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JP3741071B2 - 給紙装置 - Google Patents

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JP3741071B2
JP3741071B2 JP2002095346A JP2002095346A JP3741071B2 JP 3741071 B2 JP3741071 B2 JP 3741071B2 JP 2002095346 A JP2002095346 A JP 2002095346A JP 2002095346 A JP2002095346 A JP 2002095346A JP 3741071 B2 JP3741071 B2 JP 3741071B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、用紙収納部に収納された印字用の用紙を、モータにより回転される給紙ローラにより1枚ずつ取り出して送り出す給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばインクジェットプリンタ等に搭載される給紙装置として、積層された複数の印字用紙に給紙ローラを接触させ、その給紙ローラをモータにて回転させることにより、印字用紙を所定の方向へ送出するよう構成されたものが知られている。
【0003】
この種の給紙装置では、給紙ローラを回転させるモータとして、ステッピングモータを用いるのが一般的である。そして、例えば外部からの印字ジョブデータ入力等により給紙要求があると、モータを駆動して給紙ローラを回転させ、所定の収納場所に収納(積層)された複数の印字用紙のうち1枚を取り出す。この取り出された印字用紙は、引き続き給紙ローラによって、印字動作実行時の用紙搬送が開始されるレジスト位置まで送出される。
【0004】
このレジスト位置には、印字動作実行時に用紙の搬送を行う搬送ローラが設けられており、給紙ローラにより送出されてきた印字用紙はこのレジスト位置にてその先端が揃えられた後、搬送ローラによる印字用紙の搬送が開始される。そして、搬送ローラにより搬送されつつ所望の画像(印字ジョブデータ)が印字用紙上に印字される。
【0005】
尚、用紙がその収納場所から取り出されてレジスト位置に至るまでの用紙送出経路上の所定の位置には、送出中の用紙の先端位置を検出するためのレジセンサが設けられている。
そのため、印字用紙がその収納場所から取り出された後、レジセンサに検出されるまでは、例えばその間(収納場所〜レジセンサ間)の用紙送出経路の長さより十分に長い送出量を目標値に設定してステッピングモータが駆動される。そして、レジセンサに検出されると、引き続きその検出された位置からレジスト位置までの距離(予めわかっている)に応じた目標送出量が設定され、それに応じてステッピングモータが駆動される。その結果、用紙先端がレジスト位置に到達したところでステッピングモータの駆動が停止して給紙ローラの回転も停止し、これにより印字用紙の給紙動作が完了することになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年になり、給紙装置における給紙動作の高速化や、給紙動作時の騒音低減に対する要望が高まってきている。しかしながら、上記のようにステッピングモータが駆動源として構成された給紙装置では、高速化と低騒音化とを両立させるのは非常に困難である。
【0007】
即ち、ステッピングモータは、周知の如く、パルス信号を与えることにより所定のステップ角度ずつ回転するものであるため、その回転速度には自ずと上限があり、パルスレートをある所定値以上に上げると脱調して回転制御そのものが不可能となってしまうおそれがある。
【0008】
しかも、パルス信号に従って小刻みに回転するという動作原理上、回転速度を早くするほど騒音も大きくなる傾向がある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、用紙収納場所から用紙を一枚ずつ取り出して送出する給紙動作を高速化するとともに、その給紙動作時に生じる騒音を低減することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の給紙装置は、用紙収納部に収納された印字用の用紙を、用紙送出手段が、該用紙に接触する給紙ローラをモータにて回転させることにより1枚ずつ取り出して印字動作実行時の用紙搬送が開始される所定のレジスト位置まで送出し、制御手段が、モータの回転駆動を制御するよう構成されたものである。
【0010】
そして、本発明(請求項1)では、前記モータとしてDCモータを用いる。
【0011】
更に、制御手段は、位置制御手段と高速駆動手段とを備え、このうち位置制御手段は、用紙が、用紙収納部からレジスト位置までの用紙送出経路における所定の基準位置に到達しレジスト位置に至るまでの給紙終了区間で用紙の位置と所定の目標位置とに基づく位置フィードバック制御を実行してモータを回転駆動し、一方の高速駆動手段は、用紙収納部からの用紙の送出開始時から該用紙が基準位置に到達するまでの給紙開始区間で、位置フィードバック制御を行うことなく給紙終了区間よりも高速で前記モータを回転駆動する。
【0012】
DCモータは、周知の如く、例えばステッピングモータのようにパルスを与えてそのパルス毎に所定角度だけ回転するというものではなく、単に必要最低限の直流電源を供給するだけで回転し、しかも脱調といった現象も生じない。そのため、一般にステッピングモータより高速回転可能であり、回転時の騒音も比較的(例えばステッピングモータに比べて)少ない。
【0013】
そのため、本発明では給紙ローラの回転駆動用のモータとしてDCモータを用いることで、用紙送出手段による用紙送出速度の高速化と用紙送出時の低騒音化とを実現している。
また、用紙を用紙収納部からレジスト位置まで送出するまでの動作(以下「給紙動作」ともいう)においては、最終的にはレジスト位置で用紙送出を停止させる必要がある。そのため、本発明では上記給紙終了区間で位置フィードバック制御を実行するのだが、用紙収納部からの用紙取り出し後、上記基準位置に至るまでの給紙開始区間は、基準位置まで送出できる限り種々の駆動方法でモータを回転させることができる。
【0014】
そのため、本発明では、この給紙開始区間においては、位置フィードバック制御以外の他の駆動方法でモータを駆動することにより、位置フィードバック制御時の送出速度より高速で用紙を送出するようにしている。
このように構成された本発明(請求項1)の給紙装置によれば、給紙ローラ駆動用のモータとしてDCモータを用いるのに加え、給紙開始区間では位置フィードバック制御以外の他の駆動方法でモータを高速回転させることができるため、給紙動作の高速化と低騒音化を共に実現することが可能となる。
【0015】
ここで、高速駆動手段によりなされるモータの回転駆動(換言すれば給紙開始区間におけるモータの回転駆動)は、位置フィードバック制御を行った場合の送出速度より高速で用紙を送出できる限り種々の方法を採り得るが、例えば請求項2に記載のように、予め設定した固定デューティのPWM信号にてモータの通電経路上に設けられたスイッチング素子をオン・オフさせることによりモータを駆動するようにしてもよい。
【0016】
これはつまり、固定デューティのPWM信号を与えるだけのいわゆる開ループ制御であり、固定デューティを大きい値に設定するほどモータの回転速度を高速化することができる。ただし、単に固定デューティのPWM信号を与えるだけでは、用紙送出手段の状態や用紙の収納状態などによっては、所望の回転トルクが発生せず、用紙収納部からの用紙取り出しをスムーズに行えなくなるおそれもある。
【0017】
そこで例えば、請求項3に記載のように、高速駆動手段を、電流検出手段にて検出されるモータの通電電流に基づいてモータの発生するトルクを取得し、そのトルクが予め設定した目標トルクと一致するようにモータを回転駆動するトルクフィードバック制御を実行するものとして構成するとよい。
【0018】
このように、通電電流に基づいて得られるトルクが目標トルクとなるようにモータの回転駆動を制御すれば、用紙を用紙収納部から取り出す際のトルクを安定化することができ、用紙取り出し性能を向上することができる。
また、高速駆動手段は、例えば請求項4に記載のように、給紙ローラの回転開始後、1枚の用紙が用紙収納部から取り出されるまでの分離期間は、予め設定した固定デューティのPWM信号にてモータの通電経路上に設けられたスイッチング素子をオン・オフさせることによりモータを駆動し、分離期間後、用紙が基準位置に到達するまでの期間は、前記用紙の送出速度と予め設定した目標速度とに基づく速度フィードバック制御を実行してモータを回転駆動するようしてもよい。
【0019】
給紙開始区間の全てに渡って固定デューティのPWM信号によるモータ駆動を行うと、用紙送出経路の状態等によってはモータ負荷が増加して送出速度が低下し、所望の高速化効果を得られなくなるおそれがある。そこで上記(請求項4)のように、用紙収納部に収納された用紙の取り出しが行われる分離期間は固定デューティのPWM信号によるモータ駆動を行うが、分離期間の後は、速度フィードバック制御によりモータを回転駆動させることで、所望の送出速度にて用紙が送出されるようにするのである。そのため、用紙送出速度をより高速化することが可能となる。
