JP3761411B2 - 逆止弁付栓体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、注射器本体のみを用いて液体の注入・吸い取りを行なう薬瓶や混注管等の開口部に気密に装着する栓体に関し、詳しくは注射針を使用しなくても液体の注入・吸い取りが行なえる逆止弁付栓体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、注射器を用いて液体の注入・吸い取りを行なうものとして薬瓶や混注管がある。薬瓶は開口部にゴム栓を嵌着することにより薬液を密封しており、薬瓶からの薬液の取り出し手段はゴム栓に注射器の注射針を突刺して吸い取っている。また混注管は直線状に形成された管本体の側面から分岐管を延設したT字管であり、点滴回路や血液回路等の液体回路に組み込んで薬液の注入を行なうためのものである。すなわち、混注管は管本体の両端開口部に液体回路のゴム管を接続すると共に、分岐管の開口部にゴム栓を嵌着しており、混注管のゴム栓部分に注射器の注射針を突刺して液体回路への薬液の注入を行なうものである。このように薬瓶や混注管等の開口部にゴム栓を嵌着した場合、薬液の注入・吸い取りに注射針を使用しなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、医療現場で使用された注射針には患者の血液や薬物が付着している可能性があり、その廃棄処分に関する問題や使用済みの注射針の誤使用による院内感染の問題等があった。注射針の廃棄処分に関しては、マニュアル等が作製されて厳密に管理するようになっているので大変手間のかかることである。さらに、一度使用された注射針は処分する必要があるので医療費用が嵩む要因であった。
【0004】
本発明者は、患者の身体への注射器による直接的な薬液の注射以外で注射針が使用されていること、即ち、薬瓶から薬液を取り出して点滴回路や輸液回路に薬液を注入する際に注射針が使用されていることに着目し、注射針の使用を少しでも減少させるという観点から本発明を提案する。
【0005】
なお、本発明は、注射針を用いることなく注射器本体のみによる場合について説明するが、コネクタによる液体の吸い取り・注入にも同様の手順で適用可能であり、その説明は省略する。
【0006】
すなわち、本発明の目的は、注射針を使用することなく注射器本体のみによって薬瓶からの液体の吸い取り及び混注管への液体の注入を可能にした逆止弁付栓体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る逆止弁付栓体は、薬瓶の開口部や混注管の分岐管の開口部に気密に嵌着され、注射器本体の小径管部を気密状態に挿し込む挿入孔部を有し、該挿入孔部の下端開口部を下方へ突出する如く形成した栓本体と、前記挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞する如く栓本体に張設された逆止弁とからなり、前記挿入孔部への注射器本体の小径管部の挿し込み動作の終端時に注射器本体の小径管部の先端で逆止弁を押し開いて開口部の内部と注射器本体の小径管部とを連通する液体流路を形成するようにしたことを特徴とする。
【0008】
換言すると、本発明の逆止弁付栓体は、薬瓶や混注管等の開口部に嵌装する栓体において、注射針を使用せずに注射器本体のみで薬瓶や混注管に液体の吸い取り及び注入を行なえるようにするため、栓本体の中央部に注射器本体の小径管部を挿し込む挿入孔部を形成し、逆止弁でもって前記挿入孔部の下端開口部を開閉自在にしている。
【0009】
なお、請求項1に記載の逆止弁付栓体において、前記栓本体が、中央部に注射器本体の小径管部を挿し込む挿入孔部と、該挿入孔部と連続する拡径孔部とを有し、挿入孔部の下端開口部を拡径孔部内に突出する如く形成することにより、挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞する如く逆止弁を拡径孔部に張設することも可能である。
【0010】
請求項2に係る逆止弁付栓体は、請求項1に記載の逆止弁付栓体において、前記栓本体が、前記開口部に嵌合する外嵌部材と、外嵌部材に嵌合する内嵌部材とからなり、外嵌部材は内嵌部材が嵌合する嵌合孔部を有し、内嵌部材は注射器本体の小径管部を挿し込む挿入孔部を有しており、かつ、外嵌部材に内嵌部材を挿し込んだ状態で先端部が外嵌部材の嵌合孔部より下方へ突出していることを特徴とする。これによって外嵌部材及び内嵌部材を夫々異なる素材で作製できるようにした。
【0011】
なお、請求項2に記載の逆止弁付栓体において、挿入孔部が弾性収縮して注射器本体の小径管部の挿し込み動作を妨げるのを防止するため、内嵌部材を合成樹脂等の剛性素材で作製することができる。
【0012】
また、請求項1又は2に記載の逆止弁付栓体において、前記挿入孔部の内周部を部分的に縮径して形成することにより注射器本体の小径管部を確実にシールすることができる。
【0013】
さらに、請求項1又は2に記載の逆止弁付栓体において、前記挿入孔部の内周部を注射器本体の小径管部の外形に対応させて形成することにより注射器本体の小径管部を確実にシールすることもできる。
【0014】
請求項3に係る逆止弁付栓体は、請求項1又は2に記載の逆止弁付栓体において、前記逆止弁が、弾性素材からなるシート状の膜部と、該シート状の膜部の上面部に形成される台座部とからなり、前記シート状の膜部は栓本体の注射器本体の小径管部の挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞する如く張設されると共に、挿入孔部の下端開口部の閉塞部位より外側に通液窓部が形成されており、前記台座部は注射器本体の小径管部が閉塞されることのないように形成されている。
【0015】
前記逆止弁は、前記シート状の膜部を弾性素材で作製することによって、挿入孔部への注射器本体の小径管部の挿し込み動作の終端時に弾性的に押し込まれ、開口部の内部と注射器本体の小径管部とが連通し、また挿入孔部から注射器本体の小径管部を抜き取ると逆止弁が弾性復元して挿入孔部の下端開口部を閉塞できるようにした。
