JP3580491B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、出力電圧を零ボルトから任意の電圧まで直線的に可変制御できるスイッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体テスタや、電子部品の試験装置等の分野において、出力電圧を零ボルトから任意の電圧まで直線的に可変制御できる電源装置が用いられている。このような電源装置は、出力電圧を零ボルトから任意の電圧まで正確に制御する必要があり、その制御の容易さから、一般的にドロッパ方式の電源装置が用いられていた。
【0003】
他方、ドロッパ方式の電源装置と較べ、小型、軽量で、高効率に構成できるスイッチング電源装置の普及に伴い、上述の分野においても、スイッチング電源装置の利用が提案されている。特開平7−219652号公報はこのような技術を開示するものであり、既存のスイッチング方式直流安定化電源に零可変制御モジュールを備えるだけで、出力電圧を略零ボルトまで可変制御できる零可変電圧機能を付加している。
【0004】
一般的に、スイッチング電源装置は、出力電圧を検出し、その検出電圧を基準電圧と比較して誤差増幅信号を生成し、その誤差増幅信号に基づくパルス幅制御信号によりスイッチング素子を制御して、出力電圧を安定化している。
【0005】
誤差増幅信号を得るには、通常、誤差増幅回路を用いる。誤差増幅回路は、オペアンプと、入力抵抗と、帰還抵抗とを含んで構成される。オペアンプは、その反転入力端子に、入力抵抗を介して基準電圧が入力され、非反転入力端子に出力電圧に比例した検出電圧が入力され、出力端子に誤差増幅信号を出力する。
【0006】
スイッチング素子は、誤差増幅信号に基づくパルス幅制御信号により、スイッチングが制御され、オペアンプの両入力端子の電圧が同電位となるようにオン・オフする。このため、スイッチング電源装置の出力電圧は基準電圧に比例した出力電圧に安定化される。
【0007】
オペアンプの反転入力端子は、上述のように、入力抵抗を介して基準電圧が入力される。オペアンプの反転入力端子の電圧は、前記入力抵抗の入力端の電圧と前記誤差増幅信号の電圧(オペアンプの出力電圧)レベルに基づき、前記入力抵抗と前記帰還抵抗との抵抗分割比で決定される。従って、パルス幅を狭める制御により、前記誤差増幅信号の電圧(オペアンプの出力電圧)レベルが高くなると、前記入力抵抗の入力端の電圧を零ボルトにしても、オペアンプの反転入力端子電圧、すなわち基準電圧は、零ボルトまで低下しない。このため、非反転入力端子の電圧、すなわち出力電圧に比例した電圧も零ボルトまで低下することはない。このため、従来のスイッチング電源装置では、出力電圧を略零ボルトまで可変制御できるとはいえ、完全に零ボルトまで可変制御することができなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、出力電圧を零ボルトから任意の電圧まで可変制御できるスイッチング電源装置を提供することである。
【0009】
本発明のもう一つの課題は、外部電圧によって、出力電圧を零ボルトから任意の電圧まで可変制御できるスイッチング電源装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明に係るスイッチング電源装置は、スイッチング変換回路と、整流平滑回路と、パルス幅制御回路と、出力電圧設定回路とを含む。前記スイッチング変換回路は、少なくとも一つのスイッチング素子を含み、供給された直流電圧をスイッチングする。前記整流平滑回路は、前記スイッチング変換回路から出力されるスイッチング出力を整流平滑して出力する。
【0011】
前記出力電圧設定回路は、出力電圧検出回路と、基準電圧調整回路と、誤差増幅回路とを含む。前記出力電圧検出回路は、出力電圧を検出して出力電圧に比例した検出電圧を出力する。前記基準電圧調整回路は、正負電圧源を含み、正電圧から負電圧の範囲の調整用電圧を出力する。
【0012】
前記誤差増幅回路は、オペアンプと、入力抵抗と、帰還抵抗とを含む。前記オペアンプは、その反転入力端子に前記入力抵抗と、前記帰還抵抗とが接続され、前記入力抵抗の入力端に、前記調整用電圧が入力され、非反転入力端子に前記検出電圧が入力され、出力端子から、前記誤差増幅回路の出力として誤差増幅信号を出力する。前記パルス幅制御回路は、前記誤差増幅信号が入力されて、パルス幅制御信号を出力し、前記スイッチング変換回路のスイッチング素子を制御する。
