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JP3695000B2 - 露光方法及び露光装置 - Google Patents

露光方法及び露光装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体素子等をフォトリソグラフィ技術を用いて製造する際に、フォトマスク又はレチクル(以下、マスクという)のパターンを投影光学系を介して、フォトレジスト等の感光剤が塗布された半導体ウエハ又はガラス基板等の感光基板上の各ショット領域に投影露光するステップ・アンド・リピート方式の露光装置が使用されている。
【0003】
感光基板は基板ステージ上に保持され、投影光学系の光軸(Z方向)に垂直な面内(XY平面)で2次元方向に駆動される。基板ステージには移動鏡が固定され、レーザ干渉計で移動鏡との間の距離を測定することにより基板ステージのXY平面内の座標位置が検出される。基板ステージ制御系は、このレーザ干渉計によって定められる基板ステージ座標系に対して基板ステージを所定量だけステップ移動させることで、感光基板上の各ショット領域が投影光学系の露光フィールドに一致するように移動させる。
【0004】
また最近では、マスクと感光基板とを投影光学系に対して同期して走査することにより、投影光学系の有効露光フィールドより広い範囲のショット領域へのパターン露光が可能な走査露光方式の露光装置が開発されている。走査露光方式の露光装置としては、1枚のマスクのパターンの全体を等倍で1枚の感光基板の全面に逐次投影露光する方式の露光装置と、感光基板上の各ショット領域への露光を縮小投影で且つ走査露光方式で行うと共に、各ショット領域間の移動をステッピング方式で行うステップ・アンド・スキャン方式の露光装置が知られている。
【0005】
いずれの露光装置においても、感光基板上に既に形成されているパターンにマスクのパターンを高い重ね合わせ精度で転写するために、マスクと感光基板とを高度に位置合わせ(アライメント)することが求められている。このためにマスクに形成されたマスクアライメントマークや感光基板上に形成された基板アライメントマークを露光装置に備えられたアライメントセンサで検出することで、マスクと感光基板のアライメントが行われる。
【0006】
アライメントマークを検出するためのアライメントセンサとしては、投影光学系を介して感光基板の位置を測定するTTL(スルー・ザ・レンズ)方式、投影光学系及びマスクを介してマスクと感光基板の位置関係を測定するTTM(スルー・ザ・マスク)方式、及び投影光学系を介することなく直接感光基板の位置を測定するオフ・アクシス方式等の種々のアライメントセンサが設けられている。複数のアライメントセンサ間のキャリブレーションや、オフアクシス・アライメント系と投影光学系との間の距離、いわゆるベースライン量は基板ステージ上に設けられた基準マークを用いて行われる。
【0007】
また、一般に露光装置においては、開口数(N.A.)が大きく焦点深度の浅い投影光学系が使用されるため、微細なパターンを高い解像度で転写するには感光基板の表面を投影光学系の結像面に合わせ込むための機構が必要である。そこで、感光基板のショット領域内に複数の計測点を設定して各計測点にスリット像を斜入射方式で投射し、各計測点で反射されたスリット像を検出器上に再結像させ、その再結像位置からショット領域の光軸方向位置(焦点位置)やショット面の傾きを検出する斜入射式の多点オートフォーカス(AF)系などを備えている。多点AF系による検出結果に基づいて、ショット領域の表面を投影光学系のベストフォーカス面に平行に合わせ込むオートレベリング制御と、感光基板の表面の焦点位置を投影光学系のベストフォーカス位置に合わせ込むオートフォーカス制御とを行うことにより、各ショット領域の全域を投影光学系のベストフォーカス面に対して焦点深度の範囲内に合わせ込んでいた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
感光基板のショット領域へのパターン露光を繰り返すと、露光照射熱によって感光基板の温度が上昇する。フォトレジストを露光するとフォトレジスト中で光化学反応が生じるが、この光化学反応が発熱反応である場合にはさらに感光基板が加熱されることになる。感光基板は基板ステージと熱的に接触しており、感光基板に生じた熱は、感光基板と基板ステージが熱平衡に近づくように熱伝導によって基板ステージに移る。
