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JP3627369B2 - 金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物およびフイルム - Google Patents

金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物およびフイルム Download PDF

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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物およびフイルムに関するものである。さらに詳しくは、フレーバ性、耐熱性、滑り性、耐衝撃性、特に耐衝撃性に優れ、成形加工によって製造される飲料缶、食品缶などの金属缶に好適な金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物およびフイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属缶の缶内面及び外面には腐食防止を目的として、エポキシ系、フェノール系等の各種熱硬化性樹脂を溶剤に溶解または分散させたものを塗布し、金属表面を被覆することが広く行われてきた。しかしながら、このような熱硬化性樹脂の被覆方法は塗料の乾燥に長時間を要し、生産性が低下したり、多量の有機溶剤による環境汚染など好ましくない問題がある。
【0003】
これらの問題を解決する方法として、金属缶の材料である鋼板、アルミニウム板あるいは該金属板にめっき等各種の表面処理を施した金属板にポリエステルフイルムをラミネートする方法が行われている。ポリエステルフイルムをラミネートしたり、フイルムのラミネート金属板を成形加工して金属缶を製造する場合、ポリエステルフイルムには次のような特性が要求される。
(1)金属板との密着性に優れること。
(2)製缶後の乾燥、印刷焼付け、レトルト殺菌処理等の加熱によって、ラミネートされたポリエステルフイルムが結晶化または劣化し、フイルムの剥離、収縮、クラック、ピンホール等を生じないこと。
(3)金属缶に対する衝撃によって、ポリエステルフイルムが剥離したり、クラックが発生したりしないこと。
(4)缶の内容物の香り成分がポリエステルフイルムに吸着したり、ポリエステルフイルムの溶出成分や臭いによって内容物の風味がそこなわれないこと(以下フレーバ性と記載する)。
【0004】
これらの要求を解決するために多くの提案がなされており、例えば特開平1−22530号公報には特定の密度、面配向係数を有するポリエステルフイルム、特開平2−57339号公報には特定の結晶性を有する共重合ポリエステルフイルム等が開示され、例えば特開平2−305827号公報では、特定の大きさの滑剤を含有させることにより滑り性を向上させ、ピンホールの発生や絞り、折曲げ成形性の改良がなされている。しかしながら、これらの提案は上述のような多岐にわたる要求特性を総合的に満足できるものではなく、特に耐衝撃性に対しては十分に満足できるレベルにあるとはいえなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記した従来技術の問題点を解消することにあり、フレーバ性、耐熱性、滑り性、耐衝撃性、特に耐衝撃性に優れ、成形加工によって製造される金属缶に好適な金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物およびフイルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物は、ケイ素、アルミニウム及び少なくとも一種のアルカリ金属を主たる構成成分とする複合酸化物からなる粒子であって、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)及びアルカリ金属(M)の含有量が、下記式(1)〜(3)を満たし、かつ、体積平均粒径が0.005〜2μmの粒子を0.001〜10重量%含有することを特徴とするものからなる。
10重量% ≦ Si ≦ 45重量% ・・・(1)
3重量% ≦ Al ≦ 30重量% ・・・(2)
0.5重量% ≦ M ≦ 20重量% ・・・(3)
【0007】
また、本発明に係る金属板貼り合わせ用ポリエステルフイルムは、上記のようなポリエステル組成物からなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における複合酸化物からなる粒子(以降、複合酸化物粒子と称する)の組成としては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、アルカリ金属(M)がそれぞれ、
10重量% ≦ Si ≦ 45重量% ・・・(1)
3重量% ≦ Al ≦ 30重量% ・・・(2)
0.5重量% ≦ M ≦ 20重量% ・・・(3)
であり、得られるポリエステルフイルムのフレーバ性、耐衝撃性、成形加工性の点から、より好ましくは、
15重量% ≦ Si ≦ 40重量%
5重量% ≦ Al ≦ 25重量%
0.5重量% ≦ M ≦ 15重量%
特には、
15重量% ≦ Si ≦ 35重量%
5重量% ≦ Al ≦ 25重量%
1重量% ≦ M ≦ 15重量%
であることが好ましい。
【0009】
本発明の複合酸化物粒子中のケイ素(Si)とアルミニウム(Al)とのモル比はとくに限定されることはないが、ポリエステルの熱安定性、得られるポリエステルフイルムのフレーバ性、耐衝撃性、成形加工性の点から、
0.25 ≦Si/Al≦ 10 ・・・(4)
