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JP3779575B2 - 三次元表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、三次元表示装置に係わり、特に、複数の観察者に、三次元立体像を表示する際に有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
観察者から見て異なった奥行き位置にある複数の表示面に、二次元像を表示し、かつ、それぞれの表示面に表示される二次元像の輝度を独立に変化させて、三次元立体像を連続的に表示可能な三次元表示装置が、例えば、特許第3022558号明細書(以下、文献(イ)という。)に開示されている。
この文献(イ)に記載されている三次元表示装置は、光学的に、複数の表示面、例えば、表示面Aと、表示面Bの2個の表示面を観察者から見て異なった奥行き位置に配置する。
ここで、表示面Aのほうが、表示面Bよりも観察者側に近いものとする。
【0003】
そして、表示面Aと表示面Bの間に存在する三次元物体の三次元立体像を表示する場合には、三次元物体を観察者から見て表示面Aと表示面Bとに射影した二次元像を生成し、これらの二次元像を、表示面Aと表示面Bとに各々表示し、かつ、これらの二次元像の輝度を三次元物体の奥行き位置に応じて変化させる。
このようにすることで、二次元像は、表示面Aと表示面Bの奥行き位置のみに表示されるにも拘わらず、観察者には、三次元物体の奥行き位置にあると感じさせることができる。
このように、前述の文献(イ)に記載の三次元表示装置では、立体視の生理的要因間の矛盾を抑制でき、かつ情報量を少なくでき、電気的に書き換え可能な三次元動画像を再生することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述の文献(イ)に記載の三次元表示装置では、表示面Aに表示される二次元像と、表示面Bに表示される二次元像とが、観察者から見て重なる場合に、前述の三次元立体像が知覚される。
そのため、前述の文献(イ)に記載の三次元表示装置では、複数の観察者に同時に、三次元立体像を表示するのが困難であるという問題点があった。
また、複数の観察者に三次元立体像を表示することも可能ではあるが、その場合には、例えば、表示面Aに、複数の観察者毎の複数の二次元像を表示する必要がある等、装置構成が複雑になるという問題点があった。
【0005】
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、複数の表示面に表示される二次元像の輝度、または透過度を、それぞれ独立に変化させて三次元立体像を表示する三次元表示装置において、簡単な構成で、複数の観察者に同時に、三次元立体像を表示することが可能となる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
即ち、本発明は、観察者から見て異なった奥行き位置にある複数の表示面と、前記複数の表示面に対して、表示対象物体を観察者の視線方向から射影した二次元像を生成する第1の手段と、前記第1の手段で生成された二次元像を前記各表示面にそれぞれ表示し、当該表示される二次元像の輝度を前記各表示面毎にそれぞれ独立に変化させる第2の手段と、前記複数の表示面の中の、前記観察者に最も近い位置に配置される表示面の前記観察者と反対の側に配置され、光の偏向方向が互いにそれぞれ異なる複数の領域を有する光学部材とを備え、前記光学部材の前記複数の領域は、前記観察者に最も近い位置に配置される表示面以外の表示面から入射される光を、それぞれ異なる方向に出射することを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態では、前記複数の表示面は、複数の二次元表示装置と、前記各二次元表示装置の二次元像をそれぞれ観察者の視線上の像として配置する光学素子とから構成されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、観察者から見て異なった奥行き位置にある複数の表示面と、前記複数の表示面に対して、表示対象物体を観察者の視線方向から射影した二次元像を生成する第1の手段と、前記第1の手段で生成された二次元像を前記表示面にそれぞれ表示し、当該表示される二次元像の透過度を前記各表示面毎にそれぞれ独立に変化させる第2の手段と、前記複数の表示面の中の、前記観察者に最も近い位置に配置される表示面の前記観察者と反対の側に配置され、光の偏向方向が互いにそれぞれ異なる複数の領域を有する光学部材とを備え、前記光学部材の前記複数の領域は、前記観察者に最も近い位置に配置される表示面以外の表示面から入射される光を、それぞれ異なる方向に出射することを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態では、前記複数の表示面は、透過型表示装置で構成されることを特徴とする。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態では、前記光学部材は、入射光を、それぞれ異なる方向に出射する複数のプリズム素子を含むことを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態では、前記光学部材は、入射光を、それぞれ異なる方向に出射する複数のレンズ素子を含むことを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態では、前記光学部材は、入射光を、それぞれ異なる方向に出射するホログラフィック光学素子であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[実施の形態1]
なお、本実施の形態では、像を配置する「表示面」という表現を用いるが、これは光学などで多用される像面などと同様な表現であり、かつこのような像面を実現する手段としては、例えば、レンズ、全反射鏡、部分反射鏡、曲鏡、プリズム、偏光素子、波長板などの種々の光学素子と、二次元表示装置とを用いて、多くの光学的組み合わせ技術により、実現可能なことは明らかである。
また、提示する三次元立体像を主に2つの表示面に二次元像として表示する場合について述べるが、これを2つ以上の表示面としても同様な効果が期待できることは明らかである。
【0010】
[本発明の実施の形態1の三次元表示方法の原理]
図2は、本発明の実施の形態1の三次元表示方法の原理を説明するための図である。
本実施の形態では、図1に示すように、観察者100の前面に複数の表示面、例えば、表示面(101,102)(面101が面102より観察者100に近い)を設定し、これらの表示面(101,102)にそれぞれ二次元像を表示する。
これらの表示面(101,102)に複数の二次元像を表示するためには、二次元表示装置と種々の光学素子を用いて光学系を構築する。
【0011】
この二次元表示装置としては、例えば、CRT(陰極線管)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、LED(Light Emission Diode)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、FED(Field Emission Display)、DMD(Digital Mirror Display)、プロジェクション型ディスプレイ、線描画型ディスプレイなどを用い、光学素子としては、例えば、レンズ、全反射鏡、部分反射鏡、曲鏡、プリズム、偏光素子、波長板などを用いる。
