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JP3513075B2 - 免疫測定法及びそのための試薬 - Google Patents

免疫測定法及びそのための試薬

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JP3513075B2
JP3513075B2 JP2000103600A JP2000103600A JP3513075B2 JP 3513075 B2 JP3513075 B2 JP 3513075B2 JP 2000103600 A JP2000103600 A JP 2000103600A JP 2000103600 A JP2000103600 A JP 2000103600A JP 3513075 B2 JP3513075 B2 JP 3513075B2
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antibody
insoluble carrier
reagent
particulate insoluble
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雅枝 佐藤
修一 目黒
忠 山▲崎▼
盛 関根
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Denka Seiken Co Ltd
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Denka Seiken Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凝集法による免疫
測定法及びそのための試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】不溶性担体粒子を利用した免疫測定法
は、血清、血漿、尿、髄液などの体液に含まれる抗原性
物質の定量方法として臨床検査に応用され、現在は自動
化による簡便性・迅速性の理由から広く普及している。
近年は、更なる測定性能の向上を目的とした応用技術が
提案されている。例えば、少なくとも2つの異なった量
の同一抗体が負荷された2種の異ったサイズ範囲のラテ
ックス粒子を用いる試薬(特公昭63-14783号公報参照)や
平均粒径の異なる2種類の不溶性担体粒子に抗体を感作
して用いる測定法(特許第第2588174号公報参照)によれ
ば、広い濃度範囲におよぶ測定が可能となる。平均粒子
径が単一の不溶性担体粒子にポリクローナル抗体とモノ
クローナル抗体を併せて用いる方法(特開平10-90268公
報参照)によれば、同様な効果が得られる。また、平均
粒径の異なる2種類以上の不溶性担体粒子に特定の抗原
に対する2種以上のモノクローナル抗体を感作し、立体
障害による凝集阻害を回避することで正確な定量を可能
とする測定法(特開平10-123137公報参照)などが提案さ
れている。
【0003】また、Journal of Clinical Laboratory A
nalysis 12:137-144 (1998)及び「医学と薬学」42巻
5号 1999年11月 42(5):781-788, 1999には、大小2
種類の担体粒子を用い、平均粒径の小さな担体粒子には
反応速度の小さなモノクローナル抗体を感作し、平均粒
径の大きな担体粒子には反応速度の大きなモノクローナ
ル抗体を感作した感作粒子混合物を用いて凝集法により
免疫測定を行うことが記載されている。しかしながら、
これらの文献に記載された方法では、測定可能な濃度範
囲が狭く、高濃度領域の測定が困難であるという問題を
有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】臨床検査における血清
免疫検査項目では、低濃度域に臨床的な判定を下すため
の重要なポイントを持つものが多く、低濃度域の測定精
度が検査結果を左右する大きな要因になっていることは
明らかである。粒子径の異なる複数の不溶性担体を混合
して用いる技術は、特許第2588174号公報に示されると
おり、単一の粒子を用いる場合に比べて測定範囲は広く
することができ、低濃度域の測定も可能となるが、測定
精度の面では更なる向上が望まれる。測定精度の向上に
は測定系の高感度化が有効であるが、従来の技術におい
て測定系を高感度化することが測定範囲の縮小をもたら
してしまうことは、特許第2588174号公報に記載されて
いる通りである。また、Journal of Clinical Laborato
ry Analysis 12:137-144 (1998)及び「医学と薬学」4
2巻5号 1999年11月 42(5):781-788, 1999に記載さ
れた方法では高濃度域の測定が困難であり、測定範囲が
狭くなっている。
【0005】従って、本発明の課題は、測定範囲を広範
囲に維持したまま、低濃度域の測定をより高感度化する
測定方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、鋭意研
究の結果、大小2種類の担体粒子を用い、平均粒径の小
