JP3629755B2 - 表面処理された基材とその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は基材表面に優れた撥水性、防汚性が付与された基材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
さまざまな材料からなる基材、および基材に表面処理層を施した各種基材はあらゆる分野で使用されており、基材表面へのほこり、油汚れ等の吸着、または、水のもたらす悪影響が問題となっている。
【0003】
たとえば、電車、自動車、船舶、航空機等の輸送機器における外板、窓ガラス、鏡、表示機器表面材等の外層部材、計器盤表面材等の内層部材、その他の物品の表面は常に清浄であることが好ましく、表面に、雨滴、ほこり、汚れ等が付着したり、大気中の湿度、温度の影響で水分が凝縮すると、外観が損なわれる問題がある。また、人の目に直接触れたり、人が直接接する表面であると、不快感や衛生上の問題も生じる。
【0004】
さらに、輸送機器用物品の汚れは、本来の機能を著しく低下させることにもなる。特に、輸送機器用物品が透明性、透視性を要求される物品(たとえば、窓ガラス、鏡等)である場合には、透明性、透視性の減少はその物品の本来の目的を達成できないことを意味し、重大事故を誘発する原因ともなりうる。
【0005】
こうしたほこり、油汚れ、水を除去するための手段(たとえば、拭き取り、ワイパーによる除去)は、表面に微細な傷を付けることがある。ほこり、油汚れ、水等に伴われる異物粒子によって表面の傷を一層著しくすることもある。
【0006】
さらに、ガラス表面に水分が付着した場合には水分中にガラス成分が溶出し、表面が浸食される(いわゆる焼けと呼ばれる現象)ことはよく知られている。この焼けを除去するために強く摩擦すると微細な凸凹を生じやすい。焼けが激しく生じたガラスや、表面に微細な凸凹を生じたガラスからなる透視部は、本来の機能が低下し、また、その表面で光の散乱が激しく、視野確保の点で不都合が生じるだけでなく、安全性の点からも問題である。
【0007】
ほこり、汚れ、水は輸送機器物品の表面に有害な影響を与え、損傷、汚染、着色、腐食等を促進させ、また、輸送機器用物品の電気特性、機械的特性、光学的特性等の変化を誘発することもある。この種の悪影響は輸送機器用物品に限らず、建築・建装用物品、電気・電子機器用物品等各種分野で問題となっている。
【0008】
このため、ほこり、汚れ、水滴の付着を防ぐ性質、あるいはこれらが付着した場合に除去を容易にする性質(以下これらを単に防汚性という)を基材表面に付与する技術が強く求められている。
【0009】
従来より防汚性を付与する方法として、シリコーン系ワックスやオルガノポリシロキサンからなるシリコーン油、界面活性剤等の表面処理剤を基材に直接塗布する方法が提案されている。
【0010】
しかし、従来の表面処理剤は、処理剤自身の基材への付着性が低い欠点があり、防汚性の長期持続性を満足することはできず、適用範囲が限定されていた。
【0011】
さらに防汚性は、今後製作される新しい物品はもちろんのこと、既に使用されている物品、処理後に性能の低下が認められた物品等にも付与できることが望ましい。しかし、これらの物品すべてに適用しようとする場合には、各部位に常温で直接処理するだけで防汚性を付与する必要がある。たとえば、既に市販されている自動車用フロントガラスに処理を行う場合、経済的な理由から各自動車のフロントガラスを入れ替えて熱処理することは不可能である。また、塗布後自動車全体を焼成することも現実的には不可能である。したがって、従来の処理剤では、対応が困難であり、費用がかかりすぎる、という問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、撥水性、防汚性を有するとともに、耐磨耗性、耐薬品性、耐候性に優れた基材とその製造方法の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも2層の表面処理層を有する基材であって、表面処理層の最外層である第1層が一般式(B)で表される化合物を必須成分として含有する表面処理剤で処理して得られる層であり、最外層に接する下層である第2層が一般式(A)で表される化合物AとSi(NCO)4 とを必須成分として含有する表面処理剤(以下、本発明における表面処理剤という)により処理して得られる層であることを特徴とする表面処理された基材とその製造方法を提供する。
【0014】
【化5】
ただし、R1 は、C m F 2m+1 (CH 2 ) n −(ここで、mは3〜21の整数であり、nは1〜6の整数である。)であり、R2 およびR3 は、それぞれ、水素原子または有機基であり、
aは、1、2または3であり、b、cは、それぞれ、0、1、2または3であり、かつ、1≦a+b+c≦3であり、
Zはイソシアネート基および/または加水分解性基である。
【化6】
ただし、R4 は、有機基であり、R5 およびR6 は、それぞれ、水素原子または有機基であり、
dは、1、2または3であり、e、fは、それぞれ、0、1、2または3であり、かつ、1≦d+e+f≦3である。
【0015】
以下、一般式(A)で表される化合物AとSi(NCO) 4 とを必須成分として含有する表面処理剤(以下、本発明における表面処理剤という)について詳述する。
一般式(A)で表される化合物Aにおいて、1価の有機基としては、ハロゲン原子、官能基、連結基等を含む有機基であってもよい。有機基としては、炭化水素基、またはハロゲン原子を含む有機基(以下、ハロゲン化有機基と記す。)が好ましい。有機基の炭素数は1〜30が好ましい。
【0016】
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素のいずれでもよく、脂肪族炭化水素基が好ましい。1価の脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基等が好ましく、特にアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基としてはアリール基等が好ましい。
【0017】
ハロゲン化有機基のハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子が好ましく、なかでも、塩素原子およびフッ素原子が好ましく、特に、フッ素原子が好ましい。