なお、図1は、前述の文献(イ)(特許第3022558号明細書)に記載されているものと同じ構成のものであり、また、この表示面の設定方法については、前述の文献(イ)を参照されたい。
【0012】
以下、本実施の形態の三次元表示方法について説明する。
初めに、図3に示すように、観察者100に提示したい三次元物体104を、観察者100の両眼の視線方向から、前記の表示面(101,102)へ射影した像(以下、「2D化像」と呼ぶ)である2D化像(105,106)を生成する。
この2D化像の生成方法としては、例えば、視線方向から三次元物体104をカメラで撮影した二次元像を用いる方法、あるいは別の方向から撮影した複数枚の二次元像から合成する方法、あるいはコンピュータグラフィックによる合成技術やモデル化を用いる方法など種々の方法がある。
【0013】
前記2D化像(105,106)を、図2に示すように、各々表示面101と表示面102の双方に、観察者100の右眼と左眼とを結ぶ線上の一点から見て重なるように表示する。
これは、例えば、2D化像(105,106)の各々の中心位置や重心位置の配置と、各々の像の拡大・縮小を制御することで可能となる。
本実施の形態では、前記構成を有する装置上で、2D化像(105,106)の各々の輝度を、観察者100から見た総体的な輝度を一定に保ちつつ、三次元物体104の奥行き位置に対応して変えて、表示面101と表示面102の間に存在する三次元物体104の三次元立体像を表示する。
【0014】
その2D化像(105,106)の各々の輝度の変え方の一例について説明する。
例えば、三次元物体104が表示面101上にある場合には、図4に示すように、この上の2D化像105の輝度を三次元物体104の輝度に等しくし、表示面102上の2D化像106の輝度はゼロとする。
なお、図4ないし図7では、白黒図面であるため、分かりやすいように、輝度の高い方を濃く示してある。
次に、例えば、三次元物体104が観察者100より少し遠ざかって表示面101より表示面102側に少し寄った位置にある場合には、図5に示すように、2D化像105の輝度を少し下げ、2D化像106の輝度を少し上げる。
さらに、例えば、三次元物体104が観察者100よりさらに遠ざかって表示面101より表示面102側にさらに寄った位置にある場合には、図6に示すように、2D化像105の輝度をさらに下げ、2D化像106の輝度をさらに上げる。
【0015】
さらに、例えば、三次元物体104が表示面102上にある場合には、図7に示すように、この上の2D化像106の輝度を三次元物体104の輝度に等しくし、表示面101上の2D化像105の輝度はゼロとする。
なお、前述の説明および後述する説明において、表示面(101,102)上に表示される2D化像の輝度をゼロとするとは、表示面(101,102)上に何も表示しないことを意味する。
このように表示することにより、観察者(人)100の生理的あるいは心理的要因あるいは錯覚により、表示しているのが2D化像(105,106)であっても、観察者100にはあたかも表示面(101,102)の中間に三次元物体104が位置しているように感じられる。
即ち、例えば、表示面(101,102)にほぼ等輝度の2D化像(105,106)を表示した場合には、表示面(101,102)の奥行き位置の中間付近に三次元物体104があるように感じられる。
この場合に、この三次元物体104は、観察者100には立体感を伴って知覚される。
【0016】
なお、前記説明においては、例えば、三次元物体全体の奥行き位置を、例えば、表示面(101,102)に表示した二次元像を用いて表現する方法について主に述べたが、本実施の形態は、例えば、三次元物体自体が有する奥行きを表現する方法としても使用できることは明らかである。
三次元物体自体が有する奥行きを表現する場合における重要な要点は、図2に示す構成を有する装置上で、2D化像(105,106)の各々の部位の輝度を、観察者100から見た総体的な輝度を一定に保ちつつ、三次元物体104の各部位が有する奥行き位置に対応して変えることである。
その2D化像(105,106)の各々の輝度の変え方の一例について説明する。
【0017】
図8(a)が観察者100に近い表示面、例えば、表示面101に表示される2D化像の一例であり、図8(b)が観察者100に遠い表示面、例えば、表示面102に表示される2D化像の一例である。
例えば、三次元物体として、図8に示したようなケーキを例に取ると、上に立てたロウソクを除き、ケーキ(三次元物体)の上面及び下面は、例えば、ほぼ平坦であり、かつその側面は、例えば、円柱状であり、ロウソクは、例えば、上面の円周近傍に配置する。
この場合の2D化像では、上面及び下表示面においては、上方の方が奥に位置し、かつその側面では真ん中が手前で端に行くに従って奥に位置し、さらに隠れている上方の真ん中は奥に位置することとなる。
【0018】
この場合、上面及び下表示面における輝度変化は、観察者100に近い表示面、例えば、表示面101においては、図8(a)に示すように、観察者100に近い部位(2D化像では、例えば下方)が輝度が高く、かつ遠い部位(2D化像では、例えば上方)が輝度が低くなるようにその奥行き位置に対応して徐々に変化させる。
また、観察者に遠い表示面、例えば表示面102においては、図8(b)に示すように、観察者に近い部位(2D化像では、例えば下方)が輝度が低く、かつ遠い部位(2D化像では、例えば上方)が輝度が高くなるようにその奥行き位置に対応して徐々に変化させる。
【0019】
次に、円柱部分の輝度変化もその奥行き位置に対応して、観察者100に近い表示面、例えば、表示面101においては、図8(a)に示すように、観察者100に近い部位(例えば、真中付近)が輝度が高く、かつ遠い部位(例えば、左右の端付近)が輝度が低くなるように徐々に変化させる。
また、観察者100に遠い表示面、例えば、表示面102においては、図8(b)に示すように、観察者100に近い部位(例えば、真中付近)が輝度が低く、かつ遠い部位(例えば、左右の端付近)が輝度が高くなるように徐々に変化させる。
このように表示することにより、観察者(人)100の生理的あるいは心理的要因あるいは錯覚により、表示しているのが二次元像であっても、観察者100にはあたかも上面、下表示面がほぼ平らな円柱状のケーキがあるように感じられる。
【0020】
なお、前述の説明では、二次元像を配置する表示面の中で主に2つの表示面に関してのみ記述し、かつ観察者に提示する物体が2つの表示面の間にある場合について述べたが、二次元像を配置する表示面の個数がこれよりも多く、あるいは提示する物体の位置が異なる場合であっても、同様な手法により三次元立体像を表示することが可能であることは明らかである。
例えば、表示面が3つで、観察者100に近い表示面と、中間の表示面との間に第1の三次元物体が、中間の表示面と、観察者100に遠い表示面との間に第2の三次元物体が存在する場合には、観察者100に近い表示面と、中間の表示面とに、第1の三次元物体の2D化像を表示し、中間の表示面と、観察者100に遠い表示面とに第2の三次元物体の2D化像を表示することで、第1および第2の三次元物体の三次元立体像を表示することができる。
