JP3743631B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯器や暖房機などに好適に採用できる燃焼装置に係り、更に詳しくは、種別や濃度の異なる多くの供給ガスに対応可能なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、都市ガス(天然ガス:メタン系)やプロパンガス(プロパン系:主にプロパンとブタンから成る)、あるいは、ガスの供給企業が独自に製したり、複数種のガスを独自に混合調整したガスなどの多種のガスが地域毎に区分して供給されている。
【0003】
これらの供給ガスは、ガス供給企業が独自に付したコードや、供給ガスの有するウォッベ指標(Wobbe index :一定のオリフィスを持つガスバーナが放出する熱量の指標)を表す数値にガスの主成分を示すコードを付して呼称されるものが多い。例えば、メタン系ガスでは都市ガスに採用される6A、12A、13Aなどがあり、その他に、L1(C6)などの複数のガスを混合調整したガスもある。
【0004】
この様に、多種の供給ガスがあるため、燃焼装置や暖房装置のメーカーでは、ガス器具毎に複数のガスに対応した仕様の異なる製品を製造したり、あるいは、異なるガス噴射ノズルや空気供給部品などを用意して同一器具で複数のガスに対応している。
【0005】
また、熱量(ウォッベ指標)が近似した12Aおよび13Aなどの2種の都市ガスに対応可能なガス器具も開発されている。この様なガス器具は、供給ガスの種別をガスセンサによって自動判別し、判別したガスの種別に応じて、供給空気量を調節制御して燃焼させるものであり、ガス噴射ノズルなどを取り換えることなく複数種のガスに対応可能である。
【0006】
一方、供給ガスにガス器具を対応させるのではなく、数多く普及している都市ガス用のガス器具に適合したガスを供給する地域もある。
例えば、都市ガス(天然ガス:13A)と略同等の熱量をプロパンガス(LPG)で得るように、プロパンガスに予め空気を混合して濃度を減少させた低濃度プロパンガス(以降、プロパン13Aと記載)を供給する地域もある。
このプロパン13Aは、プロパンガス60容量%と空気40容量%とを予混合したもので、都市ガス仕様のガス器具をそのまま用いることができ、転居などに際してガス器具を買い換えたり、改造する手間が不要である。
【0007】
この様に、供給ガスが多岐に渡ることに伴う煩雑さを緩和するために、熱量の近似した供給ガスに自動対応可能なガス器具が開発されたり、ガス器具を共用できるように、熱量(ウォッベ指標)の等価なガスを供給するなどの対策が講じられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、供給ガスの熱量(ウォッベ指標)が大きく異なる場合には、前記したように、複数種のガスに対応可能なガス器具を製造することが困難であった。
特に、前記したプロパン13Aとプロパンガスについては、いずれもプロパン系のガスにも拘わらず、これらの双方に対応したガス器具を製造することが困難であった。これは、ガス器具のガス噴射ノズル径をプロパン13A仕様に合わせると、プロパン(濃度100%)供給時にはガス供給量を略1/3に低下させなければならず、ガス供給量を低い値に安定させるのが困難なうえに、ガス噴射ノズルから噴出するガス圧力が極端に低下し、バーナへ安定してガス噴射を行えないことに起因していた。
【0009】
従って、製造メーカでは、熱量の大きく異なるガスについては、ガス種別毎に仕様の異なるガス器具を製造したり、部品交換をして対応せざるを得ず、製品や部材管理に多大な労力を要していた。また、ガス器具の売買の際にはガス種別を誤りなく確認しなければならず、煩わしいうえに間違いが生じる要因となっていた。
【0010】
また昨今、燃焼装置の小型化や低NOx化が問われており、これに伴って、燃焼装置の燃焼室の高さが抑えられて低容積となり、燃焼室内部における混合ガス濃度が変動し易い構造となって来ている。このため、低NOx化を実現するためには、ガスや空気の供給量を精密に制御する必要がある。
このため、前記したように、都市ガス(13A)に対応したガス器具をそのままプロパン13Aに使用した場合における有害ガスの排出量の増大が問題視されている。
【0011】
一方、この様なガス種別の問題とは異なり、燃焼装置や暖房装置を新設した場合の初回運転時には、敷設されたガス管内が供給ガスと置換されるまで繰り返し運転スイッチを操作しなければならないという問題があった。則ち、通常、燃焼装置には運転スイッチを操作してから所定時間内に着火が確認されないときは、ガス供給が行われていないものと判別してエラー処理を行うものが多い。このため、ガス管内の空気が排出されて供給ガスに置換されるまでは、運転スイッチを操作するたびにエラー処理によって繰り返し運転停止される不具合があった。
特に、集合棟などに多数の燃焼装置や暖房装置を敷設した場合は、各住戸毎に繰り返し運転スイッチを操作しなければならず、操作が面倒なうえに多大な時間を要するため改善が望まれていた。
【0012】
また、前記した問題とは異なり、燃焼装置や暖房装置では、通常、排気閉塞やガス流路あるいは空気流路の閉塞などの要因で異常燃焼が生じた際に、異常を検知して運転停止や異常回避制御の処理を行い、安全性を向上させたものが多い。
例えば、ファンの通電電流の変動によって、排気閉塞や流路閉塞の発生を検知したり、あるいは、COセンサ(一酸化炭素センサ)や火炎センサなどを設けて不完全燃焼や立ち消えなどを監視するような構成が採られている。
ところが、従来の検知方法では、検知精度を向上させることができず、信頼性に欠けるものであった。特に、前記したように、複数種のガスに対応したガス器具では、ガス種別に応じて異常と判別すべき検知範囲が異なり、制御が複雑になる嫌いがあった。
【0013】
本発明は、前記問題点に着目して提案されるもので、部品交換などをすることなく、種別や濃度の異なる多くのガスに対応可能で、NOxの排出を抑え安全性、操作性に優れた燃焼装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために提案される請求項1に記載の本発明は、ガス管を介して供給される供給源ガスとファンから供給される空気をバーナに供給して燃焼させる燃焼装置において、供給源ガスの種別を判別するガス種別センサまたは供給源ガスの濃度を判別するガス濃度センサの少なくともいずれかのセンサをガス流路内に設けると共に、供給源ガスに空気を予混合して所定濃度の予混合ガスを生成するための空気供給を行う空気供給手段または供給源ガスの流量を調節するガス量調節手段の少なくともいずれかの手段を設け、
前記ガス種別センサまたはガス濃度センサによって供給源ガスの種別または濃度を判別し、判別結果に基づいて空気供給手段またはガス量調節手段の少なくともいずれかを調節制御しつつ判別された供給源ガスの種別または濃度に応じた濃度の予混合ガスを生成し、生成した予混合ガスとファンから供給される空気をバーナに供給して燃焼させ、前記空気供給手段は、前記バーナに向けてガスを噴射するガス噴射ノズルよりも上流側に予混合を行うための空気を供給することを特徴とする燃焼装置である。
