JP3568145B2 - 光波長多重を用いる高周波の光ファイバ伝送システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は光ファイバ線路を用いて高周波信号を伝送する光ファイバ伝送システムに関するものであり、例えば地下街やトンネル等において移動通信システムを構築するために利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
地下街やトンネル等において携帯電話機等の移動無線機を利用可能にするための高周波信号の伝送システムとして図6に示すような光ファイバ伝送システムが従来提案されている(特願平8−96355)。
この光ファイバ伝送システムはベースユニット11とN個の無線ユニットRU1〜RUNと、2本の光ファイバ線路12,13とで構成する。各無線ユニットRU1〜RUNとベースユニット11は、2本の光ファイバ線路12,13で縦続的に接続されている。2本光ファイバ線路12,13はそれぞれ下り用と上り用に使用している。この無線ユニットRUを例えば地下街等に50m〜100m間隔で設置する。
【0003】
制御局側で生成した下り高周波信号は、各無線ユニットに送信するために、ベースユニット11においてレーザダイオード14を用いて下り光信号に変換される。つまりこの下り光信号は下り高周波信号で光強度変調される。この下り光信号は下り用光ファイバ線路12で縦続した各無線ユニットRU1〜RUNに順次伝送される。各無線ユニットRUi(i=1,2,…,N)では下り光ファイバ線路12に挿入された下り用光カプラ15Ciを用いて下り光信号が分配される。この分配された下り光信号がフォトダイオード16Piにより下り高周波電気信号が再生され、これがアンテナ17Aiから送信される。再生される下り高周波電気信号の品質が各無線ユニットRUiにおいて均一になるために、下り光信号のパワーを各無線ユニットRUiに等分配することが必要になる。このため、各無線ユニットRUiの下り用光カプラ15Ciの結合係数が一定の設定法に基づいて設定される。たとえば無線ユニット数が6個の場合、光ファイバ線路12と光コネクタの損失を考慮して、各光カプラ15Ciの結合係数を図7Aに示すように決める。つまり光カプラ15C1,15C2,15C3,…15C6の各結合係数は0.09,0.13,0.19,…,1.00とされる。
【0004】
一方、携帯電話等の移動無線機から送信された上り高周波電波信号は、最寄りの無線ユニットRUiのアンテナ18Aiで受信した後に、レーザダイオード19Liを用いて上り光信号に変換される。この上り光信号は上り用光カプラ21Ciを用いて上り用光ファイバ線路13に結合される。ベースユニット11側はN個の無線ユニットRU1〜RUNからの合成光を受信し、これをフォトダイオード22を用いて一括して上り高周波電気信号を再生する。ベースユニット11において、各無線ユニットRUiからの上り高周波信号の受信品質を均一にするために、各無線ユニットRUiからの光信号を等パワーで受信する必要がある。このため、各無線ユニットRUiのレーザダイオード19Liが等しい光パワーで発光した場合、上述の下り回線と同様な光カプラの結合係数設定法を用いればよい。
【0005】
さらに、上り用光ファイバ線路13の光信号は、各無線ユニットRUiからの光信号の合成光となるため、ベースユニット11側のフォトダイオード22において、各無線ユニットRUiの光信号の波長差に起因するビート性雑音が発生する。このビート性雑音が高周波電気信号の伝送帯域に発生しないようにするために、各無線ユニットRUiの光波長を図7Bに示すように互いに近接しないように設定するか、あるいは、自動波長オフセットの手法(特願平8−151014)でレーザダイオード19Liの発光波長を制御する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に光ファイバで高周波信号を伝送する場合、高周波信号キャリア対雑音比(C/N)等の伝送特性はフォトダイオードの受光パワーに大きく依存する。受光パワーが小さくなるとC/N特性が劣化する。図6に示したような光ファイバ伝送システムにおいて、下り回線では、ベースユニット11のレーザダイオード14の出力光パワーが各無線ユニットRUiに等分配されるため、無線ユニットRUiの数が大きくなるほど、各無線ユニットRUiの受光パワーが小さくなる。また、上り回線において、上り光信号が各無線ユニットRUiの光カプラ21Ciにより結合される度に減衰も発生する。無線ユニットRUiの数が大きくなるにつれて、総減衰量が大きくなる。