JP3629775B2 - 旋回軸受のシール装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械等の旋回輪を有する機械において、この旋回輪を構成する内輪と外輪との間に介装される旋回軸受をシールするシール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
旋回輪を有する機械の代表的なものとしては、油圧ショベルその他の建設機械がある。そこで、図4に油圧ショベルを示す。油圧ショベルは下部走行体1上に上部旋回体2を装着したものであり、この上部旋回体2に土砂の掘削等の作業を行うフロント作業機構3が装着されており、また車両の走行や、このフロント作業機構3の操作を行うオペレータが搭乗する運転室4が設けられ、さらにエンジン,油圧ポンプ,方向切換弁等、各種の機械や機器を設けた機械室5が設置されている。
【0003】
上部旋回体2のフレーム2aは、下部走行体1のフレーム1a上に旋回輪6を介して旋回可能に設けられている。そこで、図5及び図6に旋回輪6の構成を示す。旋回輪6は、下部走行体1のフレーム1aに連結して設けた内輪7と、上部旋回体2のフレーム2aに連結して設けた外輪8とを有し、この内輪7と外輪8との間は、旋回軸受9を介して相対回転可能に連結されている。内輪7の内周面にはリングギア10が設けられており、上部旋回体2側には旋回用油圧モータ11が設置されており、この油圧モータ11の出力軸にはピニオン12が連結されて、このピニオン12がリングギア10と噛合している。そして、このピニオン12とリングギア10との噛合部を潤滑するために、下部走行体1のフレーム1aには円環状のグリス溜め部13が設けられている。従って、油圧モータ11を作動させてピニオン12を回転させると、このピニオン12がリングギア10上を転動するから、上部旋回体2に連結した外輪8が内輪7に対して相対回転することになって、上部旋回体2の旋回が行われる。
【0004】
旋回軸受9は上部旋回体2全体の荷重を旋回可能に支承するものであるから、この旋回軸受9は十分に潤滑性を高める必要があり、かつ外部から塵埃等が入り込まないように保護しなければならない。このために、内輪7と外輪8との間にシール部材を介装して、旋回軸受9の部位をシールして内部にグリス等の潤滑剤を保持させる構成としている。
【0005】
図7に旋回軸受9のシール機構の構成を示す。14,15はシール部材であって、これら各シール部材14,15は、ゴム等の弾性部材からなり、保持部14a,15aと、リップ部14b,15bとを有する円環状のものであって、それぞれ保持部14a,15aが内輪7の外周面7a及び外輪8の内周面8aに設けた円環状のシール装着溝16,17に挿嵌されている。シール部材14は、その保持部14aを外輪8の内周面8a側のシール装着溝17に挿嵌されて、リップ部14bが内輪7の上面7bに摺接している。また、シール部材15は、その保持部15aが内輪7の外周面7aのシール装着溝16に挿嵌されて、リップ部15bが外輪8の下面8bに摺接する。これによって、内輪7の外周面7aと外輪8の内周面8aとの間において、旋回軸受9を含む部位がシール部材14,15により密閉された空間となる。そして、外輪8側には給脂通路18が設けられており、この給脂通路18を介して旋回軸受9を潤滑するためのグリス等の潤滑剤が供給される。なお、19は給脂通路18に螺挿されるグリス栓である。
【0006】
このように、リップ部14b,15bを備えたシール部材14,15を用いることによって、旋回軸受9の部分を密閉して、内部に潤滑剤を保持させ、かつ外部から塵埃等の異物の侵入を防止できる。そして、この内部の潤滑剤が汚損されると、給脂通路18を介して潤滑剤を補給する。これによって、内部にある汚損された潤滑剤は、圧力の上昇によりシール部材14,15のリップ部14a,15aと内輪7の上面7b,外輪8の下面8bとの間から排出できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、シール部材における保持部はシール装着溝から逸脱しないように保持されていなければならない。このために、保持部の厚みはシール装着溝の幅より僅かに大きくなるように成形しておき、実際に装着する際には、シール装着溝乃至保持部に接着剤を塗布して、保持部を撓めるようにしてシール装着溝に挿入する。これによって、保持部は、その弾性復元力によりシール装着溝の内壁面に圧接されることから、接着剤による接着力が均一に及ぶことになる結果、このシール部材の保持部はシール装着溝に安定的に保持され、みだりに逸脱するおそれはない。
【0008】
ところで、シール部材は、その保持部及びリップ部は押し出し成形等により形成され、この成形品を円環状となるように癖付けするために螺旋状に巻回し、この状態で加硫した後に、所定の寸法となるように切断することにより製造される。旋回輪はその直径が3mにも及ぶものがあり、従ってシール部材の全長は10m以上となってしまう。このようなシール部材は、成形時には寸法管理を厳格に行えるが、加硫時には加硫温度にばらつきが生じ、かつ全体を均一な熱に曝すことができない等により必ずしも全体を均一に加硫できない場合がある。このために、シール部材の寸法管理は厳格に行えない。
【0009】
以上のように、シール部材の寸法管理は困難であることから、シール装着溝に挿嵌される保持部の厚みもある程度のばらつきが生じるのを防止できない。この保持部が定格寸法より厚い場合には、シール装着溝に挿嵌するのが困難になり、また定格寸法より厚みが小さい場合には、シール装着溝の内壁面との間に隙間が生じ、接着剤を用いてもシール部材の保持を確実に行えなくなり、甚だしい場合には保持部がシール装着溝から脱落する等といった問題点がある。
【0010】
