器体6に対して外容器体7が降下摺動し得るように構成しても良い。
【0091】
また、その余は第二実施例と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施例の説明側断面図である。
【図2】 第一実施例の真空加熱炉に導入する前の容器体4の底部3の説明拡大側断面図である。
【図3】 第一実施例の真空加熱炉に導入した後の容器体4の底部3の説明拡大側断面図である。
【図4】 第二実施例の容器体4の上部(図1中の符号A部分)の説明拡大側断面図である。尚、この図4は図1と上下逆向きである。
【図5】 第三実施例の容器体4の上部(図1中の符号A部分)の説明拡大側断面図である。尚、この図5は図1と上下逆向きである。
【符号の説明】
2 側部
3 底部
4 容器体
5 蓋体
6 内容器体
6a 側壁
6b 底壁
7 外容器体
7a 側壁
7b 底壁
8 真空断熱層
9 底開口部
10 周縁部
11 嵌合凹部
12 ロウ付材,下部ロウ付材
13 位置決め突部
14 凹部
21 上部ロウ付材
23 カール加工部
24 添設部
25 上部ロウ付材
27 間隙

Claims (6)

  1. 側部と底部とから成り、側部は真空断熱二層構造が採用され、底部は一層構造が採用された容器体を製造する方法であって、側壁と底開口部を有する底壁とから成り上部が開口した外容器体の内部に、上部に前記外容器体の側壁の上部を隠蔽するカール加工部を設けた側壁と底壁とから成り上部が開口した内容器体を重合状態で配設して該内容器体の底壁の一部を前記底部とするとともに、前記内容器体と前記外容器体を前記カール加工部の内面と前記外容器体の上端縁との間に隙間が形成されるようにし、続いて、前記内容器体と外容器体を底壁が上側となる状態となるようにするとともに、外容器体の底開口部の周縁部と内容器体の底壁との間に下部ロウ付材を挟持状態で配設し且つ前記外容器体の側壁の外面と前記カール加工部との境界部に上部ロウ付材を配設し、続いて、この重合状態の内容器体と外容器体とを真空加熱炉に配設し、前記下部ロウ付材を熔融せしめて内容器体に対して外容器体を降下摺動させ、その後、該下部ロウ付材及び前記上部ロウ付材を固化させて前記内容器体の側壁の上部と前記外容器体の側壁の上部とを接合すると共に前記内容器体の底壁と前記外容器体の底開口部の周縁部とを接合し且つ前記内容器体の側壁と前記外容器体の側壁との間を真空封止することで、前記側部に真空断熱層を形成することを特徴とする容器体の製造方法。
  2. 請求項記載の容器体の製造方法において、外容器体の側壁の上部に外方に向けて突出する鍔部を設け、内容器体の側壁の上部にカール加工部を形成して該カール加工部により前記鍔部を被覆し、その後、重合状態の内容器体と外容器体を底壁が上側となる状態にすると共に、該外容器体の側壁の外面と前記カール加工部との境界部及びカール加工部の内側にして該カール加工部と前記鍔部との間に夫々上部ロウ付材を配設して該重合状態の内容器体と外容器体とを真空加熱炉に配設することを特徴とする容器体の製造方法。
  3. 請求項1,2いずれか1項に記載の容器体の製造方法において、内容器体の側壁の上部に形成したカール加工部3は、断面視C字状に構成され、更にこの断面視C字状のカール加工部の先端部に上方に折曲して延設され外容器体の側壁の外面に添設される添設部が設けられたカール加工部であり、且つ、外容器体と内容器体とは、内容器体に対して外容器体が上下摺動可能となるように配設され、この外容器体の上下摺動は、前記添設部にガイドされてなされる重合状態であることを特徴とする容器体の製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の容器体の製造方法において、内容器体の底壁に外容器体の底壁の底開口部から突出して該外容器体に対する該内容器体の径方向の位置を決定する位置決め突部を設け、この位置決め突部の外縁と底開口部の縁との間に間隙を設け、外容器体の内部に内容器体を重合状態で配設し前記位置決め突部を前記底開口部から突出せしめて内容器体の底壁の一部を前記底部とし、続いて、前記内容器体の側部の上部と前記外容器体の側部の上部との間に上部ロウ付材を配設せしめと共に、前記位置決め突部の外縁と底開口部の縁との間の間隙からロウ付材を該外容器体の底開口部の周縁部と内容器体の底壁との間に挟持状態で配設することを特徴とする容器体の製造方法。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の容器体の製造方法において、外容器体の底開口部の周縁部の上面を水平面に設定し、内容器体に該水平面と面当接する水平面を設け、この外容器体の水平面と内容器体の水平面との間に下部ロウ付材を挟持状態で配設せしめることを特徴とする容器体の製造方法。
  6. 側部と底部とから成り、側部は真空断熱二層構造が採用され、底部は一層構造が採用された容器体を製造する方法であって、側壁と底壁とから成り上部が開口した外容器体の内部に、上部に前記外容器体の側壁の上部を隠蔽するカール加工部を設けた側壁と底開口部を有する底壁とから成り上部が開口した内容器体を重合状態で配設して該外容器体の底壁の一部を前記底部とするとともに、前記内容器体と前記外容器体を前記カール加工部の内面と前記外容器体の上端縁との間に隙間が形成されるようにし、続いて 、前記内容器体と外容器体を底壁が上側となる状態となるようにするとともに、内容器体の底開口部の周縁部と外容器体の底壁との間に下部ロウ付材を挟持状態で配設し且つ前記外容器体の側壁の外面と前記カール加工部との境界部に上部ロウ付材を配設し、続いて、この重合状態の内容器体と外容器体とを真空加熱炉に配設し、前記下部ロウ付材を熔融せしめて内容器体に対して外容器体を降下摺動させ、その後、該下部ロウ付材及び前記上部ロウ付材を固化させて前記内容器体の側壁の上部と前記外容器体の側壁の上部とを接合すると共に前記外容器体の底壁と前記内容器体の底開口部の周縁部とを接合し且つ前記内容器体の側壁と前記外容器体の側壁との間を真空封止することで、前記側部に真空断熱層を形成することを特徴とする容器体の製造方法。
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