であることが好ましく、より好ましくは、
2.8 ≦Si/Al≦ 5
である。Si/Al比が0.25未満であるとポリエステルの熱安定性、得られるポリエステルフイルムのフレーバ性に劣る場合がある。また、Si/Al比が10を越えると、得られるポリエステルフイルムのフレーバ性、耐衝撃性、成形加工性に劣る場合がある。
【0010】
また、本発明の複合酸化物粒子中のアルミニウム(Al)とアルカリ金属(M)とのモル比は、特に限定されることはないが、ポリエステルの熱安定性、得られるポリエステルフイルムのフレーバ性、耐衝撃性、成形加工性の点から、
0.8 ≦Al/M≦ 1.2 ・・・(5)
であることが好ましく、より好ましくは、
0.85 ≦Al/M≦ 1.15
である。Al/M比が0.8未満であると、得られるポリエステルフイルムのフレーバ性、耐衝撃性に劣る場合がある。また、Al/M比が1.2を越えると、ポリエステルの熱安定性、得られるポリエステルフイルムのフレーバ性に劣る場合がある。
【0011】
さらに、本発明の複合酸化物粒子中のアルカリ金属(M)とケイ素(Si)とのモル比は、特に限定されることはないが、ポリエステルの熱安定性、得られるポリエステルフイルムのフレーバ性点から、
0.24 ≦M/Si≦ 0.40 ・・・(6)
であることが好ましい。
【0012】
本発明における複合酸化物粒子中のアルカリ金属は、粒子の粒度分布制御、粒子径制御、ポリエステルの熱安定性、得られるポリエステルフイルムのフレーバ性等の点からナトリウムであることがより好ましい。
【0013】
本発明における複合酸化物粒子中に含まれる水分としては、
0.1重量% ≦ HO ≦ 20重量% ・・・(7)
であることが粒子の分散安定性、ポリエステルの熱安定性、得られるポリエステルフイルムのフレーバ性、耐衝撃性の点から好ましく、特には、
1重量% ≦ HO ≦ 20重量%
であることが好ましい。但し、ここでいう水分とは、10℃/分の昇温速度で300℃まで昇温したときに、蒸発する水分のことである。
【0014】
本発明の複合酸化物粒子の体積平均粒径は、0.005〜2μmであり、さらには0.01〜1μmであることが得られるポリエステルフイルムの滑り性、成形加工性および耐衝撃性の点から好ましい。このときの粒度分布の相対標準偏差σは、得られるポリエステルフイルムの滑り性、成形加工性および耐衝撃性の点から、0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましくは、特に0.15以下であることが好ましい。複合酸化物粒子の体積平均粒径が2μmをこえると、耐衝撃性に劣る場合がある。体積平均粒径が0.005μm未満では、得られるポリエステルフイルムの滑り性、成形加工性が低下し好ましくない。
【0015】
複合酸化物粒子のポリエステルに対する含有量は、0.001〜10重量%であり、0.005〜3重量%であることが得られるポリエステルフイルムの滑り性、成形加工性、耐衝撃性、フレーバ性等の点からより好ましい。含有量が0.001重量%未満である場合、滑り性が十分に発現せず、10重量%を越えて含有する場合には、粒子同士の凝集が生じ、粗大粒子となってフイルムの表面粗さを著しく低下させることがあるため、耐衝撃性、フレーバ性に劣る場合がある。
【0016】
本発明における複合酸化物粒子の製造方法は特に限定されるものではなく、例えば次のようなな方法で製造することができる。例えば、pH10以上のアルカリ水溶液中にアルカリ金属、アンモニウムまたは有機塩基のケイ酸塩と、アルカリに可溶なアルミニウム化合物とを同時に添加し、反応させることにより目的の粒子を生成せしめることができる。このとき、より比表面積の大きな粒子を生成せしめるには、反応液を、ケイ素/アルミニウムのモル比が0.25〜10になるように調整する方法を使用することが好ましい。
【0017】
また、該粒子は、該複合酸化物を最表層に有する多層粒子であってもかまわない。この場合の製造方法としては、例えば、pH10以上のアルカリ水溶液中にシード粒子を分散せしめた上で反応を行うと、シード粒子を核として粒子が成長するため、粒径、及び粒度分布の制御を容易にすることができる。このときのシード粒子としては、該複合酸化物粒子の粒度分布制御、及び粒子形態の制御の点から、相対標準偏差σが0.5以下であり、かつ粒子の長径/短径比が1〜1.2であることが好ましい。シード粒子の種類としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、酸化錫、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化インジウム、および酸化鉄等を用いることが可能であり、特に、粒子の成長反応の制御が容易なことからシリカ粒子を好適に用いることができる。
【0018】
また、このときの複合酸化物層の厚みとしては0.01〜0.3μmとすることが、得られるポリエステルフイルムの滑り性、成形加工性、耐衝撃性等の点で好ましく、さらには0.05〜0.2μm、特に0.08〜0.2μmであることが好ましい。
【0019】
複合酸化物粒子の比表面積としては、下記式を満足する範囲であることがポリエステルフイルムの耐衝撃性の点で好ましく、特に多孔質であることが好ましい。
S≧3.5/Dw
ただし、
Dw:体積平均粒径(μm)
S :比表面積(m/g)
である。
【0020】
また、複合酸化物粒子の強度としては、該粒子を10%変形させたときの強度(S10)が、
5kgf/mm≦S10≦40kgf/mm
の関係を満足することが得られるポリエステルフイルムの成形加工性、耐衝撃性等の点から好ましく、より好ましくは
10kgf/mm≦S10≦25kgf/mm
