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JP3593134B2 - フミコーラ属微生物におけるタンパク質またはペプチドの大量生産系 - Google Patents

フミコーラ属微生物におけるタンパク質またはペプチドの大量生産系 Download PDF

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奈緒美 隅田
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徹 浜谷
仁一郎 古賀
敏明 河野
健 村上
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Description

[発明の背景]
発明の分野
本発明は、フミコーラ属に属する微生物、とりわけフミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)において、タンパク質またはペプチドを大量発現または大量分泌させる生産系に関する。
背景技術
糸状菌は、タンパク質を菌体外に分泌することが知られている。よって、糸状菌について、タンパク質を効率よく生産させるための高生産細胞や培養方法等が検討され、開発されてきた。
その主要なものとしては、UV照射、変異誘導剤等により、人工突然変異株を作出し、それらの中から目的とするタンパク質を多量に生産する株を選抜するという手法が挙げられる。
しかしこの手法は、複数のタンパク質の協調作用により活性が発現される様な酵素の発現およびその特性を向上させたい場合には利用が難しくなる。更に、生育に悪影響を及ぼす例えば致死性のタンパク質等を生産する場合には、目的タンパク質を生産する細胞にいかなる変異処理を用いても生産性の向上が図れないことが多く見受けられる。
一方、最近になって遺伝子組み換えの技術を用いて目的タンパク質を生産させる方法が検討され、一部の糸状菌においては、異種由来のタンパク質、または、同種において微量発現しているタンパク質を大量に生産することが可能となった。例えば、Aspergillus nidulans(G.L.Gray,et al.,Gene,48,41,1986)、Apoergillus oryzae(T.Christensen,et al.,Bio/Technology,6,1419,1988)、Trichoderma reesei(Taina Karhunen,et al.,Mol.Gen.Genet.241,515−522,1993)、Trichoderma viride(C.Cheng,et al.,Agric.Biol.Chem.,55,1817,1991)等において成功しており、その生産量は、培養液1L当たり1.0〜3.8g程度である。
好温性糸状菌フミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)も優れたタンパク質分泌能を有する。また、フミコーラ・インソレンスは、種々の産業上有用なセルラーゼを産生することも知られている(WO91/17243号公報(特表平5−509223号公報))。
しかしながら、フミコーラ・インソレンスの全分泌タンパク質における有用成分はわずか数%程度である。これら微量有用成分を大量発現、大量分泌させる方法を確立すれば、最終産物の能力は飛躍的に向上する。また、フミコーラ・インソレンスにおいて異種由来の遺伝子を大量発現する方法を確立すれば、種々の酵素および有用タンパク質を単一の方法で生産でき、より安価な提供が可能となる。さらに、有用タンパク質の生産宿主としてフミコーラ・インソレンスは、好温性糸状菌であることから、至適培養温度が37℃付近であり、培養の際、他の雑菌の汚染を受けにくいという利点がある。
一方、フミコーラ・インソレンスにおいても、本発明者等の一部によって、特開平8−56663号公報に記載されているように、形質転換系が確立され、遺伝子組み換えの技術の使用が可能となった。
しかし、フミコーラ・インソレンスに関し、目的タンパク質を高レベルで発現、分泌できるような有効な発現ベクター系の開発が依然として求められていたといえる。
[発明の概要]
本発明者らは、今般、フミコーラ属に属する微生物、とりわけフミコーラ・インソレンスにおける目的タンパク質の大量生産方法を確立した。
従って、本発明はフミコーラ属に属する微生物、とりわけフミコーラ・インソレンスにおけるタンパク質の大量生産を可能にする発現系、とりわけ宿主−ベクター系およびそれを利用したタンパク質の製造方法の提供をその目的としている。
本発明の好ましい態様によれば、目的タンパク質の生産性は親株の10〜16倍となり、またその生産量は培養液1リットルあたり約4.5gに達する極めて効率のよいタンパク質の生産系が提供される。
【図面の簡単な説明】
図1は、プラスミドpM3−1の制限酵素地図である。
図2は、プラスミドpM14−1の制限酵素地図である。
図3は、プラスミドベクターpMKD01の制限酵素地図である。
図4は、プラスミドベクターpEGD01の制限酵素地図である。
図5は、プラスミドベクターpIED02の制限酵素地図である。
[発明の具体的説明]
微生物の寄託
図1に記載の地図で表されるプラスミドpM3−1で形質転換された大腸菌JM109株は、FERM BP−5971(原寄託:FERM P−14459、原寄託日:1994年8月3日)の受託番号のもと通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(日本国茨城県つくば市東1−1−3)に寄託されている。
図2に記載の地図で表されるプラスミドpM14−1で形質転換された大腸菌JM109株は、FERM BP−5972(原寄託:FERM P−14585,原寄託日:1994年10月18日)の受託番号のもと通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている。
本発明による発現ベクターpMKD01で形質転換された大腸菌JM109株は、FERM BP−5974(原寄託:FERM P−15730、現寄託日:1996年7月12日)の受託番号のもと通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている。
本発明による発現ベクターpEGD01で形質転換された大腸菌JM109株は、FERM BP−5973(原寄託:FERM P−15729、原寄託日:1996年7月12日)の受託番号のもと通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている。
本発明による発現ベクターpIED02で形質転換された大腸菌JM109株は、FERM BP−5975(原寄託:FERM P−15731、原寄託日:1996年7月12日)の受託番号のもと通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている。
本発明による発現ベクターpNCE4Salで形質転換された大腸菌JM109株は、FERM BP−5976(原寄託:FERM P−15732、原寄託日:1996年7月12日)の受託番号のもと通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている。
本発明による発現ベクターの宿主となりうるフミコーラ・インソレンスMN200−1は、FERM BP−5977(原寄託:FERM P−15736、原寄託日:1996年7月15日)の受託番号のもと通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている。
定 義
本明細書において、タンパク質およびペプチドは特に断らない限り、同義に用いることとする。また、本明細書において、改変配列とは、塩基配列またはアミノ酸配列
