JP3474527B2 - 反射型液晶表示装置 - Google Patents
反射型液晶表示装置Info
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Description
くとも散乱作用が含まれる状態との間で変調される液晶
層を備えた反射型液晶表示装置に関するものである。
等のモバイル機器や携帯型ゲーム機を中心として、各種
分野に用途が拡大している。
表示装置は、バックライトを必要としないため、光源用
電力を削減することが可能であり、さらに、バックライ
トのスペースや重量を節約することができる等の特徴を
有している。すなわち、液晶表示装置全体として、消費
電力の削減を図ることができ、従って、小型のバッテリ
ーを用いることが可能となり、軽量薄型化の必要な機器
に適している。また、機器の大きさや重量を変えずに、
大型のバッテリーを用いることが可能となり、動作時間
の飛躍的な拡大が期待できる。
発光型表示装置であるCRT、透過型液晶表示装置等で
は、日中の屋外で大幅にコントラストが低下する。これ
に対し、反射型液晶表示装置は、周囲光量に比例した表
示光が得られ、屋外での使用には特に好適である。
しながら、十分なコントラスト比や反射率、フルカラー
化、高精細表示、動画への対応等の性能が不十分なた
め、現在まで十分な実用性を有する反射型カラー液晶表
示装置は得られていない。
板を2枚または1枚利用した反射型液晶表示装置が広く
使用されいる。このような反射型液晶表示装置には、電
界により液晶層の旋光性を制御して表示を行うTN(tw
isted nematic )モード、電界により液晶層の複屈折を
制御して表示を行うECB(electrically controlled
birefringence )モード、TNモードとECBモードと
を組み合わせたミックスモード等が主に適用されてい
る。
置では、光の利用効率や視野角の大きさに限界がある。
また、偏光板は、吸収プロファイル、すなわち、偏光板
が青色の光を吸収し、入射光が黄色味を帯びるといった
問題点を有する。このため、反射型液晶表示装置に偏光
板を用いると、明度が低くなる。
コントラスト表示の期待できる、高分子分散型液晶、コ
レステリック液晶を利用した方式の液晶表示装置の開発
がなされている。これらの方式では、液晶層に印加する
電圧を制御することにより、液晶層が光学的に透過状態
と散乱状態との間で、もしくは透過状態と反射状態との
間で切り替わる特性を利用したものである。
構造として、特開平3−186816号公報(従来技術
(1))には、背面に吸収面を配置した構造が開示され
ている。この液晶表示装置は、黒色基板上に高分子分散
型液晶を配置し、電圧無印加時には高分子分散型液晶が
散乱状態となり白濁することによって白表示を与える。
また、電圧印加時には高分子分散型液晶が透過状態とな
り、下側に配置されている黒色基板が見えて黒表示を与
える。
ng Internal-Reflection Inverted-Scattering(IRIS) M
ode "(SID 97 digest pp.1023-1026、従来技術
(2))には、図9に示すように、前基板91と、反射
膜94が形成された後基板92との間に液晶層93が挟
持されている構造の液晶表示装置が記載されている。背
面に、鏡面の反射膜94を配置することにより、液晶層
93が散乱状態時の白表示は明るくなる。
とから、光の利用効率を上げることができる。また、色
味の観点から評価を行った場合においても、上記TNモ
ードやECBモードと比較すると波長依存性が小さく、
さらに、偏光板自体の吸収プロファイル等の問題点から
開放されることにより、良好な白表示が実現されること
が期待できる。また、散乱率や反射率といった変調量の
波長依存性という観点から評価を行った場合、液晶層が
光学的に透過状態と散乱状態との間で切り替わるモード
の方が、透過状態と反射状態との間で切り替わるモード
より優れている。
置において用いられる液晶については、2色性染料を液