【0013】
上述したスイッチング電源装置において、入力された直流電圧は、スイッチング変換回路によってスイッチングされ、そのスイッチング出力が整流平滑回路によって整流、平滑される。前記パルス幅制御回路は、前記誤差増幅信号が入力されて、パルス幅制御信号を出力し、前記スイッチング変換回路のスイッチング素子を制御する。
【0014】
このため、上述のスイッチング電源装置は、前記出力電圧設定回路により設定される任意の直流電圧を出力することができる。
【0015】
前記出力電圧設定回路は、出力電圧検出回路と、基準電圧調整回路と、誤差増幅回路とを含んで構成される。前記出力電圧検出回路は、出力電圧を検出して出力電圧に比例した検出電圧を出力する。前記誤差増幅回路は、オペアンプと、入力抵抗と、帰還抵抗とを含む。前記オペアンプは、その反転入力端子に前記入力抵抗と、前記帰還抵抗とが接続され、前記入力抵抗の入力端に、前記基準電圧調整回路から出力される前記調整用電圧が入力される。前記オペアンプの反転入力端子の電圧は、前記オペアンプの出力端子電圧と、前記基準電圧調整回路から出力される前記調整用電圧に基づき、前記入力抵抗と前記帰還抵抗との抵抗分割比で決定される。
【0016】
前記基準電圧調整回路は、正負電圧源を含み、正電圧から負電圧の範囲の前記調整用電圧を出力するから、前記調整用電圧を調整することにより、前記オペアンプの反転入力端子の電圧、すなわち基準電圧を零ボルトから任意の電圧に調整することができる。
【0017】
前記オペアンプは、その非反転入力端子に前記出力電圧検出回路の検出電圧が入力され、出力端子からは、前記誤差増幅回路の出力として誤差増幅信号を出力する。
【0018】
前記パルス幅制御回路は、前記誤差増幅信号が入力されて、パルス幅制御信号を出力し、前記スイッチング変換回路のスイッチング素子を制御する。スイッチング素子はパルス幅制御信号に基づきそのスイッチングが制御され、前記オペアンプの両入力端子の電圧が同電位となるようにオン・オフするから、スイッチング電源装置の出力電圧は、前記基準電圧調整回路により調整される基準電圧に比例した任意の直流電圧に安定化される。
【0019】
このため、前記基準電圧調整回路により、前記オペアンプの反転入力端子の電圧、すなわち基準電圧が零ボルトに維持されると、非反転入力端子の電圧すなわち、前記出力電圧検出回路の検出電圧も零ボルトとなるように制御される。前記出力電圧検出回路の検出電圧は、スイッチング電源装置の出力電圧に比例した電圧であるため、スイッチング電源装置の出力電圧も零ボルトに維持される。
【0020】
このように、本発明のスイッチング電源装置は、出力電圧を零ボルトに維持することができ、さらに、基準電圧調整回路によりオペアンプの反転入力端子の電圧、すなわち基準電圧を零ボルトからより高い任意の電圧迄調整することができるので、出力電圧を零ボルトから任意の電圧まで可変制御することができる。
【0021】
オペアンプの反転入力端子の電圧は、例えば基準電圧調整回路をスイッチング電源装置の外部に設けること等により、スイッチング電源装置の外部から調整用電圧を入力することが可能であり、外部電圧によって、出力電圧を零ボルトから任意の電圧まで可変制御できるスイッチング電源装置を提供することができる。
【0022】
前記基準電圧調整回路は、インピーダンス変換回路を含む構成とすることができる。前記インピーダンス変換回路を、オペアンプと、入力抵抗と、帰還抵抗とを含む構成とし、正負電圧源により駆動すれば、非反転入力端子に出力電圧設定用電圧を印加するだけで、スイッチング電源装置の出力電圧を零ボルトから任意の電圧まで可変制御できる。また、前記インピーダンス変換回路を構成するオペアンプの非反転入力端子をスイッチング電源装置の外部端子とすれば、スイッチング電源装置の外部から出力電圧設定用電圧を印加することで、スイッチング電源装置の出力電圧を零ボルトから任意の電圧まで可変制御できる。
【0023】