シール部材の脱落防止を図るために、従来から種々の工夫がなされている。例えば、シール部材をシール装着溝に挿入した状態でワイヤ等の締め付け部材で締め付けるように構成したものがあるが、内輪側にシール装着溝が設けられる場合には、締め付け具で締め付け力を作用させることはできるが、外輪側ではその内周面にシール装着溝が設けられる関係から、このような構成を採用できない。また、シール部材におけるシール装着溝に挿嵌される保持部に、それと直交する方向に突起部を設けて、この突起部を内輪や外輪の壁面に圧接させるように構成したものもある。一般に、シール部材を内輪,外輪といった金属とを接着するには、ある程度の押し付け力を作用させることが必要となり、押し付け力が得られない部位では、あまり接着効果が期待できない。従って、突起を壁面に押し付けるには、シール部材が拡開する方向に付勢した状態で装着しなければならず、このためにシール部材の寸法のばらつき等と相まってシール部材の装着を行う作業の作業性が極めて悪い等といった問題点がある。
【0011】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、シール部材の保持部に厚み寸法が多少ばらついていても、このシール部材を内輪及び外輪のシール装着溝内に確実に固定できるようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、本発明は、旋回輪を構成する内輪と外輪とのうち、少なくとも一方側の部材にシール装着溝を形成し、このシール装着溝には、環状のシール部材を構成する保持部を挿嵌させて、相手方の部材にこの保持部から延在させたリップ部を摺接させることにより、内輪と外輪との間の軸受部をシールするようにしたものであって、前記シール部材には、前記リップ部と略直交する方向に延在させた第2のリップ部を設け、また前記保持部には、その円周方向に複数個所において、弾性板体を略コ字状に形成したリテーナ部材を保持部に所定量だけ圧縮させるように挾持させて、前記シール装着溝に、このシール装着溝が形成されている側の部材の表面に前記第2のリップ部が当接する状態に挿嵌させる構成としたことをその特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
シール部材を内輪や外輪のシール装着溝に装着するに当っては、このシール部材の幅寸法とシール装着溝の幅寸法とをいかに正確に管理するかが重要である。シール装着溝は機械加工で形成されることから、その寸法は厳格に管理できる。これに対して、シール部材は、既に説明したようにして成形後に加硫することにより製造されることから、その保持部の厚みを正確には管理できない。
【0014】
そこで、この保持部に正確な厚みを持たせるために、厚み補正を行う。このために、例えば鋼板等の弾性を有する板体を曲成したリテーナ部材を用いる。このリテーナ部材は断面が略コ字状となるように形成する。そして、リテーナ部材にシール部材の保持部を挟み込ませて、かしめ等の手段で所定の形状となるように成形する。これによって、保持部は圧縮された状態となり、その厚みを一定にすることができる。
【0015】
リテーナ部材はシール部材の全周にわたって装着できないから、シール部材の円周方向に所定の間隔をもって複数個装着する。各リテーナ部材の円周方向の長さ及びシール部材に装着される数は、シール部材及びリテーナ部材の材質や、旋回輪の形状等に応じて適宜設定する。円周方向の長さが長いリテーナ部材を用いれば、個数が少なくて良く、また保持部をより確実に固定できる。ただし、リテーナ部材の円周方向における長さが長いと、それを円弧状に形成する必要があり、そのシール部材の保持部を挾持させるために、均一な圧縮力を加えるのが困難になる。一方、円周方向の長さが短いリテーナ部材を用いる場合には、相当数のリテーナ部材を装着しなければ、十分に固定できなくなるが、直線的なもので形成することも可能になり、またかしめ等の手段により容易にシール部材の保持部を圧縮させた状態に挾持させることができる。また、リテーナ部材を直線的に形成すると、大きさの異なる旋回輪のシール部材にも用いることができ、部品の共用化が図られる。
【0016】
リテーナ部材を装着した状態で、シール部材の保持部をシール装着溝に挿入するが、保持部はリテーナ部材により圧縮されており、かつリテーナ部材は保持部の全周に及ぶものではないことから、リテーナ部材により挾持された部位から保持部が露出している部位への移行部には隙間が生じることになり、シール部材によるシール機能が損なわれる。そこで、シール部材には、その保持部とリップ部との間の部位に、保持部と直交する方向に第2のリップ部を延在させておく。この第2のリップ部をシール装着溝が形成されている側の部材の壁面に密着させることによって、リップ部から保持部への移行部の隙間の部分がこの第2のリップ部によりシールされることになる。
【0017】
リテーナ部材を装着したシール部材を旋回輪を構成する内輪及び外輪に設けたシール装着溝に挿嵌することにより旋回輪に装着される。そして、装着状態で安定させ、作動中等においてみだりにシール装着溝から脱落したり、ずれたりして不安定な状態にならないようにする必要がある。リテーナ部材は保持部を圧縮されているから、この圧縮度合いによりリテーナ部材が保持部からの逸脱を防止できる。また、リテーナ部材をシール装着溝に圧入させるようにすれば、リテーナ部材がシール装着溝から逸脱することはない。ここで、シール部材における保持部は、リテーナ部材を装着した部位では均一な厚みを有しているから、シール装着溝への圧入により、確実に固定できることになる。
【0018】