晶に添加したゲストホスト型液晶素子が開発されてき
た。このような液晶を有する液晶表示装置においては、
2色性染料を利用して黒表示を実現する。
間で切り替わるモードは、直視反射型液晶表示装置とし
て用いられる場合、通常、液晶層が透過状態で黒表示、
散乱状態で白表示を実現するように構成されている。し
かし、液晶層の機能として、入射光を散乱させつつ観察
者方向に出射する後方散乱率が、現状では十分ではな
い。よって、明るい白表示を実現するには、液晶層の前
方散乱も使う必要がある。液晶層が透過状態における良
好な黒状態と明るい白状態とを両立させるため、プリズ
ムやプリズムと同様な機能を有する光学部材を利用する
技術が開発されている。
(3))には、2色性色素を含んだ液晶層からなる反射
型リバースPDLC液晶表示素子とプリズム状の突起を
有する光屈折体とを組み合わせる構造が記載されてい
る。このような構造をとることにより、コントラストを
向上させることができる。
技術(4))には、外部に絞りを配置した反射型液晶表
示装置が開示されている。また、反射型液晶表示装置に
おける液晶変調層の前面に傾斜面を有する前基板、もし
くは、液晶変調層の背面に傾斜した反射面を配置するこ
とによって、良好な表示品質を実現している。ここで、
傾斜を有する前基板および傾斜した反射面は、プリズム
と同様の機能を有している。
(従来技術(5))には、所定の角度を持つため、多重
干渉効果を利用することができる光学部材を有している
液晶表示装置が開示されている。また、この液晶表示装
置は、遮光層を備えている。
の構造では、以下のような問題がある。
状態時における黒表示は良好である。しかしながら、液
晶層が散乱状態時における白表示に際しては、高分子分
散型液晶から後方に散乱される光しか白表示に関与して
おらず、前方に散乱される光は、すべて黒色基板に吸収
されてしまう。このため、実際には光の利用効率は著し
く低下し、白表示は暗くなる。
94が鏡面であるため、白表示は明るくなるが、黒表示
は鏡面となり像が映り込んだ状態となる。
を実現するために2色性色素を利用しているが、2色性
染料を添加する場合、信頼性に欠け、また、染料の2色
性比が低いため、十分なコントラストが得られないとい
った問題がある。特に、コントラストの不足は、カラー
フィルタを用いるカラー表示においては、色純度を大幅
に低下させるため、色純度の高いカラーフィルタと組み
合わせる必要があり、色純度の高いカラーフィルタのた
めに明度が低下し、偏光板を用いないことにより高明度
を実現するという利点が損なわれるという問題がある。
示装置の外部に配置された絞りを利用することによって
黒表示を実現しているが、反射型液晶表示装置単体では
黒表示を実現することができない。
示装置の鉛直方向からの入射光を想定しており、直視反
射型液晶表示装置にそのまま利用することはできない。
また、遮光層を備えているが、遮光層は黒表示のために
必要不可欠というわけではない。すなわち、液晶層が散
乱状態において黒表示を実現しているが、散乱光のすべ
てが遮光層にて吸収されなくても、つまり、散乱光の一
部が液晶表示装置外に出射しても、黒表示が可能となっ
ており、直視反射型液晶表示装置とは表示状況が異な
る。
たものであり、その目的は、白表示および黒表示が良好
であり、コントラストが高い反射型液晶表示装置を提供
することにある。
装置は、上記課題を解決するために、透過状態と散乱状
態との間で状態変化する液晶層を備えた反射型液晶表示
装置において、次の措置を講じたことを特徴としてい
る。
記液晶層からの光を反射する反射膜と、上記液晶層に対
して上記反射膜の反対側に設けられ、上記液晶層が透過
状態にあるとき、表示面法線に平行もしくは平行に近い
方向からの入射光を反射膜に導き、該反射膜からの反射
光を吸収する半吸収半透過層とを備えたことを特徴とし
ている。
て黒表示又は白表示が行われる。液晶層が透過状態にあ
るときには、表示面法線に平行もしくは平行に近い方向