出力電圧設定用電圧の電圧値とスイッチング電源装置の出力電圧の電圧値との関係は、前記基準電圧調整回路に含まれるオペアンプの帰還抵抗と入力抵抗の抵抗値を選定することにより、任意に関連付けることができ、出力電圧設定用電圧の電圧値をスイッチング電源装置の出力電圧と同一電圧値、あるいは比例した電圧値とすることもでき、また、その他の異なった電圧値とすることもできる。
【0024】
前記誤差増幅回路を構成するオペアンプは、その反転入力端子にブリーダ抵抗を接続することができる。ブリーダ抵抗を接続すると、オペアンプの動作電圧にかかわらず、出力電圧設定用電圧の電圧範囲や、スイッチング電源装置の出力電圧との関係を任意に関連付けることができる。
【0025】
本発明の他の目的、構成および利点については、添付図面を参照して、更に詳しく説明する。図面は単なる例示に過ぎない。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るスイッチング電源装置の一実施例を概略的に説明するブロック図である。本実施例のスイッチング電源装置は、スイッチング変換回路1と、整流平滑回路2と、パルス幅制御回路3と、出力電圧設定回路4とを含む。図示実施例には、絶縁結合回路5、直流電圧源E、及び、負荷Lも含まれている。
【0027】
直流電圧源Eはバッテリや、その他の直流電圧源、あるいは交流電圧を整流回路を介して直流に変換した電圧の何れでも利用できる。
【0028】
スイッチング変換回路1は少なくとも一つのスイッチング素子11を含み、直流電圧源Eから供給された直流電圧VINをスイッチングする。スイッチング素子11は入力された直流電圧VINを高周波でスイッチングできればよく、典型的にはバイポーラトランジスタや、電界効果トランジスタ等の半導体素子が用いられる。スイッチング変換回路1は、更に変圧器や、チョークコイル等の磁電変換素子を含んでいてもよく、一個もしくは複数個のスイッチング素子11と、前記磁電変換素子とを組み合わせて、オン・オン型、オン・オフ型あるいは絶縁型、非絶縁型等の公知のコンバータ回路としても構成できる。
【0029】
整流平滑回路2は、スイッチング変換回路1と出力端子T0との間に配置され、整流部と、平滑部とを含み、スイッチング変換回路1から出力されるスイッチング出力を整流平滑して出力する。整流部は、一個もしくは複数個のダイオードや、制御電極を有するスイッチ素子を用い、前記コンバータ回路の形式に合わせ、半波整流回路、全波整流回路あるいはブリッジ整流回路等で構成する。制御電極を有するスイッチ素子を用いれば、同期整流回路が構成できる。平滑部は、コンデンサやチョークコイル等を用いて構成される。
【0030】
出力電圧設定回路4は、出力電圧検出回路41と、基準電圧調整回路42と、誤差増幅回路43とを含んで構成される。
【0031】
出力電圧検出回路41は、出力電圧を検出して出力電圧に比例した検出電圧を出力する。出力電圧検出回路41は、本実施例では、出力端子T0に接続された抵抗R1、R2でなる抵抗分圧回路で構成される。
【0032】
基準電圧調整回路42は、正負電圧源+V、−Vを含み、基準電圧を調整するために、正電圧から負電圧の範囲の調整用電圧を出力する。基準電圧調整回路42は、本実施例では、正負電圧源+V、−Vの間に接続されたボリュームVRで構成されている。この他、正負電圧調整機能を備えたバッテリや、その他の正負可変直流電圧源等、正電圧から負電圧の範囲の電圧を発生するものであれば用いることができる。
【0033】
誤差増幅回路43は、オペアンプ44と、入力抵抗R3と、帰還抵抗R4とを含んで構成される。オペアンプ44はその反転入力端子(−)に、入力抵抗R3と、帰還抵抗R4とが接続され、入力抵抗R3の入力端に基準電圧調整回路42から出力される調整用電圧が入力され、その非反転入力端子(+)に出力電圧検出回路41の検出電圧が入力される。オペアンプ44はこれらの入力された電圧を比較し、出力端子443から誤差増幅信号S1を出力する。誤差増幅信号S1は誤差増幅回路43の出力としてパルス幅制御回路3に出力される。
【0034】
パルス幅制御回路3は本実施例では、比較器31と、基準三角波を発生する発振器32とを含んで構成される。比較器31は誤差増幅信号S1と、発振器32から出力される基準三角波S2とが入力され、これらを比較し、制御パルスS3を出力する。制御パルスS3は、パルス幅制御回路3の出力として絶縁結合回路5を介してスイッチング変換回路1に供給され、スイッチング素子11のオン・オフを制御する。