【0021】
さらに、本実施の形態においては、2D化像が三次元的に移動する場合に関しては特に述べなかったが、観察者の左右上下方向への移動に関しては通常の二次元表示装置の場合と同様に表示面内での動画再生によって可能であり、奥行き方向への移動に関しては、2D化像(105,106)の各々の輝度を、観察者100から見た総体的な輝度を一定に保ちつつ、三次元立体像の奥行き位置の時間的変化に対応して変化させることにより、三次元像の動画を表現できることは明らかである。
例えば、三次元立体像が表示面101より表示面102まで時間的に移動する場合について説明する。
三次元立体像が表示面101上にある場合には、表示面101上の2D化像105の輝度を三次元立体像の輝度に等しくし、表示面102上の2D化像106の輝度はゼロとする。
【0022】
次に、例えば、三次元立体像が、次第に観察者100より時間的に少し遠ざかり、表示面101より表示面102側に時間的に少し寄ってくる場合には、三次元立体像の奥行き位置の移動に対応させて2D化像105の輝度を時間的に少し下げ、かつ2D化像106の輝度を時間的に少し上げる。
次に、例えば、三次元立体像が観察者100より時間的にさらに遠ざかり、表示面101より表示面102側にさらに寄った位置に時間的に移動する場合には、三次元立体像の奥行き位置の移動に対応させて2D化像105の輝度を時間的にさらに下げ、かつ2D化像106の輝度を時間的にさらに上げる。
さらに、例えば、三次元立体像が、表示面102上まで時間的に移動してきた場合には、三次元立体像の奥行き位置の移動に対応させてこの上の2D化像106の輝度を三次元立体像の輝度に等しくなるまで時間的に変化させ、かつ表示面101上の2D化像105の輝度がゼロとなるまで変化させる。
【0023】
このように表示することにより、人の生理的あるいは心理的要因あるいは錯覚により、表示しているのが2D化像(105,106)であっても、観察者100にはあたかも表示面(101,102)の間を、表示面101から表示面102に三次元立体像が奥行き方向に移動するように感じられる。
なお、前述の説明では、三次元立体像が表示面101から表示面102まで移動する場合について述べたが、これが表示面(101,102)の間の途中の奥行き位置から表示面102まで移動する場合や、表示面101から表示面(101,102)の間の途中の奥行き位置まで移動する場合や、表示面(101,102)の間の途中の奥行き位置から表示面(101,102)の間の途中の別な奥行き位置まで移動する場合であっても、同様なことが可能なことは明らかである。
【0024】
また、前述の説明では、2D化像を配置する表示面の中で主に2つの表示面に関してのみ記述し、かつ観察者100に提示する三次元立体像が2つの表示面の間を移動する場合について述べたが、二次元像を配置する表示面の個数がこれよりも多く、あるいは提示する三次元物体が複数の表示面をまたがって移動する場合であっても、同様な手法により、三次元立体像を表示可能であり、同様な効果が期待できることは明らかである。
さらに、前述の説明では、1個の三次元立体像が二次元像を配置する2つの表示面内で移動する場合について説明したが、複数個の三次元物体が移動する場合、即ち、表示される二次元像が、それぞれ移動方向の異なる複数の物体像を含む場合には、各表示面に表示される物体像の輝度を、物体像毎に、その物体の移動方向および移動速度に応じて変化させればよいことは明らかである。
なお、本実施の形態の三次元表示方法の詳細な説明については、前述の文献(イ)(特許第3022558号明細書)を参照されたい。
【0025】
[本実施の形態1の三次元表示装置の特徴]
図1は、本発明の実施の形態1の三次元表示装置の概略構成を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の三次元表示装置では、表示面101の観察者側に、出射光の偏向方向がそれぞれ異なる複数の領域を有する光学部材103が設けられる。
前記光学部材103の複数の領域は、表示面101から入射される光を、それぞれ異なる方向に出射する。
したがって、図1に示すように、表示面(101,102)を透過し、光学部材103に入射する光(図1のA)の中の一部は、図1のBに示すように直進し、これにより、観察者100aは、三次元立体像が観察することができる。
また、光学部材103に入射する光(図1のA)の中の一部は、図1のCに示すように偏向方向が可変され、これにより、観察者100bも、三次元立体像が観察することができる。
即ち、観察者100bには、表示面102に表示される二次元像は、図1に示すFの位置ではなく、図1に示すGに位置に表示されるように知覚される。
【0026】
図9は、図1に示す光学部材103の一例を示す模式図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)に示す(イ)の部分の断面図である。
図9に示す光学部材103は、光の入射面(または、出射面、あるいは入射面および出射面)に、入射される光をそれぞれ異なる方向に出射する複数のプリズム素子を形成したものであり、これにより、出射光の偏向方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成される。即ち、図9に示す光学部材は、それぞれ出射光の偏向方向が異なる複数のプリズム素子の集合体で構成される。
なお、図1に示す光学部材103は、光の入射面(または、出射面、あるいは入射面および出射面)に、入射される光をそれぞれ異なる方向に出射する複数のレンズ素子を形成するようにしてもよい。即ち、図1に示す光学部材103は、それぞれ出射光の偏向方向が異なる複数のレンズ素子の集合体で構成してもよい。
さらに、図1に示す光学部材103は、表示面101から入射される光を、それぞれ異なる方向に出射できるホログラフィック光学素子であってもよい。
なお、光学部材103は、表示面102に表示される二次元像を位置を、光学的に移動するものであり、したがって、本実施の形態において、光学部材103は、図10に示すように、表示面101の表示面102側に設けてもよいことは明らかである。
【0027】
以下、本実施の形態の三次元表示装置における、表示面の設定方法の一例について説明する。
図11に示す例では、複数の二次元表示装置(121,122)と、全反射鏡123(例えば、反射率/透過率=100/0)、部分反射鏡124(例えば、反射率/透過率=50/50)を用いて、前述した複数の二元像を表示する像面(即ち、本発明の表示面)(125,126)を構成したものである。
各々の配置を変えることにより、二次元表示装置121の表示が全反射鏡123で反射して部分反射鏡124を透過してできる像面125と、二次元表示装置122の表示が部分反射鏡124で反射してできる像面126とを奥行き方向に異なる位置に配置することができる。これにより、前述の表示面(101,102)を構成することができる。
このような光学系では、鏡のみを用いるため、画質の劣化が少ない利点を有する。
【0028】
前記二次元表示装置(121,122)としては、例えば、CRT、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、FEDディスプレイ、DMDディスプレイ、プロジェクション型ディスプレイ、線描画型ディスプレイなどを用いる。