以上の原因により、システムに収容できる最大無線ユニットの数が制限される。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決するために、この発明では光波長多重の手法を用いて、収容できる無線ユニットの数を拡大する。下り回線において、ベースユニットは異なる光波長帯で発光する複数のレーザダイオードを同時に使用することにより、総出力光パワーを増大する。無線ユニットは波長選択性光カプラを用いて、下り光信号のうち同調する波長帯の光信号を分配する。さらに、無線ユニットが複数のグループに分けられ、それぞれが光信号の各々の波長帯と対応付けられる。上り回線においても、無線ユニットが複数のグループに分けられ、それぞれのグループは、異なる波長帯のレーザダイオードを使用して光信号を生成し、さらに波長選択性光カプラを用いて光信号を上り用光ファイバ線路に結合する。
作用
以上のように、上り用および下り用光ファイバ線路において、波長帯の異なる複数の光信号が伝送され、それぞれがその光波長帯を選択した無線ユニットのグループのみにおいて、光パワーの分配、あるいは結合による光パワーの減衰が発生する。1つのグループで収容可能な最大の無線ユニット数は従来と同等であるが、複数のグループがあるため、収容可能な全体の無線ユニット数が拡大される。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1の実施例
請求項1の実施例を図1に示す。図7に示した従来例の下り回線の構成と異なる点は、ベースユニット11に高周波電気信号を分配する分配器31、複数個のレーザダイオード14−1〜14−M、光波長多重合波器32を設けている点、および、無線ユニットRUiに波長選択性光カプラ33Ci−j(i=1,2,…,M)を使用している点である。
【0009】
ベースユニット11において、分配器31でM分配された高周波電気信号はM個のレーザダイオード14−1〜14−Mにより光信号に変換される。各レーザダイオード14−jはたとえば図2Aに示すように異なる波長帯λ1,λ2,…,λMで発光する。各レーザダイオード14−jからの光信号は光波長多重合波器32を用いて光ファイバ線路12に入射される。
【0010】
各無線ユニットRUi−jには光ファイバ線路12に波長選択性光カプラ33i−jが挿入されて光信号が分配される。図2B,Cに波長選択性光カプラ33i−jの結合特性を示す。同図において、光カプラ33Ci−jの結合係数kは、たとえば特定の光波長帯λjにおいて非0の値kを有し、それ以外の光波長帯において0である。したがって、波長選択性光カプラ33Ci−jは同調する光波長λjの光信号のみに対して分岐分配を行い、同調しない光波長の光信号を分配することなくそのまま通過させる。一方、無線ユニットRU1は図1に示すようにM個のグループG1〜GMに分けられる。同一のグループ内の無線ユニットRU1−j 〜RUN−2は同一の波長帯λjの波長選択光カプラ33C1−j 〜33CN−j を使用し、M種の光波長λ1〜λMを有する光信号の中から、その1種を選択して分配する。さらに、グループ内において、選択された光信号のパワーを各無線ユニットRU1−j 〜RUN−j に等分配するために、各波長選択性光カプラ33C1−j 〜33CN−j の結合係数の設定は図6に示した従来システムの下り回線のと同様の方法、つまり例えば図7Aに示した設定方法を用いればよい。
【0011】
以上のような高周波信号の伝送システムにおいて、Mを拡大することにより収容できる無線ユニット数を拡大することができる。
請求項2の実施例
請求項2の実施例を図3に示す。図6に示した従来例の上り回線の構成と異なる点は、無線ユニットに波長選択性光カプラ35i−j を使用されている点である。
【0012】
図3の実施例において、無線ユニットRUがM個グループG1〜GMに分けられる。異なるグループは発光波長帯λ1〜λMの異なるレーザダイオード18Ai−1…18Ai−Mを使用し、同一グループGj内の各無線ユニットRU1−j〜RUN−j は同様な波長帯λjのレーザダイオード18A1−j〜18AN−j を使用する。さらに、グループGj内において、ビート雑音の影響を避けるために、図7Bに示したようにレーザダイオードの発光波長λiを一定の間隔を設けて設定する。このため、全体の無線ユニットの光波長は図4Aに示すように分布する。つまりグループG1ではλ11,λ12,…、グループG2ではλ21,λ22,…、グループGMではλM1,λM2,…とされる。
【0013】