からの光は、半吸収半透過層を介して反射膜に導かれ
る。反射膜からの反射光は、上記液晶層を再度透過して
半吸収半透過層に導かれて吸収される。これにより、表
示面法線に平行もしくは平行に近い方向からの入射光
は、観察者に到達することはない。したがって、良好な
黒表示が行える。
は、上記半吸収半透過層を介して入射された光は、上記
液晶層において後方散乱して一部が観察者に向かう。ま
た、上記入射光の一部は、上記液晶層において前方散乱
して反射膜に導かれ、再び上記液晶層に導かれ、ここ
で、再び散乱されてその一部が観察者に向かう。このよ
うに、後方散乱光のみならず、前方散乱光も白表示に寄
与することになるので、良好な白表示が得られる。
示の明度が高く、且つ、コントラスト比が高い反射型液
晶表示装置を実現できる。また、このような反射型液晶
表示装置とカラーフィルタと組み合わせることにより、
非常に見易い多色表示が可能な液晶表示装置を実現する
ことが可能となる。
て所定角度傾斜し、上記入射光が入射される面と、上記
反射光を吸収する吸収部が設けられた面とを有するプリ
ズムであることが好ましい。この場合、簡単な構成で、
上記反射光を確実に上記吸収部に吸収させることが可能
となる。
斜角度をα1 とし、大気中の屈折率をn0 とすると、 2×α1 ≧arcsin[sin( α1)/ n1]+arcsin[ n0 / n
1] を満足することが好ましい。この式が満足される限り、
高品質な黒表示が保証される。
もよい。これにより、入射角度の分布の大きい入射光の
有効利用が可能となる。また、この場合、大気中の屈折
率をn0 とし、上記プリズムの屈折率をn1 とし、上記
反射膜の前面側に隣接する物質の屈折率をn2 とし、上
記プリズムの傾斜角度をα1 とし、上記反射面の傾斜角
度をα2 とすると、 α1+arcsin[n2/n1×sin(2 ×α2-arcsin[n1/n2×sin(ar
csin[sin( α1)/n1]-α1)])] ≧arcsin[ n0 / n1] を満足する限り、高品質な黒表示が保証される。
このプリズムの上に透明平行層を更に設けることが好ま
しい。複数のプリズムが鋸歯状に設けられた場合、ハー
ドコートがしづらいという不具合を招来する。そこで、
これらプリズムの上に透明平行層を更に設けることによ
り、上記不具合を解消することができる。
一形態について図1ないし図7に基づいて説明すれば、
以下の通りである。
す断面図である。本実施の形態に係る反射型液晶表示装
置は、図1に示すように、配向膜2、電極4、プリズム
9を備えた入射側基板6と、配向膜3、電極5、反射膜
8を備えた反射側基板7とにより、液晶層1が挟持され
ている。
プリズム9が形成されている。プリズム9が形成されて
いる入射側基板6の面は、反射型液晶表示装置の前面と
なっている。入射側基板6においてプリズム9が形成さ
れている面とは反対側の面、つまり、入射側基板6の背
面側には電極4が形成されており、その上面には配向膜
2が形成されている。また、反射側基板7の前面側の面
上には反射膜8が形成されており、その上面には電極5
および配向膜3がこの順に形成されている。入射側基板
6と反射側基板7とは対向して配置されており、配向膜
2と配向膜3との間には液晶層1が挟持されている。
なガラス板や高分子フィルム等の材料により形成されて
いる。また、電極4および電極5は、液晶層1に電圧を
印加する。電極4および電極5への電圧印加手段として
は、アクティブ素子等を用いてもよいが、これに限られ
るものではない。配向膜2および配向膜3は、水平配向
膜からなり、液晶層1が電圧無印加状態では水平配向状
態となる。配向膜2および配向膜3の種類としては水平
配向膜に限定するものではなく、他の種類でもかまわな
い。反射膜8は、銀により形成されている。反射膜8は
反射側基板7上に、蒸着により2000Åの厚さに成膜
されており、表面は平坦な鏡面状態となっている。
分子分散型液晶を用いている。例えば、TL213(メ
ルク社製、Δn=0.238)からなる液晶組成物1a
