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JP3378255B2 - 超好熱性dnaポリメラーゼの使用 - Google Patents

超好熱性dnaポリメラーゼの使用

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JP3378255B2
JP3378255B2 JP53492797A JP53492797A JP3378255B2 JP 3378255 B2 JP3378255 B2 JP 3378255B2 JP 53492797 A JP53492797 A JP 53492797A JP 53492797 A JP53492797 A JP 53492797A JP 3378255 B2 JP3378255 B2 JP 3378255B2
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dna polymerase
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ブルッシュ、ユルゲン
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ゲーエスエフ―フォルシュンクスツェントルム・フューア・ウムベルト・ウント・ゲズントハイト・ゲーエムベーハー
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Publication date
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    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
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    • C12N9/12Transferases (2.) transferring phosphorus containing groups, e.g. kinases (2.7)
    • C12N9/1241Nucleotidyltransferases (2.7.7)
    • C12N9/1252DNA-directed DNA polymerase (2.7.7.7), i.e. DNA replicase
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6869Methods for sequencing

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、超好熱性DNAポリメラーゼを用いる、マー
カー置換されたジデオキシヌクレオチドによるDNAのサ
イクルシークエンス法、および超好熱性DNAポリメラー
ゼの新規使用に関する。
近年、DNAの配列分析は、基礎研究および研究所の診
断法として不可欠なツールとなり、日常的に用いられて
いる。殆ど全ての配列決定プロトコールは、DNA鎖を標
識するために、放射能ラベルされたマーカーまたは蛍光
マーカーを用いるサンガーのチェーンターミネーション
法に基づくものである。多くの会社から、様々な配列決
定のプロトコールが多数提供されている。特に、色素ラ
ベルしたジデオキシターミネーター(色素−ジデオキシ
ターミネーター(dye−dideoxyterminator))を用いる
非放射性配列決定用のアプライドバイオシステムズ社
(Applied Biosystems company;ABI)のプロトコール
は、広く用いられている。
色素−ジデオキシターミネーターを用いて配列を決定
する場合、配列決定すべきDNAのテンプレートは、DNAポ
リメラーゼによって、プライマーに依存した態様でコピ
ーする。それぞれ異なる蛍光色素でラベルしたddNTPが
取込まれることによって、鎖伸長の停止(chain termin
ation)が起こる。ラベルされていないddNTPを使用し、
放射性のα−dATPまたは蛍光性プライマーによって鎖の
ラベリングを行うサンガーの古典的なDNA配列決定法で
は、4レーンシステムが必要となり、1レーン分析を行
おうとすれば、複雑な4プライマー法を要するのに対し
て、該方法によれば、単一レーンでDNA配列を分離する
ことが可能となる。37℃での単一サイクルによって、配
列決定反応を実施する場合には、通常、T7 DNAポリメラ
ーゼのような熱に不安定なポリメラーゼが用いられる。
多くの適用例において、該プロトコールは優れた結果を
もたらす。しかし、該方法には、多量のテンプレートDN
A(反応当たり約5μgのプラスミドDNA)を要するとい
う欠点が存在する。該欠点は、PCR産物の直接シークエ
ンス法において特に問題となる。
GCリッチなテンプレートの配列を決定する場合、しば
しば克服し難い困難に直面する。一方、超好熱性生物か
ら得たDNAポリメラーゼを用いるサイクルシークエンス
法では、1/5未満のテンプレートDNAが必要とされるにす
ぎない。該方法は、何サイクルもの変性、シークエンス
プライマーのアニーリング、およびこれに引き続くddNT
Pの取り込みによる鎖の伸長を具備する。従来技術によ
れば、最後のステップは60℃で行われ、GCリッチなDNA
配列および二次構造を有するDNAの配列を決定する場
合、37℃で一サイクルというプロトコールに比べて優れ
た結果が得られる。しかし、従来技術のプロトコールで
用いられる60℃という温度は、超熱安定性DNAポリメラ
ーゼの至適合成温度に比べて、極めて低いものである。
上述のプロトコールとは異なり、色素プライマープロ
トコールでは、72℃の至適鎖伸長温度を用いることがで