但し、本実施の形態における全反射鏡123を部分反射鏡に代えても、二次元表示装置121の像の輝度は低下するが、本発明の効果は同様に得られることは明らかである。
また、図11では、像面の奥行き位置の順序が二次元表示装置の奥行き位置の順序と同じ場合について説明したが、全反射鏡あるいは部分反射鏡から二次元表示装置までの距離を各々変えることにより、この像面奥行き位置の順序を自由に変化できることは明らかである。
【0029】
図12に示す例は、前記全反射鏡123を使わずに二次表示装置121を直接配置し、部分反射鏡124(例えば、反射率/透過率=50/50)を用いて、前述した複数の二元像を表示する像面(125,126)を構成したものである。
即ち、二次元表示装置121の表示が部分反射鏡124を透過してできる像面125と、二次元表示装置122の表示が部分反射鏡124で反射してできる像面126とを奥行き方向に異なる位置に配置することができる。これにより、前述の表示面(101,102)を構成することができる。
なお、図12では、像面の奥行き位置の順序が、二次元表示装置の奥行き位置の順序と同じ場合について説明したが、部分反射鏡から二次元表示装置までの距離を各々変えることにより、この像面奥行き位置の順序を自由に変化できることは明らかである。
【0030】
前記光学系にレンズなどを含めることにより、像面の位置をよりフレキシブルに変更できる一例を図13(a)、(b)に示す。
図13(a)に示すように、複数の二次元表示装置(131,132)と、例えば、全反射鏡133(例えば、反射率/透過率=100/0)、部分反射鏡134(例えば、反射率/透過率=50/50)の構成に、例えば、凸レンズ(137,138)を加えて像位置を変えることにより、装置の大きさの制約などにより限られていた像面135と像面136の位置関係をより柔軟に設定することが可能である。
但し、図13(a)における全反射鏡133を部分反射鏡に代えても、二次元表示装置131の像の輝度は低下するが、本発明の効果は同様に得られることは明らかである。
【0031】
また、図13(b)に示すように、前記全反射鏡133を使わずに二次元表示装置131を直接配置し、部分反射鏡134(例えば、反射率/透過率=50/50)の構成に、例えば、凸レンズ(137,138)を加えて像位置を変えることにより、装置の大きさの制約などにより限られていた像面135と像面136の位置関係をより柔軟に設定することが可能である。
勿論、凸レンズだけでなく組み合わせレンズなどのレンズ光学系を用いることが歪みなどの点で有利になる場合もあることは、通常のレンズ光学系と同様である。
また、この場合はレンズの焦点距離よりも近い位置に二次元表示装置を設置した虚像を用いる場合を例として示したが、レンズの焦点距離よりも遠い位置に二次元表示装置を設置する実像を用いる場合でも同様なことができることは明らかである。
【0032】
[実施の形態2]
[本発明の実施の形態2の三次元表示方法の原理]
図14は、本発明の実施の形態2の三次元表示方法の原理を説明するための図である。
本実施の形態では、図14に示すように、観察者100の前面に、複数の透過型表示装置、例えば、透過型表示装置(111,112)(透過型表示装置111が透過型表示装置112より観察者100に近い)と、種々の光学素子と、光源110を用いて光学系を構築する。
即ち、本実施の形態は、前述の実施の形態1の表示面(101,102)に代えて、透過形表示装置(111,112)を用いるものである。
【0033】
前記透過型表示装置(111,112)としては、例えば、ツイストネマティック型液晶ディスプレイ、イン・プレイン型液晶ディスプレイ、ホモジニアス型液晶ディスプレイ、強誘電液晶ディスプレイ、ゲスト−ホスト型液晶ディスプレイ、高分子分散型液晶ディスプレイ、ホログラフィック高分子分散型液晶ディスプレイ、あるいはこれらの組み合わせなどを使用する。
また、光学素子としては、例えば、レンズ、全反射鏡、部分反射鏡、曲表示面鏡、プリズム、偏光素子、波長板などを用いる。
本実施の形態では、一例として光源110が、観察者100から見て最も後方に配置された場合を示す。
なお、本実施の形態に使用可能な透過型表示装置については、特願2000−124036号を参照されたい。
【0034】
以下、本実施の形態の三次元表示方法について説明する。
本実施の形態においても、前述の実施の形態1と同様、観察者100に提示したい三次元物体104を、観察者100から見て、前記透過型表示装置(111,112)へ射影した2D化像(107,108)を生成する。
前記2D化像(107,108)を、図14に示すように、各々透過型表示装置111と透過型表示装置112との双方に、観察者100の右眼と左眼を結ぶ線上の一点から見て重なるように、2D化像(107,108)として表示する。
これは、例えば、2D化像(107,108)の各々の中心位置や重心位置の配置と、各々の像の拡大/縮小率を制御することで可能となる。
前記構成を有する装置上で、観察者100が見る像は、光源110から射出された光で、2D化像108を透過し、さらに2D化像107を透過した光によって生成される。
【0035】
本実施の形態では、前記構成を有する装置上で、2D化像(107,108)の各々の透過度の配分を、観察者100から見た総体的な輝度を一定に保ちつつ、三次元物体104の奥行き位置に対応して変えて、透過型表示装置111と透過型表示装置112との間に存在する三次元物体の三次元立体像を表示する。
その2D化像(107,108)の各々の透過度の変え方の一例について説明する。
例えば、三次元物体104が透過型表示装置111上にある場合には、透過型表示装置111上の透過度を、2D化像107の輝度が三次元物体104の輝度に等しくなるように設定し、透過型表示装置112上の2D化像108の部分の透過度を、例えば、その透過型表示装置112の最大値とする。
【0036】
次に、例えば、三次元物体104が観察者100より少し遠ざかって、透過型表示装置111より透過型表示装置112側に少し寄った位置にある場合には、透過型表示装置111上の2D化像107の部分の透過度を少し増加させ、透過型表示装置112上の2D化像108の部分の透過度を少し減少させる。
さらに、例えば、三次元物体104が観察者100よりさらに遠ざかって、透過型表示装置111より透過型表示装置112側にさらに寄った位置にある場合には、透過型表示装置111上の2D化像107の部分の透過度をさらに増加させ、透過型表示装置112上の2D化像108の部分の透過度をさらに減少させる。
さらに、例えば、三次元物体104が透過型表示装置112上にある場合には、透過型表示装置112上の透過度を、2D化像108の輝度が三次元物体104の輝度に等しくなるように設定し、透過型表示装置111上の2D化像107の部分の透過度を、例えば、透過型表示装置111の最大値とする。
【0037】
このように表示することにより、観察者(人)100の生理的あるいは心理的要因あるいは錯覚により、表示しているのが2D化像(107,108)であっても、観察者100にはあたかも透過型表示装置(111,112)の中間に三次元物体104が位置しているように感じられる。
