JP3540449B2 - ドライクリーニング方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パークロロエチレン、石油系溶剤、代替フロン溶剤等の有機溶剤を使用するドライクリーニング方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2に基づいて、従来のドライクリーニング工程を説明する。先ず、処理槽10の処理ドラム11内に通じるドア1を開いて、洗浄すべき衣料2を投入し、ドア1を閉じて運転を開始する。一般には次の順序で工程が進行する。
【0003】
▲1▼.溶剤タンク3から溶剤4をバルブ5を介してポンプ6で汲揚げ、バルブ7、フィルタ8から成る経路又はバルブ9から成る経路によって処理槽10に溶剤4を必要量送り込む。
【0004】
▲2▼.処理ドラム11をゆっくり回し、溶剤4を処理槽10、ボタントラップ12、バルブ13、ポンプ6、バルブ7、フィルタ8又はバルブ9から成る回路で循環して衣料2を洗浄する。
【0005】
▲3▼.処理槽10、ボタントラップ12、バルブ13、ポンプ6、バルブ14、蒸留器15の経路で排液し、つづいて処理ドラム11が高速回転して衣料2中の溶剤4を遠心分離し、同様に排液する。
【0006】
▲4▼.▲1▼項、▲2▼項の工程を繰り返す。
【0007】
▲5▼.処理槽10、ボタントラップ12、バルブ13、バルブ5の経路で、溶剤4を遠心分離し排液する。
【0008】
▲6▼.再び処理ドラム11をゆっくり回し、ファン16、エアクーラ17、エアヒータ18から成るリカバリエアダクト19と処理槽10の間を矢印20の向きでエアを循環させ、衣料2を乾燥する。衣料2から蒸発した溶剤ガスは、エアクーラ17で凝縮し、回収経路21を経て水分離器22に入り、溶剤配管23を通ってクリーンタンク24に入る。
【0009】
▲7▼.乾燥が終了すると、ダンパ25,26が破線の如く開き、ダンパ25から新鮮な空気を取り入れて、ダンパ26からエアクーラ17では回収できない未凝縮溶剤ガスを排気し、衣料2中の溶剤臭を脱臭する。
【0010】
▲8▼.▲3▼項の工程で蒸留器15に入った溶剤4は、蒸発してコンデンサ27で凝縮回収され、水分離器22、溶剤配管23を通ってクリーンタンク24に入り、オーバフロー付仕切板28から溶剤タンク3に戻る。なお、水分離器22で分離した水は、水配管29によって系外へ排出される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のものによれば、フィルタ8を使ったフィルタ循環洗浄で使用されている濾紙製フィルタ8aは、有害産業廃棄物であるため、その取扱いに十分な注意が必要であるとともに、処理槽10、ボタントラップ12、バルブ13、バルブ5の経路で、衣料2から溶剤4を遠心分離し溶剤タンク3に排液されるため、衣料2からの汚れの溶剤タンク3中の溶剤4への蓄積が起こり、場合によっては、次ロットの洗濯衣料を汚ごしてしまう恐れがある等の問題点を有するものであった。
【0012】
本発明はこのような従来のものにおける問題点を解消し、パークロロエチレン等の有機溶剤を使用するドライクリーナからの有害産業廃棄物を少なくするとともに、常時清浄な洗浄溶剤を使い洗濯衣料への逆汚染等を心配せず安心して洗うことができるドライクリーニング方法及び装置を得ることを課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するべくなされたもので、洗浄工程で用いた揮発性溶剤を加熱して気化し、気化した溶剤の蒸気を処理槽の上方に集めて冷却して液化し、液化した溶剤を一時的に貯留した後処理槽に上方から供給して新しい洗浄工程に用いるようにしたドライクリーニング方法を提供し、使用する溶剤は、蒸留により清浄化されると共に上方に集められ、そこで液化されて貯留され、重力落下で処理槽に供給されるようにしたものである。
【0014】
また、本発明は、回転ドラムを収容する処理槽の上方に設けた液化溶剤貯留槽、上記処理槽の下方に設けた溶剤を蒸留する蒸留器、上記液化溶剤貯留槽と蒸留器とに出口と入口を夫々連通し同液化溶剤貯留槽の上方に設けた凝縮器、上記処理槽を液化溶剤貯留槽及び蒸留器に夫々連通し該連通部の夫々に設けた弁手段を有してなるドライクリーニング装置を提供し、処理槽の下方の蒸留器で蒸留し清浄化した溶剤蒸気を液化溶剤貯留槽の上方の凝縮器で冷却して液化し、これを液化溶剤貯留槽に重力落下し、更にその下方に処理槽に重力落下して供給するようにしたものである。
【0015】
また、本発明は、上記液化溶剤貯留槽は、底板の少くとも一部が上記処理槽の外周を上方から部分的に囲う形状に構成したドライクリーニング装置を提供し、処理槽に対する液化溶剤貯留槽の配置に工夫を加えたものである。
【0016】
また、本発明は、上記液化溶剤貯留槽は、処理槽への連通部と側壁との間に底板から上方に伸びる仕切壁を設けると共に側壁の上方には排水管への連通部を設けて水分離器を兼ねる構成にしたドライクリーニング装置を提供し、狭い空間を有効に活用するように工夫されたものである。
【0017】
さらに、また、本発明は、上記液化溶剤貯留槽の水分離器に連なる排水管は、蒸発器に連通してなるドライクリーニング装置を提供し、溶剤蒸気中に混入した水分を強制的に気化して排除するようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1に基づいて、本発明の1実施の形態について説明する。
【0019】
本実施の形態が、上記した図2の従来のものと大きく異なるのは、従来のものにおける溶剤タンク3及びクリーンタンク24の位置に本実施の形態では大型の蒸留器15aを配置し、かつ、この蒸留器15aで蒸留再生されて清浄化されたクリーンな溶剤4aを一時的に貯留する液化溶剤貯留槽に当る溶剤タンク24aをはじめとし、同溶剤タンク24aに貯えられる溶剤を蒸気から冷却して液化する凝縮器27a及び溶剤タンク24aの一部に構成した水分離器22aを処理槽10の上部に配置したことである。
【0020】
即ち、回転ドラム11を収容した処理槽10の下方には蒸留器15aが設けられ、また、上記処理槽10の上方には液化溶剤貯留槽である溶剤タンク24aが設けられている。
【0021】
処理槽10は回転ドラム11の形状にならって断面円形となっているので、溶剤タンク24aの底板は、この円形に沿ってその一部が処理槽10を部分的に囲う形状となっている。
【0022】
また、上記溶剤タンク24aの上方には凝縮器27aが設けられ、同凝縮器27aは入口を蒸留器15aに連通して同蒸留器15aで気化した溶剤蒸気を受入れ、一方、出口を上記溶剤タンク24aに連通して、凝縮器27aで冷却し液化した溶剤を溶剤タンク24aに重力で落下し貯留するようになっている。
【0023】
上記溶剤タンク24aは、下底でバルブ30を介して処理槽10に連通するが、その連通部より溶剤タンク24aの側壁22bに寄った位置で底板から上方へ伸びる仕切壁22cを設け、側壁22bと仕切壁22cで区画した水分離器22aを形成している。この水分離器22aはその上部に排水管連通部22dを設け、下方へ伸びる排水管33を連結している。この排水管33は、下方で排水蒸発器34に連絡し、同排水管33を通って落下する水分は排水蒸発器34のヒータ34aにより加熱され蒸発する。
【0024】
なお19aは、リカバリエアダクトで、図示を省略したが、ファン、エアクーラ、エアヒータ等を内蔵しており、これらは従来のものと同様であるので説明は省略する。また、その他の従来のものと同一部分については図中同一符号を付すに止め、重複する説明は省略した。
【0025】
このように構成された本実施の形態における洗浄工程について順序を追って説明する。まず、ドア1を開けて衣料2を投入しドア1を閉めて運転を開始すると、以降次の順序で洗浄工程が進行する。
【0026】
▲1▼.回転ドラム11をゆっくり回転し、クリン溶剤4aを使い溶剤タンク24a、バルブ30、処理槽10、バルブ31、又はバルブ32から成る回路で、溶剤タンク24aと処理槽10の高低差によりクリン溶剤4aをワンウェイで流して、衣料2を洗浄する。
【0027】
処理槽10の底部に形成される液面が高いときは、流入口が高いバルブ31又は流入口が低いバルブ32の少くともいずれかを通り、また液面が低いときはバルブ32を経て処理槽10内の溶剤は蒸留器15aへ流入する。
【0028】
▲2▼.次に、処理槽10、バルブ31、又はバルブ32、蒸留器15aの経路で自然排液し、続いて処理ドラム11が高速回転し衣料2中の溶剤4bを遠心分離し、同様に蒸留器15aに自然排液する。
【0029】
▲3▼.二浴洗浄方式の場合は、▲1▼,▲2▼項の工程を繰り返す。
【0030】
▲4▼.▲2▼項の工程で蒸留器15aに入った溶剤4bは、蒸気又は電気等の加熱手段15bにより加熱され蒸発して、凝縮器27aで凝縮回収され、溶剤タンク24aと一体構造化された水分離器22aを通って溶剤タンク24aに入り貯留される。
【0031】
なお、水分離器22aで分離した水は、排水管33を通り専用の排水蒸発器34で蒸発され系外へ排出される。
【0032】
▲5▼.乾燥用のリカバリエアダクト19aの経路を使って行なう乾燥工程は、従来のものと同様であるので説明は省略する。
【0033】
本実施の形態では上記したように順序だって洗浄工程が取り進められるが、ここで衣料洗浄に使用する溶剤は、全て蒸留器15aで蒸留再生されて清浄化されたものをワンウェイで使用することにより、どんな場合でも一定した品質の衣料洗浄ができるとともに、1サイクルを終って衣料から洗い落とされた汚れは、速やかに処理槽10から蒸留器15aに排出されるため、濾紙フィルタ等の濾過機能がなくても他の衣料への再付着による逆汚染の心配のないドライクリーニングが可能となる。
【0034】
また、このクリーンな溶剤は、蒸発という現象で上方に移動し、液化した後は重力によって落下して供給されるというように、この循環系に外部からエネルギーを供給しなくてもよいように蒸発器15a、凝縮器27a、液化溶剤の貯留槽である溶剤タンク24a等が処理槽10に対し巧みに配置されているので、ポンプとかフィルタ等の機器を不要とし、配管系統の簡素化等を含め低価格のドライクリーニング装置を得ることのできるものである。
【0035】
以上、本発明を図示の実施の形態について説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、衣料洗浄に使用する溶剤は全て蒸留され、冷却されて液化した清浄な溶剤であり、この蒸留、液化、再供給も、蒸発による上昇、重力による落下という経路で、ワンウェイの流れの中で洗浄工程が進められるので、衣料から一旦落ちた汚れが他の衣料に再付着することもなく、常にきれいな洗いを実行することができるものである。
【0037】
しかも、溶剤汲み上げ用ポンプ、汚れ溶剤の循環濾過用フィルタ等は不要となり、その付帯配管の大幅な簡素化により、従来システム機に比べ大幅な低価格機の提供ができるようになったものである。
【0038】
また、請求項2の発明によれば、上記したきれいな洗いを実行する根幹となる溶剤の経路は、処理槽に対して蒸留器は下方にあり、液化溶剤貯留槽は処理槽の上方にあって、かつ凝縮器は液化溶剤貯留槽のさらに上方に配列するという位置関係によってはじめて完成されるものである。即ち、このような経路によって所期の狙いを達成することができたものである。
【0039】
また、請求項3の発明によれば、液化溶剤貯留槽と処理槽の夫々の形状及び位置関係を考慮して両者の相対関連構成を決めたことにより、装置全体としてコンパクトで機能的にも空間上からも無駄のないものを得ることができたものである。
【0040】
また、請求項4の発明によれば、液化溶剤貯留槽に水分離器を一体的に組入れたものとなり、装置全体のコンパクト化を一層推進することのできたものである。
【0041】
更にまた、請求項5の発明によれば、水分離器で補集した水分は、蒸発器で強制的に排除され、装置全体の機能安定性は一段と向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態を示す概要図。
【図2】従来のドライクリーナを示す概要図。
【符号の説明】
10 処理槽
11 回転ドラム
15,15a 蒸留器
24,24a 溶剤タンク
22,22a 水分離器
27,27a 凝縮機
Claims (5)
- 洗浄工程で用いた揮発性溶剤を加熱して気化し、気化した溶剤の蒸気を処理槽の上方に集めて冷却して液化し、液化した溶剤を一時的に貯留した後処理槽に上方から供給して新しい洗浄工程に用いるようにしたことを特徴とするドライクリーニング方法。
- 回転ドラムを収容する処理槽の上方に設けた液化溶剤貯留槽、上記処理槽の下方に設けた溶剤の蒸留する蒸留器、上記液化溶剤貯留槽と蒸留器とに出口と入口を夫々連通し同液化溶剤貯留槽の上方に設けた凝縮器、上記処理槽を液化溶剤貯留槽及び蒸留器に夫々連通し該連通部の夫々に設けた弁手段を有してなることを特徴とするドライクリーニング装置。
- 上記液化溶剤貯留槽は、底板の少くとも一部が上記処理槽の外周を上方から部分的に囲う形状に構成したことを特徴とする請求項2に記載のドライクリーニング装置。
- 上記液化溶剤貯留槽は、処理槽への連通部と側壁との間に底板から上方に伸びる仕切壁を設けると共に側壁の上方には排水管への連通部を設けて水分離器を兼ねる構成にしたことを特徴とする請求項2又は3に記載のドライクリーニング装置。
- 上記液化溶剤貯留槽の水分離器に連なる排水管は、蒸発器に連通してなることを特徴とする請求項4に記載のドライクリーニング装置。
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