【0020】
尚、この分離期間は具体的には、例えば給紙動作を開始してから用紙が所定量送出されるまでの期間(つまり用紙の位置)を基準に決めてもいいし、また例えば、給紙動作開始からの経過時間を基準に決めてもよく、種々の方法で定めることができる。
【0021】
また、分離期間においては、上記のように固定デューティのPWM信号によるモータ駆動以外に、例えば請求項5に記載のように、電流検出手段にて検出されるモータの通電電流に基づいてモータの発生するトルクを取得し、そのトルクが予め設定した目標トルクと一致するようにモータを回転駆動するトルクフィードバック制御を実行するようにしてもよい。そして分離期間の後は、請求項4と同様、速度フィードバック制御によりモータの回転駆動を行うのである。
【0022】
この請求項5記載の給紙装置によっても、例えば給紙開始区間の全てに渡ってトルクフィードバック制御によるモータ駆動を行う場合に比べ、少なくとも分離期間の後は所望の送出速度にて用紙を送出されることができるため、用紙送出速度をより高速化することが可能となる。
【0023】
ここで、請求項2又は4記載の給紙装置において固定デューティのPWM信号にてモータを駆動する際、用紙収納部に収納された用紙の種類によっては、用紙の取り出しがスムーズに行われなかったり、或いは用紙の送出速度が所望の速度より低くなったりするおそれがある。
【0024】
そこで、例えば請求項6に記載のように、高速駆動手段は、用紙の種類に応じてPWM信号の固定デューティを変化させるようにするとよい。具体的には、例えば用紙の固さを基準にして、固い用紙ほど固定デューティの値を高く設定する、といった方法が考えられる。高速駆動手段をこのように構成すれば、用紙の種類に応じてより適切な固定デューティを設定可能となるため、あらゆる用紙に対して所望の送出速度を確保することができる。
【0025】
請求項3又は5記載の給紙装置においても同様であり、用紙の種類に応じて目標トルクを変化させるようにするとよい。この場合も、例えば、固い用紙ほど目標トルクを高く設定するといった方法など、種々の方法が考えられ、結果として、用紙の種類に限らず常に所望の送出速度を確保することが可能となる。
【0026】
ここで、PWM信号にてモータを駆動する際に最初から固定デューティにしたり、或いはトルクフィードバック制御によりモータを駆動する際に最初から目標トルクに固定すると、用紙収納部からの用紙取り出し時に用紙先端が折れ曲がったりするなど、用紙の取り出しがスムーズに行われなくなるおそれがある。
【0027】
そこで、PWM信号にてモータを駆動する際は、例えば請求項8に記載のように、PWM信号のデューティを、モータの回転駆動開始から所定の駆動開始期間中は固定デューティより小さい初期デューティから固定デューティまで増加させ、駆動開始期間の後は固定デューティを保持するようにするとよい。
【0028】
また、トルクフィードバック制御によりモータを駆動する際も、例えば請求項9に記載のように、目標トルクを、モータの回転駆動開始から所定の駆動開始期間中は所定の固定トルクより小さい初期トルクから該固定トルクまで増加させ、駆動開始期間の後は、固定トルクに保持するようにしてもよい。このように、PWM信号のデューティ或いは目標トルクを徐々に増加させるようにすることで、用紙の取り出しをスムーズに行うことが可能となる。
【0029】
ところで、速度フィードバック制御においてモータの回転速度(延いては用紙の送出速度)を変化させる(目標速度に一致させる)ためのモータへの通電方法としては、例えばモータに印加する直流電圧の値を変化させることにより実現できるなど、結果として用紙の送出速度が目標速度と一致するよう制御できる限り種々の方法を採りうるが、例えば請求項10に記載したように、用紙の送出速度と目標速度との偏差に応じた所定デューティのPWM信号にて、モータの通電経路上に設けられたスイッチング素子をオン・オフさせることにより実現(速度フィードバック制御を実行)してもよい。
【0030】
また、位置フィードバック制御においても同様であり、例えば請求項11に記載のように、用紙の位置と目標位置との偏差に応じた所定デューティのPWM信号にて、モータの通電経路上に設けられたスイッチング素子をオン・オフさせることにより位置フィードバック制御を実行するようにしてもよい。
【0031】
そして、このようにPWM信号にてモータの通電経路上に設けられたスイッチング素子をオン・オフさせてモータを駆動する場合、より好ましくは、例えば請求項12に記載のように、制御手段は、PWM信号のデューティが予め設定した上限値を超えないように制限するデューティ制限手段を備えたものであるとよい。
【0032】
即ち、例えば速度フィードバック制御を行うにあたり、例えば用紙が詰まってある位置から先に送出できなくなり、それ故に給紙ローラが回転できなくなった(つまりモータも回転できなくなった)場合、目標速度まで速度を上げるためにPWMのデューティを増加させるように制御され、その結果、モータが回転していないにも関わらずモータに多大な電流が流れてしまうおそれがある。
【0033】
そのため、請求項12に記載のようにデューティが上限値を超えないように制限すれば、モータに多大な電流が流れてモータ自身が焼損したり、或いはモータを駆動させるための各種ドライバ回路や電源回路等が破壊されてしまうといった事態が生じるのを防ぐことが可能となる。
【0034】
ところで、請求項1記載の給紙装置を実現するには、給紙終了区間で位置フィードバック制御によるモータ駆動を行う位置制御手段と、給紙開始区間で位置フィードバック制御より高速で用紙送出が可能な駆動方法によりモータを駆動する高速駆動手段との、少なくとも2つの制御(駆動)手段を用意する必要がある。
【0035】
より具体的には、例えば給紙開始区間でPID制御による速度フィードバック制御を行い、給紙終了区間でPID制御による位置フィードバック制御を行うよう構成する場合、それぞれの制御を実行するための制御機構(PID制御機構にて構成される制御器等)が個々に必要となるのである。
【0036】
そこで、請求項1の給紙装置における制御手段は、例えば請求項13に記載のように、モータ又は該モータにより駆動されるモータ負荷の動作状態とモータへ出力する主制御信号とに基づいて用紙送出手段の状態を推定する推定手段と、用紙送出手段の動作を制御すべき所定の制御目標値と前記動作状態若しくは推定手段により推定された状態のいずれかとの偏差に基づいて、第1の制御信号を生成する第1制御信号生成手段と、その第1の制御信号と推定手段にて推定された状態に基づいて生成される第2の制御信号とに基づいて、主制御信号を生成する主制御信号生成手段とを備えるとよい。推定手段の具体例としては、例えば、入手可能な状態量に基づいて他の状態量を推定するためのいわゆるオブザーバにより実現できる。
【0037】
そしてこの場合、主制御信号生成手段は、給紙終了区間では位置フィードバック制御を実行してモータを回転駆動するための主制御信号を生成し、給紙開始区間では位置フィードバック制御を行うことなく給紙終了区間よりも高速でモータを回転駆動するための主制御信号を生成する。
【0038】
制御手段をこのように構成すれば、速度フィードバック制御と位置フィードバック制御とを1つの制御機構で構成することができ、例えば速度フィードバック制御時には、推定手段にて推定された状態(例えばモータの回転角速度)に基づいて制御を実行し、位置フィードバック制御時には、用紙の位置に基づいて制御を実行することができる。
【0039】
従って、請求項13記載の給紙装置によれば、給紙開始区間と給紙終了区間のそれぞれにて実行される制御に対応して2種類(或いはそれ以上)の制御機構を用意する必要がないため、制御手段の構成簡易化が可能となり、延いては給紙装置全体の構成の簡略化・コストダウンが可能となる。
【0040】
次に、請求項14記載の給紙装置は、請求項1〜13いずれかに記載の給紙装置であって、更に、給紙ローラによりレジスト位置まで送出された用紙を印字動作実行のために該レジスト位置から搬送させるための、モータの駆動力にて回転される搬送ローラと、モータが所定の給紙用回転方向に回転しているときに該回転を給紙ローラに伝達することにより該給紙ローラを回転させ、モータが給紙用回転方向とは逆の搬送用回転方向に回転しているときは該回転を搬送ローラに伝達することにより該搬送ローラを回転させると共に該回転が給紙ローラに伝達されるのを遮断する、駆動力伝達手段と、を備えたものである。そして更に、制御手段は、用紙がレジスト位置まで送出された後の印字動作実行の際、モータを搬送用回転方向に回転させることにより用紙の搬送を制御する。
【0041】
つまり、給紙ローラと搬送ローラを共に共通のモータにて回転駆動させることができ、用紙をレジスト位置まで送出する際はモータを給紙用回転方向に回転させ、用紙をレジスト位置から搬送する際はモータを給紙用回転方向とは逆の搬送用回転方向に回転させるのである。そして、この回転方向の転換は制御手段によりなされる。
【0042】
そしてこの場合の、制御手段による回転方向の転換は、より好ましくは、例えば請求項15に記載のように、給紙用回転方向から搬送用回転方向への回転方向転換を連続的に実行するとよい。