において、一〜数個の塩基またはアミノ酸の挿入、置換または欠失、もしくはその一方または両末端への付加がなされたものを意味する。
フミコーラ・インソレンスにおける制御配列
本発明におけるフミコーラ属に属する微生物における発現系にあっては、フミコーラ・インソレンス由来の制御配列を用いる。本発明において制御配列とは、プロモーター、シグナル配列、およびターミネーターからなる群から選ばれる少なくとも一つを意味する。
本発明による制御配列とは、好ましくは特開平8−56663号公報に記載のフミコーラ・インソレンス由来のセルラーゼNCE1遺伝子の制御配列、さらに特開平8−126492号公報に記載のフミコーラ・インソレンス由来のセルラーゼNCE2遺伝子の制御配列である。より具体的には、FERM BP−5971およびFERM BP−5972のもと寄託されている菌株中のプラスミドpM3−1およびプラスミドpM14−1内にある、NCE1および2の制御配列である。
本発明において好ましいプロモーター配列の例としては、図1の地図で表されるプラスミドpM3−1中の、NCE1遺伝子のN末端から上流の約1500bpまでの領域中に存在する配列、例えば図中のNCE1遺伝子のN末端から上流のBgl IIサイトまでの配列が挙げられる。
また、本発明において好ましいプロモーター配列の別の例としては、図2の地図で表されるプラスミドpM14−1中の、NCE2遺伝子のN末端から上流の約1500bpまでの領域中に存在する配列、例えば図中のNCE2遺伝子のN末端から上流のEcoR Iサイトまでの配列が挙げられる。
さらに、本発明によるプロモーター配列には、これら領域の全配列のみならず、高プロモーター活性を保持するその改変配列も含まれる。本発明において、高プロモーター活性とは、後記するNCE4遺伝子の発現において、高発現を実現する強いプロモーター活性を意味し、より具体的には、培地1リットルあたり2.0g、好ましくは4.0g、より好ましくは4.5gのNCE4の発現を実現するプロモーター活性を意味するものとする。後記する実施例に記載の知見、FERM BP−5971およびFERM BP−5972のもと寄託されている菌株、および図1または2の地図が与えられた当業者であれば、そのような改変配列が存在することは容易に予測でき、また容易に製造することが可能であることは明らかである。
また、本発明において好ましいシグナル配列の例としては、セルラーゼNCE1または2のシグナル配列が挙げられる。より具体的には配列番号1に記載のアミノ酸配列の−22から−1までの配列をコードする塩基配列、および配列番号2に記載のアミノ酸配列の−23から−1までの配列をコードする塩基配列が挙げられる。更に本発明には、その改変配列であって、依然としてシグナル配列活性を保持するアミノ酸配列をコードするものも包含される。このような改変配列についても、後記する実施例に記載の知見、FERM BP−5971およびFERM BP−5972のもと寄託されている菌株、および図1または2の地図が与えられた当業者であれば、そのような改変配列が存在することは容易に予測でき、また容易に製造することが可能であることは明らかである。
なお、これら配列の実際の利用にあたり上記のシグナル配列に加えてさらにNCE1または2のN末端側のいくつかのアミノ酸が付加されてもよいことは当業者に明らかである。すなわち、これらシグナル配列の利用にあたり、目的タンパク質が、NCE1または2のN末端側のいくつかのアミノ酸からなるペプチドとの融合タンパク質、さらにはNCE1またはNCE2との融合タンパク質として得られてもよい。
さらに、本発明において好ましいターミネーター配列としては、図1の地図で表されるプラスミドpM3−1中の、NCE1遺伝子のC末端から下流の約1400bpまでの領域中に存在する配列、例えばNCE1遺伝子のC末端から下流のBgl IIサイトまでの配列が挙げられる。また、別の例としては、図2の地図で表されるプラスミドpM14−1中の、NCE2遺伝子のC末端から下流の約500bpまでの領域中に存在する配列、例えば例えばNCE1遺伝子のC末端から下流のBgl IIサイトまでの配列が挙げられる。
さらに、本発明によるターミネーター配列には、これら領域の全配列のみならず、そのターミネーター活性を保持する改変配列も含まれる。
これら制御配列、とりわけNCE1またはNCE2のプロモーター配列は、NCE4遺伝子を極めて高効率で発現させる。従って、本発明の好ましい態様によれば、NCE4遺伝子の発現に好ましく用いられる制御配列、とりわけNCE4遺伝子の発現に好ましく用いられるプロモーター配列が提供される。本発明の好ましい態様によれば、セルラーゼNCE4の生産性は、この酵素の由来である親株における生産性の10〜16倍となり、またその生産量は培養液1リットルあたり2.0g、好ましくは4.0g、より好ましくは約4.5gに達する。
発現ベクターおよび宿主
本発明によれば、上記制御配列を用いて目的タンパク質を発現するための発現ベクターが提供される。
本発明による発現ベクターは、その第一の態様によれば、上記制御配列と、場合によって遺伝子マーカーとを含んでなるものである。さらに、本発明による発現ベクターは、第一の態様の発現ベクターに、さらにその制御配列に作動可能に連結された目的タンパク質をコードする塩基配列を含んでなるものである。従って、上記した本発明によるプロモーター、シグナル配列、およびターミネーターからなる群から選ばれる少なくとも一つを含んでなる発現ベクターは本発明の範囲に包含されるものである。
前記したように、本発明によるプロモーター配列は極めて有用性の高いものであることから、本発明の好ましい態様によれば、本発明によるプロモーター配列を少なくとも含んでなる発現ベクターが提供される。この発現ベクターにあって、シグナル配列、ターミネーター配列は本発明によるシグナル配列およびターミネーター配列以外のものであってもよいが、上記した上記本発明によるシグナル配列およびターミネーター配列の利用が好ましい。これらベクターの具体例としては、後記する実施例において構築された発現ベクターpMKD01、pEGD01、およびp1ED02からNEC3およびNCE4遺伝子を除いた形態のベクターが挙げられる。
本発明による発現ベクターは、宿主細胞において複製可能なベクター、例えばプラスミドを基本に構築されるのが好ましい。そのようなベクターとして、大腸菌で複製可能なベクターである、pUC Vector、pTV Vector、pBluescript、pBR322などが挙げられる。本発明によるベクターの構築に必要な手法は、遺伝子組み替えの分野において慣用されている方法を用いることができる。
また遺伝子マーカーは、形質転換体の選択の手法に応じて適宜選択されてよいが、例えば薬剤耐性をコードする遺伝子、栄養要求性を相補する遺伝子を利用することができる。本発明に用いる薬剤耐性遺伝子は、宿主細胞が感受性を示す薬剤に関するものならば限定されないが、例えば、宿主としてフミコーラ・インソレンスを用いる場合、Streptomyces rimofaciens由来のデストマイシン耐性遺伝子、Escherichia coli由来のハイグロマイシンB耐性遺伝子、Streptococcus hindustanus由来のブレオマイシン耐性遺伝子、Streptomyces hygroscopicus由来のビアラフォス耐性遺伝子を好ましく用いることができる。
本発明の好ましい態様によれば、公知の方法により、Aspergillus nidulans由来trp C遺伝子のプロモーターとターミネーター(Mullaney,E.J.et al.,Mol.Gen.Genet.199:37−45,1985)が得られ、これを用いて、デストマイシン耐性遺伝子(特開昭59−175889)を発現可能にしたカセットを利用するのが好ましい。