【0015】
本発明では、ガス種別センサまたはガス濃度センサのいずれかを設けた構成、または、ガス種別センサおよびガス濃度センサの双方を設けた構成を採ることができる。
ガス種別センサのみを設けた構成では、メタン系の天然ガス(13A)とプロパンガス(LPG)など、種別が異なる種々の供給源ガスを判別できる。そして、判別した供給源ガスの種別に応じて、バーナへのガス供給量または空気供給量のいずれか一方、あるいは、これら双方の供給量を最適に調節した燃焼制御を行う。
【0016】
ガス濃度センサのみを設けた構成では、プロパンガス(濃度100%)とプロパン13A(濃度60%)など、ガスの種別が同一である場合に限り、濃度が異なる供給源ガスを判別することが可能であり、判別結果に応じて前記したように最適な燃焼制御を行う。
また、ガス種別センサおよびガス濃度センサの双方を設けた構成では、種別や濃度の異なる全ての供給源ガスを判別することができ、判別結果に応じて前記したように最適な燃焼制御を行う。
【0017】
ガス種別センサあるいはガス濃度センサは、燃焼装置のガス流路内の適宜の部位に設けることができる。例えば、ガス量調節手段の下流側近傍に設けることもでき、また、バーナのガス流路内に設けることも可能である。
【0018】
ここで、ガス種別センサあるいはガス濃度センサによる供給源ガスの種別あるいは濃度の判別は、燃焼装置へ通電後の初回運転開始時だけ行っても良く、運転開始毎に行っても良い。初回運転開始時だけ供給源ガスの判別を行う構成では、燃焼装置の運転が停止されても燃焼装置が通電されている期間は判別結果(判別データ)を保持し、以降の運転の際には、保持された判別結果に基づいて燃焼制御を行う構成を採ることができる。
【0019】
また、これらのセンサの構成に加えて、空気供給手段またはガス量調節手段のいずれかを設けた構成、または、空気供給手段およびガス量調節手段の双方を設けた構成を組み合わせて採用可能である。
【0020】
ここで、燃焼装置を熱量(ウォッベ指標)が大きく異なる複数の供給源ガスに対応させる場合、最も熱量の小さい供給源ガスにガス噴射ノズル径を合わせる必要がある。ところが、熱量の大きい供給源ガスを供給すると、ガス噴射ノズルから噴射するガス量を低減しなければならず、充分な噴射圧力を確保することが困難になる。
【0021】
本発明によれば、供給源ガスの種別または濃度に応じた濃度の予混合ガスを新たに生成してバーナに供給する。則ち、供給量の低下したガスに空気を予混合して圧力を増大した予混合ガスを生成し、この予混合ガスをバーナに供給する。
これにより、バーナへ安定して予混合ガスを供給することが可能となる。
【0022】
供給源ガスと空気供給手段から供給される空気との予混合を行う構成としては種々の態様を採ることができる。
例えば、ガス噴射ノズルの周囲を囲むように予混合室を設け、この予混合室のガス噴射ノズルの軸方向近傍に開口を設けて、この予混合室に空気供給手段から空気供給を行う構成を採用できる。この構成によれば、ガス噴射ノズルから噴出するガス量が少なく、充分なガス圧力が得られない場合でも、予混合室に供給される空気をガスと混合した混合ガスを高圧力で開口から噴射することができ、バーナへ安定して混合ガスを噴射可能となる。
本発明においても、ガス種別センサあるいはガス濃度センサは、燃焼装置のガス流路内の適宜の部位に設けることができる。
【0023】
また、本発明によれば、供給源ガスの種別または濃度に応じて、ガス噴射ノズルよりも上流側に空気供給が行われて予混合される。これにより、ガス噴射ノズルに供給されるガス量が低下しても、予混合ガスの圧力を増加させた状態でガス噴射ノズルから噴出させることができ、予混合ガスをバーナへ安定して供給することが可能となる。
【0024】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の燃焼装置において、ガス濃度センサを有し、該ガス濃度センサはバーナ内部のガス流路に設けられ、燃焼中においてバーナ内部の混合ガスの濃度が供給源ガスに応じて定められた所定濃度範囲から外れたときは、ガス量調節手段または空気供給手段またはファンの少なくともいずれかを調節制御して混合ガスの濃度を所定濃度範囲に維持する構成とされている。
【0025】
ここで、バーナ内部の混合ガス濃度は供給源ガスの種別に応じて異なり、更に、排気閉塞や熱交換部のつまりなどの異常が生じた場合、異常に伴う混合ガスの濃度変動も供給源ガスの種別に応じて異なる。
本発明によれば、燃焼中におけるバーナ内部の混合ガス濃度をガス濃度センサによって直接的に常時監視する。そして、混合ガスの濃度が供給源ガスに応じて定められた所定の濃度範囲から外れると、排気閉塞や熱交換部のつまりなどの異常発生と見なして、混合ガス濃度を適正値に維持する制御を行うことができる。
【0026】
これにより、供給源ガスの種別(濃度)に拘わらず、異常の発生を的確に判別することが可能となる。また、ガス濃度センサによりバーナ内部の混合ガス濃度を直接的に監視することができるので、異常発生の判別のみならず、定常燃焼中における混合ガス濃度を高精度に制御でき、NOxの排出を低減可能である。
ガス濃度センサは、バーナ内部の混合ガス流路に設けるのが良く、特に、ガスと空気が充分に混合された下流側が最適である。
尚、混合ガスの濃度変動を検知すると同時に異常報知を行うことも可能である。
【0027】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の燃焼装置において、ガス種別センサまたはガス濃度センサによって判別可能な供給源ガスの種別毎および濃度毎に対応させて、ガス量調節手段または空気供給手段またはファンの少なくともいずれかを調節制御するための制御テーブルを予め備えており、供給源ガスの種別または濃度を判別した後は、制御テーブルを参照して制御を行う構成とされている。
【0028】
複数の供給源ガスに対応した燃焼装置では、判別した供給源ガスの種別に応じてガス量調節手段または空気供給手段またはファンを最適に制御しなければならず、制御が極めて煩雑になる。
本発明によれば、供給源ガスの種別毎に区分して制御データを制御テーブルに格納する。これにより、判別したガス種別の制御テーブルを参照してガス量調節手段または空気供給手段またはファンを制御することが可能となり、制御設計や制御変更も容易である。
【0029】
請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃焼装置において、ガス濃度センサおよびガス量調節手段を有し、ガス濃度センサが所定のガス濃度を検知するまでの期間はガス量調節手段を開成した状態を維持し、ガス濃度センサが所定のガス濃度を検知した時点でガス量調節手段を調節制御して着火処理に移行する構成とされている。
【0030】
