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JP3709261B2 - 光学材料およびその製造法 - Google Patents

光学材料およびその製造法 Download PDF

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JP3709261B2
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浩樹 上遠野
智義 小泉
嘉信 伊藤
克一 町田
益宏 庄司
武男 荻原
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呉羽化学工業株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学材料およびその製造法に関し、更に詳しくは、近赤外線カットフィルター、色純度補正フィルター等として好適に用いることができる合成樹脂製の光学材料およびそのような光学材料の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近において、リン酸基と金属イオンとが重合体中に含有されてなる合成樹脂製の光学材料として、リン酸基含有単量体から得られる重合体中に、銅イオンが含有されてなる光学フィルター材料が開発されている(例えば特開平6−118228号、特開平6−345820号参照)。
ここに、当該光学材料による光学特性(例えば近赤外線カット機能)は、重合体を構成するリン酸基に結合された金属イオンにより発現される。
【0003】
このような光学材料は、リン酸基含有単量体および共重合性単量体を混合して混合単量体を得、この混合単量体に、金属化合物(例えば、カルボン酸銅などの金属塩)を添加して単量体組成物を調製し、この単量体組成物を重合処理することにより製造することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、上記のような製造法において、単量体組成物を調製する際に、リン酸基含有単量体におけるリン酸基と金属化合物(金属塩)とが反応し、このとき、金属化合物(金属塩)における金属イオンの対イオンと、リン酸基における水素原子とが結合して酸成分が副生され、当該酸成分が遊離されるという問題がある。
そして、遊離された酸成分は、光学材料における諸特性(透明性・機械的特性・耐湿性など)を低下させる原因となるばかりでなく、表面に析出(ブリード)し、さらに表面から気化して刺激臭を放つことにより、当該光学材料の使用環境を汚染することがある。
従って、光学材料から酸成分を除去することが、当該光学材料における品質の維持向上を図る上で不可欠である。
【0005】
ここに、酸成分を除去する手段としては、単量体組成物の重合処理により得られる樹脂(光学材料)を、当該樹脂に対して親和性を有しかつ酸成分を溶解することのできる有機溶剤中に浸漬させることにより、当該樹脂内の酸成分を抽出除去する方法が考えられる。
【0006】
しかしながら、酸成分の除去手段として重合後における溶剤抽出法を採用する場合には、下記のような問題を生じる。
(1)樹脂中における溶剤の拡散速度が小さいため、抽出操作に長時間(例えば数日間)を要し、製造効率の観点から好ましくない。
(2)有機溶剤を大量に使用するので、環境衛生上の観点および製造コスト等の観点から好ましくない。
(3)所定の形状に成形された樹脂を溶剤中に浸漬する場合において、当該樹脂の成形体が変形し、目的とする平滑性などが得られないことがある。
(4)光学材料に溶剤が残留し、当該光学材料が劣化することがある。
【0007】
本発明は、以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の第1の目的は、酸成分の含有割合がきわめて低く、透明性・機械的特性・耐湿性などの諸特性に優れた高品質の光学材料を提供することにある。
本発明の第2の目的は、酸成分の含有割合がきわめて低い光学材料からなり、平滑性などの形状保持性にも優れた成形体を提供することにある。
本発明の第3の目的は、高温高湿度雰囲気下で使用した場合にも白化・失透しない光学材料を提供することにある。
本発明の第4の目的は、近赤外線カットフィルター、色純度補正フィルター等の光学フィルター、各種光学レンズなどとして好適に用いることができる光学材料を提供することにある。
本発明の第5の目的は、酸成分の含有割合がきわめて低い高品質の光学材料を、簡単な操作によって、効率的に製造することができる光学材料の製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学材料は、リン酸基と、金属イオンとが重合体中に含有されてなる合成樹脂製の光学材料であって、リン酸基含有単量体および共重合性単量体からなる混合単量体と、金属化合物とを含有する単量体組成物を冷却処理することにより、リン酸基と金属化合物との反応により生成される酸成分を析出させて分離し、当該酸成分が分離された単量体組成物を重合処理することにより得られることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の光学材料は、リン酸基と、金属イオンとが重合体中に含有されてなる合成樹脂製の光学材料であって、単量体成分と、リン酸基含有化合物と、金属化合物とを含有する単量体組成物を冷却処理することにより、リン酸基と金属化合物との反応により生成される酸成分を析出させて分離し、当該酸成分が分離された単量体組成物を重合処理することにより得られることを特徴とする。
