JP3390041B2

JP3390041B2 - 鉗子

Info

Publication number: JP3390041B2
Application number: JP07825393A
Authority: JP
Inventors: 敏彦橋口
Original assignee: Olympus Corp; Olympus Optical Co Ltd
Current assignee: Olympus Corp
Priority date: 1993-04-05
Filing date: 1993-04-05
Publication date: 2003-03-24
Anticipated expiration: 2018-03-24
Also published as: JPH06285078A

Description

【発明の詳細な説明】【０００１】【産業上の利用分野】この発明は、例えば内視鏡下外科
手術に使用し、組織を把持したり、切断するための鉗子
に関する。【０００２】【従来の技術】内視鏡下外科手術に使用し、組織を把持
したり、切断するための鉗子（鋏）として特開平４−２
４６３４４号公報が知られている。この鉗子は、先端部
に開閉自在な鉗子部、基端部に操作部を設けた鉗子本体
と、この鉗子本体に設けられ前記操作部の操作によって
進退し前記鉗子部を開閉する駆動部材とから構成されて
いる。【０００３】鉗子部は、枢支ピンを支点として回動自在
な一対の鉗子部材によって形成され、鉗子部材の後端部
にはカム溝が設けられている。また、前記操作部によっ
て進退駆動される駆動部材の先端部には係合ピンが突設
され、この係合ピンは前記カム溝に係合しており、駆動
部材の進退によって鉗子部材が枢支ピンを支点として開
閉されるようになっている。【０００４】また、独国実用新案の第８８０９５０１号
に示された鉗子は、鉗子本体の先端部に枢支ピンを支点
として回動自在な鉗子部材が設けられているとともに、
進退自在な案内部材が設けられている。また、鉗子部材
の後端部には延長部が設けられ、この延長部は案内部材
に設けた案内チャンネルに係合している。そして、案内
部材を操作部材によって進退させることにより、延長部
を介して鉗子部材を開閉するようになっている。【０００５】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ように構成された鉗子のうち前者のものは、組織を切断
したり、処置具等を把持するときに、カム溝に相当大き
な力が加わる。このためカム溝を形成した鉗子部材に十
分な強度を持たせるために、カム溝周辺の形状寸法が大
きくなる。【０００６】結果として、鉗子部材を大きく開かせよう
とすると、その部材の後端部が鉗子本体としての挿入部
の径よりも外に大きく飛び出してしまう。特に、この種
の鉗子は筒状のトラカ―ルに挿通して使用するので、外
に飛び出した鉗子部材の後端部がトラカ―ルの前端に引
っ掛かって閉じにくくなる。【０００７】さらに、カム溝を硬さを必要とする鉗子部
材に形成してあるので摺動面が硬く、対する係合ピンは
接触部の面積が小さいので更に硬い材料を用いなければ
ならない。これは設計製造の困難さを増す。【０００８】また、後者のものは、鉗子部材を開いたと
き、鉗子部材の後端部が挿入部の外径より外に大きく突
出し、前者の同様な欠点があるとともに、延長部が細く
長いため折れやすい。また、不測の事態に遭遇して閉じ
ることができないまま抜去しなければならないとき、延
長部が斜め後方に突出しているため、トラカ―ルの前端
に引っ掛かって抜けにくくなる。この際、トラカ―ルご
と引き抜こうとしても、突出した延長部が抜去の妨げと
なってしまう。さらに、延長部の幅（厚さ）が変化して