【0018】
ハロゲン化有機基としては、ハロゲン化炭化水素基が好ましく、特にハロゲン化アルキル基が好ましい。ハロゲン化アルキル基としては、クロロアルキル基、フルオロアルキル基、クロロフルオロアルキル基等が挙げられる。
【0019】
また、ハロゲン化有機基としては、有機基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたポリフルオロ有機基が好ましい。ポリフルオロ有機基としては、ポリフルオロ炭化水素基が好ましく、特に、上記の炭化水素基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたポリフルオロ炭化水素基が好ましい。
【0020】
ポリフルオロ炭化水素基としては、特にポリフルオロアルキル基(以下、ポリフルオロアルキル基をRf 基と記す)が好ましい。Rf 基は、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基を意味する。
【0021】
Rf 基の炭素数は3〜18が好ましい。Rf 基は直鎖状でも分岐状でもよい。Rf 基中のフッ素原子の割合としては、(Rf 基中のフッ素原子の数)/(Rf 基に対応する同一炭素数のアルキル基中の水素原子の数)が60%以上が好ましく、特に80%以上である場合が好ましい。
【0022】
Rf 基は、エーテル性の酸素原子やイオウ原子等を含んでいてもよい。たとえば、ポリフルオロオキサアルキル基、ポリフルオロチオアルキル基等が挙げられる。たとえば、ポリフルオロオキサアルキル基としては、ポリフルオロエチレンオキシ部分やポリフルオロプロピレンオキシ部分を含む基、ポリフルオロエチルオキシ部分やポリフルオロプロピルオキシ部分等を含む基等が挙げられる。ポリフルオロチオアルキル基としては、ポリフルオロエチレンチオ部分やポリフルオロプロピレンチオ部分を含む基、ポリフルオロエチルチオ部分やポリフルオロプロピルチオ部分等を含む基等が挙げられる。
【0023】
Rf 基としては、上記のRf 基中の水素原子のすべてがフッ素原子に置換されたペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルキル部分を有する基、またはペルフルオロアルキレン部分を有する基が好ましい。ペルフルオロアルキル基またはペルフルオロアルキル部分は炭素数が3〜21が好ましく、ペルフルオロアルキレン部分は、炭素数が2〜18が好ましい。
【0024】
特に、Rf 基としては、上記のペルフルオロアルキル部分とアルキレン基が連結した構造の基が好ましく、特にCm F2m+1(CH2 )n −(ここで、mは、3〜21の整数であり、nは1〜6の整数、特に2が好ましい。)で表される場合のRf 基が好ましい。
【0025】
化合物AのZは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、イソシアネート基または加水分解性基を示す。イソシアネート基は加水分解性基の1種であるという考え方もあるが、本発明においては、イソシアネート基と加水分解性基は、異なる基であるとする。イソシアネート基および加水分解性基は、化合物Aを基材に処理した場合に、いずれも各種の基材との密着性を高めるうえで非常に重要な構造単位である。ここでの「密着」とは、化合物Aと基材との化学的、物理的結合状態を意味する。
【0026】
加水分解性基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素)、アシルオキシ基、アルコキシ置換アルコキシ基、アミノキシ基、アミド基、ケトキシメート基等が例示され、アルコキシ基、ハロゲン原子が好ましい。加水分解性基の炭素数は、好ましくは8以下、特に4以下がよい。最も好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシ基であり、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が挙げられる。
【0027】
化合物AにおけるZとしては、特に限定はなく、使用目的に応じて適宜選択できる。また、複数ある場合のZは、同一であっても異なっていてもよく、合成しやすさの点からは同一の場合が好ましい。
【0028】
Zが異なる場合、分子内に加水分解性基とイソシアネート基が共存したり、イソシアネート基と塩素原子共存していてもよく、また、異なる加水分解性の基が共存していてもよい。しかし、化合物Aの反応性を考慮した場合には、化合物AのZの、少なくとも1つはイソシアネート基である場合が好ましく、特に基材との密着性、処理時の作業安定性等の点から、Zのすべてがイソシアネート基である場合が好ましい。
【0029】
なお、以下において、化合物A分子内に少なくとも1つのイソシアネート基が存在し、かつ、ケイ素原子にイソシアネート基が直接結合した構造の化合物Aを、イソシアネート化合物AI と記す。
【0030】
イソシアネート化合物AI においては、イソシアネート基の反応性が非常に高いので、常温で処理した場合には、大部分が化学的反応で基材表面に結合するものと考えられる。すなわち、結合状態においては、イソシアネート基は変化しているものと考えられる。たとえば、イソシアネート基はガラス表面のシラノール基と反応していると考えられる。
【0031】
また、化合物Aにおいて、aは、1、2または3であり、b、cは、それぞれ、0、1、2または3であり、かつ、1≦a+b+c≦3である。
【0032】
化合物Aにおいては、基材への密着性の点から1つのケイ素原子に直結したイソシアネート基および/または加水分解性の基の数が多い場合が好ましく、特にイソシアネート基の数が多い場合が好ましく、Zの数は2以上であることが望ましい。
【0033】
化合物Aの具体例を(A−1)〜(A−35)に示すが、それらに限定されない。式中、Zはイソシアネート基および/または加水分解性基を、R’は有機基を、Rf はRf 基を示す。
【0034】
化合物Aとしては、上記の化合物の1種または2種以上を使用できる。また、化合物AがRf 基を含む化合物である場合、Rf 基の炭素数の異なる2種以上の化合物Aを用いてもよい。
【0035】
【化7】
【0037】
