JP3721967B2 - 連続溶融めっき線材の製造方法および装置 - Google Patents
連続溶融めっき線材の製造方法および装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3721967B2 JP3721967B2 JP2000282130A JP2000282130A JP3721967B2 JP 3721967 B2 JP3721967 B2 JP 3721967B2 JP 2000282130 A JP2000282130 A JP 2000282130A JP 2000282130 A JP2000282130 A JP 2000282130A JP 3721967 B2 JP3721967 B2 JP 3721967B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wire
- gas
- nozzle
- hot
- plating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融亜鉛、溶融アルミニウムあるいは溶融アルミニウム亜鉛合金をめっきする線材 (鉄線、鋼線、条鋼、棒鋼) の製造方法であって、溶融めっき金属の付着量を任意に制御するとともに表面均一なめっきを高速ライン速度で行うことのできる連続溶融めっき線材の製造方法とその装置に関する。
【0002】
なお、本発明は、金属めっきのみならず線材への有機被覆コーティングあるいは塗油における塗膜厚あるいは塗油膜厚の制御への適用も可能である。
【0003】
【従来の技術】
溶融亜鉛および溶融アルミニウム亜鉛合金めっき線材は、配電線用芯線、ケーブル外装線、金網や籠マット用ワイヤはもとより、撚り線にして送電線用、通信用メッセンジャーワイヤあるいはガードケーブル等広範囲に使用されている。
【0004】
この溶融めっき線材は、一定の径に伸線された鉄線あるいは鋼線を酸洗、フラックス処理した後、溶融させたZnあるいは5〜10%Al−Zn合金の浴に連続的に浸漬させ、線材表面にFe−Znの金属間化合物を介して溶融めっき金属 (ZnあるいはAl−Zn合金) 膜を形成することによって製造される。
【0005】
線材の耐食性は、溶融めっき金属の付着量により決まるため、用途により付着量を制御する必要がある。また、均一な耐食性、および金網や籠マットさらには撚り線への成形性を向上するためには、めっき付着量の均一性および表面の美麗性が要求される。
【0006】
現状の連続溶融めっき製造プロセスにおけるめっき付着量は、重力による自然流下法、チャコール層あるいは砂層による絞り法あるいは機械的接触によるしごき法等で制御されている。
【0007】
すなわち、重力による自然流下法は、溶融めっき浴からの線材を一定速度で引き上げ溶融めっき浴から一定の高さの位置において急冷し、線材に付着した溶融めっき金属を凝固させ、一定のめっき付着量を得るものである。
【0008】
チャコール層あるいは砂層による絞り法は、溶融めっき浴表面にチャコールあるいは砂を堆積させその中に線材を通すものであり、溶融めっき浴から出た線材は、チャコールあるいは砂により過剰に付着した溶融めっきを払拭される。
【0009】
チャコール絞り法では、チャコールに油を含浸させ、溶融めっき浴の熱でこの油が燃焼することによりチャコール層内を非酸化雰囲気に保ち、溶融めっき金属の酸化を防止し、線材表面を美麗にする。砂層絞り法では、砂層内で硫化水素を燃焼させることによって砂層内を非酸化雰囲気に保ち、溶融めっき金属の酸化を抑制して線材の表面を美麗化するものである。
【0010】
機械的接触によるしごき法は、溶融めっき浴から引き上げられる線材に、ワイヤやグラスウール等の耐熱材料を巻き付けて、過剰な付着溶融金属を掻き落とす方法である。
【0011】
溶融亜鉛めっき線材の付着量バラツキや表面光沢不良等を防止する方法として、特開平8−209319号公報に記載されるように、溶融亜鉛浴から引き上げられた線材を酸素濃度が20〜80ppm に制御されたボックス内でガス絞りする方法が提案されている。
【0012】
また、線材の母材とめっき層との界面に生成するFe−Al−Zn金属間化合物層の成長を制御して均質なめっき付着量と外観美麗な溶融亜鉛合金めっきを行う方法として、特開平7−207421号公報に記載されるように、溶融亜鉛アルミニウム合金浴に0.2 〜7wt%のマグネシウムや0.001 〜0.1wt %のナトリウムを添加する方法も提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、重力による自然流下法や、チャコール層あるいは砂層による絞り法では、めっき付着量は、溶融めっき金属浴からの引き上げ速度で決まるため、厚めっきは高速で、薄めっきは低速で操業せざるを得ず、特に薄めっきでの生産性が悪いとともに需要に対する生産の柔軟性が乏しい。