各無線ユニットは波長選択性光カプラ35Ci−jを用いて光信号を光ファイバ線路13に結合する。図4B,Cは波長選択性光カプラ35Ci−jの特性を示す。結合係数kは、たとえば特定の光波長帯λ1iにおいて非0の値kを有し、それ以外の光波長において0である。したがって、波長選択性光カプラ35i−jは、光信号を結合する際に、その結合係数kが同調する光波長λjの光信号のみに対して働き、同調しない光波長の光信号に対して影響することなく通過させる。グループGj内の各無線ユニットRU1−j〜RUN−jは、そのグループGjで使用されるレーザダイオードの波長帯λjiと対応する波長選択性光カプラ35i−jを使用する。その結果として、図3において、たとえば光ファイバ線路13に結合されたグループGMの光信号が、グループG1の各波長選択性光カプラ35Ci−1を通過するときに、減衰することなくベースユニット11に到着する。一方、グループGj内において、各無線ユニットRU1−j〜RUN−jからの光信号がベースユニット11において等パワーで受信されるために、各光カプラ35C1−j〜35CN−jの結合係数の設定は図6に示した従来システムの上り回線のと同様な方法を用いればよい。各無線ユニットから光信号はベースユニット11においてフォトダイオード22により一括して高周波電気信号に変換される。
【0014】
以上のような高周波信号の伝送システムにおいて、Mを拡大することにより、無線ユニット数を拡大することができる。
請求項3の実施例
請求項3の実施例の要部を図5に示す。無線ユニットRUは、下り用波長選択性光カプラ33C、上り用波長選択性光カプラ35C、レーザダイオード19L、フォトダイオード16P、デュープレクサ37、およびアンテナ18Aで構成される。
【0015】
無線ユニットRUでは下り用光ファイバ線路12に下り用波長選択性光カプラ33Cが挿入され同調する光信号を分配する。分配された光信号はフォトダイオード16Pにより高周波電気信号に変換され、これがデュープレクサ37を介してアンテナ18Aから送信される。一方、携帯電話等の移動無線機から送信された高周波電波信号は、無線ユニットRUのアンテナ18Aで受信され、デュープレクサ37を介してレーザダイオード19Lにより光信号に変換される。この光信号はその波長帯と同調する上り用波長選択性光カプラ35Cにより上り用光ファイバ線路13に結合される。
上述において無線ユニットRUのグループ分けは必ずしも各グループの無線ユニットRUの数は同一としなくてもよい。
【0016】
【発明の効果】
以上の説明のように、この発明によれば双方向光ファイバ伝送システムにおいて、下り回線および上り回線において光波長多重の手法を用いることにより、無線ユニット数を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の下り回線システムの実施例を示すブロック図。
【図2】Aはベースユニット内の各レーザダイオードの発光波長の例を示す図、Bは波長選択性光カプラ33Ci−1を示す図、Cはその結合係数の波長特性を示す図である。
【図3】請求項2の上り回線システムの実施例を示すブロック図。
【図4】Aは図3の実施例における無線ユニットのレーザダイオード発光波長特性例を示す図、Bは波長選択性光カプラ35Ci−1を示す図、Cはその結合係数の波長特性を示す図である。
【図5】請求項3の実施例の要部である無線ユニットの構成例を示すブロック図。
【図6】従来の光ファイバ伝送システムを示すブロック図。
【図7】Aは従来システムの下り回線における光カプラの結合係数の例を示す図、Bは従来システムの各無線ユニットのレーザダイオードの発光波長の例を示す図である。
Claims (3)
- 高周波信号で強度変調された光信号を、高周波電気信号に変換してアンテナより高周波電波信号を送信するN個(Nは4以上の整数)の無線ユニットと、
上記N個の無線ユニットを縦続的に接続する光ファイバ線路と、
高周波電気信号を光信号に変換して、この光信号を上記光ファイバ線路に結合するベースユニットとから構成される光ファイバ伝送システムにおいて、
上記ベースユニットは、
上記高周波電気信号をM個(Mは2以上の整数、M<N)に分配する分配回路と、
その分配回路のM個の出力ポートのそれぞれに接続された、それぞれの出力ポートの高周波電気信号を受けて互いに異なる光波長帯に属する光波長で発光する、M個のレーザダイオードと、
これらM個のレーザダイオードの出力光信号を上記光ファイバ線路に結合する波長多重合波器とを備え、
上記各無線ユニットは、
上記光ファイバ線路に挿入された波長選択性光カプラと、