【0010】
本発明の光学材料においては、酸成分の含有割合が、重合体100質量部あたり3質量部以下であることが好ましい。
【0011】
本発明の製造法は、リン酸基と、金属イオンとが重合体中に含有されてなる合成樹脂製の光学材料を得るための製造法であって、リン酸基含有単量体および共重合性単量体からなる混合単量体と、金属化合物とを含有する単量体組成物を冷却処理することにより、リン酸基と金属化合物との反応により生成される酸成分を析出させて分離する冷却分離工程と、この冷却分離工程を経た単量体組成物を重合処理する重合工程とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の製造法においては、前記リン酸基含有単量体が下記式(1)で表されることが好ましい。
【0013】
【化3】
Figure 0003709261
【0014】
また、本発明の製造法は、リン酸基と、金属イオンとが重合体中に含有されてなる合成樹脂製の光学材料を得るための製造法であって、単量体成分と、リン酸基含有化合物と、金属化合物とを含有する単量体組成物を冷却処理することにより、リン酸基と金属化合物との反応により生成される酸成分を析出させて分離する冷却分離工程と、この冷却分離工程を経た単量体組成物を重合処理する重合工程とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明の製造法においては、リン酸基含有化合物が下記式(2)で表されることが好ましい。
【0016】
【化4】
Figure 0003709261
【0017】
本発明の製造法においては、金属化合物を構成する金属イオンのうち、50質量%以上が銅イオンであることが好ましい。
また、単量体組成物を構成する金属化合物として、カルボン酸の金属塩、特にカルボン酸の銅塩が含有されていることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の光学材料は、リン酸基と、金属イオンとが重合体中に含有されてなる合成樹脂製の光学材料である。
本発明において、「リン酸基」とは、PO(OH)n −(nは1または2である。)で表される基を意味するものとする。
【0019】
本発明の光学材料は、単量体組成物の冷却分離工程と、単量体組成物の重合工程とを有する製造法(本発明の製造法)によって得られる。
【0020】
<単量体組成物>
本発明の製造法における「冷却分離工程」に供される単量体組成物としては、
(1)リン酸基含有単量体および共重合性単量体からなる混合単量体と、金属化合物とを含有する単量体組成物(以下、「単量体組成物(A)」ともいう。)、
(2)単量体成分と、リン酸基含有化合物と、金属化合物とを含有する単量体組成物(以下、「単量体組成物(B)」ともいう。)を挙げることができる。
【0021】
<単量体組成物(A)>
単量体組成物(A)に含有される『リン酸基含有単量体』としては、上記式(1)で表されるリン酸基含有単量体(以下、「特定のリン酸基含有単量体」ともいう。)を挙げることができる。
【0022】
上記式(1)に示すように、特定のリン酸基含有単量体は、後述する金属イオンとイオン結合または配位結合を形成することが可能なリン酸基を分子構造中に有している。そして、このリン酸基を介して金属イオンを保持してなる共重合体は、近赤外領域に特徴ある光吸収特性を示すものとなる。また、金属イオンが共重合体のリン酸基とイオン結合または配位結合することにより、当該金属イオンは、重合体中に均一に分散された状態で含有されるため、得られる光学材料は、光拡散が極めて少なくて良好な透明性を有するものとなる。
【0023】
特定のリン酸基含有単量体の分子構造を示す式(1)において、基R1 は、アルキレンオキサイド基(R2 O)が結合されたアクリロイルオキシ基(Xが水素原子の場合)またはメタクリロイルオキシ基(Xがメチル基の場合)である。
このように、特定のリン酸基含有単量体の分子構造中において、ラジカル重合性の官能基であるアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有することにより、当該特定のリン酸基含有単量体は極めて共重合性に富み、種々の単量体との共重合を行うことができる。
ここで、アルキレンオキサイド基の繰り返し数mは0〜5、好ましくは1〜5の整数である。このmの値が5を超えると、得られる重合体は、硬度が大幅に低下するので、光学材料としての実用性に欠けたものとなる。
【0024】