即ち、例えば、透過型表示装置(111,112)にほぼ等輝度の2D化像(107,108)を表示した場合には、透過型表示装置(111,112)の奥行き位置の中間付近に三次元物体104があるように感じられる。
この場合に、この三次元物体104は、観察者100には立体感を伴って知覚される。
【0038】
なお、前述の説明では、例えば、三次元物体全体の奥行き位置を、例えば、透過型表示装置(111,112)に表示した二次元像を用いて表現する方法について主に述べたが、本実施の形態においても、前述の実施の形態1で説明した方法と同様の手法により、例えば、三次元物体自体が有する奥行きを表現する方法としても使用できることは明らかである。
また、本実施の形態においても、前述の実施の形態1で説明した方法と同様の手法により、2D化像が三次元的に移動する場合には、観察者100の左右上下方向への移動に関しては通常の二次元表示装置の場合と同様に透過型表示装置内での動画再生によって可能であり、また、奥行き方向への移動に関しては、複数の透過型表示装置における透過度の変化を時間的に行うことで、三次元立体像の動画を表現することができることは明らかである。
【0039】
なお、前記実施の形態1では、2D化像(105,106)の各々の輝度の配分を、観察者100から見た総体的な輝度を一定に保ちつつ、三次元物体104の奥行き位置に対応して変化させて三次元立体像を表示する。
これに対して、本実施の形態では、2D化像(107,108)の各々の透過度の配分を、観察者100から見た総体的な輝度を一定に保ちつつ、三次元物体104の奥行き位置に対応して変化させて三次元立体像を表示する。
即ち、前記実施の形態1の方法では、三次元物体104に近い方の表示面に表示される2D化像の輝度を、三次元物体104に遠い方の表示面に表示される2D化像の輝度よりも増加させるのに対して、本実施の形態の方法では、三次元物体104に近い方の透過型表示装置に表示される2D化像の透過度を、三次元物体104に遠い方の透過型表示装置に表示される2D化像の透過度よりも減少させる点で異なっている。
【0040】
したがって、本実施の形態において、前記実施の形態1と同様の手法を用いて、三次元物体自体が有する奥行きを表現する場合、あるいは、三次元立体像の動画を表現する場合には、前記実施の形態1において、各表示面に表示される2D化像の輝度を増加させる場合には、各透過型表示装置に表示される2D化像の透過度を減少させ、また、前記実施の形態1において、各表示面に表示される2D化像の輝度を減少させる場合には、各透過型表示装置に表示される2D化像の透過度を増加させるようにすればよい。
また、本実施の形態においても、二次元像を配置する表示面の中で主に2つの表示面に関してのみ記述し、かつ観察者に提示する物体が2つの表示面の間にある場合について述べたが、二次元像を配置する表示面の個数がこれよりも多く、あるいは提示する物体の位置が異なる場合であっても、同様な手法により、三次元立体像を表示することが可能であることは明らかである。
【0041】
例えば、透過型表示装置が3つで、観察者100に近い透過型表示装置と、中間の透過型表示装置との間に第1の三次元物体が、中間の透過型表示装置と、観察者100に遠い透過型表示装置との間に第2の三次元物体が存在する場合には、観察者100に近い透過型表示装置と、中間の透過型表示装置とに、第1の三次元物体の2D化像を表示し、中間の透過型表示装置と、観察者100に遠い透過型表示装置に第2の三次元物体の2D化像を表示することで、第1および第2の三次元物体の三次元立体像を表示することができる。
なお、本実施の形態の三次元表示方法の詳細な説明については、前述の特願2000−124036号を参照されたい。
また、本実施の形態において、透過型表示装置(111,112)の一方、あるいは、両方は、カラー表示可能な透過型表示装置である場合には、観察者100にはカラーの三次元立体像を観察することが可能となる。
【0042】
[本実施の形態2の三次元表示装置の特徴]
図15は、本発明の実施の形態1の三次元表示装置の概略構成を示す図である。
図15に示すように、本実施の形態の三次元表示装置では、偏光板203と、偏光板213との間に、透過型表示装置101と、散乱板204と、透過型表示装置102とが配置され、偏光板203の観察者側に、光の偏向方向がそれぞれ異なる複数の領域を有する光学部材103が設けられる。
透過型表示装置101は、偏光可変装置として機能する液晶表示パネル201と、カラーフィルタ202とで構成され、同様に、透過型表示装置102は、偏光可変装置として機能する液晶表示パネル211と、カラーフィルタ212とで構成される。
また、偏光板213の後方(偏光板213の透過型表示装置102と反対の側)に、光源(バックライト)205が配置される。
ここで、液晶表示パネル(201,211)は、ツイストネマティック型液晶ディスプレイ、イン・プレイン型液晶表示装置、ホモジニアス型液晶表示装置、強誘電液晶表示装置、反強誘電液晶表示装置などから偏光枚を取り除いた装置で構成される。
【0043】
液晶表示パネル(201,211)は、各画素単位で、偏光の方向を変化できるので、出射光の偏光方向と、出射側の偏光板の偏光方向により、出射する光の強度を変化でき、全体として光の透過度を変化させることができる。
したがって、液晶表示パネル(201,211)の各画素単位に、通過する光の偏光方向を制御することにより、液晶表示パネル201および液晶表示パネル211毎に、独立に透過度を変化させることができる。
但し、本実施の形態では、透過型表示装置(101,102)上に表示される2D化像(107,108)は、カラー画像の二次元像である必要がある。
これにより、前述の「本発明の実施の形態2の三次元表示方法の原理]で説明した原理により、透過型表示装置(101,102)上、あるいは、透過型表示装置101と透過型表示装置102との間の任意の位置に、三次元立体像を表示することが可能であるとともに、前述の段落番号「0022」で説明した理由により、複数の観察者に対して三次元立体像を表示することが可能である。
【0044】
しかも、本実施の形態では、各液晶表示パネル(201,211)の各画素単位に、赤(R)・緑(G)・青(B)の3色から成るカラーフィルタ(202,212)を配置するようにしたので、カラー画像の三次元立体像を表示することができる。
但し、本実施の形態では、偏光方向が、液晶表示パネル201と液晶表示パネル21とを通過する間に変化することを考慮して、各液晶表示パネル(201,212)の偏光方向の制御を行う必要がある。
なお、本実施の形態においても、光学部材103を、透過型表示装置101と、散乱板204との間に配置するようにしてもよい。
【0045】
また、本実施の形態では、透過型表示装置(101,102)を、2枚の偏光板(203,213)で挟むようにしたので、表示が暗くなるのを防止することができる。
その上、本実施の形態では、液晶表示パネル(201,211)における輝度を実質的に大きな自由度で制御できる利点も有する。
本実施の形態の三次元表示装置では、出射側の偏光板203までは、光量は実質的にほとんど変化せず、各液晶表示パネル(201,211)ではその偏光方向のみが変化している。
しかも、偏光方向は、各液晶表示パネル(201,211)でほぼ加算されて回転していくが、出射側の偏光板203の外から観察した場合、出射側の偏光板203の透過偏光方向を基準として0〜90度までは各液晶表示パネル(201,211)の輝度は減少し、90〜180度までは輝度は上昇し、180〜270度までは輝度は減少し、270〜360度までは輝度は上昇するというように輝度の上昇、減少を繰り返せる。