シール部材をより確実に固定するには、リテーナ部材と保持部との間に接着剤を介装させる。保持部は圧縮された状態になっているから、この保持部の弾性復元力によって、リテーナ部材に圧接されるから、接着剤が薄く引き伸ばされた状態になって、両部材を強力に接着させることができる。また、リテーナ部材とシール装着溝の内面との間にも接着剤を介在させる。ここで、リテーナ部材は内輪,外輪と同じ金属材で形成できるから、ゴムと金属等のように異質の材質を固着する場合と比較して、接着効果がより良好となる。しかも、リテーナ部材を装着した部位の厚みは正確に一定化されているから、シール装着溝に挿嵌させた時に、たとえ圧入状態に装着しなくとも、このリテーナ部材とシール装着溝の内壁との間の隙間管理を極めて正確に行える。このように隙間が正確に管理できると、接着剤を薄く引き伸ばした状態とすることができて、その間に最大限に接着力を発揮できる結果、シール部材は強固にシール装着溝に装着された状態に保持でき、みだりにそれから逸脱したり、ずれたりする等の不都合を生じない。
【0019】
長い間作動させると、シール部材のリップ部が摩耗したり、損傷が発生したり、さらには劣化する等のおそれがあるために、このシール部材を交換する必要がある。また、旋回軸受の汚れをクリーニングしたり、補修したりする等のメンテナンスも必要になる。このために、シール部材をシール装着溝から取り外さなければならない。そこで、リテーナ部材に剥離操作板部を一体に設けて、この剥離操作板部を第2のリップ部の延在方向とは反対方向に延在させるように連設すると、シール部材をシール装着溝から脱着する際に、この剥離操作板部を内側に変位させることにより、保持部を容易にシール装着溝から脱着させることができる。そして、この剥離操作板部を引っ張りながら、保持部をシール装着溝から引き出すようにすれば、シール部材が破損してシール装着溝内に残存する等の不都合を生じることなく、円滑かつ迅速にシール部材を脱着させることができる。
【0020】
【実施例】
以下、図1乃至図3に基づいて本発明の実施例を説明する。本実施例において、前述した従来技術の構成部材と同一または均等な部材については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0021】
図1及び図2において、20はシール部材、30はリテーナ部材である。シール部材20は、保持部21にリップ部22を連設したものである点については、従来技術のものと格別の差はない。また、このシール部材20は外輪8の内周面8aに設けたシール装着溝17に保持部21が挿嵌されて、リップ部22が内輪7の上面7bと摺接し、また内輪7の外周面7aのシール装着溝16に保持部21が挿嵌されて、リップ部22が外輪8の下面8bに摺接する状態に組み込まれるもので、この点においても、従来技術のものと同様である。
【0022】
シール部材20は内輪7及び外輪8の全周にわたって装着されるものであり、従ってこのシール部材20は円環状となる。ただし、シール部材20は円環状となるように癖付けされているが、完全な円環状のものではなく、1箇所に切れ目の入ったものである。このシール部材20は、その保持部21が内輪7,外輪8のシール装着溝16,17に挿嵌されるが、保持部21は全周にわたって直接シール溝16,17に挿嵌されるのではなく、円周方向の所定角度毎にリテーナ部材30に挾持された状態で取り付けられるようになっている。
【0023】
リテーナ部材30は鋼板等の弾性板体からなり、平坦な剥離操作板部31と略コ字状に曲折させた挾持部32とから構成される。挾持部32は上下に設けた挾持部片32a,32bと、これら挾持部片32a,32b間の連設部32cとからなり、挾持部片32aには剥離操作板部31が連設されている。挾持部片32a,32bの内面間の間隔D1 は、シール部材20の保持部21における自然状態の厚み寸法Tより小さく、また外面間の間隔D2 はシール装着溝16,17の溝幅より僅かに大きくなっている。
【0024】
リテーナ部材30の挾持部32は、シール部材20の保持部21を圧縮した状態で挾持されるようになっており、シール部材20には、その保持部21からリップ部22への移行部に、リテーナ部材30の剥離操作板部31の延設側とは反対方向に向けて第2のリップ部23が連設されている。この第2のリップ部23は、保持部21に向く側は直線部23aで、リップ部22側は曲面部23bとなっている。そして、第2のリップ部23は、シール部材20におけるシール装着溝16,17への装着部側の壁面に当接するようになっている。
【0025】
本実施例は以上のように構成されるものであって、シール部材20を内輪7及び外輪8に装着するには、まずリテーナ部材30をシール部材20に連結する。このためには、リテーナ部材30は、図3に示したように、挾持部32をある程度開いた状態で、シール部材20の保持部21に接着剤を塗布して、挾持部32となる挾持部片32a,32bとなる部位の間に挿入する。この状態で、上下方向からかしめることによって、所定の形状の挾持部32が形成される。このかしめ状態においては、挾持部片32a,32bによって保持部21は圧縮されることになり、従って保持部21は挾持部32の内面に密着することになるから、その間に接着剤は薄く、しかも均一に塗り広められるようになり、従って保持部21と挾持部32との間には強力な接着力が発揮されることになり、リテーナ部材30は確実にシール部材20に固着される。
【0026】
