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JP3609860B2 - オレフィン化合物のエポキシ化用結晶性チタン・シリカライトコーティング触媒 - Google Patents

オレフィン化合物のエポキシ化用結晶性チタン・シリカライトコーティング触媒 Download PDF

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JP3609860B2 JP26204094A JP26204094A JP3609860B2 JP 3609860 B2 JP3609860 B2 JP 3609860B2 JP 26204094 A JP26204094 A JP 26204094A JP 26204094 A JP26204094 A JP 26204094A JP 3609860 B2 JP3609860 B2 JP 3609860B2
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秀樹 大森
香織 斉藤
陽司 鈴木
隆男 山田
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Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、過酸化水素でオレフィン化合物をエポキシ化するに際し、固定床、流動床あるいは移動床式の反応形態で、長時間に亘り、安定かつ連続的にエポキシド官能基を有する生成物を合成するのに適する、球形状の結晶性チタン・シリカライトコーティング触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
結晶性チタン・シリカライトは、過酸化水素とエチレン、プロピレン等のオレフィン化合物とから、酸化エチレン、酸化プロピレン等のエポキシド化合物を製造する際の触媒として既に公知であり、その反応機構および触媒調製法に関して各種の提案がなされている。
【0003】
例えば、その反応機構に関しては、J.Catal.,133,220(1992)において、エポキシド化合物は結晶性チタン・シリカライトのミクロ細孔内で生成し、得られたエポキシド化合物のオキシラン環もミクロ細孔内で開環しグリコール、グリコールエーテル類に分解されることが開示されている。また、そのため、高選択率でエポキシド化合物を得るためには、結晶性チタン・シリカライト触媒を微小な球状とし、細孔内の拡散距離を短くし、生成したエポキシド化合物を速やかに細孔内から取り去ることが不可欠であることも知られている。
【0004】
また、過酸化水素とオレフィン化合物とからエポキシド化合物を合成するのに適した結晶性チタン・シリカライト触媒の調製法としては、特開昭61−183275号、特開昭62−185081号、特開平6−9592号、特公平4−5028号、ヨーロッパ特許第315,247号、同第315,248号に開示されているが、これらに開示されている結晶性チタン・シリカライト触媒は、いずれも結晶性チタン・シリカライト単独の微粒子であり、工業的に固定床、流動床あるいは移動床式の反応装置でエポキシ化反応を長時間連続的に行なうためには適さないものであって、これらの欠点を克服するためには、ある程度強度を有する球状物等への物理的成形が必要であった。
【0005】
また、結晶性チタン・シリカライトの球状物等への物理的成形方法として、特開昭63−112412号において、結晶性チタン・シリカライトを結合剤と混ぜ、スプレードライ法により直径5〜1,000μmの多孔質な球状体を得る方法も提案されているが、この方法で成形された球状体は、上記微粒子と同様に、触媒細孔内の拡散距離が短く、生成したエポキシド化合物を速やかに細孔内から取り去り、選択率を上げる点においては好ましいものの、固定床、流動床あるいは移動床式の反応装置に用いられる触媒としては、触媒の充填・取り出し易さ、流れ易さの点において実用的でなく、また、強度の点においても不十分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の状況に鑑み、工業的に固定床、流動床あるいは移動床式の反応装置に好適に適用し得て、長時間連続的に使用可能な強度を持ち、しかも、過酸化水素でオレフィン化合物をエポキシ化するに際し副反応が起きず、高選択率でエポキシド化合物を製造することを可能にする、結晶性チタン・シリカライト触媒を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成させるために鋭意検討を重ねた結果、不活性球形担体表面に、結晶性チタン・シリカライトを均一にコーティングすることにより、上記目的を達成し得て、工業的に有用なオレフィン化合物のエポキシ化用触媒が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
