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JP3613421B2 - 液晶配向剤 - Google Patents

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JP3613421B2
JP3613421B2 JP13846996A JP13846996A JP3613421B2 JP 3613421 B2 JP3613421 B2 JP 3613421B2 JP 13846996 A JP13846996 A JP 13846996A JP 13846996 A JP13846996 A JP 13846996A JP 3613421 B2 JP3613421 B2 JP 3613421B2
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liquid crystal
polyamic acid
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dianhydride
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圭一 山本
雅之 木村
研悟 若林
安生 松木
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶配向剤に関する。さらに詳しくは、液晶配向性が良好で、液晶表示素子において電圧の印可を解除してから残像が消去されるまでの時間(以下、「残像消去時間」という)が短く、基板に対する密着性が高い液晶配向膜を形成し得る液晶配向剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、液晶表示素子としては、透明導電膜が設けられている基板の当該表面にポリイミド等からなる液晶配向膜を形成して液晶表示素子用基板とし、この基板2枚を対向配置してその間隙内に正の誘電異方性を有するネマチック型液晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、当該液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かって連続的に90度捻れるようにした、いわゆるTN(Twisted Nematic)型液晶セルを有するTN型液晶表示素子が知られている。また、最近においては、TN型液晶表示素子に比してコントラストが高くて、その視角依存性の少ないSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子が開発されている。このSTN型液晶表示素子は、ネマチック型液晶に光学活性物質であるカイラル剤をブレンドしたものを液晶として用い、当該液晶分子の長軸が基板間で180度以上にわたって連続的に捻れる状態となることにより生じる複屈折効果を利用するものである。これらTN型液晶表示素子およびSTN型液晶表示素子における液晶の配向は、通常、ラビング処理が施された液晶配向膜により発現されるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の液晶表示素子にあっては、電圧を印加したときに発生するイオン性電荷が液晶配向膜に吸着されるため、電圧の印加を解除した後の表示画面に残像を生じ、電圧印加時と解除時との液晶表示素子の明暗の差が小さくなるために十分なコントラストが得られないという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、良好な液晶配向性を発現することができるとともに、液晶表示素子において残像消去時間が短く、基板に対する密着性が高い液晶配向膜を形成することができる液晶配向剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものとして、下記一般式(I):
【0006】
【化4】
Figure 0003613421
【0007】
(式中、Rは4価の有機基、Rは2価の有機基、nは正の整数を示す)で表されるポリアミック酸および/または下記一般式(II):
【0008】
【化5】
Figure 0003613421
【0009】
(式中、RおよびRは4価の有機基、RおよびRは2価の有機基、mおよびnはそれぞれ正の整数を示す)で表されるイミド基含有ポリアミック酸と、トリス(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アミン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N,N−テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、トリエチレンジアミン、2−メチルイミダゾール、ビス(N,N−ジグリシジルアミノフェニル)メタン、ビニルピリジン、下記一般式( III
【0010】
【化4】
Figure 0003613421
【0011】
で表されるポリビニルピリジンおよび2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールから選ばれる1種以上の第三級アミンとを混合してなることを特徴とする液晶配向剤を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】
本発明の液晶配向剤は、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とを開環重付加させて得られるポリアミック酸(上記一般式(I))および/またはイミド基含有ポリアミック酸(上記一般式(II))に第三級アミン(上記一般式(II))を混合してなるものである。
【0014】
そして、本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸および/またはイミド基含有ポリアミック酸に第三級アミンを混合することにより、下記一般式(IV):
【0015】
【化7】
Figure 0003613421
【0016】
(式中、RおよびRは上記と同じであり、R10,R11およびR12並びにR13,R14およびR15はそれぞれR,RおよびRと同じである)で表されるポリアミック酸塩および/または下記一般式(V):