【0035】
絶縁結合回路5はスイッチング電源装置の入力側と出力側とを電気的に絶縁するために設けられ、パルストランスあるいはフォトカプラ等で構成される。絶縁結合回路5は他の位置に配置してもよく、また非絶縁型コンバータのように、入力側と出力側との電気的な絶縁が必要でない場合は、省略することができる。
【0036】
上述のように構成された本実施例のスイッチング電源装置において、直流電圧源Eから入力された直流電圧VINは、スイッチング変換回路1によってスイッチングされ、そのスイッチング出力が整流平滑回路2によって整流、平滑され、出力端子T0を介して負荷Lに供給される。
【0037】
出力端子T0には出力電圧検出回路41が接続されている。出力電圧検出回路41は、分圧抵抗R1、R2によって出力電圧V0を分圧し、出力電圧V0に比例した検出電圧を誤差増幅回路43を構成するオペアンプ44の非反転入力端子(+)に供給する。オペアンプ44の反転入力端子(−)には、入力抵抗R3が接続されている。入力抵抗R3の入力端には、基準電圧調整回路42から出力された調整用電圧が入力されるので、オペアンプ44の反転入力端子(−)には、基準電圧が入力される。オペアンプ44はこれらの入力された検出電圧と基準電圧とを比較し、比較結果に応じた電圧レベルの誤差増幅信号S1を出力する。
【0038】
パルス幅制御回路3は誤差増幅信号S1と基準三角波S2とが入力され、これらを比較してスイッチング素子11の制御パルスS3を出力する。制御パルスS3は絶縁結合回路5を介してスイッチング変換回路1に供給され、スイッチング素子11のオン・オフを制御する。
【0039】
図2は誤差増幅信号S1と基準三角波S2と制御パルスS3との関係を示す図である。パルス幅制御回路3は基準三角波S2が誤差増幅信号S1の電圧レベルを上回っているとき(図2(a)参照)、ハイレベルの制御パルスを出力する(図2(b)参照)。ハイレベルの制御パルスはスイッチング素子11のオン信号に対応しており、誤差増幅信号S1の電圧レベルが上方にシフトするとパルス幅が狭まり、逆に、下方にシフトするとパルス幅が広がる。このため、スイッチング素子11は誤差増幅信号S1の電圧レベルによってそのオン幅が制御され、スイッチング電源装置の出力電圧が安定化される。図2において、時刻t1〜t2の期間は入力電圧変動や、負荷変動に対して誤差増幅信号S1の電圧レベルが変化し、パルス幅制御される様子を示している。
【0040】
ここで、誤差増幅回路43はオペアンプ44と入力抵抗R3と帰還抵抗R4とを含んで構成される。オペアンプ43は反転入力端子(−)と非反転入力端子(+)の電位が同電位となるように誤差増幅信号S1を出力する。このため、オペアンプ44の反転入力端子(−)に入力される基準電圧を任意の電圧に制御することにより、スイッチング電源装置の出力電圧V0を任意の電圧に安定化することができる。基準電圧、すなわちオペアンプ44の反転入力端子(−)の電圧は、誤差増幅信号S1の電圧レベルおよび基準電圧調整回路42から入力抵抗R3の入力端に入力される調整用電圧に基づき、入力抵抗R3と帰還抵抗R4の抵抗分割比で決定される。誤差増幅信号S1の電圧レベルは正電圧であるため、入力抵抗R3の入力端に入力される調整用電圧が正電圧の範囲では基準電圧を零ボルトにすることができない。
【0041】
しかし、本実施例の基準電圧調整回路42は、正負電圧源+V、−Vを含み、正負電圧源+V、−Vの間に接続されたボリュームVRで構成され、正電圧から負電圧の範囲の調整用電圧を出力する。このため、ボリュームVRを調整することにより、基準電圧を零ボルトに維持することができる。基準電圧、すなわちオペアンプ44の反転入力端子(−)の電圧が零ボルトに維持されると、誤差増幅回路43はオペアンプ44の非反転入力端子(+)の電圧も零ボルトに維持するように動作する。非反転入力端子(+)の電圧は、スイッチング電源装置の出力電圧V0に比例した電圧であり、非反転入力端子(+)の電圧が零ボルトに維持されることは、スイッチング電源装置の出力電圧V0が零ボルトに維持されることを意味している。
【0042】
このように、本実施例のスイッチング電源装置は、誤差増幅回路43を構成するオペアンプ44の反転入力端子(−)に入力される基準電圧を零ボルトに維持することができるため、スイッチング電源装置の出力電圧V0を零ボルトに維持することができる。