きる。しかし、これらのプロトコールは、蛍光ラベルさ
れたプライマーを別に合成しなければならないため(4
レーン法の場合1プライマー、1レーン分析を行う場合
4プライマー)、コストがかかる。色素ターミネーター
配列決定法は、たった一つのサンプルで行われるが、ど
ちらの場合も、4つの平行する反応(各々ddNTPのうち
の一つを含有する)を実施することが必要であり、さら
に時間とコストが増大する。
様々な超熱安定性DNAポリメラーゼについての色素プ
ライマー配列決定法のプロトコールが、種々の会社から
公表されている。このようなプロトコールの例は、Ampl
iTaq およびAmpliTaqFS を用いるABI/Perkin Elmerの
もの、Thermosequenase を用いるAmershamのもの、ま
たはSequitherm DNAポリメラーゼを用いるEpicentreの
ものがある。
1レーン手法として色素プライマー配列決定法を用い
る場合、異なる色素ラベルを有する4つの異なるプライ
マーが必要となる。しかし、これによって、当然、配列
決定に要する時間とコストが増大する。
現在まで、色素ターミネーターを用いるサイクルシー
クエンス法は、60℃の鎖伸長温度でなくては上手くいか
ないと従来技術では考えられており、このことはAmpliT
aq 、AmpliTaqFS 、Thermosequenase 、Sequitherm
、およびTfl DNAポリメラーゼ酵素についても当ては
まる。今のところ、色素ターミネーターを用いるサイク
ルシークエンス法の場合、60℃を超える温度を報告する
プロトコールはない。
GCリッチな配列にも用いることができ、至適鎖伸長温
度で、または至適鎖伸長温度付近で利用できる色素ター
ミネーターを用いるDNAのサイクルシークエンス法の新
規な方法を提供することが本発明の目的である。
本発明によれば、この目的は、請求項7でさらに詳細
に示される特徴によって解決される。請求項7の方法の
好適な実施態様は、従属項に明記されている。
さらに、請求項1によって、本発明は超熱安定性DNA
ポリメラーゼの新規使用を提供する。好適な実施態様
は、従属項に詳述されている。
本発明に用いるのに有用な超安定性DNAポリメラーゼ
は、DNAデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ、
E.C.2.7.7.7である。好ましくは、以下の超熱安定性DNA
ポリメラーゼ: −AmpliTaq (Perkin Elmer):Thermus aquaticus YT1
株; −Taq DNAポリメラーゼ(Gibco):Thermus aquaticus
YT1株から単離された; −Sequitherm DNAポリメラーゼ(Epicentre):サイク
ルシークエンス法のために特別に開発されたDNAポリメ
ラーゼ; −Tth DNAポリメラーゼ(Epicentre):Thermus thermop
hilusから単離された; −Tth DNAポリメラーゼ(Boehringer):E.C.2.7.7.7.、
Thermus thermophilus HB8から単離された; −Expand High Fidelity(Boehringer):Taq DNAポリ
メラーゼとPwo DNAポリメラーゼの混合物、E.C.2.7.7.
7.; −Pwo DNAポリメラーゼ(Boehringer):E.C.2.7.7.
7.、Pyrococcus woesei由来 −Deep Vent DNAポリメラーゼ(New England Biolab
s):Pyrococcus種、GB−D単離体のDNAポリメラーゼ遺
伝子をE.Coli中で発現したもの; −9゜N DNAポリメラーゼ(New England Biolabs):The
rmococcus種、9゜N−7株; −Vent exo−DNAポリメラーゼ(New England Biolab
s):Thermococcus litoralisのexo−DNAポリメラーゼ遺
伝子をE.Coli中で発現したもの; −Replitherm DNAポリメラーゼ(Epicentre):Thermus
aquaticus由来ではない; −Glodstar (Eurogentec):新規Thermus種のDNAポリ
メラーゼ遺伝子をE.Coli中で発現したもの; −Tfl DNAポリメラーゼ(Epicentre):Thermus flavus
から単離された; −Pfu DNAポリメラーゼ(Stratagene):Pyrococcus fur
iosus由来であり、E.Coli中で発現させた強力な3′−
5′エキソヌクレアーゼ; −Thermosequenase (Amersham):サイクルシークエ
ンス法のために特別に開発された超熱安定性DNAポリメ
ラーゼ; −AmpliTaq FS (Perkin Elmer):5′−3′エキソヌ
クレアーゼを欠くAmpliTaq DNAポリメラーゼの突然変
異型; を用い得る。
本発明において特に好適なものは、Sequitherm およ
びTth DNAポリメラーゼである。色素ターミネーターを
用いるサイクルシークエンス法において、これらのポリ
メラーゼを用いることの利点には、以下のもの: −ABIのAmpliTaq DNAポリメラーゼプロトコールに比べ
て、必要なテンプレートDNAが少ない; −酵素量を減らすことによって、酵素のコストが減少す
る; −反応時間が短くなり、それによってサンプルの処理量
が増加する; −75℃まで合成温度を上げることによって、より高い特
異性で、且つテンプレートDNAを「最適に」変性させて
実施することが可能となる; −配列を決定するための化学物質の利用が改善されるた
め、コストが低くなる が含まれる。
極端にGCリッチな配列は、時々PCRで増幅されないこ