即ち、給紙用回転方向に回転中のモータを搬送用回転方向に回転させる際、一旦モータ回転を停止させるような制御は行わない(但し回転方向が変わる瞬間に必然的に起こる停止は、ここでいう「モータ回転を停止させる」ことには該当しない)ようにするのである。このように回転方向を連続的に転換することにより、給紙動作から用紙搬送までの一連の用紙の流れをより高速化することが可能となる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
まず、本実施形態のプリンタの概略構成について、図1及び図2に基づいて説明する。図1は、本発明が適用されたプリンタ100の側面図であり、図2は、本実施形態のプリンタ100に搭載された給紙装置110の概略構成を示す説明図である。
【0044】
図1に示す如く、本実施形態のプリンタ100は、主として、印字用の用紙を積層して収納するための用紙収納部としての用紙収納板2と、この用紙収納板2に収納された用紙を一枚ずつ取り出して送出する給紙ローラ3aと、給紙ローラ3aにて送出されてきた用紙を、印字動作実行時に搬送する搬送ローラ4と、印字動作実行中の用紙搬送を補助しつつ印字動作終了後に用紙を排出する排紙ローラ9と、給紙ローラ3a,搬送ローラ4及び排紙ローラ9の回転駆動源であるLF(Line Feed )モータ7と、搬送ローラ4の回転と共に回転する回転スリット板8aとフォトインタラプタ8bとからなるロータリエンコーダ(以下単に「エンコーダ」と称す)8と、を備えている。尚、LFモータ7はDCモータである。
【0045】
LFモータ7は、搬送ローラ4を駆動する駆動プーリ(図示略)との間に架け渡されたベルト105を介して搬送ローラ4及び回転スリット板8aを回転させると共に、駆動プーリ(図示略)とアイドルローラ107との間に架け渡されたベルト106及びアイドルローラ107を介して排紙ローラ9を回転させる。さらに、LFモータ7の回転は、図示しない駆動力伝達機構を介して給紙ローラ3aにも伝達され、給紙ローラ3aを回転させる。
【0046】
尚、搬送ローラ4にはピンチローラ(図示略)が、排紙ローラ9には拍車(図示略)が、それぞれ圧接されており、この圧接点を用紙が通過しながら搬送・排紙が行われるのだが、これらについては後述する図2に基づいて説明する。
エンコーダ8は、円周に沿って所定間隔毎にスリットが形成(図示略)された回転スリット板8aが、所定角度回転する毎に、パルス信号を出力するよう構成されている。この回転スリット板8aは、搬送ローラ4と同軸回転するものであって、その搬送ローラ4はLFモータ7により回転され、さらにこのLFモータ7の回転は給紙ローラ3aにも伝達される。そのため、エンコーダ8からのパルス信号を検出・カウントすることにより、LFモータ7の回転量はもちろん、搬送ローラ4や給紙ローラ3a等の回転量、ひいてはこれら各ローラ3a又は4により送出・搬送される用紙の移動量を検出することができる。
【0047】
次に、プリンタ100に搭載された給紙装置について、図2に基づいて説明する。尚、図2の給紙装置110は、図1で説明したプリンタ100を、用紙の送出・搬送・排紙の観点からより詳細且つ模式的に説明したものとなっている。そのため、図2において、図1で説明した構成要素と同じものについては、図1と同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
図2に示す如く、本実施形態の給紙装置110は、主として給紙搬送機構1と、CPU11,ASIC(Application Specific Integrated Circuit )12及び駆動回路13からなる給紙制御装置10とから構成されている。
給紙搬送機構1において、まず用紙分離機構3は、用紙収納板2に積層した状態で収納された用紙を1枚ずつ取り出して送出するためのものである。また、用紙収納板2の最下部には土手部2aが設けられている。
【0049】
用紙分離機構3は、給紙ローラ3aが積層された用紙の最上面と接触し、この給紙ローラ3aの反時計回り回転によって、その最上面の用紙が土手部2aに向かって送り出されるよう構成されている。また、LFモータ7から駆動力伝達機構(図示略)を介して伝達される回転駆動力を受ける太陽ギア3bと、この太陽ギア3bの周囲に沿って可動に構成された遊星ギア3cと、この遊星ギア3cにより回転される従動ギア3dと、を備えている。
【0050】
そして、太陽ギア3bは、LFモータ7が逆転したとき、その回転駆動力を受けて時計回り方向に回転するため、これを受けて遊星ギア3cは図2に示した位置に移動する。これにより、遊星ギア3cと従動ギア3dとが噛合した状態となるため、太陽ギア3bの時計回り方向の回転駆動力が遊星ギア3c及び従動ギア3dを介して、給紙ローラ3aまで伝達する。その結果、給紙ローラ3aが反時計回り方向に回転し、用紙収納板2に積層された用紙を1枚取り出して土手部2aの方向へ送出する。
【0051】
一方、LFモータ7が正転したとき、太陽ギア3bは、その回転駆動力を受けて反時計回りに回転する。そのため遊星ギア3cは図示の状態から、従動ギア3dとの噛合が外れる方向に移動する。これにより、LFモータ7の回転駆動力は給紙ローラ3aには伝達されず、給紙ローラ3aは回転しない。
【0052】
また、図1でも説明した通り、LFモータ7の回転駆動力は、搬送ローラ4及び排紙ローラ9にも伝達される。このとき、LFモータ7が逆転している間(つまり給紙ローラ3aが回転している間)は、搬送ローラ4は時計回りに回転し、排紙ローラ9は反時計回りに回転する。また、LFモータ7が正転している間(給紙ローラ3aは回転しない)は、搬送ローラ4は反時計回りに回転し、排紙ローラ9は時計回りに回転する。
【0053】
また、搬送ローラ4にはピンチローラ4aが圧接され、排紙ローラ9には拍車9aが圧接されており、用紙は、それぞれの圧接点を通過し、搬送ローラ4と排紙ローラ9との間に備えられた印字ヘッド5により印字された後、排紙ローラ9と拍車9aとの圧接点から排紙される。
【0054】
尚、LFモータ7の逆転する回転方向は本発明の給紙用回転方向に相当し、LFモータ7の正転する回転方向は本発明の搬送用回転方向に相当する。また、図中、LFモータ7の回転駆動力を搬送ローラ4及び排紙ローラ9に伝達する各ベルト105,106とアイドルローラ107、及び、LFモータ7の回転駆動力を太陽ギア3bへ伝達する図示しない駆動力伝達機構と各ギア3b〜3dにより、本発明の駆動力伝達手段が構成される。
【0055】
土手部(分離部)2aは、用紙収納板2に積層された用紙の下端を支持しており、給紙ローラ3aが回転すると、土手部2a部分から積層された用紙の1枚が分離されて取り出される。そして、取り出された用紙は、図中破線で示す経路を右方向に送出される。尚、以下の説明では、用紙が用紙収納板2から取り出されて、搬送ローラ4とピンチローラ4aとの圧接点(レジスト位置)に至るまでの区間(本発明の用紙送出経路に相当)を給紙区間といい、用紙がレジスト位置から搬送され、印字ヘッド5による印字動作が終了するまでの区間を搬送区間という。
【0056】
そして、給紙区間における土手部2aからレジスト位置に至る間には、用紙の先端位置を検出するレジセンサ6が設けられている。このレジセンサ6により検出されるレジセンサ検出位置は、本発明の基準位置に相当し、このレジセンサ6による検出信号はASIC12へ入力される。また、ASIC12には、エンコーダ8からのパルス信号も入力される。
【0057】
尚、給紙区間において、用紙が用紙収納板2から取り出されてレジセンサ検出位置に至るまでの用紙が送出される区間が、本発明の給紙開始区間に相当し、用紙がレジセンサ検出位置からレジスト位置に至るまでの区間が、本発明の給紙終了区間に相当する。
【0058】
次に、上記説明した給紙装置110において、給紙搬送機構1の動作を制御する本発明の制御手段としての給紙制御装置10について、図3に基づいて説明する。図3は、給紙制御装置10の概略構成を示す説明図である。
図3に示す如く、給紙制御装置10は、当該プリンタ100の制御を統括するCPU11と、LFモータ7の回転速度や回転方向等を制御するPWM信号を生成するASIC12と、ASIC12にて生成されたPWM信号に基づいてLFモータ7を駆動する駆動回路13とから構成されている。
【0059】
駆動回路13の詳細は図5に示す通りであり、4基のスイッチング素子S1〜S4によりHブリッジ回路が構成されたものである。このHブリッジ回路の各スイッチング素子S1〜S4を、ASIC12内のPWM生成部20にて生成されたPWM信号に基づいてオン・オフ制御することにより、LFモータ7を駆動する。尚、各スイッチング素子S1〜S4は、例えばFET等の半導体スイッチング素子が用いられる。
【0060】
ASIC12の内部には、LFモータ7の制御に用いる各種パラメータを格納するレジスタ群130が備えられている。このレジスタ群130は、LFモータ7を起動するための起動設定レジスタ31と、LFモータ7の回転を強制的に停止させるための強制停止設定レジスタ32と、LFモータの回転方向を設定するための回転方向設定レジスタ33と、LFモータ7をどのような制御方法で駆動するかを設定する駆動モード設定レジスタ34と、PWM生成部20にて生成されるPWM信号のデューティを設定する固定PWM値設定レジスタ35と、用紙の目標送出量・目標搬送量等(以下単に「目標位置」という)をエンコーダ8のパルス信号のパルス数にて設定する目標位置設定レジスタ36と、LFモータ7の回転速度をフィードバック制御(本実施形態では位置フィードバック制御)する際のフィードバック演算に用いる微分ゲイン,積分ゲイン,比例ゲインを設定するためのゲイン設定レジスタ37とから構成されている。