【0017】
【化8】
Figure 0003613421
【0018】
(式中、R,R,RおよびRは上記と同じであり、R10,R11およびR12並びにR13,R14およびR15はそれぞれR,RおよびRと同じである)で表されるイミド基含有ポリアミック酸塩を含有する液晶配向剤とすることができる。
【0019】
本発明の液晶配向剤を構成する上記一般式(I)で表されるポリアミック酸または一般式(II)で表されるイミド基含有ポリアミック酸、あるいは上記一般式(IV)で表されるポリアミック酸塩または一般式(V)で表されるイミド基含有ポリアミック酸塩を構成するRおよびRは4価の有機基を表し、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素から水素原子を4個除いて誘導される基;シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタンのようなシクロアルカン、シクロヘキセンのようなシクロアルケン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクテンのような環状炭化水素等の炭素原子数4以上の飽和または不飽和脂環式炭化水素から水素原子を4個除いて誘導される基;ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、クァテルフェニル、キンクフェニル、ナフタリン等の芳香族炭化水素から水素原子を4個除いて誘導される基;2個以上のベンゼン環がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピリデン基、硫黄、酸素、カルボニル基、スルホン基、ジメチルシリル基、ジフェニルシリル基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基等の有機基で連結されてなる環状有機基から水素原子を4個除いて誘導される基;フラン誘導体等のヘテロ原子を有する環状炭化水素から水素原子を4個除いて誘導される基;下記式(1)〜(2)
【0020】
【化9】
Figure 0003613421
【0021】
(式中、xは水素原子またはアルキル基を示す)で表される4価の基;およびこれらの基の一部が置換された基、例えばメチルシクロペンタン、エチルナフタリンから水素原子を4個除いた基等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキセン、エチルナフタリン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン、ビシクロ[2.2.2]オクテン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ベンゼン等の炭素原子数4以上の環状炭化水素から水素原子を4個除いて誘導される基、上記式(1)で表される有機基およびメチルシクロペンタンから水素原子を4個除いた基である。また、特に好ましいのは、シクロブタン、メチルシクロペンタンおよびベンゼンから水素原子を4個除いた基である。
【0022】
本発明の液晶配向剤を構成する上記一般式(I)で表されるポリアミック酸もしくは一般式(II)で表されるイミド基含有ポリアミック酸または上記一般式(IV)で表されるポリアミック酸塩もしくは一般式(V)で表されるイミド基含有ポリアミック酸塩を構成するRおよびRとしては、例えば下記式:
【0023】
【化10】
Figure 0003613421
【0024】
等で示される2価の炭素原子数6〜25の芳香族基;
【0025】
【化11】
Figure 0003613421
【0026】
(ここで、nは2〜20の整数を示す)、
【0027】
【化12】
Figure 0003613421
【0028】
等で示される炭素原子数2〜20の脂肪族基または脂環式基;
【0029】
【化13】
Figure 0003613421
【0030】
等で示されるオルガノシロキサン基;下記式(3)〜(6)で表される2価の基
【0031】
【化14】
Figure 0003613421
【0032】
【化15】
Figure 0003613421
【0033】
等を挙げることができる。
【0034】
これらの2価の有機基のうち、好ましいのは下記式で表される基である。
【0035】
【化16】
Figure 0003613421
【0036】
特に好ましいのは、下記式で表される基である。
【0037】
【化17】
Figure 0003613421
【0038】
本発明の液晶配向剤の主成分である上記一般式(I)で表されるポリアミック酸は、下記一般式(VI):
【0039】
【化18】
Figure 0003613421
【0040】
(式中、R16はRと同じである)で表されるジアミン化合物と下記一般式(VII ):
【0041】
【化19】
Figure 0003613421
【0042】
(式中、R17はRと同じである)で表されるテトラカルボン酸二無水物とを反応させる方法により得ることができる。
【0043】
<ジアミン化合物>
本発明の液晶配向剤の主成分として使用されるポリアミック酸の合成反応に使用されるジアミン化合物としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミノベンズアニリド、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、3,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4′−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジクロロ−4,4′−ジアミノ−5,5′−ジメトキシビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4′−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2′−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ジアミノ−2,2′−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4′−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02.7 ]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミン;下記式(7)〜(10):