本発明によれば、供給源ガスが燃焼装置に達していない状態では着火処理を行わない。則ち、燃焼装置の新設時における初回運転開始時に、燃焼装置に至るガス管内に空気が残留している場合には、ガス管内に残留する空気が排気されてガス濃度センサが所定のガス濃度を検知するまでは着火処理に移行しない。
これにより、運転スイッチを操作してから所定時間内に着火が確認されないために、エラー処理によって運転停止されるような不具合がなくなり、新設時における運転確認を効率良く行うことができる。
本発明は、燃焼装置の新設時における初回運転開始時のみ、則ち、ガス管内に空気が残留している可能性がある場合にのみ適用するのが良い。
【0031】
請求項5に記載の本発明は、ガス管を介して供給されるガスと空気をバーナに供給して燃焼させる燃焼装置において、ガス濃度を検知するガス濃度センサをガス流路内に設けると共に、ガスの流量を調節制御するガス量調節手段を設け、ガス濃度センサが所定のガス濃度を検知するまでの期間はガス量調節手段を開成した状態を維持し、ガス濃度センサが所定のガス濃度を検知した時点でガス量調節手段を調節制御して着火処理に移行する燃焼装置である。
本発明は、請求項4に記載の燃焼装置において請求項1から3に記載の構成を取り除いたものと同一であり、燃焼装置の新設時における運転確認を効率良く行うことが可能である。
【0032】
請求項6に記載の本発明は、請求項4または5に記載の燃焼装置において、ガス濃度センサが所定のガス濃度を検知するまでの期間は、ガス量調節手段を全開制御する構成とされている。
本発明によれば、ガス濃度センサが所定のガス濃度を検知するまでの期間、則ち、燃焼装置に至るガス管内に空気が残留している間は、ガス量調節手段を全開にして短時間に残留空気を排出させる。これにより、燃焼装置に至るガス管が長い場合でも、短時間で着火処理に移行することができ、燃焼装置の新設時における運転確認を一層効率良く行うことが可能である。
【0033】
請求項7に記載の本発明は、請求項4乃至6のいずれか1項に記載の燃焼装置において、ガス濃度センサが所定のガス濃度を検知したときは、一旦、ガス量調節手段を閉成して燃焼装置内部の掃気処理を行い、この後に、ガス量調節手段を調節制御して着火処理に移行する構成とされている。
【0034】
燃焼装置の新設時における初回運転開始時に、燃焼装置に至るガス管内の残留空気が排出される過程では、ガス管内のガス濃度が不均一になり易い。このため、ガス濃度センサが所定のガス濃度を検知してもバーナから噴出する混合ガス濃度が安定せず、直ちに着火処理に移行すると着火ミスが生じたり、逆に爆発的に着火する虞が生じる。
しかし、本発明によれば、ガス濃度センサが所定のガス濃度を検知した時点で一旦、掃気処理を行ってから着火処理に移行する。これにより、着火時における混合ガスの濃度が適正となり、安定した着火が可能である。
【0035】
請求項8に記載の本発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の燃焼装置において、ガス種別センサおよびガス濃度センサは、ガス種別を判別する機能とガス濃度を検知する機能とを兼ね備えた熱伝導型ガスセンサである構成とされている。
則ち、前記本発明において、ガス種別センサまたはガス濃度センサのいずれかを備えた構成では、これらのセンサを熱伝導型ガスセンサとすることができる。
また、ガス種別センサおよびガス濃度センサの双方を備えた構成では、これらの2つのセンサを1つの熱伝導型ガスセンサで構成することができる。これにより、1つの熱伝導型ガスセンサを設けるだけで種別や濃度の異なる全ての供給源ガスを判別可能であり、部材点数も削減できる。
【0036】
ここで、熱伝導型ガスセンサは、通電された二つの金属線の一方をガス雰囲気中に晒し、他方の金属線を標準ガス(空気)中に晒すと、ガスと標準ガスの有する熱伝導率の差に伴って両金属線の温度に差が生じ、この温度差に伴う抵抗値の差をブリッジ回路で検出する原理を用いたものである。
この熱伝導型ガスセンサは、ガスの濃度に応じて検知出力が変動すると共に、この検知出力は、ガスの種別に応じた固有の値を取る性質を有する。
従って、供給源ガスに熱伝導型ガスセンサを晒したときの検知出力を得ることにより、直ちに供給源ガスの種別および濃度を求めることが可能である。
【0037】
また、請求項9に記載の本発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の燃焼装置において、バーナは、バーナの内部で低濃度の混合ガスと高濃度の混合ガスとを生成し、低濃度の混合ガスを燃焼させた主炎に高濃度の混合ガスを燃焼させた補炎を隣接させる濃淡燃焼を行う構成としている。
本発明によれば、濃淡燃焼方式のバーナを採用することにより、混合ガスを希薄濃度状態で燃焼させることができ、NOxの排出を抑えた安定燃焼が可能である。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0039】
(第1実施形態)
第1実施形態の説明に際して、まず、燃焼装置の基本構成を説明する。
(燃焼装置の基本構成)
図1は本発明の第1実施形態に係る燃焼装置1の断面図である。図2は燃焼装置1のバーナケース部を示す斜視図である。図3(a)は燃焼装置1に採用するバーナ(バーナ部材)を示す斜視図、図3(b)はその分解斜視図である。図4(a)は図3に示すバーナ部材における淡ガス流路側の燃料ガスの流れを示す説明図、図4(b)はそのバーナ部材における濃ガス流路側の燃料ガスの流れを示す説明図である。図5(a)は燃焼装置1に採用する熱伝導型ガスセンサの動作原理を示す回路図、図5(b)はそのセンサの特性を示すグラフである。また、図6は燃焼装置1の制御動作を示すフローチャートである。
【0040】
図1において、1は本発明の燃焼装置を示す。本発明の燃焼装置1は、具体的には給湯器に内蔵されるものであり、大きく分けて送風部2、バーナケース部3、熱交換部4、排気部(排気筒)5、およびガス供給部6で構成される。
【0041】
順次説明すると、送風部2は、シロッコファンやターボファンのような送風機(ファン)20であり、モータ21の回転によって内部の羽根22が回転する構造である。送風機20は、羽根22の軸方向に給気口23があり、羽根22の接線方向に送風口24がある。送風機20の送風口24は、後述するバーナケース30の空気開口31aに直接的に取り付けられている。
【0042】
バーナケース部3は、箱体状のバーナケース30を持ち、その内部に複数のバーナ部材(バーナ)70を内蔵したものである。
バーナケース30は、四角形状の箱であり、底板部31と側面部35が板によって覆われ、上面側が開口した部材である。なお本実施形態では、底板部31は第1流路形成壁として機能するので、以下、この部材を第1流路形成壁31と称する。
【0043】
第1流路形成壁31の端部寄りの位置には、四角形の空気開口31aが設けられている。
