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JP3576681B2 - 光記憶装置 - Google Patents

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JP3576681B2
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JP03210596A
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雄三 平山
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光半導体装置に係わり、特に長時間データが保持でき高速の読み書きが可能な光記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、長距離大容量の光通信システムの発展に伴い、大容量の光交換システムや光情報処理システムが必要となってきている。また、光コンピュータの実現に向けた研究も盛んである。このようなシステムでは、光スイッチや光論理演算素子のみでなく、光記憶装置が必要である。光を記憶し取り出す技術は難しく、光ファイバ中を周回させるもの、ホールバーニングメモリやフォトンエコー等の研究があるのみである。
【0003】
しかしながら、この種の従来の光記憶装置にあっては、次のような問題があった。即ち、光ファイバ中を周回させる場合は、装置が大掛かりでかつ動作が不安定であった。また、ホールバーニングメモリやフォトンエコーを用いる場合は、記録媒体に金属蒸気,色素,希土類等の特殊な材料を用いなければならなかったり、低温でないと動作しないという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のホールバーニングメモリやフォトンエコーでは、特殊な材料を用いたり、低温でないと動作しないという問題があった。また、光ファイバ中を周回させて光を閉じ込める方法は、装置が非常に大掛かりになり、また安定性も悪かった。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、実用的な材料でかつ簡易な構成で実現することができ、安定性に優れた高性能の全く新しい光記憶装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(構成)
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
即ち本発明は、光の閉じ込めと放射を利用した光記憶装置において、2準位系若しくは擬2準位系において場と結合できる光のモードの数を0(系から光を放射できない状態)と1(系から光を放射できる状態)の間で変化させる手段と、前記系に1回若しくは複数回連続するπ/2パルス記録光を照射する手段と、前記系に前記記録光に引き続きπパルスリフレッシュ光を1回若しくは複数回照射する手段とを具備してなることを特徴とする。
【0007】
ここで、本発明の望ましい実施態様としては、次のものがあげられる。
(1) 光のモードの数を0にする手段として、共振器を光の波長オーダ程度に微小に形成してキャビティQEDの効果(量子電磁気学的効果)を利用する。
(2) 光のモードの数を1にする手段として、系に制御光を照射する。
(3) 量子井戸構造をブラッグ反射鏡で挟み、量子井戸のサブバンド間で擬2準位系を形成する。
(作用)
本発明によれば、2準位系若しくは擬2準位系において系が結合できる光のモードの数を0と1の間で変化させる手段を設けると共に、π/2パルス記録光とそれに引き続くπパルスリフレッシュ光を照射する手段とを設けるが、このことは重要な意味を持つ。これを、図4を用いて以下に説明する。
【0008】
図4は、ブロッホベクトルの成分であるu,v,wを座標軸上に表したものである。u,v,wはそれぞれ同相のダイポールモーメント、直角位相のダイポールモーメント、上の準位と下の準位のポピュレーションの差を意味している。
【0009】
いま、系(2準位系若しくは擬2準位系)にπ/2パルス記録光を入射すると(a)、系の状態は上位準位にいる確率と下位準位にいる確率が等しい状態になる(b)。そして、時間と共に位相拡散を起こす。ここで、引き続きπパルスを入射すると、ベクトルは図に示したように反転し(c)、ある時間の後にばらばらだったベクトルが完全に一致する(d)。
【0010】
通常はこのとき、エコーパルスや超放射として知られる光の放出が起こる。従来はこの光の放出が起きるまでの時間が短かったり、光を放出するまでの時間が原理的には長い材料の場合でも、時間と共に位相ずれが蓄積して反転動作後にベクトルが完全に一致せず、有効な光の放出が行われないこともあった。このため、記憶を長い時間保持するには、金属蒸気や有機材料のごく一部のものしか用いることができなかった。
【0011】
本発明では、2準位系若しくは擬2準位系において系が結合できる光のモードの数を0、即ち光が系から放射できないようにしておく。これは、共振器を光の波長オーダ程度に微小にする、いわゆるキャビティQEDの効果を用いることにより実現できる。そのため、系が光を放出しようとしても実際には放出されず、ベクトルは再び位相拡散を起こす(e)。
【0012】
ここで、引き続きπパルスのリフレッシュ光を照射すると、ベクトルは再び反転し(f)、ある時間の後にばらばらだったベクトルが完全に一致する(g)。そして、πパルスのリフレッシュ光を複数回照射して反転動作を繰り返すことにより、光のエネルギーを系に長い時間蓄えておくことができるのみならず、僅かに生じた位相のズレを毎回ベクトルがほぼ一致した時に起きる引き込み現象により解消できる。そのため、半導体のような緩和時間の短い材料も記憶材料として使うことが可能である。
【0013】
そして、例えば制御光の照射により、望みの時に系が結合できる光のモードの数を0から1にすれば、光を外に放出させることができる(h)。