Si(NCO)4 は官能基数が4であり、化合物Aに比べさらに常温で非常に反応性が高いため、基材との密着性を飛躍的に高めうる。Si(NCO)4 はSi(NCO)4 同士で反応したり、化合物Aとも反応するため、得られる被膜の架橋構造性が向上し、膜の高耐久化に通じるものと考えられる。
【0038】
化合物AとSi(NCO)4 の重量比に特に限定はなく、好ましくは化合物A/Si(NCO)4 の重量比が95/5〜40/60である。
【0039】
化合物A/Si(NCO)4 の重量比において、Si(NCO)4 の比率が95/5より小さいとSi(NCO)4 の添加効果が発現しにくく、Si(NCO)4 の比率が40/60より多いと膜の耐久性能および作業性が低下する。
【0040】
本発明における表面処理剤においては、化合物AおよびSi(NCO)4 を含有することが特徴である。本発明における表面処理剤は、化合物AおよびSi(NCO)4 のみから構成されていてもよいが、通常は、化合物AおよびSi(NCO)4 とともに有機溶剤を含むことが好ましい。
【0041】
有機溶剤としては、特に限定されず、本発明の化合物AおよびSi(NCO)4 を溶解または均一に分散させる有機溶剤が好ましく、特に、アルコール、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素)化炭化水素類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類等の各種溶剤から作業性、経済性、安全性等を加味して選択すればよい。有機溶剤は1種または2種以上を使用できる。具体的には以下の溶剤が例示できるが、これらに限定されない。
【0042】
メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、アリルアルコール、アミルアルコール、3−メトキシブチルアルコール、ヘキシルアルコール、2−メチルペンタノール−1、オクチルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール、ヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン、リグロイン、塩化メチレン、クロロホルム。
【0043】
各種フロン類(225ca(1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3,3−ジクロロプロパン)、225cb(1,1,2,2,3−ペンタフルオロ−1,3−ジクロロプロパン)、123、124、125、134a、141b、142b、152a等) 、ベンゾトリフルオリド、1,3−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼン、ペルフルオロ(トリ−n−ブチルアミン)、ペルフルオロ(トリ−n−ペンチルアミン)、ペルフルオロアルカン類、ペルフルオロ(2−n−ブチルテトラヒドロフラン)(化6参照)、ペルフルオロ(2−n−プロピルテトラヒドロフラン)(化7参照)、ペルフルオロトルエン、ペルフルオロベンゼン、ペルフルオロキシレン、ペルフルオロナフタレン、ペルフルオロアントラセン。
【0044】
アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、ヘキシルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アセト酢酸エチル。
【0045】
酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル[CH3 COOCH2 CH2 OCH3 ]、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル[CH3 COOCH2 CH2 OC2 H5 ]、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル[CH3 COOCH2 CH2 OCH2 CH2 OC2 H5 ]、酢酸ジエチレングリコールモノブチルエーテル[CH3 COOCH2 CH2 OCH2 CH2 OC4 H9 ]、ジ酢酸グリコール[CH3 COOCH2 CH2 OCOCH3 ]。
【0046】
【化8】
【0047】
【化9】
【0048】
特に、液の安定性、安全性、作業性、経済性等の観点から、酢酸エステル類、酪酸エステル類、エーテル類、ハロゲン化(特にフッ素化)炭化水素類が好ましい。
【0049】
化合物Aがイソシアネート基を有する場合、反応性の水素原子を有する有機溶剤は、化合物Aのイソシアネート基と反応するため望ましくないが、濡れ性向上の目的で少量添加してもよい。
【0050】
有機溶剤の量としては、被膜の形成性(作業性)、安定性、被膜厚さ、経済性等の理由から、有機溶剤の100重量部に対して化合物Aの量が0.1〜30重量部程度が好ましい。
【0051】
本発明における表面処理剤は目的に応じて他の化合物、添加剤などを含有していてもよい。他の添加剤は、各成分との反応性、相溶性を考慮して選択すればよく、各種金属酸化物の超微粒子、各種樹脂なども添加できる。着色が必要であれば染料、顔料等も添加できる。これらの添加剤は化合物Aの100重量部に対して0.1〜20重量部が好適である。添加剤の量が過剰であると本発明における表面処理剤が有する防汚性、耐摩耗性等を低下させるので望ましくない。
【0052】
また、たとえば、導電性が必要であれば、目的に応じた抵抗が得られる材料(酸化スズ、ITO、酸化亜鉛等)を添加してもよい。これら添加剤の添加量は目的とする抵抗値および材料に応じて決定すればよい。
【0053】
また、本発明における表面処理剤を処理するにあたり、目的に応じた前処理を施してもよい。たとえば、酸化セリウム等による研磨処理、サンドブラスト処理、希釈したフッ酸、硫酸、硝酸、塩酸等による酸処理、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム水溶液等によるアルカリ処理、またはプラズマ照射等による放電処理等の前処理を行ってもよい。また、前処理を行わずに処理してもよい。
【0054】