本発明による発現ベクターは、種々の目的タンパク質またはペプチドの発現生産に利用することができる。本発明において目的タンパク質またはペプチドとは、フミコーラ・インソレンスに存在しないいわゆる外来タンパク質のみならず、フミコーラ・インソレンスにおいて発現してはいるがその量が微量であるタンパク質をも意味するものとする。例えば、本発明による発現ベクターにおける目的タンパク質をコードする遺伝子としては、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、フィターゼ等産業上有用なタンパク質をコードする遺伝子が挙げられる。また、これらを人為的に改良した遺伝子についても同様に目的タンパク質とすることができる。
本発明による発現ベクターは、宿主としてフミコーラ属に属する微生物と組み合わされて発現系とされる。本発明の好ましい態様によれば、フミコーラ属に属する微生物としてフミコーラ・インソレンスを利用する。
NCE4遺伝子
本発明の好ましい態様によれば、本発明による発現系は、フミコーラ・インソレンス由来のセルラーゼNCE4またはそれらの改変タンパク質を目的タンパク質として、その生産のために好ましく用いることができる。ここで、フミコーラ・インソレンス由来のセルラーゼNCE4とは、配列番号3に記載のタンパク質を意味する。これは後記する実施例に記載の通り、今般、本発明者等によって単離されたセルラーゼ酵素である。なおここで、改変タンパク質とは、上記タンパク質のアミノ酸配列において、アミノ酸の付加、挿入、削除、欠失、または置換などの改変が生じたタンパク質であって、依然としてセルラーゼNCE4と同様のセルラーゼ活性、とりわけエンドグルカナーゼ活性を保持するものを意味するものとする。
本発明の好ましい態様によれば、これらセルラーゼNCE4の発現系として好ましいベクターの具体例としては、後記する実施例によって構築された発現ベクターpMKD01、pEGD01、またはpIED02が挙げられる。
本発明による発現ベクターによる宿主細胞の形質転換は、遺伝子組み替えの分野で慣用されている手法を用いることができ、例えば、特開平8−56663号公報に記載の方法に準じて実施することができる。また、エレクトロポレーションによって実施されてもよい。
目的タンパク質の生産
本発明による目的タンパク質の生産は、上記した本発明による発現ベクターで形質転換された宿主細胞を適当な培地中で培養し、培養物から目的タンパク質またはペプチドを採取することによって実施される。
本発明の好ましい態様によれば、目的タンパク質の生産性は親株の10〜16倍となり、またその生産量は培養液1リットルあたり2.0g、好ましくは4.0g、より好ましくは約4.5gに達する極めて効率のよいタンパク質の生産系が提供される。例えば、宿主細胞がフミコーラ・インソレンスである場合、その培養液1リットルあたり2.0g、好ましくは4.0g、より好ましくは4.5g以上の目的タンパク質を生産することができる。この量は、従来知られたタンパク質の発現系と比較して、極めて多量である。このことは、本発明による目的タンパク質の発現系が極めて高い有用性を有していることを示している。
例えば、目的タンパク質がセルラーゼNCE3またはNCE4である場合、これら酵素は本来的に高活性であるが、それを更に大量に生産することができる。その結果、セルロース含有繊維の毛羽除去、減量加工、およびデニム染めセルロース含有繊維の脱色加工などに有用なセルラーゼ調製物を効率よく生産することが可能となるとの利点が得られる。
本発明による目的タンパク質の生産法において、形質転換体の培養は、慣用の成分、例えば炭素原、窒素原、無機塩、増殖因子成分などを含む液体培地で、好気的条件での培養法、振盪培養法、電気撹拌培養法または深部培養法により行うことができる。培地のpHは例えば7〜8程度である。培養は宿主細胞がフミコーラ・インソレンスである場合、フミコーラ・インソレンスの培養に慣用される通常の条件、例えば15℃〜45℃、好ましくは35℃〜40℃、培養時間は24〜240時間程度の条件で行うことができる。
本発明によって得られるタンパク質あるいはペプチドの培養物からの回収にあたっては、その性状を利用した通常の分離手段、例えば溶剤抽出法、イオン交換樹脂法、吸着または分配カラムクロマト法、ゲル濾過法、透析法、沈殿法等を単独で、または適宜組み合わせて用いることができる。
[実施例]
本発明を以下の実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例A1:フミコーラ・インソレンスからのテンセル毛 羽除去に活性を有する成分の単離精製
フミコーラ・インソレンスMN200−1を、(N)培地(5.0%アビセル、2.0%酵母エキス、0.1%ポリペプチトン、0.03%塩化カルシウム、0.03%硫酸マグネシウム、pH6.8)中、37℃で培養した。7日間培養の後、得られた培養液を7000rpmで20分間遠心することにより菌体を除き、培養上清液を粗精製セルラーゼ調製液とした。
この粗精製セルラーゼ調製液を疎水クロマトグラフィー(Phenyl−SepharoseHigh Performance16/100、ファルマシアバイオテク社製)に供し、50mMリン酸緩衝液(pH7.0)中、1−0Mの濃度勾配をかけた硫酸アンモニウム溶液で溶出し、分画した。このうち、0.1−0Mの濃度勾配のときに得られた画分にテンセル毛羽除去活性が強く認められたので、その画分を再び、疎水クロマトグラフィー(Phenyl−Sepharose High Performance16/100)に供し、50mMリン酸緩衝液(pH7.0)中、0.4−0Mの濃度勾配をかけた硫酸アンモニウム溶液で溶出し、活性画分を分取した。
次に、その画分を逆相クロマトグラフィー(Source15 ISO、ファルマシアバイオテク社製)に供し、50mMリン酸緩衝液(pH7.0)中、1−0Mの濃度勾配をかけた硫酸アンモニウム溶液で溶出し、分画した。このうち、0Mの濃度のときに得られた画分にテンセル毛羽除去活性が強く認められたので、その画分を逆相クロマトグラフィー(Source 15 PHE、ファルマシアバイオテク社製)に供し、50mMリン酸緩衝液(pH7.0)中、1−0Mの濃度勾配をかけた硫酸アンモニウム溶液で溶出し、テンセル毛羽除去活性の強い画分を精製酵素NCE4として単離した。このNCE4はSDS−PAGEにおいて分子量43kDaの単一なバンドを示した。
実施例A2:セルラーゼNCE4の部分アミノ酸配列
(1)N末端アミノ酸残基の同定
実施例1において精製したタンパク質のN末端アミノ酸配列を決定するため、、FPLCシステム(ファルマシアバイオテク社製)でカラムクロマトグラフィーを行い(カラム:RESOURCE(商品名)RPC 3ml、0.1%のTFAを含む5%〜60%アセトニトリルグラジェント)、主要なピークを分取した。
これを凍結乾燥した後、少量の水に溶解し、8%Gel SDS−PAGE mini(テフコ社製)を用いて電気泳動した。マルチフォーII電気泳動装置(ファルマシアバイオテク社製)を用いて、これをPVDF膜(ミリポア社製)に、タンパク質を電気的にうつしとり、コマジーブリリアントブルーR−250(ナカライテスク社製)で染色した後、脱色し、水で洗浄し、風乾した。ここから分子量43KDaのタンパク質がブロットされた部分を切り出し、これをプロテインシーケンサーModel492(パーキンエルマー社製)に供し、N末端側アミノ酸配列を15残基決定した。得られた配列は以下の通りであった。
Figure 0003593134
(2)ペプチドマッピング
