JP3667269B2 - 水性エマルジョン樹脂組成物及びこれを用いた発泡壁紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、発泡剤を含有する水性エマルジョン樹脂組成物及びこれを用いた発泡壁紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発泡壁紙の表面層の材料には発泡性軟質ポリ塩化ビニルが主に用いられている。しかし、ポリ塩化ビニルは焼却時に有毒ガスである塩化水素及び大量の黒煙が発生するという環境問題を惹起している。
【0003】
この問題を解決するために、特開平6−143471号公報、特開平6−47875号公報には、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びアクリル系等のエマルジョンを利用する壁紙が検討されている。
また、特開2000−15752号公報には、意匠性を向上させるため、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンとアクリル樹脂エマルジョンとの混合比を検討した壁紙が検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の前者2件の公報に記載のエマルジョンを用いた壁紙は、ポリ塩化ビニルに比べ焼却時の環境汚染に対する影響は少ないが、発泡倍率を3倍以上にすると、表面強度が弱くなり、ポリ塩化ビニル製に比較して、弾性が低下する傾向にあるため、発泡倍率を大きくできない問題点を有していた。
【0005】
また、上記の後者1件の公報に記載のエマルジョンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンとアクリル樹脂エマルジョンとの混合系では、壁紙施工時に通常用いられる水性の糊剤による吸湿が著しいため、作業性が劣る場合がある。
【0006】
そこで、この発明は、大きな発泡倍率を得ることが可能で、かつ樹脂の混合比率に影響されることなくエンボス適性を向上させた水性エマルジョン樹脂組成物を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、(メタ)アクリル系単量体を、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する水性媒体中で重合することにより得られる乳化重合体100重量部、及びマイクロカプセル型発泡剤5〜15重量部を含有し、上記乳化重合体の重量平均分子量を5〜50万とし、かつ、ゲル分率を5〜50重量%とすることにより、上記の課題を解決したのである。
【0008】
重合体として所定の乳化重合体を用い、この乳化重合体の重量平均分子量を5〜50万とし、ゲル分率を5〜50重量%としたので、発泡状態を悪化させることなく、高い発泡倍率を得ることができ、かつ、エンボス適性を向上させ、意匠性をよくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を説明する。
この発明にかかる水性エマルジョン樹脂組成物は、(メタ)アクリル系単量体を、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する水性媒体中で重合することにより得られる乳化重合体、及びマイクロカプセル型発泡剤を含有する組成物である。
【0010】
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」と略する。)は、上記(メタ)アクリル系単量体が乳化重合されるときに一緒に乳化される重合体である。このEVAのエチレン含有量は10〜60重量%がよく、15〜40重量%が好ましい。また、このEVAの重量平均分子量は、10万〜100万がよく、20万〜80万が好ましい。
【0011】
エチレン含有量が、10重量%より少ないと、発泡性が低下する場合がある。一方、60重量%を超えると、べたつきが生じやすい。また、重量平均分子量が上記範囲より小さいと、得られる水性エマルジョン樹脂組成物を用いて発泡壁紙としたときに、べたつきが生じやすくなる。一方、上記範囲より大きいと、発泡性が低下するため、十分な発泡壁紙を得られにくくなる場合がある。なお、上記のエチレン−酢酸ビニル共重合体は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用することもできる。
【0012】