とがあり、配列分析しにくいということが、従来技術に
おいて知られている。この意味で、PCRとサイクルシー
クエンス法との鎖伸長温度の差は、実験操作上重要であ
った。ある研究プロジェクトの中で、ヒトS71遺伝子座
の特異的領域はPCRで増幅することができたが、得られ
た断片を配列決定することはできなかった。明らかに、
PCRの場合には鎖伸長温度が72℃であるのに対して、サ
イクルシークエンス法では60℃であることが理由であっ
た。GおよびC塩基を類縁体の7−デアザGおよび5−
メチルCで置き換えることによって、あるDNA配列の熱
安定性を実験的に減少させると、相互作用が弱まるかも
しれない。全てのGおよびC位置を類縁体で置き換え
て、PCRで断片を調製するアプローチは、7−デアザdGT
Pが取込まれるために、失敗に終わった。しかし、Sequi
therm DNAポリメラーゼのプロトコールを含む諸プロト
コールでは、シークエンスゲル上への圧縮(compressio
n)を抑制するために、非色素ターミネーター反応にお
いて、72℃の鎖伸長温度で、唯一のG成分として該G類
縁体を用いている。
それ故、本発明では、まず一例として、Sequitherm
DNAポリメラーゼを選択し、高い鎖伸長温度(すなわち6
0℃を超える温度)で色素ターミネーターを取込むこと
を試みた。
以下では、図を参照しながら、本発明をさらに詳細に
説明する。
図1: Sequitherm DNAポリメラーゼを用いるサイクルシーク
エンス法の最適なプロトコール dNTP/色素ddNTP比を改良した後、72℃の鎖伸長温度
で、2分間、標準的なプライマー/テンプレートペアで
あるpS71JB/「β−gal forward」に対して、Sequitherm
DNAポリメラーゼを用いて、500塩基を超える配列が達
成された。21μLの最終容量当たり、0.5μgのテンプ
レート、10pmolのプライマー、2μLの5×TACS緩衝
液、1μLの30mM MgCl2、0.1μLの6mM dITP/2mMの各d
ATP/dTTP/dCTP/dGTP、1μLのABIヌクレオチドミック
ス、0.5μLの各色素ddA/色素ddG/色素ddT/0.25μLの
色素ddC、2.5Uの酵素、および最終容量21μLにするた
めの水を混合した。72℃2分の伸長条件で、SeqT580 PC
Rプロトコールを用いた。
図2: Tth DNAポリメラーゼを用いるサイクルシークエンス法
のための最適なプロトコール 72℃の鎖伸長温度で、2分間、標準的なプライマー/
テンプレートペアであるpS71JB/「β−gal forward」に
対して、Tth DNAポリメラーゼを用いて、500塩基を超え
る配列が達成された。21μLの最終容量当たり、0.5μ
gのテンプレート、10pmolのプライマー、4μLの5×
TACS緩衝液、1μLの30mM MgCl2、2μLの各500μM d
ITP/dATP/dTTP/dCTP/100μM dGTP、1μLのABIヌクレ
オチドミックス、0.5μLの各色素ddA/色素ddG/、0.25
μLの色素ddC、2.5Uの酵素、および最終容量21μLに
するための水を混合した。Sequitherm DNAポリメラー
ゼの場合と同様に、SeqT580 PCRプロトコールを72℃2
分の伸長条件に変更した。
図3: 一例としてReplitherm DNAポリメラーゼを用いる、マ
グネシウムを添加しない(a)、およびマグネシウムを
添加した(b)標準的サイクルシークエンス法 決定した標準的条件(0.5μgのテンプレート、10pmo
lのプライマー、1/2 ABI premix、0.5μLの各500μM d
ITP/dATP/dTTP/dCTP/100μM dGTP、2.5Uの酵素、および
最終容量21μLにするための水、伸長温度70℃を用いる
SeqT580 PCRプロトコール)を用いて、pS71JB1/「β−g
al forward」標準的プライマー/テンプレートペアにつ
いて、Replitherm DNAポリメラーゼを、1μLの30mM
MgCl2を添加せずに(a)、および添加して(b)テス
トした。
図4: 一例としてTfl DNAポリメラーゼを用いる、マグネシウ
ムを添加しない(a)、およびマグネシウムを添加する
(b)標準的サイクルシークエンス法 決定した標準的条件(0.5μgのテンプレート、10pmo
lのプライマー、1/2 ABI premix、0.5μLの各500μM d
ITP/dATP/dTTP/dCTP/100μM dGTP、2.5Uの酵素、および
最終容量21μLにするための水、伸長温度70℃を用いる
SeqT580 PCRプロトコール)を用いて、pS71JB1/「β−g
al forward」標準的プライマー/テンプレートペアにつ
いて、Tf1 DNAポリメラーゼを、1μLの30mM MgCl2
添加せずに(a)、および添加して(b)テストした。
図5: (a)72℃および(b)60℃の伸長温度で、pS71JB2/プ
ライマー4612テンプレート−プライマーペアを用いる標
準的Sequitherm サイクルシークエンス法 (a)72℃および(b)60℃の伸長温度で、pS71JB2/
プライマー4612テンプレート/プライマーペアを用いる
標準的Sequithermサイクルシークエンス法。両反応は、
設定した標準的プロトコール(0.5μgのテンプレー
ト、10pmolのプライマー、1/2 ABI premix、0.5μLの
各500μM dITP/dATP/dTTP/dCTP/100μM dGTP、1μLの
30mM MgCl2、2.5UのSequitherm DNAポリメラーゼ、お
よび最終容量21μLにするための水)に従って行った。
図5a)は、72℃2分間、SeqT580 PCRプロトコールを
用いた反応の結果を示す。図5b)は、60℃の鎖伸長温度
