JP3663941B2 - 撮像装置の分光感度特性測定方法および撮像データ構成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタルカメラやディジタルスチルカメラ等の撮像装置の色彩特性である分光感度特性を測定する方法、および、撮像装置により撮像されたデータを記憶または伝送する際の撮像データの構成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮像装置の色彩特性装置および方法としては、国際規格としてIEC(Internatinational Electrotechnical Commission)より1994年5月に出版された、「 International Standard IEC1146-1 Video cameras ( PAL / SECAM / NTSC) - Methods of Measurement - Part 1 : Non-broadcasting single sensor cameras 」のSection 3, Clause 18に示されているものが代表的なものである。
【0003】
図18は、上述した撮像装置および方法を応用したもので、撮像装置の一例としてデジタルスチルカメラを使用した場合のデジタルスチルカメラの色再現性および階調特性を測定する装置の構成図である。
同図において、1は撮像装置、20は撮像装置の被写体であるテストチャート(評価チャートとも称する)である。21は安定した色温度を有しテストチャート20を照射する照明光源、15は撮像装置から出力されるデータを受信する画像出力装置であり、一例としてコンピュータなどがあげられる。
【0004】
また、図19は、テストチャート20の構成図であり、基準色として白、黒、及び白から黒へ段階的に変化するグレースケール22、及び赤、緑、青、などの数枚の色票23を含む。
これらの色票23の例として上述した国際規格のAnnex A,Bにその特性を規定されたものがある。
【0005】
図19に示されるチャートの各色票23のRGB値は既知のものであるとし(例えばデータを8ビットとすると、理想的には赤ならR=255、G=B=0、緑ならG=255、R=B=0、青ならB=255、R=G=0)、これを理論値とする。
テストチャート1を撮像装置1で撮像したときに測定される各色票23に対応するRGB値と理論値との差(色差)を求めることにより撮像装置1の色再現性を求めたり、白から黒へ段階的に変化するグレースケール22を撮像装置1で撮像したときの測定値より撮像装置1の階調特性を求めることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、照明光源21により照射されるテストチャート20の照度はチャート上の位置で異なるため、同じ色票23を撮影してもチャート上の位置によって測定値が異なり、照明むらを補正しなければ正確な値が得られないという問題点があった。
【0007】
また、理想的な均一照明下でも撮像装置の撮像光学系の特性により例えば中心部と周辺部の光量差のために同じ色票23を撮影しても測定値が異なるため、まず撮像装置の撮像光学系の特性が既知であり、その特性の補正をしなければ正確な値が得られないという問題点があった。
【0008】
また、テストチャート20が印刷物であると、退色、変色などの経時変化を伴うため、再現性の高い測定が困難であるという問題点があった。
【0009】
また、チャート上の各色票に対するRGB値の測定値と理論値との色差は求められるが、各波長における撮像装置の分光感度特性が測定できないという問題点があった。
【0010】
また、撮像装置が撮影した限られた種類の画像から得られる情報のみでは、その他の一般的な被写体による画像について精度の高い色補正ができないという問題点があった。
【0011】
また、色彩特性測定装置の測定したデータと、撮像装置が撮影した画像との関連付けをするには、別途対応表を作る等の作業が必要になるという問題点があった。
【0012】
また、照明光源21の種類(分光分布特性)が変われば、撮像装置が撮影した個々の色票に対応したデータも変化するが、従来は個々の照明光源21の特性を正確に反映する手段を持たないため、照明光源21を含めた撮像装置の色彩管理が困難であるという問題点があった。特に、上記のような理由から撮像装置の分光分布特性を正しく測定する方法がなかったため、たとえ光源の分光感度特性などを正確に測定しても、該分光感度特性を有効に利用した色管理に結びつかなかった。
【0013】
本発明は上記の問題点を解消するためになされたもので、評価チャートにおける照度ムラや経時変化、色票の管理などを行うことなく正確に分光感度特性を測定できることを目的としている。
【0014】
また、照明の分光特性などを正確に把握しておく必要なく測定できることを目的としている。
【0015】
さらにまた、被写体を正確に色再現できるために必要な分光感度特性を得る事を目的としている。
