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JP3572365B2 - 高耐熱性フェリエライト型ゼオライトおよびその製造方法 - Google Patents

高耐熱性フェリエライト型ゼオライトおよびその製造方法 Download PDF

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JP3572365B2
JP3572365B2 JP00202595A JP202595A JP3572365B2 JP 3572365 B2 JP3572365 B2 JP 3572365B2 JP 00202595 A JP00202595 A JP 00202595A JP 202595 A JP202595 A JP 202595A JP 3572365 B2 JP3572365 B2 JP 3572365B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は合成フェリエライト、即ち表1に示すX線回折データ(R.von
Ballmoos and J.B.Higgins,COLLECTION
OF SIMULATED XRD POWDER PATTERNS FORZEOLITES,a special issue of ZEOLITES(1990),10(5),398Sからの引用)により構造が同定され、優れた高耐熱性で特徴づけられる合成フェリエライトおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【表1】
Figure 0003572365
【0003】
合成フェリエライトは、4.2×5.4オングストロームの10員環と3.5×4.8オングストロームの8員環から構成されているゼオライトであり、特定の分子のみを吸着分離する分子篩剤,気体や液体の脱水剤,水溶液中の特定のイオンを選択的に交換するイオン交換体として、また金属陽イオンを水素イオンと交換したものは固体酸として作用するため固体酸触媒などとして工業的に利用することが可能である。
【0004】
【従来の技術】
合成ゼオライトはその結晶構造に起因する一定の大きさの細孔を有することが特徴である。この細孔を利用して乾燥剤、極性吸着剤、分子篩吸着剤や固体酸触媒などとして種々のゼオライトが工業的に利用されており、合成フェリエライトもそのひとつである。しかしながら、ゼオライト吸着剤及び触媒の欠点のひとつは、耐熱性が十分ではないことである。例えば、吸着剤として加熱再生工程を含むプロセスにおいては、加熱することによりゼオライト骨格構造が少しずつ破壊され、吸着−再生のサイクルの繰り返しにより、最後には十分な吸着能力を発揮し得ない程まで構造が破壊されて吸着剤を交換せざるを得なくなる。また、触媒の例については、NOの接触分解触媒等のように高温下で使用される触媒では、高温下での触媒活性をいかに長時間持続できるかがポイントである。NO接触分解用ゼオライト触媒がいまだ実用化されないのは、この欠点を克服し得ないからである。従って、実用ゼオライト吸着剤及びゼオライト触媒の最大の課題は耐熱性の向上である。
【0005】
合成フェリエライトの製造法は種々提案されている。有機鉱化剤を使用しない代表的方法のひとつは、特開昭59−73423号公報および特開昭60−141617号公報に記載されている方法である。これらの方法によれば、有機鉱化剤を使用しなくてもSiO/Al比が10〜20の範囲のフェリエライトを合成することができる。
【0006】
ゼオライト骨格のSiO/Al比が上昇すると、その耐熱性は僅かに向上するが十分ではない。また、特開昭63−151612号公報に開示されているように有機鉱化剤とフッ化物イオンを含む反応混合物から合成されたフッ素を含有するフェリエライトも提案されている。
【0007】