【0046】
したがって、各液晶表示パネル(201,211)の輝度は、その直前の偏光可変装置の輝度に比べて、上昇することも、変化しないことも、減少することも可能となる。
但し、実際には、例えば、ツイストネマティック型液晶表示装置などにおいては、最大の角度変化が90度である場合が多いため、これを考慮して設計を行う必要がある。
本実施の形態では、各透過型表示装置(101,102)は、偏光可変装置として機能する液晶表示パネル(201,211)と、カラーフィルタ(202,212)とで構成される。
そのため、カラーフィルタ202と、カラーフィルタ212とにおける、赤(R)・緑(G)・青(B)の各フィルタの配列方向、配列ピッチ等の違いにより、モアレが発生する恐れがある。
そのため、本実施の形態では、カラーフィルタ202とカラーフィルタ212との間に、散乱板204を配置し、前述したモアレが発生するの防止するようにしている。
【0047】
[本実施の形態の三次元表示装置の変形例]
図16は、本発明の実施の形態1の三次元表示装置の変形例の概略構成を示す図である。
図16に示す三次元表示装置は、透過型表示装置101のカラーフィルタ202が省略され、透過型表示装置101が白黒(モノクロ)表示の透過型表示装置である点で、図15に示す三次元表示装置と異なっている。なお、図16では、光学部材103の図示は省略している。
また、図16に示す三次元表示装置では、前述したカラーフィルタ202と、カラーフィルタ212とにおける、赤(R)・緑(G)・青(B)の各フィルタの配列方向、配列ピッチ等の違いにより、モアレが発生する恐れがないので、散乱板204も省略されている。
【0048】
図16に示す三次元表示装置でも、透過型表示装置(101,102)上、あるいは、透過型表示装置101と透過型表示装置102との間の任意の位置に、カラー画像の三次元立体像を表示することが可能である。
但し、図16に示す三次元表示装置では、透過型表示装置101上に表示される2D化像107は、白黒画像の二次元像であり、透過型表示装置102上に表示される2D化像108は、カラー画像の二次元像である必要がある。
また、図16に示す三次元表示装置では、図15に示す三次元表示装置に比して、カラーフィルタが一枚省略されているので、図15に示す三次元表示装置よりも表示が明るくなる。
【0049】
以下、本実施の形態の三次元表示装置における、液晶表示パネル(201,211)として使用可能な表示装置の一例について説明する。
本実施の形態の液晶表示パネル(201,211)は、ツイストネマティック型液晶ディスプレイ、イン・プレイン型液晶表示装置、ホモジニアス型液晶表示装置、強誘電液晶表示装置、反強誘電液晶表示装置などから偏光枚を取り除いた装置で構成される。
図17は、ツイストネマティック型液晶ディスプレイの一例を示す要部断面図である。
ツイストネマティック型液晶ディスプレイの基本構成は、例えば、ITOやSnOxなどで形成される透明導電膜(503,504)で、液晶501を挟み、その外側に偏光板(507,508)を配置した構成である。
【0050】
ここで、透明導電膜(503,504)上には液晶501を配向させるための配向膜(505,506)が配置されており、配向膜(505,506)の配向方向は、例えば、上下で直交化されている。
透明導電膜(503,504)に電圧を印加しない場合には、液晶501の液晶分子は配向膜(505,506)の配向規制力により、配向膜(505,506)の近傍では、例えば、透明導電膜(503,504)に平行に配向方向に沿って並ぶ。
この場合、図18(a)に示すように、液晶分子は、ねじれた構造となり、入射光はこの構造に従って偏光方向が、例えば、90度変化する。
【0051】
一方、図18(b)に示すように、透明導電膜(503,504)に十分な電圧V5aを印加した場合には、液晶分子は、電界により電界方向例えば透明導電膜(503,504)に垂直に並び、透過する光の偏光は変化しない。
電圧が、電圧V5a以下の場合にはその電圧に応じて偏光方向は連続的に変化する。
このように、ツイストネマティック型液晶ディスプレイでは、透明導電膜(503,504)に印加する電圧により、出射光の偏光方向を変化でき、これにより、光の出射側に設けられた偏光板507により、出射する光の強度を変化できるので、全体として光の透過度を変化させることができる。
本実施の形態の液晶表示パネル(201,211)として、この図17に示すツイストネマティック型液晶ディスプレイから偏光板(507,508)を取り除いた装置が使用可能である。
【0052】
図19は、イン・プレイン型液晶ディスプレイの一例を示す要部断面図である。
イン・プレイン型液晶ディスプレイの基本構成は、配向膜(512,514)で液晶513を挟み、配向膜514の外側に、例えば、ITOやSnOxなどで形成される透明導電膜(511,515)を設け、さらに、その外側に偏光板(507,508)を配置した構成である。
ここで、透明導電膜(511,515)は同一平表示面内にあり、また、配向膜512と配向膜514との配向方向は平行である。
図20(a)に示すように、透明導電膜(511,515)間に電圧を印加しない場合には、液晶513の液晶分子は、配向膜(512,514)の配向規制力により、配向膜(512,514)の配向方向に整列する。
これに対して、図20(b)に示すように、透明導電膜(511,515)間に閾値電圧以上の充分な電圧V5bを印加すると、液晶分子はその印加電圧方向に整列する。
【0053】
このように、複屈折性を有する液晶分子の整列する向きが変化するため、出射光の偏光状態を変化できる。
さらに、透明導電膜(511,515)間に印加する電圧がV5b以下の場合には、その電圧に応じた偏光方向の変化が連続的に得られる。
このように、イン・プレイン型液晶ディスプレイでは、透明導電膜(511,515)間に印加する電圧により、出射光の偏光方向を変化でき、これにより、光の出射側に設けられた偏光板507により、出射する光の強度を変化できるので、全体として光の透過度を変化させることができる。
本実施の形態の液晶表示パネル(201,211)として、この図19に示すイン・プレイン型液晶ディスプレイから偏光板(507,508)を取り除いた装置が使用可能である。
【0054】
図21は、ホモジニアス型液晶ディスプレイの一例を示す要部断面図である。
ホモジニアス型液晶ディスプレイの基本構成は、例えば、ITOやSnOxなどで形成される透明導電膜(521,525)で、液晶(例えば、ネマティック液晶など)523を挟み、その外側に偏光板(507,508)を配置した構成である。
ここで、透明導電膜(521,525)上には液晶523を配向させるための配向膜(522,524)が配置される。
なお、図21に示す透過型表示装置では、ホモジニアス配向の液晶を用いるため、配向膜522の配向方向と配向膜524との配向方向を同じ(平行)とする。
さらに、ホモジニアス型液晶ディスプレイでは、図22に示すように、入射光の偏光方向を、この配向膜(522,524)の配向方向とずらして入射する。
【0055】
例えば、直線偏光の時は0度方向と90度方向の中間方向であり、例えば、特に、45度ずらして入射する、あるいは円偏光あるいは楕円偏光とする。