【0016】
またシート状の膜部の外縁部又はその近傍、即ち挿入孔部の下端開口部の閉塞部位より外側には液体流路となる通液窓部が形成されている。
【0017】
前記台座部は、注射器本体の小径管部でもって逆止弁を押込むに際し、小径管部の先端を閉塞しないようにするためにシート状の膜部の上面中央部に形成されている。例えば、台座部の形状が、注射器本体の小径管部より大径の円盤体で、該円盤体の上面部に全幅に亘って凹溝部を形成したものや、注射器本体の小径管部の直径より長尺で、かつ、幅が小径管部の直径よりも狭い長方体であれば、注射器本体の小径管部の先端を台座部の上面部に当接させるに際し、注射器本体の小径管部の先端は閉塞されない。
【0018】
請求項4に係る逆止弁付栓体は、請求項1に記載の逆止弁付栓体において、開口部に嵌着され、注射器本体の小径管部を気密状態に挿し込む挿入孔部を有し、該挿入孔部の下端開口部を下方へ突出する如く形成した栓本体と、前記挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞する如く栓本体に張設された逆止弁とからなり、前記栓本体は、開口部に嵌合する外嵌部材と、該外嵌部材に嵌合し、かつ、中央部に注射器本体の小径管部を挿し込む挿入孔部を有する内嵌部材とからなり、前記逆止弁は、内嵌部材の注射器本体の小径管部の挿入孔部の下端開口部を開閉する板状の膜部と、注射器本体の小径管部が閉塞されることのないように前記板状の膜部の上面部に形成されている台座部と、弾性素材からなる複数本の紐状吊下部とからなり、該紐状吊下部は基部を板状の膜部の外縁部に接続し、かつ、上端部を外嵌部材の内面上端部に接続して注射器本体の小径管部の挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞するように板状の膜部を吊り下げ、紐状吊下部の弾性力で板状の膜部を挿入孔部に圧接させたことを特徴とする。
【0019】
請求項5に係る逆止弁付栓体は、請求項1に記載の逆止弁付栓体において、開口部に嵌着され、注射器本体の小径管部を気密状態に挿し込む挿入孔部を有し、該挿入孔部の下端開口部を下方へ突出する如く形成した栓本体と、前記挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞する如く栓本体に張設された逆止弁とからなり、前記栓本体は、開口部に嵌合する外嵌 部材と、該外嵌部材に嵌合し、かつ、中央部に注射器本体の小径管部を挿し込む挿入孔部を有する内嵌部材とからなり、前記逆止弁は、内嵌部材の注射器本体の小径管部の挿入孔部の下端開口部を開閉する板状の膜部と、弾性素材からなる複数本の紐状吊下部とからなり、該紐状吊下部は基部を板状の膜部の外縁部に接続し、かつ、上端部を外嵌部材の内面上端部に接続して注射器本体の小径管部の挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞するように板状の膜部を吊り下げ、複数本の紐状吊下部のうち少なくとも1本の紐状吊下部の弾性力を他の紐状吊下部よりも大きくして、注射器本体の小径管部の挿入孔部の挿入動作の終端時に弾性力の大きい紐状吊下部の下部を回転中心として板状の膜部を回動させて挿入孔部を開口するようにしたことを特徴とする。
【0020】
請求項6に係る逆止弁付栓体は、請求項1に記載の逆止弁付栓体において、開口部に嵌着され、注射器本体の小径管部を気密状態に挿し込む挿入孔部を有し、該挿入孔部の下端開口部を下方へ突出する如く形成した栓本体と、前記挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞する如く栓本体に張設された逆止弁とからなり、前記栓本体は開口部に嵌合する外嵌部材と、該外嵌部材に嵌合し、かつ、中央部に注射器本体の小径管部を挿し込む挿入孔部を有する内嵌部材とからなり、前記逆止弁が、弾性素材からなるカップ状の膜部と、カップ状の膜部の底部上面に形成された台座部とからなっており、該カップ状の膜部は内嵌部材に被嵌した状態で上部全周縁が外嵌部材の上部全内周縁に接続しており、カップ状の膜部の底部内面で、内嵌部材の注射器本体の小径管部の挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞するようにし、かつ、注射器本体の小径管部を閉塞することのないように台座部を形成し、カップ状の膜部の全周面に複数の通液窓部を形成したことを特徴とする。
【0021】
請求項7に係る逆止弁付栓体は、請求項6に記載の逆止弁付栓体において、前記カップ状の膜部の通液窓部間の幅を狭くして隣位の通液窓部との間を紐状部としたことを特徴とする。
【0022】
請求項8に係る逆止弁付栓体は、請求項6に記載の逆止弁付栓体において、栓本体が開口部に嵌合する厚肉リング状の外嵌部材と、外嵌部材に嵌合した状態で下部が外嵌部材より下方に突出する内嵌部材とからなり、上記外嵌部材から突出する内嵌部材の突出部を被嵌する弾性素材からなるカップ状の膜部を上記厚肉リング状の外嵌部材と一体成形し、カップ状の膜部の底部内面で内嵌部材の注射器本体の小径管部の挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞するようにし、底部上面に形成した台座部で注射器本体の小径管部を閉塞することのないようにし、かつ、カップ状の膜部の周面に複数の通液窓部を形成したことを特徴とする。
【0023】
請求項9に係る逆止弁付栓体は、請求項6に記載の逆止弁付栓体において、カップ状の膜部の両側面をカットして帯状の膜部とし、このカットにより形成された開口部を通液窓部としたことを特徴とする。
【0024】