【0061】
エンコーダエッジ検出部14は、エンコーダ8からのパルス信号を取り込んでそのパルス信号のエッジ(例えば立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのいずれか、若しくはその両方など)を検出し、その検出したエッジを、位置カウンタ15がカウントすることによって給紙区間を送出中或いは搬送区間を搬送中の用紙の位置をそのカウント値として検出する。
【0062】
比較処理部16は、目標位置設定レジスタ36にて設定された用紙の目標位置と位置カウンタ15にて検出される用紙の現在位置とを比較して、用紙が目標位置に到達したか否かを判断して、到達したと判断した場合にCPU11へ割込信号(目標位置到達割込み)を出力するほか、所定時間内に位置カウンタ15によるエッジのカウントアップがなされなかったときも、停止したものと判断してCPU11へ割込信号(停止割込み)を出力する。
【0063】
固定PWM駆動制御部17は、固定PWM値設定レジスタ35に設定された固定PWMデューティ値を出力する。位置フィードバック演算処理部18は、例えばPID制御に基づく演算処理を行うもので、用紙を目標位置で精度良く停止させるために、目標位置設定レジスタに設定された目標位置と位置カウンタ15のカウント値との偏差から、比例成分、積分成分、微分成分を算出し、それぞれに対して各ゲイン(ゲイン設定レジスタ37で設定)を用いて積和演算を行う。そして、この積和演算の結果に従ってPWM信号のデューティ値を出力する。
【0064】
セレクタ19は、駆動モード設定レジスタ34にて設定された駆動モードに従い、固定PWM駆動制御部17からのPWMデューティ値又は位置フィードバック演算処理部18からのPWMデューティ値のいずれか一方を選択してPWM生成部20へ出力する。そして、PWM生成部20は、セレクタ19から入力された上記いずれかのPWMデューティ値及び回転方向設定レジスタ33に設定された回転方向に応じたPWM信号を生成する。
【0065】
クロック生成部21は、エンコーダ8からのパルス信号よりも十分に短い周期のクロック信号を生成して、当該ASIC12内の各部に供給する。尚、レジセンサ6からの検出信号は、例えば低域通過フィルタ等により構成されたチャタリング除去部22を介して、CPU11へ入力される。つまり、レジセンサ6にて用紙の先端がレジセンサ検出位置に到達したことが検出されると、レジセンサ割込信号をCPU11へ出力するのである。
【0066】
上記のように構成された本実施形態の給紙制御装置10において、用紙収納板2に収納された用紙を取り出して給紙区間を送出或いは搬送区間を搬送させる処理(以下これらをまとめて「給紙処理」という)について、図4に基づいて説明する。図4は、CPU11が実行する給紙処理を示すフローチャートである。
【0067】
この処理が開始されると、まずステップ(以下「S」)110にて、ASIC12内の駆動モード設定レジスタ34を固定PWM駆動モードに設定する。この「固定PWM駆動モード」とは、固定PWM値設定レジスタ35に設定された固定PWMデューティ値のPWM信号を生成してモータ7側へ出力することによりモータ7を駆動するモードであり、いわゆる開ループ制御によるモータ駆動を行うモードであるともいえる。
【0068】
続くS120では、用紙を用紙収納板2から取り出して(分離して)レジセンサ検出位置まで送出するために必要なレジスタを設定する。具体的には、回転方向設定レジスタを逆転に設定し、固定PWM値設定レジスタ35をデューティ値40%に設定し、さらに目標位置設定レジスタ36を1600エンコーダカウント(つまりエンコーダ8からのパルス信号のエッジカウントが1600カウントに達する位置)に設定する。この1600カウントは、用紙がレジセンサ検出位置まで送出される送出量よりも十分に余裕のある値である。そのため、レジセンサ位置にすら達していないにも関わらず目標位置に到達して停止してしまうといったおそれはない。
【0069】
そしてS130にて、起動設定レジスタ31を設定することにより、LFモータ7の回転、延いては用紙の送出が開始される。用紙送出開始後、S140では、レジセンサ6にて用紙の先端が検出されたか否かを判断し、検出された場合はS150にて停止処理を実行して、強制停止設定レジスタ32を設定する。その後、LFモータ7が停止したことがASIC12からの停止割込み信号にて検出されたことを確認して(S160:YES)、S170に移行する。
【0070】
一方、レジセンサ6による検出がなされない間は、S140で否定判定され、S240にて目標位置(1600エンコーダカウント)に達したか否かを判断する。この判断は、ASIC12からの目標位置到達割込みに基づいてなされ、割込がなければ再びS140に戻るが、割込みがあったときは、S250にて給紙エラーであるものとしてそれに応じた何らかの処理(例えば異常が生じたことを周囲に報知する等)を行って、この処理を終了する。
【0071】
用紙がレジセンサ検出位置まで送出された後のS170では、駆動モード設定レジスタ34を位置制御モードに設定してS180へ進み、レジセンサ検出位置からレジスト位置までの用紙送出に必要なレジスタの設定を行う。具体的には、回転方向設定レジスタを逆転(給紙用回転方向に回転)に設定し、目標位置を96エンコーダカウントに設定すると共にゲイン設定レジスタ37を設定する。
【0072】
S180でのレジスタ設定後は、S190にて再び起動設定レジスタを設定してLFモータ7の回転を開始させ、続くS200にて、S240と同じく目標位置(但しここでは96エンコーダカウント)に達したか否かを判断する。そして、目標位置に到達したならば(つまりASIC12から目標位置到達割り込みが入力されたならば)、S210に移行する。このとき、用紙はレジスト位置に到達していることになり、給紙動作から搬送動作へ移行することになる。
【0073】
S210では、搬送動作(用紙頭出し)を行うために必要な各種レジスタの設定を行う。ここでいう用紙頭出しとは、レジスト位置まで送出されてきた用紙に対して印字ヘッド5が印字を実行する際、予備的に印字ヘッド5付近の所定の位置まで用紙を搬送させることをいう。つまり、給紙区間内を送出されてきた用紙は、この頭出しによって印字ヘッド5近傍の所定位置まで搬送され、その位置から本格的な印字動作が開始される。
【0074】
具体的設定項目は、回転方向設定レジスタ33を正転(搬送用回転方向に回転)に設定し、目標位置設定レジスタ36を192エンコーダカウントに設定し、さらにゲイン設定レジスタ37を設定する。これらレジスタの設定終了後は、S220にて起動設定レジスタを設定することによりLFモータ7の駆動を開始させる。そして、S230にて、S200と同様に目標位置(192エンコーダカウント)まで到達したか否かを判断し、到達した場合(目標位置到達割り込みがあったときに、この給紙処理を終了する。
【0075】
即ち、この給紙処理は、用紙収納板2に収納された用紙を取り出してレジスト位置まで送出し、レジスト位置から所定位置まで頭出しを行うものである。
以上詳述したように、本実施形態の給紙制御装置10は、CPU11がASIC12内のレジスタ群130を設定することにより、この設定内容に応じてASIC12がLFモータ7を駆動させるための信号(ここではPWM信号)を生成して駆動回路13へ出力する。そして、このPWM信号によって駆動回路13内のHブリッジ回路の動作が制御され、固定PWM駆動制御部17からのPWM値或いは位置フィードバック演算処理部18からのPWM値に応じたLFモータ7への通電が行われる。
【0076】
そして、本実施形態では、用紙の分離後、レジセンサ検出位置までは固定デューティのPWM信号によりLFモータ7が駆動され、レジセンサ検出位置からレジスト位置までは位置フィードバック制御によりLFモータ7が駆動され、レジスト位置から用紙頭出しのための搬送時も位置フィードバック制御によりLFモータ7が駆動される。
【0077】
そのため、このように構成された本実施形態の給紙装置110では、まず駆動源であるLFモータ7としてDCモータを用いているため、例えばステッピングモータを用いた従来の給紙装置にくらべ、給紙動作の高速化と給紙動作時の騒音低減が実現される。また、レジセンサ検出位置からレジスト位置までは位置フィードバック制御によりLFモータ7を駆動しているものの、用紙の分離時からレジセンサ検出位置までは、固定デューティのPWM信号により駆動しており、デューティを上げることによって所望の速度を確保することができるため、この点でもさらなる高速化が実現可能である。
【0078】
尚、本実施形態において、LFモータ7と用紙分離機構3とにより本発明の用紙送出手段が構成され、図3の給紙制御装置10において、固定PWM駆動制御部17とPWM生成部20とにより本発明の高速駆動手段が構成され、位置フィードバック演算処理部18は本発明の位置制御手段に相当する。また、図4の給紙処理において、S180の処理は本発明の位置制御手段が実行する処理に相当する。
