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JP3606451B2 - Al系電極膜の製造方法 - Google Patents

Al系電極膜の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Alを主体とするAl系スパッタリングターゲット材で成膜されるAl系電極膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガラス基板上に薄膜デバイスを作製するLCD、薄膜センサ−等に用いる電気配線膜、電極等には従来から主に高融点金属である純Cr膜、純Ta膜、純Ti膜等の純金属膜またはそれらの合金膜が用いられている。LCDの大型化、高精細化に伴い配線膜、電極膜には信号の遅延を防止するために低抵抗化、低応力化とそれら特性の安定化が要求される。
たとえば、12インチ以上の大型カラーLCDに用いられる電極用では15μΩcm以下にすることが要求される。しかし従来のCr、Ta系の高融点合金膜では膜の安定性には優れるが、抵抗値が高く、Crで約30μΩcm、Taで約l80μΩcm、Tiで約60μΩcmである。このため、これら金属より、さらに低抵抗なAl系膜を用いるようになっている。
【0003】
このAl系膜を形成するのに対して、ターゲット材の組成の改良に関する提案も多くなされている。たとえば、純Al膜では比抵抗は低いが耐熱性に問題があり、TFT(Thin−Film−Transistor)製造プロセス上不可避である電極膜形成後の加熱工程(250〜400℃程度)等において、ヒロックといわれる微小な突起が表面に生じるという問題点がある。
このヒロックはストレスマイグレ−ション、サ−マルマイグレ−ション等により発生すると考えられ、このヒロックが発生するとAl配線膜上に絶縁膜や保護膜等を形成し、さらに配線膜、電極膜等を形成しようとした場合に電気的短絡(ショ−ト)や、このヒロックを通してエッチング液等が侵入しAl配線膜が腐食してしまうという問題点がある。
【0004】
このため、純Alではなく、これらの問題を解決する目的で高融点の金属を添加することが検討され、たとえば、特開平4−323872号ではMn、Zr、Crを0.05〜1.0at%添加することが有効であることが述べられている。
また、特公平4−48854号では、Bを0.002〜0.5wt%、Hf、Nb、Ta、Mo、Wを0.002〜0.7wt%添加する方法や、さらにSiを0.5〜1.5wt%加える方法が開示されている。
また、特開平5−65631号ではTi、Zr、Taを0.2〜10at%添加することがヒロックの発生の抑制に効果があることが述べられている。さらに特開平6−299354号や特開平7−45555号で述べられているようにFe、Co、Ni、Ru、Rh、Irを0.1〜10at%、また希土類元素を0.05〜15at%添加する方法や、特開平5−335271号のようにAl−Si合金にCu、Ti、Pd、Zr、Hf、Y、Scを0.01〜3wt%添加する方法が知られている。
このような添加元素は、Alと化合物を形成しAlのマトリックス中に分散するが、形成した化合物は、Alと比重が異なるため、偏析を生じやすい。
そのため特開平5−335271号、特開平6−336673号に記載されるように、偏析を防止する鋳造技術の提案もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、これまでのAl系スパッタリング用タ−ゲット材については、ヒロックを防止するために添加元素を加えたものや、その偏析を防止する鋳造方法に重点が置かれていた。
従来の改良法により、溶解鋳造法によってターゲット材を得る方法では、たとえばできるだけ急冷することによりインゴット組織におけるAlと添加元素とのマクロ的な偏析は防止できる。しかし、鋳造法の場合、組織中に薄片状等の化合物の凝集部分が生じてミクロ的な偏析はどうしても残留するため、LCD配線等の微小な薄膜にとっては、なお偏析の問題が存在している。
【0006】
ターゲット材のマクロ的な偏析を防止する方法として、粉末を混合して焼結する方法が考えられる。