このように、リテーナ部材30を装着した状態で、シール部材20を内輪7及び外輪8のシール装着溝16,17に挿嵌するようにして装着される。このシール部材20は、第2のリップ部23が旋回軸受9側に向き、リテーナ部材30の剥離操作板部31を旋回軸受9とは反対側に延在するようにして装着する。シール部材20の保持部21の厚みは、シール装着溝16,17の溝幅寸法Bより僅かに大きくしておく方が好ましい。ただし、シール部材20の製造時における加硫工程等により保持部21の厚みを均一にできない場合があるが、リテーナ部材30により挾持されている部位は、シール装着溝16,17の溝幅寸法Bより僅かに大きい幅D2 となるように厚み管理が正確に行われており、このリテーナ部材30の外面に接着剤を塗布した状態で、所定の押し込み力で挿入する。ここで、シール部材20の安定性からは、リテーナ部材30をできるだけ圧入状態にしてシール装着溝16,17に挿嵌させるのが好ましい。ただし、圧入を行うには、かなり強力な力でシール装着溝16,17に押し込まなければならず、このためにシール部材20のリップ部22を変形させる等といった問題が生じるから、ある程度の押し込み力を作用させる必要があるが、接着剤を用いる場合には、必ずしも圧入状態にする必要はない。
【0027】
これによって、リテーナ部材30がシール装着溝16,17の内壁面とほぼ密着する状態になって、接着剤が均一に塗り広められた状態になり、またリテーナ部材30とシール装着溝16,17の内壁面との間は金属同士の接着であるから、強力な接着効果が発揮され、強固に固定した状態に保持されて、シール装着溝16,17から逸脱するおそれはない。シール部材20におけるリテーナ部材30が装着されていない部位は、その保持部21を圧縮するようにして、シール装着溝16,17内に挿入する。そして、この保持部21が露出している部位にも接着剤を塗布しておくことにより、この部位もシール装着溝16,17に接着される。ただし、保持部21自体は厚み寸法にばらつきが生じていることもあり、従って十分な接着力が及ばない可能性もあるが、リテーナ部材30が装着されている部位が強力に接着しているから、シール部材20がシール装着溝16,17から逸脱してしまう等の不都合を生じることはない。
【0028】
ここで、シール部材20に対して、円周方向に所定の角度毎にリテーナ部材30を装着している関係から、リテーナ部材30が装着されている部位と保持部21が直接シール装着溝16,17に当接している部位との移行部には多少の隙間が生じることになる。しかしながら、シール部材20には第2のリップ部23が設けられているので、このシール部材20をシール装着溝16,17内に、この第2のリップ部23の直線部23aがそれぞれ内輪7の外周面7a及び外輪8の内周面8aと当接する位置まで挿入することによって、シール装着溝16,17のエッジ部分が第2のリップ部23に覆われることになる。これによって、内輪7と外輪8との間に設けた旋回軸受9の部位は上下に設けたシール部材20で完全に密閉された状態に保持される。
【0029】
ところで、シール部材20を一度装着した後においては、シール部材20のリップ部22が常に摺動することから、このリップ部22が摩耗すると、シール部材20を交換しなければならない。また、旋回軸受9に汚れが生じる等によって、この旋回軸受9の交換やクリーニング等のメンテナンスも必要となる。この場合には、シール部材20をシール装着溝16,17から取り出す必要があるが、リテーナ部材30には剥離操作板部31が連設されており、この剥離操作板部31は内輪7の外周面7a及び外輪8の内周面8aに沿って、旋回軸受9を設けた部位とは反対方向に向けて延在されている。従って、外部から剥離操作板部31と内輪7の外周面7a及び外輪8の内周面8aとの間に治具を挿入して、リテーナ部材30とシール装着溝16,17との間の接着剤を剥離させることにより、シール部材20を破損させることなく、容易にシール装着溝16,17から取り外すことができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、シール部材のリップ部と略直交する方向に第2のリップ部を延在させて設け、また保持部には、その円周方向に複数個所において、弾性板体を略コ字状に形成したリテーナ部材を保持部に所定量だけ圧縮させるように挾持させて、シール装着溝に、このシール装着溝が形成されている側の部材の表面に第2のリップ部が当接する状態に挿嵌させる構成としたので、軸受部を完全にシールすることができ、かつシール部材の保持部の厚み寸法に多少のばらつきがあっても、内輪及び外輪に設けたシール装着溝に確実に固定できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す旋回輪の旋回軸受のシール装置の断面図である。
【図2】シール部材へのリテーナ部材の装着部の構成説明図である。
【図3】リテーナ部材のシール部材への装着前の状態を示す構成説明図である。
【図4】旋回軸受が装着される機械の一例としての油圧ショベルの外観図である。
【図5】油圧ショベルの旋回機構の構成を示す断面図である。
【図6】図5の要部拡大断面図である。
【図7】従来技術における旋回軸受のシール装置の構成説明図である。
【符号の説明】
1 下部走行体
2 上部旋回体
6 旋回輪
7 内輪
8 外輪
9 旋回軸受
16,17 シール装着溝
20 シール部材
21 保持部
22 リップ部
23 第2のリップ部
30 リテーナ部材
31 剥離操作板部
32 挾持部
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械等の旋回輪を有する機械において、この旋回輪を構成する内輪と外輪との間に介装される旋回軸受をシールするシール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
旋回輪を有する機械の代表的なものとしては、油圧ショベルその他の建設機械がある。そこで、図4に油圧ショベルを示す。油圧ショベルは下部走行体1上に上部旋回体2を装着したものであり、この上部旋回体2に土砂の掘削等の作業を行うフロント作業機構3が装着されており、また車両の走行や、このフロント作業機構3の操作を行うオペレータが搭乗する運転室4が設けられ、さらにエンジン,油圧ポンプ,方向切換弁等、各種の機械や機器を設けた機械室5が設置されている。