【0009】
感光基板に生じた熱及び基板ステージに伝達された熱の一部は感光基板及び基板ステージに接触している周囲雰囲気に放散されるが、残りの熱はパターン露光を反復するうちに次第に基板ステージに蓄積され、基板ステージの温度が上昇する。基板ステージの温度が上昇すると次の2つの問題が生じる。
【0010】
第1の問題は、マスクと感光基板のアライメントに与える影響である。前述のように、露光装置は種々のアライメントセンサを備えており、アライメントセンサは基板ステージ上に設けられている基準マークを用いてキャリブレーションされる。例えばオフアクシス・アライメント系は、基準マークを用いてベースライン量の管理が行われている。この基準マークは、例えば石英ガラス上にクロムでパターンを描いたものを基板ステージ上面に固定したものであり、基板ステージの温度が変化すると基準マークが微小量ではあるが回転を生じる。
【0011】
また、基板ステージにはその位置座標を計測するための移動鏡が固定されているが、基板ステージの温度が上昇すると、移動鏡支持部材等が熱変形を起こして移動鏡の取り付け位置や取り付け角度が変化する。このような移動鏡の位置変動あるいは角度変動によっても移動鏡と基準マークが相対回転を生じ、ベースライン計測に影響を与える。また、移動鏡が変形すると、ステージ座標系の直交度に誤差が生じたり、オフセットを生じることにもなる。
【0012】
第2の問題は、オートフォーカスに与える影響である。露光装置は、温調機によって雰囲気温度が一定に維持されたチャンバー内に配置されている。基板ステージの温度が上昇すると、周囲雰囲気との間に温度差が生じ、基板ステージの周辺に空気揺らぎが発生する。オートフォーカス検出系、例えば斜入射AF系は基板ステージ上に載置された感光基板に対して斜め方向から検出光を入射させ、感光基板表面からの反射光を検出する。したがって、基板ステージの周辺に空気揺らぎが発生していると、AF系の検出光の光路中の空気が揺らぐためオートフォーカスの検出精度が低下する。
【0013】
露光光の照射によって温度上昇した基板ステージを冷却する方法として、基板ステージに冷却管を配設し、その冷却管に冷却液を流す液冷による冷却方法と、空冷による冷却方法とが考えられる。しかし、基板ステージには、感光基板をXY平面内で移動させるためのXステージ及びYステージ、感光基板をZ方向に移動させてフォーカス制御を行うためのZステージ、基板載置面を傾斜させてレベリング制御を行うためのチルト機構、感光基板搬送機構との間で感光基板を受渡しするための機構等が組み込まれており、それに液冷のための冷却管を配設するとなると基板ステージが構造的に非常に複雑になる。また、液冷方式では、ポンプと基板ステージとの間に冷却液を流すための配管を引き回す必要があり、基板ステージは配管を引きずって移動しなければならないため基板ステージ駆動手段に大きな負荷がかかる。また、空冷方式は冷却効率が悪い。
【0014】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、基板ステージに液冷手段や空冷手段等の冷却手段を設けることなく、パターン露光を反復しても基板ステージに熱が蓄積されることのない露光装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、露光照射熱に相当する熱量分だけ予め温度を下げた感光基板を基板ステージにローディングすることにより前記目的を達成する。なお、本明細書において、熱の影響を考える上では、露光装置の構成部分の中で感光基板を載置して移動する部分を基板ステージといい、基板ホルダー、移動鏡等も基板ステージの一部と考える。
【0016】
すなわち、本発明は、基板ステージ上に感光基板を載置し、感光基板にマスクのパターンを露光する露光方法において、1枚の感光基板を露光する間に基板ステージに蓄積される熱量を算出するステップと、その感光基板を露光する前の基板ステージの温度に対して、その熱量に相当する温度だけ低い温度に感光基板を温調するステップと、温調されたその感光基板を前記基板ステージ上に載置するステップとを有することを特徴とする。
【0017】