である。
【0021】
このような複合酸化物粒子は、本発明の効果を妨げない範囲において、表面処理を施すことができる。表面処理剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物塩などのアニオン系界面活性剤、ポリオキシノニルフェノールエーテル、ポリエチレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノステアレートなどの非イオン性界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどの水溶性の合成高分子、ゼラチン、デンプンなどの水溶性の天然高分子、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性の半合成高分子、シラン系やチタン系のカップリング剤、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸およびこれらの誘導体などのリン化合物などを用いることができる。
【0022】
本発明における複合酸化物粒子は、ポリエステルとの親和性、得られるポリエステルフイルムの成形加工性、耐衝撃性、フレーバ性等の点から非晶質であることが好ましい。
【0023】
さらに本発明は、複合酸化物粒子以外の粒子を併用することによって、得られるポリエステルフイルムの滑り性、金属缶の成形加工性、耐衝撃性が向上する場合がある。このような粒子は特に限定されるものではないが、例えば無機粒子としては乾式法および湿式法シリカ、多孔質シリカ、コロイド状シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、スピネル、酸化鉄、リン酸カルシウム等、また有機粒子あるいは有機高分子粒子としてはポリスチレン粒子、架橋ポリスチレン粒子、スチレン・アクリル系架橋粒子、アクリル系架橋粒子、スチレン・メタクリル系架橋粒子、メタクリル系架橋粒子などのビニル系粒子、シリコーン、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニルエステル、フェノール樹脂等を構成成分とする粒子を挙げることができる。これらの複合酸化物粒子以外の粒子の体積平均粒径、含有量は特に限定されるものではないが、得られるポリエステルフイルムの滑り性、金属缶の成形加工性、耐衝撃性の点から体積平均粒径は0.01〜5μmの範囲が好ましく、さらには0.05〜3μmの範囲が好ましい。また含有量は0.001〜3重量%が好ましく、さらには0.005〜2重量%が好ましい。
【0024】
本発明における複合酸化物粒子のポリエステルへの配合にあたっては、重合反応系に直接添加する方法以外にも、例えば粒子を溶融状態のポリエステルへ練り込む方法などでも可能である。前者の重合反応系に添加する際の添加時期は任意であるが、エステル交換反応前あるいはエステル化反応後から重縮合反応の減圧開始前までの間が好ましい。後者の練り込みの場合は、粒子を乾燥してポリエステルに練り込む方法でもスラリー状態で減圧しながら直接練り込む方法でも構わない。
【0025】
このようにして得られたポリエステル組成物は、目的に応じて、希釈用ポリエステルなどの他のポリエステル組成物とブレンドして用いても構わない。
【0026】
本発明におけるポリエステルとは、フイルムに成形しうるものであればどのようなものでもよく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン4,4´−ジカルボキシレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等を挙げることができ、これらのうちポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが耐熱性、耐衝撃性、フレーバ性の点から好ましい。さらに本発明においては、該ポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸成分、グリコール成分以外のジカルボン酸成分および/またはグリコール成分を共重合したポリエステルであることがポリエステルからなるフイルムと金属板との密着性、フイルムをラミネートした金属板を成形加工して得られる金属缶の耐衝撃性の点から特に好ましい。前記したポリエステルに共重合しうるジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を挙げることができる。これらのジカルボン酸成分のうちイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸の中か選ばれた少なくとも一種の成分を共重合することが好ましく、さらに好ましくは、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が耐熱性、耐衝撃性、フレーバ性の点から特に好ましい。これらのジカルボン酸成分はアルキルエステル等であっても構わない。
【0027】
また、前記したポリエステルに共重合しうるグリコール成分としては例えばエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール等を挙げることができ、これらのグリコール成分うち脂肪族グリコール、脂環族グリコールの中から選ばれた少なくとも一種の成分を共重合することが好ましく、さらに好ましくはエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールが耐衝撃性、フレーバ性の点から特に好ましい。
【0028】