【0016】
さらにまた、撮像装置から得られた分光感度特性を撮像データに付することによりその撮像装置の色彩特性を常に知ることが出来、一般的な画像について精度の高い色補正が出来ることを目的としている。
【0017】
さらにまた、撮像装置の階調特性に依らない正確な分光感度特性を得る事を目的としている。
【0018】
さらにまた、被写体の色再現を正確に画像出力装置において表示できる画像データを得る事を目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る撮像装置の分光感度特性測定方法は、複数の画素からなる固体撮像素子を有した撮像装置と、光源からの光を分光する分光手段を備え、
分光手段から分光を出力する出射端を、撮像装置によって撮像し、撮像装置の少なくとも1チャンネル以上の出力信号を観測することにより撮像装置の分光感度特性を測定する分光感度特性測定方法において、
撮像装置から得られた少なくとも1チャンネル以上の信号における、撮像によって得られた画像のひとつひとつの画素に対応する信号毎に、撮像装置が有する非線形特性の逆関数を通し、前記逆関数により補正された画素毎または画素毎のデータの平均値から撮像装置の線形的な分光感度特性を得るものである。
【0020】
この発明に係る撮像データ構成方法は、撮像装置から得られた画像信号に、請求項1にて測定した分光感度特性を付すことを特徴とするものである。
【0021】
この発明に係る撮像データ構成方法は、分光分布特性がρ(λ)である色票を、画像出力装置の色空間に適合した撮像装置および前記色空間上で規定されている基準白色の照明下にて撮像した場合に得られる信号がRs,Gs,Bsであるとき、請求項1に記載の分光感度特性測定方法により測定された分光感度特性がR(λ),G(λ),B(λ)である撮像装置によって撮像された画像および上記画像のデータが記録保持されている画像ファイルにおいて、分光分布特性がL(λ)である光源下で前記色票を撮像したとき、前記ρ(λ)とL(λ)と各R(λ),G(λ),B(λ)との積を全波長において積分することによって得られる撮像装置の出力信号Rc,Gc,Bcを3行3列のマトリクスを介することにより、前記Rs,Gs,Bsと等しくなる前記3行3列のマトリクスの係数を、予め前記画像ファイルに添付しておくことを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図において従来と同一符号は従来のものと同一あるいは相当のものを表す。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1である分光特性測定方法を実現するための測定装置の外形を示す図である。
図において、1は被測定対象である撮像装置、2は分光器、3は分光器へ分光される光を入力する光源、4は撮像装置1における信号処理を施す信号処理回路、5は固体撮像素子、6は撮像装置1から映像信号(またはデータ)が出力される出力端子、7は分光器2から分光した光を射出する射出端である。
【0023】
上記のように構成された測定装置において、その測定方法を説明する。
分光器2は内部にプリズムやグレーティング(回折格子)を有しており、光源3より入射した光を単一波長に分光する。上記光源3は、ハロゲンランプ等のランプとランプからの出射光を集光するレンズによる構成が一般的である。分光された単一波長である光は出射端7から出射される。
撮像装置1は分光器2から出射された単一光を撮像する。撮像した光は固体撮像素子5により光電変換され、カメラ信号処理に必要な信号処理、例えばガンマ補正や利得制御を行い、映像信号として出力端子6から出力される。
【0024】
分光器2から出力される光の波長毎に撮像装置1の出力信号を得ることにより、撮像装置1の分光感度特性を得ることが出来る。
例えば、撮像装置1から白黒画像のように1チャンネルの出力信号が得られるとき図2に示すように波長に応じた撮像装置1の出力特性が得られる。
また、撮像装置1からカラー信号、例えばR,G,B信号のように3チャンネルの信号が得られる場合、分光器2から出力される光の波長に応じた各出力信号を得ることにより、図3に示すように波長に応じた撮像装置1の出力特性が得られる。
【0025】
上記において、分光器2の出射端7の分光波長範囲を可視光にするように構成すれば、人間の視覚特性に適合した撮像装置16の分光感度特性を得ることができる。
例えば、波長範囲を380nmから780nmになるように構成することで、日本工業規格JIS Z 8722による第1種分光測光器との整合がとれる撮像装置1の分光感度特性を得ることができる。
【0026】
撮像装置1から得られる信号は、撮像装置1における非線形な特性を含んでいる。
例えば、固体撮像素子5は図4に示すように複数の画素から構成されている。前記固体撮像素子5はCCDやMOS素子などが挙げられるが、今、1つの素子が図5に示す構造をしているとする。