そしてバーナケース30の内部には仕切り板32が設けられている。仕切り板32は、図1、図2に示すように、平面部32aを有し、その端部が垂直に立ち上げられて第1垂直壁部32bが設けられている。また第1垂直壁部32bの端部は水平方向に折り曲げられ、更にその端部は垂直に立ち上げられて第2垂直壁部32cが設けられ、これらによって段部が形成されている。
仕切り板32の平面部32aは第2流路形成壁として機能するので、以下この部位を第2流路形成壁32aと称する。
【0044】
仕切り板32は、バーナケース30内を二段に仕切るものであり、仕切り板32の第2流路形成壁(平面部)32aは、バーナケース30の第1流路形成壁31と平行に位置する。そのため第1流路形成壁31と第2流路形成壁32aとの間には空隙が形成され、当該空隙は箱内空気流路33として機能する。
仕切り板32の第2垂直壁部32cはバーナケース30の側面部35の一部と接する。そのため仕切り板32の段部の部位には空隙部34が形成される。
また、仕切り板32の第1垂直壁部32bには長孔状の空気取り入れ口32dが複数並べて設けられている。
【0045】
仕切り板32の上にはバーナ部材70が並べて配置される。
ここでバーナ部材70は、図3(a)に示すように、バーナ本体71と炎孔部材72によって構成されている。
バーナ本体71は、図3(b)に示すように、4枚の金属製板体を重ねて作られたものであり、板体同士の間によって空気又は燃料ガスの流路が形成されている。則ち、バーナ本体71は、中央の二枚の板体73a,73bが組み合わされた主構成体73と、その両脇の板体74a,74bが組み合わされた補助構成体74によって構成されている。
【0046】
バーナ部材70の外観を説明すると、下側の端部に上下二つの開口75,76がある。その内の上部の開口は燃料ガスが空気と共に導入されるガス導入口75である。一方、下部の開口76は、空気だけが導入される空気導入口76である。
【0047】
本実施形態で採用するバーナ部材70は、濃淡燃焼方式のバーナであり、炎孔部材72から希薄な燃料ガスが放出され、その周囲から濃度の高い燃焼ガスが放出される。
則ち、バーナ部材70の内部は、二系統の燃料ガス流路がある。より具体的には、中央の主構成体73内に形成される流路と、主構成体73の側面と両脇の補助構成体74によって形成される流路が存在する。
【0048】
そしてガス導入口75から導入された燃料ガスの多くは、図4(a)に示す流路を経て炎孔部材72から外部に放出される。この間、燃料ガスは、空気導入口76から導入された空気と混合され希薄化される。則ち、図4(a)に示す流路78は淡ガス流路78として機能する。
一方、ガス導入口75から導入された燃料ガスの残りは、図4(b)に示す流路を経て炎孔部材72の周囲から放出される。則ち、図4(b)に示す流路79は濃ガス流路79として機能する。
【0049】
上記したバーナ部材70は、図1、図2の様に、仕切り板32の上に並べて配置され、バーナ部材70のガス導入口75及び空気導入口76は仕切り板32の空気取り入れ口32dと一致する。
従って、送風機20から送風される空気は、空気開口31aから箱内空気流路33を経て空隙部34に至り、仕切り板32の空気取り入れ口32dを介してバーナ部材70のガス導入口75および空気導入口76へ供給される。
【0050】
一方、図1、図2の様に、仕切り板32の段部に形成される空隙部34を覆うバーナケース30の側面部35には開口が設けられ、当該開口を覆うようにガス供給部6の一部を構成するガス前管62が取り付けられている。
ガス前管62は箱形状であり、空隙部34側の側面には複数のガス噴射ノズル61がバーナ部材70のガス導入口75と中心軸を揃えて固定されている。また、ガス前管62の下面にはガス供給管63が接続されている。そして、ガス供給管63を介して供給される供給源ガスをガス前管62によって各ガス噴射ノズル61へ分配してバーナ部材70へ噴出させる。則ち、ガス前管62は供給源ガスを各ガス噴射ノズル61へ分岐させて噴出させる分岐配管(マニホルド)の機能を有する。
【0051】
ガス供給部6の一部であってガス前管62の上流側(ガス供給管63の一部)にはガスセンサ(熱伝導型ガスセンサ)64が設けられ、該センサ64の上流側にはガス量調節弁(ガス量調節手段)65が設けられている。
熱伝導型ガスセンサ64の詳細は後述するが、該ガスセンサ64によってガス種別およびガス濃度の双方を検知可能である。
また、ガス量調節弁65は流路断面積を調節可能な可変オリフィス構造を有し、ガス前管62へ供給する供給源ガスの供給量を電気的に調節制御する。
これらのガス前管62、ガス供給管63、ガスセンサ64およびガス量調節弁65によってガス供給部6を構成している。
【0052】
次に熱交換部4について説明する。熱交換部4は、燃焼ガスが通過する四角状の筒体である。そして、熱交換部4の筒体とバーナケース30は連通している。
熱交換部4の内部には、多数のフィン40aが所定間隔をおいて垂直に配列され、フィン40aを貫通するように、折曲された給湯パイプ40bが取り付けられている。そして、燃焼ガスが上昇する際に、燃焼ガスの熱がフィン40aを介して給湯パイプ40bへ熱交換され、熱交換された燃焼ガスは排気ガスとして下流側へ流動する。
【0053】
熱交換部4の下流側には、排気筒5が設けられている。この排気筒5は、排気外筒50、内張部材51および水切偏向部材52などを備えて構成される。この排気筒5は、熱交換部4から上昇する排気ガスを、流動方向を横向きに偏向させて排気口53から排出させるものであり、下面と左方が開放された箱形状をしている。
【0054】
次に、前記構成を有する本実施形態の燃焼装置1に採用する熱伝導型ガスセンサの動作原理および燃焼装置1の制御動作を順次説明する。
(熱伝導型ガスセンサの動作原理)
燃焼装置1のガス供給部6に設けられた熱伝導型ガスセンサ64は、図5(a)に示すように、直列接続した2本の金属線S1,S2と、直列接続した2本の抵抗R1,R2の各々の両端を接続して形成されるブリッジ回路を有する。
このブリッジ回路の接続部J1,J2間に直流電圧を印加し、接続部J3,J4間に生じる電圧を検知信号Vとして取り出す回路構成である。
【0055】
金属線S2は標準ガス(空気)の封入された容器内に気密収容され、他方の金属線S1は測定対象となる供給源ガスGに直接晒される構造である。
また、金属線S1を空気に晒した状態で検知信号Vがゼロとなるように、予め、金属線S1,S2および抵抗R1,R2の抵抗値を設定している。また、金属線S1,S2および抵抗R1,R2の抵抗値の温度係数は、正または負の同一値を有する部材を用いている。
【0056】
この熱伝導型ガスセンサ64は次の原理で検知信号を出力する。
則ち、電圧Eを印加した熱伝導型ガスセンサ64を空気中に晒すと、金属線S1,S2は通電されて発熱し、発生した熱は金属線S1,S2に接する空気の熱伝導率に応じて放熱されつつ温度が安定する。この状態では、金属線S1,S2はいずれも空気に晒されているので同一温度となり、金属線S1,S2の抵抗値の変動量は同一となる。これにより、ブリッジ回路は平衡して検知信号はゼロである。