前記(1)のFPLCによって精製されたタンパク質を凍結乾燥後、100mM重炭酸アンモニウム緩衝液(pH 8.0)に溶解した。タンパク質に対し約1/20モル量のトリプシン(プロメガ社製)を添加し、37℃で、48時間反応させた。この分解産物をModel 172μプレパラティブHPLCシステム(パーキンエルマ社製)でカラムクロマトグラフィーを行い(カラム:C8 220×2.1mm、0.1%TFA、0%アセトニトリル〜−0.085%TFA、35%アセトニトリルグラジェント)、3種のペプチドを分取した。得られたペプチド断片のアミノ酸配列を前述のプロテインシーケンサーにより決定した。その結果は、以下の通りであった。
Figure 0003593134
これらN末端アミノ酸配列およびペプチドマッピングによって得られたアミノ酸配列は、WO91/17243号公報(特表平5−509223号公報)に記載されているフミコーラ・インソレンスDSM1800から得られた43KDaエンドグルカナーゼのアミノ酸配列と相同性を示すことから、同タンパク質はセルラーゼの一種であることが強く示唆された。
また、上記配列をProtein Identification Resource(PIR)R44.0,March,1995、またはSWISS−PROT R31.0,March 1995に登録されている配列と比較したところ、相同性を示す配列はあるものの、同一ではなく、新規なタンパク質であることが明らかとなった。
実施例A3:ゲノムDNAライブラリーの作製
ゲノムDNAの単離はHoriuchiらの方法(Hiroyuki Horiuchi et al.,J.Bacteriol.,170:272−278,1988)に従った。
まず、フミコーラ・インソレンスMN200−1を前述(N)培地中、37℃で培養した。2日間培養の後、遠心分離(3500rpm、10分)によって菌体を回収した。得られた菌体をフェノール処理、プロテイナーゼK、およびリボヌクレアーゼA処理、さらにポリエチレングリコール(PEG)沈殿化によりゲノムDNAを得た。
つぎに、フミコーラ・インソレンスゲノムDNAをSau3A Iにより消化し、アガロースゲル電気泳動によって、9〜23kbpの範囲で部分的に分解されたことを確認した後、これをエタノール沈殿によって回収した。このDNA断片をファージベクター、EMBL3クローニングキット(ストラタジーン社製)のBamH IアームにT4リガーゼ(東洋紡績社製)を用いて連結させた。これをエタノール沈殿後、TE(10mMトリス塩酸(pH8.0)、1mM EDTA)緩衝液に溶解した。
連結混合物の全量をHohn,B.の方法(Hohn,B.Methods Enzymol.,68:299−309,1979)に記載されている様に凍結したパッケージ成分およびギガパックIIパッケージングキット(ストラタジーン社製)を用いて、ラムダヘッドにパッケージし、得られたファージを大腸菌LE392株に感染させた。この方法により得られた5×104個のファージライブラリーを用いて目的遺伝子のクローニングを行った。
実施例A4:PCR法による長鎖プローブの作製
DNAプローブとして、フミコーラ・インソレンスの全DNAを鋳型にPCR法により増幅されたロングプローブを作製し、これを用いた。
各プライマーは、N末端およびペプチドTP−3において*で示したアミノ酸に対応するDNAを合成した。作製した合成オリゴヌクレオチドの配列は以下に示される通りであった。
Figure 0003593134
PCR反応は以下の条件で行った。まず、フミコーラ・インソレンスゲノムDNA1μgに対し、プライマーとしてNCE4N1、NCE4C各1μM加えたもの、NCE4N2、NCE4C各1μM加えたものの2組のチューブを作製し、これらを、dNTP存在下、95℃、5分間熱変性を行った。その後、Taqポリメラーゼ(リコンビナントTaq、宝酒造社製)を加え、94℃1分間、45℃2分間、72℃3分間の反応条件を25回繰り返すことにより増幅した。その結果、プライマーとしてNCE4N1、NCE4Cを用いた場合のみ、約750bpのDNAが増幅された。これを以降のスクリーニングのプローブとして用いた。
実施例A5:セルラーゼ成分NCE4遺伝子のクローニング
(1)プラークハイブリダイゼーションによるスクリーニング
PCR法による増幅させた約750bpのDNA断片100ngを、あらかじめECLダイレクトDNA/RNAラベリング検出システム(アマシャム社製)により、標識化しておいた。
実施例2に記載の方法に準じて作製したファージプラークは、ハイボンドN+ナイロントランスファーメンブラン(アマシャム社製)にうつしとり、0.4N水酸化ナトリウムで変性した後、5倍濃度SSC(15mMクエン酸三ナトリウム、150mM塩化ナトリウム)で洗浄し、乾燥させDNAを固定した。キットの方法に従って、1時間のプレハイブリダイゼーション(42℃)の後、先の標識化したプローブを添加し、4時間(42℃)ハイブリダイゼーションを行った。ラベルの洗浄は前述キットの方法に従った。まず、0.4%SDS、6M尿素添加0.5倍濃度SSCにより42℃で20分間の洗浄を2回繰り返し、次に2倍濃度SSCにより室温で5分間の洗浄を2回行った。
プローブの洗浄を行ったナイロン膜は、添付されている検出溶液に1分間浸したあと、ハイパーフィルム−ECL(アマシャム社製)に感光させ、4個の陽性クローンを得た。
(2)ファージDNAの調製
E.coli LE392にファージを感染させ、8時間後ファージ粒子を集め、Grossbergerの方法(Grossberger,D.,Nucleic Acids.Res.15 6737,1987)により、プロテイナーゼKおよびフェノール処理後、エタノール沈殿により、ファージDNAを分離した。
(3)目的遺伝子のサブクローニング
4種のファージDNAをSal Iで切断し、アガロース電気泳動に供した。
DNAをSouthernの方法(Southern,E.M.,J.Mol.Biol.98:503−517,1975)により、ナイロンメンブランにうつしとり、前記(1)のプラークハイブリダイゼーションと同一の条件で、約750bpのプローブを用いハイブリダイズさせ、5.2kbpの目的遺伝子を含むDNA断片を検出した。その結果、4種のファージDNAが同一サイズのSal I断片を有していた。
この5.2kbpのDNA断片をセファグラスバンドプレップキット(ファルマシアバイオテク社製)を用いて分離し、E.coil JM109を用いてプラスミドpUC119のSal Iサイトにサブクローニングを行った。得られたプラスミドをpNCE4Salとした。
実施例A6:塩基配列の決定
(1)ゲノムDNAの塩基配列解析
塩基配列決定は以下の様に実施した。
塩基配列解析装置は、A.L.F.DNAシーケンサーII(ファルマシアバイオテク社製)を用いた。シーケンシングゲルとしては、レディミックスゲル(ファルマシアバイオテク社製)または、ハイドロリンクロングレンジャー(FMC社製)として入手可能なアクリルアミド担体を使用した。ゲル作成用各種試薬(N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、尿素、過硫酸アンモニウム)としては、A.L.Fグレードの試薬(ファルマシアバイオテク社製)を用いた。塩基配列解読反応は、オートリードシーケンシングキット(ファルマシアバイオテク社製)を用いた。ゲル作製条件、反応条件と泳動条件の各々は、各説明書の詳細を参照し、設定した。
テンペレートDNAであるpNCE4Salを、10μgの2M水酸化ナトリウムでアルカリ変性した後、オートリードシーケンシングキット添付のユニバーサルプライマーとアニーリングさせ、伸長反応を行った。反応産物をシーケンサーで解読したところ、546bpの塩基配列が判明した。この結果から、MNEG01なるFITC標識シーケンシングプライマーを作製し、pNCE4Salに対して反応させ、さらに解読を進めた。得られた結果から、さらに次のプライマーを作製してゆき、解読を進めた結果、NCE4の全長が解読された。作製したFITC標識シーケンシングプライマーは以下に示される通りであった。