しかし、我々の検討によれば、純Al粉末を原料とする場合、Al粉末原料の大きさが大きいと偏析域が大きくなる。偏析域を小さくするためには、微細な原料粉末を使用することが考えられる。しかし、微細なAl粉末および添加元素粉末は、酸化や発火の対策という取り扱い上の問題と、混合時の粉末の凝集といった製造上の問題から、満足できる均一組織のターゲット材が得られていない。
また、溶製法を開示する特開平6-299354号が指摘するようにAl粉末と合金化元素粉末を混合した焼結ターゲット材では、各元素のスパッタ効率の違いからAl膜中の合金元素濃度が経時的に変動するという問題がある。
本発明の第1の目的は、ミクロ的な組織偏析を防止した新規なAl系ターゲット材をスパッタリングして電極膜を形成するAl系電極膜の製造方法を提供することである。
【0007】
また、Al系ターゲット材においてはインゴットを大きくし、冷間で高い加工率で塑性加工を行ったタ−ゲット材を用いてスパッタするとターゲット材からスプラッシュと呼ばれる異常飛沫が発生する問題がある。スプラッシュとは、タ−ゲット材から発生する異常飛沫のことであり、通常のスパッタ粒子に比較して大きく、このスプラッシュが基板上に付着すると配線間のショ−ト、断線等を引き起こす可能性が高くなり、製造した液晶ディスプレイの歩留まりを大きく低下させてしまう問題がある。
【0008】
このAl系ターゲット材からのスプラッシュの発生は、配線の形成に使用する場合において、不良に直結するため重大な問題である。
特に、大型のLCDを得るために必要な0.3m2以上のスパッタ平面積を有する大型のタ−ゲット材を適用する場合において、高価な大型液晶ディスプレイの不良要因としてその対策が急がれている。
【0009】
本発明者らは、スプラッシュの発生原因を鋭意検討した。その結果スプラッシュの原因がターゲット材中にある微小な空隙にあることを見いだした。
さらに検討した結果、この微小な空隙の発生原因の一つは、溶解鋳造法で大型のインゴットを製造する場合、Alの熱収縮が大きいため発生する引け巣にあることが判明した。
また、もう一つの原因は、Alの溶湯は水素を溶存するが、冷えて固まる際には水素を放出するため、この水素により微細な空隙が発生しやすいということである。特に偏析を防止するために、できるだけ急冷して凝固すると空隙がインゴット中に包括されやすくなる。
【0010】
また、Al以外の添加元素によって生成するAl化合物が、ターゲット材への加工中に割れて、空隙の原因となる場合がある。
本発明者がターゲット材組織における微小な空隙の発生を抑えるべく検討したところ、溶解鋳造法を適用する限りは、引け巣や溶存水素による空隙の発生を抑えることは困難であった。
そのため、本発明者は粉末焼結法を適用することを試みた。粉末焼結法を適用すると、上述した引け巣や溶存水素による空隙の発生を抑制することができる。
【0011】
しかし、単純に上述したようなヒロックを防止する元素の粉末をAl粉末と混合して焼結すると、Alとの反応により粗大な化合物を形成する場合があり、この化合物も、溶解鋳造法によって生成される化合物と同様に加工中に割れやすく、スプラッシュの原因となる空隙を形成してしまうことがわかった。
本発明の第2の目的は、スプラッシュの原因となる微小な空隙の発生を防止したAl系ターゲット材をスパッタリングして電極膜を形成するAl系電極膜の製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ヒロックを防止することを主目的とする遷移元素をAlに添加した合金溶湯から急冷凝固粉末を得てこれを加圧焼結することにより、薄片状に成長しやすいAl化合物の成長を抑え、組織中に均一に化合物が分散した組織を得ることができることを見いだし、この方法で製造した微細組織を有するターゲット材を用いれば、スプラッシュの防止と形成する薄膜の濃度の変動を防止できることを見いだし本発明に到達した。
【0013】
すなわち、本発明は、Alマトリックスに、遷移元素から選択される元素のいずれか1種または2種以上とAlとの化合物が分散した組織を有し、前記遷移元素として3A族元素を必須として含有し、前記組織における長径0.5μm以上の前記化合物を含まないAl域が、内接円径で10μmを越えないAl系スパッタリング用ターゲット材をスパッタリングして電極膜を形成するAl系電極膜の製造方法である。