で4分間というABIが推奨するプロトコール(15秒95℃/
15秒50℃/4分60℃、25サイクル)を用いた反応の結果を
示す。
図6 アニーリング温度から鎖伸長温度への遷移を調節するこ
とによって、他のプライマー/テンプレートペアにシー
クエンスプロトコールを適用するためのパラメーター a)より低い温度での、より長いアニーリング時間。例
えば、図5に記載されているような標準的プロトコール
を適用して、温度およびプライマーのアニーリングステ
ップの時間を15秒50℃から30秒45℃に変えた。
b)伸長の前に、60℃のステップを入れる。アニーリン
グから鎖伸長への遷移を遅くするために、他の全てのパ
ラメーターをそのままにして、10秒60℃のステップを挟
んだ。
c)スペルミジンの添加 標準的プロトコールとは異なり、1/10volの30mMスペ
ルミジンを反応サンプルに添加して、プライマー/テン
プレートの相互作用を補助した。
60℃を超える鎖伸長温度でのサイクルシークエンス法 1.基本プロトコールの確立 最初の実験では、Sequitherm DNAポリメラーゼが、
色素ターミネーターを取込むために、マグネシウムイオ
ンが必要かどうかを、該ポリメラーゼをABI premixと混
合する場合に通常用いられる60℃の温度でテストした。
マグネシウムイオンは、DNAポリメラーゼに不可欠であ
ることが知られている。このために、ABIによる以下の
配列決定プロトコールを実行して、以下のように改変し
た。
21μLの最終容量に対して、 ・9μLのABI premix(4μLの5×TACS緩衝液/各々
1μLのABI dNTPミックス、色素A、G、C、T) ・10pmolのプライマー ・テンプレートDNA(1μgのプラスミド、〈0.5μgの
PCR産物) ・0.25μLのAmpliTaq の代わりに、0.5μLのSequith
erm DNAポリメラーゼを用いた。
・(20〜21μLになるように)水 を混合する。
油を使用しない、PE 9600 PCR装置中でのPCRサイクル 変性 96℃ 15秒 アニーリング 50℃ 15秒 鎖伸長 60℃ 4分 25サイクル 次に、フェノール抽出またはCATB沈殿によって、反応
サンプルを精製した。
しかし、上述のプロトコールは、不十分な結果しか与
えなかった。
上記のプロトコールとは異なり、我々は、ここでは異
なる濃度の塩化マグネシウムを添加した。同時に、ABI
キットの色素ターミネーターとヌクレオチドを用いて、
10×Sequitherm 反応緩衝液をテストした。無作為に選
択したプラスミドテンプレート、S71遺伝子座の一部、
および合成によって調製した22マー(22mer)「β−gal
forward」(CAGCTATGACCATGATTACGCC、53.9℃の融解温
度)を含有する、pUCに基づいたベクター用のシークエ
ンスプライマーとして有用な任意に選択したプラスミド
テンプレート、pS71JB1およびpS71JB2をモデルシステム
として選択した。
これらの基本的な実験で、ABI premixに30mM MgCl2
添加することにより(最終濃度で3.43mM)、Sequitherm
DNAポリメラーゼを用いると、60℃の鎖伸長温度で色
素ターミネーターの取り込みが可能となることが分かっ
た。65℃と70℃についても、これらの実験を繰り返し
た。しかし、60℃を超える鎖伸長温度では、早期のチェ
ーンターミネーションの増加が見られた。ここで見られ
た「過剰なカットオフ(excessive,cut off)」ピーク
は、テンプレートが大量であること、不適切なdNTP/タ
ーミネーター比、および/または不適切なPCRサイクル
によるものかもしれない。1/2、1/3または1/4の色素タ
ーミネーターとともに、半分の量のテンプレート(0.5
μgのプラスミドテンプレート)を用いることによっ
て、実質的に同様の結果が得られた。最後に、dNTP/色
素ターミネーター比の滴定によって、安定な実験が達成
され、この比率は、鎖伸長の時間とともに変化すること
が分かった。続く実験で用いたPCRサイクルは、SeqT580
と名づけられ、95℃15秒/50℃15秒/80℃7秒を5サイク
ル、95℃15秒/50℃15秒/70℃2分で30サイクルからな
る。簡単のために、我々は、この時点では、全ABI prem
ix以外は、各色素ターミネーター毎に濃度を滴定しなか
った。これを補うために、5サイクルの鎖伸長温度80
℃、7秒を行って、極めて濃縮された色素Tターミネー
ターおよび色素Cターミネーターの高い取り込みを減少
させた。
これらの予備的実験のために、以下の基本プロトコー
ルを確立して、さらなる最適化のために用いた。
21μLの最終容量に対して、以下の成分: −テンプレートとして0.5μgのプラスミドDNA(水に再
懸濁すると最も便利); −10pmolのプライマー; −4.5μLのABI premix(2μLの5×TACS緩衝液/各
々0.5μLの色素ddA/T/G/C、750μMのdITPおよび各150
μMのdATP、dTTP、dGTP、およびdCTPを含有する0.5μ
LのABI dNTPミックス); −0.5μLの各500μMのdITP/dATP/dTTP/dCTP/100μM d
GTP; −1μLの30mM MgCl2; −0.5μLのSequitherm DNAポリメラーゼ(5U)または
他の熱安定性DNAポリメラーゼ; −(21μLになるように)dH2O を混合して、上記のPCRサイクルにかけた。
PCRサイクルSeqT580は、上述のとおり。
ABI premix: 5×TACS緩衝液: 1μL ddA 400mM Tris−HCl 1μL ddG 10mM MgCl2 1μL ddC 100mM(NH42SO4、pH9.0 1μL ddT 1μL dNTP mix 4μL 5×TACS緩衝液 マグネシウムイオンの濃度を調節すれば、本発明によ
