JP3625595B2 - 超微粒子有機顔料カラーインクおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超微粒子顔料カラーインク、特に印字ヘッドからインク液滴を吐出させて記録を行うインクジェット記録方式に適したインクに関し、さらに詳しくは印字品質、耐光性などに優れた顔料カラーインクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクジェット記録では、各種染料を水あるいは水と有機溶媒の混合溶媒などに溶解させた染料インクが用いられてきた。
【0003】
しかし、染料インクには、にじみが多く印字品質に劣る、耐光性、耐水性に劣るなどの欠点がある。
【0004】
そこで、にじみが少なくて印字品質に優れ、耐光性、耐水性にも優れる顔料インクの検討が行われるようになってきた。しかしながら、顔料インクにはインク中の顔料粒子の分散性、分散安定性や印字ヘッド部での目詰り等の問題があった。
【0005】
この解決方法の一つが、特開昭56−147871に提案されている。ここでは、少なくとも顔料、高分子分散剤、非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年のインクジェットプリンタの高精細化の進展に伴い、特開昭56−147871に記載された数百μmから数μmの顔料の粒子径では印字ヘッド等での目詰りが起こりやすく、また印字品質も不十分になってきている。現在、黒色のカーボンブラックを用いたインクは既に実用化されているが、シアン、マゼンタおよびイエロー等の有彩色の有機顔料を用いたインクはまだ実用化されていない。これは、カーボンブラックは1次粒子径が小さいものが容易に得られ、また粒子表面に官能基が存在するために分散も比較的容易であるのに対し、有彩色の有機顔料は1次粒子径が大きく、また粒子表面に官能基が存在しないために、微粒子化および高分散安定化が困難であることが原因と考えられる。すなわちカーボンブラックで用いられた分散方法が、有彩色の有機顔料でもそのまま有効であるとは限らないのである。このような事情で、有彩色の有機顔料カラーインクは実用化が遅れ、普及が進んでいない。
【0007】
さらに、一方で、有彩色の有機顔料の微粒子化が実現できたとしても、単に微粒子化した場合には、顔料インクの粘度は増大したり、また、いったん沈降した顔料の分散安定性が低くて、再分散が困難ないわゆるハードケーキを形成したりする。インクジェット記録に用いる顔料インクにおいて、顔料の微粒子化は顔料の沈降防止に不可欠だが、上記のインクの粘度の増大、あるいは分散安定性の欠如などの問題が起こる。
【0008】
本発明の目的は、インクジェット記録に用いる顔料カラーインクにおいて、有彩色の有機顔料を微粒子化する手法を開発し、しかも微粒子化されても粘度の増大、分散安定性の欠如が起こらないようにするための新規の組成および新規の製造法を提供し、印字品質や耐光性に優れ、なおかつ長期の保存安定性にも優れ印字ヘッドの目詰まりもない顔料カラーインクを実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の超微粒子有機顔料カラーインクは、有彩色の超微粒子有機顔料、親水性部分がポリエチレンオキサイドで疎水性部分がアルキル基および/または芳香環を含有する両親媒性化合物、および水性溶媒を含む分散体であることを特徴とする超微粒子有機顔料カラーインクである。
【0010】
本発明の超微粒子有機顔料カラーインクに含まれる両親媒性化合物は、親水性部分であるポリエチレンオキサイドの分子量(x)が300≦x≦3500で、疎水性部分の分子量(y)が100≦y≦500で、ポリエチレンオキサイドのエチレンオキサイドユニットの分子量(x)と疎水性部分の分子量(y)の間に下記式(1)の関係を満足させることができる。
【0011】
1≦x/y≦20 (1)
我々の見出したところによれば、有彩色の有機顔料は、顔料表面に官能基がないために、有彩色の有機顔料を分散させるには顔料表面と疎水基との相互作用が重要となってくる。本発明の両親媒性化合物を顔料カラーインク内に含ませることにより、有彩色の有機顔料表面と相互作用のある疎水性部分によって吸着して、有彩色の有機顔料同士の凝集力を弱め、顔料粒子の分散安定性の高いインクにすることができ、しかもいったん沈降した顔料を容易に再分散させることができる。従って超微粒子有彩色の有機顔料を低粘度で均一に分散させることが可能になり、印字品質、インクの保存性に優れ、またいったん沈降した顔料を容易に再分散させることができるため、印字ヘッドで目詰りを起こすことのない顔料カラーインクを提供することができる。