また、式(1)において水酸基の数nは1または2であり、光学材料の成形法および使用目的に応じて、nの値が1である特定のリン酸基含有単量体およびnの値が2である特定のリン酸基含有単量体のいずれか一方または両方を用いることができ、また、両方を用いる場合には、両者の割合を適宜選択することができる。具体的に説明すると、nの値が1である特定のリン酸基含有単量体は、リン原子に結合したラジカル重合性の不飽和結合の数が2であり、架橋重合性を有するものとなる。一方、nの値が2である特定のリン酸基含有単量体は、銅イオンを主体とする金属イオンとの結合性が大きいものとなる。従って、熱可塑性樹脂に適用される成形加工法(射出成形・押出成形)により光学材料を得る場合には、nの値が2である特定のリン酸基含有単量体の混合割合が大きいものを用いることが好ましい。また、注型成形法により光学材料を得る場合には、nの値が1である特定のリン酸基含有単量体の混合割合が大きいものを用いることができる。
【0025】
また、nの値が1である特定のリン酸基含有単量体と、nの値が2である特定のリン酸基含有単量体とを、モル比で40:60〜60:40、特に45:55〜55:45となる割合で用いる場合には、得られる単量体組成物において金属イオンを均一に含有させることができるので好ましい。
【0026】
単量体組成物(A)に含有される『共重合性単量体』としては、
(1)リン酸基含有単量体と均一に溶解混合すること、
(2)リン酸基含有単量体とのラジカル共重合性が良好であること、
(3)リン酸基含有単量体と共重合することにより、光学的に透明な共重合体が得られること等を満足するものであれば特に限定されるものではない。
【0027】
共重合性単量体の具体例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート化合物、
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレートなどの変性アルキル(メタ)アクリレート化合物、
エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート化合物、
アクリル酸、メタクリル酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸等のカルボン酸、
スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ジブロムスチレン、メトキシスチレン、ジビニルベンゼン、ビニル安息香酸、ヒドロキシメチルスチレン、トリビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物を挙げることができる。
これらの例示化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0028】
リン酸基含有単量体および共重合性単量体から得られる混合単量体において、リン酸基含有単量体と共重合性単量体との使用割合としては、「リン酸基含有単量体:共重合性単量体(質量)」が3:97〜90:10の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは10:90〜80:20である。
混合単量体中におけるリン酸基含有単量体の割合が3質量%未満である場合には、得られる光学材料において好適な光吸収特性を発現させることが困難となる。一方、混合単量体中におけるリン酸基含有単量体の割合が90質量%を超える場合には、当該混合単量体の粘度が過大となり金属化合物の溶解性が損なわれる傾向があり、また、得られる光学材料は、耐湿性や硬度などの諸特性が低いものとなることがある。
【0029】
単量体組成物(A)に含有される『金属化合物』は、当該単量体組成物(A)を重合して得られる光学材料に金属イオンを導入するための化合物である。
かかる金属化合物は、金属イオン(カチオン)と、当該金属イオンの対イオン(アニオン)とから構成される金属塩であることが好ましい。
【0030】
本発明において、金属化合物(金属塩)を構成する金属イオン(カチオン)のうち、50質量%以上、好ましくは80質量%以上が銅イオンであることが好ましい。金属イオンに占める銅イオンの割合が50質量%以上であることにより、最終的に得られる光学材料は、近赤外線領域の吸収特性にきわめて優れたものとなる。
ここに、銅イオン以外の金属イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、コバルトイオン、ニッケルイオンなどを挙げることができる。
【0031】
本発明において使用される金属化合物(金属塩)は、当該金属塩とリン酸基とが反応するときに副生・遊離される酸成分、すなわち、当該金属塩における金属イオンを水素イオンに置換したときに形成される酸成分の性質(融点および使用する混合単量体との相溶性)を考慮して選択される。
すなわち、副生される酸成分が、高い融点を有し、混合単量体との相溶性が低いものであれば、当該酸成分を冷却処理によって容易に析出させることができ、析出された当該酸成分を単量体組成物から容易に分離することができる。