いるので、案内チャンネルとの組合せで隙間が発生し鉗
子部材の動きにガタが出やすい。【０００９】また、鉗子の開閉機構として鉗子部材を４
節リンク機構によって構成したものもあるが、鉗子部材
を開いたときリンクが挿入部より突出し、開いたままで
はトラカ―ルから抜去することができない。さらに、４
節リンク機構の特性から鉗子部材が閉じきるときに先端
部に発生させ得る力が最も小さくなり、組織を切断する
鋏としての機能を持たせた場合に極めて不利である。【００１０】この発明は、前記事情に着目してなされた
もので、その目的とするところは、鉗子部材の形状寸法を
小さくすることが可能な構造の鉗子を提供することにあ
る。【００１１】【課題を解決するための手段及び作用】この発明は、前
記目的を達成するために、被検体に挿入される挿入部
と、前記挿入部の先端部に設けられた枢支部と、前記枢
支部を回転中心として回転可能な鉗子部材と、前記鉗子
部材の先端部に設けられた処置部と、前記処置部より前
記鉗子部材の手元側に設けられた突起部と、前記鉗子部
材を回転操作するための操作手段と、前記操作手段に接
続され、前記操作手段の操作に応じて前記挿入部に対し
て移動可能な移動手段と、前記移動手段に設けられて前
記突起部と係合し、前記移動手段の移動に応じて前記突
起部を移動して前記鉗子部材を回転可能な溝部とを有す
る鉗子にある。【００１２】被検体に挿入部を挿入し、被検体内の所望
の位置で操作手段を操作して移動手段を移動することに
より、移動手段に設けられた溝部に係合する突起部がこ
の溝部を移動し、突起部が設けられた鉗子部材が挿入部
に設けられた枢支部を中心に回転する。【００１３】【実施例】以下、この発明の各実施例を図面に基づいて
説明する。【００１４】図１〜図６は第１の実施例を示し、図２は
内視鏡用鉗子の全体を示し、鉗子は、鉗子部１と鉗子本
体としての挿入部２と操作部３とから構成されている。
鉗子部１は、鋏形状に構成された一対の鉗子部材４、５
と、この鉗子部材４、５を開閉する開閉機構６とからな
る。【００１５】挿入部２は、管状のシ―ス７と、その内部
に進退自在に挿通され前記開閉機構６に連結される駆動
部材８とからなる。【００１６】操作部３は、枢支ピン９を支点として回動
自在な一対のハンドル９ａ、９ｂと、前記駆動部材８と
連結される連結部材１０とからなる。【００１７】そして、この鉗子は、トラカ―ル等を介し
て患者の腹腔に挿入し、ハンドル９ａ、９ｂを術者が開
閉することによって先端部１の鉗子部材４、５が開閉
し、臓器、血管、腹膜等の対象物を切断することがで
き、また、把持鉗子や剥離鉗子として使用する場合も、
ハンドル９ａ、９ｂの開閉によって鉗子部材４、５が開
閉して対象物を把持または剥離することができる。【００１８】次に、図１、図３および図４に基づいて鉗
子部１および挿入部２の細部を説明すると、シース７の
先端部には円筒状の保持部材１２が突設され、この保持
部材１２の上下部には軸方向に沿ってスロット１２ａが
形成されている。【００１９】このスロット１２ａの内部には鉗子部１を
構成する一対の鉗子部材４、５の後端部が収納され、こ
の鉗子部材４、５の中間部は枢支部としての枢支ピン１
３によって保持部材１２に対して回動自在に枢支されて
いる。鉗子部材４、５の先端側には刃部４ａ、５ａが形
成され、後端部の内側には円柱状の突起４ｂ、５ｂが突
設されている。さらに、鉗子部材４、５の刃部４ａ、５
ａは湾曲している。この場合、使い勝手によって湾曲方
向が上下左右に異なっている必要がある。【００２０】保持部材１２の基端側の内部には駆動部材
８と一体的に設けられ、駆動部材の一部をなす連結部材
１４が軸方向に進退自在に挿入されている。【００２１】連結部材１４の先端部１４ａは偏平な形状