【0012】
本発明の両親媒性化合物が上述の効果を示すメカニズムは定かではないが、インクジェット記録用インクにおいて一般的な溶媒である水あるいは水と有機溶媒の混合溶媒からなる水性溶媒中で、有機顔料粒子表面に本発明の両親媒性化合物中の疎水性部分が強く吸着した状態になり、両親媒性化合物中の親水性部分であるポリエチレンオキサイドに起因する立体反発力によって、有機顔料同士の凝集力を低下させているのではないかと推測される。
【0013】
本発明の両親媒性化合物は、親水性部分がポリエチレンオキサイドであり、このポリエチレンオキサイドの分子量(x)が300≦x≦3500の範囲にあるのが好ましい。分子量(x)が300以上であると立体反発力により、有機顔料同士の凝集力を増加させないようにできる。また分子量(x)が3500以下であると水への溶解性が高くなりすぎることを防ぎ、溶液中でフリーに存在する両親媒性化合物の割合を低くすることができる。
【0014】
また、本発明の両親媒性化合物は、疎水性部分の分子量(y)が100≦y≦500であるのが好ましい。これは疎水性が弱くなって、有機顔料粒子表面への吸着性が低くならないようにすると共に、水への溶解性が低くなりすぎて、粘度が増加しないようにするためである。疎水部分はアルキル基および/または芳香環を含んでいる。より好ましくは、アルキル基と芳香環両方を含むことである。一般的に殆どの有機顔料は芳香環を含んでいるので、本発明の両親媒性化合物の疎水性部分に芳香環が存在すると、顔料中に存在する芳香環あるいは複素環との相互作用により、有機顔料粒子に強固に吸着して、一層効果的に有機顔料同士の凝集力を低下させる。
【0015】
さらに、本発明の両親媒性化合物は、ポリエチレンオキサイドのエチレンオキサイドユニットの分子量(x)と疎水性部分の分子量(y)の間に下記式(1)の関係を満足させることが好ましい。下記式(1)の範囲内にしておけば、親水−疎水性のバランスが保たれ、有機顔料粒子の分散性と分散安定性を高めるというメリットがあるためである。
1≦x/y≦20 (1)
本発明の両親媒性化合物の添加量は、全インク組成物に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。この範囲内にしておけば、有機顔料粒子の分散性と分散安定性を高め、さらにいったん沈降した顔料を容易に再分散させる。
【0016】
本発明の有彩色の有機顔料、親水性部分がポリエチレンオキサイドで疎水性部分がアルキル基および/または芳香環である両親媒性化合物、および水性溶媒を含むインクは、アニオン性の分散剤を併用することにより、一層の保存安定性が期待できる。
【0017】
本発明のアニオン性の分散剤は、少なくとも、アニオン性の官能基を含むユニットと芳香環および/またはアルキル基を含むユニットとを含む共重合体であることが好ましい。
【0018】
本発明のアニオン性の分散剤は、芳香環および/またはアルキル基を含むユニットが有機顔料表面に強く吸着した状態になって、アニオン性の官能基を含むユニットに起因する静電反発力によって、有機顔料同士の凝集力を低下させる効果があると推定される。アニオン性の官能基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基、燐酸基等が挙げられる。これらの官能基はナトリウム等の金属塩やアンモニウム塩として存在してもよい。
【0019】
本発明のアニオン性の分散剤の分子量mは特に限定されないが、1000≦m≦30000の範囲であることがより好ましい。これは静電反発力により、有機顔料同士の凝集力を低下させ、一方で複数の有機顔料粒子に吸着して凝集した粗大粒子を形成しないようにするためである。
【0020】
本発明のアニオン性の分散剤の添加量は、前記両親媒性化合物の添加量以下であり、更にアニオン性の分散剤の添加量と前記両親媒性化合物の添加量の和は、全インク組成物に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。この範囲内にしておけば、顔料インクの粘度を低下させ、有機顔料粒子の分散性と分散安定性を高めることができる。
【0021】
また本発明の超微粒子有機顔料カラーインクは、アセチレニックグリコールを添加することにより、インクの紙への浸透性を向上させることができ、また、インクの泡立ちを抑制することができる。
【0022】
