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JP3540741B2 - 共振器長可変レーザー共振器とパルスレーザー光源装置 - Google Patents

共振器長可変レーザー共振器とパルスレーザー光源装置 Download PDF

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JP3540741B2 JP2000365878A JP2000365878A JP3540741B2 JP 3540741 B2 JP3540741 B2 JP 3540741B2 JP 2000365878 A JP2000365878 A JP 2000365878A JP 2000365878 A JP2000365878 A JP 2000365878A JP 3540741 B2 JP3540741 B2 JP 3540741B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、共振器長可変レーザー共振器に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、簡便にレーザー共振器長を延長することが可能な小型共振器長可変レーザー共振器とこれを備えたパルスレーザー光源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来、レーザー共振器において、レーザー共振器内部の横モードサイズ(共振器にマッチしたTEMのガウスビーム強度がピーク強度の1/e2になる直径)を大きく変更することなく共振器長を延長する方法として、図6に示されるような一定の共振器長で設計された外部共振器のレーザー光路上の位置Aに、図7で示したような凸レンズを2枚組み合わせてなるイメージリレーのシステムを組み込み、図8で示されるような構成をとる方法が広く知られている。
【0003】
この方法においては、レーザー共振器全体のサイズが大きくなり、また、それに伴い機械的に不安定となることが問題となっていた。また、ピーク強度の高いレーザーを扱う場合には、凸レンズ系の焦点位置におけるレーザー光による放電が発生し、これを防ぐためには凸レンズ系を真空中に封じ込める必要がある。さらに、ひとつのイメージリレーの光学部品に対して、ひとつの共振器長しか選択できないこと、また、共振器長を変更する際の調整に、手間と時間がかかることが、問題点として挙げられている。
【0004】
そこで、この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、共振器全体のサイズを大きく変更することなく共振器長の延長を実現し、機械的安定性が高く、高強度レーザーを扱う場合にも放電防止用の真空を必要とせず、さらに共振器長の延長に用いられる1セットの光学部品に対して複数の共振器長を選択することが可能であり、さらには、共振器長の再調整が容易なレーザー共振器を提供することを課題としている。さらにまた、このようなレーザー共振器を備えたパルスレーザー光源装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この出願は、上記の課題を解決するものとして、第1の発明として、レーザーゲイン媒質から射出されたレーザー光を共振させる共振器であって、共振器が備える反射鏡の一部が、対向する2枚の曲率付き多重折り返し高反射率鏡であり、曲率付き多重折り返し高反射率鏡に対するレーザー光の入射角の調整により、曲率付き多重折り返し高反射率鏡におけるレーザー光の折り返し回数が変更されて、共振器長が任意に設定可能となっていることを特徴とする共振器長可変レーザー共振器を提供する。
【0006】
また、この出願は、第2の発明として、レーザーゲイン媒質より射出されるレーザー光を反射する第1の反射鏡と、第1の反射鏡により反射されたレーザー光を曲率付き多重折り返し高反射率鏡へ入射させる第2の反射鏡と、曲率付き多重折り返し高反射率鏡より射出されたレーザー光を反射する第3の反射鏡と、第3の反射鏡により反射されたレーザー光を第1の反射鏡へ入射させる第4の反射鏡とを備え、第2の反射鏡の設置角度の変更により、曲率付き多重折り返し高反射率鏡へのレーザー光の入射角が調整され、曲率付き多重折り返し高反射率鏡におけるレーザー光の折り返し回数が変更されて、共振器長が任意に設定可能となっていることを特徴とする共振器長可変レーザー共振器。
【0007】
さらに、この出願は、第3の発明として、以上の共振器長可変レーザー共振器を備えることを特徴とするパルスレーザー光源をも提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、この出願の発明である共振器長可変レーザー共振器の要部構成の一例を示したものである。
【0009】
たとえばこの図1に例示したように、この出願の発明の共振器長可変レーザー共振器では、その反射鏡の一部が、対向する2枚の曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)であり、曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)に対するレーザー光の入射角を調整することで、曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)におけるレーザー光の折り返し回数が変更されて、共振器長を任意に設定可能となっている。
【0010】
この場合さらに説明すると、図1の例では、レーザーゲイン媒質(1)より射出されたレーザー光は、第1の反射鏡(2)によりその光路が変更されて第2の反射鏡(3)へ入射される。第2の反射鏡(3)は、対向する2枚の曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)へレーザー光を入射させるためのものであり、この第2の反射鏡(3)により反射されたレーザー光は曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)の一方へ入射される。そして、レーザー光は、曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)間を複数回繰り返して反射することとなる。複数回の反射後、曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)から射出されたレーザー光は、第3の反射鏡(5)により反射されて、第4の反射鏡(6)へ入射される。第4の反射鏡(6)は入射レーザー光を第1の反射鏡(2)へ再び入射させる。
【0011】
このように、この出願の発明の共振器長可変レーザー共振器においては、対向する2枚の曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)間をレーザー光が繰り返し反射することで、共振器長の延長を実現している。すなわち、曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)間のレーザー光の反射回数を変えることで、共振器長を自在に変更できるのである。
【0012】
より具体的には、図1において、第2の反射鏡(3)と第3の反射鏡(5)を結ぶ破線は、曲率付き多重折り返し高反射率鏡を用いない場合のレーザー光路を示しており、他方、第2の反射鏡(3)と第3の反射鏡(5)を結ぶ実線は、2枚の曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)間で、7回往復反射を繰り返す場合のレーザー光路を示している。破線と比較しても格段に共振器長が延長されていることは明らかである。なお、曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)の隣り合う反射点どうしの間隔(7)は、往復反射回数に関わらず図1に示したようにほぼ等間隔となる。
【0013】
図1のレーザー共振器においては、第2の反射鏡(3)の設置角度を変更することで、レーザー光の曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)への入射角が調整され、レーザー光の往復反射を制御することが可能である。もちろん、レーザー光の曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)への入射角が変更されることで、レーザー光の曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)からの出射角も変わることから、第3の反射鏡(5)および第4の反射鏡(6)の設置角度も、あわせて調整する必要があることは言うまでもない。
【0014】
この出願の発明の共振器長可変レーザー共振器においては、レーザーのビーム系を絞るような光学系が存在しないため、ピーク強度の高いレーザーに適用する場合であっても、空気放電を引き起こすことはない。
【0015】
そして、この出願の発明の共振器長可変レーザー共振器をパルスレーザー光源が備えることで、パルス長の容易な変更が技術的に実現されるのである。この出願の発明の共振器長可変レーザー共振器は、上述したように、横モードサイズをほとんど変更することなく共振器長の延長を実現するものであるから、この出願の発明の共振器長可変レーザー共振器を備えるパルスレーザー光源も小型となり、かつ、機械的に安定性に富むものとなる。
【0016】
もちろん、この出願の発明である小型共振器長可変レーザー共振器の構成は、図1に例示したようなリング共振器型の構成に限定されるものではなく、様々な共振器に対して曲率付き多重折り返し高反射率鏡を組み込むことで、容易に共振器長の変更が可能となることはいうまでもない。
【0017】
この出願の発明は以上の通りの特徴を持つものであるが、以下に、添付した図面に沿って実施例を示し、さらに詳しくこの出願の発明の実施の形態について説明する。
【0018】
【実施例】
ここでは、図1に例示したこの出願の発明である共振器長可変レーザー共振器の有効性についてシミュレーションにより検討したので、その説明をする。
【0019】