本発明における表面処理剤を処理する方法としては、特に限定されない。通常、公知の各種処理方法が適用できる。塗布方法としては、はけ塗り、流し塗り、回転塗り、浸漬塗り、スプレー塗布等の各種方法が挙げられる。さらに、大気中または窒素雰囲気中で、乾燥させることによって、被膜が形成される。
【0055】
上記の処理は、いずれも、常温で実施でき、20〜30℃が好ましい。また、乾燥時間は10分〜5時間程度であり、20分〜2時間が好ましい。
【0056】
また、乾燥速度を早める等の目的で加熱してもよい。加熱する場合には基材の耐熱性が保たれる温度、時間を設定すればよい。また、湿度の高い(たとえば50%以上)環境下に放置して乾燥させるのも好ましい。
【0057】
本発明における表面処理剤を基材に処理することによって形成される被膜の厚さは、表面処理剤中の固形分濃度、塗布条件、加熱条件などによって適宜制御され、特に限定されない。通常の場合、防汚性を発現するには、理論的に被膜の膜厚は単分子層以上あればよく、経済的観点から2μm以下が好ましい。
【0058】
さらに被膜の耐久性能を向上させる目的で一般式(B)で表される化合物(以下、一般式(B)で表される化合物を化合物Bと記す)を必須成分とする表面処理剤を本発明における表面処理剤により得られる被膜の上に処理する。
【0059】
【化11】
(R4 )d (R5 )e (R6 )f Si(NCO)4−d−e−f ・・・(B)
ただし、R4 は、有機基であり、R5 およびR6 は、それぞれ、水素原子または有機基であり、
dは、1、2または3であり、e、fは、それぞれ、0、1、2または3であり、かつ、1≦d+e+f≦3である。
【0060】
1価の有機基としては、ハロゲン原子、官能基、連結基等を含む有機基であってもよい。有機基としては、炭化水素基、またはハロゲン化有機基が好ましい。有機基の炭素数は1〜30が好ましい。
【0061】
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素のいずれでよく、脂肪族炭化水素基が好ましい。1価の脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基等が好ましく、特にアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基としてはアリール基等が好ましい。
【0062】
ハロゲン化有機基のハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子が好ましく、なかでも、塩素原子およびフッ素原子が好ましく、特に、フッ素原子が好ましい。
【0063】
ハロゲン化有機基としては、ハロゲン化炭化水素基が好ましく、特にハロゲン化アルキル基が好ましい。ハロゲン化アルキル基としては、クロロアルキル基、フルオロアルキル基、クロロフルオロアルキル基等が挙げられる。
【0064】
また、ハロゲン化有機基としては、有機基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたポリフルオロ有機基が好ましい。ポリフルオロ有機基としては、ポリフルオロ炭化水素基が好ましく、特に、上記の炭化水素基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたポリフルオロ炭化水素基が好ましい。ポリフルオロ炭化水素基としては、特にRf 基が好ましい。
【0065】
Rf 基の炭素数は3〜18が好ましい。Rf 基は直鎖状でも分岐状でもよい。Rf 基中のフッ素原子の割合としては、(Rf 基中のフッ素原子の数)/(Rf 基に対応する同一炭素数のアルキル基中の水素原子の数)が60%以上が好ましく、特に80%以上である場合が好ましい。
【0066】
Rf 基は、エーテル性の酸素原子やイオウ原子等を含んでいてもよい。たとえば、ポリフルオロオキサアルキル基、ポリフルオロチオアルキル基等が挙げられる。たとえば、ポリフルオロオキサアルキル基としては、ポリフルオロエチレンオキシ部分やポリフルオロプロピレンオキシ部分を含む基、ポリフルオロエチルオキシ部分やポリフルオロプロピルオキシ部分等を含む基等が挙げられる。ポリフルオロチオアルキル基としては、ポリフルオロエチレンチオ部分やポリフルオロプロピレンチオ部分を含む基、ポリフルオロエチルチオ部分やポリフルオロプロピルチオ部分等を含む基等が挙げられる。
【0067】
Rf 基としては、上記のRf 基中の水素原子のすべてがフッ素原子に置換されたペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルキル部分を有する基、またはペルフルオロアルキレン部分を有する基が好ましい。ペルフルオロアルキル基またはペルフルオロアルキル部分は炭素数が3〜21が好ましく、ペルフルオロアルキレン部分は、炭素数が2〜18が好ましい。
【0068】
特に、Rf 基としては、上記のペルフルオロアルキル部分とアルキレン基が連結した構造の基が好ましく、特にCm F2m+1(CH2 )n −(ここで、mは、3〜21の整数であり、nは1〜6の整数、特に2が好ましい。)で表される場合のRf 基が好ましい。
【0069】
化合物Bにおけるイソシアネート基は、化合物Bを、前記した本発明における表面処理剤により得られる被膜の表面に処理する場合に、密着性を高めるうえで非常に重要な構造単位である。ここでの「密着」とは、化合物Bと本発明におけ る表面処理剤より得られる被膜表面との化学的、物理的結合状態を意味する。
【0070】
化合物Bにおいては、イソシアネート基の反応性が非常に高いので、常温で処理した場合には、大部分が化学的反応で結合するものと考えられる。すなわち、結合状態においては、イソシアネート基は変化しているものと考えられる。たとえば、イソシアネート基は本発明における表面処理剤より得られる表面のシラノール基と反応していると考えられる。
【0071】
化合物Bにおいては、本発明における表面処理剤より得られる被膜への密着性の点から1つのケイ素原子に直結したイソシアネート基の数が多い場合が好ましく、その数は2以上であることが望ましい。
【0072】
本発明における表面処理剤より得られる被膜最表面では化合物AおよびSi(NCO)4 の(大部分はSi(NCO)4 の)未反応基部分(Si−NCO基)がそのまま、または空気中の水分と反応した形(Si−OH基)で存在するものと思われる。