【0057】
一方、電圧Eを印加した熱伝導型ガスセンサ64を、例えば都市ガス(天然ガス13A)の雰囲気に晒すと、天然ガスの熱伝導率(3.02 ×10-2W/m ・K)は空気の熱伝導率(2.41 ×10-2W/m ・K)よりも大きいため、金属線S1の温度が金属線S2の温度よりも低下する。この温度差によって金属線S1,S2の抵抗値の変動量に差が生じ、この抵抗値変動に伴う電圧変動が検知信号Vとして正または負の電圧で出力される。
この熱伝導型ガスセンサ64は、前記したように、抵抗・温度係数の等しい金属線S1,S2および抵抗R1,R2を用いて構成される。これにより、センサ64をバーナ部材70などの高温環境下に取り付けても、周囲温度による影響を排除して正確な検知を行うことが可能である。
【0058】
この熱伝導型ガスセンサ64の検知信号レベルを、都市ガス(13A)、プロパンガス(濃度100%)およびL1(6C:複数のガスを混合調整したガス)の各供給源ガスについて測定し、横軸に濃度(容量%)、縦軸に出力電圧(mV)を取って示すと図5(b)のグラフのようになる。
グラフから分かるように、熱伝導型ガスセンサ64の検知信号Vはガスの濃度に応じて変動する。しかし、この検知信号Vは、ガスの種別に応じた固有の値を取る。則ち、図5(b)において、各々の供給源ガスの特性曲線は交差しない。
これにより、ガスセンサ64の検知信号Vを参照すれば、供給源ガスの種別および濃度を直ちに判別することが可能である。
【0059】
(燃焼装置の制御動作)
次に、図1〜図5および図6のフローチャートを参照して、第1実施形態における燃焼装置1の制御動作を説明する。
尚、以下の説明では、ガスセンサ64の検知信号は制御回路(不図示)によってデジタル信号処理されて必要な制御が行われるものとする。また、制御回路はRAM、ROMの記憶手段を有しており、制御に必要な制御テーブルなどのデータは予めROMに格納されているものとする。
【0060】
(燃焼装置の制御動作)
1) 運転スイッチが操作され、熱交換部4の給湯パイプ40bの通水を水量センサ(不図示)が検知すると、制御回路はガス量調節弁65を開いてガス供給管63に供給源ガスを供給する(図6ステップ100,101参照)。
2) 制御回路は熱伝導型ガスセンサ64の検知信号Vを監視する。そして、検知信号Vが正極性であり、電圧b<検知信号V<電圧cの範囲であれば、ROMを参照して供給源ガスが都市ガス(13A)であると判別する(図6ステップ102〜105参照)。また、検知信号Vが正極性であり、検知信号V>電圧cの範囲であれば、ROMを参照して供給源ガスがL1(6C)であると判別する(図6ステップ102〜104,113参照)。
【0061】
3) 一方、制御回路は、ステップ102において検知信号Vが負極性であり、検知信号V>電圧aの範囲であれば、ROMを参照して供給源ガスがプロパン13Aであると判別する(図6ステップ102,108,109参照)。また、検知信号Vが負極性で、検知信号V<電圧aの範囲であれば、ROMを参照して供給源ガスがプロパンであると判別する(図6ステップ102,108,111,112参照)。
【0062】
4) 制御回路は、判別したガス種別に応じてROMに格納された制御テーブルを参照する。以降は、制御テーブルのデータに従って、ガス量調節弁65および送風機20を制御し、バーナ部材70へ向けてガス噴射ノズル61から噴射するガス量および供給空気量を調整して着火処理を行い、燃焼制御を開始する(図6ステップ106,110,112,114,107参照)。
【0063】
この様に、本実施形態の燃焼装置1では、ガスセンサ64によって種別や濃度の異なる供給源ガスを的確に判別し、判別した種別に応じた制御テーブルに基づいて、供給源ガスに応じた量のガスおよび空気をバーナ部材70へ供給して安定した燃焼制御を行うことが可能である。
従って、敷設されたガス管に燃焼装置1のガス供給管63を接続するだけで、ガス種別を問わず安定した着火、燃焼制御を行うことが可能となる。
【0064】
(第2実施形態)
次に、図7〜図10を参照して第2実施形態の燃焼装置の構成および制御動作を説明する。尚、本実施形態の燃焼装置は、前記した第1実施形態の燃焼装置1の構成を一部変更したものであり、同一構成部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0065】
ここで、前記第1実施形態の燃焼装置1は、供給源ガスのガス種別に応じて、バーナ部材70へ供給するガス量および空気量を調節して安定燃焼を行わせるものであった。
これに対して、本実施形態の燃焼装置80は、供給源ガスのガス種別に応じて供給源ガスに空気供給を行い、濃度の異なる新たな混合ガスを生成してバーナ部材70へ供給するものである。
尚、以下の説明では、供給源ガスとしてプロパン(濃度100%)とプロパン13A(プロパン60%と空気40%の混合ガス)が供給されるものとして説明する。
【0066】
図7は、燃焼装置80の要部を示した断面図である。燃焼装置80では、ガス前管62を下方へ僅かに延長し、延長した下部に送風機(空気供給手段)66の送風口を取り付けている。そして送風機66の給気口近傍に供給源ガスの中間ノズル90を設け、中間ノズル90から供給源ガスを送風機66の給気口に噴射する。また供給源ガスを送風機66の給気口近傍に噴射するに至るガス供給部6の一部にはガスセンサ64が設けられ、該センサ64の上流側にはガス量調節弁(ガス量調節手段)65が設けられている。
【0067】
送風機66は送風機20と同一構造であり、モータ66aの回転によって内部の羽根66bが回転する構造で、羽根66bの軸方向に給気口66cがあり、羽根66bの接線方向に送風口がある。
また、プロパン13Aに適合した径のガス噴射ノズル61を用いている。
【0068】
この燃焼装置80では、次の制御が行われる。
熱伝導型ガスセンサ64の検知信号によって供給源ガスをプロパン13Aと判別すると、制御回路はガス種別に対応した制御テーブルを参照して、送風機66を微速で回転すると共に、ガス量調節弁65および送風機20を調節制御する。そして中間ノズル90から噴射された供給源ガスは微量の空気と共に送風機66に吸い込まれてガス前管62に送られる。そして、プロパン13Aに適合した量のガスおよび空気をバーナへ供給して着火、燃焼制御を行う。
【0069】
一方、熱伝導型ガスセンサ64の検知信号によって供給源ガスをプロパン(濃度100%)と判別すると、制御回路はガス種別に対応した制御テーブルを参照し、ガス量調節弁65を調節制御して中間ノズル90から送風機66へ供給するガス量を低減させると共に送風機66を前記よりも高速で駆動する。その結果、中間ノズル90から噴射された供給源ガスは先の場合よりも多量の空気と共に送風機66に吸い込まれてる。
【0070】
こうしてガス前管62へ供給源ガスであるプロパンおよび空気を供給して予混合を行う。
【0071】