顔料カラーインクは、少なくとも有機顔料、親水性部分がポリエチレンオキサイドで、疎水性部分がアルキル基および/または芳香環である両親媒性化合物、および水性溶媒を含む混合液を分散し、必要に応じて各種添加剤を加えて、インク化を行う。また、顔料濃度の高い分散体をまず作製し、これに溶媒、各種添加剤などを加えて希釈し、インク化して使用する事も可能である。
【0023】
本発明の有機顔料は、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーなどの有彩色の色調の従来公知の有機顔料が何ら区別することなく用いられる。またこれら有彩色の有機顔料を複数混合しても用いられる。有機顔料は乾燥状態または湿潤状態のどちらの形態でも使用可能である。有機顔料カラーインク中で10000Gの加速度を1時間加えた時、溶液中の有機顔料粒子が10cm以下しか移動しないためには、粒子径は100nm以下であることが好ましい。移動距離が10cmを超えるとインク状態での分散安定性が確保できない。粒子径は50nm以下であるとさらに好ましい。
【0024】
本発明の有機顔料の使用量は、全インク組成物に対して0.1〜20重量%、好ましくは1.0〜10重量%である。この範囲内にしておけば、インクとしての色調および光学濃度を満足し、また、顔料インクの粘度および分散安定性を満足させることができる。
【0025】
本発明で得られた超微粒子有機顔料カラーインクの表面張力は、20〜70dyne/cmの表面張力が好ましい。また、25℃において10cp以下の、さらには5cp以下の粘度が好ましい。上記の表面張力および粘度を有することにより、本発明で得られた超微粒子有機顔料カラーインクはインクジェットプリンタによる安定な印字が可能となる。
【0026】
本発明では水性溶媒として、水あるいは水と、湿潤や目詰り防止などを目的とした化合物との混合溶媒が用いられる。前記化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコールグリセリン、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ジメチルスルホキシド、ジアセトンアルコール、グリセリンモノアリルエーテル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、N−メチルー2ーピロリドン、2ーピロリドン、γーブチロラクトン、1、3ージメチルー2ーイミダゾリジノン、スルフォラン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、βージヒドロキシエチルウレア、ウレア、アセトニルアセトンン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリンモノアセテート、グリセリンジアセテート、グリセリントリアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノール、、1ーブタノール、2、5ーヘキサンジオール,エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1ーメトキシー2ープロパノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、1、2ーブタンジオール、1,4−ブタンジオール,1,3−ブタンジオール,2,4−ペンタンジオール,1,5−ペンタンジオール,2−メチル−2,4−ペンタンジオール,1,2−シクロヘキサンジオール,1,4−シクロヘキサンジオール,トリメチロールエタン,トリメチロールプロパン,1、2、4ーブタントリオール,1,2,6−ヘキサントリオール,1、2、5ーペンタントリオール、3ーメチルー1、5ーペンタンジオール、3ーヘキセンー2、5ージオール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
【0027】
本発明の超微粒子有機顔料カラーインクを製造する分散機としては、一般に使用される分散機なら如何なるものでもよいが、例えば、ロールミル、ボールミル、遠心ミル、遊星ボールミル等の容器駆動媒体ミル、サンドミル等の高速回転ミルあるいは攪拌槽型ミル等の媒体攪拌ミルが挙げられる。具体的な超微粒子有機顔料カラーインクの製造方法としては、0.01〜1.0mmの粒子径のセラミックビーズを用いて遊星ボールミルあるいはサンドミルでインクを分散する方法がある。この場合に、遊星ボールミルでは加速度5〜50G、サンドミルではセラミックビーズの充填率50〜90%で周速5〜20m/sで行うと好ましい。本発明ではまた、印字ヘッドの目詰り防止剤、インクの消泡剤、乾燥防止剤、殺菌剤、保湿剤、pH調整剤、印字への耐水性付与剤などのインクジェットプリンタ用インクで従来から用いられている各種添加剤を併用することが可能である。