【0043】
更に、基準電圧調整回路42のボリュームVRを調整することにより、基準電圧を零ボルトより高い任意の電圧に調整し、維持することができる。このため、出力電圧V0を零ボルトから任意の電圧まで直線的に可変制御できるスイッチング電源装置を得ることができる。
【0044】
基準電圧調整回路42はスイッチング電源装置の外部に配置することが可能である。このように構成することで、負電源を持たない汎用のスイッチング電源装置に、基準電圧調整回路42を組み合わせ、出力電圧V0を零ボルトから任意の電圧まで直線的に可変制御できるスイッチング電源装置を容易に構成できる。
【0045】
図3は本発明に係るスイッチング電源装置の別の実施例を示す電気回路図である。図において、図1と同一参照符号は同一構成部分を示しており、12は変圧器、21、22はダイオード、23はチョークコイル、24はコンデンサ、45はインピーダンス変換回路、6は出力電圧設定用電圧源である。
【0046】
本実施例は一石式フォワードコンバータ方式のスイッチング電源装置に本発明を適用した例を示している。但し、コンバータの形式は特に限定されない。本実施例の特徴は、基準電圧調整回路42にインピーダンス変換回路45を含む点にある。
【0047】
本実施例のスイッチング電源装置において、コンバータの形式および出力電圧設定回路4における基準電圧調整回路42以外の構成は図1に示した実施例とほぼ同一であるため、以下、コンバータおよび基準電圧調整回路42を主体にして説明する。スイッチング変換回路1は変圧器12と一つの電界効果トランジスタで構成されたスイッチング素子11を含む。変圧器12は入力巻線13と出力巻線14とを含み、入力巻線13がスイッチング素子11を介して直流電圧源Eに接続される。
【0048】
整流平滑回路2は、ダイオード21、22と、チョークコイル23と、コンデンサ24とを含んで構成され、入力側が変圧器12の出力巻線14に接続され、出力側が出力端子T0に接続される。
【0049】
このように構成されたコンバータにおいて、スイッチング変換回路1は、スイッチング素子11により、直流電圧源Eから変圧器12の入力巻線13に供給された直流電圧VINをスイッチングし、出力巻線14にスイッチング出力を発生する。
【0050】
整流平滑回路2は、スイッチング変換回路1から出力されるスイッチング出力を整流平滑し、出力端子T0から負荷Lに供給する。
【0051】
パルス幅制御回路3と絶縁結合回路5は図1に示した実施例と同様に構成される。出力電圧設定回路4は、基準電圧調整回路42を除き、図1に示した実施例と同様に構成される。
【0052】
基準電圧調整回路42は、正負電圧源+V、−Vを含み、正電圧から負電圧の範囲の基準電圧を出力する点で、図1に示した実施例と同様であるが、本実施例では、更に、インピーダンス変換回路45を含んでいる。インピーダンス変換回路45はオペアンプ46と、入力抵抗R5と、帰還抵抗R6とを含んで構成され、正負電圧源+V、−Vにより駆動される。オペアンプ46は、その反転入力端子(−)に入力抵抗R5と、帰還抵抗R6とが接続され、正電圧源+Vが入力抵抗R5を介して入力される。オペアンプ46の非反転入力端子(+)には出力電圧設定用電圧源6から出力電圧設定用電圧VSが印加される。オペアンプ46の出力端子463は基準電圧調整回路42の出力とされる。
【0053】
出力電圧設定用電圧源6は、電圧調整機能を備えたバッテリや、その他の可変直流電圧源等、所定範囲の電圧を発生するものであれば用いることができる。出力電圧設定用電圧源6は、スイッチング電源装置の内部要素であっても、外部要素であってもよい。
【0054】
このように構成された本実施例のスイッチング電源装置は、出力電圧設定用電圧源6からインピーダンス変換回路45を構成するオペアンプ46の非反転入力端子(+)に出力電圧設定用電圧VSを印加することにより、スイッチング電源装置の出力電圧を零ボルトから任意の電圧まで直線的に可変制御することができる。
【0055】
図4はスイッチング電源装置の出力電圧と出力電圧設定用電圧との関係を示すグラフであって、出力電圧設定用電圧VSが零ボルトのときスイッチング電源装置の出力電圧V0が零ボルトに制御される場合を示している。この場合、出力電圧設定回路42は以下のように構成される。