これにより、ガス前管62の内部でプロパン13Aと等価な濃度および圧力を有する予混合ガスを生成し、生成した予混合ガスをガス噴射ノズル61からバーナ部材70へ向けて噴射する。一方、制御回路は制御テーブルを参照して送風機20を駆動し、バーナ部材70に空気供給を行う。これにより、バーナ部材70は、ガス噴射ノズル61から噴射されるプロパン13Aと等価な混合ガスと送風機20から供給される空気を受けて着火、燃焼を行う。
【0072】
この様に、本実施形態の燃焼装置80では、供給源ガスがプロパンの場合には、送風機66やガス前管62の内部でプロパン13Aと等価な予混合ガスを生成する動作を行う。これにより、プロパンの供給量が低下しても送風機66から供給され予混合される空気によってガス噴射ノズル61からは高圧力の予混合ガスを噴射することが可能となる。
【0073】
尚、図7では、ガス前管62を下方へ延長した構成としているが、前記図1に示した形状の前管62の外方側面に送風機66を設けても良い。また、上記した実施形態では、ガス流路の一部に中間ノズル90を設け、当該中間ノズル90から噴射した供給源ガスを送風機66に吸い込ませて前管62側に供給した。しかし本発明は、この構成に限定されるものではなく、空気流路の一部に直接的に供給源ガスを供給してもよい。ただし空気流路を流れる空気の圧力が、供給源ガスのそれよりも高い場合は空気流路に供給源ガスが円滑に混合されない場合があるので注意すべきである。この様な事態を解消する方策としては、たとえば供給源ガスの導入方向を空気流路中の空気の流れに沿ったものとしたり、空気流路に部分的に断面積の小さい部位を作り、当該部分に供給源ガスの管を接続し、ベンチェリ効果によって供給源ガスを空気流路側に吸い出す方策が考えられる。
また上記した例は、いずれも空気流路内に供給源ガスを混入させるものとして説明したが、供給源ガスに混入すべき空気量は予混合ガスの40%程度であるから、逆に、供給源ガスの流路内に空気を混入してもよい。
【0074】
次に、図8は、前記した燃焼装置80(図7参照)の構造の一部を変更した燃焼装置81の要部を示す断面図である。
この燃焼装置81は、ガス前管62の側面と送風機20との間に空気供給管68を設け、空気供給管68の途中に空気供給を断続制御する電磁弁67を設けた構成である。
【0075】
また供給源ガスの中間ノズル90は一連の空気流路内(電磁弁67の下流)にあり、中間ノズル90は、空気流路内において空気の流れに沿う方向に開口している。本実施形態においても先の実施形態と同様に、ガス供給部6の一部にはガスセンサ64が設けられ、該センサ64の上流側にはガス量調節弁(ガス量調節手段)65が設けられている。
【0076】
則ち、前記した燃焼装置80では、ガス前管62への空気供給手段として送風機66を設けたのに対して、燃焼装置81では、ガス前管62への空気供給手段として既設の送風機20を利用している。
この燃焼装置81では、供給源ガスとしてプロパン13Aが供給されたときは、電磁弁67を閉成して空気供給管68を遮断する。一方、供給源ガスとしてプロパン(濃度100%)が供給されたときは、電磁弁67を開成して空気供給管68を介してガス前管62へ空気供給を行い、プロパン13Aと等価な予混合ガスを生成する。
この燃焼装置81によれば、ガス前管62へ空気供給を行う送風機(空気供給手段)を別に設ける必要がなく、省コスト化を図ることが可能である。
【0077】
図9は、前記した燃焼装置81(図8参照)の構造の一部を変更した燃焼装置82の要部を示す断面図である。
この燃焼装置82は、空気供給管68の空気供給源として送風機20から送風される空気を直接用いるのではなく、送風機20のモータ21によって連動駆動される送風機20aを用いた構成である。この送風機20aは、送風機20と同様に羽根20bおよび給気口20cを有する構造である。
尚、燃焼装置82の動作は前記した燃焼装置81と同一であるので省略する。
【0078】
図10は、前記した燃焼装置80(図7参照)の構造の一部を変更した燃焼装置83の要部を示す断面図である。
ここで、前記した燃焼装置80では、ガス噴射ノズル61がバーナケース30の空隙部34に突出するようにして、ガス前管62をバーナケース30の側面部35に取り付けたものであった。
【0079】
これに対して、燃焼装置83では、ガス噴射ノズル61の先端がバーナケース30の側面部35から僅かに離れる様にガス前管62を側面部35から遠ざけた位置に配し、ガス前管62と側面部35との間の上面および側面に板材を取り付けて箱状の予混合室38を設けている。また、ガス噴射ノズル61の先端部に近接した側面部35には円形の開口35aが開けられており、予混合室38の下部には送風機66を設けている。尚、ガス前管62の上下方向の長さは、前記した燃焼装置1(図1参照)と同一である。
【0080】
この燃焼装置83では、次の制御が行われる。
供給源ガスをプロパン13Aと判別すると、制御回路はガス種別に対応した制御テーブルを参照して、送風機66を停止すると共にガス量調節弁65および送風機20を調節制御する。これにより、プロパン13Aに適合した量のガスがガス噴射ノズル61から開口35aを介してバーナ部材70へ噴射されると共に、送風機20から送風される空気がバーナへ供給されて着火、燃焼制御が行われる。
【0081】
一方、供給源ガスをプロパンと判別すると、制御回路はガス種別に対応した制御テーブルを参照し、ガス量調節弁65を調節制御してガス前管62へ供給するガス量を低減させると共に送風機66を駆動する。そして、送風機66から予混合室38に供給される空気とガス噴射ノズル61から噴射されるガスとをガス噴射ノズル61の近傍で混合しつつ開口35aから噴出する。
【0082】
これにより、開口35aからはプロパン13Aと等価な濃度および圧力を有する予混合ガスがバーナ部材70へ向けて噴射される。一方、制御回路はガス種別に対応した制御テーブルを参照して送風機20を駆動し、バーナ部材70に空気供給を行う。これにより、バーナ部材70は、ガス噴射ノズル61から噴射されるプロパン13Aと等価な混合ガスと送風機20から供給される空気を受けて着火、燃焼を行う。
【0083】
この様に、本実施形態の燃焼装置83では、供給源ガスがプロパン(濃度100%)の場合には、予混合室38でプロパン13Aと等価な予混合ガスを生成する動作を行う。これにより、プロパンの供給量が低下してガス噴射ノズル61の噴射圧力が低下しても、供給される空気によって加圧して開口35aから噴出することができ、バーナ部材70へ予混合ガスを安定して噴射することができる。
【0084】
尚、図10に示す燃焼装置83では送風機66を設けた構成で示したが、前記燃焼装置81(図8参照)に示したように、送風機20の送風する空気を利用して予混合室38に空気供給を行う構成を採用することもできる。また、前記燃焼装置82(図9参照)に示したように、送風機20のモータ21を共用した別の送風機を設けて空気供給を行う構成とすることも可能である。