【0028】
本発明のインクは、また、インクジェットプリンタのインクとしてだけでなく、一般の水性印刷インクや塗料として、あるいは液晶ディスプレーのカラーフィルター作製用などの特殊な用途でも利用することが可能である。さらには、本発明の製造方法で得られる超微粒子有機顔料は、水性溶媒を置換することによって非水系のインクや塗料として用いることも可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、具体的な実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明する。
なお、以下に記載の「実施例1〜4」のうち、インクの構成成分のひとつとして、アニオン性の分散剤を使用した「実施例4」が、本発明の特許請求の範囲に含まれる超微粒子有機顔料カラーインクの例を示したものであり、アニオン性の分散剤を使用していない「実施例1〜3」は、本発明の特許請求の範囲には含まれない、参考例としての超微粒子有機顔料カラーインクの例を示したものである。
【0030】
【実施例】
実施例1
以下の組成を、粒径0.3mmのジルコニアビーズを使ってサンドミルで4時間分散して分散液を得る。
【0031】
この分散液100重量部を撹拌しながら、ジエチレングリコール20重量部とイオン交換水80重量部を30分間かけて滴下した後、1ミクロンフィルターで濾過してインクを得た。
【0032】
実施例2
実施例1のイエロー顔料に替えて、シアン顔料(大日本インキ製KET BLUE 111)を用いた以外は実施例1と同様にしてインクを得た。
【0033】
実施例3
実施例1のイエロー顔料に替えて、マゼンタ顔料(大日精化製 クロモファインマゼンタ6887)を用いた以外は実施例1と同様にしてインクを得た。
【0034】
実施例4
以下の組成を、粒径0.3mmのジルコニアビーズを使ってサンドミルで4時間分散して分散液を得る。使用したスチレンアクリル共重合体(アニオン性分散剤)の構造を以下に示す。
【0035】
スチレンアクリル共重合体:
【0036】
【化1】
【0037】
この分散液100重量部を撹拌しながら、ジエチレングリコール20重量部とイオン交換水80重量部を30分間かけて滴下した後、1ミクロンフィルターで濾過してインクを得た。
【0038】
比較例1
実施例1のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルに替えて、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(x=259、y=203)を用いた以外は実施例1と同様にしてインクを得た。
【0039】
比較例2
実施例2のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルに替えて、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(x=259、y=203)を用いた以外は実施例2と同様にしてインクを得た。
【0040】
比較例3
実施例3のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルに替えて、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(x=259、y=203)を用いた以外は実施例3と同様にしてインクを得た。
【0041】
比較例4
実施例4のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルに替えて、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(x=259、y=203)を用いた以外は実施例4と同様にしてインクを得た。
【0042】
比較例5
以下の組成を、粒径0.3mmのジルコニアビーズを使ってサンドミルで4時間分散して分散液を得る。
【0043】
この分散液100重量部を撹拌しながら、ジエチレングリコール20重量部とイオン交換水80重量部を30分間かけて滴下した後、1ミクロンフィルターで濾過してインクを得た。
【0044】