【0079】
ところで、本実施形態では、駆動回路13として図5に示したようなHブリッジ回路により構成されたものを用いたが、これに限らず、例えば図6に示したような駆動回路を用いてもよい。
この駆動回路13’は、LFモータ7の通電電流を電流検出抵抗Rd(本発明の電流検出手段に相当)の電圧として検出することによりLFモータ7のトルクを検出し、その検出したトルクが、目標トルク指令と一致するようにLFモータ7の通電を制御するための制御信号を、DCモータ駆動用IC13a内のトルク制御部13bが生成するように構成されている。言い換えれば、LFモータ7の通電電流が目標電流指令と一致するように制御することにより、LFモータ7のトルクを一定トルクに制御するトルクフィードバック制御を行うものである。
【0080】
但し、この駆動回路13’を図5の駆動回路13の変わりに用いる場合、ASIC12内のPWM生成部20も、図6に示すような信号の入出力を行うPWM生成部20aを用いる必要がある。即ちこのPWM生成部20aは、セレクタ19からのPWM値に基づいてPWM信号を出力すると共に、回転方向設定レジスタ33の設定値に従って駆動方向(LFモータ7を回転すべき方向)指令を出力し、さらに比較処理部16からの信号及び起動設定レジスタ31からの入力に従って、LFモータ7への通電を行うべきか否かを示す駆動指令を出力する。
【0081】
目標トルク指令(目標電流指令)は、PWM生成部からのPWM信号を、抵抗R1,R2及びコンデンサC1から構成される積分回路で積分することにより得られるものである。尚、このDCモータ駆動用IC13aの内部も、図示はしないものの図5と同じようなHブリッジ回路が形成されており、最終的には、トルク制御部13bからの制御信号に基づいてこのHブリッジ回路を構成するスイッチング素子のスイッチング動作が制御されることになる。
【0082】
このように構成された駆動回路13’を用いれば、単にPWM信号に従って図5の駆動回路13を駆動(スイッチング制御)するのに比べ、ASIC12自体は何ら変わらず固定デューティのPWM信号を生成するものの駆動回路13内にてLFモータ7のトルクが一定になるよう制御されるため、安定したモータトルクにより給紙装置の各部を駆動することが可能となり、用紙を用紙収納板2から分離する分離動作の安定化が可能となる。尚、駆動回路として図6の駆動回路13aを用いる場合、トルク制御部13bが本発明の高速駆動手段に相当するものとなる。
【0083】
[第2実施形態]
図7に、本実施形態の給紙制御装置の概略構成を示す。図7に示す如く、本実施形態の給紙制御装置におけるASIC55は、図3に示した第1実施形態のASIC12と比較して、主として、LFモータ7を速度フィードバック制御するための速度フィードバック演算処理部47、目標速度設定レジスタ及びゲイン設定レジスタ42備えられていること、そして、エンコーダ8からのパルス信号に基づいてLFモータ7の回転速度(延いては用紙の移動速度:本発明の送出速度に相当)を得るための周期カウンタ45及び速度変換部46が備えられている点が異なる。
【0084】
それ以外については、図3で説明した第1実施形態のASIC12と同様であるため、図3と同じ構成要素には図3と同じ符号を付し、その説明を省略する。
動作モード設定レジスタ群40に備えられている目標速度設定レジスタ41は、用紙の目標送出速度(以下単に「目標速度」という)を設定するものであり、ゲイン設定レジスタ42は、LFモータ7の回転速度を速度フィードバック制御する際のフィードバック演算に用いる微分ゲイン,積分ゲイン,比例ゲインを設定するためのものである。
【0085】
速度フィードバック演算処理部47も、位置フィードバック演算処理部18と同様、例えばPID制御に基づく演算処理を行って、LFモータ7の回転速度(用紙の送出速度)を目標速度に一致させるべく制御するものである。周期カウンタは、エンコーダエッジ検出部14が検出したエンコーダ8のパルス信号のエッジ間周期を求め、速度変換部46が、そのエッジ間周期を速度に変換する。また、セレクタ48は、比較処理部43を介して入力される駆動モード設定レジスタ34の設定値に基づいて、PWM生成部20へ出力すべきPWM値を、固定PWM駆動制御部17,速度フィードバック演算処理部47又は位置フィードバック演算処理部18のいずれかから選択するものである。
【0086】
このように構成された給紙制御装置において、CPU50が実行する給紙処理について、図8に基づいて説明する。図8は、本実施形態の給紙処理を示すフローチャートである。尚、図8のフローチャートは、図4で説明した第1実施形態の給紙処理と比較して、図4のS130とS140の間にS310〜S340の処理が追加された形となっている。
【0087】
この処理が開始されると、まずS110にて、駆動モード設定レジスタ34を固定PWM駆動モードに設定する。続くS120では、用紙を用紙収納板2から取り出して(分離して)レジセンサ検出位置まで送出するために必要なレジスタを設定する。具体的には、回転方向設定レジスタを逆転に設定し、固定PWM値設定レジスタ35をデューティ値40%に設定し、さらに目標位置設定レジスタ36を1600エンコーダカウント(本発明の分離期間に相当)に設定する。そしてS130にて、起動設定レジスタ31を設定することにより、LFモータ7の回転、延いては用紙の送出が開始される。
【0088】
用紙送出開始後、S310では、用紙が目標位置(1600エンコーダ)に到達したか否かが判断される。この判断もやはり、比較処理部43が位置カウンタ15からのカウント値に基づいて判断した結果(割り込み信号の有無)に基づいて行うものであり、目標位置に到達してその旨の割り込み信号がCPU50に入力されたら、S320に移行して駆動モードを速度制御モードに設定する。つまり、最初は固定PWM駆動モードで駆動するものの、途中からは速度フィードバック制御に切り換えるのである。
【0089】
続くS330で、速度フィードバック制御を行うために必要な各種レジスタの設定を行う。具体的には、回転方向を逆転、目標速度を8ips(inch per second )、目標位置を14400エンコーダとすると共に、さらにゲイン設定レジスタ42を設定する。その後、S340にて起動設定を行うことにより、速度フィードバック制御によるLFモータ7の駆動が開始され、レジセンサ検出位置に到達するまで(S140で肯定判定されるまで)継続される。その後、S140以降の処理は、上述したように図4の給紙処理におけるS140以降の処理と全く同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0090】
以上説明したように、本実施形態では、用紙を取り出し(分離)してから所定量だけ送出するまでは、固定PWM駆動モードにて駆動するが、その後、レジセンサ検出位置までは、速度フィードバック制御によりLFモータ7を駆動する。尚、レジセンサ検出位置以降は、第1実施形態と同じく位置フィードバック制御を行う。
【0091】
このように、途中からレジセンサ検出位置まで速度フィードバック制御を行うことで、LFモータ7の回転速度(延いては用紙の送出速度)がより高速化される。尚、図8の給紙処理において、S120及びS330の処理はいずれも本発明(請求項4)の高速駆動手段が実行する処理に相当する。
【0092】
尚、本実施形態では、固定PWM駆動モードから速度制御モードへ切り換えるタイミングを、分離開始時からの位置を基準として定めた(上記例では1600エンコーダカウント)が、これに限らず、例えば分離開始時からの時間を計時して、所定時間経過したときに速度制御モードに切り換えるようにしてもよい。
【0093】
また、本実施形態においても、第1実施形態の場合と全く同様の要領で、駆動回路13の代わりに図6の駆動回路13’を用いることができる。即ち、この駆動回路13’を用いることにより、分離開始時から最初の目標位置(1600エンコーダカウント)までは、結果として一定トルク制御が実現されることになる。
【0094】
[第3実施形態]
図9に、本実施形態の給紙制御装置の概略構成を示す。図9に示す如く、本実施形態の給紙制御装置におけるASIC60は、図3に示した第1実施形態のASIC12と比較して、動作モード設定レジスタ群62の中に、初期PWM値設定レジスタ63とPWM増加係数設定レジスタ64がそれぞれ設けられていること、そして、固定PWM駆動制御部65は、これら各レジスタ63,64の設定値と、固定PWM値設定レジスタ35の設定値とに基づいてPWM値を出力するものである点が異なる。
【0095】
それ以外については、図3で説明した第1実施形態のASIC12と同様であるため、図3と同じ構成要素には図3と同じ符号を付し、その説明を省略する。
動作モード設定レジスタ群62に備えられている初期PWM値設定レジスタ63は、用紙の送出(分離)を開始するときの最初のPWMデューティ値を規定するものであり、PWM増加係数設定レジスタ64は、その最初のPWMデューティ値を徐々に固定PWMデューティ値まで増加させる際の増加のさせ方を規定するものである。
【0096】