で、その側面には円弧状のカム溝１４ｂ、１４ｃが交差
するように形成され、このカム溝１４ｂ、１４ｃにはそ
れぞれ前記突起４ｂ、５ｂが摺動自在に係合されてい
る。なお、カム溝１４ｂ、１４ｃは円弧状に限らず、任
意の曲線でも傾斜した直線状でもよい。【００２２】連結部材１４の後端部１４ｄは円柱状で、
その中途部にはＯリング１４ｅが嵌合され、保持部材１
２との間をシールしている。さらに、連結部材１４の先
端部１４ａの幅（高さ）は後端部１４ｄの径より大き
く、先端部１４ａの後端側は後端部１４ｄより外側に張
り出した後端面１４ｆに形成されている。【００２３】したがって、鉗子部材４、５が閉じた状態
で、保持部材１２のスロット１２ａの底面１２ｂは連結
部材１４の後端面１４ｆと接している。この状態でカム
溝１４ｂ、１４ｃの先端側の端部は突起４ｂ、５ｂに対
して一定の間隔を保っており、接触することはない。【００２４】連結部材１４の先端部１４ａは、鉗子部材
４、５の後端部の突起４ｂ、５ｂに相当する位置に形成
した段差部４ｃ、５ｃの間に嵌挿されており、図３は鉗
子部材４、５の突起４ｂ、５ｂと、段差部４ｃ、５ｃの
間に嵌挿した連結部材１４の先端部１４ａとの位置関係
を示す。【００２５】図４に示すように、前記突起４ｂ、５ｂは
それぞれ挿入部２の長手方向の軸に直交する方向に延び
ており、これら突起４ｂ、５ｂはカム溝１４ｂ、１４ｃ
の底面に向かって突出しているが、カム溝１４ｂ、１４
ｃは突起４ｂ、５ｂの先端と接触しないように形成され
ている。【００２６】次に、挿入部２および操作部３について図
５および図６に基づき説明すると、挿入部２は、管状部
材１６と、その外側に被嵌された管状の絶縁部材１７と
からなり、管状部材１６の中に駆動部材８が進退自在に
挿通されている。【００２７】挿入部２の後端は絶縁部材１７から管状部
材１６が露出して延長し、この露出部１６ａがハンドル
９ａに設けられた貫通孔９ｃに挿入されている。貫通孔
９ｃと管状部材１６の露出部１６ａとの間には中間部材
１９が埋設され、さらに露出部１６ａには円錐状の係合
穴１６ｂが形成され、この係合穴１６ｂにはハンドル９
ａに捩じ込み固定された高周波電源端子となる固定部材
１８の先端部が係合している。【００２８】また、係合穴１６ｂは露出部１６ａの円周
上の１８０°離れた位置にも形成してあるが、円周上に
９０°の間隔で形成してもよく、さらに小さい間隔で多
数設けてもよい。このように係合穴１６ｂを複数設ける
ことによって、鉗子部材４ａ、５ａの湾曲方向を望みの
位置に定めて固定することができる。【００２９】次に、前述のように構成された鉗子の作用
について説明する。ハンドル９ａ、９ｂに手指を掛けて
操作することによって、駆動部材８がシース７の内部を
前進し、連結部材１４も先端側に移動する。連結部材１
４の先端部１４ａに設けられたカム溝１４ｂ、１４ｃが
前進することによって、突起４ｂ、５ｂがカム溝１４
ｂ、１４ｃの中を摺動し、鉗子部材４、５は枢支ピン１
３を支点として相対的に開く方向に回動する。【００３０】カム溝１４ｂ、１４ｃが湾曲していること
により、鉗子部材４、５が全閉状態では突起４ｂ、５ｂ
とカム溝１４ｂ、１４ｃとの接触角が小さいので大きな
力を発生させることができる。【００３１】なお、カム溝１４ｂ、１４ｃが直線状の場
合にも同様の動作をするが、全閉付近で短いストロ―ク
で大きく動く。柔らかいものを把持する鉗子では、把持
力が大きくなり過ぎず安全である。また、万一枢支ピン
１３が破断した場合、突起４ｂ、５ｂがカム溝１４ｂ、
１４ｃの端部に引っ掛かるので鉗子部材４、５が脱落す
る事がない。【００３２】鉗子部材４、５が全開状態では、接触角が