さな担体粒子には反応速度の小さなポリクローナル抗体
を感作し、平均粒径の大きな担体粒子には反応速度の大
きなポリクローナル抗体を感作した感作粒子混合物であ
って、大小の粒子の平均粒径の比率、それらの重量比率
及びそれらの平均粒径の値を最適化することにより、測
定範囲を広範囲に維持したまま、低濃度域の測定を従来
法よりも高感度化することができることを見出し、本発
明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、第1の粒子状不溶性
担体上に、測定すべき抗原と抗原抗体反応する第1のポ
リクローナル抗体又はその抗原結合性断片を担持した第
1の感作粒子と、第2の粒子状不溶性担体上に、測定す
べき抗原と抗原抗体反応する第2のポリクローナル抗体
又はその抗原結合性断片を担持した第2の感作粒子との
混合物であって、前記第1の粒子状不溶性担体の平均粒
子径が0.05〜0.10μmであり、前記第2の粒子状不溶性
担体の平均粒子径は、前記第1の粒子状不溶性担体の平
均粒子径の1.5〜5.0倍であり、前記第1の粒子状不溶性
担体の重量が前記第2の粒子状不溶性担体の総重量の
2.5〜10.0倍であり、前記第2のポリクローナル抗体の
抗原抗体反応速度は、前記第1のポリクローナル抗体の
抗原抗体反応速度よりも大きい、第1及び第2の感作粒
子混合物と、測定すべき抗原を含む検体とを反応させ、
凝集の生成速度を光学的に測定することを含む、凝集法
による免疫測定方法を提供する。また、本発明は、第1
の粒子状不溶性担体上に、測定すべき抗原と抗原抗体反
応する第1のポリクローナル抗体又はその抗原結合性断
片を担持した第1の感作粒子と、第2の粒子状不溶性担
体上に、測定すべき抗原と抗原抗体反応する第2のポリ
クローナル抗体又はその抗原結合性断片を担持した第2
の感作粒子との混合物であって、前記第1の粒子状不溶
性担体の平均粒子径が0.05〜0.10μmであり、前記第2
の粒子状不溶性担体の平均粒子径は、前記第1の粒子状
不溶性担体の平均粒子径の1.5〜5.0倍であり、前記第1
の粒子状不溶性担体の重量が前記第2の粒子状不溶性
担体の総重量の2.5〜10.0倍であり、前記第2のポリク
ローナル抗体の抗原抗体反応速度は、前記第1のポリク
ローナル抗体の抗原抗体反応速度よりも大きい、第1及
び第2の感作粒子混合物から成る、凝集法による免疫測
定用試薬を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の凝集法による免疫測定法
では、平均粒子径の異なる大小2種類の粒子状不溶性担
体が用いられる。平均粒子径(直径)が小さい方の、第
1の粒子状不溶性担体の平均粒子径は0.05〜0.10μm、
好ましくは0.06〜0.08μmである。第1の粒子状不溶性
担体の平均粒子径がこの範囲内にあると、高濃度域での
正確な測定が可能になり、測定可能な濃度範囲が高濃度
側に広がる。また、平均粒子径が大きい方の、第2の粒
子状不溶性担体の平均粒子径は、前記第1の粒子状不溶
性担体の平均粒子径の1.5〜5.0倍、好ましくは2.0〜4.0
倍である。第2の粒子状不溶性担体の平均粒子径が、第
1の粒子状不溶性担体の平均粒子径の1.5〜5.0倍の範囲
内にあると、低濃度域での測定感度が高くなる。
【0009】なお、粒子状不溶性担体自体は、従来から
凝集法に広く用いられているいずれの担体粒子であって
もよく、例えばラテックス粒子や赤血球粒子等を挙げる
ことができる。ポリスチレンラテックス等のラテックス
粒子を特に好ましく用いることができる。
【0010】前記第1及び第2の粒子状不溶性担体に
は、反応速度が異なるポリクローナル抗体がそれぞれ感
作される。平均粒子径が小さな第1の粒子状不溶性担体
には、反応速度が小さな第1のポリクローナル抗体が感
作され、平均粒径が大きな第2の粒子状不溶性担体には
反応速度が大きな第2のポリクローナル抗体が感作され
る。ここで、反応速度の大小は、各ポリクローナル抗体
を対応抗原と反応させることにより生じる凝集を吸光度
の変化により測定する場合の、反応初期(反応開始から
1分以内、好ましくは20秒以内)の吸光度の変化率の
大小により表される。抗原抗体反応開始時点からの時間
を横軸に取り、吸光度を縦軸に取り、抗原抗体反応開始
前の吸光度を同じにして抗原抗体反応を行わせ、反応開
始から20秒後の吸光度の変化を比較することにより反
応速度の大小を比較した場合、第2のポリクローナル抗
体の反応速度は、第1のポリクローナル抗体の反応速度
の1.3〜2.0倍程度が好ましく、特に好ましくは1.5〜1.7
倍程度である。なお、反応速度の大小は、力価の大小と
は必ずしも相関しない。下記実施例に示すように、力価
がほぼ同じでも反応速度はかなり異なる場合がある。抗
体を担体粒子に感作する方法は周知の常法により行うこ
とができる。すなわち、抗体溶液に粒子を浮遊させて放
置することにより物理的に吸着させることができる。
【0011】なお、粒子状不溶性担体には、ポリクロー
ナル抗体に代えて、Fabフラグメントや、F(ab')2フラグ
メントのような、そのポリクローナル抗体の抗原結合性
断片を感作することもできる。
【0012】反応に供される前記第1の粒子状不溶性担
体の重量が前記第2の粒子状不溶性担体の重量の2.