以上、各実施例で得られたインク中の顔料の粒径、インクの分散安定性、ヘッド目詰りの有無、印字の品質、粘度および耐光性を表1に示す。
【0045】
【表1】
この表で、顔料粒径は走査型電子顕微鏡(日立製 S−4000)で評価しており、分散安定性は、試料管に15cmの高さ迄インクを満たし10000Gの加速度を1時間加えた時に顔料が完全に沈降したものを×とし、それ以外は○とした。再分散性は、遠心機で10000rpm、5時間遠心処理し、強制的に沈降させた顔料で評価し、○は顔料が容易に再分散することを、△は再分散が困難な場合を示している。粘度は粘度計(東機産業製 R100型)を用いて25℃で測定した。ヘッド目詰まりは、一定量の文字を印字後、キャッピングなどをしない状態で50℃、1日間放置した後にノズル目詰まりの回復のためのクリーニング操作を行い、何回の操作回数で正常な印字が可能かを判定した。1〜5回のクリーニング操作で正常な印字が出来た場合を○とし、6〜10回のクリーニング操作で正常な印字が出来た場合を△、11回以上のクリーニング操作で正常な印字が出来た場合を×で表している。印字品質は、インクジェットプリンタで普通紙上に印字した記録パターンをマクベスポータブル濃度計(サカタインクス製 RD−12000)を用いて光学濃度を測定した。耐光性は、印字品質の評価で使用した記録パターンを用いてキセノンランプにより照射エネルギーが500KJ/m2に達したときの光学密度を測定し、初期の光学密度に対して15%以下の劣化の場合を○で表した。
【0046】
実施例1〜4は両親媒性化合物の親水性部分であるポリエチレンオキサイドの分子量(x)が300≦x≦3500の範囲であるために、比較例1〜4と比べて、顔料の粒径が小さく、分散安定性、再分散性に優れ、粘度が低く、目詰りが起こりにくく、印字品質が良い。実施例4はアニオン性分散剤を含んでいるために、さらに顔料の粒径が小さく、粘度が低いくなるため、より印字品質が向上する。また比較例5と比較して、アニオン性分散剤の量が両親媒性化合物の量よりも少なく含有させることにより、分散安定性を高めていることが分かる。これらの結果から明らかなように、本発明によるカラーインクは、顔料が極めて微粒子にまで粉砕、分散されているために保存安定性に優れており、またヘッド目詰りがなく、さらに印字品質と耐光性にも優れている。
Claims (9)
- 有彩色の超微粒子有機顔料、親水性部分がポリエチレンオキサイドで疎水性部分がアルキル基および/または芳香環である両親媒性化合物、アニオン性の分散剤および水性溶媒とを含み、上記の両親媒性化合物の親水性部分であるポリエチレンオキサイドの分子量(x)が300≦x≦3500であり、かつ上記のアニオン性の分散剤の添加量が上記の両親媒性化合物の添加量以下であることを特徴とする超微粒子有機顔料カラーインク。
- 該両親媒性化合物の疎水性部分の分子量(y)が100≦y≦500であることを特徴とする請求項1記載の超微粒子有機顔料カラーインク。
- 該両親媒性化合物の親水性部分であるポリエチレンオキサイドの分子量(x)と疎水性部分の分子量(y)の間に下記式(1)の関係があることを特徴とする請求項1記載の超微粒子有機顔料カラーインク。
1≦x/y≦20 (1) - 10000Gの加速度を1時間加えた時の有機顔料の沈降距離が10cm以下であることを特徴とする請求項1記載の超微粒子有機顔料カラーインク。
- 該有機顔料が粒子径100nm以下の超微粒子であることを特徴とする請求項1記載の超微粒子有機顔料カラーインク。
- 該有機顔料が粒子径50nm以下の超微粒子であることを特徴とする請求項1記載の超微粒子有機顔料カラーインク。
- 印字ヘッドからインク液滴を吐出させて記録を行うインクジェット記録方式に用いられる請求項1記載の超微粒子有機顔料カラーインク。
- 該超微粒子有機顔料カラーインクが25℃において10cp以下の粘度を有する請求項1記載の超微粒子有機顔料カラーインク。
- 有彩色の有機顔料、親水性部分がポリエチレンオキサイドで疎水性部分がアルキル基および/または芳香環である両親媒性化合物、アニオン性の分散剤および水性溶媒とを含み、上記の両親媒性化合物の親水性部分であるポリエチレンオキサイドの分子量(x)が300≦x≦3500であり、かつ上記のアニオン性の分散剤の添加量が上記の両親媒性化合物の添加量以下である混合物を0.01〜1.0mmの粒子径のセラミックビーズで前記有彩色の有機顔料の粉砕、分散を行うことを特徴とする超微粒子有機顔料カラーインクの製造方法。
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