【0044】
【化20】
Figure 0003613421
【0045】
【化21】
Figure 0003613421
【0046】
で表される化合物を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上組み合わされて用いることができる。
【0047】
これらのジアミンのうち、p−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ジアミノ−2,2′−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4′−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等が好ましく、特に好ましくは、p−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタンおよび4,4′−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリンである。
<テトラカルボン酸二無水物>
本発明の液晶配向剤の主成分として使用されるポリアミック酸の合成反応に使用することのできるテトラカルボン酸二無水物としては、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3′,4,4′−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルメタン二無水物、下記式(11):
【0048】
【化22】
Figure 0003613421
【0049】
で表される化合物等のテトラカルボン酸二無水物を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上組み合わされて用いることができる。
【0050】
これらのうち、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物等が好ましく、特に好ましくは、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物およびピロメリット酸二無水物である。
【0051】
<ポリアミック酸>
上記一般式(I)で表されるポリアミック酸の合成反応に供される上記一般式(VII )で表されるテトラカルボン酸二無水物と上記一般式(VI)で表されるジアミン化合物の使用割合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
【0052】
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、通常−20〜150℃、好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド等の非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノール等のフェノール系溶媒を例示することができる。また、有機溶媒の使用量(a)は、通常、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
【0053】
なお、前記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等を、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。このような貧溶媒の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。
【0054】
以上のようにして、本発明の液晶配向剤の主成分として使用することができるポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。そして、この反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥することによりポリアミック酸を得ることができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出させる工程を1回または数回行うことにより、ポリアミック酸を精製することができる。
【0055】
以上のようにして得られるポリアミック酸は、その対数粘度(ηln)の値が通常0.05〜10dl/g、好ましくは0.05〜5dl/gである。
【0056】
本発明における対数粘度(ηln)の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/100ミリリットルである溶液について30℃で粘度の測定を行い、下記数式によって求められるものである。
【0057】
【数1】
Figure 0003613421
【0058】
<イミド基含有ポリアミック酸>
本発明の液晶配向剤に使用される一般式(I)で表されるポリアミック酸または一般式(IV)で表されるポリアミック酸塩の前駆体であるポリアミック酸としては、ポリアミック酸塩の効果が損なわれない程度の範囲内でイミド化された、一般式(II)で表されるイミド基含有ポリアミック酸も使用することができる。イミド基含有ポリアミック酸は、(i)上記一般式(I)で表されるポリアミック酸を加熱することにより、または、上記一般式(I)で表されるポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤およびイミド化触媒を添加し必要に応じて加熱することにより、ポリアミック酸の一部を脱水閉環(イミド化反応)させて合成されるか、または(ii)テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とジイソシアネート化合物とを混合し、必要に応じて加熱することにより合成されるか、または(iii )テトラカルボン酸二無水物と、下記一般式(VIII):
【0059】
【化23】
Figure 0003613421
【0060】