図5において、10は光電変換を行うフォトダイオード、11は電荷を信号として蓄積するキャパシタ、12は蓄積された電荷を読み出すFET、13は読み出された信号を増幅するアンプである。
上記のような構成をしているとき、入力される光に対して、フォトダイオード10又はアンプ13などが線形特性をしていないとき、画素から出力される信号は非線形特性を有することとなる。
【0027】
また、撮像装置1における信号処理において、図6におけるガンマ補正処理などを行う場合に置いても、撮像装置1から得られる出力信号が非線形となる要因となる。
【0028】
図2および図3に示した入力光の波長に応じた撮像装置1の出力信号との関係は撮像装置1の非線形な特性を介した後の結果であり、この結果をそのまま撮像装置1の分光感度特性とすると、この特性は撮像装置1の非線形特性によるものであり、その取り扱いははなはだ不便なものとなる。
例えば、分光感度特性を色空間の変換などの色彩管理に利用しようとする場合、その原則として測色学における加法則が成立することを前提としているので、分光感度特性が線形特性であることの効果は大である。
【0029】
いま、撮像装置1の線形特性である各信号をDc(λ)とする。cは撮像装置1から得られる信号の種類を示し、白黒撮像装置であれば1チャンネルのみであり、R,G,B信号を出力するカラー撮像装置であればc=R,G,Bである。先に述べた固体撮像素子5内のアンプ13などによる非線形特性をfsc、信号処理におけるガンマ特性などによる非線形特性をfrcとすると、撮像装置1の出力端から得られる信号Dc’(λ)は次の式(1)にて示すことが出来る。
ここで、fc=frc(fsc)、cは出力信号の種類であり、白黒撮像装置であれば1チャンネルのみであり、RGBカラー撮像装置であればfcはfR,fG,fBである。
【0030】
また、この実施の形態では撮像装置の非線形特性をfscとfrcとを例にとって説明したが、他に非線形となる要因を有する撮像装置においてもそれらすべての特性を含めてfcの関数とすれば同様である。
よって、撮像装置1における分光感度特性は、前述の図1乃至図3に基づいた測定によって、撮像装置1から得られた出力信号D’c(λ)から、次の式(2)にて求めることが出来る。
Dc(λ)=fc−1(Dc’(λ)) ・・・(2)
【0031】
ここで、撮像装置1にて分光器2の射出光を撮像した画像を図7に示す。
図7において、碁盤の目状になっているのは、固体撮像素子5のひとつひとつの画素であり、分光特性測定として用いる信号は分光器2からの射出光の部分のみであり、具体的には図7において斜線にて示された部分のみとなる。
ところが、分光器2の射出端における射出光は、図8に示すように均一な強度分布をしていない。
また、射出端7に拡散板を設けた場合に置いても、完全に均一とはならず、完全拡散板のように非常に拡散度の高い拡散板を用いれば、射出光が完全に拡散されるため撮像装置1に入射する光は極めて微量となり、射出端を大きくするか、光源3による入射光量を極めて大きくする必要があり、精度良く測定するためには、はなはだ非現実的な物となる。
【0032】
撮像装置1の非線形特性fcを例えば図9に示す特性とする。図10にその一部を拡大した図を示す。
いま、図7において、(i,j)の位置における撮像装置1からの出力信号をD’(i,j)、(i+2,j+2)の位置における撮像装置1からの出力信号をD’(i+2,j+2)とすると、fcの式(2)に示す逆関数を通した値D(i,j),D(i+2,j+2)は図9に示す値である。
【0033】
式(2)に示した分光感度特性を算出する式は撮像装置1から得られた各波長における値を図7の斜線部に当たる値として導出するため、固体撮像素子5の画素単位に置き換えると、次の式(3)のようになる。
Dc(λ)=fc−1(ΣDc’ij(λ)/n) ・・・(3)
ij:固体撮像素子5の画素の位置
n:算出に用いた画素数
この式(3)によると、(i,j),(i+2,j+2)の位置の画素だけに注目すると式(3)における(ΣDc’ij(λ)/n)は(D’(i,j)+D’(i+2,j+2))/2となり、図10に示すようにDc(λ)はfc−1((D’(i,j)+D’(i+2,j+2))/2)となる。
【0034】
しかし、実際に線形特性である、D(i,j),D(i+2,j+2)から求められるDc(λ)とはΔDcだけの誤差が生じてしまう。
よって、撮像装置1の分光特性は撮像装置1から、固体撮像素子5の各画素ごとの信号に対して非線形特性を示す関数fcの逆関数を通し、得られた各画素ごとの信号の平均値からDcを算出することによって、誤差の少ない分光感度特性を導出することが出来る。
【0035】
よって、分光感度特性を算出する式は次の式(4)にて表すことが出来る。
Dcij:各画素Dc’ij(λ)の非線形特性の逆関数を通した値
ij:固体撮像素子5の画素の位置
n:算出に用いた画素数