って、60℃を超える鎖伸長温度でも、Sequitherm DNA
ポリメラーゼを用いる色素ターミネーターによるサイク
ルシークエンス法を行うことができるであろう。一般的
に用いられるテンプレートの量および色素ターミネータ
ーの濃度を半分に減らすような一般的な実験操作によっ
て、反応条件を最適化し得る。色素ターミネーターの量
を減らすことによって、CTABによる迅速な精製が可能と
なる。
II.方法のパラメータの最適化 反応操作における以下のパラメーター(pS71JB1/β−
gal forwardテンプレート/プライマーペアに対して、S
equitherm および部分的にはTthおよびAmpliTaq DNA
ポリメラーゼ:TACS、MgCl2、dNTP、および色素ターミネ
ーターの必要性)の重要性を体系的にテストした。Sequ
itherm およびTth DNAポリメラーゼについての最適化
したプロトコールの結果を図1および2に、それぞれ図
示する。
TACSの必要性 既述のプロトコール(すなわち、PCRサイクル、色素
ターミネーター、dNTPおよびMg2+濃度は変化させない)
から始まって、種々の濃度の、ABIの5×TACS緩衝液: Sequitherm DNAポリメラーゼの場合、70℃の鎖伸長
温度で、0.5、2、3、4、6、7μLのTACS、Tth DN
Aポリメラーゼの場合、72℃の鎖伸長温度で、最終容量2
1μL当たり0.5、1、2、4、7μLのTACS(それぞ
れ、濃度として、0.125×、0.5×、0.75×、1×、1.5
×、または1.75μL)をテストした。Sequitherm DNAポ
リメラーゼの場合、1〜5μLの5×TACS緩衝液で最良
の結果が得られたのに対して、Tth DNAポリメラーゼ
は、全ての範囲のTACS濃度にわたって明白な相違がな
く、機能的であった。
結論的には、本実験条件下では、両DNAポリメラーゼ
は、比較的広い範囲の5×TACS緩衝液で用いることがで
きる。
色素ターミネーター この実験では、十分な配列を得るのに必要な色素ター
ミネーターの量を決定した。該実験は、Sequitherm DN
Aポリメラーゼを用いて行った。まず、上述の基本プロ
トコールにおいて、1/2、1/3、および1/4のABI premix
を用いた。1/4のpremixを用いても、読み取り可能な配
列が得られた。驚くべきことに、CおよびTピーク(こ
れらの色素ターミネーターは、ABI premix中で非常に濃
縮されている)は、まだ「過剰なカットオフ」が存在
し、濃度が高すぎることを示している。それ故に、実験
は、より高いNPT濃度(1μLのABI premixプラス0.5mM
dITP/dATP/dCTP/dTTP/0.1mM dGTP)で、0.5および2μ
Lの5×TACS緩衝液、および僅か25%の色素Tターミネ
ーター、色素Cターミネーター、または両ターミネータ
ーを添加して、実験を行った。色素C濃度を減らすと、
非常に良好な結果を得ることができた。対照的に、ヌク
レオチドをさらに添加しないと、色素Cおよび色素Tの
両者の量を減らした場合でも、あまり配列のクオリティ
ーはよくなかった。半分量のABI premixが標準的な値で
あることが確定された。
結論的には、このように、dNTP濃度およびPCRサイク
ルが互いに一貫しているならば、両DNAポリメラーゼに
対する色素ターミネーター濃度は、劇的に減らし得る。
ヌクレオチドの必要性 以下の実験は、Sequitherm およびTth DNAポリメラ
ーゼを用いて行った。上述のプロトコールに基づいて、
各0.5μLの色素AGT/0.25μLの色素Cとともに、1μ
LのABI dNTP mix(0.75mM dITP、0.15mM dATP/dTTP/dC
TP)/0.1μLの6mM dITP/0.5mM dATP/dTTP/dCTP/0.1mM
dGTPを添加すれば、500塩基を超える配列が得られた。
0.5μLの色素Cを用いると、さらに極めて長い配列が
得られたが、最初の約50塩基のGターミネーションが不
完全であり、1μLを用いると、配列ラダーは全く得ら
れなかった(第一の実験の各濃度は、約64μMのdITP/1
7μMのdATP/dCTP/dTTP/0.48μMのdGTP;第二の実験で
は、178.5μMのdITP/54.75μMのdATP/dCTP/dTTP/2.4
μM dGTP、第三の実験では、321.4μMのdITP/102.3μ
MのdATP/dCTP/dTTP/4.8μM dGTP)。
上述の基本プロトコールとは異なり、Tth DNAポリメ
ラーゼに対しては、異なる量(1、2、および5μL)
の、4μLの5×TACS緩衝液中の1)0.5mM dITP/dATP/
dTTP/dCTP(最終濃度は、約1.59μMのdITP/30.9μMの
dATP/dTTP/dCTP);2)93.3μM dITP/64.75μMのdATP/d
TTP/dCTP;3)154.7μM dITP/126.1μMのdATP/dTTP/dCT
Pを用いてテストした。後二者の濃度を用いると、400塩
基を有する配列が得られた。0.5mM dITP/dATP/dCTP/0.1
mMのdGTP(dGTPの最終濃度は、それぞれ4.8、9.6、また
は24μM)1または2μLのdNTP混合物を添加すれば、
500塩基を超える長さの鎖が得られた。
結論としては、dNTP/色素ddNTP比を調節すると、6%
ポリアクリルアミドゲルの分離能の限界に達するような
長さの配列が得られた。概して、ポリアクリルアミドゲ
ルのシグナルを圧縮するためにITPを用いるdNTP混合物
は、7−デアザdGTPを含有する均一に濃縮された混合物
に比べて、よりよい結果を与えた。