即ち、本実施形態では、基本的には第1実施形態と同様、分離開始からレジスト位置まで固定PWMデューティによりLFモータ7を駆動するのだが、分離開始時にいきなり固定PWMデューティ値とするのではなく、それより小さいデューティから徐々に増加させて最終的に固定PWMデューティ値とするものである。
【0097】
このように構成された給紙制御装置において、CPU61が実行する給紙処理について、図10に基づいて説明する。図10は、本実施形態の給紙処理を示すローチャートである。尚、図10のフローチャートは、図4で説明した第1実施形態の給紙処理と比較して、図4のS120を図10のS400にしただけであって、その他の処理(S110及びS130以降の処理)は図4と全く同様である。そのため、本実施形態については、S400の処理について説明し、他の処理の説明を省略する。
【0098】
図10に示す如く、本実施形態の給紙処理では、まずS110にて駆動モード設定レジスタ34を固定PWM駆動モードに設定した後、S400に以降して、固定PWMデューティ駆動に必要な各種レジスタを設定する。このうち、回転方向を逆転に設定すること、目標位置を1600エンコーダカウントに設定すること、及び固定PWMデューティ値を40%に設定することは、図4のS120と同様である。
【0099】
本実施形態では更に、初期PWMデューティを例えば15%に設定すると共に、増加係数(PWMデューティの増加のさせ方)を「5%/100カウント」に設定する。これにより、S130の起動設定によりLFモータ7が駆動開始したとき、最初はまず初期PWMデューティであるデューティ15%にて駆動し、その後、位置カウンタ15のカウント値が100カウントされる毎に、デューティを5%ずつ増加させる。そして、固定PWMデューティである40%まで増加した後は、そのデューティ(40%)に固定するのである。
【0100】
このように、分離開始時にPWMデューティを徐々に増加させることにより、用紙の分離をよりスムーズに行うことが可能となる。尚、本実施形態において、PWM信号のデューティが初期PWMデューティ(15%)から固定PWMデューティ(40%)まで増加する期間が、本発明の駆動開始期間に相当する。
【0101】
また、本実施形態においてもやはり、駆動回路13に代えて、図6に示した駆動回路13’を用いることができる。即ち、この駆動回路13’を用いることにより、分離開始時から固定PWMデューティまで増加する間、結果としてLFモータ7のトルクが徐々に増加していくことになる。
【0102】
尚この場合、デューティが初期PWMデューティの15%であるときの、LFモータ7のトルクが、本発明の初期トルクに相当し、固定PWMデューティの40%のときのLFモータ7のトルクが、本発明の固定トルクに相当する。
[第4実施形態]
図11に、本実施形態の給紙制御装置の概略構成を示す。図11に示す如く、本実施形態の給紙制御装置におけるASIC77は、図7に示した第2実施形態のASIC55と比較して、主として、動作モード設定レジスタ群71中に、用紙送出中にある位置で制御方法を切り替えるための、切替位置を規定する制御切替位置設定レジスタ72が備えられていること、比較処理部74が、その制御切替位置設定レジスタ72の設定値に基づいて、制御を切り換えるべき位置にきたことをセレクタ48に伝えること、そして、PWMデューティの上限を規定するための最大PWM設定レジスタ73が設けられ、PWM生成部75は、このレジスタ73で設定された最大PWMデューティを超えるようなデューティのPWM信号を生成しないこと、が異なる。
【0103】
このように構成された給紙制御装置において、CPU70が実行する給紙処理について、図12に基づいて説明する。図12は、本実施形態の給紙処理を示すフローチャートである。尚、図12のフローチャートは、図4で説明した第1実施形態の給紙処理と比較して、図4のS120を図12のS510に、図4のS180を図12のS520に、及び図4のS210を図12のS530にしただけであって、その他の処理は図4と全く同様である。そのため、本実施形態については、S510,S520及びS530の処理について説明し、他の処理の説明を省略する。
【0104】
図10に示す如く、本実施形態の給紙処理では、まずS110にて駆動モード設定レジスタ34を固定PWM駆動モードに設定した後、S510に移行して、各種レジスタの設定を行う。
このうち、回転方向、固定PWMデューティ値及び目標位置については、図4のS120と同様であるが、それ以外に本実施形態では、制御切替位置設定レジスタ72にて制御方法を切り換える位置を設定し(本実施形態では速度フィードバック制御に切替)、速度フィードバック制御に切り替わった後の目標位置速度を、目標速度設定レジスタ41にて設定し、PWM信号のデューティの上限を、最大PWM設定レジスタ73にて設定し、速度フィードバック制御における各種制御ゲインを、ゲイン設定レジスタ42にて設定する。
【0105】
このように設定することにより、上記目標位置にて駆動モードが固定PWM駆動モードから速度制御モードに切り替わる。また、PWM生成部75は、最大PWM設定レジスタ73の設定内容に基づき、デューティが90%を超えるようなPWM信号は生成しない。
【0106】
また、位置フィードバック制御に切り替わった(S170)後の、S520の処理でも、回転方向、目標位置及びフィードバックゲインの他、やはり最大PWMデューティを設定する。用紙がレジスト位置まで送出された後の搬送動作においても、S530に示す如く、最大PWMデューティを設定する。
【0107】
このように、PWMデューティの上限を設定することにより、何らかの要因でモータに多大な電流が流れてモータが焼損したり、モータを駆動する回路や電源等が破壊されたりするような事態が生じるのを防止できる。
尚、本実施形態において、最大PWM設定レジスタ73は本発明のデューティ制限手段に相当する。
【0108】
[第5実施形態]
図13に、本実施形態の給紙制御装置の概略構成を示す。図13に示す如く、本実施形態の給紙制御装置におけるASIC80においては、動作モード設定レジスタ群82内に設けられている目標位置・速度設定レジスタ83、位置/速度制御切替レジスタ84、状態フィードバックゲイン設定レジスタ85及び積分ゲイン設定レジスタ86と、比較処理部88と、状態フィードバック演算処理部87と、駆動用信号生成部89と、駆動回路90とを備えており、これ以外の構成要素については、上記第1〜第4いずれかの実施形態で既に説明したものであるため、それらについては上記各実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0109】
まず、本実施形態の駆動回路90は、詳細には図16に示す通りであり、図6で説明した駆動回路13’と比較して、抵抗R1,R2及びコンデンサC1で構成される積分回路がないだけであって、DCモータ駆動用ICは全く同じである。
【0110】
一方、駆動用信号生成部89は、起動設定レジスタ31の設定値及び比較処理部88からの出力(カウントの有無等)に基づいて、駆動指令を生成し出力する。また、回転方向設定レジスタ33の設定値にもとづいて、駆動方向指令を生成し出力する。ここまでは、図6のPWM生成部20aと同じである。
【0111】
そして、本実施形態の駆動用信号生成部89は、状態フィードバック演算処理部87にて生成され出力される制御入力(本実施形態では目標電流値)に基づいて、目標電流指令(換言すれば目標トルク指令)を生成し出力する。つまり、図6のPWM生成部20aのようにセレクタ19からPWM値が入力され、それに基づいてPWM信号を生成するのとは異なり、状態フィードバック演算処理部87により、目標電流値そのものが得られる。そのため、図6のような積分回路が不要となるのである。
【0112】
次に、動作モード設定レジスタ群82に備えられた目標位置・速度設定レジスタ83は、位置フィードバック制御実行時の目標位置と、速度フィードバック制御実行時の目標速度とが設定される。位置/速度制御切替レジスタ84は、位置フィードバック制御と速度フィードバック制御のどちらの制御方法でモータを駆動するか(つまり駆動モード)を設定するものである。状態フィードバックゲイン設定レジスタ85及び積分ゲイン設定レジスタ86は、状態フィードバック演算処理部87における演算処理で使用されるゲインを設定するものであるが、これについては後述する。
【0113】
次に、状態フィードバック演算処理部87について、図14に基づいて説明する。図14は、状態フィードバック演算処理部87の概略構成を示すブロック図である。この状態フィードバック演算処理部87は、位置カウンタ15から得られるエンコーダ8のパルス信号のカウント値yが、目標位置・速度設定レジスタ83にセットされている目標値rと一致するようにフィードバック制御を行うものであって、状態推定器(オブザーバ)87a、第1加算器87b、積分器87c、第1ゲイン積算器87d、第2加算器87e,第2ゲイン積算器87f及びスイッチSWとにより構成されている。
【0114】
まず、第1加算器87bによって、目標位置・速度設定レジスタ83にセットされている目標値rと、位置カウンタ15によるカウント値y(位置フィードバック制御の場合)若しくは後述の状態推定器87aにより推定される状態量の1つである角速度推定値ω(速度フィードバック制御の場合)のいずれかとの偏差が演算される。次に、積分器87cによって、第1加算器87bにより演算された偏差を離散積分した値、つまり、偏差の累積値が演算される。そして、第1ゲイン積算器87dによって、積分器87cにより演算された累積値と、積分ゲイン設定レジスタ86にセットされている積分ゲインF2とを積算した第1の制御信号が生成される。