【0036】
本発明では、撮像装置1の分光感度特性を得るにあたり、固体撮像素子5の各画素ごとの信号から説明したが、一枚の固体撮像素子5上に複数の色フィルタが順次配列されている固体撮像素子5を用いた撮像装置1などに置いては、得られた画像のひとつひとつの画素ごとから式(4)による導出を行うことで同様に分光感度特性を得ることが出来る。たとえば、ベイヤー配列などにおける固体撮像素子5は、固体撮像素子5上のあるラインでR,G,R,G..、次のラインではG,B,G,B...と色フィルタが順次されている。これに対して、撮像装置1から出力される画像が各画素ごとにR,G,Bが得られた場合、R信号の分光感度特性は画像の各画素毎のR信号を撮像装置1の非線形特性の逆関数を通した平均値から算出することが出来、G,B信号においても同様である。
【0037】
このように、各画素ごとに撮像装置1の非線形特性の逆関数を通した値の平均値を各波長ごとに求めることにより、例えば、撮像装置1から得られた出力特性は図11に示す出力特性が得られたとき、上述した補正を行った図12に示す撮像装置1の入出力特性が線形特性である分光感度特性を求めることが出来る。
【0038】
また、分光器2から射出される光L(λ)が測定する波長領域において図13に示すように平坦でない場合、式(4)に示した分光感度特性の算出式は次の@式(5)によって求めることが出来る。
Dc(λ)=Σfc−1(Dc’ij(λ))/nL(λ)・・・(5)
Dcij:各画素Dc’ij(λ)の非線形特性の逆関数を通した値
ij:固体撮像素子の画素の位置
n:算出に用いた画素数
L(λ):分光器からの射出光の分光特性
【0039】
実施の形態2.
図14は撮像装置1にて撮像した画像データを画像出力装置15へ出力している図である。撮像装置1によって撮像された画像のデータは画像毎に画像ファイルとして画像出力装置15へと転送される。前記転送は撮像装置1と画像出力装置15とを直接つなぐケーブル16によってシリアル/パラレル通信にて行ったり、また赤外通信17やストレージ媒体18などを介して行われる。
【0040】
従来技術では、撮像装置1によって撮像した画像データは画像データのみを画像出力装置15へと転送し、画像を出力するのみであった。
また他には画像データに撮影した日時などの簡単な記録データを付して、撮像データを構成していた。
しかし、図14に示すように撮像装置1の分光感度特性と、画像出力装置15の分光特性が異なる場合、同じ画像出力装置15を用いた場合でも分光感度特性が異なる撮像装置1にて撮像した画像の色再現は異なり、又、逆に同じ撮像装置1でも画像出力装置15が異なることに色再現が異なるため、これらの色再現性は設計者の感に頼るような、色再現性の設計を行っていた。
【0041】
これらの問題に対して、NTSCなどの画像出力装置15ではその理想とする分光特性が定められており、撮像装置1の分光感度特性も当然この分光特性に準ずるように設計すべきであるが、撮像装置1の種種の問題によりすべての撮像装置1がこれに準じた分光感度特性を有しているわけではない。
また、画像出力装置15はNTSCのみに限らず様々な画像出力装置15があるため、撮像装置1の分光感度特性をどのように定めればよいのか、一つに定めることが出来ない。
【0042】
そこで、本発明では従来の画像データに実施の形態1で示した方法によって導出されて撮像装置1の分光感度特性を付した形で撮像データを構成することにより、撮像装置1から得られる画像データを取り扱う上でその撮像装置1の分光感度特性が既知のものとなるため、例えば、画像出力装置における表示の際に色再現性を同一にさせるカラーマッチングなどを行う際にも重要なデータとして用いることが出来る。
【0043】
図15にデータ形式の一例を示す。従来画像データのみであったデータ構成に、ヘッダ部またはフッダ部に請求項1にて測定した分光感度特性を付した形としてデータを構成する。このデータをひとつの画像データとして記憶保持または伝送することにより撮像装置1の分光特性データを画像出力装置へ転送する。画像出力装置は画像データに添付された分光感度特性を用いて画像データの色変換等に用いることが出来たり、色再現性を補償することが出来る。
例えば、図16に示すようにインターネットなどに挙げられる伝送手段を用いる場合、各機種におけるカラーマネージメントを行うとした場合、一度R,G,Bなどで得られた画像データを標準色空間に変換することが推奨されている。ここでの標準色空間はIEC61966−2−1で定義されているsRGBや、CIELabやCIELuv、XYZなど特には問わない。その際、撮像装置1の分光特性が既知であると適切な色空間への変換が容易である。
【0044】
また、本実施の形態では図14に画像出力装置15の図としてパーソナルコンピュータまたはモニタを図示したが、モニタに限らずプリンタやプロジェクタなどの画像出力装置15においても同様である。
【0045】
実施の形態3.