(式中、R18は4価の有機基、R19およびR20はそれぞれ2価の有機基を示す)で表されるイミド基含有ジアミンとを反応させて合成される。
【0061】
上記(i)の反応において、上記ポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、通常60〜300℃であり、好ましくは100〜250℃である。反応温度が60℃未満ではイミド化反応が十分に進行せず、反応温度が300℃を超えると得られるイミド基含有ポリアミック酸の分子量が低下することがある。
【0062】
一方、上記(i)の反応において、ポリアミック酸の溶液中に脱水剤およびイミド化触媒を添加する方法における脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して1.6〜20モルとするのが好ましい。また、イミド化触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の第三級アミンを用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、イミド化触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.5〜10モルとするのが好ましい。なお、脱水閉環の反応に用いられる有機溶媒としては、上記一般式(I)で表されるポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。そして、脱水閉環の反応温度は、通常0〜180℃、好ましくは60〜150℃である。また、このようにして得られる反応溶液に対し、上記ポリアミック酸の精製方法と同様の操作を行うことにより、イミド基含有ポリアミック酸が得られる。
【0063】
上記(ii)の反応において用いられるジイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;シクロヘキサンジイソシアネート等の環状脂肪族ジイソシアネート化合物;ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4′−ジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタン−p,p′−ジイソシアネート、2,2−ジフェニルプロパン−p,p′−ジイソシアネート、2,2−ジフェニル−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−p,p′−ジイソシアネート、2,2−ジフェニルブタン−p,p′−ジイソシアネート、ジフェニルジクロロメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルフルオロメタン−4,4′−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−4,4′−ジイソシアネート、N−フェニル安息香酸アミド−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。なお、上記(ii)の反応には特に触媒は必要とされず、反応温度は、通常50〜200℃、好ましくは100〜160℃である。
【0064】
上記(iii )の反応において用いられるイミド基含有ジアミンは、例えば、テトラカルボン酸二無水物1モルとジアミン2モル以上とを反応させて得られるアミック酸構造を有するジアミンを、脱水剤およびイミド化触媒を用いて脱水閉環させ、得られたイミド基含有ジアセトアミド化合物を、塩酸、p−トルエンスルホン酸等の酸で処理することにより、合成することができる。テトラカルボン酸二無水物と該イミド基含有ジアミンとの反応条件は、上記ポリアミック酸の合成条件に準ずる。
【0065】
上記(i)、(ii)および(iii )の反応によって得られるイミド基含有ポリアミック酸は、その対数粘度(ηln)の値が通常0.05〜10dl/g、好ましくは0.05〜5dl/gである。
【0066】
<ポリアミック酸塩>
上記ポリアミック酸および/またはイミド基含有ポリアミック酸に上記一般式(III )で表わされる第三級アミン類を反応させることにより、上記一般式(IV)および/または上記一般式(V)で表されるポリアミック酸塩を得ることができる。
【0067】
上記一般式(III )で表される第三級アミンにおいて、R,RおよびRは炭素原子数1〜30の炭化水素基であり、それらの少なくとも1つは、ヘテロ原子、アリール基、アルキレン基またはアルキニル基を含む炭化水素基であるか、もしくはR、RおよびRはそれらが結合しているN原子とともに単環または多環のN含有複素環を示す。ここで、ヘテロ原子としては、例えば酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられ、上記ヘテロ原子を含む炭化水素基としては、例えばヒドロキシエチル基等のヒドロキシアルキル基;2−(2−メトキシエトキシ)エチル基等のアルコキシアルキル基;アミノプロピル基等のアミノアルキル基;シアノエチル基等のシアノアルキル基;ジグリシジル基等のエポキシアルキル基が挙げられる。また、エチレン基等のアルキレン基を含む炭化水素基としては、例えばピリジニル基;フェニル基等のアリール基を含む炭化水素基としては、例えばベンジル基、メタキシリル基;エチニル基等のアルキニル基を含む炭化水素基としては、例えばフェニルエチル基が挙げられる。
【0068】