1枚の感光基板を露光する間に基板ステージに蓄積される熱量は、マスクの透過率、感光基板の反射率、フォトレジスト等の感光剤の特性、1枚の感光基板当たりのショット数、1枚の感光基板を露光するのに要する時間、アライメントに要する時間等、種々のパラメータに依存して決まり、計算で求めることも可能ではあるが実験的に求めるのが実際的である。
【0018】
例えば、1の感光基板を露光する間に基板ステージに蓄積される熱量は、基板ステージにその基板ステージと略等しい温度の感光基板を載置してマスクのパターンを露光したとき生じる基板ステージの温度上昇を計測することによって求めることができる。
【0019】
感光基板の除熱は、感光基板の目標温度に略等しい温度に冷却された温調プレートに感光基板を所定時間接触させることにより行うことができる。温調プレートの冷却は、冷却液を用いて液冷方式で、あるいはペルティエ素子等を用いて電気的に行うことができる。
【0020】
温調プレートの温度制御は、1枚の感光基板への露光終了後に基板ステージの温度を計測し、その計測された温度に基づいて行うことができる。温度計測はテスト用の感光基板を用いて行ってもよいし、複数枚の感光基板からなるロットのうちの1枚目の感光基板を露光する際に行ってもよい。
【0021】
感光基板の除熱は、温調プレート以外にも、感光基板の目標温度に略等しい温度に雰囲気温度が設定された空間に感光基板を所定時間静置することにより行うこともできる。この場合においても、感光基板の目標温度に略等しい温度に雰囲気温度が設定された空間中に熱伝導率の高い材料からなる基板載置用プレートを配置しておき、周囲雰囲気と熱平衡状態にあるプレート上に感光基板を載置して固体同士の接触によって感光基板を冷却するのが、冷却効率が高く好ましい。
【0022】
また、本発明は、感光基板を保持する基板ステージと、マスクに形成されたパターンを感光基板上に投影する投影光学系とを含む露光装置において、基板ステージに保持される前に、感光基板を載置して、その感光基板を露光する前の基板ステージの温度に対して、1枚の感光基板を露光する間に基板ステージに蓄積される熱量に相当する温度だけ低い温度に感光基板を温調する温調プレートを備えることを特徴とする。
【0023】
温調プレートの温度制御は、基板ステージに温度センサを取り付け、温度センサの出力を用いて行うことができる。
本発明によると、基板ステージに冷却液を流すための配管を設ける必要がない。また、感光基板を温調プレート及び基板ステージと接触させて熱交換する、いわば固冷法であるため、空冷法より効果的に除熱することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による露光装置の一例を説明する概略図である。水銀ランプやエキシマレーザーのような光源1からの照明光は、照明光反射部材2a〜2cにより反射されながら照明光学系3a〜3cを通り、均一な照明光に整形される。照明光学系3a〜3cで均一化された照明光は、パターンが形成されたマスク4を均一に照明し、マスク4のパターンは投影光学系5によってフォトレジストの塗布された感光基板6上に像を結び、転写される。感光基板6は、基板ホルダー7に固定されて2次元方向に移動可能な基板ステージ8上に載置されている。
【0025】
また、投影光学系5の近くには、感光基板6上に形成されたアライメントマークや基板ステージ8上に設けられた基準マーク14(図2参照)を検出するためのアライメント系13が設けられている。さらに、感光基板の焦点位置(Z方向位置)を検出するために、投光系16と受光系17からなる斜入射AF系が設けられている。この斜入射AF系は、例えば特開平5−275313号公報に記載されているような周知の構成のものである。
【0026】
基板ステージ8には、図2(a)の平面図及び図2(b)のA−A断面図に示すように、図示しないレーザ干渉計からのレーザ光が照射されて基板ステージ8のX方向位置を検出するために使用されるX方向移動鏡15X、Y方向位置を検出するために使用されるY方向移動鏡15Y、及び基準マーク14が設けられている。また、基板ステージ8の基板ホルダー7には、熱電対や白金抵抗体からなる温度センサー12が設けられており、温度センサー12の出力は制御手段29に入力されている。温度センサー12は、例えば12aで示すように基板ホルダー7の表面に埋め込んで取り付けてもよいし、12bで示すように基板ホルダー7の側面に密着して取り付けてもよい。
【0027】