図14は、上述した実施の形態で示したように撮像装置1によって被写体を撮像している図である。いま、前記撮像装置1が前記画像出力装置15の色空間に適合した撮像特性を有するものであり、例えば画像出力装置15がNTSCモニタであれば前記撮像装置1はNTCSの撮像特性を有しており、sRGB空間を有する画像出力装置15であれば、それに適合した撮像特性を有しているとし、予め既知の分光分布特性ρ(λ)である色票をテストチャート20上に設置し、照明光源21が前記色空間で規定されている基準白色である場合、前記撮像装置1から得られる前記色票の信号をRs,Gs,Bsとする。
【0046】
実施の形態1により求められた分光感度特性がR(λ),G(λ),B(λ)である撮像装置1により、分光分布特性L(λ)である照明下で得られる前記色票の信号Rc,Gc,Bcは次の式(6)で表される。
Rc=∫ρ(λ)×R(λ)×L(λ) dλ
Gc=∫ρ(λ)×G(λ)×L(λ) dλ ・・・(6)
Bc=∫ρ(λ)×B(λ)×L(λ) dλ
被写体におけるすべての色票において
Rs=Rc
Gs=Gc ・・・(7)
Bs=Bc
がなりたてばよいが、成り立たない場合は色再現性誤差が発生する。
この誤差を解消するためには次の(8)式に示したの3×3のマトリクス係数を決定すればよい。
【0047】
【数1】
【0048】
これらの係数は例えば少なくとも3チャンネルの代表的な色票によって求めることができる。前記a11〜a33の9種のマトリクス係数を撮像装置1より得られる画像データに添付する。図17に画像ファイルのデータ形式の一例を示す。例1は画像データの先頭に前記マトリクス係数を付加したデータである。例2は画像データの先頭に撮像装置1の分光感度特性および前記マトリクス係数を付加したデータである。これらのa11〜a33の9種のマトリクス係数を画像ファイルに付することにより例えばパソコン上などで色再現誤差を補償することができる。
【0049】
図17に示したデータ形式は一例であり、画像データのいずれか一部に上記マトリクス係数を付加していれば同様の効果が得られることはいうまでもない。
【0050】
以上は1チャンネルまたはR,G,B3チャンネルの撮像装置の場合について述べたが、N種(Nは自然数)の撮像装置について本発明による測定方法は有効である。
【0051】
任意の光源の分光分布特性、任意の被写体の分光反射率特性および本発明により得られた被測定撮像装置の分光感度特性から、該撮像装置の出力信号を算出することができ、該撮像装置の各種の色に関する撮像信号を高精度に算出可能となる。例えばNを十分に大きくした場合などは、光源の分光分布特性、本発明より得られた被測定撮像装置の分光感度特性、任意の被写体を撮像して得られる信号から該被写体の分光反射率特性を高精度に推定することも可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の撮像装置の分光感度特性測定方法に係る発明によれば、複数の画素からなる固体撮像素子を有した撮像装置と、光源からの光を分光する分光手段を備え、分光手段から分光を出力する出射端を、撮像装置によって撮像し、撮像装置の少なくとも1チャンネル以上の出力信号を観測することにより撮像装置の分光感度特性を測定する分光感度特性測定方法において、撮像装置から得られた少なくとも1チャンネル以上の信号における、撮像によって得られた画像のひとつひとつの画素に対応する信号毎に、撮像装置が有する非線形特性の逆関数を通し、前記逆関数により補正された画素毎または画素毎のデータの平均値から撮像装置の線形的な分光感度特性を得るので、正確な分光感度特性およびそれが得られる測定法を得ることができる。
【0053】
また、請求項2の撮像データ構成方法に係る発明によれば、請求項1にて測定した分光感度特性を付すので、画像出力装置上における色再現に必要な情報を得ることが出来、カラーマッチングなどの色補正などにも用いることができる。
【0054】
