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JP3690589B2 - スルホン酸含有ポリイミダゾール化合物およびその成型物 - Google Patents

スルホン酸含有ポリイミダゾール化合物およびその成型物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子電解質膜として有用なスルホン酸基含有ポリイミダゾール系化合物および樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体電解質のかわりに高分子固体電解質をイオン伝導体として用いる電気化学的装置の例として、水電解槽や燃料電池を上げることができる。これらに用いられる高分子膜は、カチオン交換膜としてプロトン導電率とともに化学的、熱的、電気化学的および力学的に十分安定なものでなくてはならない。このため、長期にわたり使用できるものとしては、主に米デュポン社製の「ナフィオン(登録商標)」を代表例とするパーフルオロカーボンスルホン酸膜が使用されてきた。しかしながら、100℃を越える条件で運転しようとすると、膜の含水率が急激に落ちるほか、膜の軟化も顕著となる。このため、将来が期待されるメタノールを燃料とする燃料電池においては、膜内のメタノール透過による性能低下がおこり、十分な性能を発揮することはできない。また、現在主に検討されている水素を燃料として80℃付近で運転する燃料電池においても、膜のコストが高すぎることが燃料電池技術の確立の障害として指摘されている。
【0003】
このような欠点を克服するため、芳香族環含有ポリマーにスルホン酸基を導入した高分子電解質膜が種々検討されている。例えば、ポリアリールエーテルスルホンをスルホン化したもの(Journal of Membrane Science, 83, 211(1993))、ポリエーテルエーテルケトンをスルホン化したもの(特開平6−93114)、スルホン化ポリスチレン等である。しかしながら、ポリマーを原料として芳香環上に導入されたスルホン酸基は酸または熱により脱スルホン酸反応が起こりやすく、燃料電池用電解質膜として使用するには耐久性が十分であるとは言えない。
【0004】
高耐熱、高耐久性のポリマーとしてはポリイミダゾールなどの芳香族ポリアゾール系のポリマーが知られており、これらのポリマーにスルホン酸基を導入して上記目的に利用することが考えられる。このようなポリマー構造として、スルホン酸を含有したポリベンズイミダゾールについては、UnoらのJ. Polym. Sci., Polym. Chem., 15, 1309(1977)における3,3‘−ジアミノベンジジンと3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸または2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸から合成するものが、USP−5312895では1,2,4,5−ベンゼンテトラミンと2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸を主成分として合成するものが報告されている。しかしこれらの報告では、スルホン酸含有ポリベンズイミダゾールの溶解性や耐熱性などには注意が向けられているが、電解質膜用途などスルホン酸基が持つ電気化学的特性について顧みられることはなかった。特に、これらの物は、耐熱性、耐溶剤性、機械的特性とイオン伝導特性を両立させる点で劣り、高分子電解質膜などには使用するには不適であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐熱性、耐溶剤性、機械特性など優れた性質を持つポリイミダゾール系ポリマーにスルホン酸基を導入することにより、加工性、耐溶剤性、耐久安定性だけでなくイオン伝導性にも優れた高分子電解質となりうる新規な高分子材料を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、スルホン酸基を含有する特定のポリイミダゾール類において、優れた加工性、耐久性、耐溶剤性、機械特性とイオン伝導性を示す高分子電解質を得るに至った。
【0007】
すなわち本発明は、一般式(1)、(2)で表される繰り返し単位からなる重合体を主成分とし、濃硫酸中で測定した対数粘度が0.25以上であり、繰り返し単位が複数の場合主としてランダムおよび/または交互的に結合していることを特徴とするスルホン酸基含有ポリイミダゾール化合物である。
【0008】
【化2】
Figure 0003690589
(式中、Xは−O−,−SO2−,−C(CH32−,−C(CF32−,−OPhO−を、Arは芳香族基を、mは1から4の数を、nは0.2以上1.0以下の数を、Phはベンゼン環を示す。)