上記(メタ)アクリル系単量体としては、アクリル酸(以下、「AA」と略する。)、メタクリル酸、炭素原子数1〜20の脂肪族基又はヒドロキシ脂肪族基を有する(メタ)アクリル酸エステル等があげられる。
【0013】
上記炭素原子数1〜20の脂肪族基又はヒドロキシ脂肪族基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」と略する。)、アクリル酸ブチル(以下、「BA」と略する。)、メタクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等があげられる。なお、上記の(メタ)アクリル系とは、アクリル系又はメタクリル系を意味する。
【0014】
このなかでも、上記(メタ)アクリル系単量体としては、MMA、BA及びAAからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いると、柔軟性と発泡性とのバランスの点から好ましい。
【0015】
上記EVAにグラフト重合させる単量体中の上記(メタ)アクリル系単量体の含有量は、70重量%以上がよく、85重量%以上が好ましい。70重量%より少ないと、所望の発泡性が得られないことがある。
【0016】
上記(メタ)アクリル系単量体以外の単量体としては、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、ビニルエステル類等があげられる。
【0017】
上記EVAにグラフト重合させる単量体の中でも好ましい組み合わせは、上記EVAにグラフト重合させる単量体中の上記(メタ)アクリル系単量体の含有量は、100重量%で、かつ、上記(メタ)アクリル系単量体がMMA及びBAからなる混合物であるものが、発泡性と柔軟性とのバランスの点で好ましい。
【0018】
上記のMMA及びBAの重量比は、MMA/BA=50/50〜70/30が好ましい。MMAが50重量%未満では、得られる水性エマルジョン樹脂組成物を用いて発泡壁紙としたときに、べたつきが生じやすくなる。一方、70重量%を超えると、得られる水性エマルジョン樹脂組成物を用いて発泡壁紙としたときに、その発泡壁紙の耐屈曲性が悪化する場合がある。
【0019】
上記の(メタ)アクリル系単量体とEVAとの混合比は、特に限定されないが、得られる乳化重合体中の上記(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位が20〜80重量%となる場合が好ましく、40〜60重量%となる場合がより好ましい。20重量%より少ないと、発泡率を高くするのが困難になる場合がある。一方、80重量%を超えたときは、耐屈曲性が劣る場合がある。
【0020】
上記(メタ)アクリル系単量体の重合は、上記EVAを含有する水性媒体中でラジカル重合開始剤を用いて行われる。上記水性媒体としては水等があげられる。添加される乳化剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(n=8〜10)等のノニオン系界面活性剤等があげられる。また、重合開始剤としては、tert−ブチルハイドロパーオキシド等の過酸化物、過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリルイ等のアゾ化合物等を用いることができる。
【0021】
また、乳化重合方法は、一般に20〜80℃の反応温度下、通常は常圧の反応圧力下で、撹拌下で(メタ)アクリル系単量体を滴下しつつ行う方法が好ましいが、特に限定されるものではない。
さらに、乳化重合反応に際して、重合度調整剤や架橋剤を用いてもよい。
【0022】
乳化重合により得られるエマルジョン中の重合体の重量平均分子量は、5万〜50万がよく、15万〜50万が好ましい。5万より小さいと、得られる水性エマルジョン樹脂組成物を用いて発泡壁紙としたときに、べたつきが生じやすくなり、また、エンボス性が劣り、十分な意匠性が得られない場合がある。一方、50万より大きいと、発泡性に劣る場合がある。
【0023】
また、得られる乳化重合体のゲル分率は、乳化重合体中の固形分(ゲル分を含む)に対して5〜50重量%がよく、10〜40重量%が好ましい。5重量%より少ないと、得られる水性エマルジョン樹脂組成物を用いて発泡壁紙としたとき、発泡壁紙のエンボス性が劣り、十分な意匠性が得られない場合がある。一方、50重量%より大きいと、発泡性に劣る場合がある。