【0073】
したがって、本発明における表面処理剤より得られる被膜表面に化合物Bを含有する表面処理剤を処理した場合、このSi−NCO、Si−OH基が反応起点となると考えられ、化合物Bと本発明における表面処理剤より得られる被膜は強固に密着するとともに膜の有効膜厚が厚くなるため、膜の耐久性能が飛躍的に向上するものと思われる。
【0074】
また、化合物Bは表面自由エネルギーが低い物質であり、被膜中にごく一部存在する遊離状態の化合物Bが極表面層を移動することによって、表面での摩擦抵抗を低減するために耐摩耗性が良好であると考えられる。
【0075】
化合物Bは、通常、有機溶剤に溶解、分散して用いるのが作業性、経済的な点から好ましい。
【0076】
有機溶剤としては、特に限定されず、化合物Bを溶解または均一に分散させるものが好ましく、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素)化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類等の各種溶剤が採用される。有機溶剤は1種または2種以上を使用できる。
【0077】
特に、酢酸エステル類や、225ca、225cb、ペルフルオロトリ−n−ブチルアミン、ペルフルオロトリ−n−ペンチルアミン、ペルフルオロアルカン[n−Cn F2n+2]、ペルフルオロベンゼン、ペルフルオロキシレン、ペルフルオロナフタレン、ペルフルオロアントラセン、ペルフルオロトルエン、ペルフルオロ(2−n−ブチルテトラヒドロフラン)、ペルフルオロ(2−n−プロピルテトラヒドロフラン)、ベンゾトリフルオリド、1,3−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼン等の含フッ素系溶剤が好ましい。
【0078】
反応性の水素原子を有する有機溶剤は、化合物Bのイソシアネート基と反応するため望ましくないが、濡れ性向上の目的で少量添加してもよい。
【0079】
有機溶剤の量としては、被膜の形成性(作業性)、安定性、被膜厚さ、経済性等の理由から、有機溶剤の100重量部に対し化合物Bの量が0.1〜30重量部程度が好ましい。
【0080】
化合物Bを含有する表面処理剤には目的に応じて他の化合物、添加剤などを含んでいてもよい。他の添加剤としては、前述した化合物AおよびSi(NCO)4 に対する添加剤が同様に使用できる。
【0081】
また、化合物Bを含有する表面処理剤を処理するあたり、目的に応じた前処理を本発明における表面処理剤より得られる被膜に施してもよい。たとえば、酸化セリウム等による研磨処理、サンドブラスト処理、希釈したフッ酸、塩酸等による酸処理、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム水溶液等によるアルカリ処理、またはプラズマ照射等による放電処理等の前処理を行ってもよい。また、前処理を行わずに処理してもよい。
【0082】
化合物Bを本発明における表面処理剤より得られる被膜に処理する方法としては、特に限定されない。通常、公知の各種処理方法が適用できる。塗布方法としては、はけ塗り、流し塗り、回転塗り、浸漬塗り、スプレー塗布等の各種方法が挙げられる。さらに、大気中または窒素雰囲気中で、乾燥させることによって、被膜が形成される。
【0083】
上記の処理は、いずれも、常温で実施でき、20〜30℃が好ましい。乾燥時間は10分〜5時間程度であり、20分〜2時間が好ましい。しかし、乾燥速度を早める等の目的で加熱してもよい。加熱する場合には基材の耐熱性が保たれる温度、時間を設定すればよい。また、湿度の高い(例えば50%以上)環境下に放置して乾燥させるのも好ましい。
【0084】
化合物Bを基材に処理することによって形成される被膜の厚さは、表面処理剤中の固形分濃度、塗布条件、加熱条件などによって適宜制御され、特に限定されない。通常の場合、防汚性を発現するには、理論的に被膜の膜厚は単分子層以上あればよく、経済的観点から2μm以下が好ましい。
【0085】
化合物AとSi(NCO)4 により形成される層と化合物Bにより形成される層とをあわせた膜厚も経済的観点から2μm以下が好ましい。
【0086】
化合物Bの具体例としては(A−1)〜(A−35)で示した化合物においてZをイソシアネートとした化合物が例示できる。化合物Bは化合物Aと同じであっても異なっていてもよい。また、化合物Bとしては、1種または2種以上を使用できる。また、化合物BがRf 基を含む化合物である場合、Rf 基の炭素数の異なる2種以上の化合物を用いてもよい。
【0087】
本発明の基材としては、特に限定されず、金属、プラスチックス、セラミックス、ガラス、その他の無機質材料や有機質材料またはその組合せ(複合材料、積層材料等)等に適用できる。また、基材の表面は、基材そのものの表面はもちろんのこと、塗装金属等の塗膜表面や、表面処理ガラスの表面処理層表面(たとえば、ゾルゲル膜、スパッタ膜、CVD膜、蒸着膜等が設けられた表面)等の基材そのものとは異なる材質の表面であってもよい。
【0088】
基材の形状としては特に限定されない。たとえば、平面はもちろんのこと、全面にまたは部分的に曲率を有するものなど、目的に応じた任意の形状であってもよい。
【0089】
本発明において用いられる基材としては、ガラス、プラスチックス等の透明な材料からなる基材が好ましい。また、輸送機器用物品、建築・建装用物品として用いられることが好ましい。
【0090】
輸送機器用物品とは、電車、バス、トラック、自動車、船舶、航空機等の輸送機器における外板、窓ガラス、鏡、表示機器表面材等の外装部材、計器盤表面材等の内装部材、その他の輸送機器に使用されるまたは使用された部品、構成部材をいう。
【0091】
電車のボディ、窓ガラス、パンタグラフ等、自動車、バス、トラック等のボディ、フロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ミラー、バンパー等、船舶等のボディ、窓ガラス等、航空機等のボディ、窓ガラス等が例示できる。
【0092】
物品は表面処理された基材のみからなっていてもよく、表面処理された基材が組み込まれたものであってもよい。たとえば、前者として自動車用の窓ガラスがあり、後者としてガラス鏡が組み込まれた自動車用バックミラー部材がある。
【0093】