5〜10.0倍であり、特に3.0〜7.0倍であることが好まし
い。第1及び第2の粒子状不溶性担体の重量比率が上記
の範囲内にあると、高濃度域での正確な測定が可能にな
り、測定可能な濃度範囲が高濃度側に広がる。
【0013】第1及び第2の感作粒子の反応系中での濃
度は特に限定されないが、測定感度の観点から、反応系
中の前記第2の感作粒子の濃度が0.02〜0.07 W/V%程度
が好ましい。
【0014】免疫測定自体は、従来の凝集法と全く同様
にして行うことができる。すなわち、上記第1及び第2
の感作粒子を緩衝液に懸濁し、これに検体を加え、凝集
の生成速度を光学的に測定することにより行うことがで
きる。凝集の生成速度は、反応液の吸光度、濁度又は光
透過率等を連続的に又は時間間隔をあけて断続的に測定
することにより容易に測定することができる。凝集速度
は、例えば抗原抗体反応開始60秒後から90秒後の吸
光度の変化を測定することにより測定することができ
る。もっとも、測定時間はこれに限定されるものではな
く、反応の比較的初期(好ましくは反応開始から2分間
以内)の任意の時間における吸光度等の変化を測定する
ことにより測定することができる。凝集速度は、検体中
の抗原濃度と相関するので、既知の抗原濃度の標準試料
をいくつか作製して反応を行い、凝集速度を測定して検
量線を作成しておき、検体中の抗原濃度は、測定された
凝集速度をその検量線にあてはめることにより知ること
ができる。反応温度は、特に限定されないが、通常、3
7℃程度が好ましい。
【0015】本発明の方法により測定することができる
抗原は何ら限定されるものではなく、それに対応するポ
リクローナル抗体を作製することができるあらゆる抗原
が本発明の方法により測定可能である。例えば、C反応
性タンパク質(CRP)のような疾病のマーカーとなる
各種タンパク質、細菌やウイルスのような病原体等を挙
げることができるがこれらに限定されるものではない。
また、検体も何ら限定されるものではなく、血清、血
漿、尿、髄液、痰等の体液や、飲食物又はその抽出液な
どを挙げることができるがこれらに限定されるものでは
ない。なお、体液等をそのまま用いた場合に抗原濃度が
高すぎて正確な測定が困難な場合には、体液等を希釈し
たものを検体として用いることができることは言うまで
もない。
【0016】本発明は、抗原性物質に対する抗体の反応
速度の違いを利用することにより、被検試料中の抗原性
物質をその含有濃度に応じて効果的に捉えることを可能
とし、測定の精度を向上させるものである。つまり、被
検試料中の抗原性物質の濃度が非常に希薄な場合には、
反応速度の速い抗体が優先的に抗原性物質を捉えること
で該抗体が感作された粒子径の大きい不溶性担体が優先
的に凝集を起こし、反応は僅かでも大きい光学的変化と
して捉えられる。一方、被検試料中の抗原性物質の濃度
が高い場合には、反応速度の速い抗体は急速に消費され
るため粒子径の大きい不溶性担体は瞬時に凝集してしま
うが、反応速度の遅い抗体がゆっくりと反応を持続する
ことで該抗体が感作された粒子径の小さい不溶性担体の
凝集反応が維持され、光学的変化を抑えながら継続させ
る事ができる。本発明は、これらの効果により測定範囲
を広範囲に維持したまま低濃度域の測定をより高感度化
することを可能とする測定方法である。さらに、本発明
では、大小の粒子の平均粒径の比率、それらの重量比率
及びそれらの平均粒径の値を最適化することにより、測
定範囲を広範囲に維持したまま低濃度域の測定をより高
感度化することが特に良好に達成される。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきより具体的に
説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定される
ものではない。
【0018】参考例1 抗ヒトCRPウサギポリクロー
ナル抗体の反応速度 抗体の反応速度について、市販されている抗ヒトC反応
性タンパク質(C-Reactive Protein;CRP)ウサギポリ
クローナル抗体による実例を示す。抗ヒトCRPウサギ
ポリクローナル抗体A、および抗ヒトCRPウサギポリ
クローナル抗体Bを、抗原性物質であるヒトCRPに対
する凝集力価が等しくなるようにグリシン緩衝液で希釈