【0115】
尚、状態推定器87aは、LFモータ7によって用紙が搬送される紙送り系を、動的線形システムとしてモデル化し、LFモータ7への入力電流を操作量として送り量を制御する位置サーボ系として考えた場合に、その状態フィードバック制御を実現するための計算を行うものである。その際にどのような状態変数を選択するのかは、状態フィードバックの解説書等にもあるように、一意ではないので、制御系に合わせて適宜選択する必要がある。
【0116】
本実施形態では搬送ローラ4の回転角度を検出可能なエンコーダ8が存在することから、駆動対象(負荷)の動的な挙動が特徴づけられるパラメータ、例えば搬送ローラ4(負荷)の角度、角速度を推定した状態量xを計算している。なお、状態量xを算出するにあたっては、負荷抵抗や、慣性(イナーシャ)等の機械定数を表す各種パラメータを利用して状態方程式を導いている。従って状態推定器87aは、その状態方程式を基に状態量xを計算することになる。
【0117】
そして、状態推定器87aによって、駆動用信号生成部89に入力する制御信号で示される制御入力u(本発明の主制御信号)と位置カウンタ15によるカウント値yとに基づいて、給紙装置の内部状態を表す状態量xが推定される。次に、第2ゲイン積算器87fによって、状態推定器87aにより推定された状態量xと状態フィードバックゲイン設定レジスタ85にセットされている状態フィードバックゲインF1とを積算した第2の制御信号が生成される。
【0118】
そして、第2加算器87eによって、第1の制御信号と第2の制御信号とを加算することにより、制御信号(制御入力u)が生成される。本実施形態では、この制御入力uは、LFモータ7に流すべき電流の目標値である。
スイッチSWは、位置/速度制御切替レジスタ84の設定内容に従い、位置制御モードのときは図示の状態とし、速度制御モードの時は、図示の状態から切り換える(つまり状態推定器87aの出力側に切り換える)。
【0119】
本実施形態では、このように、状態推定器87aにより各種の状態量を推定でき、それ故に、入力側にフィードバックする信号を、単にスイッチSWで切替選択するだけで、位置フィードバック制御及び速度フィードバック制御を1つの制御機構で実現しているのである。
【0120】
次に、本実施形態のCPU81が実行する給紙処理について、図15に基づいて説明する。図15の給紙処理において、S610〜S660、S670及びS680の処理を除く他の処理(S140〜S250)は、図4で既に説明した第1実施形態の給紙処理におけるS140〜S250(但しS180とS210は除く)であるため、これらについては説明を省略する。
【0121】
この処理が開始されると、まずS610にて、位置/速度制御切替レジスタ84を速度制御モードに設定する。続くS620では、用紙を用紙収納板2から取り出して(分離して)レジセンサ検出位置まで送出するために必要なレジスタを設定する。具体的には、回転方向設定レジスタ33,目標位置・速度設定レジスタ83,状態フィードバックゲイン設定レジスタ85及び積分ゲイン設定レジスタ86の設定を行う。
【0122】
そしてS630にて、起動設定レジスタ31を設定することにより、LFモータ7の回転、延いては用紙の送出が開始される。
用紙送出開始後、S640では、用紙が目標位置(1600エンコーダ)に到達したか否かが判断され目標位置に到達してその旨の割り込み信号が入力されたら、S650に移行して再びレジスタの設定を行う。ここでは、目標位置と目標速度を、S620とは異なるものに設定する。
【0123】
以降、レジセンサ検出位置に達した後は、位置制御モードに設定変更して(S170)、位置フィードバック制御のための各種レジスタの設定を行う(S670)。そして、用紙がレジスト位置に到達した後、搬送動作に移行する際にも、搬送動作における所望の位置フィードバック制御を実行するために各種レジスタの設定を行い(S680)、搬送動作を実行する。
【0124】
以上説明したとおり、本実施形態では、速度フィードバック制御と位置制御フィードバックとを共に実行する場合であっても、上記他の実施形態のように、速度フィードバック演算処理部と位置フィードバック演算処理部とを別個に設けるといった、制御方法毎に制御機構を備える必要が無く、1つの制御機構(本実施形態では状態フィードバック演算処理部87)によって実現可能である。そのため、装置全体の構成を簡素化でき、コストダウンも可能となる。
【0125】
ここで、本実施形態において、状態推定器87aは本発明の推定手段に相当し、第2加算器87eは本発明の主制御信号生成手段に相当する。また、第1加算器87bと積分器87cと第1ゲイン積算器87dとにより本発明の第1制御信号生成手段が構成される。
【0126】
尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、用紙収納板2に収納された用紙を取り出す際、用紙の種類によっては、用意に取り出すことができるものもあれば、簡単には取り出しにくいもの(例えば固めの用紙)もある。そこで、上記第1〜第4実施形態において固定PWM値設定レジスタ35に設定する固定PWMデューティ値は、用紙の種類によって変更されるものであるとよい。
【0127】
図17は、第1実施形態の給紙処理を、用紙の種類に応じた固定PWMデューティが設定できるようにしたものである。即ち、図17に示す如く、この処理の開始後、最初のS710にて、用紙種別に基づく固定PWMデューティ値の読み出しを行う。これは、図17に示すような固定PWMデューティ参照テーブルが予め図示しないメモリに記憶されており、そのメモリから読み出しを行うのである。
【0128】
用紙種別の判定方法としては、例えば、用紙に光りを当ててその反射率に基づいて判断するようにしてもいいし、また例えば、プリンタ100に用紙種別選択用のレバー等を設け、ユーザがそのレバーを操作したとき、その操作に応じた(つまり用紙種別に応じた)信号がCPU11に入力されるようにしてもよく、CPU11が用紙の種別に応じた固定PWMデューティを読み出せる限り種々の方法を採りうる。
【0129】
S710で固定PWMデューティ値を読み出した後、S110にて駆動モード設定レジスタ34を設定し、続くS720にて、所定の各種レジスタの設定を行う。この際、固定PWM値設定レジスタ35への設定は、S710にて読み出したデューティ値に基づくものとなる。S720から後の処理(S130以降)については、上記第1実施形態の図4におけるS130以降の処理と全く同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0130】
このように、用紙の種類に応じて固定PWMデューティ値を設定できるようにすることで、用紙の種類に関わらず安定した用紙の取り出しや送出が可能となる。尚、図17は上記第1実施形態の給紙処理に適用した場合を示したが、第2〜第4実施形態においても同様に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態のプリンタの側面図である。
【図2】 本実施形態のプリンタに搭載された給紙装置の概略構成を示す説明図である。
【図3】 第1実施形態の給紙制御装置の概略構成を示す説明図である。
【図4】 第1実施形態の給紙処理を示すフローチャートである。
【図5】 駆動回路の概略構成を示す説明図である。
【図6】 駆動回路の概略構成を示す説明図である。
【図7】 第2実施形態の給紙制御装置の概略構成を示す説明図である。
【図8】 第2実施形態の給紙処理を示すフローチャートである。
【図9】 第3実施形態の給紙制御装置の概略構成を示す説明図である。
【図10】 第3実施形態の給紙処理を示すフローチャートである。
【図11】 第4実施形態の給紙制御装置の概略構成を示す説明図である。
【図12】 第4実施形態の給紙処理を示すフローチャートである。
【図13】 第5実施形態の給紙制御装置の概略構成を示す説明図である。
【図14】 状態フィードバック演算処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図15】 第5実施形態の給紙処理を示すフローチャートである。
【図16】 駆動回路の概略構成を示す説明図である。
