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JP3784847B2 - 肝・胆管系疾患予防・治療剤 - Google Patents

肝・胆管系疾患予防・治療剤 Download PDF

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JP3784847B2 JP26597194A JP26597194A JP3784847B2 JP 3784847 B2 JP3784847 B2 JP 3784847B2 JP 26597194 A JP26597194 A JP 26597194A JP 26597194 A JP26597194 A JP 26597194A JP 3784847 B2 JP3784847 B2 JP 3784847B2
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、人間用又は動物用の新規な医薬に関するものであり、さらに詳しく言えば、自己免疫性のあるいは外来異物・薬物による肝臓・胆管系組織・細胞の損傷・破壊等の各種疾患により生ずる障害や肝・胆管系機能低下に対し、それらを予防・治療する薬剤に関するものであり、さらに肝臓移植手術の際の移植肝の摘出および保存中に生じる組織・細胞の損傷、肝機能の低下に対し、それを予防・治療する薬剤に関するものであり、また、移植後の肝臓の生着を向上させる薬剤に関する。
【0002】
【背景技術】
肝臓はヒト体内の最大の器官で右上腹部にあり、体重のおよそ1/50の重量を有する。肝臓組織は約50万の幹細胞からなる肝小葉が約50万集まって形づくられているが、他に胆管上皮および血管結合織に属する種々の細胞が含まれる。肝機能の本体は生体の物質代謝とその調節である。腸管から吸収されるあらゆる外来性物質は、一部がリンパ管−大静脈系を経、他の大部分は門脈を介して、肝に入る。糖類、タンパク質、脂質などの有機性栄養物質を肝は同化し、貯え、必要に応じて全身の組織・細胞におけるエネルギー源として利用しうる形で提供する。また血球破壊の結果ヘモグロビンから生成されるビリルビンの排泄機能を肝は有し、胆汁酸を含む胆汁を補助因子とした胆管胆嚢系がそれを担う。ビリルビン排泄における抱合は、生体における解毒・薬物代謝の1つであり、肝細胞ミクロソームなどで、酸化、還元、加水分解、抱合などの解毒作用が行われる。
【0003】
肝は、このように外来性異物、特に薬物などの解毒機能を有するが、この代謝過程で、肝自体が損傷を受け、肝障害が発生し、肝炎、肝硬変などの病像を呈することがある。これら薬剤性肝障害は大別して、薬物そのものによる中毒性肝障害と、薬物そのものに対する感作でなく、薬物代謝により産生される活性化物質が、キャリア蛋白と結合してハプテンとなり、感作する過程がある過敏性肝障害とがある。これら肝障害を惹起させる薬物には、各種心臓病薬、血圧調節薬、向精神薬、抗菌・抗ウイルス剤・抗生物質、抗癌剤等の化学療法剤ほかハローセンなどの麻酔薬、各種有機溶媒など多数が存在する。また中心静脈栄養(IVH、TPN)療法、放射線療法による肝障害も、往々経験される。
【0004】
一方また、原発性胆汁性肝硬変(primary billiary cirrhosis,PBC)などの自己免疫性肝疾患や、骨髄移植や臓器移植などの際の移植片対宿主反応(graft−versus−host reaction)による自己免疫性の肝障害、すなわち肝小葉間胆管や中心静脈門脈域の細胞浸潤と肉芽腫、また慢性非化膿性破壊性胆管炎(chronic non−suppurative destructive cholangitis,CNSDC)、さらには、骨髄移植時の血管内皮細胞などの障害による肝中心静脈および小葉下静脈の非血栓性閉塞による循環障害に基づく肝実質の出血、壊死等の進行性肝障害・不全の病態を呈する肝中心静脈閉塞症[肝VOD(veno occulsive disease)]なども難治な肝障害として知られるようになった。
【0005】
またさらに肝炎を惹起させる肝炎ウイルス(A,B,C,D,E型)、特にB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス(それぞれHBV,HCV)の感染による、肝障害は重篤なものであり、とりわけHCVの感染・潜在化は肝硬変、さらには肝癌にも行きつくものであり、インターフェロンや抗ウイルス剤のみでは、HCVのすべてのタイプの感染患者を治療できない状況にある。
【0006】
さらにまた近時、肝臓移植が行われてきているが、移植肝の損傷を抑え、予後良好な移植の成功率を高めるための薬物療法の改善・向上が待たれている。
【0007】
【発明の目的】