しかしながら、有機鉱化剤およびフッ素がどのような形態でフェリエライト中に含まれているのかは明らかではなく、またその耐熱性については記載されていない。更に、pH12以上の領域でピリジン存在下で結晶化させたフェリエライト、およびフッ素化合物の存在する反応混合物から結晶化させ、フッ素および/またはフッ素化合物を含有するフェリエライトはその耐熱性が著しく低下することが明らかである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来知られていた合成法によるフェリエライトでは達成し得なかった優れた高耐熱性フェリエライト及びその製造方法を提供するものである。耐熱性を向上させることにより、加熱再生による吸着性能の低下の少ない吸着剤または高温下で優れた触媒活性を長時間持続できる触媒の基材となるフェリエライトの提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による高耐熱性フェリエライト型ゼオライトは下記のような特徴を有する。
【0010】
▲1▼酸化物のモル比で表される一般式
aNaO・bCN・Al・cSiO・nH
(ここでaは0.1〜1.5、bは0〜15、cは8〜150、nは0〜7である。)
で表される組成を有すること
▲2▼生成したフェリエライト中にフッ素および/またはフッ素化合物を含まないこと
▲3▼900℃で熱処理したときの耐熱性指数が40以上であること
また、本発明は前記の特徴を有するフェリエライト型ゼオライトの製造方法をも提供するものである。
【0011】
本発明のフェリエライト型ゼオライトを合成する組成範囲はモル比で表して、
0≦SiO/Al≦120
0.4≦F/SiO≦1.5
0.0<CN/SiO≦1.5
10≦HO/SiO≦40
である。
【0012】
またSiO/Al比の高いフェリエライト型ゼオライトを製造する好ましい組成範囲は、
10≦SiO/Al≦90
0.4≦F/SiO≦1.5
0.1≦CN/SiO≦1.5
10≦HO/SiO≦40
である。
【0013】
また、ピリジン無添加の場合、フェリエライト型ゼオライトを合成する組成範囲はモル比で表して、
10≦SiO/Al≦14
0.5≦F/SiO≦0.7
10≦HO/SiO≦40
である。
【0014】
これらの組成のシリカ源、アルミナ源、フッ素源、ピリジン、水を加えた混合物(以下原料混合物という)を100〜200℃で攪拌下で加熱し、pH10〜12の領域で結晶化させ、生成したゼオライトを熱水により洗浄し、フッ素および/またはフッ素化合物を除去することを特徴とするものである。
【0015】
【作用】
以下順を追って高耐熱性フェリエライトの物性とその製法を説明する。
【0016】
原料混合物の調製に際して、結晶化時のpHを10〜12の範囲内に調整するために、原料混合物のSiO/Al比とF/SiO比及びCN/SiO比の組合せが重要である。
【0017】
ピリジン無添加の場合では、SiO/Al=10〜14に対してフッ素化合物の添加量はF/SiO比で0.5〜0.7の範囲である。0.5未満ではpHが10以下となりフェリエライトが結晶化し難い。また0.7より多く添加するとモルデナイトが生成する。
【0018】
ピリジンが原料混合物に存在する場合では、SiO/Al=10〜120に対してフッ素化合物の添加量はF/SiO比で0.4〜1.5の範囲である。0.4未満ではpHが10以下となりフェリエライトが結晶化し難い。また1.5より多く添加してもpHが有効に上昇することはなく、経済的に不利となる。
【0019】
またピリジンの添加量はCN/SiO比で0.1〜1.5の範囲が好ましい。何故ならば、0.1未満ではフェリエライト型ゼオライトが結晶化し難く、1.5より多く添加しても有効な効果はなく経済的に不利となる。
【0020】
また、水の添加量は、ピリジン添加有無に関係なく、HO/SiO=10〜40の範囲にしなければならない。
【0021】
生成するフェリエライト型ゼオライトのSiO/Al比は、上記原料混合物の組成比を変えることによって制御できる。即ち、SiO/Al比の低いフェリエライトを得ようとする時は原料混合物のSiO/Al比を低くするか、または原料混合物のpHを上記の範囲内で出来る限り高くする。
【0022】