大きいため短いストロ―クで大きく開くことができる。
カム溝１４ｂ、１４ｃの形状を変えることにより、力の
発生のさせ方を任意に選ぶことができる。【００３３】鉗子部材４、５を閉じる操作は前述と逆で
あり、ハンドル９ａ、９ｂに手指を掛けて操作すること
によって、駆動部材８がシース７の内部を後退し、連結
部材１４も手元側に移動する。連結部材１４の先端部１
４ａに設けられたカム溝１４ｂ、１４ｃが後退すること
によって、突起４ｂ、５ｂがカム溝１４ｂ、１４ｃの中
を摺動し、鉗子部材４、５は枢支ピン１３を支点として
相対的に閉じる方向に回動する。【００３４】駆動部材８の後退により、連結部材１４の
先端部１４ａは段差部４ｃ、５ｃの間に挟まれたまま移
動する。これによって、先端部１４ａが挿入部２の軸回
りに回転することが防止され、突起４ｂ、５ｂがカム溝
１４ｂ、１４ｃに対して傾斜して係合する事を防止でき
る。【００３５】図７および図８は第２の実施例を示し、第
１の実施例と同一構成部分は同一番号を付して説明を省
略する。図７に示すように、鉗子部１の構造は基本的に
第１の実施例と同様であるが、カム溝１４ｂ、１４ｃの
位置を前後方向（挿入部２の軸方向）にずらしてある。【００３６】図８は鉗子部材４、５の突起４ｂ、５ｂ
と、段差部４ｃ、５ｃの間に嵌挿した連結部材１４の先
端部１４ａとの位置関係を示す。突起４ｂ、５ｂはそれ
ぞれ挿入部２の長手方向の軸と直交する方向に延びてお
り、これら突起４ｂ、５ｂはともに前記軸を越えて延び
ているので、干渉しないように前後に位置をずらして設
けられている。【００３７】さらに、突起４ｂ、５ｂはカム溝１４ｂ、
１４ｃの底面に向かって突出しているが、カム溝１４
ｂ、１４ｃは突起４ｂ、５ｂの先端と接触しないように
形成されている。この結果、カム溝１４ｂ、１４ｃは一
ケ所で交わる。【００３８】したがって、連結部材１４の進退により、
突起４ｂ、５ｂはカム溝１４ｂ、１４ｃの中でそれぞれ
摺動する。この結果、鉗子部材４、５は枢支ピン１３を
支点として回動し開閉動作を行う。このように２つの突
起４ｂ、５ｂを軸方向にずらして配置したので、突起４
ｂ、４ｂを長く、カム溝１４ｂ、１４ｃを深くすること
ができ、突起４ｂ、４ｂとカム溝１４ｂ、１４ｃとの接
触面積が増し耐久性を向上させることができる。【００３９】図９は第３の実施例を示し、第１の実施例
と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。連
結部材１４の先端部１４ａに設けられたカム溝１４ｂ、
１４ｃの先端部側を開放形状としてある。なお、開放す
るのは先端側のみにとどまらず、後端側でも構わない。【００４０】このように構成することによって、組立の
際、鉗子部材４、５と連結部材１４とを組み合わせた状
態で、保持部材１２に挿入する必要がないので組立が容
易である。【００４１】図１０は第４の実施例を示し、第１の実施
例と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。
突起４ｂ、５ｂを鉗子部材４、５とは別の部品としたも
のである。すなわち、鉗子部材４、５の後端部にねじ穴
４ｅ、５ｅ（一方のみ図示）を形成し、このねじ穴４
ｅ、５ｅに突起としてのピン部材１５をそれぞれ捩じ込
み固定したものである。【００４２】ピン部材１５は耐摩耗性の高い材質または
熱処理によって硬化できるステンレス鋼で形成し、硬質
クロムの被膜を１０μｍ〜３０μｍの厚さで形成する。
これはビッカ―ス硬度８００〜１０００である。被膜は
ＣＶＤまたはＰＶＤによる炭化チタンと窒化チタンの２
層のセラミックコ―トでもよい。これはビッカ―ス硬度
２０００〜３０００である。【００４３】このようにカム溝１４ｂ、１４ｃに対して