Figure 0003593134
(2)塩基配列決定
上記(1)の結果をもとに、MNEG−05〜MNEG−08なるFITC標識シーケンシングプライマーDNAを合成した。作製したFITC標識シーケンシングプライマーは以下に示される通りであった。
Figure 0003593134
これらプライマーとpNCE4Salとのオートリードシーケンシングキットによる反応を行った。まず、10μgのプラスミドをアルカリ変性し、これを各々のプライマーとアニーリングし、T7ポリメラーゼで反応させた。その結果、Sal I断片の内、1257bpの塩基配列が決定できた。その配列は配列番号3に示される通りであった。
実施例A7:イントロンの決定
イントロンの決定には、フミコーラ・インソレンスMN200−1からmRNAを調製し、逆転写酵素によりcDNAを合成し、これとゲノムの塩基配列を比較し同領域を判定した。
(1)全RNAの調製
フミコーラ・インソレンスMN200−1をセルラーゼ誘導培地、好ましくは前述(N)培地において2日間培養し、菌体を遠心分離(3500rpm、10分)により回収した。そのうち2gの菌体を滅菌水で洗浄し、液体窒素で凍結したままブレンダー(日本精機社製ホモジナイザーAM−3)で粉砕した。これを4Mグアニジンチオシアン酸塩を含む変性溶液10ml(4Mグアニジンチオシアン酸塩、25mMクエン酸三ナトリウム、0.5%N−ラウリルサルコシン酸ナトリウム、0.1Mメルカプトエタノール)に懸濁した。室温で数分間撹拌の後、1mlの2M酢酸ナトリウム(pH4.5)で中和し、10mlのTE飽和フェノールを加えさらに撹拌した。これに2mlのクロロホルム−イソアミルアルコール(24:1)を加え、よく撹拌した後、遠心分離(3500rpm、10分)によりフェノールで変性した菌体成分を除去した。上層(水層)を扱い取り、10mlのイソプロパノールで核酸を沈殿化した。同沈殿を遠心分離(3500rpm、10分)して核酸として回収し、70%エタノール−水で再遠心分離により沈殿を洗った。
この沈殿を3.5mlのTEに溶解の後、溶液に880μlの10M塩化リチウム溶液を加え、5℃で2時間冷蔵の後、遠心分離(12000rpm、10分)により沈殿を回収した。同沈殿は70%エタノールで洗い、これを全RNA画分とした。収量は2.7mg、収率は0.14%であった。
(2)ポリAテイル+RNA(=mRNA)の調製
mRNAの調製は、mRNAピュアリフィケーションキット(ファルマシアバイオテク社製)を用いて行った。
まず上記(1)で調製した全RNAのうち、1mgを1mlのエリューションバッファーに溶解し、これに65℃、10分間の熱変性処理を加えた。氷中で急冷の後、0.2mlのサンプルバッファーを加えた。この全量のRNA溶液をオリゴ(dT)セルロースカラムにチャージし、ハイソルトバッファーで3回、ロウソルトバッファーで3回カラムを洗浄の後、65℃に加温したエリューションバッファーで溶出した。このカラム操作を2回繰り返し、mRNA画分とした。収量は19.2μg、収率は2%であった。
(3)cDNAの合成
cDNA合成は、タイムセーバーcDNA合成キット(ファルマシアバイオテク社製)を用いて行った。
まず、5μgのmRNAを20μlのサンプルバッファーに溶解した。65℃、10分間の熱処理の後、ファーストストランド合成ミックスにジオチスレイトール溶液およびオリゴ(dT)プライマーと共に添加し、37℃で1時間反応させた。次に、この全量をセカンドストランドミックスに加え、12℃、30分間、次いで22℃、1時間反応させ、これをcDNAとした。
(4)セルラーゼNCE4cDNAのPCR法による増幅
合成したcDNAのうち1μgを鋳型とし、目的のcDNAのみをPCR法により増幅した。N末端およびC末端のプライマーとして以下の様な配列のオリゴヌクレオチドプライマーを作製した。
Figure 0003593134
PCR反応は、以下の条件で行った。まず、フミコーラ・インソレンスcDNA1μgに対し、プライマーを各1μM加え、dNTP存在下、94℃、10分間熱変性を行った。その後、Taqポリメラーゼ(リコンビナントTaq、宝酒造社製)を加え、94℃1分間、50℃2分間、72℃3分間の反応条件を30回繰り返すことにより増幅した。増幅された断片は、アガロースゲル電気泳動の結果、0.9kbpの大きさであった。これをエタノール沈殿化により濃縮し、pT7ブルーT−ベクターキット(ノバジェン社製)によりクローン化した。このプラスミドをpCNCE4とした。
(5)cDNAの塩基配列解析
シーケンシング反応は前述同様オートリードシーケンシングキットを用いた。
プラスミドpCNCE4を2M水酸化ナトリウムでアルカリ変性し、エタノールで沈殿化した。この一本鎖プラスミドをテンペレートとし、T7ポリメラーゼで反応させた。前記合成プライマーMNEG01、MNEG02、MNEG03、MNEG04、MNEG05、MNEG06、MNEG07、およびMNEG08ならびにキット添付のユニバーサルプライマー、リバースプライマーを用いて反応を行い、配列を解読した。
その結果、56bpの一つのイントロンが存在した。配列番号3の配列において、非翻訳開始配列およびその終了配列、イントロン内部の調整配列は下記の通りである(数字は配列番号3の配列位置番号である)。
Introne:453〜458、506〜508、491〜497
実施例B1:プラスミドpMKD01の作製
(1)プラスミドpUC118BNの作製
pUC118 DNA 1μgをBam Iによって切断後、フェノール処理によって制限酵素を失活させた。これをエタノール沈殿し、少量のTE(10mMトリス塩酸(pH8.0)、1mM EDTA)緩衝液に溶解した。このDNAをDNAブランチング キット(宝酒造社製)によって末端を平滑化した。これをさらにDNAライゲイション キット(宝酒造社製)によって連結し、自己閉環させた。得られた連結混合物をE.coli competent cells JM109(宝酒造社製)に形質転換した。形質転換体について、100μg/mlのアンピシリン、1mM IPTG、0.004% X−galを含むLB寒天培地(1%ポリペプチトン、0.5%酵母エキス、1%NaCl、1.5%寒天)上で生育可能で、かつ白色のコロニーを呈するものを選抜し、これを更に、100μg/mlのアンピシリンを含むLB培地(1%ポリペプトン、0.5%酵母エキス、1%NaCl)において一晩、37℃で培養した。得られた培養液から、アルカリ−SDS法を用いてプラスミドDNAを回収した。このプラスミドDNAをBamH Iによって切断し、0.8%アガロースゲル電気泳動に供し、pUC118 DNAのBamH I部位を破壊したプラスミドDNAを選択した。このプラスミドDNAをpUC118BNとした。
(2)プラスミドpUC118BSNの作製
pUC118BN DNA 1μgをSph Iによって切断し、前述と同様の方法により、pUC118BN のSph I部位を破壊したプラスミドDNAを得た。このプラスミドDNAをpUC118BSNとした。
(3)プラスミドpM21の作製
(A)セルラーゼNCE2遺伝子の単離
フミコーラ・インソレンスから、特開平8−126492号公報に記載の方法によって得られる、セルラーゼNCE2遺伝子、ならびにそのプロモーターおよびターミネーター領域として上流に1.4Kb、下流に0.5KbのDNA配列を有する全長3.4KbpのPst I〜Xba I断片を、先のpUC118BSNのPst I〜Xba I部位に連結した。得られたラスミドDNAをpUC118BSN−PXとした。
(B)プラスミドpUC118BSN−PXの部位指定変異処理