以上のジカルボン酸成分、グリコール成分は一種のみを用いても、二種以上を併用してもよい。これらの共重合成分は共重合ポリエステルを構成する全酸成分に対して1〜40mol%共重合することが金属板との密着性の点から好ましく、より好ましくは5〜30mol%、さらに好ましくは7〜20mol%である。共重合量が1mol%未満であると金属板との密着性に劣り、金属缶の製造工程においてフイルムの結晶化が促進されるなどして、フイルムが剥離したり、耐衝撃性に劣る場合がある。一方、40mol%を越えると融点が低くなるために耐熱性に劣る場合がある。
【0029】
また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、フイルムの成形性、取扱い性の向上等を目的としてポリエステルにトリメリト酸、トリメシン酸、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多官能化合物やp−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等を共重合してもよい。
【0030】
本発明の共重合ポリエステルの融点は製缶工程での乾燥、印刷焼付け等の加熱処理に耐えうる耐熱性を示す点で150℃以上が好ましく、また共重合ポリエステルの結晶性を適度に保ち耐衝撃性に優れたフイルムを得るためには250℃以下が好ましい。より好ましい融点の範囲は170℃〜240℃、さらに好ましい範囲は180〜230℃である。共重合ポリエステルの融点が150℃未満であると、製缶工程での乾燥等の熱によりポリマの劣化が進行し、クラック、ピンホールの発生が起こり耐衝撃性、フレーバ性に劣る場合がある。このような融点を有する共重合ポリエステルは上述したように芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分からなるポリエステルに、該ポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸成分、グリコール成分以外のジカルボン酸成分および/またはグリコール成分の種類または組成を適宜変更したり、ジカルボン酸成分および/またはグリコール成分の二種以上を併用することによって得ることができ、特に限定されるものではない。例えば芳香族ジカルボン酸成分としてテレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸、グリコール成分としてエチレングリコールからなるポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートに、該ポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸成分、グリコール成分以外のジカルボン酸成分および/またはグリコール成分を上述した融点となるように全酸成分および/または全グリコール成分に対して1〜40mol%共重合することが好ましい。より好ましくは5〜30mol%、さらに好ましくは7〜20mol%である。これらの共重合成分は特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が好ましく、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
【0031】
本発明のポリエステル組成物は、フレーバ性あるいはフイルムの金属缶の製造工程の熱劣化による耐衝撃性低下がない点で、ジエチレングリコールの含有量が1.5重量%以下とすることが好ましい。より好ましくは1.1重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.9重量%以下である。
【0032】
本発明のポリエステル組成物は、ゲルマニウム、アンチモン、チタンから選ばれる少なくとも一種以上の元素を1〜500ppm含有することが好ましい。より好ましくは2〜400ppm、さらに好ましくは3〜300ppmである。ゲルマニウム、アンチモン、チタンから選ばれる少なくとも一種以上の元素量が1ppm未満であるとフレーバ性向上の効果が十分でない場合があり、また500ppmを越えると、ポリエステルに異物が発生し結晶核剤となり結晶化しやすくなるため耐衝撃性が悪化したり、耐熱性を低下させたり、ポリエステルの着色が大きくなる場合がある。本発明のポリエステルは、ポリエステル中にゲルマニウム、アンチモン、チタンから選ばれる少なくとも一種以上の元素の前記特定量を含有させることによりフレーバ性を向上させることができる。これらの元素の中ではフレーバ性の点からゲルマニウム元素が特に好ましい。
【0033】
本発明のポリエステル組成物に、ゲルマニウム、アンチモン、チタンから選ばれる少なくとも一種以上の元素を含有させるために使用する化合物はゲルマニウム化合物としては、例えば二酸化ゲルマニウム、結晶水含有水酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム酸化物、水酸化物、あるいはゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシド等のゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲルマニウムフェノレート、ゲルマニウムβ−ナフトレート等のゲルマニウムフェノキシド化合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウム等のリン含有ゲルマニウム化合物、酢酸ゲルマニウム等を挙げることができる。アンチモン化合物としては、三酸化二アンチモン、三弗化アンチモン、酢酸アンチモン、硼酸アンチモン、ギ酸アンチモン、亜アンチモン酸等を用いることができる。チタン化合物としては、二酸化チタン等の酸化物、水酸化チタニウム等の水酸化物、テトラメトキシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトラプロポキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート、テトラブトキシチタネート等のアルコキシド化合物、テトラヒドロキシエチルチタネート等のグリコキシド化合物、フェノキシド化合物、酢酸塩等の化合物を用いることができる。