【0014】
機械的しごき法では、接触法であるがためにすり疵等が発生し、表面品質の悪化が避けられない状況である。
特開平8−209319号公報に記載の方法は、非酸化性雰囲気中での重力による自然流下法であり、亜鉛の酸化が抑制され、表面光沢は向上するもののめっき付着量の制御は、溶融亜鉛めっき槽からの線材引き上げ速度で決まるため、生産性および生産の柔軟性に欠ける。
【0015】
特開平7−207421号公報に記載の方法は、母材とめっき層の界面に生成する金属間化合物の成長を制御するものであり、金属間化合物の厚さは、合金めっき浴への浸漬時間、すなわち浸漬長が一定であれば線材の引き上げ速度により決まり、生産性および生産の柔軟性に問題がある。
【0016】
従って、溶融めっき線材の生産性、製造の柔軟性および品質を向上するには、ライン速度から独立しためっき付着量の制御および非接触での強制払拭が可能な方法の開発が必要である。
【0017】
ここに、本発明の課題は、簡便で確実な手段でのめっき線材のめっき付着量の制御手段を開発することである。
より具体的には、本発明の課題は、ライン速度から独立した方法であって、非接触での強制払拭によるめっき付着量の制御を可能とする技術を開発することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
めっき付着量を非接触でしかもライン速度から独立して任意に制御する方法としては、鋼板の連続溶融めっきで実用化されているガスワイピング法がある。しかし、このガスワイピング法は、特開平8−209319号公報に記載されているように、線材の振動が大きくめっき付着量のバラツキを助長し適用できないと言われている。
【0019】
鋼板分野で実用化されているガスワイピング法が、線材分野でできない原因が上述の線材の振動のみであれば振動を抑制すればよいが、その他の要因も考えられるので、本発明者は、溶融めっき線材へのガスワイピング法適用時の問題点を明確にするために種々検討を行った。
【0020】
すなわち、図1に示すように環状スリット6を有するリングノズル3を用いて溶融亜鉛めっき浴から連続的に引き上げられる線材1のガスワイピングを行い、製造されためっき線材のめっき付着量および表面性状を観察した。
【0021】
本試験に用いたリングノズルは、鋼板分野で用いられているガスワイピングノズルのスリットと同程度である0.7mm のスリットギャップを備えた環状スリットを有し、その径は、40mmであった。ワイピングガスは、常温の空気を圧縮したものであり、溶融亜鉛めっき浴から引き上げられる線材に対して45度の角度で吹き付けた。溶融亜鉛めっき浴は450 ℃であり、使用した線材の径は3.2mm であった。
【0022】
本条件で製造した溶融めっき線材の軸方向断面におけるめっき付着量の測定結果を図4に示す。
これより、線材の母材との界面に生成するFe−Zn合金層はその厚さがほぼ一定であるのに対して、Znめっき層は非常に薄い部分と非常に厚い部分ができており付着量に大きなバラツキが生じていることが分かった。このバラツキは、線材長手方向にほぼ一定間隔で節状に発生し、とても製品にできる状態ではなかった。
【0023】
このような節状欠陥の発生原因を究明するために、ガスワイピングの状況をビデオ観察した結果、以下のことが判明した。
溶融亜鉛めっき浴から引き上げられた線材に付着した溶融亜鉛は、ガスワイピングジェットによる冷却および表面酸化により線材表面に皮が張った状態になり、線材を取り巻く円筒状の凝固膜がワイピングジェットにより溶融亜鉛めっき浴上一定の位置に発生する。この円筒状の凝固膜は、線材の振動あるいはワイピングジェットの変動により、一部が破断して線材とともにガスワイピングノズルを通り越して持ち上げられる。これが繰り返し発生する。
【0024】
凝固膜が溶融亜鉛めっき浴から一定の位置 (ワイピングノズル下部) に固定されている場合には、線材に付着した溶融亜鉛は、この凝固膜により払拭されるため図4に示すごとくZn層が非常に薄くなる部分が発生する。一方、この凝固膜が破断して持ち上げられると図4に示すZn層が厚くなる部分が発生し、この繰り返しによりほぼ一定間隔の節が生じることが判明した。
【0025】
以上のことより、ガスワイピングによる冷却と表面酸化を抑制すればこの節状のめっき付着量のバラツキは抑制できると考えるに至った。
冷却および表面酸化の抑制方法としては、以下のような手段が考えられる。
【0026】
[冷却抑制法]
1)ワイピングガス量の減少
▲1▼ノズル圧力の低減 (ワイピングジェット速度の低減)
▲2▼スリットギャップの狭小化
▲3▼ノズル径の縮小化
2)ワイピングガス温度の上昇
3)溶融めっき浴温の上昇
4)線材温度の上昇
5)ライン速度の上昇 (線材に付着して持ち上げられる溶融めっき量の増加)
6)溶融めっき浴から引き上げられた線材の保温 (囲い設置、加熱)
[表面酸化抑制法]