このような第三級アミン類の具体例としては、トリエタノ−ルアミン、トリス(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アミン、テトラメチルエチレンジアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、N,N,N,N−テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、ビス(N,N−ジグリシジルアミノフェニル)メタン、トリアクリルホルマール、トリエチレンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル、N,N−ジエチルベンジルアミン、4−ジメチルアミノ−3−ブチン−2−オン、N,N,N′,N′−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、テトラメチルジアミノメタン、1,1−ジメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ジメチルシアナミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルサトイックアンハイドライド、ジメチルアミノアセトニトリル、1,1,3,3,4−ペンタメチルグアニジン、1−(N,N−ジエチルアミノ)フェニルアセチレン、N,N−ジメチルアミノシクロヘキセン、ジエチルアリルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,4−ジアミノ−2−ブチン、プロピニルジエチルアミン、フェニルエチニルジメチルアミン等が挙げられる。また、R、RおよびRがそれらが結合しているN原子とともに単環または多環のN含有複素環を示す第三級アミンの具体例としては、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、フェナントロリン、ビピリジル、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、ピコリン、コリジン、ルチジン、シトラジン酸、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イミダゾ−ル、2−メチルイミダゾ−ル、4−メチルイミダゾ−ル、2−エチル−4−メチルイミダゾ−ル、2−フェニルイミダゾ−ル、2−ウンデシルイミダゾ−ル、2−ヘプタデシルイミダゾ−ル、1−ベンジル−2−メチルイミダゾ−ル、2−フェニル−4−メチルイミダゾ−ル、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾ−ル、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾ−ル、トリアリルシアヌレ−ト、N−シクロヘキセニルモルフォリン、N−メチルモルフォリン、ヘキサメチレンテトラミン、1−(1−ピロリジニル)シクロヘキセン、ジアザビシクロ(4,3,0)−5−ノネン、ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデカ−7−エン、N−メチルインドール、4−ジメチルアミノピリジン、1−(N−ピロリジノ)シクロペンテン、N−ビニルピロリドン、α−(1−ピロリジン)アセトニトリル、モルフォリンカルボニトリル、1,1,3,3,4−ペンタメチルグアニジン等が挙げられる。
【0069】
さらに、下記式(12)〜(17):
【0070】
【化24】
Figure 0003613421
【0071】
(式中、Rは炭素原子数1〜10の炭化水素基を示す。)で表される第三級アミン含有ポリマ−を用いることもできる。これらは単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。なお、これら第三級アミンはポリアミック酸および/またはイミド基含有ポリアミック酸に対し0.1〜80重量%の範囲で添加でき、好ましくは1〜60重量%の範囲で添加できる。
【0072】
上記第三級アミンとポリアミック酸および/またはイミド基含有ポリアミック酸との反応は0〜200℃、好ましくは20〜60℃の範囲の温度で行うことができ、上記一般式(IV)および/または一般式(V)で表されるポリアミック酸塩を形成することができる。
【0073】
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸塩および/またはイミド基含有ポリアミック酸塩が有機溶媒中に溶解含有されて構成される。この液晶配向剤を構成する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に用いられるものとして例示した溶媒を挙げることができる。また、ポリアミック酸の合成反応の際に併用することができるものとして例示した貧溶媒も適宜選択して併用することができる。
【0074】
本発明の液晶配向剤を構成する重合体全体において、一般式(I)で表されるポリアミック酸の含有量は、通常0.1〜90モル%程度、好ましくは0.5〜50モル%程度である。また、本発明の液晶配向剤を構成するポリアミック酸塩全体において、一般式(IV)で表されるポリアミック酸塩の含有量は、通常、0.1〜90モル%程度、好ましくは0.5〜50モル%程度である。
【0075】
本発明の液晶配向剤におけるポリアミック酸塩の濃度は、粘性、揮発性等を考慮して選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲とされる。すなわち、本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得ることができず、濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得ることができず、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる。
【0076】
本発明の液晶配向剤に用いられるポリアミック酸塩は分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。この末端修飾型のポリアミック酸塩を用いることにより、本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性等を改善することができる。このような末端修飾型のものは、ポリアミック酸を合成する際に、ジカルボン酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物等を反応系に添加することにより合成することができる。
【0077】
ここで、ジカルボン酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ナジック酸等を挙げることができ、モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミン等を挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、フェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等を挙げることができる。