摺動するピン部材１５の摩耗を少なくすることにより、
鉗子の耐久性を向上することができる。鉗子部材４、５
と異なる材質を使用することができるので、靭性の高い
材質を使用して安全性を高めることができる。【００４４】鉗子部材４、５の形状が板状となるので、
ばね用ステンレス鋼板や圧延鋼板を使用して、塑性加工
により安価に製造することも可能となる。【００４５】図１１は第５の実施例を示し、第１の実施
例と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。
図１１は鉗子部材４の断面を示す。刃部４ａ、研磨面４
ｆ、逃げ面４ｇがあり、鉗子部材５でも同様である。【００４６】研磨面４ｆを除いた外周は、基材の表面に
ＴｉＣの被膜４ｈとその上のＴｉＮの被膜４ｉとを形成
してある。２層の被膜４ｈ、４ｉを形成した後、調質
（焼き入れ、焼き戻し）により、硬度、靭性を増加させ
てある。【００４７】図１２は第６の実施例を示し、第１の実施
例と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。
図１２は鉗子部材４の断面を示す。鉗子部材４の基材の
表面全面にＴｉＣ、ＴｉＮの層で覆ったものであり、研
磨面４ｆは存在しない。【００４８】切断対象によっては、刃の鋭利さよりも刃
同士の接触の強さの方が有利な場合がある。動脈のよう
な厚い筋層からなるものや、筋、腱のような靭性に富む
もの、あるいは骨や半月板の場合がこの例である。研磨
によって刃を付ける加工を除き、ＣＶＤのままとするこ
とにより、被膜の断面が露出しないので剥離に対して強
く、コスト的にも有利である。【００４９】図１３および図１４は、鉗子の変形例を示
すもので、第１の実施例と同様に、一対の鉗子部材４、
５は保持部材１２に枢支ピン１３によって回動自在に枢
支されている。鉗子部材４、５の後端部にはそれぞれカ
ム溝４ｂ、５ｂが設けられている。【００５０】鉗子部材４、５の表面および連結部材１４
の表面にはＣＶＤによりＴｉＣ、ＴｉＮの被膜が形成さ
れている。連結部材１４の先端部１４ａは偏平な形状と
してあり、鉗子部材４、５の後端部のカム溝４ｂ、５ｂ
に相当する位置に形成した段差部４ｃ、５ｃの間に嵌挿
されている。【００５１】連結部材１４の先端部１４ａには孔２０が
設けられ、この孔２０には連結ピン２１が嵌合されてい
る。連結ピン２１の表面には硬質クロムの被膜が形成さ
れている。被膜の厚さは１０μｍ〜３０μｍである。【００５２】さらに、連結ピン２１は鉗子部材４、５の
後端部に設けられた傾斜した直線状のカム溝４ｂ、５ｂ
の双方に係合している。なお、カム溝４ｂ、５ｂは円弧
状に湾曲した形状でもよく、カム溝４ｂ、５ｂの形状を
任意の曲線とすることもできる。【００５３】したがって、第１の実施例と同様に、ハン
ドル９ａ、９ｂを操作することによって、駆動部材８が
前進し、連結部材１４を介して連結ピン２１も先端側に
移動する。連結ピン２１がカム溝４ｂ、５ｂの中を移動
することによって鉗子部材４、５は枢支ピン１３を支点
として相対的に開く方向に回動する。また、鉗子部材
４、５を閉じる操作は前述と逆である。【００５４】鉗子部材４、５が全閉状態では連結ピン２
１とカム溝４ｂ、５ｂとの接触角が小さいので大きな力
を発生させることができる。万一支点ピン１３が破断し
ても、連結ピン２１がカム溝４ｂ、５ｂの端部に引っか
かるので鉗子部材４、５が脱落することはない。【００５５】鉗子部材４、５が全開状態では、接触角が
大きいため短いストロ―クで大きく開くことができる。
カム溝４ｂ、５ｂの形状を変えることにより、力の発生
のさせ方を任意に選ぶことができる。【００５６】駆動部材８の進退移動により、連結部材１