【図17】 第1実施形態の給紙処理の変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…給紙搬送機構、2…用紙収納板、2a…土手部、3…用紙分離機構、3a…給紙ローラ、3b…太陽ギア、3c…遊星ギア、3d…従動ギア、4…搬送ローラ、4a…ピンチローラ、5…印字ヘッド、6…レジセンサ、7…LFモータ、8…エンコーダ、8a…回転スリット板、8b…フォトインタラプタ、9…排紙ローラ、9a…拍車、10…給紙制御装置、13,90…駆動回路、13b…トルク制御部、14…エンコーダエッジ検出部、15…位置カウンタ、16,43、74,88…比較処理部、17,65…固定PWM駆動制御部、18…位置フィードバック演算処理部、19,48…セレクタ、20,20a,75…PWM生成部、21…クロック生成部、22…チャタリング除去部、31…起動設定レジスタ、32…強制停止設定レジスタ、33…回転方向設定レジスタ、34…駆動モード設定レジスタ、35…固定PWM値設定レジスタ、36…目標位置設定レジスタ、37…ゲイン設定レジスタ、40,62,82…動作モード設定レジスタ群、41…目標速度設定レジスタ、46…速度変換部、47…速度フィードバック演算処理部、63…初期PWM値設定レジスタ、64…PWM増加係数設定レジスタ、72…制御切替位置設定レジスタ、73…最大PWM設定レジスタ、83…目標位置・速度設定レジスタ、84…位置/速度制御切替レジスタ、85…状態フィードバックゲイン設定レジスタ、86…積分ゲイン設定レジスタ、87…状態フィードバック演算処理部、87a…状態推定器、87b…第1加算器、87c…積分器、87d…第1ゲイン積算器、87e…第2加算器、87f…第2ゲイン積算器、89…駆動用信号生成部、100…プリンタ、110…給紙装置、C1…コンデンサ、R1,R2…抵抗、Rd…電流検出抵抗、S1〜S4…スイッチング素子、SW…スイッチ

Claims (15)

  1. 用紙収納部に収納された印字用の用紙を、該用紙に接触する給紙ローラをモータにて回転させることにより1枚ずつ取り出して、印字動作実行時の用紙搬送が開始される所定のレジスト位置まで送出する用紙送出手段と、
    前記モータの回転駆動を制御する制御手段と、
    を備えた給紙装置において、
    前記モータはDCモータであり
    記制御手段は、
    前記用紙が、前記用紙収納部から前記レジスト位置までの用紙送出経路における所定の基準位置に到達しら前記レジスト位置に至るまでの給紙終了区間で、前記用紙の位置と所定の目標位置とに基づく位置フィードバック制御を実行して前記モータを回転駆動する位置制御手段と、
    前記用紙収納部からの前記用紙の送出開始時から該用紙が前記基準位置に到達するまでの給紙開始区間で、位置フィードバック制御を行うことなく前記給紙終了区間よりも高速で前記モータを回転駆動する高速駆動手段と、
    を備えることを特徴とする給紙装置。
  2. 前記高速駆動手段は、
    予め設定した固定デューティのPWM信号にて前記モータの通電経路上に設けられたスイッチング素子をオン・オフさせることにより前記モータを駆動する
    ことを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  3. 前記モータの通電電流を検出する電流検出手段を備え、
    前記高速駆動手段は、
    前記電流検出手段にて検出される通電電流に基づいて得られる前記モータのトルクが予め設定した目標トルクと一致するように該モータを回転駆動するトルクフィードバック制御を実行する
    ことを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  4. 前記高速駆動手段は、
    前記給紙ローラの回転開始後、1枚の前記用紙が前記用紙収納部から取り出されるまでの分離期間は、予め設定した固定デューティのPWM信号にて前記モータの通電経路上に設けられたスイッチング素子をオン・オフさせることにより前記モータを駆動し、
    前記分離期間後、前記用紙が前記基準位置に到達するまでの期間は、前記用紙の送出速度と予め設定した目標速度とに基づく速度フィードバック制御を実行して前記モータを回転駆動する
    ことを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  5. 前記モータの通電電流を検出する電流検出手段を備え、
    前記高速駆動手段は、
    前記給紙ローラの回転開始後、1枚の前記用紙が前記用紙収納部から取り出されるまでの分離期間は、前記電流検出手段にて検出される通電電流に基づいて得られる前記モータのトルクが予め設定した目標トルクと一致するように該モータを回転駆動するトルクフィードバック制御を実行し、
    前記分離期間後、前記用紙が前記基準位置に到達するまでの期間は、前記用紙の送出速度と予め設定した目標速度とに基づく速度フィードバック制御を実行して前記モータを回転駆動する
    ことを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  6. 前記高速駆動手段は、前記用紙の種類に応じて、前記PWM信号の固定デューティを変化させる
    ことを特徴とする請求項2又は4記載の給紙装置。
  7. 前記高速駆動手段は、前記用紙の種類に応じて、前記目標トルクを変化させる
    ことを特徴とする請求項3又は5記載の給紙装置。
  8. 前記高速駆動手段は、
    前記PWM信号のデューティを、前記モータの回転駆動開始から所定の駆動開始期間中は、前記固定デューティより小さい初期デューティから該固定デューティまで増加させ、前記駆動開始期間の後は、前記固定デューティに保持する
    ことを特徴とする請求項2,4又は6のいずれかに記載の給紙装置。
  9. 前記高速駆動手段は、
    前記目標トルクを、前記モータの回転駆動開始から所定の駆動開始期間中は、所定の固定トルクより小さい初期トルクから該固定トルクまで増加させ、前記駆動開始期間の後は、前記固定トルクに保持する
    ことを特徴とする請求項3,5又は7のいずれかに記載の給紙装置。
  10. 前記高速駆動手段は、
    前記用紙の送出速度と前記目標速度との偏差に応じた所定デューティのPWM信号にて、前記モータの通電経路上に設けられたスイッチング素子をオン・オフさせることにより、前記速度フィードバック制御を実行する
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の給紙装置。
  11. 前記位置制御手段は、
    前記用紙の位置と前記目標位置との偏差に応じた所定デューティのPWM信号にて、前記モータの通電経路上に設けられたスイッチング素子をオン・オフさせることにより、前記位置フィードバック制御を実行する
    ことを特徴とする請求項1〜10いずれかに記載の給紙装置。
  12. 前記制御手段は、
    前記デューティが、予め設定した上限値を超えないように制限するデューティ制限手段を備えた
    ことを特徴とする請求項2,4,6,8,10又は11のいずれかに記載の給紙装置。
  13. 用紙収納部に収納された印字用の用紙を、該用紙に接触する給紙ローラをモータにて回転させることにより1枚ずつ取り出して、印字動作実行時の用紙搬送が開始される所定のレジスト位置まで送出する用紙送出手段と、
    前記モータの回転駆動を制御する制御手段と、
    を備えた給紙装置において、
    前記モータはDCモータであり
    記制御手段は、
    前記モータ又は該モータにより駆動されるモータ負荷の動作状態と、前記モータへ出力する主制御信号とに基づいて、前記用紙送出手段の状態を推定する推定手段と、
    前記用紙送出手段の動作を制御すべき所定の制御目標値と前記動作状態若しくは前記推定手段により推定された状態のいずれかとの偏差に基づいて、第1の制御信号を生成する第1制御信号生成手段と、
    前記第1の制御信号と前記推定手段にて推定された状態に基づいて生成される第2の制御信号とに基づいて、前記主制御信号を生成する主制御信号生成手段と、
    を備え
    該主制御信号生成手段は、
    前記用紙が、前記用紙収納部から前記レジスト位置までの用紙送出経路における所定の基準位置に到達しら前記レジスト位置に至るまでの給紙終了区間では、前記用紙の位置が所定の目標位置と一致するように位置フィードバック制御を実行して前記モータを回転駆動するための主制御信号を生成し、
    前記用紙収納部からの前記用紙の送出開始時から該用紙が前記基準位置に到達するまでの給紙開始区間では、位置フィードバック制御を行うことなく前記給紙終了区間よりも高速で前記モータを回転駆動するための主制御信号を生成する
    ことを特徴とする給紙装置。
  14. 請求項1〜13いずれかに記載の給紙装置であって、
    更に、前記給紙ローラにより前記レジスト位置まで送出された前記用紙を、印字動作実行のために該レジスト位置から搬送させるための、前記モータの駆動力にて回転される搬送ローラと、
    前記モータが所定の給紙用回転方向に回転しているときに、該回転を前記給紙ローラに伝達することにより該給紙ローラを回転させ、前記モータが前記給紙用回転方向とは逆の搬送用回転方向に回転しているときは、該回転を前記搬送ローラに伝達することにより該搬送ローラを回転させると共に、該回転が前記給紙ローラに伝達されるのを遮断する、駆動力伝達手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、更に、前記用紙が前記レジスト位置まで送出された後の印字動作実行の際、前記モータを前記搬送用回転方向に回転させることにより前記用紙の搬送を制御する
    ことを特徴とする給紙装置。
  15. 前記制御手段は、前記モータの前記給紙用回転方向から前記搬送用回転方向への回転方向転換を連続的に実行する
    ことを特徴とする請求項14記載の給紙装置。
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