逆に、フェリエライトのSiO/Al比を高くする時は原料混合物のSiO/Al比を高くするか、または原料混合物のpHを上記の範囲内で出来る限り低くする。
【0023】
しかしながら、ピリジン無添加の場合では、SiO/Al比が10未満ではモルデナイトとなり易く、SiO/Al比が14より大きくなるとZSM−5となり易い。従って、既述の様に、SiO/Al比を10〜14の範囲にしなければならない。
【0024】
原料混合物にピリジンが存在する場合、SiO/Al比が10未満ではフェリエライト型ゼオライトは結晶化し難く、モルデナイトとなり易い。またSiO/Al比が120より大きくなると、無定形となり易い。従って、既述の様に、SiO/Al比を10〜120の範囲にしなければならない。
【0025】
ピリジン添加系ではピリジン無添加系に比べて、SiO/Al比の広い範囲でフェリエライト型ゼオライトが生成しており、ピリジンが構造制御剤として作用している。この作用によりSiO/Al比が8〜150のフェリエライト型ゼオライトは、F/SiO比及びCN/SiO比の組み合わせにより容易に得ることが出来る。
【0026】
ピリジン添加系で結晶化させたフェリエライト型ゼオライトについてIR測定、熱分解−ガスクロマトグラフ測定、TGA−DTA測定を行った結果、明らかに得られた結晶中にピリジンが包蔵されている。ピリジンがフェリエライト型ゼオライト中にどのような包蔵されているかは明らかでないが、フェリエライト型ゼオライトのSiO/Al比により包蔵されているピリジン量が異なる。
【0027】
結晶中に包蔵されているピリジンを除去する方法の一つとして、空気中で加熱する方法がある。TGA−DTA測定の結果から、ピリジンを除去するための昇温パターンを決定することが好ましいが、例えば、加熱温度600〜800℃で1〜5時間保持することによりピリジンの除去が可能である。 結晶化温度は100℃〜200℃であり、結晶化時間は約20時間から20日間である。結晶化温度が100℃より低いと結晶化がほとんど進行せず、また200℃より高いと格別の利点はなく高温高圧型の反応容器を必要とするだけである。
【0028】
また反応操作は攪拌下で行わなければならない。原料混合物を撹拌しないと結晶化速度が遅くなるだけでなく、広い原料混合物の組成範囲で純粋なフェリエライト型ゼオライトを得ることが出来ない。攪拌強度は攪拌羽根の回転時の最大直径をd(m)、攪拌速度をv(rpm)とした時に[(π)(d)(v)]/60で定義される周速(m/sec)を0.1m/sec以上とし、より好ましくは0.4m/sec以上とすることである。
【0029】
フェリエライト型ゼオライトの構造的特徴は、表1に示されるX線回折データによって示される。SiO/Al比の変化に伴ってその格子定数が僅かではあるが変化し、また(AlOに電荷のバランス上結合している陽イオンの数,及び吸着水量も変化するので、X線回折線の面間隔(d)の値及びその強度は表1に示される「フェリエライト型ゼオライトのX線回折データ」の数値から僅かに変化することがある。その例は表1の「実施例1の生成物のX線回折デ−タ」に示される。
【0030】
高耐熱性フェリエライトを結晶化させるためには、上記組成範囲内の反応混合物の結晶化終了後のpHを10〜12の範囲内にすることが必要である。pH10未満ではフェリエライト型ゼオライトは結晶化しない。またpH12を超えた領域ではフェリエライト型ゼオライトは結晶化するが、後記する耐熱性指数の高いものは得られない。
【0031】
原料混合物を調製するに際して、シリカ源としてはケイ酸ナトリウム,無定形シリカ、シリカゾル、シリカゲル、カオリナイト、珪藻土など、アルミナ源としてはアルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、アルミニウムの塩化物、硝酸塩、硫酸塩などが用いられる。
【0032】
特公昭63−46007号公報に開示されている珪酸アルカリ水溶液と含アルミニウム水溶液とを同時に且つ連続的に反応させることによって得られる粒状無定形アルミノ珪酸塩均一相化合物も、シリカ源,アルミナ源の好適な材料として使用することが出来る。
【0033】