請求項10に係る逆止弁付栓体は、請求項1に記載の逆止弁付栓体において、開口部に嵌着され、注射器本体の小径管部を気密状態に挿し込む挿入孔部を有し、該挿入孔部の下端開口部を下方へ突出する如く形成した栓本体と、前記挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞する如く栓本体に張設された逆止弁とからなり、前記栓本体は、開口部に嵌合する外嵌部材と、該外嵌部材に嵌合し、かつ、中央部に注射器本体の小径管部を挿し込む挿入孔部を有する内嵌部材とからなり、前記逆止弁は、弾性素材からなるカップ状の膜部と、カップ状の膜部の底部上面に形成された台座部とからなっており、前記カップ状の膜部は内嵌部材に被嵌した状態で上部全周縁が外嵌部材の上部全内周縁に接続しており、カップ状の膜部の底部で、かつ、内嵌部材の環状先端面と当接する環状部位に複数個の通液孔を穿設し、該通液孔を穿設したカップ状の膜部の環状部位を内嵌部材の環状先端面に所定圧で圧接して内嵌部材の環状先端面で上記カップ状の膜部に設けた複数個の通液孔を閉塞するようにし、カップ状の膜部の底面に設けた台座部で注射器本体の小径管部を閉塞することのないようにしたことを特徴とする。
【0025】
請求項11に係る逆止弁付栓体は、請求項6〜10のいずれかに記載の逆止弁付栓体において、上記カップ状の膜部の底部上面に形成した台座部をプラスチック素材で形成した円盤体と、該円盤体上に一体に形成した台座とで構成したことを特徴とする。
【0026】
請求項12に係る逆止弁付栓体は、請求項1〜11のいずれかに記載の逆止弁付栓体において、栓本体の挿入孔部の上端開口部に嵌め込む弾性素材からなる蓋体を有し、該蓋体の一方の面に十字の破断用溝を設けたことを特徴とする。
【0027】
なお、上記の各逆止弁付栓本体は、挿入孔部に係合溝部を形成し、前記係合溝部に対応する係止突部を注射器本体の小径管部に形成して、注射器本体の抜け止め構造とすることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る逆止弁付栓体1の実施例について説明する。
【0029】
図1は本発明の第1の実施例に係る逆止弁付栓体1を示しており、同図(A)は平面図、同図(B)は同図(A)及び(C)のA−A線断面図、同図(C)は底面図であり、図2は図1(B)の拡大図、図3は逆止弁3の拡大図で同図(A)は平面図、同図(B)は同図(A)のA−A線断面図であり、図4は逆止弁付栓体1の動作説明図である。
【0030】
逆止弁付栓体1は、図1(B)及び図2に示すように、栓本体2、逆止弁3、蓋体4及び覆設部材5からなっており、薬瓶や混注管の開口部6に気密に装着されて薬瓶や混注管の内部と外部を連通・遮断操作可能にしている。
【0031】
栓本体2はゴム等の弾性素材で作製されており、図1(B)及び図2に示すように、薬瓶や混注管の開口部6に嵌合され、中央部には注射器本体10の小径管部11(図4)の挿入孔部7及び拡径孔部8が形成され、上端外周部には外方に向けてフランジ部9が形成されている。
【0032】
挿入孔部7は、注射器本体10の小径管部11(図4)を挿し込む部位であり、上端内縁部には蓋体4を嵌め込む嵌合部12が形成されており、内周部は小径管部11の外周面をシールするために部分的に縮径しており、下端開口部7aは逆止弁3でもって閉塞されている。
【0033】
拡径孔部8内には挿入孔部7の下端開口部7aが突出しており、挿入孔部7の下端開口部7aを閉塞するために逆止弁3が張設されている。図1及び図2の状態では挿入孔部7の下端開口部7aが逆止弁3で所定圧で閉塞されており、この逆止弁3により挿入孔部7と薬瓶或いは混注管に連なる拡径孔部8は遮断されている。
【0034】
フランジ部9は、栓本体2を薬瓶等の開口部6に嵌装した際、栓本体2が開口部6の内部に入り込んでいくことを防止するため、開口部6の上端面に係止できるように栓本体2の外周上端部から外方に向かって延設されている。またフランジ部9の下面側には開口部6の上端面をシールする環状リブ13が二重に形成されており、薬瓶内部の液体が栓本体2の外周部と開口部6の内周部との間から漏洩することを防止している。尚、環状リブ13は栓本体2と異なる素材で別体に作製してもよく、この場合、フランジ部9の下面側には環状リブ13を嵌合可能な溝を形成しておくとよい。
【0035】
本実施例では、栓本体2の外周部と開口部6の内周部との間に僅かな隙間があるものを例示したが、栓本体2の外径と開口部6の内径とが同寸であるか、若しくは栓本体2を弾性変形して開口部6に捻じ込める程度に、栓本体2の外径を開口部6の内径よりやや大径にゴム等の弾性素材で形成してもよい。
【0036】
逆止弁3は、図3に示すように、ゴム等の弾性素材で作製されたシート状の膜部14と、シート状の膜部14の上面中央部に形成される台座部15とで構成されている。シート状の膜部14は栓本体2の挿入孔部7の下端開口部7aを閉塞する如く拡径孔部8内に張設されると共に、挿入孔部7の下端開口部7aの閉塞部位より外側に通液窓部16が形成されている。また台座部15は円盤体の上面部から底部まで全幅に亘って凹溝部17を形成したものであり、挿入孔部7の下端開口部7a内に収まり、かつ、挿入孔部7に挿し込む注射器本体10の小径管部11の先端開口部11a(図4)より大径である。すなわち、台座部15は挿入孔部7に挿し込んだ注射器本体10の小径管部11が閉塞されることのないように形成されていれば図示したもの以外でもよく、例えば、図示した台座部15の代わりに長方体状の台座部(図示せず)でもよい。この長方体状の台座部は、長さが注射器本体10の小径管部11の直径よりも長く、挿入孔部7の下端開口部7aの孔径よりも短く、幅が注射器本体10の小径管部11の直径よりも狭ければ注射器本体10の小径管部11が閉塞しないようにできる。
【0037】
また、逆止弁3は、シート状の膜部14及び台座部15をゴム等の弾性素材で一体に作製してもよいし、シート状の膜部14と別体に作製した台座部15を接着、溶着等の手段で一体にしてもよい。後者の場合、台座部15の材質はゴム等の弾性素材に限定する必要はなく、注射針18(図5)を容易に突き刺せる程度の硬さであれば非弾性的な合成樹脂等でもよい。
【0038】