したものをそれぞれ反応液とし、抗原性物質との抗原抗
体反応により生成される凝集を光学的に測定した。測定
試料には、ヒトCRP精製抗原を正常ヒト血清で希釈し
てCRP濃度が約10mg/dLとなるように調製した
ものを用いた。
【0019】測定装置には、生化学検査用自動分析装置
TBA−30Rを用い、測定試料25μLに対して、凝
集促進剤として3%のポリエチレングリコールを含むグ
リシン緩衝液250μLを添加し、その5分後に抗体A
およびBのそれぞれから調製された反応液を50μL加
える設定とし、抗原抗体反応により生成される凝集を光
波長340nm(主波長)における吸光度の経時的変化
として20秒毎に5分間測定し、その結果を図1のグラ
フに示した。なお、バックグランドの吸光度を消去する
ために、波長804nm(副波長)における吸光度を測
定し、主波長における吸光度から差し引いて吸光度を算
出した。
【0020】抗原抗体反応が開始される5分の点以降、
抗体Aでは吸光度が急激に上昇しているのに対し、抗体
Bでは比較的緩やかに吸光度が上昇する。このことは、
抗体Aが抗体Bに比べ反応速度が速いことを意味してい
る。また、測定の最終点である10分で抗体Aと抗体B
の吸光度は、ほぼ同じレベルにあり凝集力価としては同
等であることを示している。
【0021】実施例1、比較例1及び2 ヒトCRPの
測定 抗ヒトCRPウサギポリクローナル抗体A、および抗ヒ
トCRPウサギポリクローナル抗体Bをポリスチレンラ
テックスC(粒子径0.21μm)、およびポリスチレンラ
テックスD(粒子径0.06μm)との組み合わせでそれぞ
れ感作し、グリシン緩衝液中に分散浮遊液状とし、計4
種類の試薬を調製した。これら4種類の試薬をそれぞれ
混合して使用した。なお、試薬はCambiasoらの方法(Me
thods inEnzymology Vol.74; Section I, B [6]:106-13
9)に従い、グリシン緩衝液中で抗体とポリスチレンラ
テックスの規定量を混合し、室温で60分間放置するこ
とにより感作をおこない、遠心操作により剰余分の抗体
を除去した後、ウシ血清アルブミンを含むグリシン緩衝
液によりポリスチレンラテックス粒子表面の抗体未感作
部分のブロッキングを施し、再び遠心操作により抗体感
作ポリスチレンラテックス粒子を集め、グリシン緩衝液
中に再浮遊することにより調製した。
【0022】測定用試料として、ヒトCRP精製抗原を
正常ヒト血清で希釈して調製したCRP標準品を用い
た。CRP標準品は血漿蛋白国際標準品CRM470に
準拠して値付けされたもので、1,5,10,20,3
0,50mg/dLを用意した。0mg/dLとして生理
的食塩液を使用した。
【0023】生化学検査用自動分析装置TBA−80F
Rを用い、次の条件パラメータにて測定をおこなった。
測定検体量4μLに対し、第1試薬としてグリシン緩衝
液を200μL、調製した試薬を第2試薬として200
μL、反応開始(第2試薬添加後)60秒後から90秒間
の平均反応速度を光波長572nmの吸光度変化により
測定する設定とした。
【0024】本発明の実施例として、抗体Aが感作され
たラテックスCと抗体Bが感作されたラテックスDをそ
れぞれの粒子濃度が0.03%(W/V)、および0.17%
(W/V)となるようにグリシン緩衝液中で混合したものを
調製し、試薬[1](実施例1)とした。
【0025】本発明の比較例として、抗体Aが感作され
たラテックスC、およびラテックスDをそれぞれの粒子
濃度が0.03%(W/V)、および0.17%(W/V)となるよ
うにグリシン緩衝液中で混合したものを調製し、試薬
[2](比較例1)とした。また、抗体Bが感作された
ラテックスC、およびラテックスDについても同様の濃
度で混合し、試薬[3](比較例2)とした。
【0026】試薬[1](実施例1)、試薬[2](比
較例1)、試薬[3](比較例3)について、試薬毎に
CRP濃度と一分間当たりの吸光度変化量との関係を示
す検量線を作成した。これを表1、および図2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】その結果、試薬[2](比較例1)におい
ては吸光度変化量の濃度依存性が得られる範囲が10m
g/dLまでと非常に短く、一方試薬[1](実施例