マグネシウムの必要性 Sequitherm DNAポリメラーゼについて、Mg2+の必要
性を体系的にテストした。0.5、1、2、3、5、およ
び10μLの30mMを添加し、残りの基本プロトコールは、
変えなかった。1〜5μLの範囲の30mM MgCl2で、最も
よい結果が得られたが、0.5μLの30mM MgCl2を添加す
ると、微かに悪化した。Tthポリメラーゼの場合、1お
よび10μLの30mM MgCl2を用いる実験、さらには全くMg
Cl2を用いない実験でも、反応は上手くいった。
結論的には、本実験条件では、両ポリメラーゼは、広
範なマグネシウム濃度を許容する。Sequitherm DNAポ
リメラーゼの場合、至適濃度は約2.5mMであるが、Ampli
Taq およびTth DNAポリメラーゼの場合には、〈2mMのM
gCl2である。
異なるパラメーターを有するサイクル条件 ある実験では、マグネシウムイオン濃度を変化させず
に、種々のパラメーターを変化させた。特に、1μLの
ABIヌクレオチド、すなわち1μLの15μmM dNTPを添加
して、1、2、3μLのTACSをテストすれば、僅か1分
の鎖伸長時間では、満足な結果が得られなかった。鎖伸
長温度を90秒まで延長すれば、添加したTACSの様々な量
で、およびdNTP(1μLのABI dNTP mix、最終濃度35.7
1μMのdITP/7.14μMのdATP/dTTP/dCTP)を添加した場
合の何れにおいても、明瞭な効果がみられた。70℃3分
と比べて、72℃で2分の鎖伸長時間の増幅サイクルにお
いて、上述した「長い配列」のdNTP濃度(1μLのABI
dNTPプラス0.1μLの6mM dITP/0.5mM dATP/dTTP/dCTP/
0.1mM dGTP)で、Sequitherm DNAポリメラーゼをテス
トしたすると、最終的に劇的な差がみられた。第一の場
合、500塩基を超えるラダーを得ることができたが、第
二の場合には、200塩基しか得られず、PCRサイクルとdN
TP濃度との関係が強調される。さらに、Tth DNAポリメ
ラーゼの場合、2μLの0.5mM dITP/dATP/dTTP/dCTP/
0.1mM GTP(最終濃度57.6μMのdATP/dTTP/dCTP/9.6μ
M dGTP)を用いると、70℃3分と比べて、72℃で2分の
鎖伸長時間において、さらによい結果が得られた(500
塩基を超える配列長)。
これらの実験は、何れの場合においても、ポリメラー
ゼは、色素ターミネーターを用いるサイクルシークエン
ス法プロトコールにおける1kb/分というPCRの「標準速
度」が達成されないことを実証している。PCRから、マ
グネシウムイオンの濃度、およびdNTPの総濃度は、互い
に関連することが知られている。本明細書では、鎖伸長
時間と色素ターミネーター/dNTP比には、さらなる関連
性が存在することが示されたといえよう。
鎖伸長温度 さらに、72℃の鎖伸長温度で、上述の基本プロトコー
ルを実行した場合、色素ターミネーターが、極めてよく
取込まれることが明らかとなった。Sequitherm ポリメ
ラーゼ、および特にTth DNAポリメラーゼは、75℃でも
きわめてよく機能した。しかし、80℃の鎖伸長温度で
は、明確に劣った結果が得られた。
このように、色素ターミネーターを用いるサイクルシ
ークエンス法では、超好熱性DNAポリメラーゼは、PCRで
の場合と同様の至適温度を示すが、古典的なPCRの反応
速度は達成されない。
校正活性を有するものがある、他のDNAポリメラーゼの
「触媒量」の添加 「長いPCR(long PCR)」では、不正確に取込まれた
ヌクレオチドによって、早期のチェーンターミネーショ
ンが生ずることが知られている。それ故、僅かに(Ampl
iTaq )、または完全に機能的な3′,5′エキソヌクレ
アーゼ活性を有するDNAポリメラーゼを「触媒として」
活性な量添加することを試みた。わずか1分の伸長時間
を用いる実験では、触媒量の0.5UのPfuまたは0.5UのAmp
liTaq は、1/1混合物に比べて、よい配列を与えた。酵
素混合物を用いて、配列決定プロトコールを最適化する
ことができた。
添加物 PCRおよびDNA配列決定を改善するために、テンプレー
トDNA二重鎖の熱的安定性に若干の影響を与える、界面
活性剤Tween 20 およびTriton X 、並びに「共溶媒
(co−solvent)」DMSOおよびグリセロールを用いた。6
0℃のAmpliTaq DNAポリメラーゼによるDNA配列決定を
改善するために使用した添加物の添加を、72℃でのSequ
itherm およびTth DNAポリメラーゼについてもテスト
した。その結果は、典型的に用いられる添加物では、使
用したプライマー/テンプレートペアに対して、Sequit
herm およびTth DNAポリメラーゼを用いる配列決定を
さらに改良することはできないことを示している。
III.60℃を超える鎖伸長温度での他の超好熱性DNAポリ
メラーゼの使用 以下の実験では、我々は、Sequitherm DNAポリメラ
ーゼの他に、他の超好熱性DNAポリメラーゼが、60℃を
超える鎖伸長温度での、色素デオキシターミネーターを
用いるサイクルシークエンス法において有用であるかど
うかを調べた。
上述の基本配列決定プロトコール(PCRサイクルSeqT5
80、テンプレートとしてpS71JB1、プライマーとしてβ
−gal forward)を用いて、以下の超好熱性DNAポリメラ
ーゼが、1μLの30mM MgCl2を添加して、および添加せ
ずに、70℃の鎖伸長温度で色素ターミネーターを取り込
む能力について調べた。以下の超好熱性DNAポリメラー
ゼ:Sequitherm(Epicentre)、Tth(Epicentre、Boehri
nger)、Taqplus(Stratagene)、Expand HIFI(Boehri