本発明はかかる自己免疫性肝障害、薬物性肝障害、ウイルス性肝障害等を含む、各種原因による肝臓・胆管系組織・細胞の損傷・破壊などに基づく肝・胆管系障害を予防・治療する薬剤を見出し、提供することを目的とする。
【0008】
【発明の開示】
本発明者らは、生体に本来存在する生体防御能を増強するような薬剤を開発することを目的として、安全性の高い天然由来の各種ペプチド類につき、自己免疫性の、また、薬物、ウイルス等外来異物による肝臓組織・細胞の損傷・破壊および肝臓機能の低下等を防護するための予防・治療剤また肝毒性を阻止・軽減する薬剤として有用な物質を鋭意探索した結果、血清胸腺因子(Facteur thymique serique:FTS)として知られるノナペプチドおよびその誘導体又はそれらの塩類又はそれら各化合物と金属との結合物が、原発性胆汁性肝硬変(PBC)などの自己免疫性肝疾患や肝中心静脈閉塞症などの実験モデルにおいて、またシスプラチン等白金化合物系抗癌剤、アドリアマイシン、5−FU、サイクロホスファミド等抗癌剤、アミノグリコシド系抗生物質、またその他薬剤や高カロリー輸液を投与されたマウス、ラット、ハムスター、スナネズミ、モルモット、ウサギ、イヌ、サル、バブーンに惹起される肝臓組織・細胞の損傷・破壊および肝臓機能の低下を防護し、損傷を予防・治療することならびに、肝毒性を軽減し、さらにはこれら動物の死亡を阻止することを見出した。
【0009】
また微生物即ち細菌、ウイルス、真菌、原虫類等の感染、放射線照射等によるマウス、ラット、ハムスター、スナネズミ、モルモット、ネコ、イヌ、ニワトリ、七面鳥等の肝臓組織・細胞の損傷・破壊および肝機能の低下を防護し、損傷を予防・治療すること、さらにはこれら動物の死亡を阻止することを見出した。本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、自己免疫性の肝障害や骨髄移植時の肝障害、さらには外来異物即ち各種薬剤、輸液の生体投与、細菌・ウイルスの感染、放射線照射等により外来的に惹起される肝臓の障害を防護するための予防・治療剤を提供するものである。更に、本発明は肝臓移植手術の際の移植肝の摘出および保存中に生じる組織・細胞の損傷、肝機能の低下を防護するための薬剤、そして移植後の肝臓の生着を向上させるための薬剤を提供するものである。
【0010】
本発明者らは、先にFTSとして知られるノナペプチドが多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、炎症性神経炎、多発性神経炎などや他の免疫性神経疾患、脱髄疾患などの免疫不全を伴う各種疾患の治療剤として、また老化防止、細胞賦活、老人病予防・治療のための薬剤として、さらにまた内因性の腎炎の治療剤として好適であることを見出し、このような治療剤を提供したが(特開昭58−52225号、特開平1−316328号及び特開平3−178933号公報参照)、FTSとして知られるノナペプチドが、自己免疫性の肝障害、各種の薬剤投与、放射線照射、中心静脈栄養療法、細菌・ウイルス真菌・原虫類等の感染、骨髄移植時等外来異物が惹起する肝臓障害に基づく各種の肝疾患を防護するための予防、治療効果を有するという事実はまた肝臓移植手術の際の移植肝の摘出および保存中に生じる組織・細胞の損傷・肝機能の低下を防護し、さらに移植後の肝臓の生着を向上させうるという事実は、本発明者らによって初めて見出されたことであり、従来技術からは全く予期し得ないことである。
【0011】
かくして本発明は、下記のアミノ酸配列:
pGlu−Ala−Lys−Ser−Gln−Gly−Gly−Ser−Asn
を有するノナペプチド又はそのC末端のアスパラギンのカルボキシル基におけるエステル又はアミド又はそれら各化合物の薬学的に許容し得る塩又はそれら各化合物と金属との結合物を有効成分として含有することを特徴とする肝臓・胆管系組織・細胞の損傷・破壊および肝臓機能の低下を防護する予防・治療剤を提供するものである。
【0012】
本発明において使用される前記のノナペプチドは公知物質であって、通常ペプチド合成に慣用されている液相又は固相におけるペプチド合成法例えば、特開昭54−16425号公報、USP4,301,065記載の方法により、困難なく製造することができる。あるいはまた、このノナペプチドは、遺伝子工学的方法、細胞工学的方法によっても調製することができる。
【0013】
本発明において使用される前記のノナペプチドのC末端のアスパラギンのカルボキシル基におけるエステルは、薬学的に許容し得るカルボン酸のエステル類であり、その例としては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、tert−ブチルエステル、n−ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ネオペンチルエステル、tert−ペンチルエステル、n−ヘキシルエステル、sec−ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、sec−オクチルエステル、tert−オクチルエステル、ノニルエステル、