【0078】
本発明の液晶配向剤には、基板表面に対する接着性を向上させる観点から、官能性シラン含有化合物が含有されていてもよい。このような官能性シラン含有化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
【0079】
<液晶表示素子>
本発明の液晶配向剤を用いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって製造することができる。
【0080】
(1)パターニングされた透明導電膜が設けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法等の方法によって塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラス等のガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート等のプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜等を用いることができ、これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法や予めマスクを用いる方法が用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板の該表面に、官能性シラン含有化合物、官能性チタン含有化合物等を予め塗布することもできる。液晶配向剤塗布後の加熱温度は80〜300℃とされ、好ましくは120〜250℃とされる。なお、ポリアミック酸を含有する本発明の液晶配向剤は、塗布後に有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜を形成するが、さらに加熱することによって脱水閉環を進行させ、イミド化された塗膜とすることもできる。形成される塗膜の膜厚は、通常0.001〜1μmであり、好ましくは0.005〜0.5μmである。
【0081】
(2)形成された塗膜面を、例えばナイロン、レーヨン、コットン等の繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行う。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。また、ラビング処理による方法以外に、塗膜表面に偏光紫外線を照射して配向能を付与する方法や、一軸延伸法、ラングミュア・ブロジェット法等で樹脂膜を得る方法により、液晶配向膜を形成することもできる。
【0082】
また、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報や特開平6−281937号公報に示されているような、紫外線を部分的に照射することによってプレチルト角を変化させるような処理、あるいは特開平5−107544号公報に示されているような、ラビング処理を施した液晶配向膜表面にレジスト膜を部分的に形成し、先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去して、液晶配向膜の液晶配向能を変化させるような処理を行うことによって、液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。
【0083】
(3)上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、それぞれの液晶配向膜におけるラビング方向が直交または逆平行となるように、2枚の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その偏光方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング方向と一致または直交するように貼り合わせることにより、液晶表示素子が得られる。
【0084】
ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂等を用いることができる。
【0085】
液晶としては、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を挙げることができ、その中でもネマティック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶等を用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネート等のコレステリック型液晶や商品名「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤を添加して使用することもできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメート等の強誘電性液晶も使用することができる。
【0086】
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
【0087】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、液晶表示素子における液晶の配向性、液晶配向膜の密着性および残像消去時間についての評価方法は、以下のとおりである。
【0088】
〔液晶の配向性〕
液晶表示素子に電圧をオン・オフ(印加・解除)したときの異常ドメインの有無を偏光顕微鏡で観察し、異常ドメインのない場合を「良好」と判定した。
【0089】
〔液晶配向膜の密着性〕
液晶配向剤を基盤に塗布、乾燥後得られた液晶配向膜をアセトンに1時間浸し、膨潤したままの膜をJISK−5400に準ずる方法により評価した。評価点数はJISK−5400に準ずる。
【0090】
〔残像消去時間〕
液晶表示素子に10Vの直流電圧を1時間印加した後、当該電圧の印加を解除し、表示画面を目視により観察して、電圧の印加を解除してから画面上の残像が消去されるまでの時間を測定した。
【0091】
(合成例1)