図1に戻り、露光前の感光基板9は、感光基板待機位置で温調プレート20上に載置されて待機している。感光基板待機位置と基板ステージ8上の基板ホルダー7の間での感光基板の受け渡しは、基板搬送手段11によって行われる。温調プレート20の温度T2は、基板ステージ8の周囲雰囲気の温度T1より低い温度に設定されている(T2<T1)。1枚の感光基板6が基板ステージ8の基板ホルダー7上にロードされて露光されているとき、次に露光すべき感光基板9は温調プレート20上に載置されている。低温の温調プレート20上に載置された感光基板9は温調プレート20と接触して熱交換し、温調プレート20上から取り出されるまでに温調プレート20とほぼ熱平衡に達して、温度T2まで冷却されている。
【0028】
図3は温調プレートの一例の詳細を説明する図であり、(a)は温調プレートの上面図、(b)はそのA−A断面図、(c)は底面図である。
温調プレート20はアルミニウム合金やセラミック等の熱伝導率の高い材料で作られており、中央部分に感光基板を受け渡しするために上下動を行う基板上下動手段21が設けられている。基板上下動手段21は、温調プレート20を上下に貫通する貫通孔22a〜22cに遊嵌する3本のスピンドル21a〜21cを有する。各スピンドル21a〜21cは先端に真空吸着用の吸着孔を有し、先端に感光基板を吸着保持した状態で駆動手段23によりスピンドル21a〜21cを上下させることにより、基板搬送手段11との間に感光基板の受け渡しが行われる。
【0029】
温調プレート20の表面には真空吸着孔24a〜24dが設けられており、温調プレート20に感光基板を載置した状態で各真空吸着孔24a〜24dを真空排気手段25で真空排気することで、感光基板9は温調プレート20上に密着保持される。
【0030】
また、温調プレート20の裏面には冷却配管26が配設されており、温調機27によって所定温度に冷却された冷却液を冷却配管26に流通させることにより温調プレート20の冷却が行われる。温調プレート20には熱電対や白金抵抗体等からなる温度センサー28が埋め込まれており、制御手段29は温度センサー28の出力をモニターしながら温調プレート20が設定温度T2になるように温調機27を制御する。制御手段は、基板上下動手段21の駆動手段23及び真空排気手段25の制御も行う。
【0031】
図4は、温調プレートの他の例を示す説明図である。この例の温調プレートは、冷却を冷却液で行う代わりにペルティエ素子を用いて行う点でのみ図3の温調プレートと相違する。なお、図4は図3(b)に相当する断面図であり、図3と同じ部分には図3と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0032】
図示するように、温調プレート20の下面にはペルティエ素子30が冷却面を温調プレート20に接触して配置されている。ペルティエ素子30の放熱面には放熱フィン31が設けられている。ペルティエ素子30は電源32に接続されており、制御手段29は温度センサー28の出力をモニターしながら温調プレート20が設定温度T2になるように電源電流を制御する。
【0033】
次に、温調プレート20の設定温度T2の決定方法について説明する。いま、基板ステージ8の周囲空間が温度T1で空調されているとき、温調プレート20の温度T2は、温度T1と次の関係を有するように設定される。
T2=T1−ΔT
【0034】
1枚の感光基板を露光する間に露光光が熱に変わるエネルギーをE(J)、感光基板の体積をV(m3 )、感光基板の熱容量をC(J/K・m3 )とすると、温度差ΔTは以下の式で表される。
ΔT=E/(C・V)
【0035】
ただし、感光基板の露光時間はフォトレジストの種類、膜厚、下地の反射率等により変わるため、それに応じて感光基板で発生する熱エネルギーも異なり、温度T2も変わることになる。また、感光基板6で発生した熱は全てが基板ステージ8に伝達されるわけではなく、一部は周囲雰囲気によって持ち去られる。したがって、T2は計算で求めるより実測で求めるのが実際的である。
【0036】
次に、図5のフローチャートを用いて、実測によって温調プレート20の設定温度T2を決定する方法の一例について説明する。この方法は、基板ステージ8の基板ホルダー7に取り付けられた温度センサー12の出力を利用する方法である。まず、図5のステップ11で基板ステージ8と同じ温度T1の感光基板6を基板ステージ8上にローディングし、基板ステージ8をステッピングさせながら全てのショット領域に露光する。ステップ12では、1枚の感光基板6の全ショット領域の露光が終了した後に、基板ステージ8の温度上昇ΔTsを測定する。感光基板6、基板ホルダー7及び基板ステージ8は、相互間の熱伝導が良好であって熱平衡状態にあるため、制御手段29は、感光基板6の露光前後の温度センサー12の出力差から基板ステージ8の温度上昇ΔTsを知ることができる。
【0037】
続いて、ステップ13において、制御手段29はステップ12で求めた基板ステージ8の温度上昇ΔTsから、1枚の感光基板を露光する間に基板ステージ8に蓄積された熱量Qを求め、感光基板から熱量Qだけ除熱するのに必要な冷却温度ΔTpを求める。このとき、基板ステージ8の温度上昇と基板ステージ8に蓄積された熱量との間の関係、及び感光基板の温度差と熱量との間の関係は予め実験的に求められた関係を用いる。
【0038】
ステップ14で、制御手段29は、温調機27(図3)又は電源32(図4)に指令して温調プレート20の温度を次式で示される温度T2に設定する。
T2=T1−ΔTp
【0039】
このように、1枚の感光基板の露光で基板ステージに蓄積される熱量の分だけ予め除熱した感光基板を基板ステージ上に載置することにより、感光基板の露光によって基板ステージに熱が蓄積されることを防ぐことができる。したがって、感光基板の露光を継続しても基板ステージの温度が上昇することがないので、基板ステージ8上の基準マーク14が回転してマスク4と感光基板6のアライメント精度が低下したり、空気揺らぎによってオートフォーカス精度が低下する問題を回避することができる。
【0040】
また、基板ステージ8に設けられた温度センサー12は常時基板ステージ8の温度を検出しており、制御手段29は、温度センサー12の出力から感光基板の露光終了時に基板ステージ8の温度が予定温度のT1から変化していることを検知した場合には、露光終了時の基板ステージ8の温度がT1に近づくように温調プレート20の温度を設定温度のT2から変更するように指令することもできる。具体的には、図3に示したように冷却液で冷却する温調プレートを用いる場合には温調機27の温度設定を変更するように指令し、図4に示したようにペルティエ素子30で冷却する温調プレートを用いる場合には電源32の電流を変更するように指令する。
【0041】
図6は、本発明による露光装置の他の例を説明する概略図である。前述の露光光装置は、冷却液又はペルティエ素子によって所定温度に冷却される温調プレートを用いて感光基板を冷却した。それに対して、この例は、雰囲気温度が温度T2に設定されたチャンバー内に感光基板を静置することにより、感光基板を除熱する例である。
【0042】
ここでは、次に露光すべき感光基板9を載置する基板載置プレート40と基板搬送部11をチャンバー41で覆い、チャンバー41の内部を一定温度に冷却されたエアーで満たす。基板載置プレート40は、例えばアルミニウム合金やセラミックス等、熱伝導率の高い材料で作られている。冷却エアーは、圧送ファン46で吸引されたエアーを温調機47を通して所定の温度に冷却し、それを送風配管48を通してチャンバー41内に送風される。チャンバー41を満たした冷却エアーは排気管49を通して露光装置の外部に排出される。基板載置プレート40には温度センサー50が設けられており、制御手段51は温度センサー50の出力をモニターしてチャンバー41内の温度が設定温度になるように温調機47を制御する。
【0043】
この例においても、温度センサー12は常時基板ステージ8の温度を検出しており、制御手段51は、温度センサー12の出力から感光基板の露光終了時に基板ステージ8の温度が予定温度のT1から変化していることを検知した場合には、露光終了時の基板ステージ8の温度がT1に近づくように温調機47の設定温度をT2から変更するように指令することもできる。
【0044】
チャンバー41の入口及び出口にはシャッター42,44が設けられている。各シャッター42,44は、チャンバー41に感光基板9を出し入れするときのみシャッター駆動手段43,45によって開けられ、それ以外の時は閉じられて、チャンバー41内の温度を一定に保つともに、冷気がチャンバー41から外部に漏れ出て、露光装置内の温度を乱すことを防いでいる。
【0045】