NCE2遺伝子のN末端の下流および終止コドンのすぐ下流に、BamH I部位を以下のように部位指定変異により導入した。プラスミドpUC118BSN−PXによりE.coli JM109株を形質転換し、さらにヘルパーファージM13KO7を感染させた後、アンピシリン、カナマイシンをそれぞれ150μg/ml、70μg/mlの濃度で含む30mlの、2×YT液体培地(1.6%バクトトリプトン、0.8%酵母エキス、0.5%NaCl)において、37℃で、16〜20時間培養した。培養上清よりM13の一本鎖DNA(ssDNA)を回収した。このssDNAと2種の合成オリゴヌクレオチドを用い、スカルプターインビトロミュータジェネシスシステム(アマシャム社製)を使用して、部位指定変異処理を行った。作製した合成オリゴヌクレオチドプライマーの配列は以下に示されるとおりであった。
Figure 0003593134
部位指定変異処理したDNA混合液を、E.coli TG1に導入し、得られた形質転換体を100μg/mlのアンピシリンを含むLB培地(1%ポリペプトン、0.5%酵母エキス、1%NaCl)にて培養し、プラスミドDNAを回収した。このプラスミドDNAをBamH Iによって切断し、0.8%アガロースゲル電気泳動に供し、プラスミドpUC118BSN−PXに二箇所BamH I部位の導入されたプラスミドDNAを選択した。このプラスミドDNAをpM21とした。
(4)セルラーゼNCE3遺伝子の単離
公知のHumicola grisea由来のセロビオハイドロラーゼ遺伝子(de Oliviera Alzevedo,M.et al.,J.General Microbiol.,136:2569−2576,1990)の配列をもとに、フミコーラ・インソレンス由来のセロビオハイドロラーゼ遺伝子(NCE3)をPCR法により単離した。
(A)ゲノムDNAの単離
前記実施例A3の方法によりフミコーラ・インソレンスMN200−1のゲノムDNAを得た。
(B)セルラーゼNCE3遺伝子のPCR法による増幅
Humicola grisea由来のセロビオハイドロラーゼ遺伝子の配列をもとに、フミコーラ・インソレンスのNCE3遺伝子をPCR法により単離した。このNCE3を含むPCR産物が、プラスミドpM21のBamH I部位にフレームを合わせて連結できるように、各プライマーにはあらかじめBamH I部位を含む形で設計した。プライマーとして以下のような配列の合成オリゴヌクレオチドを作製した。
Figure 0003593134
PCR反応はLA PCR Kit Ver.2(宝酒造社製)に従い、以下の方法で行った。まず、前述の方法によって得られるフミコーラ・インソレンスゲノムDNA1μgに対し、プライマーを各1μM、400μM dNTP、LA Taqポリメラーゼ2.5Uを加え、94℃1分間、55℃2分間、72℃3分間の反応条件を30回繰り返すことにより増幅した。0.8%アガロースゲル電気泳動の結果、1.6KbpのDNAの増幅が確認された。この1.6KbpのDNA断片をセファグラスバンドプレップ キット(ファルマシアバイオテク社製)を用いて回収し、これをpT7ブルーT−ベクター キット(ノバジェン社製)に連結した。このプラスミドDNAをpK21とした。
(5)プラスミドpKM04の作製
プラスミドpK21DNAをBamH Iによって消化し、1.6KbpのDNA断片を回収した。次に、プラスミドpM21DNAをBamH Iによって消化し、さらに70℃で10分間処理し、制限酵素を失活させた。これを子牛由来のアルカリフォスファターゼ(宝酒造社製)によって脱リン酸化し、さらに、これを0.8%アガロースゲル電気泳動により分離し、5.2KbpのDNA断片を回収した。pK21由来の1.6KbpのDNA断片とpM21由来の5.2KbpのDNA断片を連結し、プラスミドpKM04を得た。
(6)プラスミドpMKD01の作製
まず、公知の方法により得られるAspergillus nidulans由来trp C遺伝子のプロモーターおよびターミネーター(Mullaney,E.J.et al.,Mol.Gen.Genet.199:37−45,1985)を用いて、特開昭59−175889号公報に記載されているデストマイシン耐性遺伝子をフミコーラ・インソレンスで発現可能にした遺伝子を作製した。これを、プラスミドpKM04のXba I部位に導入し、プラスミドpMKD01を作製した。
実施例B2:プラスミドpMKD01によるフミコーラ・インソ レンスの形質転換
(1)プラスミドpMKD01の高濃度精製標品の調製
プラスミドpMKD01をフミコーラ・インソレンスに導入するために、まずpMKD01の高濃度精製標品を調製した。pMKD01をE.coli JM109に導入し、100μg/mlのアンピシリンを含む100ml LB培地において一晩、37℃で培養した。得られた培養液をフレキシプレップ キット(ファルマシアバイオテク社製)を用いて精製し、1μg/μlのpMKD01プラスミドDNAを得た。
(2)フミコーラ・インソレンスの形質転換
フミコーラ・インソレンスMN200−1を(S)培地中37℃で培養し、24時間後、3000rpm、10分間遠心分離により集菌した。ここで、(S)培地の組成は、前述(N)培地にグルコース(3.0%)を加え、かつアビセルを除いたものである。得られた菌体を0.5Mシュークロースで洗浄し、0.45μmのフィルターで濾過したプロトプラスト化酵素溶液(5mg/ml Novozyme 234(NLI社製)、5mg/ml Cellulase Onozuka R−10(ヤクルト社製)、0.5Mシュークロース)10mlに懸濁した。30℃で60〜90分間振盪し、菌糸をプロトプラスト化させた。この懸濁液を濾過した後、2500rpm、10分間遠心分離してプロトプラストを回収し、SUTC緩衝液(0.5Mシュークロース、10mM塩化カルシウム、10mMトリス塩酸(pH7.5))で洗浄した。
以上のように調製したプロトプラストを1mlのSUTC緩衝液に懸濁し、この100μlに対し10μgのDNA(TE)溶液(10μl)を加え、氷中に5分間静置した。つぎに、400μlのPEG溶液(60% PEG4000、10mM塩化カルシウム、10mMトリス塩酸(pH7.5))を加え、氷中に20分間静置した後、10mlのSUTC緩衝液を加え、2500rpm、10分間遠心分離した。集めたプロトプラストを1mlのSUTC緩衝液に懸濁した後、4000rpmで5分間遠心分離して、最終的に100μlのSUTC緩衝液に懸濁した。
以上の処理を加えたプロトプラストを、200μg/mlのハイグロマイシンBを含むYMG培地(1%グルコース、0.4%酵母エキス、0.2%モルトエキス、1%寒天(pH6.8))上に、YKG軟寒天とともに重層し、37℃で5日間培養した後、形成したコロニーを形質転換体とした。
(3)pMKD01による形質転換株の培養およびSDS−PAGEによる評価
前記のようにプラスミドpMKD01をフミコーラ・インソレンスMN200−1に導入し、ハイグロマイシン耐性を示す株を50株選抜した。これらを(N)培地で37℃で5日間培養した。得られた培養上澄をSDS−PAGEにより解析したところ、pMKD01による形質転換株のうち5クローンにおいて、NCE3と推定されるタンパク質バンドが、親株より3〜4倍増加していた。
(4)組み換えNCE3のN末端アミノ酸残基の同定