【0014】
また、好ましくは、Alスパッタリング用ターゲット材の分散する化合物の最大外接円径は、5μm以下であるAl系電極膜の製造方法である
【0015】
本発明においては、特に3A族元素はAlと薄片状の化合物を形成しやすい。そのためターゲット材を製造する行程で化合物が割れてスプラッシュの原因となる空隙を生じやすい。したがって、3A族元素を添加したAl系ターゲット材に対して、本発明は特に有効である。
【0016】
なお、本発明において遷移元素とは、Sc,Y,ランタノイドでなる希土類元素と称される3A族、Ti,Zr,Hfの4A族、V,Nb,Taの5A族、Cr,Mo,Wの6A族、Mn,Tc,Reの7A族、Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Ptの8族、Cu,Ag,Auの1B族である。
これらの遷移元素は、スパッタリングにより薄膜を形成後、典型的には加熱温度150℃〜400℃の熱処理を施すことによって金属間化合物として組織に析出する。析出した化合物は、熱や電位差によりAlの結晶粒の成長、あるいは流動を抑えるピンニングポイントとなり、薄膜にヒロックが発生するのを防止するものである。
また、本発明のAl系スパッタリング用ターゲット材を成膜することによりAl系電極膜を形成することが可能であり、その電極膜を液晶ディスプレイに適用することが可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において、最大の特徴の一つは、Alとの化合物が分散したターゲット材組織において、長径0.5μm以上の前記化合物を含まないAl域(以下Al偏在域と言う)が、前記化合物に対する内接円径で10μm以下という、ミクロ的な組織偏析を防止した新規なAl系スパッタリング用ターゲット材を用いて電極膜を形成したことにある。
上述したように、この微細な組織は、たとえばガスアトマイズ法等のアトマイズ法に代表される溶湯急冷法により作製した粉末を加圧焼結することによって得ることができるものである。
この溶湯急冷法の適用は、従来の溶解鋳造法によるAlの偏析を防止するだけでなく、微細に分散する化合物によって、まず生成薄膜の濃度分布の従来にない均一化を達成することができる。
すなわち、粉末状に急冷凝固させることによって、粗大なデンドライト組織が発達しない微細な化合物が存在する組織の粉末が得られるのである。
【0018】
これを焼結すると、Al偏在域がほとんどない金属組織のターゲット材が得られる。
このターゲット材により、溶解鋳造により得られるターゲット材の問題であった、Al偏在域が存在するためにAl膜中に添加元素の濃度分布が生ずるのを防止できる。また、このように微細な化合物を含んだ急冷凝固粉末を使用することは、従来の粉末焼結ターゲット材のようにAlをAl単体粉末とし、添加元素の単体粉末と混合する場合に問題であった異なる粉末を使用することによるスパッタ効率の違いの問題も解消することができる。
【0019】
本発明において、Al域の定義として長径0.5μm以上の前記化合物を含まない領域とした。Al域に0.5μm未満の化合物が存在している場合には、光学顕微鏡では、同定しにくいためである。
またAl域の内接円径を10μm以下としたのは、これ以上大きい偏在域が存在すると、生成薄膜の組成分布のばらつきが無視できないほど大きくなるためである。
【0020】
また、急冷凝固法を適用すれば、上述した化合物を外接円径を実質的に5μm以下とすることができる。また、ターゲット材の断面組織における0.5μm以上の化合物の長径/短径で規定するアスペクト比を10以下、好ましくは5未満とすることもできる。
Al系ターゲット材にこのようなヒロックを防止する元素を導入する方法としては焼結法の適用が望ましい。添加元素を粉末にしてそのまま導入すると、焼結過程でAlと反応し典型的には、バラの花状の如き粗大な薄片状の化合物あるいは樹状の粗大な化合物を形成する場合が多い。
【0021】