ゲル分率の測定は、重合体約20mgを精秤し、これにテトラヒドロフラン(THF)20mlを加え、室温で24時間静置した後、孔径0.45μmのフィルターでろ過した残分を、105℃で3時間乾燥して回収された不溶分の量を測定することにより行うことができる。
【0024】
上記のマイクロカプセル型発泡剤は、マイクロカプセル中に発泡剤を含有させたものである。このマイクロカプセルは、低沸点溶剤を熱可塑性高分子材料の被膜あるいは殻で包み込んだ粒径約10〜30μmの微小球からなる容器であって、その形態は、単独カプセル、多核カプセル、多核房状カプセル、二重カプセル、カプセルクラスター、あるいはセルフコンテインド型カプセルのいずれであってもよい。マイクロカプセルの殻(シェル)は、一般に、10μm以下、さらに好ましくは7μm以下の壁厚を有する。また、熱可塑性であること、およびガスバリア性の良いことが必要である。このため、例えば、塩化ビニリデン・アクリロニトリルを主体とする共重合体や、アクリロニトリル・アクリル系共重合体を主体とする重合体から形成される。
【0025】
上記発泡剤は、上記マイクロカプセルの軟化点を下回る沸点を有する揮発性液体形成剤、例えばエタン、プロペン、イソブテン、ペンタン、ヘプタンをはじめとする脂肪族炭化水素を例としてあげることができる。
【0026】
マイクロカプセル型発泡剤は、マイクロカプセルの壁部の可塑性流動が起こり、発泡剤の少なくとも一部分を揮発させ、マイクロカプセルを変形させるのに適当な圧力が生じるのに十分な温度に加熱されることによって発泡する。好適なマイクロカプセル型発泡剤は、商業的に入手可能であり、例えばExpancel粒子(Nobel Industries)及びMicropearl粒子(松本油脂製薬)があげられる。
【0027】
上記の乳化重合体とマイクロカプセル型発泡剤との混合比は、乳化重合体100重量部に対し、マイクロカプセル型発泡剤5〜15重量部とする。5重量部より少ないと、十分な発泡が得られない場合がある。一方、15重量部より大きくてもよいが、発泡剤を15重量部を超えて用いたときの効果は、添加量を増したほどには増加せず、かえって経済的に好ましくない場合がある。
【0028】
上記の乳化重合体には、この発明の目的を害さない程度に、他の添加物を添加することができる。この添加剤としては、増粘剤、充填剤、消泡剤、顔料、難粘剤、防カビ剤等があげられる。
上記増粘剤としては、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の、エマルジョンの増粘剤として通常使用されているものがあげられる。この増粘剤の配合割合は、上記の乳化重合体を必要な粘度に調整することができる割合であればよい。
【0029】
上記充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の、一般にエマルジョンの充填剤として使用されているものがあげられる。この充填剤の配合割合は、上記の乳化重合体100重量部に対して0〜50重量部とすることが好ましく、10〜40重量部がより好ましい。
上記消泡剤としては、一般にエマルジョンの消泡剤として使用されているものを使用することができる。その配合割合は、上記の乳化重合体100重量部に対して0.01〜1.5重量部が好ましい。
【0030】
上記顔料としては、一般にエマルジョンの顔料として使用されている有機、無機いずれの顔料も使用することができる。その配合割合は、装飾層の所望の色に応じて適宜調整することができる。
上記難燃剤としては、ハロゲン化リン酸エステル等のハロゲン系難燃剤や、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、第3リン酸マグネシウム、亜リン酸マグネシウム、スルファミン酸グアニジン、チオ尿素、リン酸グアニジン等の非ハロゲン系難燃剤があげられ、特に、非ハロゲン系難燃剤が好ましい。
【0031】
防カビ剤としては、10,10’−オキシビスフェノキシアルシン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、2−(4−チアゾール)ベンゾイミダゾール、N−トリクロロメチルメルカプト−4−シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル等の有機系防カビ剤、メタホウ酸バリウム等の無機系防カビ剤があげられる。
【0032】
この発明にかかる水性エマルジョン樹脂組成物を基材上に塗工、乾燥、発泡等することにより、発泡壁紙を製造することができる。
【0033】