こうした基材、物品においては水滴除去性により表面に付着する水滴がはじかれ、特に、運行に伴って、受ける風圧との相互作用によって表面上を急速に移動し、水滴として溜ることなく、水分が誘発する悪影響を排除できる。特に、各種窓ガラス等の透視野部での用途では水滴の飛散により視野確保が非常に容易となり、車両の安全性向上に資す。
【0094】
また、水滴が氷結するような環境下においても氷結せず、仮に、氷結したとしても解凍は著しく速い。さらには、水滴の付着がほとんどないため定期的な清浄作業回数を低減でき、かつ、清浄はきわめて容易で、美観保護の点からも非常に有利である。
【0095】
また、建築・建装用物品とは、建築物に取り付けられる物品、すでに建築物に取り付けられた物品、建築物に取り付けられていなくてもそれとともに使用される建築用物品、または、家具、什器などの建装用物品などをいう。
【0096】
窓ガラス、屋根用ガラス板やガラス屋根をはじめとする各種屋根、ドア用ガラス板やそれがはめ込まれたドア、間仕切り用ガラス板、温室用ガラス板や温室、透明プラスチックス板を用いた窓材、屋根材など、セラミックス、セメント、金属その他の材料からなる壁材、鏡やそれを有する家具、または、陳列棚やショーケース用のガラスなどが例示される。
【0097】
物品は表面処理された基材のみからなっていてもよく、表面処理された基材が組み込まれたものであってもよい。たとえば、前者として窓用ガラス板があり、後者としてガラス鏡が組み込まれた家具がある。
【0098】
こうした表面処理された基材においては、水滴除去性により表面に接触した水滴がはじかれて付着し難く、たとえ付着してもその量は少なく、また、付着した水滴の除去が容易である。また、水滴が氷結するような環境下においても氷結せず、仮に、氷結したとしても解凍は著しく速い。さらには、水滴の付着がほとんどないため定期的な清浄作業回数を低減でき、かつ、清浄はきわめて容易で美観保護の点からも非常に有利である。
【0099】
本発明における表面処理剤は、常温処理で性能を発現する利点がある。また、特別な前処理や後処理を必要としないため、手軽に処理できる。したがって、新しい基材に処理するだけでなく、すでに何らかの用途に使用されている基材に処理することもできる。また、本発明における表面処理剤または他の処理剤を処理した後に時間が経過したり、問題が生じて被膜の性能が低下した場合に修復用として使用できる。
【0100】
【実施例】
本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、これらに限定されない。実施例における防汚性および防汚耐久性の評価方法はつぎのとおりである。なお、例1〜6、12、14、16、18、20、22、24および26は参考例である。
【0101】
[防汚性の評価方法]
イ)水の接触角を測定した。
ロ)ヘキサデカンの接触角を測定した。
ハ)指紋除去性を以下の方法で評価した。すなわち、手の指紋を処理表面に付着し、綿布で20往復拭き取りその後の外観を検査し、A:完全にきれいに油汚れが拭き取れる、B:すこし油汚れが残る、C:かなり油汚れが残る、という基準で評価した。
ニ)水滴残存性を以下の方法で評価した。すなわち、垂直に立てたサンプルに20cmの距離に保持したノズルから水を全面に約1時間スプレーした後に表面に残存する水滴を肉眼で観察し、A:サンプル表面に全く水が残らない、B:サンプル表面に少し水が残る、C:サンプル表面にかなり水滴が残る、D:サンプル表面で水が濡れ広がる、という基準で評価した。
【0102】
[防汚耐久性の評価方法]
沸騰水中に6時間浸漬した後のハ)指紋除去性およびニ)水滴残存性を評価した。
【0103】
[例1〜3]
撹拌子および温度計がセットされたフラスコに、酢酸−n−ブチル29.1g(例1、2、3)、C8 F17C2 H4 Si(NCO)3 2.4g(例1)または1.5g(例2)または0.6g(例3)、Si(NCO)4 0.6g(例1)または1.5g(例2)または2.4g(例3)、および1,3−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼン67.9g(例1、2、3)をこの順に加えた。この溶液の液温を25℃に維持しながら1昼夜撹拌を継続し処理剤1(例1)または処理剤2(例2)または処理剤3(例3)を得た。
【0104】
あらかじめ洗浄したガラス板(10cm×10cm×厚さ2mm)に処理剤1または処理剤2または処理剤3を1cc滴下し、JKワイパー(十條キンバリー社製品)にて自動車のワックスがけの要領で塗り広げた後、1昼夜放置し、サンプルガラスを作成した。得られたサンプルガラスの防汚性および防汚耐久性を評価した結果を表1に示す。
【0105】
[例4]
酢酸−n−ブチル29.1gのかわりにn−酪酸−n−ブチル29.1gを用い、C8 F17C2 H4 Si(NCO)3 2.4gのかわりにCn F2n+1C2 H4 Si(NCO)3 (nが6、8、10および12の化合物の混合物であり、nの平均値は9である)2.4gを用いた他は例1と同様にして処理剤4を得た。以下、処理剤1のかわりに処理剤4を用いた他は例1と同様にしてサンプルガラスを作成し、防汚性および防汚耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0106】
[例5]
撹拌子および温度計がセットされたフラスコに、酢酸エチル97.0g、C18H37Si(NCO)3 2.4gおよびSi(NCO)4 0.6gをこの順に加えた。この溶液の液温を25℃に維持しながら1昼夜撹拌を継続し処理剤5を得た。以下、処理剤1のかわりに処理剤5を用いた他は例1と同様にしてサンプルガラスを作成し、防汚性および防汚耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0107】
[例6]
撹拌子および温度計がセットされたフラスコに、酢酸ブチル97.0g、C8 H17Si(NCO)3 2.4gおよびSi(NCO)4 0.6gをこの順に加えた。この溶液の液温を25℃に維持しながら1昼夜撹拌を継続し処理剤6を得た。以下、処理剤1のかわりに処理剤6を用いた他は例1と同様にしてサンプルガラスを作成し、防汚性および防汚耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0108】