1)、および試薬[3](比較例2)については50m
g/dLまでとなった。試薬[1](実施例1)と試薬
[3](比較例2)を比較すると測定範囲はほぼ同等と
見られるが、低濃度域の吸光度変化量において試薬
[1](実施例1)が優位にあり、数値的にもCRP濃
度1mg/dLにおいて3倍以上の差が見られた。
【0029】試薬[2](比較例1)では、反応速度の
速い抗体Aのみを用いていることにより、抗原抗体反応
を介する不溶性担体粒子の凝集生成が速やかに進行する
ため、CRP濃度の低い試料でも非常に高感度な測定が
実現される。しかし、CRP濃度の高い試料では反応が
瞬時に起こり、測定が開始される前に凝集の生成は進行
し、測定時間内には飽和状態に達してしまうため、平均
反応速度は見掛け上少ないものとして測定されてしま
う。
【0030】試薬[3](比較例2)では、反応速度の
遅い抗体Bのみを用いていることにより、抗原抗体反応
を介する不溶性担体粒子の凝集生成は緩やかに進行する
ため、 CRP濃度の高い試料に対して試薬[2](比
較例1)で見られるような現象はCRP濃度50mg/
dLまで見られず測定範囲は広いが、 CRP濃度1m
g/dLでの吸光度変化量は試薬[2](比較例1)の
半分程度となってしまう。これは、特開昭63-65369号公
報に示される技術であり、不溶性担体粒子を混合して用
いることで得られる性能である。
【0031】本発明の実施例である試薬[1]では、低
濃度域において試薬[2](比較例1)と同等の吸光度
変化量を有し、測定範囲において試薬[3](比較例
2)と同等の性能を有している。これは、抗体A,Bの
反応速度の違いが試料中のCRP濃度に応じて、粒子径
が互いに異なるラテックスC,Dの持つ性能を効果的に
発揮させていることを示している。
【0032】実施例2、比較例3及び4 ヒトβ2-ミク
ログロブリン(Beta-2-Microglobulin;BMG)の測定 参考例2に記載した、抗ヒトBMGウサギポリクローナ
ル抗体E、および抗ヒトBMGウサギポリクローナル抗
体FをポリスチレンラテックスG(粒子径0.14μm)、
およびポリスチレンラテックスH(粒子径0.07μm)と
の組み合わせでそれぞれ感作し、グリシン緩衝液中に分
散浮遊液状とし、計4種類の試薬を調製した。これら4
種類の試薬をそれぞれ混合して使用した。感作は実施例
1と同様に行った。
【0033】測定用試料として、ヒトBMG精製抗原を
緩衝液で希釈して調製したBMG標準品を用いた。BM
G標準品はWHO国際標準品に準拠して値付けされたも
ので、50mg/Lを生理的食塩液にて2倍階段希釈し
たものを1/28まで用意した。0mg/Lとして生理的
食塩液を使用した。
【0034】生化学検査用自動分析装置TBA−30R
を用い、次の条件パラメータにて測定をおこなった。測
定検体量3μLに対し、第1試薬としてグリシン緩衝液
を150μL、調製した試薬を第2試薬として150μ
L、反応開始(第2試薬添加後)60秒後から90秒間の
平均反応速度を光波長572nmの吸光度変化により測
定する設定とした。
【0035】本発明の実施例として、参考例2に記載し
た抗体Eが感作されたラテックスGと抗体Fが感作され
たラテックスHをそれぞれの粒子濃度が0.06%(W/
V)、および0.17%(W/V)となるようにグリシン緩衝液
中で混合したものを調製し、試薬[4](実施例2)と
した。
【0036】本発明の比較例として、抗体Eが感作され
たラテックスG、およびラテックスHをそれぞれの粒子
濃度が0.06%(W/V)、および0.17%(W/V)となるよ
うにグリシン緩衝液中で混合したものを調製し、試薬
[5](比較例3)とした。また、抗体Fが感作された
ラテックスG、およびラテックスHについても同様の濃
度で混合し、試薬[6](比較例4)とした。
【0037】試薬[4](実施例2)、試薬[5](比
較例3)、試薬[6](比較例4)について測定をおこ
ない、試薬毎にBMG濃度と一分間当たりの吸光度変化
量の関係を示す検量線を作成した。これを表2、および
図3に示す。
【0038】
【表2】
【0039】その結果、試薬[5](比較例3)におい
て吸光度変化量の濃度依存性が得られる範囲が25mg
/Lまでであり、試薬[4](実施例2)、および試薬