またフッ素源としてはフッ化水素、フッ化ナトリウム、ケイフッ化ナトリウム、クリオライトなどの可溶性フッ素化合物を用いることが出来る。上記pH領域で結晶化したフェリエライト型ゼオライトにはフッ素及び/またはフッ素化合物が含まれている。耐熱性良好なフェリエライトを得るにはフッ素及び/またはフッ素化合物を組成分析においてフッ素が検出されなくなるまで除去することが必要である。フッ素及び/またはフッ素化合物を除去する方法は、例えば80℃の大量の熱水で濾過洗浄する方法、水に分散させた希薄なスラリーを130℃以上の温度で24時間以上加熱、攪拌した後にろ別し、大量の純水で洗浄を行う方法、希薄な塩酸または塩化アルミニウム水溶液などを用いて洗浄する方法などが挙げられる。上記のようにして製造されたフェリエライト型ゼオライトは優れた耐熱性を示す。
【0034】
耐熱性試験は以下の方法で行い、耐熱性指数を算出する。
【0035】
<耐熱性試験方法>
耐熱性試験には、結晶化した後に洗浄し、さらに165℃で72時間熱水洗浄を行ったゼオライトを使用する。そのゼオライトを相対湿度80%のデシケータ中に入れて、真空排気し飽和量の水分を吸着させた後、約0.4gを磁製るつぼに計り取り、900℃に保持されているマッフル炉で熱処理を行う。熱処理の時間は1時間であり、熱処理後のゼオライトはデシケータ中で冷却する。熱処理をしたゼオライトは、再び相対湿度80%のデシケータ中に入れて真空排気し飽和量の水分を吸着させた後、粉末X線回折によりピーク強度を求める。
【0036】
<耐熱性指数>
粉末X線回折によりピーク強度の和を計算し、以下の式1により耐熱性指数を計算する。
【0037】
【化1】
Figure 0003572365
【0038】
XRDピーク強度の和の計算には次の面指数のピークを使用した。
【0039】
(020) (101) (011) (310) (220) (321)
(420) (411) (330) (510) (040) (202)
(501) (240) (312) (521)
本発明によるフェリエライトの耐熱性が高い理由は十分に明らかではないが、Fイオンあるいはピリジンが原料混合物中に存在することによる反応機構の差、生成する結晶の大きさの違い及び結晶中に含まれる欠陥の種類や量の違いなどが関与しているものと推定される。フッ素及び/またはフッ素化合物は熱水処理または希薄な酸処理により検出限界以下まで除去されるので、これらの化合物は耐熱性には寄与していないと推定される。
【0040】
また原料混合物中にピリジンを添加した場合、広い範囲のSiO/Al比のフェリエライトが生成しており、ピリジンが構造制御剤として作用していることが明かである。
【0041】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明のフェリエライト型ゼオライトは、表1に示した「フェリエライト型ゼオライトのX線回折データ」の欄に示すX線回折データと本質的に同じX線回折データを示す結晶構造を有し、且つ同一条件下で高温に加熱しても結晶構造の破壊の程度が従来のものよりも小さい、即ち高耐熱性フェリエライト型ゼオライトである。
【0042】
本発明のフェリエライト型ゼオライトは、ゼオライト成型体を製造する際の焼成工程、吸着剤として吸着−再生を繰り返して連続使用する際の加熱再生工程、及び高温触媒反応等において特に熱による性能劣化、構造破壊等が起こるプロセスの吸着剤または触媒として好適に使用することが出来る。
【0043】
尚、ピリジンを含有するフェリエライト型ゼオライトを、上記用途に使用する場合は、使用に先立ち、既述の方法で包蔵されているピリジンを除去する必要がある。
【0044】
【実施例】
以下の実施例により、本願発明を具体的に説明するが、これら実施例により、何等制限を受けるものでない。
【0045】
実施例1
表2に示す条件で、フェリエライト型ゼオライトを調製した。
【0046】
【表2】
Figure 0003572365
【0047】