【0014】
デシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタデシルエステル、ノナデシルエステル、エイコシルエステル、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステル、シクロヘプチルエステル、シクロオクチルエステル、アリルエステル、イソプロペニルエステル、ベンジルエステル、
【0015】
o−、m−、又はp−クロルベンジルエステル、o−、m−、又はp−フルオルベンジルエステル、o−、m−、又はp−ブロムベンジルエステル、o−、m−、又はp−ヨードベンジルエステル、o−、m−、又はp−メチルベンジルエステル、o−、m−、又はp−エチルベンジルエステル、o−、m−、又はp−イソプロピルベンジルエステル、シンナミルエステル、アミノエチルエステル、o−、m−、又はp−アミノベンジルエステル、
【0016】
o−、m−、又はp−ニトロベンジルエステル、o−、m−、又はp−メトキシベンジルエステル、o−、m−、又はp−エトキシベンジルエステル、o−、m−、又はp−アミノフエネチルエステル、α−フルフリルエステル、α−チエニルメチルエステル、α−ピリジルメチルエステル、α−ピリジルエチルエステル、ピペリジノメチルエステル、α−ピペリジルメチルエステル、モルホリノエチルエステル、α−モルホリニルメチルエステルなどがあげられる。
【0017】
また、本発明において使用される前記のノナペプチドのC末端のアスパラギンのカルボキシル基におけるアミドは、薬学的に許容し得るカルボン酸のアミド類であり、その例としては、アミド、メチルアミド、エチルアミド、プロピルアミド、イソプロピルアミド、n−ブチルアミド、イソブチルアミド、tert−ブチルアミド、n−ペンチルアミド、イソペンチルアミド、ネオペンチルアミド、tert−ペンチルアミド、n−ヘキシルアミド、sec−ヘキシルアミド、ヘプチルアミド、オクチルアミド、sec−オクチルアミド、tert−オクチルアミド、ノニルアミド、
【0018】
デシルアミド、ウンデシルアミド、ドデシルアミド、トリデシルアミド、テトラデシルアミド、ヘキサデシルアミド、オクタデシルアミド、ノナデシルアミド、エイコシルアミド、シクロペンチルアミド、シクロヘキシルアミド、シクロヘプチルアミド、シクロオクチルアミド、アリルアミド、イソプロペニルアミド、ベンジルアミド、
【0019】
o−、m−、又はp−クロルベンジルアミド、o−、m−、又はp−フルオルベンジルアミド、o−、m−、又はp−ブロムベンジルアミド、o−、m−、又はp−ヨードベンジルアミド、o−、m−、又はp−メチルベンジルアミド、o−、m−、又はp−エチルベンジルアミド、o−、m−、又はp−イソプロピルベンジルアミド、シンナミルアミド、アミノエチルアミド、o−、m−、又はp−アミノベンジルアミド、o−、m−、又はp−ニトロベンジルアミド、o−、m−、又はp−メトキシベンジルアミド、o−、m−、又はp−エトキシベンジルアミド、o−、m−、又はp−アミノフエネチルアミド、
【0020】
α−フルフリルアミド、α−チエニルメチルアミド、α−ピリジルメチルアミド、α−ピリジルエチルアミド、ピペリジノメチルアミド、α−ピペリジルメチルアミド、モルホリノエチルアミド、α−モルホリニルメチルアミド、メトキシカルボニル−(α−メルカプトメチル)メチルアミド、エトキシカルボニル−(α−メルカプトメチル)メチルアミドなどがあげられる。
【0021】
また、前述の薬学的に許容し得る塩としては、前記のノナペプチドのアミノ基における酸付加塩およびカルボキシル基における塩基塩があげられる。酸付加塩としては、有機酸又は無機酸との各塩があげられ、それらの例としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、フマル酸、りんご酸、マレイン酸、しゅう酸、ナフトエ酸などのカルボン酸との塩、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸との塩、があげられる。
【0022】
上記の塩基塩としては、無機塩基との塩すなわち、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、あるいは有機塩基との塩すなわち、アミンとの塩があげられ、それらの例としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、エタノールアミン塩、トリス塩、ジシクロヘキシルアミン塩などがあげられる。
【0023】