粗大な化合物が存在すると、圧延などの加重により組織内で容易に割れが発生する。この割れた部分に空隙が発生し、スパッタリング時にスプラッシュを発生するのである。
本発明者の検討によれば、スプラッシュの原因となる空隙の発生は、組織中の化合物の形態に依存し、できるだけ微細で、好ましくはアスペクト比の1に近い球状とすることにより、発生を防止できることを見いだした。
上述したように、本発明はターゲット材の断面組織における0.5μm以上の化合物の長径/短径で規定するアスペクト比を5未満とすることが可能であり、圧延等を適用してもスプラッシュの原因の空隙を生成しにくいため好ましいのである。
【0022】
さらに検討した結果、急冷凝固粉末のうち、凝固速度が速い小径、典型的には200μm以下の直径の粒子は、化合物が薄板状に成長せずに微細に凝固できており、これを焼結すれば、圧延などの加工によってもスプラッシュの原因となる空隙の発生を一段と防止できるターゲット材が得られる。
また、本発明において、特に化合物の外接円径を5μm以下としたのは、これ以下の微粒子を分散することにより、トータルの加工率が50%以上であっても、化合物の割れに起因する空隙は発生せず、スプラッシュの増加もないことを確認したためである。
【0023】
上述した粉末原料は、典型的には400℃以上600℃以下で焼結する。400℃未満では、焼結が進行しにくく、600℃を越えるとAlが溶解する危険があるためである。
加圧焼結は、空隙のない緻密な焼結体とするために、好ましくは50MPa以上の圧力で行うものとする。この焼結時に空隙が残留することは、ターゲット材にスプラッシュが発生する原因となるため、できるだけさけなければならない。
【0024】
50%以上の加工率で圧延をする場合、加工温度を高めることにより、加工時の割れを低減することが可能である。
実質的にはAlの再結晶温度以上の400℃以上とし、また圧延等の加工による局所的な温度上昇により、Alの融点を越えない550℃以下とすることが望ましい。
【0025】
【実施例】
(実施例1)
表1に示すAl合金系のインゴットを溶解鋳造し、このインゴットを窒素ガス雰囲気中ガスアトマイズ法により急冷凝固粉末とした後、体積平均径60μmとなるよう分級した。
この粉末を内径133mm高さ15mmの鉄製の缶に充填し、10マイナス3乗Pa以下の圧力に排気を行いながら加熱を行い、脱ガス処理を行った。次に圧力100MPa、温度550℃の条件下でHIP(熱間静水圧プレス)により加圧焼結した後機械加工を施すことにより直径100mm厚さ4mmのターゲット材に加工し、表1に示す本発明で用いるターゲット材を得た。
【0026】
比較例として、体積平均径60μmの純Al粉と体積平均径35μmの添加元素金属粉をロッキングミキサーで混合し、この粉末を内径133mm高さ15mmの鉄製の缶に充填し、本発明の試料と同様に脱ガス処理を行った。次に本発明例と同様にHIPにより加圧焼結した後機械加工を施すことにより直径100mm厚さ4mmのターゲット材に加工し、表1に示す単体焼結ターゲット材(試料No.11、試料No.12)を得た。
また、別の比較例として、合金組成を調整した溶湯を直径150mm高さ100mmの円柱形状の鋳型に鋳造し、機械加工を施して直径100mm厚さ4mmのターゲット材に加工し、表1に示す溶製ターゲット材(試料No.13、試料No.14、試料No.15)を得た。
【0027】
得られた本発明および比較例のターゲット材組織を400倍の光学顕微鏡で組織観察を行い、組織中に存在する化合物の最大長径(化合物の外接円径にほぼ相当)、最大アスペクト比=最大の(長径/短径)値、およびAl域の最大内接円径を測定した。結果を表1に示す。
また、本発明および比較例の典型的な組織として、Al−2原子%Ndの組成の試料において、本発明の試料No.3の組織写真を図1に、比較例の単体焼結ターゲット材の試料No.12の組織写真を図2に、比較例の溶製ターゲット材試料No.14の組織写真を図3にそれぞれ示す。図1〜図3は、それぞれ400倍の光学顕微鏡写真である。
また得られた本発明および比較例のターゲット材の表面を鏡面研磨し、染色浸透探傷法により1μm以上の空隙を検出しその数を表1に付記した。
【0028】
【表1】
Figure 0003606451