SDS−PAGEの結果から、大量発現したタンパク質バンドがNCE3遺伝子由来であることを確認するために、このタンパク質のN末端アミノ酸配列を決定した。まず、親株とNCE3高発現株から得られた培養上澄について、前記実施例A2の方法に従いFPLCシステムを用いたカラムクロマトグラフィーを行い、主要なピークを比較した。NCE3高発現株において特に増加しているピークを分取し、凍結乾燥した。これを少量の水に溶解し、8%Gel SDS−PAGE mini(テフコ社製)を用いて電気泳動した。これを前記実施例A2の方法に従ってPVDF膜に、タンパク質を電気的にうつしとり、コマジーブリリアントブルーR−250で染色した後、脱色し、水で洗浄した。ここから、分子量66KDのタンパク質がブロットされた部分を切り出し、ブロットされたタンパク質を、Podell,D.N.らの方法(Podell,D.N.et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,81:176,1978)に従い、修飾N末端残基を除去した。まず、目的タンパク質を切り出し、少量の0.5%ポリビニルピロリドン(分子量40,000、シグマ社製)/100mM酢酸溶液中で、37℃で30分間保温した後、水でよく洗浄した。次に、Pfuピログルタミン酸アミノペプチダーゼ(宝酒造社製)により修飾N末端残基を除去し、水で洗浄、風乾した。これをプロテインシーケンサーModel 492に供し、N末端側アミノ酸配列を15残基決定した。得られた配列は以下に示される通りであった。
Figure 0003593134
このN末端側アミノ酸配列は、プラスミドpMKD01の塩基配列から推定されるセルラーゼNCE2、NCE3融合タンパク質のアミノ酸配列と一致した。
(5)pMKD01による形質転換株のFPLCよる評価
前述の様にSDS−PAGEでNCE3の大量発現が確認された5クローンの培養上澄をさらに定量するために、FPLCシステムによりカラムクロマトグラフィーを行った。その条件は前記(4)と同一とした。NCE3のピークを分取し、これを凍結乾燥し、重量を測定して高発現株と親株の生産性を比較した。その結果は、次の表に示されるとおりであった。
Figure 0003593134
実施例B3:プラスミドpEGD01の作製
プラスミドpMKD01をBamH Iによって消化し、さらに70℃の熱処理によって制限酵素を失活させ、脱リン酸化処理し、8.2KbpのDNA断片を回収した。
次に、上記実施例A1〜7で得られたフミコーラ・インソレンス由来のNCE4遺伝子の配列をもとに、PCR法によりNCE4遺伝子を増幅した。このNCE4を含むPCR産物は、前述プラスミドpMKD01の8.5KbpのBamH I断片にフレームを合わせて連結できるように、各プライマーにはあらかじめBamH I部位を含む形で設計した。プライマーとして以下の配列の合成オリゴヌクレオチドを作製した。
Figure 0003593134
PCR反応は、以下のように行った。フミコーラ・インソレンスゲノムDNA1μgに対し、プライマーを各1μM、400μM dNTP、Pfu DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)2.5Uを加え、94℃1分間、55℃2分間、72℃3分間の反応条件を25回繰り返すことにより0.8KbpのDNA断片を増幅した。この0.8KbpのDNA断片を回収し、これを前述pMKD01の8.2Kbp BamH I断片に連結した。このプラスミドDNAをpEGD01とした。
実施例B4:プラスミドpEGD01の発現
(1)プラスミドpEGD01によるフミコーラ・インソレンスの形質転換
プラスミドpEGD01によるフミコーラ・インソレンスMN200−1の形質転換は、実施例B2の方法に従って行った。まず、pEGD01の高濃度精製標品を調製し、1μg/μlのpEGD01プラスミドDNAを得た。このpEGD01溶液を10μl使用して、フミコーラ・インソレンスMN200−1を形質転換し、ハイクロマイシン耐性を示す形質転換株を50株選抜した。これらを(N)培地で37℃で5日間培養した。得られた培養上澄をSDS−PAGEにより解析したところ、pEGD01による形質転換株のうち10クローンにおいて、NCE4と推定されるタンパク質バンドが、親株より10〜16倍増加していた。
(2)組み換えNCE4のN末端アミノ酸残基の同定
SDS−PAGEの結果から、大量発現したタンパク質バンドがNCE4遺伝子由来であることを確認するために、このタンパク質のN末端アミノ酸配列を決定した。まず、親株、NCE4高発現株から得られた培養上澄をFPLCシステムでカラムクロマトグラフィーを行い、主要なピークを比較した。条件は上記実施例B2と同一とした。NCE4高発現株において特に増加しているピークを分取し、凍結乾燥した。これを少量の水に溶解した。実施例B2の方法に従って修飾N末端残基を除去した後、前述のプロテインシーケンサーによって、N末端側アミノ酸配列を決定した。その結果、2種類のN末端側アミノ酸配列がおよそ7:3の割合で得られた。得られた配列は以下に示される通りであった。次に、修飾N末端を除去せずに前述のプロテインシーケンサーによって、N末端側アミノ酸配列を決定した。その結果、以下に示されるアミノ酸配列1のみが得られた。
Figure 0003593134
これらのN末端側アミノ酸配列は、プラスミドpEGD01の塩基配列から推定されるセルラーゼNCE2およびNCE4融合タンパク質のアミノ酸配列と一致した。N末端側アミノ酸配列が2種類得られたことで、本融合タンパク質のシグナル配列が切断される際、複数の位置でプロセスされることが明らかとなった。
(3)pEGD01による形質転換株のFPLCよる評価
前述の様にSDS−PAGEでNCE4の大量発現が確認された5クローンの培養上澄をさらに定量するために、FPLCシステムでカラムクロマトグラフィーを行い、NCE4のピークを分取した。これを凍結乾燥し、重量を測定し、高発現株と親株の生産性を比較した。その結果は、次の表に示される通りであった。
Figure 0003593134
実施例B5:プラスミドpIED02の作製
(1)プラスミドpID01の作製
プラスミドpEGD01をHind IIIおよびBamH Iによって消化し、7.2KbpのDNA断片を回収した。
次に、特開平8−5663号公報に記載の方法で得られるフミコーラ・インソレンス由来のNCE1遺伝子の配列をもとに、PCR法によりNCE1遺伝子のプロモーターおよびシグナル配列をコードする部分のDNAを増幅した。このNCE1プロモーターおよびシグナル配列を含むPCR産物は、前述プラスミドpEGD01の7.2KbpのHind III〜BamH I断片に連結できるように、各プライマーにはあらかじめHind III、BamH I部位を含む形で設計した。プライマーとして以下の配列の合成オリゴヌクレオチドを作製した。
Figure 0003593134
PCR反応は、実施例3と同様に行った。フミコーラ・インソレンスゲノムDNA1μg対し、プライマー各1μM、400μM dNTP、Pfu DNAポリメラーゼ2.5Uを加え、94℃1分間、55℃2分間、72℃4分間の反応条件を23回繰り返すことにより1.5KbのDNA断片を増幅した。このPCR産物をHind IIIおよびBamH Iによって消化し、1.5KbpのDNA断片を回収した。これを前述pEGD01の7.2KbpのHind III〜BamH I断片に連結した。このプラスミドDNAをpID01とした。
(2)プラスミドpIED02の作製
プラスミドpID01をBamH Iによって消化し、70℃の熱処理で制限酵素を失活させ、さらに脱リン酸化処理した後、8.6KbpのDNA断片を回収した。次に、プラスミドpEGD01をBamH Iによって消化した後、NCE4遺伝子を含む0.8KbpのDNA断片を回収した。2つの断片を連結し、プラスミドpIED02を得た。
実施例B6:プラスミドpIED02の発現
(1)プラスミドpIED02によるフミコーラ・インソレンスの形質転換
プラスミドpIED02によるフミコーラ・インソレンスのMN200−1形質転換は、実施例B2の方法に従って行った。まず、pIED02の高濃度精製標品を調製し、1μg/μlのpIED02プラスミドDNAを得た。このpIED02溶液を10μl使用して、フミコーラ・インソレンスMN200−1を形質転換し、ハイグロマイシン耐性を示す形質転換株を50株選抜した。これらを(N)培地で37℃で5日間培養した。得られた培養上澄をSDS−PAGEにより解析したところ、pIED02による形質転換株のうち5クローンにおいて、NCE4と推定されるタンパク質バンドが、親株より5〜10倍増加していた。