【0034】
上記の元素をポリエステル組成物に含有させる方法は従来公知の任意の方法を採用することができ特に限定されるものではなく、通常ポリエステルの製造が完結する以前の任意の段階において、反応触媒として添加することが好ましい。このような方法として、ゲルマニウムの場合を例に挙げると、ゲルマニウム化合物の粉体をそのまま添加する方法や、あるいは特公昭54−22234号公報に記載されているように、ポリエステルの出発原料であるグリコール成分中にゲルマニウム化合物を溶解させて添加する方法等を用いることができる。
【0035】
本発明のポリエステルフイルムはフレーバ性の点からアセトアルデヒドの含有量を10ppm以下とすることが好ましく、より好ましくは9ppm以下、さらに好ましくは8ppm以下、特に好ましくは7ppm以下である。アセトアルデヒドの含有量が10ppmを越えるとフレーバ性に劣る場合がある。アセトアルデヒドの含有量を10ppm以下とする方法は特に限定されるものではない。例えばポリエステルを重縮合反応等で製造する際の熱分解によって生じるアセトアルデヒドを除去するため、ポリエステルを減圧下あるいは不活性ガス雰囲気下において、ポリエステルの融点以下の温度で熱処理する方法等によって得られたポリエステルをフイルムに成形する方法等を挙げることができ、好ましくはポリエステルを減圧下あるいは不活性ガス雰囲気下において150℃以上、融点以下の温度での固相重合したポリエステルをフイルムに成形する方法がよい。
【0036】
また、本発明のポリエステルフイルムはフレーバ性の点からフイルム中の環状三量体などからなるオリゴマはより少ない方が好ましい。特に環状三量体の含有量を0.9重量%以下とすることが好ましく、さらには0.8重量%以下、特には0.7重量%以下とすることが好ましい。フイルム中のオリゴマの含有量が0.9重量%を越えるとフレーバ性に劣る場合がある。オリゴマの含有量を0.9重量%以下とする方法は特に限定されるものではないが、上述のフイルム中のアセトアルデヒド含有量を減少させる方法と同様の方法等を採用することで達成できる。
【0037】
本発明におけるポリエステル組成物の固有粘度はポリエステルフイルムの強度の低下や結晶化が起こりにくく、金属缶の成形加工時に破断やクラックが発生しない点で0.5dl/g以上が好ましく、またフイルムの製膜工程での延伸を容易にする点で2.0dl/g以下が好ましい。固有粘度のさらに好ましい範囲は0.55〜1.5dl/g、特に好ましい範囲は0.6〜1dl/gである。
【0038】
本発明のポリエステル組成物を製造する際には、従来公知の反応触媒、着色防止剤を使用することができ、反応触媒としては例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物等、着色防止剤としては例えばリン化合物等を挙げることができる。
【0039】
さらに、本発明のポリエステル組成物およびフイルムには、必要により酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、耐候剤、末端封鎖剤等の添加剤も適宜使用することができる。
【0040】
本発明におけるポリエステル組成物から製造されるフイルムは、未延伸のシート状のものでもよいし、一軸または二軸に延伸された延伸フイルムであってもよい。
【0041】
本発明のポリエステル組成物から製造されるフイルムは、従来公知の任意の方法を用いて製膜することができる。例えば二軸延伸フイルムの場合、前記したポリエステル組成物を十分に乾燥させた後押出機に供給し、キャスティングドラム上に溶融押出して未延伸フイルムとし、次いでこの未延伸フイルムを同時あるいは逐次に二軸延伸する方法が挙げられる。また逐次二軸延伸の場合、その延伸順序はフイルムを長手方向、幅方向の順、あるいはこの逆としてもよい。更に逐次二軸延伸においては、長手方向あるいは幅方向の延伸を2回以上行うことも可能である。フイルムの長手方向および幅方向の延伸倍率は目的とするフイルムの配向度、強度、弾性率等に応じて任意に設定することができるが、好ましくは2.5〜5倍である。長手方向、幅方向の延伸倍率はどちらを大きくしてもよく、同一としてもよい。また、延伸温度はポリエステルのガラス転移温度以上、結晶化温度以下の範囲であれば任意の温度とすることができるが、通常は80〜150℃が好ましい。更に二軸延伸の後にフイルムの熱処理を行うことができる。この熱処理はオーブン中、加熱されたロール上等、従来公知の任意の方法で行なうことができる。熱処理温度はポリエステルの結晶化温度以上、軟化点以下の任意の温度とすることができるが、好ましくは120〜240℃である。また熱処理時間は任意とすることができるが、通常1〜60秒間行うのが好ましい。熱処理はフイルムをその長手方向および/または幅方向に弛緩させつつ行なってもよい。
【0042】