nger)、Tfl(Epicentre)、Replitherm(Epicentr
e)、およびGoldstar(Eurogentec)が、1μLの30mM
MgCl2を添加したときに、70℃の鎖伸長温度で機能する
ことが分かった。全体的に結果は劣っていたが、MgCl2
を添加することによって、基本的に、Deep Vent、Vent
exo−、および9゜N DNAポリメラーゼも70℃の伸長温度
で使用できる。驚くべきことに、以下の超好熱性DNAポ
リメラーゼ:Goldstar 、Boehringer HIFI、TaqPlu
s 、Tth、Tfl、およびAmpliTaq は、1μLの30mM Mg
Cl2(すなわち、初めのプロトコールで既に用いたMgCl2
の量)を添加しなくても、60℃を超える鎖伸長温度で使
用できることが明らかとなり、一般的に、超好熱生物か
ら得られる多くのDNAポリメラーゼが、サイクルシーク
エンス法の色素ターミネーターを取込み得ることが示さ
れた。
このように、調べたプライマー/テンプレートペアに
対して、テストした全てのDNAポリメラーゼが、70℃の
鎖伸長温度で、色素ターミネーターを取り込み得ること
が明らかとなった。これらの発見は、Replitherm およ
びTfl DNAポリメラーゼについて、それぞれ、図3およ
び4に図示されている。
IV.該結果の他のプライマー/テンプレートペアへの適
用可能性 他のプライマー/テンプレートペアを用いて、60℃を
超える温度での色素ターミネーターを用いるサイクルシ
ークエンス法に、超好熱性DNAポリメラーゼが使用でき
るかどうか調べるために、pS71JB2およびプライマーと
してβ−gal、並びにpS71JB4およびS71特異的プライマ
ー4935を用いて実験を行った。特に、プライマーアニー
リングから鎖伸長への遷移が、本発明の方法にとって、
特に重要であることが分かった。とりわけ、スペルミジ
ンの添加は、本発明の方法にプラスの効果を有してい
た。
このように、本発明によって、超好熱性DNAポリメラ
ーゼが、60℃を超える鎖伸長温度で、特に70〜75℃の範
囲の温度で、最適には72℃でも、色素ターミネーターを
用いるサイクルシークエンス法に使用できることが分か
った。本発明で使用するのが、特に好ましいのは、Sequ
itherm およびTth DNAポリメラーゼである。しかし、
それ自体公知である他の超好熱性DNAポリメラーゼも使
用できるかもしれない。用いたプライマー/テンプレー
トペアおよびDNAポリメラーゼに応じて、色素ターミネ
ーターを用いるサイクルシークエンス法の実験条件は、
従来の方法によって、最適化されるであろう。これら
は、当業者に公知の色素ターミネーターを用いるサイク
ルシークエンス法の操作の一般的な修飾であり、本発明
においては、鎖の伸長には、60℃を超える温度を用い
る。
特に、サイクルシークエンス法の最適化においては、
以下の実験条件: −マグネシウムイオンの濃度; −緩衝液の組成: −マグネシウムイオンを他の金属イオンに置換するこ
と; −ヌクレオチドの濃度; −超好熱性DNAポリメラーゼの濃度; −PCR条件、特にプライマーアニーリング、およびプラ
イマーアニーリング温度と鎖伸長温度(常に60℃を超
え、好ましくは70〜75℃の至適範囲内にある)との遷移
条件; −例えば、PEGおよびスペルミジンのようなDNA構造の安
定化物質を添加することによって、プライマーアニーリ
ング、鎖伸長、および酵素活性を刺激するための添加物
を適切に選択すること; は、相互に関連付けて調整し、用いるプライマー−テン
プレートペアおよびDNAポリメラーゼに応じて最適化し
なければならない。
本発明は、60℃を超える温度で、超熱安定性DNAポリ
メラーゼが、一般的に色素ターミネーターのような修飾
されたジデオキシヌクレオチドを取り込むことができる
ことを初めて示したものである。この発見は、このよう
なヌクレオチド類緑体の使用を意図する配列決定プロト
コールおよび増幅プロトコールの最適化にとって、広範
な重要性をもたらす。このため、得られた結果は、60℃
でしか利用できない従前のプロトコールを適用するため
には、使用する各プライマー/テンプレートペアに対す
る反応条件を調整することによって、最適化しなければ
ならないことを明確に示している。このように、60℃お
よび72℃で、PS71JB2/プライマー4612を用いて行った実
験は、アニーリングから鎖伸長への遷移が重要な点であ
ることを明確に実証する。
この発見は、アニーリング時間を延長して(15秒から
30秒に)、より低いアニーリング温度(50℃から45℃)
にPCRサイクルを改変し、50℃でのアニーリングと72℃
での伸長の間に、60℃10秒というステップを挟むと、結
果が劇的に改善されるという事実によって支持される。
スペルミジンのような添加物によって、プライマー/テ
ンプレート相互作用を促進すれば、同様に72℃の基本プ
ロトコールと比べて、きわめて改善された結果が得られ
る。本発明のさらなる新規性は、とりわけスペルミジン
の使用である。これは、例えば制限消化およびゲルシフ
ト実験におけるDNA−タンパク質相互作用を促進するた
めに使用されてきたが、色素ターミネーターを用いるDN
A配列決定のためのアジュバントとして用いられること
は決してなかった。
AmpliTaqFS を使用し、色素ターミネーター濃度を極
度に減らしたABI社の新規サイクルシークエンスキット
に、Thermosequenase DNAポリメラーゼを適用する際
に、該研究の使用は、既にきわめて良好な結果を部分的
にもたらした。スペルミジンのような添加物を添加する
ことによって、AmpliTaq FS DNAポリメラーゼによって
「置換された」AmpliTaq DNAポリメラーゼを用いて、