【0085】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の燃焼装置を説明する。
ここで、本実施形態の燃焼装置は、前記図1〜図4に示した燃焼装置1において、バーナ部材70に熱伝導型ガスセンサを追加することにより、燃焼中における異常の発生を検知して異常回避を行うものである。
従って、前記図1〜図4、および、図11、図12を参照して燃焼装置1の構造および動作を説明する。尚、図11は図3(a)のA−A矢視断面図、図12は制御動作を示すフローチャートである。
【0086】
本実施形態の燃焼装置1は、図3(a)に示すように、バーナ部材70の下部に熱伝導型ガスセンサ77を追加している。
則ち、図11に示すように、熱伝導型ガスセンサ77の検知部は、副構成体74を形成する板体74bおよび主構成体73を形成する板体73bを貫通して淡ガス流路78に達するように取り付けられている。これにより、ガスセンサ77によって淡ガス濃度を検知可能である。
【0087】
この燃焼装置1では、燃焼に至るまでの制御処理は前記第1実施形態と同一である。一方、燃焼中には次の異常回避の制御が行われる。
制御回路は、燃焼中はガスセンサ64の検知信号を受けて、供給源ガスの種別に応じた制御テーブルを参照する。そして、ガス種別に応じた混合ガスの濃度の正常値範囲を求め、ガスセンサの検知信号と比較する。比較の結果、混合ガスの濃度が正常値範囲内であると判別すると再度ステップ140に戻る(図12ステップ140〜143参照)。
一方、ステップ143で混合ガス濃度が正常値範囲から外れていると判別すると、供給源ガスの種別に応じた異常回避用の制御テーブルを参照して、送風機20の回転数を所定値だけ増加または減少させる異常回避の制御を行う。この後、再度ステップ140に戻って、混合ガス濃度を監視する。
【0088】
この様に、本実施形態の燃焼装置1では、バーナ部材70にガスセンサ77を設けて、混合ガス(淡ガス)の濃度を直接検知するので検知精度が極めて高く、異常燃焼を的確に判別することが可能である。また、定常燃焼時と異常発生時にガスの種別に応じた制御テーブルを参照して的確に異常回避の制御を行うことが可能である。
【0089】
尚、本実施形態では、ガスセンサ77をバーナ部材70の淡ガス流路78に設けたが、図3(a)および図11の波線で示したように、バーナ部材70の濃ガス流路79側に設けた構成を採ることも可能である。
また、前記したように、混合ガス濃度の検知精度が高いので、異常回避の制御に限らず、定常燃焼中における混合ガス濃度を高精度に制御して安定した燃焼を行わせることも可能である。
【0090】
また、本実施形態では、図1に示したガスセンサ64によって種別や濃度の異なるガス種別を判別し、燃焼中の混合ガス濃度の検知をバーナ部材70に設けたガスセンサ77で行うものであった。しかし、本発明はこの様な構成に限られず、例えば、ガスセンサ64を取り除き、バーナ部材70に設けたガスセンサ(熱伝導型ガスセンサ)77によって、ガス種別の判別と燃焼中の混合ガス濃度の検知の双方を行わせる構成とすることも可能である。
更に、ガス種別の判別機能は持たず、バーナ部材70に設けたガスセンサ(熱伝導型ガスセンサ)77によって、燃焼中の混合ガス濃度の検知による異常回避制御や燃焼制御を行う燃焼装置を構成することもできる。
【0091】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の燃焼装置を説明する。
本実施形態の燃焼装置は、前記図1〜図4に示した燃焼装置1と同一の構成において、燃焼装置1の新設時における運転確認を効率良く行うための制御を追加したものである。従って、前記図1〜図4および図13のフローチャートを参照して燃焼装置1の制御動作を説明する。
【0092】
本実施形態の燃焼装置1は、燃焼装置1に至るガス管内に空気が残留している間は、着火処理を行わないようにして、燃焼装置1の新設時における運転の確認を短時間に効率良く行うものである。
以下に、図13を参照して制御動作を説明する。
【0093】
1) 運転スイッチが操作され、熱交換部4の給湯パイプ40bの通水を水量センサ(不図示)が検知すると、制御回路はガス量調節弁65を全開状態にする(図13ステップ120,121参照)。
2) 制御回路は、熱伝導型ガスセンサ64の検知信号Vを監視し、ガスセンサ64の検知信号Vが所定レベルに達すると、ガス濃度が所定濃度aに到達したことを判別して、一旦、ガス量調節弁65を閉じる(図13ステップ122〜124参照)。
3) 制御回路は、送風機20を所定時間駆動して燃焼装置1の内部の掃気を行う。
掃気処理が終了すると、制御回路はガス量調節弁65を着火状態に制御して着火処理に移行する。そして、着火が確認された後は燃焼制御を開始する(図13ステップ125〜128参照)。
【0094】
この様に、本実施形態の燃焼装置1では、ガスが燃焼装置に達していない状態では着火処理が行われない。従って、運転スイッチを操作してから所定時間内に着火しないためにエラー処理によって運転停止することがなく、新設時における運転確認を効率良く行うことができる。
また、着火に際して掃気処理を行うので、着火時における混合ガス濃度が安定し、安全に確実な着火を行うことができる。
【0095】
図14は、図13に示した制御において掃気処理を省略して簡略化した制御を示すフローチャートである。この制御例では、ガス量調節弁65を所定量だけ開いてガスセンサ64の検知信号の出力の有無を監視し、検知信号の出力を確認するとガス量調節弁65を着火状態に制御して着火処理に移行するものである(図14ステップ130〜135参照)。
【0096】
尚、本実施形態では、熱伝導型ガスセンサ64をガス供給管63に設けた構成としたが、本発明はこの構成に限られるものではない。則ち、ガス濃度センサ(熱伝導型ガスセンサ)64は点火装置の近傍に設けても良く、着火に際しての混合ガス濃度を的確に検知することが可能である。
【0097】
また、上記した制御は、燃焼装置1の新設時における初回運転開始時のみ、則ち、ガス管内に空気が残留している可能性がある場合にのみ行うのが良い。
これは、燃焼装置1の運転確認を行った後は、ガス管内に空気が入る不具合が生じ難く、また、何らかの要因でガス供給が行われない場合は、エラー処理によってガス供給の停止を積極的に報知する方が良いためである。
【0098】
尚、図13、図14に示したフローチャートには、初回運転開始時にのみ制御を行う手順を記載していないが、例えば、書き込み可能な不揮発性メモリ(EEPROM)などを設けることにより実施可能である。則ち、本実施形態の制御処理が実行されたときは不揮発性メモリに運転確認フラグを書き込み、運転開始時には運転確認フラグを参照して本実施形態の制御を実行あるいは禁止することが可能である。
【0099】
尚、以上説明した第1〜第4の実施形態では、濃淡燃焼方式を採用した燃焼装置として説明したが、本発明はこの様な燃焼方式に限定されるものではなく、他の燃焼方式にも適用可能である。