上記式(7)で表されるジアミン5.23g(10ミリモル)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン17.8g(90ミリモル)および2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物22.4g(100ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度が0.95dl/gであるポリアミック酸〔これを「ポリアミック酸(a1)」とする。〕40.8gを得た。
【0092】
(合成例2)
合成例1で得られたポリアミック酸(a1)25.0gをN−メチル−2−ピロリドン450gに溶解し、この溶液にピリジン7.0gおよび無水酢酸9.1gを添加し、100℃で3時間加熱することにより脱水閉環させた。次いで、反応生成液を合成例1と同様にして沈澱および乾燥させ、対数粘度が0.93dl/g、イミド化率が70%のポリアミック酸〔これを「イミド基含有ポリアミック酸(b1)」とする。〕19.0gを得た。
【0093】
(合成例3)
上記式(8)で表されるジアミン5.24g(10ミリモル)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン17.8g(90ミリモル)および2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物22.4g(100ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度が0.95dl/gであるポリアミック酸〔これを「ポリアミック酸(a2)」とする。〕40.8gを得た。
【0094】
(合成例4)
合成例2で得られたポリアミック酸(b1)25.5gをN−メチル−2−ピロリドン450gに溶解し、この溶液にピリジン7.2gおよび無水酢酸9.2gを添加し、100℃で3時間加熱することにより脱水閉環させた。次いで、反応生成液を合成例1と同様にして沈澱および乾燥させ、対数粘度が0.93dl/g、イミド化率が70%のポリアミック酸〔これを「イミド基含有ポリアミック酸(b2)」とする。〕19.5gを得た。
【0095】
(合成例5)
上記式(7)で表されるジアミン5.23g(10ミリモル)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン17.8g(90ミリモル)およびピロメリット酸二無水物21.8g(100ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解させ、25℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコ−ルに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度が1.5dl/gであるポリアミック酸〔これを「ポリアミック酸(a3)とする。〕37.8gを得た。
【0096】
(合成例6)
上記式(9)で表されるジアミン6.43g(10ミリモル)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン17.8g(90ミリモル)およびピロメリット酸二無水物21.8g(100ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解させ、25℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコ−ルに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度が0.80dl/gであるポリアミック酸〔これを「ポリアミック酸(a4)とする。〕38.8gを得た。
【0097】
(合成例7)
上記式(10)で表されるジアミン4.22g(10ミリモル)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン17.8g(90ミリモル)およびピロメリット酸二無水物21.8g(100ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解させ、25℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコ−ルに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度が1.8dl/gであるポリアミック酸〔これを「ポリアミック酸(a5)」とする。〕40.1gを得た。
【0098】
(合成例8)
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン4.1g(100ミリモル)、ピロメリット酸二無水物1.96(90ミリモル)および上記式(11)で表される化合物7.52g(10ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解させ、25℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコ−ルに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度が1.6dl/gであるポリアミック酸〔これを「ポリアミック酸(a6)とする。〕40.1gを得た。
【0099】
〔実施例1〕
(1)液晶配向剤の調製:
合成例1で得られたポリアミック酸(a1)をγ−ブチロラクトンに溶解させて固形分濃度4重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して本発明の液晶配向剤を調製した。
【0100】
(2)液晶表示素子の作製:
1.厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上に、上記のようにして調製された本発明の液晶配向剤をスピンナーを用いて塗布し、180℃で1時間乾燥することにより乾燥膜厚800Aの塗膜を形成した。
【0101】
2.形成された塗膜面を、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンを用いてラビング処理を行うことにより、液晶配向膜を作製した。ここに、ラビング処理条件は、ロールの回転数500rpm、ステージの移動速度1cm/秒とした。
【0102】