【0056】
スイッチング電源装置の出力電圧V0が零ボルトのとき、誤差増幅回路43から出力される誤差増幅信号S1は、基準三角波S2の上限になっている。このときの誤差増幅信号S1の電圧レベルをV0hとする。誤差増幅回路43を構成するオペアンプ44の非反転入力端子(+)の電圧は、スイッチング電源装置の出力電圧V0が零ボルトだから、当然零ボルトになる。このとき、オペアンプの反転入力端子(−)の電圧は、非反転入力端子(+)の電圧と同電位となるように動作し、零ボルトになる。
【0057】
本実施例では、インピーダンス変換回路45を正負電圧源+V、−Vにより駆動するため、誤差増幅回路を構成するオペアンプ44の反転入力端子(−)の電圧が零ボルトになるに従い、インピーダンス変換回路45の出力電圧は負電圧迄低下する。このとき、オペアンプ44の入力抵抗R3に流れる電流I1は、オペアンプ44の入力インピーダンスが高いことにより、帰還抵抗R4に流れる電流とほとんど等しく、I1=V0h/R4となる。
【0058】
インピーダンス変換回路45を構成するオペアンプ46の非反転入力端子(+)には、零ボルトの出力電圧設定用電圧VSが印加されている。反転入力端子(−)の電圧は、非反転入力端子(+)の電圧と同電位となるように動作し、零ボルトとなる。このため、入力抵抗R5に流れる電流I2は、I2=V/R5となり、オペアンプ46の入力インピーダンスが高いことにより、電流I2はほとんど帰還抵抗R6に流れる。インピーダンス変換回路45を構成するオペアンプ46の帰還抵抗R6は、その両端間電圧が誤差増幅回路43を構成するオペアンプ44の入力抵抗R3の両端間電圧に等しくなるように設定されるのが好ましく、R6=(V0h/R4)×R3/I2を満足するように設定すると正確な制御が可能となる。帰還抵抗R6の値が高かったり、低かったりすると、図4の破線で示すごとく、零ボルト付近での直線性が保てなくなる。
【0059】
図4のグラフでは、出力電圧設定用電圧VSが零ボルトのとき、スイッチング電源装置の出力電圧が零ボルトに制御される場合を示したが、出力電圧設定用電圧VSとスイッチング電源装置の出力電圧との関係は、基準電圧調整回路42に含まれるオペアンプ46の入力抵抗R5と帰還抵抗R6の抵抗値を選定することにより、任意に関連付けることができ、出力電圧設定用電圧VSをスイッチング電源装置の出力電圧V0と同一電圧値、あるいは比例した電圧値とすることもでき、また、その他の異なった電圧値とすることもできる。
【0060】
さらに、本実施例においても、図1に示した実施例と同様、基準電圧調整回路42をスイッチング電源装置の外部に配置することが可能であり、また、インピーダンス変換回路45を構成するオペアンプ46の非反転入力端子(+)のみスイッチング電源装置の外部端子とし、外部に設けた出力電圧設定用電圧源による外部電圧によって、スイッチング電源装置の出力電圧を可変制御するよう構成することも可能である。
【0061】
図5は本発明に係るスイッチング電源装置の更に別の実施例を示す電気回路図である。図において、図3と同一参照符号は同一構成部分を示している。
【0062】
本実施例は、図3に示した実施例の誤差増幅回路43において、その反転入力端子(−)にブリーダ抵抗R7を接続したことを特徴としている。ブリーダ抵抗R7を接続すると、オペアンプ44の反転入力端子(−)に入力される基準電圧が、入力抵抗R3とブリーダ抵抗R7とにより分圧されるため、オペアンプ44の動作電圧にかかわらず、出力電圧設定用電圧VSの電圧範囲や、スイッチング電源装置の出力電圧V0との関係を任意に関連付けることができる。
【0063】
以上、本発明の実施例を参照して、本発明の内容を具体的に説明したが、当業者であれば本発明の基本的技術思想および教示に基づいて種々の変形を行うことができることは自明である。
【0064】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば次のような効果を得ることができる。
(a)出力電圧を零ボルトから任意の電圧まで可変制御できるスイッチング電源装置を提供することができる。