図23(b)に示すように、透明導電膜(521,525)間に閾値電圧以上の充分な電圧V6を加えると、液晶523の液晶分子はその印加電圧方向に整列する。このため、入射光の偏光方向はほとんど変化せずに出射していく。
これに対して、図23(a)に示すように、透明導電膜(521,525)間に電圧を印加しない場合には、配向膜(522,524)の配向規制力により、液晶分子は、配向膜(522,524)の配向方向に向き、かつ配向膜(522,524)に平行に並ぶ。
このため、入射光はこの液晶分子の複屈折性により偏光方向が変化して出射する。
【0056】
また、透明導電膜(521,525)間に印加する電圧がV6以下の場合には、その電圧に応じた偏光方向の変化が連続的に得られる。
このように、ホモジニアス型液晶ディスプレイでは、透明導電膜(521,525)間に印加する電圧により、出射光の偏光方向を可変でき、これにより、光の出射側に設けられた偏光板507により、出射する光の強度を変化できるので、全体として光の透過度を変化させることができる。
本実施の形態の液晶表示パネル(201,211)として、この図21に示すホモジニアス型液晶ディスプレイから偏光板(507,508)を取り除いた装置が使用可能である。
【0057】
図24は、強誘電あるいは反強誘電型液晶ディスプレイの一例を示す要部断面図である。
強誘電あるいは反強誘電型液晶ディスプレイの基本構成は、例えば、ITOやSnOxなどで形成される透明導電膜(533,534)で、液晶(例えば、強誘電液晶、あるいは反強誘電液晶など)531を挟み、その外側に偏光板(507,508)を配置した構成である。
ここで、透明導電膜(533,534)上には液晶531を配向させるための配向膜(535,536)が配置される。
図25に示すように、透明導電膜(533,534)間に印加する電界の方向にしたがって、液晶531の自発分極の向きが変化するため、液晶531(強誘電液晶あるいは反強誘電液晶)の厚さを充分に薄く(例えば、1μm〜2μm程度など)しておくと、液晶531の自発分極が透明導電膜(533,534)と同じ平表示面内で変化する。
【0058】
このように、強誘電あるいは反強誘電型液晶ディスプレイでは、透明導電膜(533,534)間に印加する電圧により、複屈折性を有する液晶分子の整列する向きが変化するため、出射光の偏光状態を変化でき、これにより、光の出射側に設けられた偏光板507により、出射する光の強度を変化でき、全体として光の透過度を変化させることができる。
本実施の形態の液晶表示パネル(201,211)として、この図24に示す強誘電あるいは反強誘電型液晶ディスプレイから偏光板(507,508)を取り除いた装置が使用可能である。
【0059】
前記図15、図16に示す構成では、カラーフィルタ(202,212)は、液晶表示パネル(201,211)の外側に配置される構成であったが、このカラーフィルタは、一般に市販されているTFT方式の液晶表示パネル、あるいはSTN方式の液晶表示パネルのように、カラーフィルタを液晶表示パネル内に設けるようにしてもよい。
図26は、内部にカラーフィルタを設けた液晶表示パネルの概略構成を示す要部断面図である。
この図26において、ガラス基板310上には、赤(R)・緑(G)・青(B)のカラーフィルタ302と、ブラックマトリクス303とが設けられ、これらの上に透明電極から成る対向電極306が形成される。
【0060】
また、ガラス基板311上には、薄膜トランジスタ(TFT;非晶質シリコンTFT)304と、透明電極から成る画素電極305とが形成される。
なお、実際には、対向電極306上、および画素電極305上には、配向膜、あるいは保護膜などが形成されるが、図26では、それらの図示は省略している。
画素電極305には、1水平走査ラインの間オンとなる薄膜トランジスタ304を介して、駆動電圧が印加される。
この画素電極305に印加する電圧を制御し、画素電極305と対向電極306との間の液晶層301に印加される印加電圧を変化させることにより、赤(R)・緑(G)・青(B)の各画素単位に、光の偏光方向を制御することができる。
【0061】
図15、図16に示す構成において、この図26に示す液晶表示パネルを使用しても、前述したような三次元立体像を得ることができる。
また、図15、図16に示す構成において、この図26に示す液晶表示パネルを使用する場合には、一般に市販されている液晶表示パネルの一方の外側に設けられる偏光板を取り除くだけで使用可能となるという利点を有する。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0062】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明によれば、複数の表示面に表示される二次元像の輝度、または透過度を、それぞれ独立に変化させて三次元立体像を表示する三次元表示装置において、簡単な構成で、複数の観察者に同時に、三次元立体像を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の三次元表示装置の基本構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1の三次元表示装置の表示原理を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態1の表示面に表示される2D化像の一例を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態1の三次元表示装置における、三次元立体像の表示方法を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態1の三次元表示装置における、三次元立体像の表示方法を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態1の三次元表示装置における、三次元立体像の表示方法を説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態1の三次元表示装置における、三次元立体像の表示方法を説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態1の三次元表示装置において、三次元物体自体が有する奥行きを表現する場合に、前方の透過型表示装置に表示される2D化像の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1の光学部材の一例の概略構成を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態1の三次元表示装置の基本構成の他の例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1の三次元表示装置における、各表示面の設定方法の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態1の三次元表示装置における、各表示面の設定方法の他の例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態1の三次元表示装置における、各表示面の設定方法の他の例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態2の三次元表示装置の表示原理を説明するための図である。