【0100】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明の燃焼装置によれば、種別や濃度の異なる供給源ガスに対応可能となり、ガス種別毎に仕様の異なる装置を製造したり部品交換をする手間を削減することが可能となる。
請求項2に記載の本発明によれば、異常燃焼状態を的確に判別して最適な状態で燃焼を行うことができ、NOxの排出を抑え安全性を向上させた燃焼装置を提供できる。
請求項3に記載の本発明によれば、種別や濃度の異なる供給源ガスに対応可能な燃焼装置を効率良く設計、製造することが可能となる。
請求項4〜7に記載の本発明の燃焼装置によれば、燃焼装置の新設時の運転確認を効率良く行うことが可能となる。
請求項8に記載の本発明によれば、種別や濃度の異なる供給源ガスを正確に検知することができ、複数の供給源ガスに対応可能な燃焼装置を容易に製造可能となる。
また、請求項9に記載の本発明によれば、NOxの排出を抑え、小型で安定した燃焼を行う燃焼装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る燃焼装置の断面図である。
【図2】 図1の燃焼装置のバーナケース部を示す斜視図である。
【図3】 (a)は、図1の燃焼装置に採用するバーナ部材を示す斜視図、(b)は、そのバーナ部材の分解斜視図である。
【図4】 (a)は、図3のバーナ部材の淡ガス流路を示す説明図、(b)は、図3のバーナ部材の濃ガス流路を示す説明図である。
【図5】 (a)は、図1の燃焼装置に採用する熱伝導型ガスセンサの動作原理を示す回路図、(b)はその特性曲線を示すグラフである。
【図6】 図1の燃焼装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図7】 本発明の第2実施形態に係る燃焼装置の要部断面図である。
【図8】 図7に示す燃焼装置の変形例の要部断面図である。
【図9】 図7に示す燃焼装置の別の変形例の要部断面図である。
【図10】 図7に示す燃焼装置の別の変形例の要部断面図である。
【図11】 図3(a)のA−A矢視断面図である。
【図12】 本発明の第3実施形態に係る燃焼装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図13】 本発明の第4実施形態に係る燃焼装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図14】 本発明の第4実施形態に係る燃焼装置の制御を簡略化した制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,80,81,82,83 燃焼装置
20 ファン(送風機)
61 ガス噴射ノズル
64 ガス種別センサ、ガス濃度センサ(熱伝導型ガスセンサ)
65 ガス量調節手段(ガス量調節弁)
66,20,20a 空気供給手段(送風機)
70 バーナ(バーナ部材)
78 ガス流路(淡ガス流路)
79 ガス流路(濃ガス流路)
Claims (9)
- ガス管を介して供給される供給源ガスとファンから供給される空気をバーナに供給して燃焼させる燃焼装置において、
供給源ガスの種別を判別するガス種別センサまたは供給源ガスの濃度を判別するガス濃度センサの少なくともいずれかのセンサをガス流路内に設けると共に、供給源ガスに空気を予混合して所定濃度の予混合ガスを生成するための空気供給を行う空気供給手段または供給源ガスの流量を調節するガス量調節手段の少なくともいずれかの手段を設け、
前記ガス種別センサまたはガス濃度センサによって供給源ガスの種別または濃度を判別し、判別結果に基づいて空気供給手段またはガス量調節手段の少なくともいずれかを調節制御しつつ判別された供給源ガスの種別または濃度に応じた濃度の予混合ガスを生成し、生成した予混合ガスとファンから供給される空気をバーナに供給して燃焼させ、前記空気供給手段は、前記バーナに向けてガスを噴射するガス噴射ノズルよりも上流側に予混合を行うための空気を供給することを特徴とする燃焼装置。 - 請求項1に記載の燃焼装置において、前記ガス濃度センサを有し、該ガス濃度センサはバーナ内部のガス流路に設けられ、燃焼中においてバーナ内部の混合ガスの濃度が供給源ガスに応じて定められた所定濃度範囲から外れたときは、ガス量調節手段または空気供給手段またはファンの少なくともいずれかを調節制御して混合ガスの濃度を所定濃度範囲に維持することを特徴とする燃焼装置。
- 前記ガス種別センサまたは前記ガス濃度センサによって判別可能な供給源ガスの種別毎および濃度毎に対応させて、前記ガス量調節手段または空気供給手段またはファンの少なくともいずれかを調節制御するための制御テーブルを予め備えており、供給源ガスの種別または濃度を判別した後は、当該制御テーブルを参照して制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃焼装置において、前記ガス濃度センサおよび前記ガス量調節手段を有し、該ガス濃度センサが所定のガス濃度を検知するまでの期間はガス量調節手段を開成した状態を維持し、ガス濃度センサが所定のガス濃度を検知した時点でガス量調節手段を調節制御して着火処理に移行することを特徴とする燃焼装置。
- ガス管を介して供給されるガスと空気をバーナに供給して燃焼させる燃焼装置において、ガス濃度を検知するガス濃度センサをガス流路内に設けると共に、ガスの流量を調節制御するガス量調節手段を設け、ガス濃度センサが所定のガス濃度を検知するまでの期間はガス量調節手段を開成した状態を維持し、ガス濃度センサが所定のガス濃度を検知した時点でガス量調節手段を調節制御して着火処理に移行することを特徴とする燃焼装置。
- 前記ガス濃度センサが所定のガス濃度を検知するまでの期間は、前記ガス量調節手段を全開制御することを特徴とする請求項4または5に記載の燃焼装置。
- 前記ガス濃度センサが所定のガス濃度を検知したときは、一旦、ガス量調節手段を閉成して燃焼装置内部の掃気処理を行い、この後に、ガス量調節手段を調節制御して着火処理に移行することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の燃焼装置。
- 前記ガス種別センサおよびガス濃度センサは、ガス種別を判別する機能とガス濃度を検知する機能とを兼ね備えた熱伝導型ガスセンサであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の燃焼装置。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の燃焼装置において、前記バーナは、バーナの内部で低濃度の混合ガスと高濃度の混合ガスとを生成し、低濃度の混合ガスを燃焼させた主炎に高濃度の混合ガスを燃焼させた補炎を隣接させる濃淡燃焼を行うことを特徴とする燃焼装置。
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