【0003】
上部旋回体2のフレーム2aは、下部走行体1のフレーム1a上に旋回輪6を介して旋回可能に設けられている。そこで、図5及び図6に旋回輪6の構成を示す。旋回輪6は、下部走行体1のフレーム1aに連結して設けた内輪7と、上部旋回体2のフレーム2aに連結して設けた外輪8とを有し、この内輪7と外輪8との間は、旋回軸受9を介して相対回転可能に連結されている。内輪7の内周面にはリングギア10が設けられており、上部旋回体2側には旋回用油圧モータ11が設置されており、この油圧モータ11の出力軸にはピニオン12が連結されて、このピニオン12がリングギア10と噛合している。そして、このピニオン12とリングギア10との噛合部を潤滑するために、下部走行体1のフレーム1aには円環状のグリス溜め部13が設けられている。従って、油圧モータ11を作動させてピニオン12を回転させると、このピニオン12がリングギア10上を転動するから、上部旋回体2に連結した外輪8が内輪7に対して相対回転することになって、上部旋回体2の旋回が行われる。
【0004】
旋回軸受9は上部旋回体2全体の荷重を旋回可能に支承するものであるから、この旋回軸受9は十分に潤滑性を高める必要があり、かつ外部から塵埃等が入り込まないように保護しなければならない。このために、内輪7と外輪8との間にシール部材を介装して、旋回軸受9の部位をシールして内部にグリス等の潤滑剤を保持させる構成としている。
【0005】
図7に旋回軸受9のシール機構の構成を示す。14,15はシール部材であって、これら各シール部材14,15は、ゴム等の弾性部材からなり、保持部14a,15aと、リップ部14b,15bとを有する円環状のものであって、それぞれ保持部14a,15aが内輪7の外周面7a及び外輪8の内周面8aに設けた円環状のシール装着溝16,17に挿嵌されている。シール部材14は、その保持部14aを外輪8の内周面8a側のシール装着溝17に挿嵌されて、リップ部14bが内輪7の上面7bに摺接している。また、シール部材15は、その保持部15aが内輪7の外周面7aのシール装着溝16に挿嵌されて、リップ部15bが外輪8の下面8bに摺接する。これによって、内輪7の外周面7aと外輪8の内周面8aとの間において、旋回軸受9を含む部位がシール部材14,15により密閉された空間となる。そして、外輪8側には給脂通路18が設けられており、この給脂通路18を介して旋回軸受9を潤滑するためのグリス等の潤滑剤が供給される。なお、19は給脂通路18に螺挿されるグリス栓である。
【0006】
このように、リップ部14b,15bを備えたシール部材14,15を用いることによって、旋回軸受9の部分を密閉して、内部に潤滑剤を保持させ、かつ外部から塵埃等の異物の侵入を防止できる。そして、この内部の潤滑剤が汚損されると、給脂通路18を介して潤滑剤を補給する。これによって、内部にある汚損された潤滑剤は、圧力の上昇によりシール部材14,15のリップ部14a,15aと内輪7の上面7b,外輪8の下面8bとの間から排出できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、シール部材における保持部はシール装着溝から逸脱しないように保持されていなければならない。このために、保持部の厚みはシール装着溝の幅より僅かに大きくなるように成形しておき、実際に装着する際には、シール装着溝乃至保持部に接着剤を塗布して、保持部を撓めるようにしてシール装着溝に挿入する。これによって、保持部は、その弾性復元力によりシール装着溝の内壁面に圧接されることから、接着剤による接着力が均一に及ぶことになる結果、このシール部材の保持部はシール装着溝に安定的に保持され、みだりに逸脱するおそれはない。
【0008】
ところで、シール部材は、その保持部及びリップ部は押し出し成形等により形成され、この成形品を円環状となるように癖付けするために螺旋状に巻回し、この状態で加硫した後に、所定の寸法となるように切断することにより製造される。旋回輪はその直径が3mにも及ぶものがあり、従ってシール部材の全長は10m以上となってしまう。このようなシール部材は、成形時には寸法管理を厳格に行えるが、加硫時には加硫温度にばらつきが生じ、かつ全体を均一な熱に曝すことができない等により必ずしも全体を均一に加硫できない場合がある。このために、シール部材の寸法管理は厳格に行えない。
【0009】
以上のように、シール部材の寸法管理は困難であることから、シール装着溝に挿嵌される保持部の厚みもある程度のばらつきが生じるのを防止できない。この保持部が定格寸法より厚い場合には、シール装着溝に挿嵌するのが困難になり、また定格寸法より厚みが小さい場合には、シール装着溝の内壁面との間に隙間が生じ、接着剤を用いてもシール部材の保持を確実に行えなくなり、甚だしい場合には保持部がシール装着溝から脱落する等といった問題点がある。
【0010】
シール部材の脱落防止を図るために、従来から種々の工夫がなされている。例えば、シール部材をシール装着溝に挿入した状態でワイヤ等の締め付け部材で締め付けるように構成したものがあるが、内輪側にシール装着溝が設けられる場合には、締め付け具で締め付け力を作用させることはできるが、外輪側ではその内周面にシール装着溝が設けられる関係から、このような構成を採用できない。また、シール部材におけるシール装着溝に挿嵌される保持部に、それと直交する方向に突起部を設けて、この突起部を内輪や外輪の壁面に圧接させるように構成したものもある。一般に、シール部材を内輪,外輪といった金属とを接着するには、ある程度の押し付け力を作用させることが必要となり、押し付け力が得られない部位では、あまり接着効果が期待できない。従って、突起を壁面に押し付けるには、シール部材が拡開する方向に付勢した状態で装着しなければならず、このためにシール部材の寸法のばらつき等と相まってシール部材の装着を行う作業の作業性が極めて悪い等といった問題点がある。