1)非酸化性ガスの使用
2)還元ガスの使用
3)雰囲気ボックスの設置
4)酸素除去 (吸着、反応)
そこでこれらについて検討したところ、次の様な点が判明した。
【0027】
冷却抑制法において、溶融めっき浴温度および線材温度の上昇は、製品の品質 (機械的特性、めっき剥離性等) への影響があるため、上昇温度に制限がある。また、ワイピングガス温度の上昇および線材の保温に関しては、加熱装置等の設備コストおよびランニングコストの高騰を招く。
【0028】
従って、ワイピングガス量の低減およびライン速度の上昇が現実的である。
一方、ワイピングガス量の低減においては、ノズル圧力は、めっき付着量の制御のために変更しなければならないので、スリットギャップの狭小化とノズル径の縮小化が有効である。ここに、ノズル径は、ワイピングを行う線材径および線材と線材のつなぎ部の通過を考慮する必要があり、小径化には限界があり、結局、自由に決定できるのはスリットギャップである。
【0029】
そこで、本発明者は、環状スリットのスリットギャップを種々変化させ試験を行った。すなわち、上述の試験に用いたリングノズルのスリットギャップを0.6 、0.5 および0.3mm に変更して、溶融亜鉛めっきのガスワイピング試験を行った。
【0030】
その結果を、図5、図6および図7にそれぞれグラフで示す。
スリットギャップが0.6mm の場合には、図5に示すごとく、Znめっき層厚さにはバラツキが大きいが、図6に示すスリットギャップが0.5mm の場合には、かなり均一な厚さのZnめっき層が形成できた。
【0031】
さらに図7に示すスリットギャップ0.3mm の場合には、均一な厚さのZnめっき層ができ、表面も美麗となった。
本試験ではさらにスリットギャップを狭くした試験を行ったが、スリットギャップを0.1mm より狭くすると、圧空配管内の錆や塵がスリットギャップに閉塞する問題が発生した。
【0032】
従って、本試験結果より、溶融めっき線材のガスワイピング用ノズルのスリットギャップを0.1 から0.5mm とすることで、従来不可能と言われていた線材に対して均一厚さのZnめっき層が形成できることが判明した。
【0033】
また、環状スリットの角度 (ワイピング角度) については、下向きに70度から上向きに20度まで変化させた試験を行った結果、下向き70度では、ワイピングジェットが溶融亜鉛めっき浴面に衝突することによってスプラッシュが発生し、そのスプラッシュが周辺に飛散するとともにワイピング後の線材に付着し、操業上および品質上問題があった。また、上向き20度では線材に付着した溶融亜鉛めっきが上方へ飛散しやはり操業上および品質上問題があった。
【0034】
従って、これらの結果からも、ワイピング角度にいついては、下向き60度から上向き10度の範囲に調整することで、さらに厚さの均一のZnめっき層が形成できることが判明した。
【0035】
以上の試験により、リングノズルによる溶融亜鉛めっき線材のガスワイピングが可能であることが判明したが、リングノズルでは、それぞれの線材をリングノズルに通す必要がある。
【0036】
従って、めっき機器のメンテナンス、特にノズル交換においては、線材を切断する必要があり、非常に煩雑となる。そこで、線材を切断しなくてもめっき機器のメンテナンスができる二次元ノズルでのワイピング可能性を確認するために図2に示す態様で試験を行った。
【0037】
すなわち、直線状スリットを備えたノズルを対向させて配置し、その間に複数の線材を通過させ、ガスワイピングを行った。
リングノズルとほぼ同じ条件で行った結果、節状のめっき層厚さのバラツキは発生しなかった。しかし、製品断面のめっき付着量のバラツキは前述のリングノズルの場合に比べて大きいが、従来のものと比較して十分許容できる範囲内のものであった。
【0038】
次に、表面酸化を防止する方法として、図3に示すようにリングノズルの下部に下端が溶融めっき浴に浸かるように設置した雰囲気ボックスを取り付け、さらに非酸化性ガスとして、窒素ガスを用いたワイピングを行った結果、上述のような節状の欠陥はみられず、厚さ均一で表面光沢の良いZnめっき層が形成できることが判明した。
【0039】
ここに、本発明は上述のような知見を基に完成されたもので、その要旨とするところは、次の通りである。
【0041】
(1)外表面を還元あるいはフラックス処理した後、溶融めっき浴に浸漬してから連続的に引き上げられる線材に、溶融めっき浴上方においてノズルからガスを吹き付ける溶融めっき線材の製造方法において、溶融めっき浴から連続的に引き上げられる複数本の線材を、該線材の並んでいる方向に連続のスリットを有する二次元ノズルで挟み、該二次元ノズルのスリット間隔を0.1〜0.5mmに調整し、該ノズルよりガスを吹き付け、前記二次元ノズルの圧力、前記二次元ノズルと前記線材との距離あるいは前記二次元ノズルからのガス吹き出し角度の調整によりめっき付着量を制御することを特徴とする溶融めっき線材の製造方法。