また、請求項3の撮像データ構成方法に係る発明によれば、分光分布特性がρ(λ)である色票を、画像出力装置の色空間に適合した撮像装置および前記色空間上で規定されている基準白色の照明下にて撮像した場合に得られる信号がRs,Gs,Bsであるとき、請求項1に記載の分光感度特性測定方法により測定された分光感度特性がR(λ),G(λ),B(λ)である撮像装置によって撮像された画像および上記画像のデータが記録保持されている画像ファイルにおいて、分光分布特性がL(λ)である光源下で前記色票を撮像したとき、前記ρ(λ)とL(λ)と各R(λ),G(λ),B(λ)との積を全波長において積分することによって得られる撮像装置の出力信号Rc,Gc,Bcを3行3列のマトリクスを介することにより、前記Rs,Gs,Bsと等しくなる前記3行3列のマトリクスの係数を、予め前記画像ファイルに添付しておくので、被写体を画像出力装置において正確に色再現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1における分光感度特性測定装置を示す図である。
【図2】 白黒撮像装置のように1チャンネルの信号だけを出力する撮像装置における、各波長における出力信号。
【図3】 RGBカラー撮像装置のように3チャンネルの信号を出力する撮像装置における、各波長における出力信号。
【図4】 固体撮像素子の複数の画素を示す図である。
【図5】 固体撮像素子の画素構造の一例を示す図である。
【図6】 信号処理におけるガンマ補正を示す図である。
【図7】 分光器の射出端を撮像した画像の一例を示す図である。
【図8】 分光器の射出端の放射輝度ムラを示す図である。
【図9】 撮像装置の非線形特性を示す図である。
【図10】 得られた信号を非線形特性の逆関数を通した信号を示した図である。
【図11】 撮像装置出力信号の特性を示す図である。
【図12】 撮像装置の分光感度特性を示す図である。
【図13】 分光器から出力される光の分光分布を示した図である。
【図14】 実施の形態2における撮像装置と画像出力装置との関係を示す図である。
【図15】 実施の形態2における画像のデータ形式の例を示す図である。
【図16】 標準色空間を含めた撮像装置と画像出力装置との関係を示す図である。
【図17】 実施の形態3における画像のデータ形式の一例を示す図である。
【図18】 従来技術における撮像装置の測定法を示す図である。
【図19】 従来技術における撮像装置の測定法に用いるテストチャートの一例である。
【符号の説明】
1 撮像装置 2 分光器 3 光源
4 信号処理回路 5 固体撮像素子 6 出力端子
7 出射端 10 フォトダイオード 11 キャパシタ
12 FET 13 アンプ 15 画像出力装置
16 ケーブル 17 赤外線発光および受光装置
18 フロッピーディスク 20評価チャート 21照明光源
22 グレースケール 23色票
Claims (3)
- 複数の画素からなる固体撮像素子を有した撮像装置と、光源からの光を分光する分光手段を備え、
分光手段から分光を出力する出射端を、撮像装置によって撮像し、撮像装置の少なくとも1チャンネル以上の出力信号を観測することにより撮像装置の分光感度特性を測定する分光感度特性測定方法において、
撮像装置から得られた少なくとも1チャンネル以上の信号における、撮像によって得られた画像のひとつひとつの画素に対応する信号毎に、撮像装置が有する非線形特性の逆関数を通し、前記逆関数により補正された画素毎または画素毎のデータの平均値から撮像装置の線形的な分光感度特性を得ること特徴とする撮像装置の分光感度特性測定方法。 - 上記撮像装置から得られた画像信号に、請求項1にて測定した分光感度特性を付すことを特徴とした撮像データ構成方法。
- 分光分布特性がρ(λ)である色票を、画像出力装置の色空間に適合した撮像装置および前記色空間上で規定されている基準白色の照明下にて撮像した場合に得られる信号がRs,Gs,Bsであるとき、
請求項1に記載の分光感度特性測定方法により測定された分光感度特性がR(λ),G(λ),B(λ)である撮像装置によって撮像
された画像および上記画像のデータが記録保持されている画像ファイルにおいて、分光分布特性がL(λ)である光源下で前記色票を撮像したとき、前記ρ(λ)とL(λ)と各R(λ),G(λ),B(λ)との積を全波長において積分することによって得られる撮像装置の出力信号Rc,Gc,Bcを3行3列のマトリクスを介することにより、前記Rs,Gs,Bsと等しくなる前記3行3列のマトリクスの係数を、予め前記画像ファイルに添付しておくことを特徴とする撮像データ構成方法。
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