【0011】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、シール部材の保持部に厚み寸法が多少ばらついていても、このシール部材を内輪及び外輪のシール装着溝内に確実に固定できるようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、本発明は、旋回輪を構成する内輪と外輪とのうち、少なくとも一方側の部材にシール装着溝を形成し、このシール装着溝には、環状のシール部材を構成する保持部を挿嵌させて、相手方の部材にこの保持部から延在させたリップ部を摺接させることにより、内輪と外輪との間の軸受部をシールするようにしたものであって、前記シール部材には、前記リップ部と略直交する方向に延在させた第2のリップ部を設け、また前記保持部には、その円周方向に複数個所において、弾性板体を略コ字状に形成したリテーナ部材を保持部に所定量だけ圧縮させるように挾持させて、前記シール装着溝に、このシール装着溝が形成されている側の部材の表面に前記第2のリップ部が当接する状態に挿嵌させる構成としたことをその特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
シール部材を内輪や外輪のシール装着溝に装着するに当っては、このシール部材の幅寸法とシール装着溝の幅寸法とをいかに正確に管理するかが重要である。シール装着溝は機械加工で形成されることから、その寸法は厳格に管理できる。これに対して、シール部材は、既に説明したようにして成形後に加硫することにより製造されることから、その保持部の厚みを正確には管理できない。
【0014】
そこで、この保持部に正確な厚みを持たせるために、厚み補正を行う。このために、例えば鋼板等の弾性を有する板体を曲成したリテーナ部材を用いる。このリテーナ部材は断面が略コ字状となるように形成する。そして、リテーナ部材にシール部材の保持部を挟み込ませて、かしめ等の手段で所定の形状となるように成形する。これによって、保持部は圧縮された状態となり、その厚みを一定にすることができる。
【0015】
リテーナ部材はシール部材の全周にわたって装着できないから、シール部材の円周方向に所定の間隔をもって複数個装着する。各リテーナ部材の円周方向の長さ及びシール部材に装着される数は、シール部材及びリテーナ部材の材質や、旋回輪の形状等に応じて適宜設定する。円周方向の長さが長いリテーナ部材を用いれば、個数が少なくて良く、また保持部をより確実に固定できる。ただし、リテーナ部材の円周方向における長さが長いと、それを円弧状に形成する必要があり、そのシール部材の保持部を挾持させるために、均一な圧縮力を加えるのが困難になる。一方、円周方向の長さが短いリテーナ部材を用いる場合には、相当数のリテーナ部材を装着しなければ、十分に固定できなくなるが、直線的なもので形成することも可能になり、またかしめ等の手段により容易にシール部材の保持部を圧縮させた状態に挾持させることができる。また、リテーナ部材を直線的に形成すると、大きさの異なる旋回輪のシール部材にも用いることができ、部品の共用化が図られる。
【0016】
リテーナ部材を装着した状態で、シール部材の保持部をシール装着溝に挿入するが、保持部はリテーナ部材により圧縮されており、かつリテーナ部材は保持部の全周に及ぶものではないことから、リテーナ部材により挾持された部位から保持部が露出している部位への移行部には隙間が生じることになり、シール部材によるシール機能が損なわれる。そこで、シール部材には、その保持部とリップ部との間の部位に、保持部と直交する方向に第2のリップ部を延在させておく。この第2のリップ部をシール装着溝が形成されている側の部材の壁面に密着させることによって、リップ部から保持部への移行部の隙間の部分がこの第2のリップ部によりシールされることになる。
【0017】
リテーナ部材を装着したシール部材を旋回輪を構成する内輪及び外輪に設けたシール装着溝に挿嵌することにより旋回輪に装着される。そして、装着状態で安定させ、作動中等においてみだりにシール装着溝から脱落したり、ずれたりして不安定な状態にならないようにする必要がある。リテーナ部材は保持部を圧縮されているから、この圧縮度合いによりリテーナ部材が保持部からの逸脱を防止できる。また、リテーナ部材をシール装着溝に圧入させるようにすれば、リテーナ部材がシール装着溝から逸脱することはない。ここで、シール部材における保持部は、リテーナ部材を装着した部位では均一な厚みを有しているから、シール装着溝への圧入により、確実に固定できることになる。
【0018】
シール部材をより確実に固定するには、リテーナ部材と保持部との間に接着剤を介装させる。保持部は圧縮された状態になっているから、この保持部の弾性復元力によって、リテーナ部材に圧接されるから、接着剤が薄く引き伸ばされた状態になって、両部材を強力に接着させることができる。また、リテーナ部材とシール装着溝の内面との間にも接着剤を介在させる。ここで、リテーナ部材は内輪,外輪と同じ金属材で形成できるから、ゴムと金属等のように異質の材質を固着する場合と比較して、接着効果がより良好となる。しかも、リテーナ部材を装着した部位の厚みは正確に一定化されているから、シール装着溝に挿嵌させた時に、たとえ圧入状態に装着しなくとも、このリテーナ部材とシール装着溝の内壁との間の隙間管理を極めて正確に行える。このように隙間が正確に管理できると、接着剤を薄く引き伸ばした状態とすることができて、その間に最大限に接着力を発揮できる結果、シール部材は強固にシール装着溝に装着された状態に保持でき、みだりにそれから逸脱したり、ずれたりする等の不都合を生じない。