と紫外線硬化性プレポリマー1bとを、重量比が80:
20となるように混合し、これに少量の重合開始材(チ
バ・ガイギー社製)を添加することにより、常温でネマ
ティック液晶相を示すプレポリマー液晶混合物を作製す
る。このプレポリマー液晶混合物に紫外線等の活性光線
を照射し光硬化させることにより紫外線硬化液晶を得
る。このように、紫外線硬化液晶の作製工程においては
加熱を必要としないため、この紫外線硬化液晶を高分子
分散型液晶として液晶層1に用いることにより、他の部
材への悪影響を防止することができる。
成物と未重合のプレポリマーとの混合物を相溶させた
後、未重合のプレポリマーを重合させることにより作製
してもかまわない。プレポリマーを重合することにより
得られるものであれば、高分子分散型液晶の種類は特に
限定されるものではない。
液晶、ネマティック−コレステリック相転移型液晶、液
晶ゲル等のいずれを用いてもかまわない。さらに、液晶
層1が、透過状態と少なくとも散乱作用が含まれる状態
との間で変調されるものとすると、液晶層1としてはコ
レステリック液晶、高分子分散型液晶等のいずれを用い
てもかまわない。コレステリック液晶は、液晶分子のド
メインサイズを制御して拡散性を付与した透過−反射状
態でスイッチングする。また、高分子分散型液晶は、拡
散光による露光により拡散性を付与した透過−反射状態
でスイッチングするホログラフィック機能を有する。
は、印加された電圧に対応して、配向した液晶層1の散
乱、透過状態に従って変調される。本実施の形態では、
電圧無印加時には液晶層1は透過状態になり、電圧印加
時には液晶層1は散乱状態となるように設定している。
htahalate)からなる屈折率1.66の透明樹脂(帝人社
製)により形成されている。また、プリズム9は入射側
基板6に対して垂直な面と傾斜面とを有しており、その
断面形状は図1に示すように鋸歯形状となっている。プ
リズム9において、入射側基板6に対して垂直な面上に
は吸収部である吸収膜11が形成されており、また、傾
斜面の入射側基板6に対する傾斜角10は30°に設定
されている。
とにより、入射側基板に略垂直に入射する入射光はプリ
ズム9で全反射しプリズム9外に出射されることはな
く、吸収膜11に効率よく吸収される。これにより、良
好な黒表示が可能となる。
限られるものではなく、プリズム9を構成する面のう
ち、少なくとも一面に吸収膜11を設けていればよい。
表示装置の表示原理について詳しく説明する。
する。ただし、反射型液晶表示装置は大気中にあるもの
とする。
側から光を辿って考えたときに、その光路が光源に達す
ることなくすべて吸収膜11に達していれば、良好な黒
状態を実現することができる。
て、透過状態の液晶層1に、表示面法線に平行又は平行
に近い方向から入射する入射光である。入射光12は、
プリズム9により屈折してパネル内に入射し、透過状態
の液晶層1を透過し、反射膜8で反射され、再び透過状
態の液晶層1を透過し、吸収膜11で吸収される。ま
た、入射光13は、プリズム9により屈折してパネル内
に入射し、透過状態の液晶層1を透過し、反射膜8で反
射され、再び透過状態の液晶層1を透過し、プリズム9
と空気層との界面において全反射をして吸収膜11で吸
収される。すなわち、液晶層1が透過状態にあるとき、
反射型液晶表示装置は、表示面法線に平行又は平行に近
い方向からの入射光を反射膜8に導き、反射膜8からの
反射光を空気層との界面で全反射させて吸収するか、又
は、直接吸収する半吸収半透過層として吸収膜11を有
するプリズム9を備えている。これにより、表示面法線
に平行又は平行に近い方向から入射する入射光が観察者
に到達することはなく、反射型液晶表示装置は良好な黒
表示状態をとる。
つ、観察者から遠い側からの入射光である。入射光14
は、プリズム9により屈折してパネル内に入射し、透過
状態の液晶層1を透過し、反射膜8で反射され、再び透
過状態の液晶層1を透過し、プリズム9で再び屈折して
透過し、表示面に平行に近い方向、かつ、観察者から遠