【0032】
金属塩とリン酸基とが反応するときに副生・遊離される酸成分の融点としては、−50℃以上であることが好ましく、更に好ましくは−40℃以上である。当該酸成分の融点が低すぎる場合には、冷却分離工程における処理温度を相当低く設定する必要があり、そのような温度条件では、単量体組成物(A)が増粘または凝固してしまい、当該組成物から酸成分を分離することが困難となる。
そして、単量体組成物(A)を構成する金属化合物(金属塩)は、このような条件(酸成分の高い融点)を具備するものの中から、使用する混合単量体の種類に応じて、当該混合単量体との相溶性の低い(析出された酸を分離除去しやすい)酸を副生できるものを適宜選択すればよい。
【0033】
上記のような観点から、単量体組成物(A)に含有される金属化合物(金属塩)としては、リン酸基との反応によって、以下に示すような酸成分(酸および誘導体、並びにこれらの水和物、無水物)を副生するような金属塩を例示することができる。
【0034】
〔副生される酸成分の例示〕
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの炭素数1〜18のアルキルカルボン酸、これらのカルボン酸のハロゲン化物(塩素化物、臭素化物、フッ素化物)、トルイル酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸のハロゲン化物(塩素化物、臭素化物、フッ素化物)、アセチルサリチル酸、ニトロ安息香酸、芳香環を含む安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、ジヒドロケイ皮酸、ナフチル酢酸、ナフタレンカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などのナフタレン環を有するカルボン酸。
これらのうち、芳香環を有するカルボン酸の金属塩が好ましい。
さらに、金属化合物(金属塩)として、金属塩化物、金属フッ化物、金属酸化物、金属硝酸塩、金属硫酸塩、2,4−ペンタンジオネートの金属塩、トリフルオロペンタンジオネートの金属塩、並びにこれらの無水物および水和物を例示することができる。
なお、本発明に使用することのできる金属化合物は、上記の化合物に限定されるものではない。
【0035】
単量体組成物(A)において、金属化合物の含有割合としては、混合単量体100質量部あたり、金属化合物を構成する金属イオンが0.01〜20質量部となる割合、好ましくは0.1〜15質量部となる割合とされる。
金属化合物(金属イオン)の割合が過小である場合には、得られる光学材料において、当該金属イオンによる光学特性(例えば近赤外線カット機能)を十分に発揮させることができない。一方、金属化合物(金属イオン)の割合が過大である場合には、得られる光学材料において、当該金属イオンが均一に分散されにくくなり、透明性の低下を招くことがある。
【0036】
単量体組成物(A)を調製する方法としては、リン酸基含有単量体および共重合性単量体からなる混合単量体のラジカル重合を行う前に、当該混合単量体中に前記金属化合物を添加して溶解含有させる方法を挙げることができる。
ここに、単量体組成物(A)は、リン酸基含有単量体と共重合性単量体とを混合することにより混合単量体を調製した後、前述の金属化合物を添加して混合することにより調製されてもよく、また、リン酸基含有単量体の全部と共重合性単量体の一部とを混合した後、金属化合物を添加して混合し、これに共重合性単量体の残部を添加して混合することにより調製されてもよい。
また、金属化合物を添加して混合する際には、必要に応じて加熱することもできる。
さらに、単量体組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、その他の添加剤を加えることができる。
【0037】
このようにして調製された単量体組成物(A)においては、リン酸基含有単量体の有するリン酸基に、金属化合物の有する金属イオンが結合され、これにより、当該金属化合物が組成物中に溶解される。
他方、この単量体組成物(A)中には、金属化合物(金属塩)における金属イオンの対イオンと、リン酸基における水素原子とが結合して副生された酸成分が含有されている。
【0038】
<単量体組成物(B)>
単量体組成物(B)は、単量体成分と、リン酸基含有化合物と、金属化合物とが含有されてなる。
単量体組成物(B)に含有される『リン酸基含有化合物』は、上記式(2)に示すように、金属イオンとイオン結合または配位結合を形成することが可能なリン酸基を分子構造中に有する非重合性の化合物である。
【0039】