【0019】
長い間作動させると、シール部材のリップ部が摩耗したり、損傷が発生したり、さらには劣化する等のおそれがあるために、このシール部材を交換する必要がある。また、旋回軸受の汚れをクリーニングしたり、補修したりする等のメンテナンスも必要になる。このために、シール部材をシール装着溝から取り外さなければならない。そこで、リテーナ部材に剥離操作板部を一体に設けて、この剥離操作板部を第2のリップ部の延在方向とは反対方向に延在させるように連設すると、シール部材をシール装着溝から脱着する際に、この剥離操作板部を内側に変位させることにより、保持部を容易にシール装着溝から脱着させることができる。そして、この剥離操作板部を引っ張りながら、保持部をシール装着溝から引き出すようにすれば、シール部材が破損してシール装着溝内に残存する等の不都合を生じることなく、円滑かつ迅速にシール部材を脱着させることができる。
【0020】
【実施例】
以下、図1乃至図3に基づいて本発明の実施例を説明する。本実施例において、前述した従来技術の構成部材と同一または均等な部材については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0021】
図1及び図2において、20はシール部材、30はリテーナ部材である。シール部材20は、保持部21にリップ部22を連設したものである点については、従来技術のものと格別の差はない。また、このシール部材20は外輪8の内周面8aに設けたシール装着溝17に保持部21が挿嵌されて、リップ部22が内輪7の上面7bと摺接し、また内輪7の外周面7aのシール装着溝16に保持部21が挿嵌されて、リップ部22が外輪8の下面8bに摺接する状態に組み込まれるもので、この点においても、従来技術のものと同様である。
【0022】
シール部材20は内輪7及び外輪8の全周にわたって装着されるものであり、従ってこのシール部材20は円環状となる。ただし、シール部材20は円環状となるように癖付けされているが、完全な円環状のものではなく、1箇所に切れ目の入ったものである。このシール部材20は、その保持部21が内輪7,外輪8のシール装着溝16,17に挿嵌されるが、保持部21は全周にわたって直接シール溝16,17に挿嵌されるのではなく、円周方向の所定角度毎にリテーナ部材30に挾持された状態で取り付けられるようになっている。
【0023】
リテーナ部材30は鋼板等の弾性板体からなり、平坦な剥離操作板部31と略コ字状に曲折させた挾持部32とから構成される。挾持部32は上下に設けた挾持部片32a,32bと、これら挾持部片32a,32b間の連設部32cとからなり、挾持部片32aには剥離操作板部31が連設されている。挾持部片32a,32bの内面間の間隔D1 は、シール部材20の保持部21における自然状態の厚み寸法Tより小さく、また外面間の間隔D2 はシール装着溝16,17の溝幅より僅かに大きくなっている。
【0024】
リテーナ部材30の挾持部32は、シール部材20の保持部21を圧縮した状態で挾持されるようになっており、シール部材20には、その保持部21からリップ部22への移行部に、リテーナ部材30の剥離操作板部31の延設側とは反対方向に向けて第2のリップ部23が連設されている。この第2のリップ部23は、保持部21に向く側は直線部23aで、リップ部22側は曲面部23bとなっている。そして、第2のリップ部23は、シール部材20におけるシール装着溝16,17への装着部側の壁面に当接するようになっている。
【0025】
本実施例は以上のように構成されるものであって、シール部材20を内輪7及び外輪8に装着するには、まずリテーナ部材30をシール部材20に連結する。このためには、リテーナ部材30は、図3に示したように、挾持部32をある程度開いた状態で、シール部材20の保持部21に接着剤を塗布して、挾持部32となる挾持部片32a,32bとなる部位の間に挿入する。この状態で、上下方向からかしめることによって、所定の形状の挾持部32が形成される。このかしめ状態においては、挾持部片32a,32bによって保持部21は圧縮されることになり、従って保持部21は挾持部32の内面に密着することになるから、その間に接着剤は薄く、しかも均一に塗り広められるようになり、従って保持部21と挾持部32との間には強力な接着力が発揮されることになり、リテーナ部材30は確実にシール部材20に固着される。
【0026】
このように、リテーナ部材30を装着した状態で、シール部材20を内輪7及び外輪8のシール装着溝16,17に挿嵌するようにして装着される。このシール部材20は、第2のリップ部23が旋回軸受9側に向き、リテーナ部材30の剥離操作板部31を旋回軸受9とは反対側に延在するようにして装着する。シール部材20の保持部21の厚みは、シール装着溝16,17の溝幅寸法Bより僅かに大きくしておく方が好ましい。ただし、シール部材20の製造時における加硫工程等により保持部21の厚みを均一にできない場合があるが、リテーナ部材30により挾持されている部位は、シール装着溝16,17の溝幅寸法Bより僅かに大きい幅D2 となるように厚み管理が正確に行われており、このリテーナ部材30の外面に接着剤を塗布した状態で、所定の押し込み力で挿入する。ここで、シール部材20の安定性からは、リテーナ部材30をできるだけ圧入状態にしてシール装着溝16,17に挿嵌させるのが好ましい。ただし、圧入を行うには、かなり強力な力でシール装着溝16,17に押し込まなければならず、このためにシール部材20のリップ部22を変形させる等といった問題が生じるから、ある程度の押し込み力を作用させる必要があるが、接着剤を用いる場合には、必ずしも圧入状態にする必要はない。
【0027】