その波長選択性光カプラで分配した光信号を上記高周波電気信号に変換するフォトダイオードと、
その高周波電気信号を電波として送信するアンテナとを備え、
上記N個の無線ユニットがM個のグループに分けられ、同一グループ内の各無線ユニットではその波長選択性光カプラにより、上記光ファイバ線路に伝送されるM個の光波長の光信号のうち、1つの光波長の光信号を選択分配するように構成されていることを特徴とする光波長多重を用いる高周波の光ファイバ伝送システム。 - アンテナで受信した電波信号を光信号に変換するN個(Nは4以上の整数)の無線ユニットと、
そのN個の無線ユニットを縦続的に接続する光ファイバ線路と、
その光ファイバ線路からの光信号を高周波電気信号に変換して、この高周波電気信号を制御局側に供給するベースユニットとから構成される光ファイバ伝送システムにおいて、
上記ベースユニットは、
上記光ファイバ線路からの光信号を上記高周波電気信号に変換するフォトダイオードを備え、
上記各無線ユニットは、
高周波電波信号を受信するアンテナと、
そのアンテナで受信した高周波電波信号を光信号に変換するレーザダイオードと、
上記光ファイバ線路に挿入され、上記レーザダイオードの出力光を上記光ファイバ線路に結合する波長選択性光カプラとを備え、
上記N個の無線ユニットがM個(Mは2以上の整数、M<N)のグループに分けられ、
その同一グループ内の各無線ユニットは、そのレーザダイオードの発光波長帯が同一とされ、その発光波長帯と対応する波長選択性光カプラが使用され、かつM個のグループでM種の光波長帯が利用されることを特徴とする光波長多重を用いる高周波の光ファイバ伝送システム。 - 請求項1記載の光ファイバ伝送システムが下り回線とされ、請求項2記載の光ファイバ伝送システムが上り回線とされた光ファイバ伝送システムにおいて、
請求項1及び請求項2記載の前記各無線ユニットを、上りと下りの機能を兼ね備え、前記上り及び下り用の光ファイバ線路が同時に接続される共通の無線ユニットとし、さらに、
下り用光ファイバ線路に挿入した下り用波長選択性光カプラと、
該下り用波長選択性光カプラで分配した光を入力光とするフォトダイオードと、
該上り用光ファイバ線路に挿入した上り用波長選択性光カプラと、
出力光を該上り用波長選択性光カプラで該上り用光ファイバ線路に入射するレーザダイオードと、
高周波電波信号の受信または送信を行うためのアンテナと、
そのアンテナを送信と受信で共用するためのデュープレクサと、
を備える無線ユニットとすること、
を特徴とする光波長多重を用いる高周波の光ファイバ伝送システム。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP14322298A JP3568145B2 (ja) | 1998-05-25 | 1998-05-25 | 光波長多重を用いる高周波の光ファイバ伝送システム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14322298A JP3568145B2 (ja) | 1998-05-25 | 1998-05-25 | 光波長多重を用いる高周波の光ファイバ伝送システム |
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| JPH11340953A JPH11340953A (ja) | 1999-12-10 |
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Family
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Family Applications (1)
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| JP14322298A Expired - Lifetime JP3568145B2 (ja) | 1998-05-25 | 1998-05-25 | 光波長多重を用いる高周波の光ファイバ伝送システム |
Country Status (1)
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-
1998
- 1998-05-25 JP JP14322298A patent/JP3568145B2/ja not_active Expired - Lifetime
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