mが4以上であれば、耐水性を保持しながら高いイオン伝導性を保持することが困難となる。n=1の場合は、すべての繰り返し単位がスルホン酸基を含有するホモポリマーとなる。本発明の成型物とは、高分子化合物の成形方法と同様に処理して得られるものである。即ち重合溶液又は単離したポリマーから押し出し、紡糸、圧延、キャストなどの任意の方法で繊維やフィルムに成形したものである。本発明はこれらの化合物を主成分とすることを特徴とする成形物であり、繊維、フィルム、シート状物などに加工することができ、特に膜にすることにより、特に効果的な性能が発揮される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。
本発明の一般式(1)、(2)で表されるスルホン酸基含有ポリイミダゾール化合物において、燃料電池用電解質膜として使用しても耐久性だけでなく、イオン伝導性においても優れた性質を示す新規材料が得られた。
【0010】
上記一般式(1)、(2)で示す本発明のスルホン酸基含有ポリイミダゾールを合成する経路は特には限定されないが、通常は式中のベンズビスイミダゾール環を形成しうる芳香族テトラミン類およびそれらの誘導体から選ばれる化合物と、芳香族ジカルボン酸およびその誘導体から選ばれる化合物の反応により合成することができる。その際、使用するジカルボン酸の中にスルホン酸基またはその塩を含有するジカルボン酸を使用することで、得られるポリアゾール中にスルホン酸基を導入することができる。
【0011】
一般式(1)、(2)で示されるスルホン酸基含有ポリイミダゾールを与える芳香族テトラミンの具体例としては、3,3’,4,4‘−テトラアミノジフェニルエーテル、3,3’,4,4‘−テトラアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3,4,−ジアミノフェノキシ)ベンゼン等が挙げられる。これらの誘導体の例としては、塩酸、硫酸、リン酸などの酸との塩などをあげることができる。これらの化合物は、同時に複数使用することもできる。これらの芳香族テトラミンは、必要に応じて塩化すず(II)や亜リン酸化合物など公知の酸化防止剤を含んでいてもよい。
【0012】
一般式(1)の構造を与えるスルホン酸基含有ジカルボン酸は、芳香族系ジカルボン酸中に1個から4個のスルホン酸基を含有するものを選択することができるが、具体例としては、例えば、2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジカルボキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、4,6−ジカルボキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸などのスルホン酸含有ジカルボン酸及びこれらの誘導体を挙げることができる。誘導体としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩や、アンモニウム塩などをあげることができる。スルホン酸基含有ジカルボン酸の構造は特にこれらに限定されることはない。スルホン酸基含有ジカルボン酸はそれら単独だけでなく、一般式(2)の構造を与えるスルホン酸基を含有しないジカルボン酸とともに共重合の形で導入することができる。スルホン酸基含有ジカルボン酸とともに使用できるジカルボン酸例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ターフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等ポリエステル原料として報告されている一般的なジカルボン酸を使用することができ、ここで例示したものに限定されるものではない。スルホン酸基を含有するジカルボン酸の純度は特に制限されるものではないが、98%以上が好ましく、99%以上がより好ましい。スルホン酸基を含有するジカルボン酸を原料として重合されたポリイミダゾールは、スルホン酸基を含有しないジカルボン酸を用いた場合に比べて、重合度が低くなる傾向が見られるため、スルホン酸基を含有するジカルボン酸はできるだけ純度が高いものを用いることが好ましい。スルホン酸基含有ジカルボン酸とともにスルホン酸基を含有しないジカルボン酸を使用する場合、スルホン酸基含有ジカルボン酸を全ジカルボン酸中の20モル%以上とすることでスルホン酸の効果を明確にすることができる。スルホン酸のきわだった効果を引き出すためには、50モル%以上であることがさらに好ましい。
【0013】