塩化アルミニウム・6水和物(AlCl・6HO:98.0wt%)31.4gと塩化アルミニウムから生成するHClを中和するだけの水酸化ナトリウム(NaOH:99wt%)15.9gとフッ素源としてフッ化ナトリウム(NaF:99wt%)18.9gを、純水380mlに溶解し均一な溶液とした。この均一溶液にホワイトカーボン(日本シリカ工業製ニップシールVN3、SiO:88wt%。以下、同じ)50.6gを加えて次のモル組成比の原料混合物を調製した。
【0048】
SiO/Al=11
F/SiO=0.6
O/SiO=30
この混合物を容量800mlのオートクレーブに入れ、周速1m/secで攪拌しながら165℃で72時間加熱した。なお結晶化後のゼオライトスラリーのpHは10.4であった。冷却後、固形分を分離し、充分水洗した後、110℃で一晩乾燥した。そのときのX線回折図を図1に示す。また図1に示す110℃乾燥品のX線回折デ−タを表1の「実施例1の生成物のX線回折デ−タ」の欄に示す。
【0049】
得られたゼオライトを蛍光X線分析より分析したところ、フッ素および/またはフッ素化合物が含有されていることが確認され、フッ素分の重量は4wt%である。
【0050】
フッ素および/またはフッ素化合物を除去するために、得られた生成物を撹拌しながら165℃で72時間純水中で洗浄した。蛍光X線分析の結果、洗浄後のゼオライト中のフッ素および/またはフッ素化合物は検出限界(0.1%)以下であった。また洗浄後の生成物の組成をICP発光分析により分析したところ、無水換算では以下のようになる。
【0051】
0.93NaO・Al・13SiO
熱水洗浄して得られたゼオライトを900℃の電気炉中で1時間加熱処理したもののX線回折図は実質的に図1と同じであった。
【0052】
表3に耐熱性指数を示すが、耐熱性指数は76であった。
【0053】
【表3】
Figure 0003572365
【0054】
これらのデ−タから、本実施例における生成物は明らかに高耐熱性を有する純粋なフェリエライトである。
【0055】
実施例2
表2に示す以外の条件は実施例1と同一にして実施した。110℃乾燥品のX線回折図は実施例1に示す図1と実質的に同じであった。
【0056】
実施例3
塩化アルミニウム・6水和物(AlCl・6HO:98.0wt%)16.1gと塩化アルミニウムから生成するHClを中和するだけの水酸化ナトリウム(NaOH:99wt%)8.2gとフッ素源としてフッ化ナトリウム(NaF:99wt%)18.2gとピリジン(C5 H5 N)35mlを、純水370mlに溶解し均一な溶液とした。この均一溶液にホワイトカーボン(日本シリカ工業製ニップシールVN3、SiO:88wt%)48.8gを加えて次のモル組成比の原料混合物を調製した。
【0057】
SiO/Al=20
F/SiO=0.6
N/SiO=0.6
O/SiO=30
この混合物を容量800mlのオートクレーブに入れ、周速1m/secで攪拌しながら165℃で72時間加熱した。なお結晶化後のゼオライトスラリーのpHは11.6であった。冷却後、固形分を分離し、充分水洗した後、110℃で一晩乾燥した。そのときのX線回折図を図2に示す。
【0058】
フッ素および/またはフッ素化合物を除去するために、得られた生成物を撹拌しながら165℃で72時間純水中で洗浄した。蛍光X線分析の結果、洗浄後のゼオライト中のフッ素および/またはフッ素化合物は検出限界(0.1%)以下であった。また洗浄後の生成物の組成をICP発光分析により分析したところ、無水換算では以下のようになる。
【0059】
0.25NaO・Al・20.4SiO
熱水洗浄して得られたゼオライトを900℃の電気炉中で1時間加熱処理したもののX線回折図は実質的に図2と同じであり、その時の耐熱性指数は101であった。
【0060】
これらのデ−タから、本実施例における生成物は明らかに高耐熱性を有する純粋なフェリエライトである。
【0061】
実施例4〜10
表2に示す以外の条件は実施例1と同一にして実施した。いずれの実施例においても、110℃乾燥品のX線回折図は図2と実質的に同じであった。また耐熱性指数は表3に示す通りである。
【0062】
比較例1