したがって、本発明の要旨は、直径0.2〜20.0mmの球形担体表面に、結晶性チタン・シリカライト層をコーティングしてなると共に、結晶性チタン・シリカライト層の厚みの球形担体の直径に対する比が0.0001〜0.1であることを特徴とするオレフィン化合物のエポキシ化用結晶性チタン・シリカライトコーティング触媒に存する。
【0009】
本発明に使用される結晶性チタン・シリカライトは、一般に微粉末状で得られるが、その調製は、ZEOLITES,12,943(1992)に開示されているような公知の方法によればよく、例えば、テトラエチルオルトケイ酸と水酸化テトラ−n−プロピルアンモニム水溶液を混合した中へ、チタニウムテトラブトキシドを滴下しゲルを調製した後、オートクレーブ中、170℃、発生圧力下、2〜7日間水熱合成することで得られる。
【0010】
ここで得られる結晶性チタン・シリカライト微粉末のSi/Ti原子比は、7〜10,000、好ましくは10〜200が適当である。
【0011】
また、結晶性チタン・シリカライト微粉末をコーティングする球形担体としては、ある程度の強度を持ち、不活性なものであれば特に限定する必要はなく、例えば、球形シリカゲルや球形アルミナゲルが適当である。また、この球形担体の大きさは、工業的な固定床、流動床あるいは移動床式の反応装置への使用に適した、直径0.2〜20.0mmが好ましい。
【0012】
球形担体表面への結晶性チタン・シリカライトのコーティングは、結晶性チタン・シリカライトの微粉末を結合剤と混合し、スラリー溶液とし、転動されている担体に噴霧することによって行うことができる。
【0013】
結合剤としては、その後の焼成により燃焼し取り去ることができるものであればなんでもよく、例えば、グリセリン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ポリビニルアルコールおよびツイーン80(アルドリッチ社製)などの水溶液が使用できる。
【0014】
結晶性チタン・シリカライト微粉末と結合剤からなるスラリー溶液中の結晶性チタン・シリカライトの濃度は、一般に、1〜80wt%、好ましくは2〜40wt%とするのが適当である。この場合、コーティング層と担体間の結合をより堅固にするために、該スラリー溶液中に、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム、水酸化テトラ−i−プロピルアンモニウムおよび水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム等の第四級有機塩基を0.1〜20.0wt%加えておくことも効果的である。また、コーティング層の結晶性チタン・シリカライト含有量を低減する目的で、あらかじめスラリー溶液中にシリカゲル微粉末(0.1〜5.0μm)、あるいは細かく切断したグラスウール等を結晶性チタン・シリカライト微粉末に対し、0.01〜5重量倍、好ましくは0.1〜2重量倍加えておくことも可能である。
【0015】
該スラリー溶液の球形担体表面への噴霧は、例えば、造粒装置上で球形担体を転動中、スプレーガンを用い、2〜50ml /分で噴霧する等、周知の手段が用いられる。
【0016】
得られたコーティング触媒は、50〜120℃で1〜48時間乾燥後、300〜550℃で1〜12時間焼成される。
【0017】
焼成後のコーティング層の厚さは、球形担体の直径に対する比が、0.0001〜0.1、好ましくは0.01〜0.1が適当である。
【0018】
本発明に従った結晶性チタン・シリカライトコーティング触媒は、過酸化水素とオレフィン化合物から、高選択率でエポキシド化合物を与え、しかも、固定床、流動床あるいは移動床式の反応装置を用いた工業的連続製造法の触媒として有用なものである。
【0019】
本発明の触媒の適用できるエポキシ化反応は、過酸化水素とオレフィン化合物との従来のエポキシ化反応に準ずればよい。
【0020】
例えば、原料として用いる過酸化水素源としては、市販の30wt%過酸化水素水、もしくは2級アルコールを分子状酸素で酸化して得られる、未精製の過酸化水素をそのまま用いることができる。また、エポキシ化されるオレフィン化合物としては、少なくとも1個のエチレン性二重結合を持つ非環式および環式有機化合物で、具体的には、エチレン、プロピレン、2−ブテン、イソブテン、1−オクテン、シクロヘキセン、アリルアルコール、オレイン酸メチル、ジアリルエーテルおよび塩化アリル等があげられる。