基板ステージ8の基板ホルダー7上に載置された感光基板6が露光されているとき、次に露光すべき感光基板9は冷却エアーが満たされたチャンバー41内の基板載置プレート40上に載置され、冷却エアーによって温度T2に冷却された基板載置プレート40及び周囲の冷却エアーと熱交換し、温度T2まで冷却される。その後、シャッター駆動手段45によりシャッター44を開けて基板搬送部11により基板ステージ8の基板ホルダー7上に載置され、露光される。
【0046】
【発明の効果】
本発明によると、基板ステージに液冷手段や空冷手段等の冷却手段を設けることなく、パターン露光を反復しても基板ステージに熱が蓄積されることがない露光装置を得ることができ、マスクと感光基板のアライメント精度やオートフォーカス精度を高精度に保ったまま連続した露光を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による露光装置の一例を説明する概略図。
【図2】基板ステージの概略図であり、(a)は平面図、(b)はそのA−A断面図。
【図3】温調プレートの一例の詳細を説明する図であり、(a)は温調プレートの上面図、(b)はそのA−A断面図、(c)は底面図。
【図4】温調プレートの他の例を示す略断面図。
【図5】温調プレートの設定温度を決定する方法の一例を示すフローチャート。
【図6】本発明による露光装置の他の例を説明する概略図。
【符号の説明】
1…光源、2a〜2c…照明光反射部材、3a〜3c…照明光学系、4…マスク、5…投影光学系、6…感光基板、7…基板ホルダー、8…基板ステージ、9…感光基板、11…基板搬送手段、12…温度センサー、13…アライメント系、14…基準マーク、15X…X方向移動鏡、15Y…Y方向移動鏡、16…投光系、17…受光系、20…温調プレート、21…基板上下動手段、21a〜21c…スピンドル、22a〜22c…貫通孔、23…駆動手段、24a〜24d…真空吸着孔、25…排気手段、26…冷却配管、27…温調機、28…温度センサー、29…制御手段、30…ペルティエ素子、31…放熱フィン、32…電源、40…基板載置プレート、41…チャンバー、42,44…シャッター、43,45…シャッター駆動手段、46…圧送ファン、47…温調機、48…送風配管、49…排気管、50…温度センサー、51…制御手段

Claims (7)

  1. 基板ステージ上に感光基板を載置し、前記感光基板にマスクのパターンを露光する露光方法において、
    1枚の感光基板を露光する間に前記基板ステージに蓄積される熱量を算出するステップと、
    前記感光基板を露光する前の前記基板ステージの温度に対して、前記熱量に相当する温度だけ低い温度に前記感光基板を温調するステップと、
    温調された前記感光基板を前記基板ステージ上に載置するステップと
    を有することを特徴とする露光方法。
  2. 前記1の感光基板を露光する間に前記基板ステージに蓄積される熱量は、前記基板ステージに該基板ステージと略等しい温度の感光基板を載置してマスクのパターンを露光したとき生じる基板ステージの温度上昇を計測することによって求めることを特徴とする請求項1記載の露光方法。
  3. 前記感光基板の除熱は、前記感光基板の目標温度に又は該目標温度に略等しい温度に冷却された温調プレートに前記感光基板を所定時間接触させることにより行うことを特徴とする請求項1又は2記載の露光方法。
  4. 1枚の感光基板への露光終了後に前記基板ステージの温度を計測し、計測された温度に基づいて前記温調プレートの温度を制御することを特徴とする請求項3記載の露光方法。
  5. 前記感光基板の除熱は、前記感光基板の目標温度に又は該目標温度に略等しい温度に雰囲気温度が設定された空間に前記感光基板を所定時間静置することにより行うことを特徴とする請求項1記載の露光方法。
  6. 感光基板を保持する基板ステージと、マスクに形成されたパターンを前記感光基板上に投影する投影光学系とを含む露光装置において、前記基板ステージに保持される前に、前記感光基板を載置して、前記感光基板を露光する前の前記基板ステージの温度に対して、1枚の感光基板を露光する間に前記基板ステージに蓄積される熱量に相当する温度だけ低い温度に前記感光基板を温調する温調プレートを備えることを特徴とする露光装置。
  7. 前記基板ステージに取り付けられた温度センサと、前記温度センサの出力によって前記温調プレートの温度を制御する制御手段とを備えることを特徴とする請求項6記載の露光装置。
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