【図15】本発明の実施の形態2の三次元表示装置の基本構成を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態2の三次元表示装置の変形例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態2の透過型表示装置に使用可能なツイストネマティック型液晶ディスプレイの一例を示す要部断面図である。
【図18】ツイストネマティック型液晶ディスプレイの動作を説明するための図である。
【図19】本発明の実施の形態2の透過型表示装置に使用可能なイン・プレイン型液晶ディスプレイの一例を示す要部断面図である。
【図20】イン・プレイン型液晶ディスプレイの動作を説明するための図である。
【図21】本発明の実施の形態2の透過型表示装置に使用可能なホモジニアス型液晶ディスプレイの一例を示す要部断面図である。
【図22】ホモジニアス型液晶ディスプレイの動作を説明するための図である。
【図23】ホモジニアス型液晶ディスプレイの動作を説明するための図である。
【図24】本発明の実施の形態2の透過型表示装置に使用可能な強誘電あるいは反強誘電型液晶ディスプレイの一例を示す要部断面図である。
【図25】強誘電あるいは反強誘電型液晶ディスプレイの動作を説明するための図である。
【図26】本発明の実施の形態2の透過型表示装置に使用可能な、内部にカラーフィルタを設けた液晶表示パネルの概略構成を示す要部断面図である。
【符号の説明】
100,100a,100b…観察者、101,102…表示面、103…光学部材、104…三次元物体、105,106,107,108…2D化像、110…光源、111,112…透過型表示装置、121,122,131,132…二次元表示装置、123,133…全反射鏡、124,134…部分反射鏡、125,126,135,136…像面、137,138…凸レンズ、201,211…液晶表示パネル、202,212,302…カラーフィルタ、203,213,507,508…偏光板、204…散乱板、301,501,513,523,531…液晶、303…ブラックマトリクス、304…薄膜トランジスタ、305…画素電極、306…対向電極、310,311…ガラス基板、503,504,511,515,521,525,533,534…透明導電膜、505,506,512,514,522,524…配向膜、E1,E2,E3…領域、BR…ブロック。

Claims (11)

  1. 観察者から見て異なった奥行き位置にある複数の表示面と、
    前記複数の表示面に対して、表示対象物体を観察者の視線方向から射影した二次元像を生成する第1の手段と、
    前記第1の手段で生成された二次元像を前記各表示面にそれぞれ表示し、当該表示される二次元像の輝度を前記各表示面毎にそれぞれ独立に変化させる第2の手段と、
    前記複数の表示面の中の、前記観察者に最も近い位置に配置される表示面の前記観察者と反対の側に配置され、光の偏向方向が互いにそれぞれ異なる複数の領域を有する光学部材とを備え、
    前記光学部材の前記複数の領域は、前記観察者に最も近い位置に配置される表示面以外の表示面から入射される光を、それぞれ異なる方向に出射することを特徴とする三次元表示装置。
  2. 前記複数の表示面は、複数の二次元表示装置と、
    前記各二次元表示装置の二次元像をそれぞれ観察者の視線上の像として配置する光学素子とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の三次元表示装置。
  3. 前記第2の手段は、前記表示対象物体が、前記観察者に近い奥行き位置に表示される物体である場合に、前記観察者に近い表示面に表示する前記二次元像の輝度を高くし、前記観察者から遠い表示面に表示する前記二次元像の輝度を低くし、
    また、前記表示対象物体が、前記観察者から遠い奥行き位置に表示される物体である場合に、前記観察者に近い表示面に表示する前記二次元像の輝度を低くし、観察者から遠い表示面に表示する前記二次元像の輝度を高くすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の三次元表示装置。
  4. 前記第2の手段は、前記観察者の見る総体的な輝度が元の表示対象物体の輝度と等しくなるように、前記各表示面に表示される二次元像の輝度を変化させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の三次元表示装置。
  5. 観察者から見て異なった奥行き位置にある複数の表示面と、
    前記複数の表示面に対して、表示対象物体を観察者の視線方向から射影した二次元像を生成する第1の手段と、
    前記第1の手段で生成された二次元像を前記表示面にそれぞれ表示し、当該表示される二次元像の透過度を前記各表示面毎にそれぞれ独立に変化させる第2の手段と、
    前記複数の表示面の中の、前記観察者に最も近い位置に配置される表示面の前記観察者と反対の側に配置され、光の偏向方向が互いにそれぞれ異なる複数の領域を有する光学部材とを備え、
    前記光学部材の前記複数の領域は、前記観察者に最も近い位置に配置される表示面以外の表示面から入射される光を、それぞれ異なる方向に出射することを特徴とする三次元表示装置。
  6. 前記複数の表示面は、透過型表示装置で構成されることを特徴とする請求項5に記載の三次元表示装置。
  7. 前記第2の手段は、前記表示対象物体が、前記観察者に近い奥行き位置に表示される物体である場合に、前記観察者に近い表示面に表示する前記二次元像の透過度を低くし、前記観察者から遠い表示面に表示する前記二次元像の透過度を高くし、
    また、前記表示対象物体が、前記観察者から遠い奥行き位置に表示される物体である場合に、前記観察者に近い表示面に表示する前記二次元像の透過度を高くし、観察者から遠い表示面に表示する前記二次元像の透過度を低くすることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の三次元表示装置。
  8. 前記第2の手段は、前記観察者の見る総体的な輝度が元の表示対象物体の輝度と等しくなるように、前記各表示面に表示される二次元像の透過度を変化させることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の三次元表示装置。
  9. 前記光学部材は、入射光を、それぞれ異なる方向に出射する複数のプリズム素子を含むことを特徴とする請求項ないし請求項8のいずれか1項に記載の三次元表示装置。
  10. 前記光学部材は、入射光を、それぞれ異なる方向に出射する複数のレンズ素子を含むことを特徴とする請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の三次元表示装置。
  11. 前記光学部材は、入射光を、それぞれ異なる方向に出射するホログラフィック光学素子であることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の三次元表示装置。
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