前記の各化合物と金属との結合物における金属としては亜鉛、鉄、マグネシウム、コバルト、ニッケル、クロム、金、ゲルマニウム、ガリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、銅、マンガン、セレンなどの1価、2価、3価又は4価の金属が例示される。
【0024】
本発明に係わる肝臓組織・細胞の損傷・破壊、肝臓機能の低下、肝毒性等の障害の予防・治療剤は、その剤型に応じて通常、慣用の製剤手段を用いて調製される。すなわち、上記のノナペプチドならびにそのエステル又はアミド誘導体もしくはそれらの塩類又はそれら各化合物と金属との結合物から選ばれた有効成分物質を、適宜、薬学的に許容し得る担体、賦形剤、希釈剤などを用いて、適当な剤形に調製する。剤形は外用、経口投与、非経口投与等々の投与経路に適した種々の剤形とすることができる。
【0025】
本発明に係わる肝臓組織・細胞の損傷・破壊、肝臓機能の低下、肝毒性等の障害の予防・治療剤の効果は下記の如き生物試験により確認されている。マウス等牌細胞からTリンパ球を分離し、その子孫のFマウス等に一定期間ごとに、移入することによって肝障害を惹起させる自己免疫性肝損傷モデルで、FTSノナペプチドの効力を下記のような検索方法で検討・確認できた。
【0026】
また、薬物、アルコール投与により惹起される肝臓組織・細胞の損傷・破壊等の予防・治療の試験においては、マウス、ラット、ハムスター、スナネズミ、モルモット、イヌ、サル、バブーン等哺乳動物を用い、これら動物に対し、シスプラチン等白金系錯体抗癌剤、アドリアマイシン、ダウノマイシン、メソトレキセート、ニトロソウレア、5−FU等5−FU系抗癌剤、シクロホスファミド、マイトマイシンC、エトポシド、ビンクリスチン、ストレプトゾトシン、ミスラマイシン等の各種抗癌剤、またゲンタマイシン、トブラマイシン、ジベカシン、シソマイシン、ネチルマイシン、ミクロノマイシン、カナマイシン、アミカシン、アストロマイシンなどのアミノグリコシド系抗生物質、バンコマイシン、アンホテリシンB、
【0027】
またセファロリジン、セファロチン、セファレキシン、セファラジン、セフォキシチンなどのセファロスポリン系およびメチシリン、アンピシリン、カルベニシリン、オキサシリンなどのペニシリン系のβ−ラクタム抗生物質、マクロライド系抗生物質、リファマイシン、またアシクロビル、AZT、DDI、DDCなどの抗ウイルス剤、またアザチオプリン、シクロスポリンA、FK−506、ラパマイシン、RS−61443、15−デオキシスパーガリン等の免疫抑制剤、カプトプリル、プロプラノロール、フロセミド、サイアザイド系利尿剤、シメチジン、リチウム製剤、フェニトイン、バルプロ酸、インドメサシン、フェナセチン、アスピリン、ナプロキセン、フェノプロフェン、金製剤、D−ペニシラミン、ブシラミン、プロベネシド、ヨード系造影剤またハローセン等薬剤、
【0028】
あるいは四塩化炭素、ガラクトサミンなどの試剤を非経口あるいは経口で所定量を、単回あるいは隔日に投与し、一定期間経時的に血液検査、尿検査を行い、血清GOT、血清GPT、γ−GTP、ビリルビン、ラクテートヒドロゲナーゼ(LDH)、コリンエステラーゼ、アルカリフォスファターゼ(ALP)、トランスグルタミナーゼなどを測定し、その際、上記のノナペプチドの所定量をこれら薬剤の投与に先立って、あるいは投与直後から、連日あるいは隔日に、所定の期間、腹腔内注射、皮下注、筋注、静注、経口などの各種の投与ルートで投与し、対照群とノナペプチド投与群との間の血液、尿検査値、臓器重量値、体重測定値、病理組織像さらには生存率などを比較・観察した。
【0029】
また高カロリー輸液の中心静脈栄養療法を施したラットや、またX線やγ線などの放射線を照射したマウス等、またC型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、マウス肝炎ウイルスなど、また大腸菌、緑膿菌などを感染させたマウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウッドチャック、ニワトリ、ネコ、イヌ、ブタ、ウマ、ウシ、七面鳥などを実験動物として用意し、上記と同様の試験を行った。
【0030】
これら試験結果によると、対照群マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ブタなどが、薬剤の投与量の増加に応じて、肝臓組織損傷・破壊の程度が増し、肝臓逸脱酵素の量の増大あるいは減少が、一定の期間認められ、肝の線維化が進み、更には死亡に至るものが現れるのに対して、ノナペプチド投与群においては、肝臓逸脱酵素の量の増大あるいは減少が抑制されるか、正常化すること、さらに死亡を阻止することが認められた。
【0031】