【0029】
表1および図1〜図3より明白なように、本発明の試料No.1〜No.7は、微細な化合物が組織中に分散する組織となっている。
一方、比較例の単体焼結ターゲット材は、粗大な化合物が存在する組織となっている。また比較例の溶製ターゲット材においては、単体焼結ターゲット材に比べて化合物は微細になっているが、化合物のアスペクト比が増加し、扁平な化合物となっていること、および化合物が存在しない広いAl域が存在することがわかる。
なお、染色浸透探傷法による空隙は、溶製法のターゲット材がやや多くなる傾向が見られる。
【0030】
得られたターゲット材を用いてDCマグネトロンスパッタリング法により、Ar圧力0.3Pa、投入電力0.5kWの条件下で4インチのSiウェーハー上に膜厚200nmのAl合金膜を形成し、全てのターゲット材について投入電力0.5kWで約1時間使用後、約20時間使用後のそれぞれについて成膜した膜の組成変化を調べた。
また上記成膜条件にてターゲット材1枚につき10枚の膜を成膜し、膜表面上に認められた5μm以上の異物をスプラッシュと見なし、基板1枚当たりの平均数を算出した。結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
Figure 0003606451
【0032】
表2に示すように、本発明で用いるターゲット材試料No.1ないしNo.7は、スパッタリング期間においてほとんど遷移金属の濃度は変化しない。
これに対して、比較例の単体焼結ターゲット材試料No.11およびNo.12は、形成した薄膜中の遷移金属濃度が上昇する傾向があり、好ましくないことが認められる。
また、比較例の溶製ターゲット材では、形成した薄膜中の遷移金属の濃度の変動は、単体焼結ターゲット材に比べて小さいが、本発明のターゲット材よりも大きいものとなっている。
また、溶製ターゲット材では、欠陥数が多いことに対応して、スプラッシュの発生が多くなり、好ましくないことがわかる。
【0033】
(実施例2)
表3に示すAl合金系のインゴットを溶解鋳造し、このインゴットを窒素ガス雰囲気中ガスアトマイズ法により急冷凝固粉末とした後、体積平均径60μmとなるよう分級した。
この粉末を330mm×530mm×50mmの鉄製の缶に充填し、10マイナス3乗Pa以下の圧力に排気を行いながら加熱を行い、脱ガス処理を行った。次に圧力100MPa、温度550℃の条件下でHIP(熱間静水圧プレス)により加圧焼結した後、圧延、機械加工を施すことにより550mm×690mm×6mmのターゲット材に加工し、本発明で用いるターゲット材を得た。
【0034】
比較例として、体積平均径60μmの純Al粉と体積平均径35μmの添加元素金属粉をロッキングミキサーで混合し、この粉末を330mm×530mm×50mmの鉄製の缶に充填し、本発明の試料と同様に脱ガス処理を行った。次に本発明例と同様にHIPにより加圧焼結した後、圧延、機械加工を施して550mm×690mm×6mmのターゲット材に加工し、表3に示す単体焼結ターゲット材(試料No.31、試料No.32)を得た。
また、別の比較例として、合金組成を調整した溶湯を330mm×530mm×50mmの鉄製平板形状の鋳型に鋳造し、これを圧延し、ついで機械加工を施し550mm×690mm×6mmのターゲット材に加工し、表3に示す溶製ターゲット材(試料No.33、試料No.34、試料No.35)を得た。
【0035】
実施例1と同様に、得られた本発明および比較例のターゲット材組織を観察し、組織中に存在する化合物の最大長径(化合物の外接円径にほぼ相当)、最大アスペクト比=最大の(長径/短径)値、およびAl域の最大内接円径を測定した。
また、本発明および比較例の典型的な組織として、Al−2原子%Ndの組成の試料において、本発明の試料No.23の組織写真を図4に、比較例の単体焼結ターゲット材の試料No.32の組織写真を図5に、比較例の溶製ターゲット材試料No.34の組織写真を図6にそれぞれ示す。図4〜図6は、それぞれ400倍の光学顕微鏡写真である。
また得られた本発明および比較例のターゲット材の表面を鏡面研磨し、染色浸透探傷法により1μm以上の空隙を検出しその数を表3に付記した。