上記の基材としては、裏打紙、合成樹脂シート、織布、不織布、編布等の従来より壁紙用の基材として使用されているものを使用することができる。なお、上記の裏打紙としては、予めエンボス加工等により凹凸意匠を施したエンボス裏打紙を使用することもできる。
【0034】
上記基材が通常のパルプ等を使用した裏打紙の場合、この裏打紙がエマルジョンの水分を吸収して、裏打紙の不均一な膨張、裏打紙を構成する繊維の不均一な伸縮等が生じ、装飾シート全体では言わゆる波打ち現象が発生してしまう場合が多い。このような場合には、上記のような裏打紙の少なくとも装飾層が形成される面側に、無機質粉体を主成分とする被覆層を形成したものを使用することができる。
【0035】
この無機質粉体としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、二酸化珪素、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー等が使用できる。これらの無機質粉体は、カゼイン、澱粉、あるいはアクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、ポリビニルアルコール、メラミン樹脂等の合成樹脂等のバインダーにて塗料化されて使用される。この塗料も、エマルジョンタイプ、溶剤タイプのいずれでもよいが、雰囲気(大気)汚染防止の観点からは、エマルジョンタイプが望ましい。
【0036】
上記の塗料の裏打紙への塗工手段は、ドクターナイフ、ナイフコーター、ロールコーター、エアーコーター等の一般的な塗工手段が採用され、塗工時期は、製紙直後でも、製紙後に別工程で行ってもよいし、装飾層形成直前(但し、装飾層の形成は、被覆層の乾燥後に行うのが好ましい。)に行ってもよい。
【0037】
そして、上記の水性エマルジョン樹脂組成物による装飾層の形成手段は、上記の裏打紙への無機質粉体を主体とする被覆層の塗工手段と同様のドクターナイフ、ナイフコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター等の一般的な塗工手段、グラビアプリント、ロータリースクリーンプリント等の印刷による塗工手段を採用することができる。このグラビアプリントやロータリースクリーンプリント等の印刷による塗工手段を採用する場合は、基材の全面あるいは部分的に装飾層を形成することができる。
【0038】
このようにして塗工された水性エマルジョン樹脂組成物による層は、乾燥されて装飾層となる。このときの乾燥条件は、100〜130℃で、10秒〜5分程度で充分である。必要に応じて、この装飾層上に、模様層をプリントすることもできる。そして、発泡は、上記乾燥後に、使用する発泡材料に適した条件による加熱処理を行う。具体的には、140〜190℃で、30秒〜5分程度行う。
【0039】
上記の装飾層は、単層で形成してもよいし、複数層で形成してもよい。複数層の場合には、発泡層と非発泡層との組み合わせとすることもできる。また、以上のようにして形成される装飾層の表面には、必要に応じて、艶消しや艶出し等の光沢調整、あるいは防汚性付与、表面強度アップ等のための種々の表面処理を施すこともできる。
【0040】
この表面処理は、表面処理剤を塗布乾燥させて表面処理層を形成するか、各種フィルムをラミネートする等により行う。表面処理剤としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等を主成分とする水系、溶剤系のいずれをも使用することができるが、雰囲気(大気)汚染防止の観点から水系のものが好ましい。また、ラミネートするフィルムとしては、アクリル樹脂系フィルム、ポリエステル樹脂系フィルム、オレフィン樹脂系フィルム(エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムやエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム等も含む)、フッ素系樹脂フィルム等の塩化ビニル樹脂以外の樹脂からなるフィルムであれば、いずれのものも使用できる。
【0041】
上記ラミネートは、接着剤を使用しない熱ラミネートでもよいし、接着剤を使用する接着ラミネートであってもよい。接着ラミネートに使用される接着剤としては、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤等の任意の接着剤が使用でき、水系接着剤でもよいし、溶剤系接着剤でもよく、フィルムを形成する樹脂と相溶性を有する接着剤を使用するのが好ましい。また、接着剤は、ラミネートするフィルム側に塗布して接着するのが好ましい。