特定のリン酸基含有化合物の具体例としては、モノメチルフォスフェート、ジメチルフォスフェート、モノエチルフォスフェート、ジエチルフォスフェート、モノプロピルフォスフェート、ジプロピルフォスフェート、モノイソプロピルフォスフェート、ジイソプロピルフォスフェート、モノn−ブチルフォスフェート、ジn−ブチルフォスフェート、モノ(2−エチルヘキシル)フォスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)フォスフェート、モノn−デシルフォスフェート、ジn−デシルフォスフェート、モノイソデシルフォスフェート、ジイソデシルフォスフェート、モノオレイルフォスフェート、ジオレイルフォスフェート、モノイソステアリルフォスフェート、ジイソステアリルフォスフェート、モノフェニルフォスフェート、ジフェニルフォスフェート等のリン酸エステル、
モノ(2−エチルヘキシル)2−エチルヘキシルホスホネート、モノメチルメチルホスホネート、モノエチルエチルホスホネート、モノブチルブチルホスホネート、モノデシルデシルホスホネート等のホスホン酸エステルを挙げることができる。
【0040】
リン酸基含有化合物によって、重合体中にリン酸基を導入する場合において、かかる重合体としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂など光学材料に要求される光学特性を満足するものであれば特に限定されるものではないが、特にアクリル系樹脂を用いることが好ましい。
【0041】
アクリル系樹脂を得るために用いられるアクリル系単量体〔単量体組成物(B)に含有される『単量体成分』〕の具体例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルアクリレート、n−ラウリルメタクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、n−ステアリルアクリレート、n−ステアリルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレートなどの単官能性(メタ)アクリレート化合物を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0042】
また、アクリル系単量体の一部として、多官能性(メタ)アクリレート化合物を使用することができ、その具体例としては、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリットトリメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレートなどを挙げることができる。このような多官能性(メタ)アクリレート化合物を使用することにより、得られるアクリル系樹脂は、架橋構造を有するため、光学材料として好適な機械的特性の高いものとなる。
【0043】
単量体組成物(B)に含有される『金属化合物』としては、前記単量体組成物(A)に含有されるものと同様の化合物を挙げることができる。
単量体組成物(B)において、金属化合物の含有割合としては、単量体成分100質量部あたり、金属化合物を構成する金属イオンが0.01〜20質量部となる割合、好ましくは0.1〜15質量部となる割合とされる。
金属化合物(金属イオン)の割合が過小である場合には、得られる光学材料において、当該金属イオンによる光学特性(例えば近赤外線カット機能)を十分に発揮させることができない。一方、金属化合物(金属イオン)の割合が過大である場合には、得られる光学材料において、当該金属イオンが均一に分散されにくくなる。
【0044】
単量体組成物(B)において、リン酸基含有化合物の使用割合としては、単量体成分100質量部あたり3〜50質量部となる割合、好ましくは3〜30質量部となる割合とされる。
リン酸基含有化合物の割合が過小の場合には、金属イオンを重合体中に均一に分散させることが困難となり、得られる光学材料は、不透明なものとなることがある。一方、リン酸基含有化合物の割合が過大の場合には、硬度などの光学材料に要求される機械的特性が得られないことがある。
【0045】
このようにして調製された単量体組成物(B)においては、リン酸基含有化合物の有するリン酸基に、金属化合物の有する金属イオンが結合され、これにより、当該金属化合物が組成物中に溶解される。
他方、この単量体組成物(B)中には、金属化合物(金属塩)における金属イオンの対イオンと、リン酸基における水素原子とが結合して副生された酸成分が含有されている。
【0046】
<冷却分離工程>
本発明の製造法は、単量体組成物〔上記の単量体組成物(A)・単量体組成物(B)〕の冷却分離工程を有している点、すなわち、単量体組成物の重合処理を実施する前の段階で、当該単量体組成物の冷却処理を実施することにより、単量体組成物を調製する際に副生された酸成分を結晶化・析出させ、この析出物を濾別などにより分離除去する点に特徴を有している。
【0047】
単量体組成物の冷却温度(T)としては、単量体組成物の凝固点を(T1 )、除去すべき酸成分の融点を(T2 )とするとき、「T1 <T<T2 」の式が成立する範囲であれば特に限定されるものではないが、単量体組成物への酸成分の溶解性を考慮して、−50〜20℃であることが好ましく、更に好ましくは−40〜10℃とされる。
冷却温度を−50℃未満に設定する場合には、単量体組成物が増粘または凝固してしまうことがあり、酸成分を分離することが困難となる傾向がある。