４の先端部１４ａは段差部４ｂ、５ｂの間に挟まれたま
ま移動する。これによって先端部１４ａが挿入部２の軸
の回りに回転することが防止され、連結ピン２１がカム
溝４ｂ、５ｂに対して傾斜して係合することを防止でき
る。【００５７】前述のように、鉗子部材４、５の刃部４
ａ、５ａ同士の摺動部に硬質の被膜を形成したことによ
り、摩耗によって刃部が変形して切れ味が劣化すること
がない。また、摩耗の懸念がないので、大きい圧着力を
かけて、靭性の高い切れ難い対象物を切断することがで
きる。【００５８】外科用メスや鉗子部材に使用されるアルミ
ナセラミックやジルコニアセラミックと同等の硬度があ
りながら良好な導電性を持っている。これにより高周波
を併用して止血や凝固を行うことができる。窒化チタン
の被膜自体の色は金色である。このため被膜の有無が一
目で判別できる。【００５９】また、被膜の摩耗状況を容易に識別するこ
とができる。さらに、基材表面に析出させるため、被膜
形成直後の表面は完全に艶消しの状態で、反射防止効果
が高く、内視鏡で観察したときハレ―ションが起こり難
い。【００６０】被膜形成時の処理温度が１０００℃以上と
高い。このためステンレス鋼や炭素鋼の焼き入れ温度に
耐える耐熱性を持っている。さらに、被膜形成後の熱処
理の温度を自由に設定することができ、望みの硬度、靭
性を得ることができる。【００６１】ＴｉＣ、ＴｉＮによる被膜はビッカ―ス硬
度２０００〜３０００と極めて硬い。このため傷がつき
難い。また、通常の洗浄では大きな力で擦ることにより
短時間で洗浄を終えることができる。【００６２】【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、
鉗子部材の形状寸法を小さくすることが可能な構造の鉗
子を提供することができる。【００６３】

【図面の簡単な説明】【図１】この発明の第１の実施例に係わる鉗子の鉗子部
を示す縦断側面図。【図２】同実施例の鉗子全体の側面図。【図３】同実施例の鉗子の鉗子部の縦断平面図。【図４】同実施例の突起とカム溝との係合状態を示す断
面図。【図５】同実施例の操作部を示す縦断側面図。【図６】図５のＡ−Ａ線に沿う断面図。【図７】この発明の第２の実施例に係わる鉗子の鉗子部
を示す縦断側面図。【図８】同実施例の鉗子の鉗子部の縦断平面図。【図９】この発明の第３の実施例に係わる鉗子の鉗子部
を示す縦断側面図。【図１０】この発明の第４の実施例に係わる鉗子の突起
とカム溝との係合状態を示す断面図。【図１１】この発明の第５の実施例に係わる鉗子部材の
断面図【図１２】この発明の第６の実施例に係わる鉗子部材の
断面図【図１３】鉗子の変形例を示し、鉗子部材を閉じた状態
の縦断側面図。【図１４】同変形例を示し、鉗子部材を開いた状態の縦
断側面図。【符号の説明】１…鉗子部２…挿入部３…操作部４、５…鉗子部材４ｂ、５ｂ…突起８…駆動部材１３…枢支ピン１４ｂ、１４ｃ…カム溝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61B 17/28 310

Claims

(57)【特許請求の範囲】【請求項１】被検体に挿入される挿入部と、前記挿入部の先端部に設けられた枢支部と、前記枢支部を回転中心として回転可能な鉗子部材と、前記鉗子部材の先端部に設けられた処置部と、前記処置部より前記鉗子部材の手元側に設けられた突起
部と、前記鉗子部材を回転操作するための操作手段と、前記操作手段に接続され、前記操作手段の操作に応じて
前記挿入部に対して移動可能な移動手段と、前記移動手段に設けられて前記突起部と係合し、前記移
動手段の移動に応じて前記突起部を移動して前記鉗子部
材を回転可能な溝部と、を有する鉗子。