3.上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、それぞれの基板の外縁部に、直径17μmの酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂系接着剤をスクリーン印刷法により塗布した後、それぞれの液晶配向膜におけるラビング方向が逆平行となるように2枚の基板を間隙を介して対向配置し、外縁部同士を当接させて圧着して接着剤を硬化させた。
【0103】
4.基板の表面および外縁部の接着剤により区画されたセルギャップ内に、ネマティック型液晶「MLC−2001」(メルク社製)を注入充填し、次いで、注入孔をエポキシ系接着剤で封止して液晶セルを構成した。その後、液晶セルの外表面に、偏光方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング方向と一致するように偏光板を貼り合わせることにより、液晶表示素子を作製した。
【0104】
5.上記のようにして作製された液晶表示素子は、電圧を印加および解除したときにおいて異常ドメインは認められず、液晶の配向性は良好であった。また、液晶表示素子の残像消去時間は0.20秒間ときわめて短いものであった。またプレチルト角変動率は15%であった。
【0105】
〔実施例2〜11〕
下記表記1に示す処方に従って、合成例3〜6で得られたポリアミック酸(a)(a2〜a4)またはイミド基含有ポリアミック酸(b)(b1〜b2)および第三級アミン(c)の各々を用い、実施例1と同様にして本発明の液晶配向剤を調製した。次いで、このようにして調製された液晶配向剤の各々を用い、実施例1と同様にして液晶表示素子を作製した。作製された液晶表示素子の各々について、実施例1と同様にして、液晶の配向性、密着性および残像消去時間の評価を行った。結果を下記表1に併せて示す。
【0106】
〔実施例12〕
合成例3で得られたポリアミック酸(a2)を用い、実施例を同様にして本発明の液晶配向剤を調製した。次いで、このようにして調製された液晶配向剤を用い、液晶配向剤塗布後の乾燥温度を250℃にしたこと以外は実施例1と同様にして、液晶表示素子を作製した。乾燥温度を250℃にしたことにより、溶媒の除去と同時に被膜の脱水閉環が進行し、イミド化率が高い液晶配向膜が形成された。作製された液晶表示素子の各々について、実施例1と同様にして、液晶の配向性、密着性および残像消去時間の評価を行った。結果を下記表1に併せて示す。
【0107】
〔比較例1〜3〕
下記表1に示す処方に従って、合成例3〜6で得られたポリアミック酸(a2〜a4)またはイミド基含有ポリアミック酸(b)(b1〜b2)の各々を用い、実施例1と同様にして液晶配向剤を調製した。次いで、このようにして調製された液晶配向剤の各々を用い、実施例1と同様にして液晶表示素子を作製した。作製された液晶表示素子の各々について、実施例1と同様にして、液晶の配向性、密着性および残像消去時間の評価を行った。結果を下記表1に併せて示す。
【0108】
【表1】
Figure 0003613421
【0109】
表1中のアミン類の記号は下記のものを示す:
s1 トリス(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アミン
s2 N,N−ジグリシジルアニリン
s3 N,N,N,N−テトラグリシジルメタキシリレンジアミン
s4 1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン
s5 トリエチレンジアミン
s6 2−メチルイミダゾール
s7 ビス(N,N−ジグリシジルアミノフェニル)メタン
s8 ビニルピリジン
s9 ポリビニルピリジン(上記化学式(12)で表される化合物)
s10 2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール
h1 n−ドデシルアミン
h2 トリメチルアミン
【0110】
【発明の効果】
本発明によれば、良好な配向特性を有するとともに、液晶表示素子における残像消去時間が短く、基板に対する密着性が高い液晶配向膜を形成することができる液晶配向剤を提供することができる。
【0111】
本発明の液晶配向剤により形成される液晶配向膜は、TN型液晶表示素子およびSTN型液晶表示素子のみならずSH(Super Homeotropic)型液晶表示素子等種々の液晶表示素子を構成するために好適に使用することができる。また、当該液晶配向膜を備えた液晶表示素子は、液晶の配向性および信頼性にも優れ、種々の装置に有効に使用することができ、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、計数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、液晶テレビ等の表示装置として好適に用いることができる。

Claims (1)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 0003613421
    (式中、Rは4価の有機基、Rは2価の有機基、nは正の整数を示す)で表されるポリアミック酸および/または下記一般式(II)
    Figure 0003613421
    (式中、RおよびRは4価の有機基、RおよびRは2価の有機基、mおよびnはそれぞれ正の整数を示す)で表されるイミド基含有ポリアミック酸と、トリス(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アミン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N,N−テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、トリエチレンジアミン、2−メチルイミダゾール、ビス(N,N−ジグリシジルアミノフェニル)メタン、ビニルピリジン、下記一般式( III
    Figure 0003613421
    で表されるポリビニルピリジンおよび2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールから選ばれる1種以上の第三級アミンとを混合してなることを特徴とする液晶配向剤。
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