【0042】
(2)二次元ノズルと溶融めっき浴との空間を大気開放せず、下端を溶融めっき浴に一部浸漬させた囲いを設けるとともに噴出ガスとして非酸化性ガスを用いることを特徴とする上記(1)記載の溶融めっき線材の製造方法。
【0045】
(3)上記(1)または(2)に記載の方法において、溶融めっき浴から引き上げられる線材に吹き付けるガスとして、室温以上に加熱したガスを用いることを特徴とする溶融めっき線材の製造方法。
【0047】
(4)溶融めっき浴上方において、連続的に引き上げられる複数本の線材を挟むように設置した一対の二次元ノズルと、該二次元ノズルへのガス供給圧力を個別に制御するための調整弁および圧力表示装置を有するガス供給配管と、前記一対の二次元ノズルの間隔、噴射角度および溶融めっき浴からの高さを制御する機構を備えたことを特徴とする溶融めっき線材の製造方法。
【0049】
(5)スリット間隔を0.1〜0.5mmさらにガス噴射角度を水平に対して上方に10度〜下方に60度とした直線状スリットを有することを特徴とする線材のめっき付着量を均一化するための二次元ノズル。
【0050】
【発明の実施の形態】
次に、本発明におけるめっき付着量一定化の具体的形態を添付図面を参照しながらさらに具体的に説明する。
【0051】
図1は、参考例として示す環状リングノズルの一部断面で示す略式斜視図である。図中、線材1は、溶融めっき浴2から引き上げられてから、リングノズル3の中心を通ってさらに上方に引き上げられる。リングノズル3にはガス供給管4、4'が連結されており、例えば圧縮空気が供給され、環状ヘッダ5、そして環状スリット6を経てガスジェット7として線材表面に吹きつけられる。
【0052】
図示態様によれば、環状スリットのスリットギャップ(以下、単に間隔とも言う)が0.1〜0.5mmに調整されており、好ましくはその角度は線材に対して下向き60度から上向き10度に調整されている。さらに好ましくは環状スリットの直径は10〜100mmである。
【0053】
図2は、本発明の態様を示すもので、図1のリングノズル3に代えて二次元ノズル9を対にして使用するものであり、両者の間には、一連の線材1が平行して並んでおり、いずれも溶融めっき浴2から上方に引き上げられる。
【0054】
長く伸びたヘッダ5はその線材1の側の先端に長く伸びた直線状スリット5が設けられており、その間隔は図1の場合と同様に0.1 〜0.5mm に調整されている。その角度も好ましくは、線材に対して下向き60度から上向き10度に調整されている。
【0055】
このようにしてガスワイピングを行うことで、従来は不可能ということでその試みすら見られなかった、線材へのめっき層厚さの均一化が実用的に実現できるのである。
【0056】
すでに述べたように、表面品質悪化原因は、溶融亜鉛の冷却および表面酸化による皮張りである。したがって、めっき付着量を一定にして、冷却および表面酸化を防止することが表面品質改善につながる。
【0057】
特に、空気ワイピングでは、表面酸化は抑制できないので、冷却防止が重要となる。スリットギャップを狭くして、シャープで高速なガスジェットでワイピングする方法は、広いスリットギャップからのブロードで低速なガスジェットでワイピングする方法よりも、ワイピング力が強く、少ないガス量で一定のめっき付着量を得ることができ、結果的に冷却が抑制され、表面品質が向上する。冷却能をある値以下でワイピングすれば表面品質が向上するということになるが、冷却能を規定するには、溶融亜鉛温度、線温度、線径、ライン速度、ワイピングガス温度、速度、スリットギャップ、ノイズ径、ノイズ圧力等、多くの因子の影響を考慮する必要がある。但し、これらの因子は、冷却能のみでなくめっき付着量にも影響する。
【0058】
そこで、これらを一義的に整理する方法を検討した結果、めっき付着量を一定にした条件で、表面品質をスリットギャップで整理すると、スリットギャップ0.5mm 付近が品質の境界に当たることが判明した。
【0059】
すなわち、ノズルスリットギャップを0.5mm 以下にすると、ガスジェットがシャープになり、一定のめっき付着量を得るためのガス量が少なくて済み、冷却能が低下し、それらの相乗的作用により予想外にも表面品質が向上するのである。
【0060】
本発明におけるそのような効果は、すでに述べたように、冷却の抑制と酸化の抑制との相乗作用によるものであるが、結果的にそのような狭いスリットギャップとすることによって、その明確な機構はかならずしも明確ではないが、線材に固有の振動およびワイピングガスのジェットの変動を何か解消するような方向に作用するものと推測され、その結果として前述のような節状のめっき層の厚さの変動が解消するとも推測される。
【0061】
本発明における変更例としては、浴面からの高さを調整するための機構を備えた装置を必要により設けてもよい。
【0062】