単量体組成物の冷却処理時間としては、処理すべき組成物の量や冷却温度によっても異なるが、1〜48時間程度であれば十分である。
なお、単量体組成物の凝固点(T1 )は、当該単量体組成物の組成(構成成分・割合)によって大きく異なるが、通常−60℃以下とされる。
【0048】
上記のような冷却処理により、単量体組成物に含有されていた酸成分が結晶化して析出する。そして、この析出物を濾別により分離して除去することにより、酸成分の含有割合の低い単量体組成物を得ることができる。
ここに、冷却分離工程における酸成分の除去率〔(析出物の質量/酸成分の生成量)×100〕は、通常30質量%以上とされ、好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは70質量%以上とされる。
【0049】
<重合工程>
冷却分離工程を経た単量体組成物は重合工程に供される。
具体的には、単量体組成物(A)を構成する混合単量体がラジカル重合されることにより、分子構造中にリン酸基が化学的に結合されてなる共重合体(以下、「リン酸基含有共重合体」という。)が得られ、単量体組成物(B)を構成する単量体成分がラジカル重合されることにより、リン酸基含有化合物を含有する重合体が得られる。
【0050】
単量体組成物のラジカル重合処理の具体的な方法としては、特に限定されるものではなく、通常のラジカル重合開始剤を用いるラジカル重合法、すなわち単量体組成物にラジカル重合開始剤を添加し、適宜の条件下で単量体(混合単量体または単量体成分)を重合させる方法、例えば注型(キャスト)重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法などの重合法を利用することができるが、得られる重合体が架橋構造を有するものである場合には、当該重合体の溶融成形が困難であることから、目的とする光学製品としての形状が直接的に得られる注型重合法を採用することが好ましい。
【0051】
ここに、ラジカル重合開始剤としては、種々の有機過酸化物系重合開始剤を用いることができるが、着色が少ない重合体が得られる点で、t−ブチルパーオクタノエート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート等の非芳香族系のパーオキシエステル、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイドなどを用いることが好ましい。また、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−2−カルボニトリル)等のアゾ系ラジカル重合開始剤も好ましく用いることができる。
また、単量体のラジカル重合反応は、通常のラジカル重合反応と同様の反応温度および反応時間で行うことができる。
【0052】
以上のようにして得られる光学材料は、そのままの状態で、あるいは、板状、円柱状、レンズ状などの目的とする形状に成形、研磨されることにより、種々の光学製品として使用することができる。
本発明の製造法による光学材料(本発明の光学材料)は、遊離した酸成分の含有割合がきわめて低いものである。
従って、本発明の光学材料は、高温高湿度環境下においても白化・失透することなく、良好な透明性を維持することができる。
ここに、本発明の光学材料における酸成分の含有割合としては、重合体100質量部あたり3質量部以下であることが好ましい。
【0053】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、以下において、「部」は「質量部」を意味する。
【0054】
<実施例1>
(1)単量体組成物(A)の調製工程:
下記式(3)で表される特定のリン酸基含有単量体23.7部と、下記式(4)で表される特定のリン酸基含有単量体14.3部と、ジメチル1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート20.0部と、n−ブチルメタクリレート20.0部と、メチルメタクリレート21.0部と、α−メチルスチレン1.0部とを十分に混合することにより、混合単量体を調製した。
この混合単量体に、金属化合物として無水安息香酸銅32.0部(混合単量体100部に対する銅イオンの含有量が6.65部)を添加し、攪拌混合することにより、安息香酸銅を混合単量体中に溶解させ、単量体組成物(A)を調製した。
【0055】
【化5】
Figure 0003709261
【0056】
【化6】
Figure 0003709261
【0057】
(2)冷却分離工程:
以上のようにして調製された単量体組成物(A)を−20℃の冷凍庫内に24時間放置し、リン酸基と無水安息香酸銅との反応副生物である安息香酸(融点122℃)を結晶化させて析出させた。次いで、−20℃の温度環境下において、析出物(安息香酸)を濾別分離した。分離された安息香酸の質量を測定することにより、酸成分である安息香酸の除去率を求めたところ78質量%であった。
【0058】
(3)重合工程:
冷却分離工程を経た単量体組成物(A)に、t−ブチルパーオキシオクタノエート2.0部を添加した後、当該組成物を厚さ0.5mm用のモールドに注入し、60℃で8時間加熱し、次いで60℃から80℃までを2時間で昇温し、更に、80℃で2時間加熱して注型重合を行うことにより、銅イオンを保持するリン酸基含有共重合体からなるディスク状の光学材料を得た。この光学材料に残留する安息香酸の含有割合は、共重合体成分100部あたり5.6部ときわめて少ないものであった。
【0059】
<実施例2>
上記式(3)で表される特定のリン酸基含有単量体21.2部と、上記式(4)で表される特定のリン酸基含有単量体12.8部と、ジメチル1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート20.0部と、n−ブチルメタクリレート20.0部と、メチルメタクリレート25.0部と、α−メチルスチレン1.0部とを十分に混合することにより、混合単量体を調製した。
この混合単量体に、金属化合物として無水安息香酸銅28.0部(混合単量体100部に対する銅イオンの含有量が5.81部)を添加し、攪拌混合することにより、安息香酸銅を混合単量体中に溶解させ、単量体組成物(A)を調製した。上記のようにして調製された単量体組成物(A)について、実施例1と同様の条件で冷却処理して安息香酸を結晶化させて析出させ、当該析出物(安息香酸)を濾別分離した。分離された安息香酸の質量を測定することにより、酸成分である安息香酸の除去率を求めたところ72質量%であった。
上記の冷却分離工程を経た単量体組成物(A)に、実施例1と同様にして注型重合を行うことにより、銅イオンを保持するリン酸基含有共重合体からなるディスク状の光学材料を得た。この光学材料に残留する安息香酸の含有割合は、共重合体成分100部あたり6.2部ときわめて少ないものであった。
【0060】
<実施例3>
メチルメタクリレート50.0部と、イソボニルメタクリレート50.0部とよりなる混合単量体(単量体成分)に、リン酸基含有化合物としてジ(2−エチルヘキシル)フォスフェート9.1部を添加して混合し、これに金属化合物として無水酢酸銅2.04部(混合単量体100部に対する銅イオンの含有量が0.71部)を添加し、攪拌混合することにより、無水酢酸銅を混合単量体中に溶解させ、単量体組成物(B)を調製した。
上記のようにして調製された単量体組成物(B)について、実施例1と同様の条件で冷却処理することにより、リン酸基と無水酢酸銅との反応副生物である酢酸(融点16.7℃)を結晶化させて析出させ、当該析出物(酢酸)濾別分離した。分離された酢酸の質量を測定することにより、酸成分である酢酸の除去率を求めたところ68質量%であった。
上記の冷却分離工程を経た単量体組成物(B)に、t−ブチルパーオキシオクタノエート2.0部を添加した後、当該組成物を厚さ0.5mm用のモールドに注入し、45℃で2時間、50℃で2時間で加熱し、50℃から60℃までを6時間で、60℃から80℃までを5時間で、80℃から100℃までを3時間で昇温し、更に100℃で2時間加熱して注型重合を行うことにより、銅イオンを保持するアクリル系共重合体からなるディスク状の光学材料を得た。この光学材料に残留する酢酸の含有割合は、共重合体成分100部あたり0.42部ときわめて少ないものであった。
【0061】
<比較例1>
冷却分離工程(安息香酸の分離除去)を実施しなかったこと以外は実施例1と同様にして比較用の光学材料を得た。この光学材料に残留する安息香酸の含有割合は、共重合体成分100部あたり25.4部であった。
【0062】
<比較例2>
冷却分離工程(安息香酸の分離除去)を実施しなかったこと以外は実施例2と同様にして比較用の光学材料を得た。この光学材料に残留する安息香酸の含有割合は、共重合体成分100部あたり22.2部であった。
【0063】
<比較例3>
冷却分離工程(酢酸の分離除去)を実施しなかったこと以外は実施例3と同様にして比較用の光学材料を得た。この光学材料に残留する酢酸の含有割合は、共重合体成分100部あたり1.33部であった。
【0064】
<比較例4>
比較例1により得られた光学材料をエチルアルコール(溶剤)に8時間浸漬することにより、安息香酸の抽出処理を行った。ここに、実施例における除去率に相当する安息香酸の抽出率〔(酸成分の抽出量/酸成分の生成量)×100〕は52質量%に止まり、抽出後に残留する安息香酸の含有割合は、共重合体成分100部あたり12.2部であった。また、この抽出工程によって、光学材料(成形体)に変形(反り)が認められた。
【0065】
<比較例5>
比較例2により得られた光学材料について、比較例4と同様にして安息香酸の抽出処理を行った。ここに、安息香酸の抽出率は47質量%に止まり、抽出後に残留する安息香酸の含有割合は、共重合体成分100部あたり11.8部であった。また、この抽出工程によって、光学材料に変形(反り)が認められた。
【0066】
<比較例6>