い側へ出射する。このように、表示面に平行に近い方
向、かつ、観察者から遠い側から観察者がパネルを観察
したときには、反射型液晶表示装置は反射状態をとる。
表示を実現するためには、表示面法線に平行又は平行に
近い方向からの入射光を考えればよく、観察者が表示面
に平行に近い方向、かつ、観察者から遠い側から観察し
ている条件のもとでは、反射型液晶表示装置は反射状態
をとり、良好な黒表示を実現することができない。
面方向から観察することを考えると、図3に示すよう
に、反射型液晶表示装置が黒表示状態をとる領域は、次
式(1) 2×α1 ≧arcsin[sin( α1)/ n1]+arcsin[ n0 / n1] …(1) の条件を満たすことが必要である。式(1)を満たすこと
により、反射型液晶表示装置が黒表示状態をとる観察方
向と反射状態をとる観察方向との境界30は、表示面法
線よりも観察者側から遠い領域にあることとなる。
リズム9の屈折率、α1 はプリズム9の傾斜角10の角
度である。
から入射する入射光が液晶層1を透過し、反射膜8で反
射し、プリズム9と大気との界面において反射する際、
反射角が臨界角となる時、上式(1)は等号が成立す
る。例えば、プリズム9の屈折率n1 =1.66、プリ
ズム9の傾斜角10の角度α1 =30°とすると、表示
面法線から観察者側に10°遠い方向から入射する入射
光が、液晶層1を透過し、反射膜8で反射し、プリズム
9と大気との界面において反射する際、その反射角は臨
界角となる。
る。
る入射光は、直進透過光、前方散乱光、後方散乱光に分
かれる。入射光は、液晶層1において後方散乱し、その
一部はそのまま直進透過光として観察者方向へと向か
う。また、入射光の一部は前方散乱し、反射膜8で反射
され液晶層1まで戻って再度散乱し、その一部が観察者
方向へと向かう。このように、後方散乱光のみでなく、
前方散乱光の一部も利用できることとなり、明度が高
く、良好な白表示が可能となる。
型液晶表示装置の構造を、液晶層1の前面に、吸収膜1
1を有するプリズム9を配置する構造とすることによ
り、反射型液晶表示装置は、光散乱型液晶の透過状態を
利用した良好な黒表示状態と、光散乱型液晶の散乱状態
を利用した良好な白表示状態とを両立することができ
る。このような構造は、光散乱型液晶を用いた液晶表示
装置に限らず、透過状態と散乱状態との間でスイッチン
グする全ての表示装置に有効な構造である。また、偏光
板を用いなくてもよいので、波長依存性を小さくするこ
とができる。また、入射光が黄色味を帯びることもな
く、明度やコントラストは高い。このように、色度特性
が大幅に向上する。
示装置の反射率およびコントラストと、図4に示す反射
型液晶表示装置の反射率およびコントラストとを比較す
る。前者の反射型液晶表示装置をサンプルA、後者の反
射型液晶表示装置をサンプルBとし、それらの反射率お
よびコントラストを測定装置により測定する。ただしサ
ンプルBは、特開平3−186816号公報(従来技術
(1))に記載されている反射型液晶表示装置である。
すサンプルAと同様、液晶層1、配向膜2、電極4、入
射側基板6、配向膜3、電極5、反射側基板7を備えて
いる。また、サンプルBには反射膜8およびプリズム9
はなく、反射側基板7において電極5が形成されている
面とは反対側の面、つまり、反射側基板6の背面側には
吸収層40が形成されている。
示す。投光については、半球50の全ての方向から等し
い輝度で照射され、測定面法線から8°傾いた方向に設
置されている受光器51により受光されている。このと
き、遮光板52により、正反射成分は除かれる。なお、
完全拡散反射板の反射率は100%である。
結果を示す。これによると、プリズム9および反射膜8
を設けることでサンプルAの構造とすることにより、反
射率およびコントラストは向上する。
く、図6に示すようにプリズム60の傾斜面が入射側基
板6に対して一定の傾きを有しながら傾いている構造と
してもかまわない。すなわち、プリズム60の厚さが、