図3は、前述の参考例のさらに別の態様を示す模式的斜視図であり、図中、リングノズル3の下方にはスカート状に雰囲気ボックス8が設けられており、雰囲気ボックス8の下方は溶融めっき浴2に浸漬されており、一種の閉じた空間が形成されている。特に、かかる態様では、ガス供給管4、4'からの供給ガスは非酸化性ガス(例:N2ガス、アルゴンガス)とし、溶融めっき浴2から引き上げられる線材1の表面に付着しためっき層の表面酸化を防止するように構成される。
【0063】
なお、かかる態様の場合には、前述のようにノズル間隔および角度は特に規定する必要はないが、好ましくはこの場合にもノズル間隔は0.1 〜0.5mm 、角度は線材に対して下向き60度から上向き10度に調整する。
【0064】
さらに、雰囲気ボックス内の温度を室温以上とするために、室温以上の温度のガスによるガスワイピングを行うのが好ましい。
次に、実施例によって本発明の作用効果をさらに具体的に説明する。
【0065】
【実施例】
【0066】
【参考例1】
図3に示す方法を用いて、溶融めっき線材のガスワイピングを行った。操業条件は、
リングノズル:直径40mm、吹き付け角度45°、スリットギャップ0.2mm
ノズル圧力: 2〜40kPa
ワイピングガス:30℃窒素ガス
溶融めっき: 460℃、10%Al−Zn合金めっき浴
線径: 3.2mm
ライン速度: 28〜50m/min
図8は、それらの結果を示すもので、めっき付着量とノズル圧力との関係をライン速度をパラメータとして示したグラフである。
【0067】
図8に示す結果からも分かるように、同一ライン速度では、ノズル圧力の上昇にともなってめっき付着量は減少し、同一ノズル圧力では、ライン速度の上昇にともなってめっき付着量は増加することが分かる。すなわち、任意のライン速度に対して、ノズル圧力を制御することによって任意のめっき付着量を有する溶融めっき線材を製造することができた。また、各条件でのめっき付着量のバラツキは、最大でも±6μm (40g/m2)程度であり、従来の自然流下方式あるいはチャコール絞り方式と比較して問題はなく、むしろ均一性および表面美麗性においては勝る結果となった。
【0068】
【参考例2】
本例では参考例1を繰り返したが、線材直径、ノズルスリットギャップ、ノズル圧力そしてライン速度を変更した。このときの処理条件と付着量および被覆層の品質(均一性と表面美麗性を3段階評価)を表1にまとめて示す。図9はこれらの結果をグラフにまとめて示すものである。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、めっき付着量が均一で表面美麗な溶融めっき線材が従来の方法より高速製造でき、生産性および品質の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】環状スリットを有するリングノズルを用いた本発明の実施例を示す略式斜視図である。
【図2】直線スリットを有する二次元ノズルを用いた本発明の実施例を示す略式斜視図である。
【図3】リングノズルと雰囲気ボックスを用いた本発明の実施例を示す略式斜視図である。
【図4】 0.7mm スリットギャップのリングノズルを用いて試作した溶融めっき線材のめっき付着量分布を示すグラフである。
【図5】 0.6mmスリットギャップのリングノズルを用いて試作した溶融めっき線材のめっき付着量分布を示すグラフである。
【図6】 0.5mm スリットギャップのリングノズルを用いて試作した溶融めっき線材のめっき付着量分布を示すグラフである。
【図7】 0.3mm スリットギャップのリングノズルを用いて試作した溶融めっき線材のめっき付着量分布を示すグラフである。
【図8】図3に示す本発明の実施にて製造した溶融めっき線材のめっき付着量とノズル圧力との関係をライン速度をパラメータとして示すグラフである。
【図9】別の実施例の線結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1:線材、 2:溶融めっき浴、 3:リングノズル、
4:ガス供給管、 5:環状ヘッダ、 6:環状スリット、
7:ガスジェット、 8:雰囲気ボックス、 9:二次元ノズル
Claims (5)
- 外表面を還元あるいはフラックス処理した後、溶融めっき浴に浸漬してから連続的に引き上げられる線材に、溶融めっき浴上方においてノズルからガスを吹き付ける溶融めっき線材の製造方法において、溶融めっき浴から連続的に引き上げられる複数本の線材を、該線材の並んでいる方向に連続のスリットを有する二次元ノズルで挟み、該二次元ノズルのスリット間隔を0.1〜0.5mmに調整し、該ノズルよりガスを吹き付け、前記二次元ノズルの圧力、前記二次元ノズルと前記線材との距離あるいは前記二次元ノズルからのガス吹き出し角度の調整によりめっき付着量を制御することを特徴とする溶融めっき線材の製造方法。