配列を得ることさえ可能である。さらに、Tth およびS
equitherm DNAポリメラーゼについては、AmpliTaq
比較して、色素ターミネーターの必要量が少なく、マグ
ネシウムを添加するだけで、簡便に利用できる60℃のプ
ロトコールを確立することができるであろう。既に上述
したように、AmpliTaq DNAポリメラーゼに対する反応
条件は、さらに極めて改良できるであろう。
結論として、本発明は、超好熱性DNAポリメラーゼの
新規使用のみならず、超好熱性DNAポリメラーゼおよび
置換されたヌクレオチドを用いるプロトコールを確立お
よび最適化するためのパラメーターおよび添加物を記載
する。本発明にとって特に重要で、且つ本発明の実施に
とって不可欠な発見は、60℃を超える温度で、マーカー
置換されたジデオキシヌクレオチドによるDNAのサイク
ルシークエンス法を行うためには、以下のパラメーター
を互いに関連付けて調節しなければならないということ
である。これらのパラメーターは、 −反応用緩衝液; −デオキシヌクレオチド; −マーカー置換されたジデオキシヌクレオチド; −プライマーおよびテンプレートDNA; −添加物; −用いるDNAポリメラーゼ、テンプレート/プライマー
ペア、および反応用緩衝液に応じた、各温度段階の間の
ランピング時間(ramping time) である。
フロントページの続き (56)参考文献 欧州特許出願公開655506(EP,A 1) Int.J.Syst.Bacter iol.,Vol.45,No.4 (1995)p.811−819 PCR Methods App l.,Vol.3,No.5(1994) p.S107−S112 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/68 C12N 15/09 BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マーカーとして色素で標識されたジデオキ
    シヌクレオチドを用いて、500塩基を超える配列ラダー
    を得る1レーン技法型のDNAサイクルシークエンス法の
    改良において: 前記サイクルシーケンス法は、 a)少なくとも反応用緩衝液、デオキシヌクレオチド、
    マーカー標識されたジデオキシヌクレオチド、プライマ
    ー及び二重鎖DNAテンプレート、水、並びに、必要に応
    じてさらに添加物を混合して、相互に関連付けてそれら
    の濃度を調整する工程と; b)少なくとも一つの超熱安定性DNAポリメラーゼを添
    加する工程と; c)下記を含むPCRシークエンシングサイクルを行う工
    程と; ・適切な温度でテンプレートDNAを変性すること; ・適切な温度でプライマーをアニーリングすること; ・適切な温度で鎖を伸長させることと;並びに ・用いるDNAポリメラーゼ、テンプレート/プライマー
    ペア、及び反応用緩衝液に応じて、各温度段階間のラン
    ピング時間を調整すること; d)反応サンプルを精製する工程と; e)DNA鎖を分離して、DNA配列を決定するために検出す
    る工程と; を具備し、 前記方法の改良は、 (i)前記ステップc)において、65℃〜75℃の温度で
    鎖の伸長を行うことと; (ii)用いるプライマー/テンプレートペア及びDNAポ
    リメラーゼに応じて、65℃〜75℃の温度範囲の鎖伸長を
    可能とするために、 ・金属イオン濃度; ・ヌクレオチド濃度; ・DNAポリメラーゼ濃度;及び ・プライマーアニーリングの条件及びプライマーアニー
    リングから鎖伸長温度への遷移条件; を調整することと; (iii)プライマーアニーリング、鎖伸長、及びDNAポリ
    メラーゼ活性を刺激するための添加物を添加すること
    と; を含むことを特徴とする改良されたサイクルシークエン
    ス法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法であって、緩衝液
    が、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを
    含有する方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の方法であって、前記アル
    カリ土類金属イオンとして、マグネシウムイオンを用い
    る方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の方法であって、前記ステ
    ップc)において、68℃〜73℃の範囲の温度で、鎖の伸
    長が行われる方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の方法であって、前記ステ
    ップc)において、70℃〜72℃の範囲の温度で、鎖の伸
    長を行う方法。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の方法であって、前記ステ
    ップa)において、ポリエチレングリコール、DNA構造
    の安定化物質もしくは双方を添加することを更に具備す
    る方法。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の方法であって、マーカー
    として蛍光色素で標識されたジデオキシヌクレオチドを
    用いる方法。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の方法であって、DNA構造
    の安定化物質としてスペルミジンを添加する方法。
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