蓋体4は、図1(B)及び図2に示すように、挿入孔部7の上端開口部に形成されている嵌合部12に嵌め込み、挿入孔部7内に塵芥類が入り込むことを防止している。当然のことながら、挿入孔部7に注射器本体の小径管部11を挿し込むに際し、蓋体4は栓本体2の嵌合部12から取外される。また蓋体4は、栓本体2又は覆設部材5に枢着しておいてもよいし、栓本体2や覆設部材5と別体に製作したものでもよく、嵌合部12の形状と同寸であることが望ましい。尚、蓋体4の上面部に、適当な把手部(図示せず)を形成しておくと、蓋体4を嵌合部12から容易に取外すことができる。
【0039】
覆設部材5は、図1及び図2に示すように、可塑性素材であるアルミニウム等の金属や熱可塑性素材である合成樹脂からなり、栓本体2が開口部6から外れないようにするものである。また覆設部材5は、環状リブ13が弾性変形する程度に、フランジ部9を開口部6の上端面に圧着すると、環状リブ13が開口部6の上端面に気密に接触し、栓本体2の外周部と開口部6の内周部との間からの液体の漏洩を確実に防止できる。
【0040】
次に、図4を用いて第1の実施例に係る逆止弁付栓体1の動作を説明する。まず、逆止弁付栓体1から蓋体4を取外したのち、挿入孔部7に注射器本体10の小径管部11を挿し込む。この小径管部11の挿し込み動作の終端時に小径管部11の先端部11aでもって逆止弁3の台座部15を押込むことにより逆止弁3のシート状の膜部14と挿入孔部7の下端開口部7aとを弾性的に離間させることができる。これによって、注射器本体10の小径管部11と開口部6の内部とを連通する液体流路(図4の鎖線)が形成される。
【0041】
例えば、開口部6から液体を注入する場合の液体流路は、図4の鎖線で示すように、注射器本体10の小径管部11、逆止弁3の台座部15の凹溝部17、逆止弁3のシート状の膜部14と挿入孔部7の下端開口部7aとの隙間、逆止弁3の通液窓部16、開口部6の内部の順に形成される。また開口部6から液体を吸い取る際の液体流路は、液体を注入する場合の液体流路と逆順になるだけなので省略する。尚、薬瓶の開口部6から液体を吸い取るときは、拡径孔部8内に液体が充満するように開口部6を下方に向ければよい。
【0042】
また、挿入孔部7の内周面は部分的に縮径して形成されているので、挿入孔部7に注射器本体の小径管部を挿し込んだとき、小径管部11の外周面をシールできる。従って、液体の注入・吸い取りを行なうに際し、注射器本体10の小径管部11と挿入孔部7との間からの液漏れを防止することができる。
【0043】
以上のように、第1の実施例に係る逆止弁付栓体1は、注射針を使用せずに注射器本体10のみでもって薬瓶等の開口部6から液体を吸い取り、又は混注管の開口部6から液体を注入することができる。
【0044】
また、第1の実施例に係る逆止弁付栓体1は、図5に示すように、逆止弁3を従前のゴム栓等と同様に注射針18を突刺せる素材で製作しているので、注射針18を装着した注射器19によって薬液の吸い取りや注入が行なえる。尚、図5では、蓋体4に関しても注射針18で突刺せる材質で作製している。
【0045】
図6は第1の実施例の第1の改変例に係る逆止弁付栓体1を示している。この改変例に係る逆止弁付栓体1は、図6に示すように、挿入孔部7の内周面形状が注射器本体10の小径管部11の形状(テーパー状)に対応して形成されている点及び栓本体2が外嵌部材20と内嵌部材21とからなる点で上記第1の実施例と異なっており、他の点に関しては上記第1の実施例に係る逆止弁付栓体1と同様であるから、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
すなわち、図6に示す改変例に係る逆止弁付栓体1は、挿入孔部7を注射器本体10の小径管部11の形状(テーパー状)に対応させて形成することにより注射器本体10の小径管部11を確実にシールでき、かつ、挿入孔部7に小径管部11を挿し込み過ぎて逆止弁3が破損することを防止できるようにした。
【0047】
また、栓本体2は開口部6に嵌合する外嵌部材20と、外嵌部材20に嵌合する内嵌部材21とで構成されている。外嵌部材20は内嵌部材21を嵌合する嵌合孔部22及び該嵌合孔部22と連続する拡径孔部8を有しており、内嵌部材21は中央部に注射器本体10の小径管部11を挿し込む挿入孔部7を有しており、外嵌部材20に内嵌部材21を挿し込んだ状態で内嵌部材21の先端部が外嵌部材20の拡径孔部8に突出している。
【0048】
すなわち、この逆止弁付栓体1は、栓本体2を外嵌部材20と内嵌部材21に分割することによって外嵌部材20と内嵌部材21を夫々異なる材質で作製することができる。例えば、外嵌部材20はゴム等の弾性素材で作製し、内嵌部材21は合成樹脂等の剛性素材で作製することができる。この場合、外嵌部材20が弾性収縮し、これに追従して内嵌部材21の挿入孔部7が弾性収縮するのを防止できる。すなわち、挿入孔部7の孔径が収縮すると注射器本体10の小径管部11の挿入孔部7への挿し込み動作を妨げるので、内嵌部材21を合成樹脂等の剛性素材で作製することが望ましい。また合成樹脂は金属等の剛性素材と比較して薬品に対する反応性が低く、軽量、かつ、安価であるため内嵌部材21の材質としては好適である。
【0049】
また、外嵌部材20の嵌合孔部22及び内嵌部材21の外面部には相互に係合する環状凹部23及び環状凸部24が形成されており、外嵌部材20に嵌合した内嵌部材21の抜け止め作用を奏する。
【0050】
図7は、第1の実施例の第2の改変例に係る逆止弁付栓体1であって、前記第2の改変例に係る逆止弁付栓体と実質的には同一であり、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。図7において栓本体2は、開口部6に嵌合する筒状の外嵌部材20と、外嵌部材20に嵌合する内嵌部材21とで構成される。内嵌部材21は中央部に注射器本体10の小径管部11を挿し込む挿入孔部7を有しており、外嵌部材20に組み込んだ状態で、内嵌部材21と外嵌部材20との間に拡径孔部8が形成されている。