【0036】
【表3】
Figure 0003606451
【0037】
表3および図4〜図6より明白なように、本発明の試料No.21〜No.27は、微細な化合物が組織中に分散する組織となっている。
一方、比較例の単体焼結ターゲット材は、粗大な化合物が存在する組織となっている。また、この単体焼結ターゲット材は、図5の写真の黒色分に対応する大きな空隙が形成されている。これは、圧延によって化合物にクラックが入り、空隙を生じたものである。
また比較例の溶製ターゲット材においては、単体焼結ターゲット材に比べて化合物は微細になっているが、化合物が存在しない広いAl域が残存している。
また、実施例1と比較すると欠陥数がやや増加している。これはアスペクト比の大きい化合物が割れて、空隙を生じたものと推測された。
【0038】
得られたターゲット材を用いてDCマグネトロンスパッタリング法により、Ar圧力0.3Pa、投入電力11kWの条件下で370mm×470mm×1.1mmのガラス基板上に膜厚200nmのAl合金膜を形成した。全てのターゲット材について投入電力0.5kWで約1時間使用後、約20時間使用後のそれぞれについて成膜した膜の組成変化を調べた。
また、上記成膜条件にてターゲット材1枚につき10枚の膜を成膜し、膜表面上に認められた5μm以上の異物をスプラッシュと見なし、基板1枚当たりの平均数を算出した。結果を表4に示す。
【0039】
【表4】
Figure 0003606451
【0040】
表4に示すように、本発明で用いるターゲット材試料No.21ないしNo.27は、スパッタリング期間においてほとんど遷移金属の濃度は変化しない。
これに対して、比較例の単体焼結ターゲット材試料No.31およびNo.32は、形成した薄膜中の遷移金属濃度が大幅に上昇する傾向があり、好ましくないことが認められる。さらに、表3に示すように、圧延の適用によりターゲット材中に多数の空隙が発生し、これに伴ってスプラッシュ数が著しく増加し、好ましくないことがわかる。
また、比較例の溶製ターゲット材では、形成した薄膜中の遷移金属の濃度の変動は、実施例1と同様に、単体焼結ターゲット材に比べて小さいが本発明で用いるターゲット材よりも大きいものとなっている。
また、溶製ターゲット材では、単体焼結ターゲット材ほどではないが、本発明のターゲット材に比べて欠陥数が多く、これに伴ってスプラッシュの発生が多くなっていることがわかる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、膜組成の変動をなくすとともに、欠陥を少なくでき、結果としてスプラッシュを抑制することが可能となった。したがって、本発明は今後さらに大型化が求められるLCDの品質向上を達成する上で極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるターゲット材の金属ミクロ組織を示す写真である。
【図2】比較例の単体焼結ターゲット材の金属ミクロ組織を示す写真である。
【図3】比較例の溶製ターゲット材の金属ミクロ組織を示す写真である。
【図4】本発明で用いる圧延処理したターゲット材の金属ミクロ組織を示す写真である。
【図5】比較例の圧延処理した単体焼結ターゲット材の金属ミクロ組織を示す写真である。
【図6】比較例の圧延処理した溶製ターゲット材の金属ミクロ組織を示す写真である。

Claims (2)

  1. Alマトリックスに、遷移元素から選択される元素のいずれか1種または2種以上とAlとの化合物が分散した組織を有し、前記遷移元素として3A族元素を必須として含有し、前記組織における長径0.5μm以上の前記化合物を含まないAl域が、内接円径で10μmを越えないAl系スパッタリング用ターゲット材をスパッタリングして電極膜を形成することを特徴とするAl系電極膜の製造方法
  2. Alスパッタリング用ターゲット材の分散する化合物の最大外接円径は、5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のAl系電極膜の製造方法。
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