シミュレーションでは、図2(A)(B)(C)に例示したように、反射鏡(2)(3)(5)(6)からなるZ型のリング共振器は共振器長78cmを有するものであり、このリング共振器の中に、曲率20mの曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)2枚を互いの間隔(m−n)=18cmにて完全に対向するように設置した。反射鏡(2)(3)(5)(6)および曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)の間隔は、a−b間=20cm、b−c間=18cm、c−d間=22cm、d−a間18cm、b−m間=18cm、n−c間=18cmである。また、反射鏡(2)(6)の曲率は8m、反射鏡(3)(5)の曲率は∞mである。
【0020】
このように設定した共振器長可変レーザー共振器において、図2(A)(B)(C)に示したように、曲率付き多重折り返し高反射率鏡(4)間のレーザー光の往復反射回数が0回、3回、7回の場合、つまり共振器長が78cm、222cm、330cmとした場合について、共振器内のレーザー光路上の横モードサイズをシミュレート算出した。なお、ここでの横モードサイズとは、レーザー共振器にマッチしたTEM00のガウスビームの強度がピーク強度の1/e2となる部分の直径をいう。
【0021】
図3〜図5は、各々、図2(A)(B)(C)の場合における横モードサイズの算出結果を示したものである。なお、レーザー光路の始点(0mmの点)は反射鏡(6)の表面とした。
【0022】
これら図3〜図5から明らかなように、共振器長を78cm〜330cmまで大きく変更しても、横モードサイズはほぼ一定(1.2mm±0.07mm)となり、レーザー光の特性を損なうことなくレーザー共振を行うことが可能であることがわかる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳しく説明した通り、この出願の発明により、共振器全体のサイズを大きく変更することなく共振器長の延長を実現し、機械的安定性が高く、高強度レーザーを扱う場合にも放電防止用の真空を必要とせず、さらに共振器長の延長に用いられる1セットの光学部品に対して複数の共振器長を選択することが可能であり、さらには、共振器長の再調整が容易な、新しい共振器長可変レーザー共振器が提供される。
【0024】
そして、この共振器長可変レーザー共振器により、容易にパルス長可変なパルスレーザー光源装置も提供される。たとえば、フーリエ限界のナノ秒パルスレーザーに適用すれば、フーリエ限界の質を維持しながら、簡単にパルス長の変更を実現することができ、ナノ秒光パルス整形技術の発展に大きく貢献できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明である共振器長可変レーザー共振器の要部構成の一例を示した概要図である。
【図2】(A)(B)(C)は、各々、この出願の発明である共振器長可変レーザー共振器の一実施例における曲率付き多重折り返し高反射率鏡および反射鏡の配置について示した概要図である。
【図3】図2(A)の場合の光路長と横モードサイズとの関係を示した図である。
【図4】図2(B)の場合の光路長と横モードサイズとの関係を示した図である。
【図5】図2(C)の場合の光路長と横モードサイズとの関係を示した図である。
【図6】従来技術であるレーザー共振器の構成について示した概要図である。
【図7】従来技術であるレーザー共振器の共振器長を延長するためイメージリレー系の構成について示した概要図である。
【図8】従来技術であるレーザー共振器にイメージリレー系が組み込まれた構成について示した概要図である。
【符号の説明】
1 レーザーゲイン媒質
2 第1の反射鏡
3 第2の反射鏡
4 曲率付き多重折り返し高反射率鏡
5 第3の反射鏡
6 第4の反射鏡
7 間隔

Claims (3)

  1. レーザーゲイン媒質から射出されたレーザー光を共振させる共振器であって、共振器が備える反射鏡の一部が、対向する2枚の曲率付き多重折り返し高反射率鏡であり、曲率付き多重折り返し高反射率鏡に対するレーザー光の入射角の調整により、曲率付き多重折り返し高反射率鏡におけるレーザー光の折り返し回数が変更されて、共振器長が任意に設定可能となっていることを特徴とする共振器長可変レーザー共振器。
  2. レーザーゲイン媒質より射出されるレーザー光を反射する第1の反射鏡と、第1の反射鏡により反射されたレーザー光を曲率付き多重折り返し高反射率鏡へ入射させる第2の反射鏡と、曲率付き多重折り返し高反射率鏡より射出されたレーザー光を反射する第3の反射鏡と、第3の反射鏡により反射されたレーザー光を第1の反射鏡へ入射させる第4の反射鏡とを備え、第2の反射鏡の設置角度の変更により、曲率付き多重折り返し高反射率鏡へのレーザー光の入射角が調整され、曲率付き多重折り返し高反射率鏡におけるレーザー光の折り返し回数が変更されて、共振器長が任意に設定可能となっていることを特徴とする共振器長可変レーザー共振器。
  3. 請求項1または2の共振器長可変レーザー共振器を備えることを特徴とするパルスレーザー光源装置。
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