【0051】
逆止弁3は、中央部に挿入孔部7に嵌り込む台座部15を1体に有しており、外周縁に通液窓部16を有するシート状の膜部14の全周縁を、外嵌部材20の内周面の上部に溶着又は接着してある。即ち中央部の台座部15を挿入孔部7内に、所定圧で嵌まり込む様に張設する。台座部15の上面には、注射器本体10の小径管部11を挿入孔部7に挿し込んだ時、小径管部11が閉塞されることのないように溝部17を形成してある。鎖縁の状態は、注射器本体10の小径管部11でシート状の膜部14を開いた状態を示す。
【0052】
次に、図8及び図9は本発明の第2の実施例に係る逆止弁付栓体1を示している。この逆止弁付栓体1は、逆止弁3の構造が前記第1の実施例と異なっており、他の点に関しては前記実施例に係る逆止弁付栓体1と同様であるから、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。なお、図8は逆止弁付栓体1を混注管の開口部6に装着した場合を示す。
【0053】
第2の実施例に係る逆止弁付栓体1の栓本体2を構成する内嵌部材21は外嵌部材20の上端面に係止するフランジ部25が形成されており、フランジ部25には外嵌部材20の上端面に形成された突起部26を挿通する係合孔部27が形成されている。また外嵌部材20の外形は、開口部6の内形に対応した形状に形成してある。
【0054】
また、この逆止弁付栓体1の逆止弁3は、図9に示すように、内嵌部材21の挿入孔部7の下端開口部7aを閉塞する板状の膜部28、台座部29及び紐状吊下部30で構成されている。この板状の膜部28は前記の他の実施例と異なり合成樹脂等の剛性素材で作製してもよく、その上面中央部に台座部29が形成されている。ただし、板状の膜部28を剛性素材で作製する場合は、内嵌部材21の下端開口部7aと当接する部位に弾性素材からなるシートを張設し、閉塞状態における下端開口部7aと板状の膜部28との気密性を確実にする必要がある。台座部29は円錐台形状体に十字状溝部31を形成したものであり、前記の他の実施例と同様に注射器本体10の小径管部11を閉塞することがないように形成されている。また板状の膜部28の外縁部にはゴム等の弾性素材からなる4本の紐状吊下部30が等間隔に接続されている。
【0055】
紐状吊下部30は、図8(A),(B)に示すように、一端部を板状の膜部28の外縁部に接続すると共に、他端部を外嵌部材20の内周面の上端部に接続することにより、その弾性力でもって図8(A)に示すように板状の膜部28を内嵌部材21の挿入孔部7の下端開口部7aに所定圧でもって気密に当接させている。
【0056】
逆止弁付栓体1は、図8(B)に示すように、挿入孔部7に注射器本体10の小径管部11を挿し込み、その挿し込み動作の終端時に逆止弁3の板状の膜部28が台座部29を介して押込まれて挿入孔部7の下端開口部7aと開口部6とが各紐状吊下部30の間の隙間32を通って連通する。すなわち、第2の実施例における逆止弁3の通液窓部は、各紐状吊下部30間の隙間32で形成される。
【0057】
図10に示す逆止弁付栓体1は、図8,9に示す第2の実施例の改変例であって、逆止弁3の4本の紐状吊下部30のうち1本の紐状吊下部30aが他の紐状吊下部30より弾性力が大きくなっており、尚且つ、板状の膜部28上に台座部が形成されていない点が異なっている。この逆止弁3は、図10(A),(B)に示すように、合成樹脂等の剛性素材からなる板状の膜部28と、3本の紐状吊下部30と、弾性力の大きな1本の紐状吊下部30aとで構成されている。即ち、この逆止弁付栓体1は、挿入孔部7に注射器本体10の小径管部11を挿し込んで逆止弁3を押し込むと、図10(B)に示すように、紐状吊下部30aの弾性力が大きいので他の紐状吊下部30に比べて伸びにくく、紐状吊下部30aの下端部30a’が回転中心となって板状の膜部28が回動して矢印の液体流路が形成される。
【0058】
図11と図12は第3の実施例で、図11(A),(B)に示すカップ状の膜部33で逆止弁3を構成した点が、前記第2の実施例と異なっている。上記カップ状の膜部33は図11(A)に示すように、栓本体2の内嵌部材21の外周面部21a並びに下端開口部7aを被覆する形状とし、かつ、弾性体で形成する。このカップ状の膜部33の底面部34の上面には前記他の実施例の逆止弁3と同様の台座部29を設けてあり、カップ状の膜部33の周壁部35の底面部34から上方の部位に複数の通液窓部36を形成する。上記カップ状の膜部33は、図12(A)に示すように、内嵌部材21に被嵌した状態で上部全周縁を外嵌部材20の上部内周縁に接着あるいは溶着する。図12(B)は液体の注入に際し、注射器本体10の小径管部11を内嵌部材21の挿入孔部7に挿し込んだ状態を示す図面で、カップ状の膜部33は小径管部11の挿入動作に関連して台座部29を介して下方に引き延ばされ通液窓部36が内嵌部材21の挿入孔部7の下端開口部7aの下方位置まで引き延ばされ、その結果、注射器本体10の小径管部11と開口部6とを連通する矢印に示す液体流路が形成され液体の注入が可能になる。なお、図11(B)に示すように、カップ状の薄膜部33の通液窓部36の間隔を狭くすると、隣位の通液窓部36との間の部分が紐状吊下部となり、前記第2の実施例の逆止弁3と同等の効果を発揮する。
【0059】
図13は第3の実施例の第1の改変例であって、栓本体2は混注管の開口部6に嵌合し、内周縁から下方に延びるカップ状の膜部37を一体に有する厚肉リング状の外嵌部材38と、上記厚肉リング状の外嵌部材38に嵌合し、下半部分が外嵌部材38より下方に突出して、上記カップ状の膜部37によって被覆されている内嵌部材39とからなっている。上記厚肉リング状の外嵌部材38とカップ状の膜部37を弾性素材によって一体成形する。カップ状の膜部37内の底部内面に注射器本体10の小径管部11を閉塞することのないようにした台座部40を設け、かつ、カップ状の膜部37の周側面に複数の通液窓部41を形成する。
【0060】