これによって、リテーナ部材30がシール装着溝16,17の内壁面とほぼ密着する状態になって、接着剤が均一に塗り広められた状態になり、またリテーナ部材30とシール装着溝16,17の内壁面との間は金属同士の接着であるから、強力な接着効果が発揮され、強固に固定した状態に保持されて、シール装着溝16,17から逸脱するおそれはない。シール部材20におけるリテーナ部材30が装着されていない部位は、その保持部21を圧縮するようにして、シール装着溝16,17内に挿入する。そして、この保持部21が露出している部位にも接着剤を塗布しておくことにより、この部位もシール装着溝16,17に接着される。ただし、保持部21自体は厚み寸法にばらつきが生じていることもあり、従って十分な接着力が及ばない可能性もあるが、リテーナ部材30が装着されている部位が強力に接着しているから、シール部材20がシール装着溝16,17から逸脱してしまう等の不都合を生じることはない。
【0028】
ここで、シール部材20に対して、円周方向に所定の角度毎にリテーナ部材30を装着している関係から、リテーナ部材30が装着されている部位と保持部21が直接シール装着溝16,17に当接している部位との移行部には多少の隙間が生じることになる。しかしながら、シール部材20には第2のリップ部23が設けられているので、このシール部材20をシール装着溝16,17内に、この第2のリップ部23の直線部23aがそれぞれ内輪7の外周面7a及び外輪8の内周面8aと当接する位置まで挿入することによって、シール装着溝16,17のエッジ部分が第2のリップ部23に覆われることになる。これによって、内輪7と外輪8との間に設けた旋回軸受9の部位は上下に設けたシール部材20で完全に密閉された状態に保持される。
【0029】
ところで、シール部材20を一度装着した後においては、シール部材20のリップ部22が常に摺動することから、このリップ部22が摩耗すると、シール部材20を交換しなければならない。また、旋回軸受9に汚れが生じる等によって、この旋回軸受9の交換やクリーニング等のメンテナンスも必要となる。この場合には、シール部材20をシール装着溝16,17から取り出す必要があるが、リテーナ部材30には剥離操作板部31が連設されており、この剥離操作板部31は内輪7の外周面7a及び外輪8の内周面8aに沿って、旋回軸受9を設けた部位とは反対方向に向けて延在されている。従って、外部から剥離操作板部31と内輪7の外周面7a及び外輪8の内周面8aとの間に治具を挿入して、リテーナ部材30とシール装着溝16,17との間の接着剤を剥離させることにより、シール部材20を破損させることなく、容易にシール装着溝16,17から取り外すことができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、シール部材のリップ部と略直交する方向に第2のリップ部を延在させて設け、また保持部には、その円周方向に複数個所において、弾性板体を略コ字状に形成したリテーナ部材を保持部に所定量だけ圧縮させるように挾持させて、シール装着溝に、このシール装着溝が形成されている側の部材の表面に第2のリップ部が当接する状態に挿嵌させる構成としたので、軸受部を完全にシールすることができ、かつシール部材の保持部の厚み寸法に多少のばらつきがあっても、内輪及び外輪に設けたシール装着溝に確実に固定できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す旋回輪の旋回軸受のシール装置の断面図である。
【図2】シール部材へのリテーナ部材の装着部の構成説明図である。
【図3】リテーナ部材のシール部材への装着前の状態を示す構成説明図である。
【図4】旋回軸受が装着される機械の一例としての油圧ショベルの外観図である。
【図5】油圧ショベルの旋回機構の構成を示す断面図である。
【図6】図5の要部拡大断面図である。
【図7】従来技術における旋回軸受のシール装置の構成説明図である。
【符号の説明】
1 下部走行体
2 上部旋回体
6 旋回輪
7 内輪
8 外輪
9 旋回軸受
16,17 シール装着溝
20 シール部材
21 保持部
22 リップ部
23 第2のリップ部
30 リテーナ部材
31 剥離操作板部
32 挾持部
Claims (4)
- 旋回輪を構成する内輪と外輪とのうち、少なくとも一方側の部材にシール装着溝を形成し、このシール装着溝には、環状のシール部材を構成する保持部を挿嵌させて、相手方の部材にこの保持部から延在させたリップ部を摺接させることにより、内輪と外輪との間の軸受部をシールするようにしたものにおいて、前記シール部材には、前記リップ部と略直交する方向に延在させた第2のリップ部を設け、また前記保持部には、その円周方向に複数個所において、弾性板体を略コ字状に形成したリテーナ部材を保持部に所定量だけ圧縮させるように挾持させて、前記シール装着溝に、このシール装着溝が形成されている側の部材の表面に前記第2のリップ部が当接する状態に挿嵌させる構成としたことを特徴とする旋回軸受のシール装置。
- 前記リテーナ部材には、前記シール部材の保持部を挾持させた時に、その第2のリップ部の延在方向とは反対方向に向けて剥離操作板部を連設する構成としたことを特徴とする請求項1記載の旋回軸受のシール装置。
- 前記リテーナ部材は、前記シール部材の保持部に対して、また前記シール装着溝に対して、それぞれ接着剤により固着させる構成としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の旋回軸受のシール装置。
- 前記リテーナ部材は、前記シール装着溝に圧入する構成としたことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の旋回軸受のシール装置。
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