実施例1で合成した生成物において、フッ素および/またはフッ素化合物を熱水により洗浄しないものについて900℃で1時間の加熱処理を行った。その結果、フェリエライトの構造は破壊され耐熱性指数は0であった(表2)。
【0063】
比較例2
アルミン酸ナトリウム(NaAlO:70wt%)2.0g、水酸化ナトリウム(NaOH:99wt%)7.0gとピリジン(CN)37mlを純水400mlに溶解した後、ホワイトカーボン52.0gを加えて、次の原料混合物を調製した。
【0064】
SiO/Al=70
OH/SiO=0.25
N/SiO=0.6
O/SiO=30
この混合物を800mlのオートクレーブに入れ、周速1m/secで撹拌しながら165℃で72時間加熱し結晶化した。なお結晶化後のゼオライトスラリーのpHは12.2であった。冷却後、固形分を分離し、充分洗浄した後、110℃で一晩乾燥した。その時のX線回折図は実施例3と実質的に同じであった。ここで得られたフェリエライトについて、900℃で1時間加熱処理を行った結果、フェリエライトの構造は破壊され耐熱性指数は19であった(表3)。
【0065】
実施例11
実施例10の条件により合成したフェリエライト型ゼオライトを、空気流通下で600℃で4時間焼成することによりピリジンを除去した。その後さらに900℃まで昇温を行ったが重量減少は見られず、除去されたピリジンは13.8wt%であった。
【0066】
比較例3および4
実施例4および5の原料混合物からピリジンを除いて次の原料混合物を調製した。
【0067】
SiO/Al=50または70
F/SiO=0.6
O/SiO=30
この原料混合物を用いて、周速1m/secで撹拌しながら165℃で72時間結晶化を行った。得られた生成物は粉末X線回折により確認した結果、ケニヤアイトでありフェリエラト型ゼオライトは結晶化しなかった。
【0068】
比較例5
実施例5と同じ原料混合物を、撹拌しないで165℃で72時間加熱して結晶化を行った。得られた生成物は粉末X線回折により確認した結果、アモルファスであり、フェリエライト型ゼオライトは結晶化しなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の方法で合成したフェリエライト型ゼオライトのX線回折図である。
【図2】実施例3の方法で合成したフェリエライト型ゼオライトのX線回折図である。

Claims (3)

  1. 合成フェリエライト型ゼオライトであり、
    ▲1▼酸化物のモル比で表される一般式
    aNaO・bCN・Al・cSiO・nH
    (ここでaは0.1〜1.5、bは0〜15、cは8〜150、nは0〜
    7である。)
    を有すること
    ▲2▼生成したフェリエライト中にフッ素および/またはフッ素化合物を含まな
    いこと
    ▲3▼900℃で熱処理したときの耐熱性指数が40以上であること
    を特徴とする高耐熱性フェリエライト型ゼオライト。
  2. モル比で表して、
    10≦SiO/Al≦120
    0.4≦F/SiO≦1.5
    0.0<CN/SiO≦1.5
    10≦HO/SiO≦40
    の組成のシリカ源、アルミナ源、フッ素源、ピリジン、水を加えた混合物を100〜200℃で攪拌下で加熱し、pH10〜12の領域で結晶化させ、生成したゼオライトを熱水により洗浄し、フッ素および/またはフッ素化合物を除去することを特徴とする請求項1記載の高耐熱性フェリエライト型ゼオライトの製造方法。
  3. モル比で表して
    10≦SiO/Al≦14
    0.5≦F/SiO≦0.7
    10≦HO/SiO≦40
    の組成のシリカ源、アルミナ源、フッ素源、水を加えた混合物を100〜200℃で攪拌下で加熱し、pH10〜12の領域で結晶化させ、生成したゼオライトを熱水により洗浄し、フッ素および/またはフッ素化合物を除去することを特徴とする請求項1記載の高耐熱性フェリエライト型ゼオライトの製造方法。
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