このように本発明によれば、2準位系若しくは擬2準位系において場と結合できる光のモードの数を0と1の間で変化させる手段を設けると共に、π/2パルス記録光とそれに引き続くπパルスリフレッシュ光を系に照射する手段を設けることにより、π/2パルス照射で生じた系の変化を長時間保つことができ、安定な記憶動作が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる光記憶装置の概略構造を示す断面図である。
【0015】
図示しないInP基板上に、InAlAsバッファ層11を形成した後、AlAs障壁層(厚さ3nm)12とInGaAs井戸層(厚さ1nm)13からなる量子井戸構造を有機金属気相成長(MOCVD)法により形成した。井戸層13には、Siを2.0×1019cm−3ドーピングした。さらに連続してInAlAsキャップ層14を成長した。
【0016】
次いで、InP基板を除去した後、量子井戸構造の上下にGaAs/AlAsからなるブラッグ反射鏡15を直接接着法により形成した。ここで、量子井戸のサブバンド間で擬2準位系が形成される。
【0017】
このサンプルを4.2Kの低温に冷却し、光記憶素子として動作させた。まず、NaClカラーセンターレーザを用いて波長1500nm帯のフェムト秒π/2パルス記録光を発生し、これをサンプルに照射した。引き続き、フェムト秒πリフレッシュ光を1ピコ秒間隔で繰り返し照射した。系からの光放射は見られなかった。これは、キャビティQEDの効果により系が場と結合できない状態にあったためと理解される。
【0018】
数分後にブラッグ反射鏡部分にキャビティQED効果を制御する光(例えば、波長1300nm帯のサブピコ秒パルス)を入射したところ、系からの光放射がフォトディテクタ16により確認された。これは、制御光によりブラッグ反射鏡15の屈折率が変化し、系と場との結合が生じたためと考えられる。このようにして最初に入射したフェムト秒π/2パルス記録光が実際に保持されているのを確認できた。
【0019】
図2は、複数の信号を記憶する際のパルスのタイミングチャートの例である。信号光(π/2パルス)を“1010”のパターンになるように2回連続して照射した後、リフレッシュ光(πパルス)を一定間隔で照射する。このとき、2つの信号光パルスは周波数を互いに僅かに異なるようにしておく。読み出しが必要な時に制御光を照射することにより、出力光が“1010”に応じて2回得られる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係わる光記憶装置の概略構造を示す断面図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0020】
本実施形態は、先に説明した第1の実施形態における光記憶素子を複数個集積化したものである。即ち、前記図1に示した素子がInP基板31上に複数個集積化され、各々に対してフォトディテクタ16が設けられている。
【0021】
このような構成であれば、個々の素子は第1の実施形態と同様に、記録光の照射に続くリフレッシュ光の照射により記録光を保持し、制御光の照射により記録光を放出する。従って読み出しを行うと、記憶されている素子のみからディテクタ16に出力が得られる。
【0022】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。実施形態では半導体材料を用いて素子を構成したが、従来用いられている原子蒸気や有機材料を用いても従来に優る良好な記憶動作が得られる。また、実施形態では動作波長を1500nm付近に設定したが、他の波長領域でも良い。また、実施形態では量子井戸のサブバンド間で擬2準位系を形成したが、擬2準位系に限らず2準位系を有する構造に適用することもできる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、2準位系若しくは擬2準位系において場と結合できる光のモードの数を0と1の間で変化させる手段と、系に1回若しくは複数回連続するπ/2パルス記録光を照射する手段と、系に記録光に引き続きπパルスリフレッシュ光を1回若しくは複数回照射する手段とを設けることにより、従来得られなかった高性能の光記憶素子を簡易な構成で実現することができる。その結果、光情報処理システムに用いる光素子を低コストで得られるのみならず、その信頼性は高く、本発明の有用性は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる光記憶装置の概略構造を示す断面図。
【図2】信号光を記憶,保持,読み出しする際のパルスのタイミング図。
【図3】第2の実施形態に係わる光記憶装置の概略構造を示す断面図。
【図4】本発明の動作原理を説明するための図。
【符号の説明】
11…InAlAsバッファ層
12…AlAs障壁層
13…InGaAs井戸層
14…InAlAsキャップ層
15…GaAs/AlAsブラッグ反射鏡
16…フォトディテクタ
31…InP基板

Claims (4)

  1. 2準位系若しくは擬2準位系において、場と結合できる光のモードの数を0と1の間で変化させる手段と、
    前記系に1回若しくは複数回連続するπ/2パルス記録光を照射する手段と、前記系に前記記録光に引き続きπパルスリフレッシュ光を1回若しくは複数回照射する手段と、
    を具備してなることを特徴とする光記憶装置。
  2. 光のモードの数を0にする手段として、共振器を光の波長オーダ程度に微小に形成してキャビティQEDの効果(量子電磁気学的効果)を利用することを特徴とする請求項1記載の光記憶装置。
  3. 光のモードの数を1にする手段として、系に制御光を照射することを特徴とする請求項1記載の光記憶装置。
  4. 量子井戸構造をブラッグ反射鏡で挟み、量子井戸のサブバンド間で擬2準位系を形成することを特徴とする請求項1記載の光記憶装置。
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