上述のモノマー類からスルホン酸基含有ポリイミダゾールを合成する手法は、特には限定されないが、J.F.Wolfe, Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, 2nd Ed., Vol.11, P.601(1988)に記載されるようなポリリン酸を溶媒とする脱水、環化重合により合成することができる。また、ポリリン酸のかわりにメタンスルホン酸/五酸化リン混合溶媒系を用いた同様の機構による重合を適用することもできる。他に、適当な有機溶媒中や混合モノマー融体の反応でポリアミド構造などの前駆体ポリマーとしておき、その後の適当な熱処理などによる環化反応で目的のポリイミダゾール構造に変換する方法なども使用することができる。熱安定性の高いポリマーを合成するには、一般によく使用されるポリリン酸を用いた重合が好ましい。しかしながら、従来報告されているような長時間をかけた重合では、スルホン酸含有モノマーを含む系では、得られたポリマーの熱安定性が低下してしまう恐れがある。このため、本発明では、重合時間は個々のモノマーの組み合わせにより最適な時間があるので一概には規定できないが、重合時間を効果的に短くすることが好ましい。このことにより、スルホン酸基量が多いポリマーも熱安定性の高い状態で得ることができる。これらのスルホン酸基含有ポリイミダゾールの分子量は特に限定されるものではないが、1,000〜1,000,000であることが好ましい。実質的にはポリマーの分子量は溶液粘度で評価することができ、濃硫酸中で測定した対数粘度が0.25以上であることが好ましい。分子量が低すぎると、良好な成形物を得ることが困難になる。また、分子量が必要以上に高すぎると成形が困難になるので、溶液粘度は10よりも小さいことが好ましい。また、繰り返し単位が複数の場合主としてランダムおよび/または交互的に結合していることで、高分子電解質膜として安定した性能を示す特徴を持つ。
【0014】
本発明のスルホン酸基含有ポリアゾール化合物は、重合溶液又は単離したポリマーから押し出し、紡糸、圧延、キャストなど任意の方法で繊維やフィルムに成形することができる。中でも適当な溶媒に溶解した溶液から成形することが好ましい。溶解する溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホンアミドなど非プロトン極性溶媒や、ポリリン酸、メタンスルホン酸、硫酸、トリフルオロ酢酸などの強酸から適切なものを選ぶことができるがこれらに限定されるものではない。これらの溶媒は、可能な範囲で複数を混合して使用してもよい。また、溶解性を向上させる手段として、臭化リチウム、塩化リチウム、塩化アルミニウムなどのルイス酸を有機溶媒に添加したものを溶媒としてもよい。溶液中のポリマー濃度は0.1〜30重量%の範囲であることが好ましい。低すぎると成形性が悪化し、高すぎると加工性が悪化する。
【0015】
溶液から成形体を得る方法は公知の方法を用いることができる。例えば加熱、減圧乾燥、ポリマーを溶解する溶媒と混和できるポリマー非溶媒への浸漬などによって、溶媒を除去しスルホン酸基含有ポリアゾールの成形体を得ることができる。溶媒が有機溶媒の場合は、加熱又は減圧乾燥で溶媒を留去させることが好ましい。溶媒が強酸の場合には、水、メタノール、アセトンなどに浸漬することが好ましい。この際、必要に応じて他のポリマーと複合された形で繊維やフィルムに成形することもできる。溶解性挙動が類似するポリベンズアゾール系ポリマーと組み合わせると、良好な成形をするのに都合がよい。
【0016】
本発明のスルホン酸基含有ポリアゾール化合物を主成分とする膜を成形する好ましい方法は、溶液からのキャストである。キャストした溶液から前記のように溶媒を除去してスルホン酸基含有ポリアゾールの膜を得ることができる。溶媒の除去は、乾燥することが膜の均一性からは好ましい。また、ポリマーや溶媒の分解や変質をさけるため、減圧下でできるだけ低い温度で乾燥することが好ましい。キャストする基板には、ガラス板やテフロン板などを用いることができる。溶液の粘度が高い場合には、基板や溶液を加熱して高温でキャストすると溶液の粘度が低下して容易にキャストすることができる。キャストする際の溶液の厚みは特に制限されないが、10〜1000μmであることが好ましい。薄すぎると膜としての形態を保てなくなり、厚すぎると不均一な膜ができやすくなる。より好ましくは100〜500μmである。溶液のキャスト厚を制御する方法は公知の方法を用いることができる。例えば、アプリケーター、ドクターブレードなどを用いて一定の厚みにしたり、ガラスシャーレなどを用いてキャスト面積を一定にして溶液の量や濃度で厚みを制御することができる。キャストした溶液は、溶媒の除去速度を調整することでより均一な膜を得ることができる。例えば、加熱する場合には最初の段階では低温にして蒸発速度を下げたりすることができる。また、水などの非溶媒に浸漬する場合には、溶液を空気中や不活性ガス中に適当な時間放置しておくなどしてポリマーの凝固速度を調整することができる。本発明の膜は目的に応じて任意の膜厚にすることができるが、イオン伝導性の面からはできるだけ薄いことが好ましい。具体的には200μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがさらに好ましく、20μm以下であることが最も好ましい。