また菌・ウイルス感染肝障害の場合、ノナペプチド投与群においては、肝組織中および血中の菌・ウイルス由来の核酸量が減少することがわかった。一方、各動物の肝臓採取による肉眼的観察、また組織の主化学的検査(各酵素類の含量、水含量などの測定)、病理学的検査、放射性ガリウム(67Ga)によるイメージングなどを行うことによっても、ノナペプチド投与群において各パラメーターは、対照群に比べて、正常コントロール動物に近いか正常化した形状と病理像、検査値、取り込みイメージなどをとることが示された。
【0032】
一方また中心静脈栄養で高カロリー輸液等を動物に投与する際、生じる肝臓障害が、上記ノナペプチドの所定量を種々の投与ルートで投与すると、対照群に比べて、ノナペプチド投与群では、障害の程度と頻度において軽減することが明らかにされた。さらに肝臓移植の時に、拒絶反応を抑えるため、アザチオプリン、シクロスポリン、FK−506などの免疫抑制剤を用いるが、これら免疫抑制剤自身による過度の免疫反応や臓器障害が起きるが、移植に先立って、あるいは移植直後から、連日あるいは隔日に、所定の期間、上記のノナペプチドの所定量を種々の投与ルートで投与すると、対照群に比べて、ノナペプチド投与群は肝臓の障害が減り、肝臓の生着率が高まることが示された。
【0033】
さらに、肝臓のドナーから肝臓を摘出する際に、摘出前より一定期間ドナーに上記ノナペプチドを投与し、また摘出した肝臓をレシピエントに移植するまでの間、上記ノナペプチドを含有する保存中で保存すると、生着率がより高まることがわかった。またこのような肝移植術や肝切除術の際、肝の血行を遮断し、しかるのち血行を再開するが、これに伴う肝虚血再灌流障害が高頻度におこる。血管を遮断した後、血行を再開したラットに術前、術中、術後とノナペプチドを投与すると、肝障害の程度は大いに軽減した。そしてこれら肝臓障害動物のいずれにおいても、肝臓標本の組織化学的、病理学的検査において、ノナペプチド投与群は、正常化あるいは障害の軽減化が見られた。
【0034】
本発明に係わる薬剤における有効成分物質の毒性を検討するため、マウスに対し、有効成分物質ノナペプチド100mg/kgを連日14日間皮下投与したが外見的に何ら異常は見られなかった。また、ラットに対し、同有効成分物質30mg/kgを連日21日間、皮下投与したが、外見的にも血清生化学的にも、また病理解剖を行った結果でも、何ら異常は見られなかった。このように、本発明に係わる薬剤は、きわめて毒性の少ない安全な薬剤であり、長期間投与することが可能である。
【0035】
本発明に係わる薬剤を投与することができる対象動物としては、例えばヒト及びウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコなどの家畜、ライオン、ゾウ、キリン、クマ、ゴリラ、サル、チンパンジー、タヌキ、キツネ、イタチ、ミンクなどの動物園等で飼育されている哺乳類動物、マウス、ラット、ハムスター、スナネズミ、モルモットほか各種の実験動物、ニワトリ、七面鳥などの家禽類、ペット用の鳥類、爬虫類、両棲類、魚類などがあげられる。
【0036】
その投与量はこれら動物の体重1kgあたり通常、0.1μg〜500mg/日で、これらは、例えば、1日1回〜6回に分割投与してもよく、また投与対象者の年齢、病状などにより適宜投与量を増減することができる。その投与経路は特に限定されないが、静脈内、筋肉内、皮内、皮下に注射投与することもできる。
【0037】
また軟膏剤を調製することにより、眼部、口腔内、鼻腔内、皮膚などに塗布することができ、坐薬やゼリー剤、点眼剤、点鼻剤、鼻口腔吸収剤、エアロゾル剤、噴霧剤、経口剤などとして投与することもできる。有効成分物質の生体内での急速な分解あるいは不活性化を阻止するために、有効成分物質を適当な製剤成分、たとえば、アルコール性、レシチンなどの油性、脂肪性の生理的に無害な固体または液体材料あるいはそれらの懸濁物リポソームなどを用いて製剤とし長時間活性が持続する製剤とすることもできる。
【0038】
本発明に係わる薬剤は、他の薬剤、たとえば免疫賦活剤等のbiological response modifierや各種の細胞増殖・分化因子、また各種の肝臓病薬、化学療法剤などとともに投与することもでき、また、これらを製剤中に添加し、合剤として臨床効果を高めることができる。
【0039】
以下に実施例および実験例を記載し、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら各例によって限定されるものではない。
以下、実施例中の記載において、前記のノナペプチドを便宜上、FTSと略記する。
【実施例】
【0040】
実施例1 注射用バイアル製剤
FTS・CHCOOH・2HO(三井製薬工業社製)1mgを蒸留水に溶解し、除菌濾過し、バイアル内に充填し、凍結乾燥した。
【0041】
実施例2 注射用アンプル製剤