【0042】
上記フィルムは、メカニカル手段によりエンボスする前にラミネートするか、このエンボスと同時にラミネートすることもできる。ラミネートするフィルムは、厚みが10〜100μmのものが使用できるが、好ましくは10〜50μmである。10μm未満では、フィルムが薄すぎて、作業性が悪くなるばかりでなく、ラミネート時にシワが入り易くなり、好ましくない。逆に、100μmを超えると、フィルムが厚くなりすぎて、コスト高になるので好ましくない。
さらに、凹凸意匠の付与は、上記の発泡によるエンボス手段にて、装飾層の形成と同時に行うことができる外、エンボスロール等の機械的なエンボス手段にて、上記の装飾層形成後に行うこともできる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明する。まず、実施例及び比較例で行った試験及び評価方法について説明する。
【0044】
(重量平均分子量)
乳化重合体に、濃度0.2重量%になるようにテトラヒドロフラン(THF)を加え、室温で24時間静置後、孔径0.45μmのフィルターを用いてろ過した。ろ液を用いて、ゲルパーミシエイションクロマトグラフィー(GPC、(株)島津製作所製、6Aシリーズ、検出器RI、標準試料:単分散ポリスチレン)により測定した。
【0045】
(ゲル分率)
乳化重合体約20mgを精秤し、これにテトラヒドロフラン(THF)20mlを加え、室温で24時間静置した後、孔径0.45μmのフィルターでろ過した残分を、105℃で3時間乾燥して回収された不溶分の量を測定してゲル分率を算出した。
【0046】
(発泡倍率)
基紙にガラス棒で水性エマルジョン樹脂組成物又は比較組成物を150g/m2塗布した後、90℃×3分で乾燥し、膜厚を測定した。次いで、150℃×1分で発泡させて、発泡後の膜厚を測定した。そして、下記の式にしたがって算出した。
発泡倍率=(発泡後の膜厚−基紙厚)/(発泡前の膜厚−基紙厚)
【0047】
(発泡表面強度)
上記の発泡倍率試験で発泡させたものの発泡表面をこすったり、爪で引っかいたりして表面外観の変化を観察した。
○:外観変化なし
△:一部変化(損傷)あり
×:表面剥離あり
【0048】
(透湿度)
基紙にガラス棒で水性エマルジョン樹脂組成物又は比較組成物を固形分として150g/m2となるように塗布した後、90℃×3分で乾燥して発泡前の塗工紙を得た。得られた塗工紙をJIS Z 0208に準じて試験し、下記式から算出した(養生は、40℃、90%RH×16時間)。
透湿度(g/m2・24hr)=240×m/t×S
(m:養生時間に伴う質量変化(mg)、t:養生時間(hr)、S:透湿面積(cm2)
【0049】
(塗布量)
透湿度試験における塗工紙の質量を養生前に測定して、下記式から塗布量を算出した(基紙質量は、n=3で平均値を用いた)。
塗布量(g/m2)=塗工紙質量(g)−基紙質量(g)/試験片面積(m2)
【0050】
(ブロッキング性)
基紙にガラス棒で水性エマルジョン樹脂組成物又は比較組成物を固形分として150g/m2となるように塗布した後、90℃×3分で乾燥して発泡前の塗工紙を得た。この塗工紙の塗工面と非塗工面(すなわち、塗工紙の裏面)を合わせ、ブロッキングテスターで12kg/cm2で圧締し、その後、(23℃、52%RH)×3時間で養生した。その後、剥離して剥離面外観を目視で観察した。
○:変化なし
△:一部に材料破壊がみられた
×:材料破壊がみられた
【0051】
(実施例1)
撹拌機付きの重合器に、水85.2g、及びEVA(住友化学(株)製:S−400、重量平均分子量;約50万、エチレン含量;20重量%、濃度55重量%)487gを加えて75℃に昇温し、過硫酸カリウム0.8g/水8g、及び重亜硫酸ナトリウム0.13g/水4gを添加した。次いで、MMA206.4g、BA186.8g、80重量%AA水溶液8.35g(アクリル/EVA=60/40(重量比))、重合調整剤(花王(株)製;チオカルコール)0.67g、アニオン系乳化剤(三洋化成(株)製;ES−70)3.3g及び水186gを混合してプレエマルジョンを作製し、これを3時間かけて連続的に添加した。
得られた乳化重合体の粘度は2550mPa・s、pH5.2、固形分56.6%であった。
【0052】