[6](比較例4)については50mg/Lまでとなっ
た。試薬[6](比較例4)で測定範囲は広範に確保さ
れるが低濃度域での吸光度変化量は試薬[5]に比べて
非常に低い。試薬[4](実施例2)において、低濃度
域の吸光度変化量は試薬[5](比較例3)と同等であ
り、測定範囲は50mg/Lまでの性能を示した。
【0040】本発明の実施例である試薬[4](実施例
2)では、低濃度域において試薬[5](比較例3)と
同等の吸光度変化量、および試薬[6](比較例4)と
同等の測定範囲を有している。これは実施例1と同様の
結果であり、本発明が特定の抗原性物質、およびそれに
対する特定の抗体で成立するものではないことを示して
いる。
【0041】
【発明の効果】本発明による免疫学的測定法によれば、
低濃度域の高感度化と広範囲な測定範囲の維持が可能と
なり、血清免疫検査等において臨床的な判定を下すため
の重要である低濃度域の測定精度を向上させ、より正確
な判定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1における各抗体の抗原抗体反応による
凝集生成速度を比較した図である。
【図2】実施例1での各試薬におけるCRP濃度と1分
間当たりの吸光度変化量の関係をグラフに示し、比較し
た図である。
【図3】実施例2での各試薬におけるBMG濃度と1分
間当たりの吸光度変化量の関係をグラフに示し、比較し
た図である。
フロントページの続き (72)発明者 関根 盛 新潟県五泉市大字木越字鏡田1359番1 デンカ生研株式会社生産本部内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/543 G01N 21/27 G01N 21/59

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の粒子状不溶性担体上に、測定すべ
    き抗原と抗原抗体反応する第1のポリクローナル抗体又
    はその抗原結合性断片を担持した第1の感作粒子と、第
    2の粒子状不溶性担体上に、測定すべき抗原と抗原抗体
    反応する第2のポリクローナル抗体又はその抗原結合性
    断片を担持した第2の感作粒子との混合物であって、前
    記第1の粒子状不溶性担体の平均粒子径が0.05〜0.10μ
    mであり、前記第2の粒子状不溶性担体の平均粒子径
    は、前記第1の粒子状不溶性担体の平均粒子径の1.5〜
    5.0倍であり、前記第1の粒子状不溶性担体の重量が
    前記第2の粒子状不溶性担体の総重量の2.5〜10.0倍で
    あり、前記第2のポリクローナル抗体の抗原抗体反応速
    度は、前記第1のポリクローナル抗体の抗原抗体反応速
    度よりも大きい、第1及び第2の感作粒子混合物と、測
    定すべき抗原を含む検体とを反応させ、凝集の生成速度
    を光学的に測定することを含む、凝集法による免疫測定
    法。
  2. 【請求項2】 反応系中の前記第2の感作粒子の濃度が
    0.02〜0.07 W/V%である請求項1記載の免疫測定法。
  3. 【請求項3】 第1の粒子状不溶性担体上に、測定すべ
    き抗原と抗原抗体反応する第1のポリクローナル抗体又
    はその抗原結合性断片を担持した第1の感作粒子と、第
    2の粒子状不溶性担体上に、測定すべき抗原と抗原抗体
    反応する第2のポリクローナル抗体又はその抗原結合性
    断片を担持した第2の感作粒子との混合物であって、前
    記第1の粒子状不溶性担体の平均粒子径が0.05〜0.10μ
    mであり、前記第2の粒子状不溶性担体の平均粒子径
    は、前記第1の粒子状不溶性担体の平均粒子径の1.5〜
    5.0倍であり、前記第1の粒子状不溶性担体の重量が
    前記第2の粒子状不溶性担体の総重量の2.5〜10.0倍で
    あり、前記第2のポリクローナル抗体の抗原抗体反応速
    度は、前記第1のポリクローナル抗体の抗原抗体反応速
    度よりも大きい、第1及び第2の感作粒子混合物から成
    る、凝集法による免疫測定用試薬。
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