FTS・CHCOOH・2HO(三井製薬工業社製)5mgを生理食塩水に溶解し、除菌濾過し、アンプル内に充填した。
【0042】
実施例3 皮下注射用注射剤
FTS・CHCOOH・2HO(三井製薬工業社製)を単位投与量あたり2mgを2%カルボキシメチルセルロースPBS(リン酸緩衝生理食塩水)溶液中に懸濁し、大豆ホスフアチドからなるLipomal(Huhtamaki Oy/Leiras Pharmaceuticals社製)あるいは静脈用水中油型乳濁液であるIntralipid(Cutter Laboratories社製)と混合した。Lipomalを用いる場合は、FTS溶解液PBS溶液とLipomalは等量ずつ混ぜ合わせた。Intralipidを用いる場合は、FTS溶解PBS溶液2.5ml、Tween 80(Sigma Chemicals社製)0.1ml及びIntralipid4.6mlを混ぜ合わせた。
【0043】
実施例4 リポソーム製剤
リポソーム製剤には、電荷の異なる3種類があり、それらが、更に構造上から、4種類に分類される。
電荷は中性、陽性、陰性の3種であり、構造的には多重層リポソーム(MLV、multilamellar vesicle)、小さな一枚膜リポソーム(SUV、small unilamellar vesicle)、および大きな一枚膜リポソーム(LUV、large unilamellar vesicle)、更にLUVに近似の構造を有しながら数枚膜のもの(REV、reverse−phase evaporation vesicle)の4種類が知られている。
【0044】
▲1▼ FTS封入中性電荷リポソーム
ホスフアチジルコリン類、スフインゴミエリン等のリン脂質、およびコレステロールのクロロホルム溶液をモル比2:1、4:1、あるいは1:1となるように混合し、一旦溶媒を減圧留去したものに、脂質量に対し1/100〜1/1000当量のFTSのPBS(リン酸緩衝生理食塩水)溶液を添加し、vortex mixerにて十分混和すると、MLVが得られた。
更に、リン脂質の相転移温度(Tc)以上で超音波処理することによりSUVが得られた。
【0045】
得られたSUVに塩化カルシウム水溶液を加え、37℃で1時間インキュベートして融合させた後、EDTAを添加し、37℃で30分間インキュベートしてCa++を除くと、LUVが得られた。
REVは以下の通りにして調製される。すなわち脂質のクロロホルム溶液から溶媒を減圧留去した後、ジエチルエーテルを適当量加えて充分に溶解したものに、FTSのPBS溶液を加え、超音波処理すると均一な単相の溶液となった。得られた溶液を室温にて減圧濃縮した後、PBS溶液を加え、Vortex mixerにて充分に混和すると、REVが得られた。
【0046】
▲2▼ FTS封入陽性電荷リポソーム
脂質の構成成分が異なるだけで、調製方法は上記中性電荷リポソームの場合と同様である。
ホスフアチジルコリン類、スフインゴミエリン等のリン脂質、コレステロール、およびステアリルアミン等の陽性電荷の高級脂肪族アミンをモル比で7:2:1又は4:1:1で混合して、脂質成分とし、同様の方法でFTSを封入した。
【0047】
▲3▼ FTS封入陰性電荷リポソーム
ホスフアチジルコリン類、スフインゴミエリン等のリン脂質、コレステロールおよびジセチルホスフエート、スルフアチド等の陰性電荷の高級脂肪族エステル等をモル比で7:2:1又は4:1:1で混合して、脂質成分とし、同様の方法でFTSを封入した。
【0048】
実施例5 軟膏剤
FTS・CHCOOH・2HO(三井製薬工業社製)2mgを精製水に溶解した。次に白色ワセリン25g、ステアリルアルコール20g、HCO−604gおよびモノステアリン酸グリセリン1gをとり、混和して予め調製したプロピレングリコール12g、パラオキシ安息香酸メチル0.1g、パラオキシ安息香酸プロピル0.1gの水溶液(FTS含有)を加えて充分に混和し、乳液とした後、冷却して固化するまで混和操作を続けて調製した。
【0049】
実施例6 坐剤
FTS・CHCOOH・2HO(三井製薬工業社製)10mgを予め加温したハードファットに分散し、全量を2gとした。
【0050】
実施例7 経鼻用カプセル剤
FTS 0.05mgを無菌条件下で29.95mgのミグリオル812中性油(ダイナマイトノーベル社製)に溶解した。この溶液を常用の単位投与用投与器に充填し、これを使用前に駆動カプセルに装着した。
【0051】
実施例8 点鼻剤
蒸留水に以下の量のリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、塩化ナトリウム及びEDTA−ジナトリウム塩を室温にて溶解した。この溶液にFTSを溶解し、メンブランフィルターにより濾過した。
【0052】
FTS・CHCOOH・2HO 0.10mg
リン酸一水素ナトリウム・2HO 0.30mg