得られた乳化重合体182gに、マイクロカプセル型発泡剤(松本油脂製薬(株)製;F−55)を12.2g、水酸化アルミニウム(住友化学(株)製;C−303)を50g、炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製;スーパーSSS)70g、及び水24.6gを混合して水性エマルジョン樹脂組成物を作製した。この水性エマルジョン樹脂組成物を用いて上記の各種試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0053】
(実施例2)
撹拌機付きの重合器に、水55g、及びEVA(住友化学(株)製:S−400、重量平均分子量;約50万、エチレン含量;20重量%、濃度55重量%)727gを加えて75℃に昇温し、過硫酸カリウム0.53g/水5.3g、及び重亜硫酸ナトリウム0.09g/水2.5gを添加した。次いで、MMA137.6g、BA124.5g、80重量%AA水溶液5.57g(アクリル/EVA=40/60(重量比))、重合調整剤(花王(株)製;チオカルコール)0.45g、アニオン系乳化剤(三洋化成(株)製;ES−70)2.2g及び水124gを混合してプレエマルジョンを作製し、これを3時間かけて連続的に添加した。
得られた乳化重合体の粘度は1580mPa・s、pH4.9、固形分55.9%であった。
得られた乳化重合体を用いて、実施例1と同様にして、水性エマルジョン樹脂組成物を作製した。この水性エマルジョン樹脂組成物を用いて上記の各種試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0054】
(実施例3)
EVAを住友化学(株)製;S−467(重量平均分子量約50万、エチレン含量15重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にした。その結果を表1に示す。
【0055】
(実施例4)
EVAを住友化学(株)製;S−7400(重量平均分子量約50万、エチレン含量20重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にした。その結果を表1に示す。
【0056】
(比較例1)
実施例1において、得られた乳化重合体に代えて、EVA(住友化学(株)製:S−400)を182g用いて比較組成物を作成した。この比較組成物を用いて上記の各種試験及び評価を行った。その結果を表1に示す。
【0057】
(比較例2)
EVAを住友化学(株)製;S−900(重量平均分子量約39.4万、エチレン含量80重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にした。その結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
この発明にかかる水性エマルジョン樹脂組成物は、重合体として所定の乳化重合体を用い、この乳化重合体の重量平均分子量を5〜50万とし、ゲル分率を5〜50重量%としたので、発泡状態を悪化させることなく、高い発泡倍率をえることができ、かつ、エンボス適性を向上させ、意匠性をよくすることができる。
Claims (5)
- (メタ)アクリル系単量体を、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する水性媒体中で重合することにより得られる乳化重合体100重量部、及びマイクロカプセル型発泡剤5〜15重量部を含有し、上記乳化重合体の重量平均分子量が5〜50万であり、かつ、ゲル分率が5〜50重量%である水性エマルジョン樹脂組成物。
- 上記乳化重合体中に含まれる上記(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位が20〜80重量%である請求項1に記載の水性エマルジョン樹脂組成物。
- 上記(メタ)アクリル系単量体がメタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の水性エマルジョン樹脂組成物。
- 上記(メタ)アクリル系単量体がメタクリル酸メチル及びアクリル酸ブチルからなる混合物であり、その重量比がメタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル=50/50〜70/30である請求項3に記載の水性エマルジョン樹脂組成物。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の水性エマルジョン樹脂組成物を基材上に塗工、発泡して得られた発泡壁紙。
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