[比較例1]
例1のガラス板に何も処理せずに同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0109】
[比較例2]
撹拌子および温度計がセットされたフラスコに、酢酸エチル97.0g、C8 F17C2 H4 Si(NCO)3 3.0gをこの順に加えた。この溶液の液温を25℃に維持しながら1昼夜撹拌を継続し処理剤R2を得た。以下、処理剤1のかわりに処理剤R2を用いた他は例1と同様にしてサンプルガラスを作成し、防汚性および防汚耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0110】
[比較例3]
撹拌子および温度計がセットされたフラスコに、酢酸エチル97.0g、Si(NCO)4 3.0gをこの順に加えた。この溶液の液温を25℃に維持しながら1昼夜撹拌を継続し処理剤R3を得た。以下、処理剤1のかわりに処理剤R3を用いた他は例1と同様にしてサンプルガラスを作成し、防汚性および防汚耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0111】
[例7]
撹拌子および温度計がセットされたフラスコに、N(n−C4 F9 )3 97.0g、C8 F17C2 H4 Si(NCO)3 3.0gをこの順に加えた。この溶液の液温を25℃に維持しながら1昼夜撹拌を継続し処理剤7を得た。
【0112】
あらかじめ酸化セリウム研磨を行い洗浄したガラス板(10cm×10cm×厚さ3mm)に処理剤1の溶液を1cc滴下し、JKワイパーにて自動車のワックス掛けの要領にて塗り広げた。この板を25℃、湿度50%の環境下に1時間放置した。
【0113】
その後、該処理面へ処理剤7の溶液を1cc滴下し、JKワイパーにて同じく自動車のワックス掛けの要領にて塗り広げ、1昼夜放置しサンプルガラスを作成した。以上のようにして得られたサンプルガラスの防汚性および防汚耐久性を評価した結果を表1に示す。
【0114】
[例8]
撹拌子および温度計がセットされたフラスコに、N(n−C4 F9 )3 97.0g、Cn F2n+1C2 H4 Si(NCO)3 (nが6、8、10および12の化合物の混合物であり、nの平均値は9である)3.0gをこの順に加えた。この溶液の液温を25℃に維持しながら1昼夜撹拌を継続し処理剤8を得た。以下、処理剤7のかわりに処理剤8を用いた他は例7と同様にしてサンプルガラスを作成し、防汚性および防汚耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0115】
[例9]
撹拌子および温度計がセットされたフラスコに、酢酸エチル97.0g、C18H37Si(NCO)3 3.0gをこの順に加えた。この溶液の液温を25℃に維持しながら1昼夜撹拌を継続し処理剤9を得た。以下、処理剤7のかわりに処理剤9を用いた他は例7と同様にしてサンプルガラスを作成し、防汚性および防汚耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0116】
[例10]
処理剤1のかわりに処理剤6を用いた他は例7と同様にしてサンプルガラスを作成し、防汚性および防汚耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0117】
[例11]
処理剤1のかわりに処理剤6を用いた他は例9と同様にしてサンプルガラスを作成し、防汚性および防汚耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0118】
[例12〜13]
例1のサンプルガラス(例12)または例7のサンプルガラス(例13)を表2に示す薬品に24時間浸漬し、取り出して直ちに洗浄した後、このサンプルの外観変化、指紋除去性および水滴残存性を評価した。結果を表2に示す。
【0119】
[例14〜15]
例1のサンプルガラス(例14)または例7のサンプルガラス(例15)を荷重1kgで、ネル布にて20000回往復摩耗した。摩耗試験後の防汚性の評価結果を表3に示す。
【0120】
[例16〜17]
紫外線照射を8時間(70℃)、湿潤曝露を4時間(50℃)とする工程を1サイクルとする耐候性試験を、例1のサンプルガラス(例16)または例7のサンプルガラス(例17)に250サイクル実施した。耐候性試験後の防汚性の評価結果を表3に示す。
【0121】
[例18〜19]
例1のサンプルガラス(例18)または例7のサンプルガラス(例19)をJIS Z2371に従い塩水噴霧試験150時間実施した。塩水噴霧試験後のサンプルガラスの防汚性を評価した結果を表3に示す。
【0122】
[例20]
例1の方法で自動車用フロント合わせガラス表面に処理を行った後、該合わせガラスを自動車に装着した。この自動車を日中4時間、夜間2時間の走行テストを1ケ月間行い、日毎にフロント表面への汚れ、ほこりの付着状態、また、雨天時においては水滴の付着状態を肉眼で観察した。
【0123】
その結果、汚れ、ほこりの付着、水滴の付着による水垢の発生はまったく見られず、まれにそれらの発生が認められてもティッシュペーパーで軽く拭くことにより容易に除去された。
【0124】
また、雨天時には、表面の水滴がはじかれ走行による風圧との相互作用によってすみやかに移動してしまい、ワイパーを使用することなく視野が確保された。さらに未処理のフロント合わせガラスに付着している水滴が氷結する、または空気中の水分が凝縮してフロントガラスに氷結するような環境下(0℃〜−5℃)での走行テストにおいてフロントガラスでの氷結はまったくみられなかった。
【0125】
次いでさらに厳しい低温環境下(−10℃〜−15℃)ではフロントガラスでの氷結も認められるが、その解凍も速く、未処理のフロントガラスに比し著しく優れた性能を有することが確認された。
【0126】
[例21]
例20において処理方法を例1の方法から例7の方法に変更した以外は例20と同様の試験をしたところ、例20と同様の効果が確認できた。
【0127】
[例22]
例20のフロント合わせガラスをサイドガラス、リアガラス、サイドミラーに変更して走行試験したところ、例20と同様の効果が確認できた。
【0128】
[例23]