リン酸二水素ナトリウム・12HO 10.10mg
塩化ベンザルコニウム 0.10mg
エチレンジアミン四酢酸−ジナトリウム塩(EDTA) 0.50mg
塩化ナトリウム 4.50mg
蒸留水 987.60mg
pH値 5.0±0.3
【0053】
実施例9 経鼻用スプレー製剤
FTS・CHCOOH・2HO(三井製薬工業社製)2mgをヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースに懸濁し、噴霧製剤機にてスプレー用剤とした。
【0054】
以下に、本発明の薬剤に関する薬理実験、毒性実験の例を掲げる。
【実験例】
【0055】
実験例1 アドリアマイシン投与マウスにおける効果
雄性9週令のC3H/HeNマウス(日本SLC)を3群に分け用意した。第1群のマウス5匹にはアドリアマイシン(協和発酵)12mg/kg腹腔内投与2日前から7日間連続、FTS・CHCOOH・2HO(以下各実験例の記載中において、FTS物質と略記する)を生理食塩水に溶かし、1日1回10μgずつ皮下投与した。第2群のマウス5匹には第1群のFTS物質のかわりに、生理食塩水を0.1mlずつ皮下投与した。
【0056】
第3群の4匹のマウスには生理食塩水のみを7日間連続皮下投与し、正常コントロール群とした。アドリアマイシン投与後7日目にエーテル麻酔下に、マウスの腋下大動静脈を切断し、採血し、常法により血清生化学検査を行った。正常コントロール群の血清GPT値は69±16mU/mlであり、ALP値は232±13mU/ml、LDH値は2086±112mU/mlであった。アドリアマイシン+生食投与群の値は、GPT;108±12、ALP;139±2、LDH;1614±210であった。
【0057】
これに対しアドリアマイシン+FTS物質投与群の値は、GPT;65±3、ALP;210±27、LDH;2065±234であった。FTS物質投与群と生食投与群との間には、GPTについてはp<0.01、LDHについてはp<0.05で有意差があり、FTS物質投与群は血清生化学値が正常化することが示され、肝臓組織の破壊・損傷が、FTS物質投与により阻止されることが明らかにされた。
【0058】
実験例2 エトポシド投与マウスにおける効果
実験例1におけるアドリアマイシンのかわりに、エトポシド(日本化薬)を20mg/kgマウスに投与した。他の条件は実験例1とすべて同じである。正常コントロール群の血清GPT値は69±16mU/mlであり、GOT値は148±28mU/mlであり、T−BIL値は0.38±0.11mg/dlであり、ALP値は232±13mU/mlであり、LDH値は2086±112mU/mlであった。エトポシド+生食投与群の値は、GPT;34±6、GOT;58±8、T−BIL;0.20±0.03、ALP;198±6、LDH;1609±171であった。
【0059】
これに対しエトポシド+FTS物質投与群の値は、GPT;92±6、GOT;253±34、T−BIL;0.32±0.04、ALP;215±7、LDH;2714±171であった。FTS物質投与群と生食投与群との間にはGPTについてはp<0.001、LDHについてはp<0.01で、GOT、T−BILについてはp<0.05で有意差があり、FTS物質投与群は肝臓損傷のパラメーターを改善することが示された。
【0060】
実験例3 放射線照射マウスにおける効果
実験例1におけるアドリアマイシンのかわりに、800RのX線をマウスに照射した。他の条件は実験例1とすべて同じである。正常コントロール群の血清GPT値は69±16mU/mlであり、GOT値は148±28mU/mlであり、T−BIL値は0.38±0.11mg/dlであり、ALP値は232±13mU/mlであった。X線+生食投与群の値は、GPT;37±13、GOT;80±21、T−BIL;0.18±0.03、ALP;119±18であった。
【0061】
これに対しX線+FTS物質投与群の値はGPT;84±21、GOT;181±26、T−BIL;0.35±0.07、ALP;200±25であった。FTS物質投与群と生食投与群との間にはGOTとALPにおいてp<0.001で、GPTとT−BILにおいてp<0.01で有意差があり、FTS物質投与群は肝臓損傷のパラメーターを正常化することが示された。
【0062】
実験例4 シクロスポリン投与マウスにおける効果
雄性6週令のC3H/HeJマウス(日本クレア)を3群に分け用意した。第1群のマウス5匹には、シクロスポリン(サンド薬品)200mg/kg皮下投与2日前から5日間連続、FTS物質を生食に溶かし、1日1回10μgずつ腹腔内投与した。第2群のマウス5匹には第1群のFTS物質のかわりに、生食を0.1mlずつ腹腔内投与した。第3群のマウス5匹には生食のみを5日間連続腹腔内投与し、正常コントロール群とした。シクロスポリン投与後3日目にマウスを屠殺し、血清生化学検査を行った。正常コントロール群の血清GPT値は16.0±0.8KU/リットルであり、BUNは27.5±0.6mg/dl、T−BILは0.08±0.01mg/dlであった。シクロスポリン+生食投与群の値は、GPT;36.8±3.4、BUN;40.5±4.6、T−BIL;0.42±0.09であった。