(2)組み換えNCE4のN末端アミノ酸残基の同定
SDS−PAGEの結果から、大量発現したタンパク質バンドがNCE4遺伝子由来であることを確認するために、このタンパク質のN末端アミノ酸配列を決定した。まず、実施例B2と同様の方法によって、親株およびNCE4高発現株から得られた培養上澄についてFPLCシステムを用いたカラムクロマトグラフィーを行い、NCE4のピークを分取し、凍結乾燥した。これを少量の水に溶解した。実施例B2の方法に従って修飾N末端残基を除去した後、前述のプロテインシーケンサーによって、N末端側アミノ酸配列を15残基決定した。得られた配列は以下に示される通りであった。
Figure 0003593134
このN末端側アミノ酸配列は、プラスミドpIED02の塩基配列から推定されるセルラーゼNCE1、NCE4融合タンパク質のアミノ酸配列と一致した。
(3)pGED02による形質転換株のFPLCよる評価
前述の様にSDS−PAGEでNCE4の大量発現が確認された5クローンの培養上澄をさらに定量するために、FPLCシステムでカラムクロマトグラフィーを行い、NCE4のピークを分取した。これを凍結乾燥し、重量を測定し、高発現株と親株の生産性を比較した。その結果は、次の表に示されるとおりであった。
Figure 0003593134
配列表
配列番号:1
配列の長さ:2285
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:Genomic DNA
起源
生物名:Humicola insolens
配列の特徴
特徴を表す記号:sig peptide
存在位置 :310..375
特徴を決定した方法:E
特徴を表す記号:mat peptide
存在位置 :376..1890
特徴を決定した方法:E
特徴を表す記号:intron
存在位置 :880..936
特徴を決定した方法:E
特徴を表す記号:intron
存在位置 :1290..1348
特徴を決定した方法:E
特徴を表す記号:intron
存在位置 :1780..1863
特徴を決定した方法:E
特徴を表す記号:cleavage−site
存在位置 :240..245
他の情報 :Sal I
特徴を表す記号:cleavage−site
存在位置 :603..608
他の情報 :Sal I
特徴を表す記号:cleavage−site
存在位置 :760..765
他の情報 :Sal I
特徴を表す記号:cleavage−site
存在位置 :1152..1157
他の情報 :Kpn I
特徴を表す記号:cleavage−site
存在位置 :1267..1272
他の情報 :Sal I
配列
Figure 0003593134
Figure 0003593134
Figure 0003593134
Figure 0003593134
Figure 0003593134
Figure 0003593134
配列番号:2
配列の長さ:2409
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:Genomic DNA
起源
生物名:Humicola insolens
配列の特徴
特徴を表す記号:sig peptide
存在位置:389..457
特徴を決定した方法:E
特徴を表す記号:mat peptide
存在位置:458..2098
特徴を決定した方法:E
特徴を表す記号:intron
存在位置:478..535
特徴を決定した方法:E
特徴を表す記号:intron
存在位置:1030..1141
特徴を決定した方法:E
特徴を表す記号:intron
存在位置:1762..1815
特徴を決定した方法:E
特徴を表す記号:intron
存在位置:1990..2044
特徴を決定した方法:E
特徴を表す記号:cleavege−site
存在位置:688..693
他の情報:Sma I
特徴を表す記号:cleavege−site
存在位置:1253..1259
他の情報:BamH I
特徴を表す記号:cleavege−site
存在位置:1505..1510
他の情報:Bal II
特徴を表す記号:Cleavege−site
存在位置:1643..1648
他の情報:Stu I
配列
Figure 0003593134
Figure 0003593134
Figure 0003593134
Figure 0003593134
Figure 0003593134
Figure 0003593134
配列番号:3
配列の長さ:1257
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:Genomic DNA
起源
生物名:Humicola insolens
配列の特徴
特徴を表す記号:intron
存在位置:453..509
特徴を決定した方法:E
配列
Figure 0003593134
Figure 0003593134
Figure 0003593134
配列番号4
配列の長さ:16
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:N末端フラグメント
起源
生物名:Humicola insolens
配列
Figure 0003593134
配列番号5
配列の長さ:20
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:N末端フラグメント
起源
生物名:Humicola insolens
配列
Figure 0003593134
配列番号6
配列の長さ:21
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:N末端フラグメント
起源
生物名:Humicola insolens
配列
Figure 0003593134
配列番号7
配列の長さ:16
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:N末端フラグメント
起源
生物名:Humicola insolens
配列
Figure 0003593134

Claims (5)

  1. 発現ベクターpMKD01、pEGD01、またはpIED02。
  2. そのN−末端に配列番号4のアミノ酸配列を有する融合タンパク質をコードするDNA配列を含む、発現ベクターpMKD01によって形質転換されたフミコーラ属に属する微生物を培養し、培養物から前記融合タンパク質を採取する工程を含んでなる方法によって得られるそのN−末端に配列番号4のアミノ酸配列を有する融合タンパク質。
  3. そのN−末端に配列番号5または6のアミノ酸配列を有する融合タンパク質をコードするDNA配列を含む、発現ベクターpEGD01によって形質転換されたフミコーラ属に属する微生物を培養し、培養物から前記融合タンパク質を採取する工程を含んでなる方法によって得られるそのN−末端に配列番号5または6のアミノ酸配列を有する融合タンパク質。
  4. そのN−末端に配列番号7のアミノ酸配列を有する融合タンパク質をコードするDNA配列を含む、発現ベクターpIED02によって形質転換されたフミコーラ属に属する微生物を培養し、培養物から前記融合タンパク質を採取する工程を含んでなる方法によって得られるそのN−末端に配列番号7のアミノ酸配列を有する融合タンパク質。
  5. フミコーラ属に属する微生物がフミコーラ・インソレンスである、請求項2〜4のいずれか1つに記載の融合タンパク質。
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