(b)外部電圧によって、出力電圧を零ボルトから任意の電圧まで可変制御できるスイッチング電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスイッチング電源装置の一実施例を概略的に説明するブロック図である。
【図2】誤差増幅信号S1と基準三角波S2と制御パルスS3との関係を示す図である。
【図3】本発明に係るスイッチング電源装置の別の実施例を示す電気回路図である。
【図4】スイッチング電源装置の出力電圧と出力電圧設定用電圧との関係を示すグラフである。
【図5】本発明に係るスイッチング電源装置の更に別の実施例を示す電気回路図である。
【符号の説明】
1 スイッチング変換回路
11 スイッチング素子
2 整流平滑回路
3 パルス幅制御回路
4 出力電圧設定回路
41 出力電圧検出回路
42 基準電圧調整回路
43 誤差増幅回路
44、46 オペアンプ
45 インピーダンス変換回路
R3、R5 入力抵抗
R4、R6 帰還抵抗
E 直流電圧源
+V 正電圧源
−V 負電圧源
S1 誤差増幅信号
S2 基準三角波
S3 制御パルス
Claims (6)
- スイッチング変換回路と、整流平滑回路と、パルス幅制御回路と、出力電圧設定回路とを含むスイッチング電源装置であって、
前記スイッチング変換回路は、少なくとも一つのスイッチング素子を含み、供給された直流電圧をスイッチングし、
前記整流平滑回路は、前記スイッチング変換回路から出力されるスイッチング出力を整流平滑して出力し、
前記出力電圧設定回路は、出力電圧検出回路と、基準電圧調整回路と、誤差増幅回路とを含み、
前記出力電圧検出回路は、出力電圧を検出して出力電圧に比例した検出電圧を出力し、
前記基準電圧調整回路は、前記出力電圧の基準電位を基準とした正電圧、及び、前記出力電圧の基準電位を基準とした負電圧が供給され、前記基準電位を基準として、正電圧から負電圧の範囲の調整用電圧を出力し、
前記誤差増幅回路は、オペアンプと、入力抵抗と、帰還抵抗とを含み、
前記オペアンプは、その反転入力端子に前記入力抵抗と、前記帰還抵抗とが接続され、前記入力抵抗の入力端に、前記調整用電圧が入力され、非反転入力端子に前記検出電圧が入力され、出力端子から誤差増幅信号を出力し、
前記パルス幅制御回路は、前記誤差増幅信号が入力されて、パルス幅制御信号を出力し、前記スイッチング変換回路のスイッチング素子を制御する
スイッチング電源装置。 - 請求項1に記載されたスイッチング電源装置であって、
前記基準電圧調整回路は、インピーダンス変換回路を含み、
前記インピーダンス変換回路はオペアンプと、入力抵抗と、帰還抵抗とを含み、
前記インピーダンス変換回路において、前記オペアンプは、反転入力端子に前記入力抵抗と、前記帰還抵抗とが接続され、正電圧源が前記入力抵抗を介して入力され、前記オペアンプの非反転入力端子には出力電圧設定用電圧源から出力電圧設定用電圧が印加され、前記オペアンプの前記出力端子は基準電圧調整回路の出力とされる
スイッチング電源装置。 - 請求項1または2に記載されたスイッチング電源装置であって、
前記基準電圧調整回路は、スイッチング電源装置の外部に配置され、
前記基準電圧調整回路は、インピーダンス変換回路を含み、前記インピーダンス変換回路は、オペアンプと、入力抵抗と、帰還抵抗とを含み、前記オペアンプは、前記正負電圧源により駆動され、その反転入力端子に前記入力抵抗と、前記帰還抵抗とが接続され、前記入力抵抗を介して正電圧が入力され、非反転入力端子に出力電圧設定用電圧が印加され、出力端子から、前記調整用電圧を出力する
スイッチング電源装置。 - 請求項3に記載されたスイッチング電源装置であって、
前記非反転入力端子は、スイッチング電源装置の外部端子とされている
スイッチング電源装置。 - 請求項3または4の何れかに記載されたスイッチング電源装置であって、
前記基準電圧設定用電圧は、スイッチング電源装置の出力電圧に比例する
スイッチング電源装置。 - 請求項3乃至5の何れかに記載されたスイッチング電源装置であって、
前記誤差増幅回路を構成するオペアンプは、その反転入力端子にブリーダ抵抗が接続されている
スイッチング電源装置。
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-
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