【0021】
また、反応は液相反応で、大気圧下で実施できるが、オレフィン化合物がガス状である場合は、それを液相中に溶解させるのに十分な圧力に保つことが好ましい。反応温度は、0〜100℃、好ましくは20〜80℃である。また、反応原料の供給速度は、触媒体積/原料供給速度(V/F)=0.05〜2.0、好ましくは0.05〜0.5である。
【0022】
【実施例】
以下、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0023】
実施例1
結晶性チタン・シリカライト微粉末(Si/Ti原子比=13)50gと、結合剤として20wt%ポリビニルアルコール水溶液150gを室温で1時間混合撹拌し、スラリー溶液を調製した。次に、直径1.8〜2.0mmの球形シリカゲル(富士シリシア化学株式会社製キャリアクト10)250gを遠心流動型造粒装置(フロイント産業株式会社製CF360S)上で転動させ、上記スラリー溶液を5ml/分で噴霧した。この間、転動しやすくするため空気を150 l /分で吹き付け続けた。噴霧終了後、80℃で20時間乾燥させ、300℃で2時間仮焼成を行い、550℃で2時間焼成を行った。これにより、球形シリカゲル1g当たり、結晶性チタン・シリカライトが0.14gの量でコーティングされた触媒が得られた(以下「触媒1」と記す)。
【0024】
図1に電子線マイクロアナライザ(島津EPMA−8705)を用い、加速電圧15kV、照射電流50nA、分光結晶PET(ペンタエリスリトール)、分析範囲3×3mmおよび分析時間262分で分析した触媒断面のチタンの分布図を示す。
【0025】
触媒は真球であり、結晶性チタン・シリカライトコーティング層は、0.01〜0.1mm(コーティング層の厚さ/球形シリカゲルの直径=0.005〜0.056)で触媒全体を完全にコーティングしていることがわかる。
【0026】
実施例2
シリカゲル微粉末20gと20wt%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム水溶液70gを混ぜ、室温で1時間攪拌した。これに、実施例1と同様の結晶性チタン・シリカライト微粉末14g、結合剤としてグリセリン4.2gを加えスラリー溶液を調製した。次に、上記スラリー溶液を10ml/分で実施例1で用いたと同じ球形シリカゲル70g上に噴霧した以外は、実施例1と同様に、コーティング、乾燥、仮焼成、焼成を行ない、球形シリカゲル1g当たり、結晶性チタン・シリカライトが0.1gの量でコーティングされた触媒が得られた(以下「触媒2」と記す)。
【0027】
なお、ここで用いた水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウムは、シリカゲルの表面を溶解する作用があり、その結果コーティング層とシリカゲルとの結合を強固にする働きがある。
【0028】
比較例1
シリカゲル微粉末6g、20wt%水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム20g、水8gを混ぜ、これに実施例1と同様の結晶性チタン・シリカライト微粉末1gを加え、ニーダーで乾燥しながら成形可能な水分量になるまで混練し、押し出し成形機にて外径2mmのワイヤーを得た。次に、実施例1と同様に、乾燥、仮焼成、焼成を行ない、その後、長さ5mmの円筒形となるように切断した(以下「触媒3」と記す)。
【0029】
実施例3
内径12mmのステンレス製カラムに触媒1を2.8ml充填した反応器を作成し、これに、メチルアルコール154g、イソプロパノール181g、ピロリン酸二水素二ナトリウム27mg、30wt%過酸化水素水30gに、プロピレン42gを混ぜた反応原料を、触媒体積/原料供給速度(V/F)=0.1でカラムに通液し、反応温度60℃でプロピレンのエポキシ化反応を行なった。
その結果、過酸化水素基準の反応率95%、酸化プロピレン選択率91%であった。
【0030】
実施例4
触媒1の代わりに触媒2を用い、触媒体積/原料供給速度(V/F)=0.2とした以外は、実施例3と同様にプロピレンのエポキシ化反応を行なった。
その結果、過酸化水素基準の反応率92%、酸化プロピレン選択率89%であった。
【0031】
比較例2
触媒1の代わりに触媒3を用い、触媒体積/原料供給速度(V/F)=0.2とした以外は、実施例3と同様にプロピレンのエポキシ化反応を行なった。