- 二次元ノズルと溶融めっき浴との空間を大気開放せず、下端を溶融めっき浴に一部浸漬させた囲いを設けるとともに噴出ガスとして非酸化性ガスを用いることを特徴とする請求項1記載の溶融めっき線材の製造方法。
- 請求項1または2に記載の方法において、溶融めっき浴から引き上げられる線材に吹き付けるガスとして、室温以上に加熱したガスを用いることを特徴とする溶融めっき線材の製造方法。
- 溶融めっき浴上方において、連続的に引き上げられる複数本の線材を挟むように設置した一対の二次元ノズルと、該二次元ノズルへのガス供給圧力を個別に制御するための調整弁および圧力表示装置を有するガス供給配管と、前記一対の二次元ノズルの間隔、噴射角度および溶融めっき浴からの高さを制御する機構を備えたことを特徴とする溶融めっき線材の製造方法。
- スリット間隔を0.1〜0.5mmさらにガス噴射角度を水平に対して上方に10度〜下方に60度とした直線状スリットを有することを特徴とする線材のめっき付着量を均一化するための二次元ノズル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000282130A JP3721967B2 (ja) | 2000-09-18 | 2000-09-18 | 連続溶融めっき線材の製造方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000282130A JP3721967B2 (ja) | 2000-09-18 | 2000-09-18 | 連続溶融めっき線材の製造方法および装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002088460A JP2002088460A (ja) | 2002-03-27 |
| JP3721967B2 true JP3721967B2 (ja) | 2005-11-30 |
Family
ID=18766691
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000282130A Expired - Fee Related JP3721967B2 (ja) | 2000-09-18 | 2000-09-18 | 連続溶融めっき線材の製造方法および装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3721967B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| RU2449865C2 (ru) * | 2007-12-10 | 2012-05-10 | ОКИ ЭЛЕКТРИК КЕЙБЛ Ко., ЛТД. | Электродная проволока для электроэрозионной обработки проволокой, способ ее изготовления и система для изготовления базовой проволоки для нее |
| CN101505900A (zh) * | 2007-12-10 | 2009-08-12 | 冲电线株式会社 | 线放电加工用电极线、其制造方法以及其母线制造装置 |
| JP5509870B2 (ja) * | 2010-01-22 | 2014-06-04 | 横浜ゴム株式会社 | ゴム補強用亜鉛めっきスチールコード |
| JP6091280B2 (ja) * | 2012-07-26 | 2017-03-08 | 日新製鋼株式会社 | Alめっき鋼線製造装置および製造法 |
| EP3438318A4 (en) * | 2016-03-31 | 2019-10-23 | Nisshin Steel Co., Ltd. | METHOD FOR THE PRODUCTION OF MELTED ALUMINUM PLATED STEEL WIRE |
| WO2017170969A1 (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 日新製鋼株式会社 | 溶融アルミニウムめっき鋼線の製造方法 |
| JP2018172773A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 日新製鋼株式会社 | 溶融アルミニウムめっき鋼線の製造方法 |
| JP2018172769A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 日新製鋼株式会社 | 溶融アルミニウムめっき鋼線の製造方法 |
| JP7573336B2 (ja) * | 2020-06-17 | 2024-10-25 | Jfeスチール株式会社 | めっき付着量制御方法、溶融めっき鋼板の製造方法、及びそれらを実行する装置 |