本発明のポリエステルフイルムは、該フイルムの少なくとも片面に本発明のフイルムを構成するポリエステルとは異なるポリエステル層を積層したフイルムであっても良い。特に本発明のフイルムを構成するポリエステルの融点に対して5〜50℃の融点差を有するポリエステル層を積層したフイルムは、金属板との接着性、耐衝撃性、耐熱性が向上するため好ましい。該積層フイルムにおいて5〜50℃の融点差を有するポリエステル層が金属板とラミネートされる場合に、本発明のポリエステルの融点より高い場合には耐熱性が向上し、低い場合には接着性、耐衝撃性が向上する。さらに、積層フイルムとする場合、積層部には必要により粒子、触媒、酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、耐候剤、末端封鎖剤等の添加剤も適宜使用することができる。
【0043】
さらに本発明のフイルムの厚さは特に限定されないが、金属板への貼り合わせ性、金属缶の成形加工性を考慮すると、5〜100μmが好ましく、さらに好ましくは10〜80μm、特に好ましくは15〜50μmである。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明する。なお粒子、ポリエステル組成物およびフイルムの特性は以下の方法により測定、評価した。
【0045】
(1)粒子特性
A.粒径比、平均粒径、粒度分布の測定および相対標準偏差σの計算
粒子を含有するポリエステル組成物またはフイルムを0.2μm厚みの超薄切片にカッティング後、透過型電子顕微鏡で、少なくとも100個の粒子について観察し測定した。相対標準偏差σ、平均粒径の計算式は下記のとおりである。
【0046】
【数3】
Figure 0003627369
【0047】
ただし、上記数3において、
σ :相対標準偏差
D :数平均粒径(μm)
Di:粒子径(μm)
n :粒子個数(個)
である。
【0048】
B.アルカリ金属の定量
原子吸光法により測定を行った。
【0049】
C.ケイ素、アルミニウムの定量
蛍光X線分析法により測定を行った。
【0050】
D.結晶構造の解析
X線回折法にて解析を行った。
【0051】
E.粒子の熱分解温度
理学電気(株)製TAS−100にて窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分での熱天秤減量曲線を測定し、10%減量温度を熱分解温度とした。
【0052】
F.粒子の強度(S10)の測定
(株)島津製作所製の微小圧縮試験機(MCTM−201型)を使用して、負荷速度:0.0145gf/s、0〜1gfまでの負荷を加えて変形量を測定した。この測定を10回行い、そして粒子が10%変形したときの荷重P(kgf)の平均値から、下記式に従いS10を計算した。
S10=2.8P/πd
ここで、
P:粒子が10%変形したときの荷重の平均値(kgf)
d:体積平均粒径(mm)
である。
【0053】
G.水分の測定
複合酸化物粒子をメタノールで十分に洗浄した後、真空乾燥機で、室温で約1日真空乾燥した後、理学電気(株)製TAS−100にて窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で、300℃まで昇温したときに蒸発する水分を測定した。
【0054】
(2)ポリエステル特性
A.ポリエステル組成物中のGe、Sb、Ti元素の含有量
蛍光X線測定により元素量と蛍光X線強度の検量線から定量した。
B.ポリエステル組成物の固有粘度
ポリエステル組成物をオルソクロロフェノールに溶解し、25℃において測定した。
C.ポリエステル組成物の融点
ポリエステル組成物を結晶化させ、示差走査熱量計(パーキン・エルマー社製DSC−4型)により、16℃/minの昇温速度で測定した。
D.ポリエステル組成物中のジエチレングリコールの含有量
ポリエステル組成物をアミノ分解し、中和、濾過処理後、ガスクロマトグラフィーで測定した。
【0055】
(3)フイルム特性
A.ポリエステル組成物およびフイルム中のアセトアルデヒド含有量
ポリエステル組成物またはフイルムの微粉末を2g採取し、イオン交換水と共に耐圧容器に仕込み、120℃で60分間水抽出後、高感度ガスクロで定量した。
【0056】
B.ポリエステル組成物およびフイルム中のオリゴマ含有量
ポリエステル組成物またはフイルム100mgをオルソクロロフェノール1mlに溶解し、液体クロマトグラフ(Varian社製モデル8500)で環状三量体量を測定し、オリゴマ量とした。
【0057】
C.ポリエステルフイルムの滑り性
成形後の金属缶に貼り合わせたフイルムの状態を観察し、以下の基準で滑り性を評価した。
◎ …… フイルムに傷、削れ粉が全く発生しない。
○ …… フイルムに傷、削れ粉がわずかに発生する。
△ …… フイルムに傷、削れ粉がかなり発生する。
× …… フイルムに傷、削れ粉の発生が著しい。
【0058】
D.ポリエステルフイルムの耐熱性
成形した金属缶を210℃で5分間加熱し、金属缶に貼り合わせたフイルムの状態を観察し、以下の基準で耐熱性を評価した。
◎ …… フイルムに剥離、収縮が全く発生しない。
○ …… フイルムに剥離、収縮がわずかに発生する。
△ …… フイルムに剥離、収縮がかなり発生する。
× …… フイルムの剥離、収縮の発生が著しい。
【0059】
E.ポリエステルフイルムの耐衝撃性
成形した金属缶に水を充填し、1mの高さから金属缶を大理石上に落下させた。10個の金属缶を落下させ、それぞれの金属缶について通電テスト(ERVテスト)を行い、以下の基準で耐衝撃性を評価した。なお通電テストとは落下させた金属缶に1%塩化ナトリウム水溶液を充填し、水溶液中に設けた電極と金属缶に6Vの電圧を印加したときに流れる電流値を測定するテストである。
◎ …… 電流値0.2mA以下が9個以上のもの。
○ …… 電流値0.2mA以下が7〜8個のもの。
△ …… 電流値0.2mA以下が5〜7個のもの。
× …… 電流値0.2mA以下が5個未満のもの。
【0060】
F.ポリエステルフイルムのフレーバ性