【0017】
本発明のスルホン酸基含有ポリオキサゾールポリマーは、イオン伝導性に優れているため、フィルム、膜状にして燃料電池などのイオン交換膜として使用するのに適している。さらに、本発明のポリマー構造を主成分にすることにより、本発明のイオン交換膜と電極との接合体を作製するときのバインダー樹脂等の塗料として利用することもできる。
【0018】
また、本発明による膜は、耐久性、耐溶剤性、機械的特性に優れている。例えば、耐久性としては熱水中での加水分解による分子量低下が少なく、耐溶剤性では酸性水溶液中での膨潤も少なく、機械的特性では膜厚の薄い状態でも膜の取り扱いで破断などの心配がないものである。
【0019】
【実施例】
以下本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。なお、各種測定は次のように行った。
溶液粘度:ポリマー粉末を0.5g/dlの濃度で濃硫酸に溶解し、30℃の恒温槽中でオストワルド粘度計を用いて粘度測定を行い、対数粘度[ln(ta/tb)]/cで評価した(taは試料溶液の落下秒数、tbは溶媒のみの落下秒数、cはポリマー濃度)。
イオン伝導性測定:自作測定用プローブ(テフロン製)上で短冊状膜試料の表面に白金線(直径:0.2mm)を押しあて、80℃95%RHの恒温・恒湿オーブン(株式会社ナガノ科学機械製作所、LH−20−01)中に試料を保持し、白金線間の10KHzにおける交流インピーダンスをSOLARTRON社1250FREQUENCY RESPONSE ANALYSERにより測定した。極間距離を変化させて測定し、極間距離と抵抗測定値をプロットした勾配から以下の式により膜と白金線間の接触抵抗をキャンセルした導電率を算出した。
導電率[S/cm]=1/膜幅[cm]x膜厚[cm]x抵抗極間勾配[Ω/cm]
ポリマー対数粘度:ポリマー濃度0.5g/dlの硫酸溶液について、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。
耐溶剤性評価:沸騰水中に膜を1時間浸漬した際に、膨潤や溶解などで膜の形態が変化しないかを目視で判定した。
耐久性:ポリマー粉末を溶封したアンプル中で100℃の水中に浸漬して3日間放置した。処理前後の粘度測定値の変化から耐久性の評価を行った。
IR測定:分光器にBiorad社FTS-40、顕微鏡にBiorad社UMA-300Aを用いた顕微透過法により測定した。
【0020】
実施例1
3,3’,4,4‘−テトラアミノジフェニルスルホン(略号:TAS)1.500g(5.389x10-3mole)、2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸モノナトリウム(略号:STA、純度99%)1.445g(5.389x10-3mole)、ポリリン酸(五酸化リン含量75%)20.48g、五酸化リン16.41gを重合容器に量り取る。窒素を流し、オイルバス上ゆっくり撹拌しながら100℃まで昇温 する。100℃で1時間保持した後、150℃に昇温 して1時間、200℃に昇温 して4時間重合した。重合終了後放冷し、水を加えて重合物を取り出し、家庭用ミキサーを用いてpH試験紙中性になるまで水洗を繰り返した。得られたポリマーは80℃で終夜減圧乾燥した。ポリマーの対数粘度は、1.35を示した。ポリマーのIRスペクトルを図1に示す。
得られたポリマー400mgとNMP4mlを撹拌しながら、オイルバス上で170℃に加熱して溶解させた。ホットプレート上で、ガラス板上に約200μm厚に流延し、NMPを蒸発させた。フィルムをガラス板からはがし、80℃終夜減圧乾燥し、その後アセトン浸漬することで溶媒を除いてイオン伝導性測定用フィルムを作製した。80℃95%RHにおけるイオン伝導度は0.018S/cmを示し、測定イオン伝導度は長期にわたり安定した性能を保った。フィルムを沸騰水中に1時間浸漬したが、形態の変化は認められなかった。また、100℃水中で3日間浸漬処理したあとの対数粘度は1.37であり、処理前との変化は認められなかった。また厚さ10マイクロメーター程度の薄膜を作製しても、上記の各種評価において膜が壊れることはなかった。
【0021】
実施例2
STAのかわりにSTAとテレフタル酸(略号:TPA)の混合比を変えて、合計で5.389x10-3moleになるようにして仕込む以外は、実施例1と同様にして重合および各種測定を行った。イオン伝導度はいずれの試料とも長期にわたり安定した性能を保つとともに、膜の形態も良好に保たれていた。各種測定結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
Figure 0003690589
【0023】
実施例3