-
2000
- 2000-09-18 JP JP2000282130A patent/JP3721967B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2002088460A (ja) | 2002-03-27 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| AU758268B2 (en) | Method for galvanizing and galvannealing employing a bath of zinc and aluminum | |
| JP3721967B2 (ja) | 連続溶融めっき線材の製造方法および装置 | |
| JP6091280B2 (ja) | Alめっき鋼線製造装置および製造法 | |
| KR100502443B1 (ko) | 도금 금속선 및 그 제조 방법 및 제조 장치 | |
| CN101253280B (zh) | 弯曲加工性优异的热浸镀Zn-Al系合金钢材及其制造方法 | |
| JP2015134961A (ja) | 溶融アルミニウムめっき鋼線の製造方法 | |
| JP3888784B2 (ja) | 溶融Zn基めっき鋼板のエッジしわ防止法 | |
| JP4167380B2 (ja) | 屋外曝露用溶融亜鉛めっき鋼線の製造方法およびその製造装置 | |
| JP5824905B2 (ja) | 溶融金属めっき鋼帯の製造方法 | |
| CN108779544A (zh) | 热浸镀铝钢线的制造方法 | |
| JP4777158B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき線およびその冷却装置 | |
| EP3428305A1 (en) | Production method for molten-aluminum-plated copper wire | |
| JP3762722B2 (ja) | 溶融めっき鋼板の冷却装置および冷却方法 | |
| CN1137570A (zh) | 镀锌喷塑双层卷焊管的生产工艺、设备及产品 | |
| JP2619771B2 (ja) | 高品質高付着量溶融亜鉛めっき方法 | |
| JP4664844B2 (ja) | 高耐食性を有するZn−Al合金メッキ鋼線、Zn−Al−Mn合金メッキ鋼線及びその製造方法 | |
| JPH05186858A (ja) | 溶融金属めっき鋼帯の製造方法 | |
| JP2018172773A (ja) | 溶融アルミニウムめっき鋼線の製造方法 | |
| JP6848801B2 (ja) | 溶融金属めっき鋼帯の製造設備 | |
| JP3482739B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
| CN108779543A (zh) | 热浸镀铝钢线的制造方法 | |
| TWI708871B (zh) | 熔融鋁鍍鋼線的製造方法 | |
| JP2017179513A (ja) | 溶融アルミニウムめっき鋼線およびその製造方法 | |
| JPH05306453A (ja) | 高強度めっき鋼線材の製造法 | |
| JP2018172791A (ja) | 溶融アルミニウムめっき鋼線の製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040809 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050510 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050708 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050823 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050905 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080922 Year of fee payment: 3 |
|
| S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080922 Year of fee payment: 3 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110922 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140922 Year of fee payment: 9 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |