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JP3668818B2 - ジシランの製造方法 - Google Patents

ジシランの製造方法 Download PDF

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JP3668818B2
JP3668818B2 JP00605495A JP605495A JP3668818B2 JP 3668818 B2 JP3668818 B2 JP 3668818B2 JP 00605495 A JP00605495 A JP 00605495A JP 605495 A JP605495 A JP 605495A JP 3668818 B2 JP3668818 B2 JP 3668818B2
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Description

【0001】
本発明は、ジシランの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】
ジシランは、医薬品製造時の触媒、セラミックス前駆体や光・電子材料などとして有用なSi−Si結合を有する化合物製造の中間体などとして注目されている。
【0003】
従来、ジシランの製造方法としては、金属ナトリウムなどのアルカリ金属或いはアルカリ土類金属を用いて、溶媒中のハロシランを溶媒の沸点程度の温度で撹拌し、還元的にカップリングさせる方法が知られている{J.Organomet.Chem.,13(1968) 323〜328}。しかしながら、この方法は、過酷な反応条件(例えば、長時間の加熱が必要である)を必要とすること、金属表面の酸化膜に由来してジシロキサンの副生が避けられないこと、工業的規模での生産に際しては、アルカリ金属を大量に使用するので、安全性に大きな問題があることなどの欠点を有している。
【0004】
この様な欠点を解消すべく、以下に示す様に、クロロシランを室温で電極還元し、ジシランを製造するという温和な条件下での方法が提案されいる。
【0005】
(1)水銀またはカドミウムを陽極として用い、支持電解質として過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウムを用い、溶媒として1,2−ジメトキシエタンを用いる方法{J.Organomet.Chem.,212(1981)155}。
【0006】
(2)電極としてMg、Alなどの金属を用い、支持電解質として過塩素酸リチウムなどを用い、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)などを用いる方法{J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1160,1990、特開平3-264683号公報}。
【0007】
(3)電極としてAlを用い、溶媒としてTHF+ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)などを用い、支持電解質として安価な塩化リチウムを用いる方法{NATO ASI Ser.Ser.E, 206,79-85,1992}。
【0008】
しかしながら、(1)の方法は、陽極金属として水銀またはカドミウムを使用するので、操作性、安全性、環境汚染などの点で問題があるのみならず、収率も10%程度と低い。
【0009】
(2)の方法は、安全な金属を陽極に用いる活性な電極還元系を見出したことにより、環境を汚染することなく、操作性良く、80〜90%程度という高収率でジシランを製造できるようになった。しかしながら、支持電解質として用いる過塩素酸リチウムは、高価なものであり、また取扱いに留意する必要もあることから、安価で取扱いの容易な支持電解質を用いる系を見出す必要がある。
【0010】
(3)の方法は、安価で取り扱いの容易な塩化リチウムを支持電解質として用いているが、THF溶媒だけでは、塩化リチウムの溶解度が小さく、通電性が極めて悪いため、長時間の通電が必要となり、事実上反応の完結が不可能である。そのため、反応を進行させるために、発ガン性が疑われているHMPAなどの溶媒を添加することが必要であるという難点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、操作性良好であり、安全で且つ安価に、高収率でジシランを製造しうる新たな方法を提供することを主な目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の如き従来技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の金属を陽極として用い、且つ特定の溶媒および特定の支持電解質を用い、ハロシランを電極還元反応に供することにより、ジシランを製造するに際し、反応系内に通電性を確保するための通電助剤として特定の化学物質を存在させる場合には、従来技術の問題点が実質的に解消されるか或いは大幅に軽減されることを見出した。
【0013】
すなわち、本発明は下記のジシランの製造方法を提供するものである:
1.ジシランの製造方法であって、一般式
【0014】
【化3】
Figure 0003668818
【0015】
(式中R1、R2およびR3は、それぞれ同一或いは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)
で示されるハロシランをAl、Al合金、Mg、Mg合金、Cu、Cu合金、ZnまたはZn合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩、Ca塩、Na塩またはK塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
【0016】
【化4】
Figure 0003668818
【0017】
(式中R1、R2およびR3は、上記に同じ。)
で示されるジシランを形成させることを特徴とするジシランの製造方法。
【0018】
2.陽極としてAl、Al合金、MgまたはMg合金を使用する上記項1に記載の方法。
【0019】
3.支持電解質としてLiClを使用する上記項1または2に記載の方法。
【0020】
4.通電助剤としてAlCl3、FeCl2、FeCl3、CoCl2またはCuCl2を使用する上記項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0021】
5.電極反応に供するハロシランが、トリメチルクロロシランである上記項1〜4のいずれかに記載のジシランの製造方法。
【0022】
6.生成されるジシランが、ヘキサメチルジシランである上記項5に記載のジシランの製造方法。
【0023】
本発明において、出発原料として使用するハロシランは、一般式
【0024】
【化5】
Figure 0003668818
【0025】
(式中R1、R2およびR3は、それぞれ同一或いは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)
で示されるものである。
【0026】
また、本発明における反応生成物は、一般式
【0027】
【化6】
Figure 0003668818
【0028】
(式中R1、R2およびR3は、上記に同じ。)
で示されるジシランである。
【0029】
一般式(1)で示されるハロシランにおいて、R1、R2およびR3は、水素原子、アミノ基および有機置換基(アルキル基、アリール基およびアルコキシ基)を示す。R1、R2およびR3は、それぞれが相異なっていても良く、或いは2個以上が同一であっても良い。アルキル基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、炭素数1〜6個のアルキル基の少なくとも1つを置換基として有するフェニル基、炭素数1〜6個のアルコキシ基を置換基として有するp−アルコキシフェニル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより好ましい。R1、R2およびR3が上記のアミノ基および有機置換基である場合には、その水素原子が他のアルキル基、アリール基、アルコキシ基などの官能基(その炭素数などは、上記と同様であって良い)により置換されていても良い。
【0030】
また、一般式(1)で示されるハロシランにおいて、Xはハロゲン原子(Cl、F、BrおよびI)を示す。ハロゲン原子としては、Clがより好ましい。
【0031】
本発明においては、一般式(1)で表されるハロシランの1種を単独で使用しても良く、或いは2種以上を混合使用しても良い。ハロシランは、できるだけ高純度のものであることが好ましく、例えば、液体のハロシランについては、水素化カルシウムにより乾燥し、蒸留して使用することが好ましく、また、固体のハロシランについては、再結晶法により、精製し、使用することが好ましい。
【0032】
反応に際しては、ハロシランを溶媒に溶解して使用する。溶媒としては、非プロトン性溶媒がひろく使用でき、より具体的には、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどの溶媒が例示される。これらの溶媒は、単独でも、或いは2種以上の混合物としても使用できる。溶媒としては、エーテル系の溶媒がより好ましく、テトラヒドロフランおよび1,2−ジメトキシエタンが最も好ましい。溶媒中のハロシランの濃度は、低すぎる場合には電流効率が低下するのに対し、高すぎる場合には、支持電解質が溶解しないことがある。従って、溶媒中のハロシランの濃度は、通常0.05〜6mol/l程度であり、より好ましくは0.1〜4mol/l程度であり、特に好ましくは0.3〜3mol/l程度である。
【0033】
本発明で使用する支持電解質としては、LiCl、LiNO3、Li2CO3などの安価なリチウム塩が例示される。これらの支持電解質は、単独で使用しても良く、或いは2種以上を併用しても良い。これら支持電解質の中でも、LiClが最も好ましい。支持電解質は、濃度が低すぎる場合には、反応系に下記の通電助剤を加えても反応が十分に進行しないため、通常0.01mol/l以上の濃度で使用される。支持電解質の濃度は、0.05〜1.1mol/l程度とすることがより好ましく、0.2〜1.0mol/l程度とすることが最も好ましい。
【0034】
本発明においては、電極反応を効率的に行って、ジシランの収率を高めるために、通電助剤を用いて良好な通電性を確保することを必須とする。この様な通電助剤としては、AlCl3、Al(OEt)3などのAl塩;FeCl2、FeCl3などのFe塩;MgCl2などのMg塩;ZnCl2などのZn塩;SnCl2などのSn塩;CoCl2などのCo塩;PdCl2などのPd塩;VCl3などのV塩;CuCl2などのCu塩;CaCl2などのCa塩が、好ましいものとして例示される。これらの通電助剤は、単独で使用しても良く、或いは2種以上を併用しても良い。これら通電助剤の中でも、AlCl3、FeCl2、FeCl3、CoCl2、CuCl2などがより好ましい。通電助剤の濃度は、低すぎると通電性が十分に確保されず、高すぎると通電助剤が還元されて、反応に関与しなくなる。従って、溶媒中の通電助剤の濃度は、通常0.01〜2mol/l程度とし、より好ましくは0.01〜0.6mol/l程度とし、特に好ましくは0.02〜0.3mol/l程度とする。
【0035】
本発明においては、陽極として、Al、Alを主成分とする合金、Mg、Mgを主成分とする合金、Cu、Cuを主成分とする合金、ZnおよびZnを主成分とする合金のいずれかを使用する。各金属の合金は、各金属を主成分としている限り、特に限定されないが、例えば、Alを主成分とする合金としては、Mgを3〜10%程度含有するものが挙げられ、Mgを主成分とする合金としては、Alを3〜10%程度含有するものが挙げられる。また、防食用のAl合金、Mg合金、Zn合金なども使用できる。例えば、防食用Mg合金としては、JIS H6125−1961に規定されている1種(MGA1)、2種(MGA2、通称AZ63)、3種(MGA3)などが使用できる。陽極としては、Al、Alを主成分とする合金、MgおよびMgを主成分とする合金がより好ましい。また、陰極としては、電流を通じ得る物質であれば特に限定されないが、SUS304、316などのステンレス鋼;Mg、Cu、Zn、Sn、Al、Ni、Coなどの各種金属類;炭素材料などが例示される。電極の形状は、通電を安定して行いうる限り特に限定されないが、棒状、板状、筒状、円錐状、円盤状、球状体をバスケットに収容したもの、板状体をコイル状に巻いたものなどが好ましい。電極表面の酸化被膜は、必要ならば、予め除去しておく。電極からの酸化被膜の除去は、任意の方法で行えばよく、例えば、電極を酸により洗浄した後、エタノールおよびエーテルなどにより洗浄し、減圧下に乾燥する方法、窒素雰囲気下に電極を研磨する方法、或いはこれらの方法を組み合わせた方法などにより行うことができる。
【0036】
本発明は、特に制限されるものではないが、例えば、(a)陽極および陰極を設置した密閉可能な反応容器に一般式(1)で表されるハロシラン、支持電解質および通電助剤を溶媒とともに収容し、好ましくは機械的若しくは磁気的に撹拌しつつ、所定量の電流を通電することにより電極反応を行わせる方法、(b)陽極および陰極を設置した電解槽、反応液貯槽、ポンプ、配管などから構成される流動式電極反応装置を用いて、反応液貯槽に投入したハロシラン、支持電解質、通電助剤および溶媒よりなる反応溶液をポンプにより電極反応装置内を循環させつつ、所定量の電流を通電することにより電解槽内で電極反応を行わせる方法などにより、実施することができる。
【0037】
電解槽の構造乃至形状は、特に限定されないが、反応の進行に伴って反応溶液中に溶け出して消耗する陽極を簡便に補給する形式の構造とすることが出来る。より具体的には、例えば、図1に斜面図として概要を示す様に、陽極をバスケット乃至かご状容器1に収容した小さな球状体乃至ペレットを補給する形式の電解槽とすることが出来る。或いは、図2に示す様に、特開昭62−56589号公報に示された“鉛筆削り型電解槽”に準じて、陰極シート5内に陽極ブロック7を積層する形式の電解槽としても良い。この様な連続供給型の陽極を備えた電解槽を使用する場合には、消耗する電極を1回或いは数回の反応毎に交換する必要がなくなるので、長期にわたる繰り返し反応が可能となり、陽極交換に要する経費が軽減され、ジシラン類の製造コストが低下する。
【0038】
反応容器あるいは反応装置内は、乾燥雰囲気であればよいが、乾燥した窒素または不活性ガス雰囲気であることがより好ましく、さらに脱酸素し、乾燥した窒素または不活性ガス雰囲気であることが最も好ましい。通電量は、ハロシランを基準として、通常1〜10F/モル程度であり、より好ましくは1〜6F/モル程度であり、最も好ましくは1.3〜3F/モル程度である。反応時間は、原料ハロシランの量、支持電解質および通電助剤の量に関係する電解液の抵抗などにより異なるが、通常0.5〜100時間程度の範囲内にあり、例えば、原料ハロシランの濃度が、0.67モル/lにおいては、3〜10時間程度である。反応時の温度は、通常−20℃から使用する溶媒の沸点までの温度範囲内にあり、より好ましくは−5〜30℃程度であり、最も好ましくは0〜25℃程度である。本発明においては、通常の電極還元反応において必須とされている隔膜は、使用してもよいが、必須ではない。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、下記のような顕著な効果が達成される。
【0040】
(a)高収率でジシランを製造することができる。
【0041】
(b)有害な金属、発ガン性のある溶媒などを使用しないので、安全でかつ環境汚染などの危険性なく、ジシランを製造することができる。
【0042】
(c)高価な支持電解質を用いないので、安価にジシランを製造することができる。
【0043】
(d)反応時に良好な通電性が確保できるので、効率よく短時間でジシランを製造することができる。
【0044】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
【0045】
実施例1
三方コック、Al陽極(直径1cm×長さ5cm)およびSUS304陰極(1cm×1cm×5cm)を装着した内容積30mlの3つ口フラスコ(以下反応器という)に無水塩化リチウム(LiCl)0.40gと無水塩化アルミニウム(AlCl3)0.25gを収容し、50℃、1mmHgに加熱減圧して、LiClおよびAlCl3を乾燥した後、脱酸素した乾燥窒素を反応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン15mlを加えた。これに予め蒸留により精製したトリメチルクロロシラン1.3ml(10mmol)をシリンジで加え、マグネティックスターラーにより反応溶液を撹拌しながら、ウォーターバスにより反応器を室温に保持しつつ、定電圧電源により通電した。通電は、トリメチルクロロシランを基準として、2F/molの通電量となる様に約3.5時間行った。
【0046】
反応終了後、反応溶液にヘキサン20mlを加えて塩析を行い、ヘキサン層を分別蒸留することにより、生成物を得た。
【0047】
生成物を分析したところ、ヘキサメチルジシランが91.3%の収率で得られており、本発明方法により高収率でジシランが得られることが確認された。
【0048】
なお、副生したジシロキサンの割合は0.1%以下であった。
【0049】
実施例2
一般式(1)で示される原料として、蒸留法で精製したジメチルフェニルクロロシラン1.65ml(10mmol)を使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、1,2−ジフェニル−1,1,2,2−テトラメチルジシランが93.9%の収率で得られており、高収率でジシランが生成していることが確認された。
【0050】
実施例3
一般式(1)で示される原料として、蒸留法で精製したメチルジフェニルクロロシラン2.06ml(10mmol)を使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、1,2−ジメチル−1,1,2,2−テトラフェニルジシランが88.5%の収率で得られており、高収率でジシランが生成していることが確認された。
【0051】
実施例4
一般式(1)で示される原料として、再結晶法で精製したトリフェニルクロロシラン1.48g(5mmol)を使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、ヘキサフェニルジシランが92.7%の収率で得られており、高収率でジシランが生成していることが確認された。
【0052】
実施例5
一般式(1)で示される原料として、トリメチルブロモシラン1.31ml(10mmol)を使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、ヘキサメチルジシランが82.3%の収率で得られており、高収率でジシランが生成していることが確認された。
【0053】
実施例6
陽極としてAl−Mg合金(Al90%、Mg10%、1cm×1cm×5cm)を使用する以外は実施例1と同様にして、トリメチルクロロシランを電極反応に供した。その結果、90.3%の収率でヘキサメチルジシランが得られ、高収率でジシランが生成していることが確認された。
【0054】
実施例7
陽極としてMg(直径1cm×長さ5cm)を使用する以外は実施例1と同様にして、トリメチルクロロシランを電極反応に供した。その結果、78.3%の収率でヘキサメチルジシランが得られ、高収率でジシランが生成していることが確認された。
【0055】
実施例8
陽極としてMg系合金(Mg90.5%、Al3%、Mn0.5%、1cm×1cm×5cm)を使用する以外は実施例1と同様にして、トリメチルクロロシランを電極反応に供した。その結果、83.3%の収率でヘキサメチルジシランが得られ、高収率でジシランが生成していることが確認された。
【0056】
実施例9
陽極としてZn(1cm×1cm×5cm)を使用する以外は実施例1と同様にして、トリメチルクロロシランを電極反応に供した。その結果、ヘキサメチルジシランが高収率で得られた。
【0057】
実施例10
陰極としてグラッシーカーボン(1cm×0.1cm×5cm)を使用する以外は実施例1と同様にして、トリメチルクロロシランを電極反応に供した。その結果、92.3%の収率でヘキサメチルジシランがえられ、高収率でジシランが生成していることが確認された。
【0058】
実施例11
支持電解質としてLiNO30.65gを使用する以外は実施例1と同様にして、トリメチルクロロシランを電極反応に供した。その結果、ヘキサメチルジシランが高収率で得られた。
【0059】
実施例12
支持電解質としてLi2CO30.70gを使用する以外は実施例1と同様にして、トリメチルクロロシランを電極反応に供した。その結果、ヘキサメチルジシランが高収率で得られた。
【0060】
実施例13
通電助剤として、MgCl20.18gを使用する以外は実施例1と同様にしてトリメチルクロロシランを電極反応に供した。その結果、ヘキサメチルジシランが高収率で得られた。
【0061】
実施例14
通電助剤として、ZnCl20.25gを使用する以外は実施例1と同様にしてトリメチルクロロシランを電極反応に供した。その結果、ヘキサメチルジシランが高収率で得られた。
【0062】
実施例15
通電助剤として、CaCl20.21gを使用する以外は実施例1と同様にしてトリメチルクロロシランを電極反応に供した。その結果、ヘキサメチルジシランが高収率で得られた。
【0063】
実施例16
溶媒として予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥した1,2−ジメトキシエタン15mlを使用する以外は実施例1と同様にしてトリメチルクロロシランを電極反応に供した。その結果、90.5%の収率でヘキサメチルジシランが得られ、高収率でSi−Si結合が生成していることが確認された。
【0064】
実施例17
Al陽極(12cm×15cm×1cm)およびSUS316陰極(12cm×15cm×1cm)を装着したフィルタープレス型電解糟(電極間距離1cm)、容量3lの反応液貯糟、ベローズ式ポンプおよび配管からなる流動式電極反応装置の反応液貯糟に無水塩化リチウム(LiCl)40gと無水塩化アルミニウム(AlCl3)25gを収容し、脱酸素した乾燥窒素を反応装置内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン1.5lを加えた。これに予め蒸留により精製したトリメチルクロロシラン130ml(1mol)を加え、ベローズ式ポンプにより反応液を循環させながら(電極間を通過する際の線速度は10cm/秒)、冷却器により反応温度を室温に保持しつつ、定電圧電源により、通電した。通電は、トリメチルクロロシランを基準として2F/molの通電量となる様に、約3.5時間行った。
【0065】
反応終了後、反応溶液にヘキサン2lを加えて塩析を行い、ヘキサン層を分別蒸留することにより、生成物を得た。
【0066】
生成物を分析したところ、ヘキサメチルジシランが93.6%の収率で得られており、本発明方法により、高収率でジシランが得られることが確認された。
【0067】
実施例18
陽極として防食用Mg合金(JIS H6125−1961に規定する2種(MGA2、通称AZ63)、1cm×1cm×5cm)を使用する以外は実施例1と同様にしてトリメチルクロロシランを電極反応に供した。その結果、84.9%の収率でヘキサメチルジシランが得られ、高収率でジシランが生成していることが確認された。
【0068】
実施例19
通電助剤としてFeCl20.24gを使用する以外は実施例2と同様にしてジメチルフェニルクロロシランを電極反応に供した。この場合、原料を基準として通電量が2F/molとなるまで約3.3時間を要した。その結果、1,2−ジフェニル−1,1,2,2−テトラメチルジシランが96.8%の収率で得られており、高収率でジシランが得られることが確認された。
【0069】
実施例20
通電助剤としてFeCl30.31gを使用する以外は実施例1と同様にしてトリメチルクロロシランを電極反応に供した。この場合、原料を基準として通電量が2F/molとなるまで約3.6時間を要した。その結果、ヘキサメチルジシランが91.7%の収率で得られており、高収率でジシランが得られることが確認された。
【0070】
実施例21
通電助剤としてSnCl20.49gを使用する以外は実施例1と同様にしてトリメチルクロロシランを電極反応に供した。この場合、原料を基準として通電量が2F/molとなるまで約4.9時間を要した。その結果、ヘキサメチルジシランが71.3%の収率で得られており、高収率でジシランが得られることが確認された。
【0071】
実施例22
通電助剤としてCoCl20.24gを使用する以外は実施例1と同様にしてトリメチルクロロシランを電極反応に供した。この場合、原料を基準として通電量が2F/molとなるまで約3.9時間を要した。その結果、ヘキサメチルジシランが89.1%の収率で得られており、高収率でジシランが得られることが確認された。
【0072】
実施例23
通電助剤としてPdCl20.33gを使用する以外は実施例1と同様にしてトリメチルクロロシランを電極反応に供した。この場合、原料を基準として通電量が2F/molとなるまで約3.2時間を要した。その結果、ヘキサメチルジシランが90.1%の収率で得られており、高収率でジシランが得られることが確認された。
【0073】
実施例24
通電助剤としてVCl30.29gを使用する以外は実施例1と同様にしてトリメチルクロロシランを電極反応に供した。この場合、原料を基準として通電量が2F/molとなるまで約5.2時間を要した。その結果、ヘキサメチルジシランが65.2%の収率で得られており、高収率でジシランが得られることが確認された。
【0074】
実施例25
通電助剤としてCuCl20.25gを使用する以外は実施例1と同様にしてトリメチルクロロシランを電極反応に供した。この場合、原料を基準として通電量が2F/molとなるまで約3.3時間を要した。その結果、ヘキサメチルジシランが70.9%の収率で得られており、高収率でジシランが得られることが確認された。
【0075】
実施例26
図3に示す鉛筆削り型電解槽を使用して、本発明を実施した。すなわち、円錐部11(高さ105cm×直径22cm)と円柱部13(直径22cm×厚さ45cm;但し、厚さ15cmのブロック3枚により構成)とからなるAl積層体を陽極とし、陽極円錐部11と5mmの間隔で配置されたSUS304製シート15を陰極(電解槽の外壁を兼ねる)とする鉛筆削り型電解槽17、容量20lの反応液貯槽(図示せず)、反応液循環ポンプ(図示せず)、配管類(図示せず)などを主要構成要素として備えた流動式電極反応装置に無水塩化リチウム(LiCl)400gと無水塩化第一鉄(AlCl2)250gとを収容し、脱酸素した乾燥窒素を反応装置内に導入し、さらに乾燥したテトラヒドロフラン15lを加えた。これにトリメチルクロロシラン0.85kgを加え、循環ポンプにより反応液を循環させながら(電極間の中間点を通過する際の線速度は20cm/秒)、冷却器により反応温度を室温に保持しつつ、電流値34Aで定電流電解を行った。通電は、トリメチルクロロシランを基準として2F/molの通電量となる様に、約12.3時間行った。
【0076】