プリズム60の一端と他端とで異なり、プリズム60の
厚さが最も厚い端部には、吸収膜61が設けられてい
る。このような構造の反射型液晶表示装置においても、
反射率およびコントラストは、上記図1に示す構造を有
する反射型液晶表示装置と同様の結果が得られ、プリズ
ム60および反射膜8を設けることにより反射率および
コントラストは向上する。
装置の前面に透明平行板70を配置してもよい。これに
より、形状が鋸歯状のプリズム9においても、ハードコ
ート加工を施しやすくすることができる。また、反射型
液晶表示装置にタッチパネルを付加する場合において
も、タッチパネル等による外部からの圧力に対して、プ
リズム9を保護することができる。従って、反射型液晶
表示装置にタッチパネル等を付加する場合でも、表示品
位を損なうことなく、入力装置一体型の液晶表示装置を
提供することができる。
カラーフィルターを設けることにより、見やすい多色表
示可能な反射型液晶表示装置を得ることができる。
態について、図8に基づいて説明すれば、以下の通りで
ある。なお、実施の形態1における構成要素と同等の機
能を有する構成要素については、同一の符号を付記して
その説明を省略する。
型液晶表示装置の要部の断面図である。本実施の形態に
係る反射型液晶表示装置は、図8に示すように、実施の
形態1と同様、液晶層1、配向膜2、電極4、入射側基
板6、吸収膜11を有するプリズム9、配向膜3、電極
5、反射側基板7を備えている。また、反射側基板7上
には反射膜8ではなく、傾斜反射板80が配されてい
る。
ており、その傾斜角81は10°に設定されている。傾
斜反射板80の傾斜面には銀からなる反射膜82が形成
されており、また、垂直面には吸収膜83が形成されて
いる。傾斜反射板80はその上面(前面側)を、屈折率
1.672のポリアミドCRA−100からなる透明樹
脂膜84により覆われている。これにより、傾斜反射板
80が形成されている層の表面は平坦化され、その上に
電極5を形成することができる。
することにより、さらに反射機能を強くすることがで
き、オフアクシス性を付与することができる。これによ
り、入射角度の分布の大きい入射光の有効利用が可能と
なる。また、反射型液晶表示装置が黒表示状態をとる領
域は、次式(2) α1+arcsin[n2/n1×sin(2 ×α2-arcsin[n1/n2×sin(arcsin[sin( α1)/n1]- α1)])] ≧arcsin[ n0 / n1] …(2) の条件を満たすことが必要である。上式(2)を満たす
ことにより、反射型液晶表示装置が黒表示状態をとる観
察方向と反射状態をとる観察方向との境界30は、表示
面法線よりも観察者側から遠い領域にあることとなる。
リズム9の屈折率、n2 は透明樹脂膜84の屈折率、α
1 はプリズム9の傾斜角10の角度、α2 は傾斜反射板
80の傾斜角81の角度である。
から入射する入射光が液晶層1を透過し、傾斜反射板8
0で反射し、プリズム9と空気層との界面において反射
する際、反射角は臨界角となる時、上式(2)は等号が
成立する。例えば、プリズム9の屈折率n1 =1.6
6、プリズム9の傾斜角10の角度α1 =15°、傾斜
反射板80の前面側に隣接する透明樹脂膜84の屈折率
n2 =1.672、傾斜反射板80の傾斜角81の角度
α2 =10°とすると、表示面法線から観察者側に10
°遠い方向から入射する入射光が、液晶層1および透明
樹脂膜84を透過し、反射膜82で反射し、プリズム9
と空気層との界面において反射する際、その反射角は臨
界角となる。
射型液晶表示装置の反射率およびコントラストと、図4
に示す反射型液晶表示装置の反射率およびコントラスト
とを比較する。前者の反射型液晶表示装置をサンプル
C、後者の反射型液晶表示装置をサンプルBとし、それ
らの反射率およびコントラストを測定する。
結果を示す。これによると、プリズム9および傾斜反射
板80を設けることでサンプルCの構造とすることによ
り、反射率およびコントラストは向上する。
ように、透過状態と散乱状態との間で状態変化する液晶