【0063】
これに対しシクロスポリン+FTS物質投与群の値は、GPT;15.0±2.3、BUN;24.8±0.4、T−BIL;0.30±0.03であった。FTS物質投与群と生食投与群との間には、GPTについてはp<0.01、BUNについてはp<0.05で有意差があり、FTS物質投与群は血清生化学値が正常化することが示され、肝臓等の組織の破壊・損傷が、FTS物質投与により抑制されることが明らかにされた。
【0064】
実験例5
Ia抗原の異なるC57BL/6(B6)マウスとB6.C−B−2bm12(bm12)マウスとを用意した。B6マウスの脾細胞からナイロンウールカラム法によって非付着性のT細胞を得た。その1〜2×10個を(bm12×B6)Fマウスに1週間隔で2回移入し、GVHRを惹起させた。GVHRが起こっていることは脾指数(脾重量(mg)÷マウス体重(g))の増加によって知ることができる。これらマウスを2群に分け、第1群にはFTS物質生食溶液を、細胞移入2日前から連日14日間(屠殺の2日前まで)500μg/kg体重、0.1ml/10g体重になるようにi.p.投与した。
【0065】
第2群には同様にして、生食のみを投与し、マウスはそれぞれ最初の細胞移入から14日目に屠殺した。ついで肝の一部をホルマリン固定し、常法によってヘマトキシリン−エオジン(HE)染色を施した。これを光学顕微鏡下で病理学的検索を行い、病変の程度をスコア化した。第2群のマウスでは、脾腫をきたし、肝小葉間胆管や中心静脈門脈域に細胞浸潤と肉芽腫がみられ、また慢性非化膿性破壊性胆管炎(choronic non−supprative destructive cholangitis,CNSDC)が認められた。
【0066】
スコアは400倍で検鏡した時、細胞浸潤の程度が100個以下の細胞浸潤を1とし、100−400個を2とし、400個以上を3とした。CNSDCと肉芽腫に関しては、スコア化が困難なために、ある(+)か、なし(−)かで表した。FTS物質を投与することにより、細胞浸潤の程度は明らかに弱くなっており、また肉芽腫の形成も弱い個体が多かった(4/6)。
【0067】
このようにFTS物質はGVHRを抑制し、またGVHRが引き金となる自己免疫疾患様病態を抑えることが明らかにされた。この動物モデルが自己免疫性の原発性胆汁性肝硬変(PBC)等の肝臓疾患やSjogren症候群等の唾液腺の疾患の病態モデルとして有用である(Clin.Immunol.Immunopath.,49,166−172(1988))ことから、FTS物質は胆汁性肝硬変や唾液腺炎などの発症を予防・治療できることが期待される。
【0068】
実験例6 毒性試験
ddy系5週令雄性マウス1群5匹に、FTS50mg/kg及び100mg/kgをそれぞれ連日14日間、皮下投与したが、何ら毒性は見られなかった。
【0069】
実験例7 毒性試験
5週令のウイスターラット1群10匹に、FTS30mg/kgを連日21日間、皮下投与したが、何ら毒性は見られなかった。
【0070】
以上述べたように、自己免疫性肝障害、肝臓移植術や肝切除術などによる肝障害、肝虚血再灌流障害あるいは各種の薬物療法、中心静脈栄養療法、放射線照射、細菌、ウイルス感染などの外来異物に基づく肝臓組織・細胞の損傷・破壊、また肝臓の機能低下などから、肝臓を防護し、損傷を治療するための薬剤は今なお求められている。本発明に係わる薬剤は、直接的に、あるいは間接的に種々の作用を通して生体防御系を活性化して、上記のような肝臓組織・細胞の損傷・破壊、肝臓の機能低下等に対し優れた予防・治療効果をもたらす点で画期的なものである。
【0071】
また、本発明において使用するノナペプチドは動物由来のペプチドであり天然物質でもあるので、類似のアミノ酸配列を持つ他のFTS類縁体と異なり、生体においても全く無害であり、抗原性、アナフラキシーショックなどの問題も存在せず、安全性の点で問題は全く存在しない。

Claims (1)

  1. 下記のアミノ酸配列:pGlu−Ala−Lys−Ser−Gln−Gly−Gly−Ser−Asnを有するノナペプチド又はその薬学的に許容し得る塩を有効成分として含有することを特徴とする、放射線照射時および造血系・血液成分の移植・輸血時における場合を除く、肝臓・胆管系組織・細胞の損傷・破壊および肝臓機能の低下を防護するための予防・治療剤。
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