例21のフロント合わせガラスをサイドガラス、リアガラス、サイドミラーに変更して走行試験したところ、例21と同様の効果が確認できた。
【0129】
[例24]
すでに常用して3年が経過した自動車のフロント合わせガラスを酸化セリウムで研磨し、水洗し乾燥した。洗浄したフロント合わせガラスに処理剤1の溶液を10cc滴下し、JKワイパーにて自動車のワックス掛けの要領にて塗り広げ、1昼夜放置した。この自動車を用いて例20と同様に試験したところ、例20と同様の効果が確認できた。
【0130】
[例25]
すでに常用して3年が経過した自動車のフロント合わせガラスを酸化セリウムで研磨し、水洗し乾燥した。洗浄したフロント合わせガラスに処理剤1の溶液を10cc滴下し、JKワイパーにて自動車のワックス掛けの要領にて塗り広げ、1時間放置した(このときの温度は19℃、湿度は46%であった。)。さらに、該処理面に処理剤7を10cc滴下し、JKワイパーにてやはり自動車のワックス掛けの要領で塗り広げ、1昼夜放置した。この自動車を用いて例20と同様の試験を行ったところ、例20と同様の効果が確認できた。
【0131】
[例26]
例1の方法で建築用窓ガラスの表面に塗布し、被膜を形成した。こうして得られた窓ガラスを家に取り付けた。この窓ガラス表面への汚れ、ほこりの付着状態、また、雨天時においては水滴の付着状態を肉眼で観察した。
【0132】
その結果、汚れ、ほこりの付着、水滴の付着による水垢の発生はまったく見られず、まれにそれらの発生が認められてもティッシュペーパーで軽く拭くことにより容易に除去された。また、雨天時には、表面の水滴がはじかれ転落し、特に風の強い日には風圧との相互作用によってすみやかに移動してしまい視野が確保された。さらに未処理の窓ガラスに付着している水滴が氷結する、または空気中の水分が凝縮して窓ガラスに氷結するような環境下(0℃〜−5℃)でのテストにおいて窓ガラスでの氷結はまったくみられなかった。
【0133】
次いでさらに厳しい低温環境下(−10℃〜−15℃)では窓ガラスでの氷結も認められるが、その解凍も速く未処理の窓ガラスに比し著しく優れた性能を有することが確認された。
【0134】
[例27]
例26において処理方法を例1の方法から例7の方法に変更して試験したところ、例26と同様の効果が確認できた。
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】
【表3】
【0138】
【発明の効果】
本発明における処理剤、該表面処理剤から得られる皮膜を有する基材およびそれを装着した物品は、以下のような優れた効果を有する。
【0139】
(1)本発明における表面処理剤は常温処理が可能であり、かつ、優れた防汚性を基材に付与できる。したがって、新しく製造した物品への処理はもちろんのこと、既に使用された物品への処理もできる。また、熱処理を必要としないため、物品の形状を崩すことなく、必要な部分に適宜処理できる。
【0140】
(2)本発明の基材、あるいはそれらを装着した物品は防汚性に優れ、ほこり、汚れ、水滴の付着、またはそれによる水垢の発生がなく、まれにそれらの発生があっても容易に除去可能で水が誘発する悪影響を遮断でき、洗浄の簡略化が図れる。
【0141】
(3)本発明の基材、またはそれらを装着した物品は優れた防汚性を有するとともに、耐薬品性、耐摩耗性、耐候性を有するので、防汚性の持続性に優れ、かつ、半永久的に防汚性が維持される。
【0142】
(4)本発明における表面処理剤は、ガラスだけでなく、他の広範囲の基材に対して適用できる。また、処理に際しては特殊な前処理の必要性がなく、連続的な処理が可能であるため、経済的にも有利である。
【0143】
以上のような効果は従来の材料では期待できないものであり、これまで使用不可能であった分野にまでその適用範囲を拡大することが期待できる。
Claims (5)
- 少なくとも2層の表面処理層を有する基材であって、表面処理層の最外層である第1層が一般式(B)で表される化合物を必須成分として含有する表面処理剤で処理して得られる層であり、最外層に接する下層である第2層が一般式(A)で表される化合物AとSi(NCO)4 とを必須成分として含有する表面処理剤により処理して得られる層であることを特徴とする表面処理された基材。
ただし、R1 は、C m F 2m+1 (CH 2 ) n −(ここで、mは3〜21の整数であり、nは1〜6の整数である。)であり、R2 およびR3 は、それぞれ、水素原子または有機基であり、
aは、1、2または3であり、b、cは、それぞれ、0、1、2または3であり、かつ、1≦a+b+c≦3であり、
Zはイソシアネート基および/または加水分解性基である。
ただし、R4 は、有機基であり、R5 およびR6 は、それぞれ、水素原子または有機基であり、
dは、1、2または3であり、e、fは、それぞれ、0、1、2または3であり、かつ、1≦d+e+f≦3である。 - 化合物AとSi(NCO)4との重量比率である化合物A/Si(NCO)4が95/5〜40/60である請求項1記載の表面処理された基材。
- Zの少なくとも1つがイソシアネート基である請求項1または2記載の表面処理された基材。
- Zのすべてがイソシアネート基である請求項1〜3いずれか1項記載の表面処理された基材。
- 少なくとも2層の表面処理層を有する基材の製造方法であって、基材表面を一般式(A)で表される化合物AとSi(NCO)4 とを必須成分として含有する表面処理剤により処理して後、該表面を一般式(B)で表される化合物を含有する表面処理剤で処理することを特徴とする表面処理された基材の製造方法。
ただし、R1 は、C m F 2m+1 (CH 2 ) n −(ここで、mは3〜21の整数であり、nは1〜6の整数である。)であり、R2 およびR3 は、それぞれ、水素原子または有機基であり、
aは、1、2または3であり、b、cは、それぞれ、0、1、2または3であり、かつ、1≦a+b+c≦3であり、
Zはイソシアネート基および/または加水分解性基である。
ただし、R4 は、有機基であり、R5 およびR6 は、それぞれ、水素原子または有機基であり、
dは、1、2または3であり、e、fは、それぞれ、0、1、2または3であり、かつ、1≦d+e+f≦3である。
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