層を備えた反射型液晶表示装置において、液晶層からの
光を反射する反射膜と、上記液晶層に対して上記反射膜
の反対側に設けられ、上記液晶層が透過状態にあると
き、表示面法線に平行もしくは平行に近い方向からの入
射光を反射膜に導き、該反射膜からの反射光を吸収する
半吸収半透過層とを備えた構成である。
状態に応じて黒表示又は白表示が行われる。液晶層が透
過状態にあるときには、表示面法線に平行もしくは平行
に近い方向からの光は、半吸収半透過層を介して反射膜
に導かれる。反射膜からの反射光は、上記液晶層を再度
透過して半吸収半透過層に導かれて吸収される。これに
より、表示面法線に平行もしくは平行に近い方向からの
入射光は、観察者に到達することはない。したがって、
良好な黒表示が行える。
は、上記半吸収半透過層を介して入射された光は、上記
液晶層において後方散乱して一部が観察者に向かう。ま
た、上記入射光の一部は、上記液晶層において前方散乱
して反射膜に導かれ、再び上記液晶層に導かれ、ここ
で、再び散乱されてその一部が観察者に向かう。このよ
うに、後方散乱光のみならず、前方散乱光も白表示に寄
与することになるので、良好な白表示が得られる。
表示の明度が高く、且つ、コントラスト比が高い反射型
液晶表示装置を実現できるといった効果を奏する。ま
た、このような反射型液晶表示装置とカラーフィルタと
組み合わせることにより、非常に見易い多色表示が可能
な液晶表示装置を実現することができるといった効果を
奏する。
収半透過層は、上記液晶層に対して所定角度傾斜し、上
記入射光が入射される面と、上記反射光を吸収する吸収
部が設けられた面とを有するプリズムである構成であ
る。これにより、簡単な構成で上記反射光を確実に上記
吸収部に吸収させることが可能となるといった効果を奏
する。
ズムの屈折率をn1 とし、上記傾斜角度をα1 とし、大
気中の屈折率をn0 とすると、 2×α1 ≧arcsin[sin( α1)/ n1]+arcsin[ n0 / n
1] を満足する構成である。この式が満足される限り、高品
質な黒表示が保証されるといった効果を奏する。
膜は、その反射面が傾斜している構成である。これによ
り、入射角度の分布の大きい入射光の有効利用が可能と
なるといった効果を奏する。また、この場合、大気中の
屈折率をn0 とし、上記プリズムの屈折率をn1 とし、
上記反射膜の前面側に隣接する物質の屈折率をn2 と
し、上記プリズムの傾斜角度をα1 とし、上記反射面の
傾斜角度をα2 とすると、 α1+arcsin[n2/n1×sin(2 ×α2-arcsin[n1/n2×sin(ar
csin[sin( α1)/n1]-α1)])] ≧arcsin[ n0 / n1] を満足する限り、高品質な黒表示が保証されるといった
効果を奏する。
ズムが鋸歯状に設けられる場合、このプリズムの上に透
明平行層を更に設ける構成である。複数のプリズムが鋸
歯状に設けられた場合、ハードコートがしづらいという
不具合を招来する。そこで、これらプリズムの上に透明
平行層を更に設けることにより、上記不具合を解消する
ことができるといった効果を奏する。
置の構造を示す断面図である。
反射率およびコントラストの測定で用いたサンプルの反
射型液晶表示装置の要部の構造を示す断面図である。
射型液晶表示装置の反射率の測定に用いた測定装置の構
成図である。
示装置の構造を示す断面図である。
液晶表示装置の構造を示す断面図である。
置の構造を示す断面図である。
断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】透過状態と散乱状態との間で状態変化する
液晶層を備えた反射型液晶表示装置であって、 上記液晶層からの光を反射する反射膜と、 上記液晶層に対して上記反射膜の反対側に設けられ、上
記液晶層が透過状態にあるとき、表示面法線に平行もし
くは平行に近い方向からの入射光を反射膜に導き、該反
射膜からの反射光を吸収する半吸収半透過層とを備えた