比較例3により得られた光学材料について、比較例4と同様にして酢酸の抽出処理を行った。ここに、酢酸の抽出率は43質量%に止まり、抽出後に残留する酢酸の含有割合は、共重合体成分100部あたり0.76部であった。また、この抽出工程によって、光学材料に変形(反り)が認められた。
【0067】
<光学材料の評価>
実施例1〜3および比較例1〜6によって得られた光学材料の各々について、高温高湿環境下における耐久性を評価した。評価方法としては、光学材料の各々を、温度60℃、相対湿度90%および温度70℃、相対湿度80%のそれぞれの環境下に放置し、当該光学材料に、劣化による白濁が生じるまでの時間を測定することにより行った。結果を下記表1に示す。
また、実施例1で得られた光学材料について、可視領域から近赤外領域(波長:400〜1000nm)における透過率を測定した。結果を後記表2に示す。
【0068】
【表1】
Figure 0003709261
【0069】
【表2】
Figure 0003709261
【0070】
表1に示す結果から、冷却分離による酸成分の除去処理が行われた実施例1〜3に係る光学材料は、酸成分の除去処理を行わなかった比較例1〜3に係る光学材料、および溶剤抽出による酸成分の除去処理が行われた比較例4〜6に係る光学材料に比較して、白濁が発生時間するまでの時間が長いものであり、高温高湿環境下における耐久性に優れているものであることが理解される。
また、表2に示す結果から、実施例1に係る光学材料によれば、近赤外線を高い効率で吸収し、また、十分に広い可視光線透過領域が得られることが理解される。
【0071】
【発明の効果】
本発明の製造法によれば、単量体組成物の冷却および析出物の分離除去という簡単な操作により、酸成分の含有割合が極めて低い(例えば重合体100質量部あたり3質量部以下)高品質の光学材料を効率的に製造することができる。
【0072】
本発明の製造法により得られる光学材料(本発明の光学材料)は、酸成分の含有割合がきわめて低く、透明性・機械的特性・耐湿性などの諸特性に優れており、特に、高温高湿度雰囲気下における耐久性に優れている。また、本発明の光学材料による成形体は、平滑性などの形状保持性にも優れている。

Claims (9)

  1. リン酸基と、金属イオンとが重合体中に含有されてなる合成樹脂製の光学材料であって、
    リン酸基含有単量体および共重合性単量体からなる混合単量体と、金属化合物とを含有する単量体組成物を冷却処理することにより、リン酸基と金属化合物との反応により生成される酸成分を析出させて分離し、当該酸成分が分離された単量体組成物を重合処理することにより得られることを特徴とする光学材料。
  2. リン酸基と、金属イオンとが重合体中に含有されてなる合成樹脂製の光学材料であって、
    単量体成分と、リン酸基含有化合物と、金属化合物とを含有する単量体組成物を冷却処理することにより、リン酸基と金属化合物との反応により生成される酸成分を析出させて分離し、当該酸成分が分離された単量体組成物を重合処理することにより得られることを特徴とする光学材料。
  3. 酸成分の含有割合が、重合体100質量部あたり3質量部以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学材料。
  4. リン酸基と、金属イオンとが重合体中に含有されてなる合成樹脂製の光学材料を得るための製造法であって、
    リン酸基含有単量体および共重合性単量体からなる混合単量体と、金属化合物とを含有する単量体組成物を冷却処理することにより、リン酸基と金属化合物との反応により生成される酸成分を析出させて分離する冷却分離工程と、
    この冷却分離工程を経た単量体組成物を重合処理する重合工程とを有することを特徴とする光学材料の製造法。
  5. リン酸基含有単量体が下記式(1)で表されることを特徴とする請求項4に記載の光学材料の製造法。
    Figure 0003709261
  6. リン酸基と、金属イオンとが重合体中に含有されてなる合成樹脂製の光学材料を得るための製造法であって、
    単量体成分と、リン酸基含有化合物と、金属化合物とを含有する単量体組成物を冷却処理することにより、リン酸基と金属化合物との反応により生成される酸成分を析出させて分離する冷却分離工程と、
    この冷却分離工程を経た単量体組成物を重合処理する重合工程とを有することを特徴とする光学材料の製造法。
  7. リン酸基含有化合物が下記式(2)で表されることを特徴とする請求項6に記載の光学材料の製造法。
    Figure 0003709261
  8. 金属化合物を構成する金属イオンのうち、50質量%以上が銅イオンであることを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の光学材料の製造法。
  9. 単量体組成物を構成する金属化合物として、カルボン酸の金属塩が含有されていることを特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれかに記載の光学材料の製造法。
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