150mm×450mmに切り出したポリエステルフイルムを、香料水溶液(d−リモネン20ppm水溶液)に5日間浸漬し、ついでフイルムを80℃で30分間熱処理し、ガスクロマトグラフィーによりフイルム1gあたりのd−リモネンの吸着量(μg/g)を定量しフイルムのフレーバ性を評価した。
◎ …… d−リモネン吸着量20未満
○ …… d−リモネン吸着量20〜25
△ …… d−リモネン吸着量25〜30
× …… d−リモネン吸着量30以上
また、成形した金属缶に香料水溶液(d−リモネン20ppm水溶液)を入れ、密封後1ヶ月放置し、その後開封して官能検査によって、臭気の変化を以下の基準で評価した。
◎ …… 臭気に変化が見られない。
○ …… 臭気にほとんど変化が見られない。
△ …… 臭気に変化が見られる。
× …… 臭気の変化が著しい。
【0061】
実施例1
テレフタル酸76重量部、イソフタル酸10.4重量部、エチレングリコール42重量部をエステル化反応を行ない、リン酸0.01重量部、二酸化ゲルマニウム0.012重量部を添加し、さらに表2に示したように体積平均粒径0.55μm、S10が21kgf/mmである複合酸化物粒子を10重量部含むエチレングリコールスラリー1.5重量部を添加し、重縮合反応を行ない固有粘度0.65dl/gのポリエステル組成物を得た。次いで該ポリエステル組成物を減圧下190℃で8時間固相重合反応せしめポリエステル組成物を得た。該ポリエステル組成物の特性結果を表1に示した。固有粘度0.70dl/g、融点226℃、ゲルマニウム元素量50ppm、ジエチレングリコール量0.9重量%、またアセトアルデヒド量3ppm、オリゴマ量0.6重量%であった。該ポリエステル組成物を溶融温度270℃、滞留時間20分の条件で押出機を用いてキャスティングドラム上に溶融押出して未延伸フイルムを得た。この未延伸フイルムを90℃で長手方向に3.5倍、次いで105℃で幅方向に3.5倍に延伸した。更にこの二軸延伸フイルムを定長下190℃で熱処理し、厚さ25μmのポリエステルフイルムを得た。このフイルム特性評価結果を表3に示した。アセトアルデヒド量5ppm、オリゴマ量0.7重量%で、滑り性、耐熱性、耐衝撃性、フレーバ性ともに良好であった。
【0062】
実施例2〜7
表1,表2に示したようにポリエステル組成、含有元素および粒子種類、添加量を変更する以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物およびフイルムを得た。得られたフイルムの特性評価結果を表3に示した。いずれも滑り性、耐熱性、耐衝撃性、フレーバ性ともに良好であった。
【0063】
比較例1〜3
表1,表2に示したようにポリエステル組成、含有元素および粒子種類、添加量を変更する以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル組成物およびフイルムを得た。得られたフイルムの特性評価結果を表3に示した。いずれも本発明の範囲外であり、滑り性、耐熱性、耐衝撃性、フレーバ性ともに劣っていた。
【0064】
【表1】
Figure 0003627369
【0065】
【表2】
Figure 0003627369
【0066】
【表3】
Figure 0003627369
【0067】
【発明の効果】
本発明の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物およびフイルムは、フレーバ性、耐熱性、滑り性、耐衝撃性、特に耐衝撃性に優れ、金属板との密着性も良好で、本発明のポリエステルフイルムをラミネートした金属板は成形加工することによって製造される飲料缶、食品缶などの金属缶に好適に使用することができる。

Claims (21)

  1. ケイ素、アルミニウム及び少なくとも一種のアルカリ金属を主たる構成成分とする複合酸化物からなる粒子であって、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)及びアルカリ金属(M)の含有量が、下記式(1)〜(3)を満たし、かつ、体積平均粒径が0.005〜2μmの粒子を0.001〜10重量%含有することを特徴とする金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
    10重量% ≦ Si ≦ 45重量% ・・・(1)
    3重量% ≦ Al ≦ 30重量% ・・・(2)
    0.5重量% ≦ M ≦ 20重量% ・・・(3)
  2. 複合酸化物からなる粒子が実質的に非晶質であることを特徴とする、請求項1に記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
  3. 複合酸化物からなる粒子中のケイ素(Si)とアルミニウム(Al)とのモル比(Si/Al)が下記式(4)を満たす範囲にあることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
    0.25 ≦Si/Al≦ 10 ・・・(4)
  4. 複合酸化物からなる粒子中のアルミニウム(Al)とアルカリ金属(M)とのモル比(Al/M)が下記式(5)を満たす範囲にあることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
    0.8 ≦Al/M≦ 1.2 ・・・(5)
  5. 複合酸化物からなる粒子中のアルカリ金属(M)とケイ素(Si)とのモル比(M/Si)が下記式(6)を満たす範囲にあることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
    0.24 ≦M/Si≦ 0.40 ・・・(6)