ことを特徴とする反射型液晶表示装置。 - 【請求項2】上記半吸収半透過層は、上記液晶層に対し
て所定角度傾斜し、上記入射光が入射される面と、上記
反射光を吸収する吸収部が設けられた面とを有するプリ
ズムであることを特徴とする請求項1に記載の反射型液
晶表示装置。 - 【請求項3】上記プリズムの屈折率をn1 とし、上記傾
斜角度をα1 とし、大気中の屈折率をn0 とすると、 2×α1 ≧arcsin[sin( α1)/ n1]+arcsin[ n0 / n
1] を満足することを特徴とする請求項2に記載の反射型液
晶表示装置。 - 【請求項4】上記反射膜は、その反射面が傾斜している
ことを特徴とする請求項2に記載の反射型液晶表示装
置。 - 【請求項5】大気中の屈折率をn0 とし、上記プリズム
の屈折率をn1 とし、上記反射膜の前面側に隣接する物
質の屈折率をn2 とし、上記プリズムの傾斜角度をα1
とし、上記反射面の傾斜角度をα2 とすると、 α1+arcsin[n2/n1×sin(2 ×α2-arcsin[n1/n2×sin(ar
csin[sin( α1)/n1]-α1)])] ≧arcsin[ n0 / n1] を満足することを特徴とする請求項4に記載の反射型液
晶表示装置。 - 【請求項6】上記プリズムが鋸歯状に設けられる場合、
このプリズムの上に透明平行層を更に設けたことを特徴
とする請求項2、3、4、又は5に記載の反射型液晶表
示装置。
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| JP2000261659A JP3474527B2 (ja) | 2000-08-30 | 2000-08-30 | 反射型液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2000261659A JP3474527B2 (ja) | 2000-08-30 | 2000-08-30 | 反射型液晶表示装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002072198A JP2002072198A (ja) | 2002-03-12 |
| JP3474527B2 true JP3474527B2 (ja) | 2003-12-08 |
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|---|---|---|---|
| JP2000261659A Expired - Fee Related JP3474527B2 (ja) | 2000-08-30 | 2000-08-30 | 反射型液晶表示装置 |
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| JP (1) | JP3474527B2 (ja) |
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|---|---|---|---|---|
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|---|---|---|---|---|
| JP2000111889A (ja) | 1998-09-30 | 2000-04-21 | Casio Comput Co Ltd | 光学素子およびそれを備えた液晶表示装置 |
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| JP2000221497A (ja) | 1998-11-27 | 2000-08-11 | Sharp Corp | 反射型液晶表示装置 |
-
2000
- 2000-08-30 JP JP2000261659A patent/JP3474527B2/ja not_active Expired - Fee Related
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