図13(A)は逆止弁3が挿入孔部7の下端開口部7aを閉塞している状態であり、図13(B)は注射器本体10の小径管部11を挿入孔部7に挿し込んで台座部40を介してカップ状の膜部37を下方に引き延ばし、通液窓部41が開いて矢印に示すように流体経路が形成されている状態を示している。
【0061】
図14は第3の実施例の第2の改変例で、図14(C)に示すように、厚肉リング状の外嵌部材42の下部から下方に伸びるカップ状の膜部43の両側面をカットして帯状の膜部とし、このカットにより形成された開口部を通液窓部44とした構造である。上記帯状の膜部43の底面上部に台座部45を設けて、注射器本体10の小径管部11を閉塞しないようにする。
【0062】
図14(A)は、閉塞状態を示し、図14(B)は、注射器本体10の小径管部11の挿し込み動作で台座部45を介して帯状の膜部43を下方に押し下げ、台座部45の横溝部46、カットにより形成された通液窓部44を介して、小径管部11と混注管の開口部6を連通する矢印に示す液体流路が形成された状態を示す。
【0063】
図15は、本発明に係る逆止弁付栓体1の第3の実施例の第3の改変例で、栓本体2は、混注管の開口部6に嵌合した下部にカップ状の膜部47を1体に有する外嵌部材48と、上記外嵌部材48に嵌合した円筒状の内嵌部材49とからなっており、外嵌部材48は伸縮可能な、例えばゴムの如き弾性素材で成形する。
【0064】
上記外嵌部材48は、上縁部の環状部分50が開口部6の段部に嵌合しており、環状部分50から下方部分がカップ状の膜部47となっており、底部分51の中央部に、上記内嵌部材49の円筒部分52内に嵌り込む台座部分53が形成されている。54は台座部分53の上面に設けた、注射器本体10の小径管部11の先端面が当接する横溝部55を有する支受部分である。56は外嵌部材48のカップ状の膜部47の底部分51で、かつ、カップ状の膜部47の内壁面と台座部分53の外周面との間の環状溝部分57の底面の環状部位57aに穿設した複数個の通液孔である。
【0065】
内嵌部材49は、外嵌部材48内に嵌り込む円筒部分52と、外嵌部材上部の環状部分50、ならびに、開口部6の上部を覆うキャップ部分58と、円筒部分52の上部の開口部に設けた蓋体4の嵌合部分59からなっている。
【0066】
60は内嵌部材49の上部の蓋体4の装着部分に被嵌した中蓋体で、中央部分に注射器本体10の小径管部11の挿し込み穴61が設けられており、蓋体4の周縁部分はキャップ部分58と中蓋体60とのよって挾持固定されており、注射器本体の小径管部11による蓋体4の破断作業を確実に行なえるようにしている。
【0067】
62は、中蓋体60の装着部分を覆う外蓋体であって、外周縁の1ヶ所が、キャップ部分58にヒンヂ63によって開閉可能に取り付けてある。64は外蓋体の開閉操作のための摘みである。
【0068】
図15(A)は逆止弁3の閉塞状態を表わす図面で、内嵌部材49の円筒部分52が、外嵌部材48のカップ状部分47の内壁面と台座部分53の外周面とで形成されている環状溝部分57に嵌り込んでおり、カップ状の膜部47の底部の通液孔56を穿設した環状部位57aを内嵌部材49の円筒部分52の環状先端面52aに、所定圧で圧設させる。結果、カップ状の膜部47の通液孔56が円筒部分52の環状先端面52aで閉塞されることになり液体通路は遮断される。
【0069】
液体を注入する場合は、図15(B)に示すように、外蓋体62を開き、中蓋体60の穴から注射器本体の小径管部11を挿し込み、蓋体4を突き破り、外嵌部材48の台座部分53の上面の支受部分54を介して外嵌部材48のカップ状の膜部47を下方向に押し下げる。即ち、カップ状の膜部47が下方向に引き延ばされ、図15(B)に示すように支受部分54の横溝部55、内嵌部材49の円筒部分52の下端部と、カップ状の膜部47の台座部分53の間、ならびにカップ状の膜部47の通液孔56が連らなり矢印に示す液体通路が形成される。
【0070】
図13に示す、カップ状の膜部37の底部上面に設けた台座部40は、円盤体40aと台座40bとの一体成形品で、該台座部40をプラスチック素材で形成して注射器本体10の小径管部11先端との当たり面の変形を防止し、かつ、液体流路の確保を良好ならしめている。尚、上記台座部は前記他の実施例の台座部に適用してもよい。
【0071】
図16は蓋体4の改変例で、図16(A),(B)に示すように、蓋体4の下面4aに予め十字状の破断用溝65を刻設しておく。蓋体4は脆いゴム弾性体又はプラスチック弾性体で製作する。使用時、図17に示すように、注射器本体10の小径管部11で蓋体4を突くと十字状の破断用溝65に沿って蓋体4が図16(A)又は図17の矢印で示す方向に破断する。なお、この十字状に破断用溝付蓋体を使用する場合は、図17に示すように、蓋体4の周縁をキャップ部58と中蓋60とで挟み込み固定した状態にするのが好ましい。上記十字状の破断用溝65を設けた蓋体4を使用すると、清潔であり、未使用か使用済みかの判別が容易であり、ゴム状弾性によるくい込みがあり抜け止めとなる。
【0072】
図18は挿入孔部7及び注射器本体10の小径管部11に抜け止め構造68を形成した点が第1〜第3の実施例に係る逆止弁付栓体1と異なっており、他の点に関しては同一部分に同一符号を付して説明を省略する。尚、図18は第1の実施例の逆止弁付栓体1を基にしたものを図示しており、他の実施例に関しては図示を省略する。
【0073】
抜け止め構造68は、逆止弁付栓体1の挿入孔部7の上端部から螺旋状に形成した係合溝部69と、注射器本体10の小径管部11の外周部に上記挿入孔部7の係合溝部69に対応するように形成した係止突部70とで構成されている。係止突部70は、係合溝部69に螺合できるように形成されていればよく、図18では2個の係止突部70が形成されている。このように抜け止め構造68を設けると、注射器本体10の小径管部11が挿入孔部7から自然に抜けることを防止でき、注射器本体10による液体の注入・吸い取りを容易に行なえる。
【0074】