反応終了後、反応溶液を常法に従って洗浄し、抽出し、再沈したところ、ヘキサメチルジシラン486gが得られた。
【0077】
反応終了後にAl電極の消耗状況を観察したところ、Al陽極は上端が約1.4mmだけ低下していた。この消耗の程度から、Al陽極の厚さ45cm(15cmのブロック3枚)の上部円柱部13が完全に消失して、Alブロックを補充する必要を生じるのは、上記と同様な反応を320回程度繰り返した後であることが明らかである。
【0078】
実施例27
図1に示す形式の陽極および図4に示す形式の電解槽を使用して、本発明を実施した。すなわち、直径20cm×高さ40cmのPTFE製のバスケット1に直径1cmのAl球状体3を高さ35cmのところまで収容したものを陽極とし、バスケット1と5mmの間隔で配置されたSUS304製円筒容器21を陰極(電解槽の外壁を兼ねる)とする電解槽23、容量20lの反応液貯槽(図示せず)、反応液循環ポンプ(図示せず)、配管類(図示せず)などを主要構成要素として備えた流動式電解反応装置に無水塩化リチウム(LiCl)400gと無水塩化第一鉄(AlCl2)250gとを収容し、脱酸素した乾燥窒素を反応装置内に導入し、さらに乾燥したテトラヒドロフラン15lを加えた。これにトリメチルクロロシラン0.85kgを加え、循環ポンプにより反応液を循環させながら(電極間を通過する際の線速度は20cm/秒)、冷却器により反応温度を室温に保持しつつ、電流値34Aで定電流電解を行った。通電は、トリメチルクロロシランを基準として2F/molの通電量となる様に、約12.3時間行った。
【0079】
反応終了後、反応溶液を常法に従って洗浄し、抽出し、再沈したところ、ヘキサメチルジシラン453gが得られた。
【0080】
反応終了後にAl電極の消耗状況を観察したところ、バスケット中のAl球状体の上端が約0.3cmだけ低下していた。この消耗の程度から、Al球状体の上端が約1/3にまで低下して、Al球状体を補充する必要を生じるのは、上記と同様な反応を70回程度繰り返した後であることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】陽極を構成する金属または合金の球状体をかご状容器乃至バスケットに収容して使用する本発明方法の大要を示す斜面図である。
【図2】本発明方法を実施するに際し使用する電解槽を鉛筆削り型電解槽とした場合の概要を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の実施例で使用する鉛筆削り型電解槽の概要を示す模式的な断面図である。
【図4】Al球状体をバスケットに収容して消耗電極として使用する電解槽の概要を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1…かご状容器乃至バスケット
3…金属球状体乃至ペレット
5…陰極
7…ブロック状陽極
11…陽極の円錐部
13陽極の円柱部
15…陰極
17…電解槽
21…陰極
23…電解槽

Claims (6)

  1. ジシランの製造方法であって、一般式
    Figure 0003668818
    (式中R1、R2およびR3は、それぞれ同一或いは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)
    で示されるハロシランをAl、Al合金、Mg、Mg合金、Cu、Cu合金、ZnまたはZn合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩、Ca塩、Na塩またはK塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
    Figure 0003668818
    (式中R1、R2およびR3は、上記に同じ。)
    で示されるジシランを形成させることを特徴とするジシランの製造方法。
  2. 陽極としてAl、Al合金、MgまたはMg合金を使用する請求項1に記載の方法。
  3. 支持電解質としてLiClを使用する請求項1または2に記載の方法。
  4. 通電助剤としてAlCl3、FeCl2、FeCl3、CoCl2またはCuCl2を使用する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 電極反応に供するハロシランが、トリメチルクロロシランである請求項1〜4のいずれかに記載のジシランの製造方法。
  6. 生成されるジシランが、ヘキサメチルジシランである請求項5に記載のジシランの製造方法。
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