  6. アルカリ金属がナトリウムであることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
  7. 複合酸化物からなる粒子が下記式(7)を満たす水分を有することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
    0.1重量% ≦ HO ≦ 20重量% ・・・(7)
  8. 複合酸化物からなる粒子の粒度分布の下記式数1に示される相対標準偏差σが0.5以下であり、かつ粒子の長径/短径比が1.0〜1.2の範囲にある、請求項1ないし7のいずれかに記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
    Figure 0003627369
    ただし、
    σ :相対標準偏差
    D :数平均粒径(μm)
    Di:粒子径(μm)
    n :粒子個数(個)
    である。
  9. 複合酸化物からなる粒子が複合酸化物を最表層に有する多層粒子である、請求項1ないし8いずれかに記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
  10. 複合酸化物からなる粒子が、シード粒子が分散した分散液中に、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機塩基のケイ酸塩と、アルカリに可溶なアルミニウム化合物とを添加し、シード粒子を核として粒子成長を行わせることにより得られた粒子であることを特徴とする、請求項9に記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
  11. シード粒子の体積平均粒径が0.001〜0.5μm、下記式数2に示される相対標準偏差σが0.5以下であり、かつ該シード粒子の長径/短径比が1〜1.2の範囲にあることを特徴とする、請求項10に記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
    Figure 0003627369
    ただし、
    σ :相対標準偏差
    D :数平均粒径(μm)
    Di:粒子径(μm)
    n :粒子個数(個)
    である。
  12. シード粒子がシリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、酸化錫、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化インジウムおよび酸化鉄よりなる群の中からから選ばれた粒子であることを特徴とする、請求項10または11に記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
  13. 複合酸化物層の厚みが0.01〜0.3μmであることを特徴とする、請求項9ないし12のいずれかに記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
  14. 複合酸化物からなる粒子の体積平均粒径Dw(μm)と比表面積S(m/g)が、S≧3.5/Dwの関係を満足することを特徴とする、請求項1ないし13のいずれかに記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
  15. 複合酸化物からなる粒子が、該粒子を10%変形させたときの強度(S10)が、
    5kgf/mm≦S10≦40kgf/mm
    の関係を満足することを特徴とする、請求項1ないし14のいずれかに記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
  16. ポリエステルがポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートであることを特徴とする、請求項1ないし15のいずれかに記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
  17. ポリエステルがジエチレングリコールを1.5重量%以下含有し、かつ、ゲルマニウム、アンチモンおよびチタンから選ばれた少なくとも一種の元素を1〜500ppm含有することを特徴とする、請求項1ないし16のいずれかに記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
  18. ポリエステルが共重合ポリエステルであることを特徴とする、請求項1ないし17のいずれかに記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
  19. ポリエステルがイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族グリコール、脂環式グリコールの中から選ばれた少なくとも一種の成分を共重合してなることを特徴とする、請求項1ないし18のいずれかに記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
  20. ポリエステルの融点が150〜250℃の範囲にあることを特徴とする、請求項18または19に記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物。
  21. 請求項1ないし20のいずれかに記載の金属板貼り合わせ用ポリエステル組成物からなる金属板貼り合わせ用ポリエステルフイルム。
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