本発明に係る逆止弁付栓本体を、血液回路中に組み込まれている混注管に装着する場合は、逆止弁の締め付け圧を所定圧になるように設定しておく必要がある。即ち、血液回路には陽圧側ラインと陰圧側ラインが存在し、特に陰圧側ラインでは、挿入孔部の下端開口部に圧接されている膜部を引き離す方向の陰圧が作用する。血液回路に発生する陰圧は通常1kg/cm2程度である。従って、本発明に係る栓体に組み込む逆止弁は、上記の引き離す方向に作用する1kg/cm2の陰圧に充分打ち勝つ締め付け圧になる様に、第1の実施例ではシート状の膜部のは張り付け力、第2の実施例では紐状吊下部の弾性力、第3の実施例ではカップ状の膜部の弾性力を設定しておく必要がある。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、注射器を用いて開口部からの液体の吸出及び開口部への液体の注入を行なうに際し、注射針を使用せずに注射器本体のみで行なうことができる。また本発明は注射針を使用しても液体の注入・吸い取りを行なえるので、液体の使途に応じて注射針の使用を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の第1の実施例に係る逆止弁付栓体の平面図、(B)は(A)のA−A線断面図、(C)は底面図である。
【図2】 図1(B)の拡大図である。
【図3】 (A)は第1の実施例における逆止弁付栓体の逆止弁の平面図、(B)は(A)のA−A線断面図である。
【図4】 第1の実施例に係る逆止弁付栓体の動作説明図である。
【図5】 第1の実施例に係る逆止弁付栓体の具体的使用例の説明図である。
【図6】 本発明の第1の実施例の第1の改変例に係る逆止弁付栓体の含軸心断面図である。
【図7】 本発明の第1の実施例の第2の改変例に係る逆止弁付栓体の含軸心断面図である。
【図8】 本発明の第2の実施例に係る逆止弁付栓体の含軸心断面図で、(A)は逆止弁が閉塞状態のときの図面であり、(B)はその動作説明図である。
【図9】 (A)は第2の実施例に係る逆止弁付栓体の逆止弁の含軸心断面図、(B)は(A)の平面図である。
【図10】 第2の実施例に係る逆止弁付栓体の変形例を示す含軸心断面図で、(A)は逆止弁の閉塞状態の図面であり、(B)はその動作説明図である。
【図11】 本発明の第3の実施例に係る逆止弁付栓体の逆止弁の説明図で、(A)(B)はカップ状の膜部からなる逆止弁の斜視図である。
【図12】 本発明の第3の実施例の逆止弁付栓体の断面図で(A)は閉塞状態を示す断面図であり、(B)はその動作状態の説明図である。
【図13】 本発明の第3の実施例の第1の改変例であって、(A)は逆止弁の閉塞状態を示す断面図であり、(B)はその動作状態の説明図である。
【図14】 本発明の第3の実施例の第2の改変例であって、(A)は逆止弁の閉塞状態を示す断面図であり、(B)はその動作状態の説明図である。(C)は帯状の膜部からなる逆止弁の斜視図である。
【図15】 本発明に係る第3の実施例の第3の改変例であって、(A)は逆止弁の閉塞状態を示す断面図であり、(B)はその動作状態の説明図である。
【図16】 本発明に係る逆止弁付栓体の蓋体の説明図であって、(A)は断面図であり、(B)は下面図である。
【図17】 本発明に係る逆止弁付栓体の蓋体の動作状態を示す断面図である。
【図18】 本発明に係る逆止弁付栓体の抜け止め構造を示す図面である。
【符号の説明】
(1)逆止弁付栓体
(2)栓本体
(3)逆止弁
(4)蓋体
(5)覆設部材
(6)開口部
(7)挿入孔部
(8)拡径孔部
(9)フランジ部
(10)注射器本体
(11)小径管部
(14)シート状の膜部
(15),(29),(40),(45),(53)台座部
(16),(32),(36),(41),(44),(56)通液窓部
(20),(38),(42),(48)外嵌部材
(21),(39),(49)内嵌部材
(22)嵌合孔部
(23)環状凹部
(24)環状凸部
(65)十字状溝部
(68)抜け止め構造
Claims (12)
- 開口部に嵌着され、注射器本体の小径管部を気密状態に挿し込む挿入孔部を有し、該挿入孔部の下端開口部を下方へ突出する如く形成した栓本体と、前記挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞する如く栓本体に張設された逆止弁とからなり、
前記挿入孔部への注射器本体の小径管部の挿し込み動作の終端時に注射器本体の小径管部の先端で逆止弁を押し開いて開口部の内部と注射器本体の小径管部とを連通する液体流路を形成するようにしたことを特徴とする逆止弁付栓体。 - 前記栓本体は、前記開口部に嵌合する外嵌部材と、該外嵌部材に嵌合する内嵌部材とからなり、外嵌部材は内嵌部材が嵌合する嵌合孔部を有し、内嵌部材は注射器本体の小径管部を挿し込む挿入孔部を有しており、かつ、外嵌部材に内嵌部材を挿し込んだ状態で先端部が外嵌部材の嵌合孔部より下方へ突出していることを特徴とする請求項1に記載の逆止弁付栓体。
- 前記逆止弁は、弾性素材からなるシート状の膜部と、該シート状の膜部の上面部に形成される台座部とからなり、前記シート状の膜部は栓本体の注射器本体の小径管部の挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞する如く張設されると共に、該挿入孔部の下端開口部の閉塞部位より外側に通液窓部が形成されており、前記台座部は注射器本体の小径管部を閉塞することのないように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の逆止弁付栓体。