その結果、過酸化水素基準の反応率37%、酸化プロピレン選択率64%であった。
【0032】
比較例3
触媒1の代わりに触媒3を用い、触媒体積/原料供給速度(V/F)=0.6とした以外は、実施例3と同様にプロピレンのエポキシ化反応を行なった。
その結果、過酸化水素基準の反応率63%、酸化プロピレン選択率58%であった。
実施例3および4より触媒量を増やしたにもかかわらず、反応率、選択率ともに低い値であった。
【0033】
実施例5
内径12mmのステンレス製カラムに触媒1を2.8ml充填した反応器を作成し、これに、イソプロパノール335g、ピロリン酸二水素二ナトリウム27mg、30wt%過酸化水素水30gに、イソブテン56gを混ぜた反応原料を、触媒体積/原料供給速度(V/F)=0.2でカラムに通液し、反応温度60℃でイソブテンのエポキシ化反応を行なった。
その結果、過酸化水素基準の反応率82%、酸化イソブテン選択率80%であった。
【0034】
比較例4
触媒1の代わりに触媒3を用い、触媒体積/原料供給速度(V/F)=0.4とした以外は、実施例5と同様にイソブテンのエポキシ化反応を行なった。
その結果、過酸化水素基準の反応率43%、酸化イソブテン選択率61%であった。
実施例5より触媒量を増やしたにもかかわらず、反応率、選択率ともに低い値であった。
【0035】
実施例6
内径12mmのステンレス製カラムに触媒1を2.8ml充填した反応器を作成し、これに、イソプロパノール335g、ピロリン酸二水素二ナトリウム27mg、30wt%過酸化水素水30gに、アリルアルコール58gを混ぜた反応原料を、触媒体積/原料供給速度(V/F)=0.2でカラムに通液し、反応温度60℃でアリルアルコールのエポキシ化反応を行なった。
その結果、過酸化水素基準の反応率84%、グルシドール選択率77%であった。
【0036】
実施例7
内径12mmのステンレス製カラムに触媒1を2.8ml充填した反応器を作成し、これに、ピロリン酸二水素二ナトリウム0.003wt%、過酸化水素2wt%、プロピレン10wt%、イソプロパノール44wt%、メタノール38wt%、水6wt%を反応原料とし、触媒体積/原料供給速度(V/F)=0.1でカラムに通液し、反応温度60℃で100時間連続反応を行なった。反応終了後、カラムに空気を通気しながら、80℃で2時間乾燥し、370℃で13時間焼成して触媒の再生を行なった。これを放冷後、再度上記と同様の連続反応を行なった。上記反応と触媒再生のサイクルを繰り返し行ない、各サイクルの反応における反応時間20時間および100時間での酸化プロピレン収率(%)[過酸化水素基準の反応率(%)×酸化プロピレン選択率(%)÷100]の結果を図2に示す。
本願の触媒は、15サイクル繰り返しても触媒性能の低下は見られなかった。
【0037】
【発明の効果】
本発明の触媒によれば、固定床、流動床あるいは移動床式反応装置により、長期間、高収率および高選択率でエポキシド化合物を経済的に工業的に製造することができる。また、本発明の触媒は、高強度であるので、焼成による再生を繰り返しても、微細化等の形状変化も起こらず、一定の形状が維持され、また、触媒活性が低下しない。
したがって、本発明の触媒は、過酸化水素とオレフィン化合物とから、エポキシド化合物の工業的製造において非常に有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】エポキシ樹脂で包埋後、断面研磨した触媒1の電子線マイクロアナライザによるチタン原子の分布図である。
【図2】実施例7における、各サイクルの酸化プロピレン収率(%)を示す図である。
【符号の説明】
1 コーティング層中のチタン原子
2 球形シリカゲル担体

Claims (2)

  1. 直径0.2〜20.0mmの球形担体表面に、結晶性チタン・シリカライト層をコーティングしてなると共に、結晶性チタン・シリカライト層の厚みの球形担体の直径に対する比が0.0001〜0.1であることを特徴とするオレフィン化合物のエポキシ化用結晶性チタン・シリカライトコーティング触媒。
  2. 球形担体が、アルミナまたはシリカゲルである請求項に記載のオレフィン化合物のエポキシ化用結晶性チタン・シリカライトコーティング触媒。
JP26204094A 1994-09-30 1994-09-30 オレフィン化合物のエポキシ化用結晶性チタン・シリカライトコーティング触媒 Expired - Lifetime JP3609860B2 (ja)

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