STAのかわりに3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸モノナトリウム(略号:SIA、純度98%)を用いる以外は実施例2と同様に評価した。イオン伝導度はいずれの試料とも長期にわたり安定した性能を保つとともに、膜の形態も良好に保たれていた。各種測定結果を表2に示す。TPA/SIA=66/34におけるポリマーのIRスペクトルを図2に示す。
【0024】
【表2】
Figure 0003690589
【0025】
実施例4
実施例3において、重合時に塩化すず(II)をTASに対して1モル%になるように加えてポリマーを得、同様に評価した。イオン伝導度はいずれの試料とも長期にわたり安定した性能を保保つとともに、膜の形態も良好に保たれていた。各種測定結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
Figure 0003690589
【0027】
比較例1
実施例1においてSTAのかわりにTPA0.895gを用いて重合したところ、対数粘度2.11のポリマーが得られた。フィルムを沸騰水中に1時間浸漬したが、形態の変化は認められず、100℃水中で3日間浸漬処理したあとの対数粘度は2.06であり、処理前との変化は認められなかった。80℃95%RHにおけるイオン伝導度を測定したが、実質的にイオンが流れる挙動をとらえることはできなかった。
【0028】
比較例2
実施例1においてTASのかわりに3,3‘−ジアミノベンジジンを用いてポリマーを合成した。得られたポリマーの対数粘度は1.23を示したが、ポリマーはNMPに溶解せず、評価可能なフィルムを作製することはできなかった。
【0029】
比較例3
実施例1においてTASのかわりにテトラアミノベンゼン(塩酸塩)を用いてポリマーを合成した。得られたポリマーの対数粘度は1.41を示し、強靱ではないがフィルムを作製することができた。得られたフィルムを沸騰水中に浸漬したところ徐々に膨潤が認められ、フィルム端部の崩壊も認められた。
【0030】
比較例4
実施例1において、TASを1.05g(3.773x10-3mole)、TPAを0.598g(3.557x10-3mole)として重合した後、重合液をいったん冷却してからさらにTASを0.45g(1.616x10-3mole)、STAを0.491g(1.832x10-3mole)追加し、TPA/STA=66/34のブロック性共重合体を合成した。得られたポリマーの対数粘度は0.86であり、同様の方法でフィルムを作製することができたが、イオン伝導度は80℃95%RHにおけるイオン伝導度は0.0003S/cmと同一共重合比の実施例2のポリマーに比べ一桁小さい値を示した。
【0031】
比較例5
実施例1においてTASのかわりに3,3‘−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン1.510g(5.387x10-3mole)を用いて、類似のポリベンゾオキサゾール系ポリマーを合成した。得られたポリマーの対数粘度は0.48であった。このポリマーを100℃水中で3日間浸漬処理したあとで対数粘度を測定したところ0.18に減少していた。
【0032】
比較例6
実施例1においてTASを1.45gとする以外は同様にしてポリマーを合成した。得られたポリマーの対数粘度は0.21であり、製膜したフィルムはもろいものであった。
【0033】
比較のため、実施例1、比較例1〜5の結果を表4に示す。
【0034】
【表4】
Figure 0003690589
【0035】
【発明の効果】
耐久性、イオン伝導性に優れた、本発明のポリマーにより、燃料電池などの高分子電解質としても際立った性能を示す材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】TASとSTAから合成されたスルホン酸含有ポリベンズイミダゾールのIRスペクトル
【図2】TASとTPA/SIA=66/34組成で合成されたスルホン酸含有ポリベンズイミダゾールのIRスペクトル。

Claims (3)

  1. 一般式(1)、(2)で表される繰り返し単位からなる重合体を主成分とし、濃硫酸中で測定した対数粘度が0.25以上10以下であり、繰り返し単位が複数の場合主としてランダムおよび/または交互的に結合していることを特徴とするスルホン酸基含有ポリイミダゾール化合物。
    Figure 0003690589
    (式中、Xは−O−,−SO2−,−C(CH32−,−C(CF32−,−OPhO−を、Arは芳香族基を、mは1から4の数を、nは0.2以上1.0以下の数を、Phはベンゼン環を示す。
  2. 請求項1に記載の化合物を主成分とすることを特徴とする成形物。
  3. 請求項1乃至2のいずれかに記載の化合物を主成分とすることを特徴とする膜。
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