- 開口部に嵌着され、注射器本体の小径管部を気密状態に挿し込む挿入孔部を有し、該挿入孔部の下端開口部を下方へ突出する如く形成した栓本体と、前記挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞する如く栓本体に張設された逆止弁とからなり、前記栓本体は、開口部に嵌合する外嵌部材と、該外嵌部材に嵌合し、かつ、中央部に注射器本体の小径管部を挿し込む挿入孔部を有する内嵌部材とからなり、前記逆止弁は、内嵌部材の注射器本体の小径管部の挿入孔部の下端開口部を開閉する板状の膜部と、注射器本体の小径管部が閉塞されることのないように前記板状の膜部の上面部に形成されている台座部と、弾性素材からなる複数本の紐状吊下部とからなり、該紐状吊下部は基部を板状の膜部の外縁部に接続し、かつ、上端部を外嵌部材の内面上端部に接続して注射器本体の小径管部の挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞するように板状の膜部を吊り下げたことを特徴とする請求項1に記載の逆止弁付栓体。
- 開口部に嵌着され、注射器本体の小径管部を気密状態に挿し込む挿入孔部を有し、該挿入孔部の下端開口部を下方へ突出する如く形成した栓本体と、前記挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞する如く栓本体に張設された逆止弁とからなり、前記栓本体は、開口部に嵌合する外嵌部材と、該外嵌部材に嵌合し、かつ、中央部に注射器本体の小径管部を挿し込む挿入孔部を有する内嵌部材とからなり、前記逆止弁は、内嵌部材の注射器本体の小径管部の挿入孔部の下端開口部を開閉する板状の膜部と、弾性素材からなる複数本の紐状吊下部とからなり、該紐状吊下部は基部を板状の膜部の外縁部に接続し、かつ、上端部を外嵌部材の内面上端部に接続して注射器本体の小径管部の挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞するように板状の膜部を吊り下げ、複数本の紐状吊下部のうち、少なくとも1本の紐状吊下部の弾性力を他の紐状吊下部よりも大きくして、該紐状吊下部の下端をヒンジとして板状の膜部を回動させて開放するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の逆止弁付栓体。
- 開口部に嵌着され、注射器本体の小径管部を気密状態に挿し込む挿入孔部を有し、該挿入孔部の下端開口部を下方へ突出する如く形成した栓本体と、前記挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞する如く栓本体に張設された逆止弁とからなり、前記栓本体は、開口部に嵌合する外嵌部材と、該外嵌部材に嵌合し、かつ、中央部に注射器本体の小径管部を挿し込む挿入孔部を有する内嵌部材とからなり、前記逆止弁は、弾性素材からなるカップ状の膜部と、カップ状の膜部の底部上面に形成された台座部とからなっており、前記カップ状の膜部は内嵌部材に被嵌した状態で上部全周縁が外嵌部材の上部全内周縁に接続しており、カップ状の膜部の底部内面で、内嵌部材の注射器本体の小径管部の挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞するようにし、かつ、注射器本体の小径管部を閉塞することのないように台座部を形成し、カップ状の膜部の全周面に複数の通液窓部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の逆止弁付栓体。
- 前記カップ状の膜部の通液窓部間の幅を狭くして隣位の通液窓部との間を紐状部としたことを特徴とする請求項6に記載の逆止弁付栓体。
- 前記栓本体は、開口部に嵌合する厚肉リング状の外嵌部材と、外嵌部材に嵌合した状態で下部が厚肉リング状の外嵌部材より下方に突出する内嵌部材とからなり、上記厚肉リング状の外嵌部材から突出する内嵌部材の突出部を被嵌する弾性素材からなるカップ状の膜部を上記厚肉リング状の外嵌部材と一体成形し、カップ状の膜部の底部内面で内嵌部材の注射器本体の小径管部の挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞するようにし、底部上面に形成した台座部で注射器本体の小径管部を閉塞することのないようにし、かつ、カップ状の膜部の周面に複数の通液窓部を形成したことを特徴とする請求項6に記載の逆止弁付栓体。
- カップ状の膜部の両側面をカットして帯状の膜部とし、このカットにより形成された開口部を通液窓部としたことを特徴とする請求項6に記載の逆止弁付栓体。
- 開口部に嵌着され、注射器本体の小径管部を気密状態に挿し込む挿入孔部を有し、該挿入孔部の下端開口部を下方へ突出する如く形成した栓本体と、前記挿入孔部の下端開口部を所定圧で閉塞する如く栓本体に張設された逆止弁とからなり、前記栓本体は、開口部に嵌合する外嵌部材と、該外嵌部材に嵌合し、かつ、中央部に注射器本体の小径管部を挿し込む挿入孔部を有する内嵌部材とからなり、前記逆止弁は、弾性素材からなるカップ状の膜部と、カップ状の膜部の底部上面に形成された台座部とからなっており、前記カップ状の膜部は内嵌部材に被嵌した状態で上部全周縁が外嵌部材の上部全内周縁に接続しており、カップ状の膜部の底部で、かつ、内嵌部材の環状先端面と当接する環状部位に複数個の通液孔を穿設し、該通液孔を穿設したカップ状の膜部の環状部位を内嵌部材の環状先端面に所定圧で圧接して内嵌部材の環状先端面で上記カップ状の膜部に設けた複数個の通液孔を閉塞するようにし、カップ状の膜部の底面に設けた台座部で注射器本体の小径管部を閉塞することのないようにしたことを特徴とする請求項1に記載の逆止弁付栓体。
- 上記カップ状の膜部の底部上面に形成した台座部をプラスチック素材で形成した円盤体と、該円盤体上に一体に形成した台座とで構成したことを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の逆止弁付栓体。
- 栓本体の挿入孔部の上端開口部に嵌め込む弾性素材からなる蓋体を有し、該蓋体の一方の面に十字の破断用溝を設けたことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の逆止弁付栓体。
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