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JP3359425B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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Publication number
JP3359425B2
JP3359425B2 JP18384994A JP18384994A JP3359425B2 JP 3359425 B2 JP3359425 B2 JP 3359425B2 JP 18384994 A JP18384994 A JP 18384994A JP 18384994 A JP18384994 A JP 18384994A JP 3359425 B2 JP3359425 B2 JP 3359425B2
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JP
Japan
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magnetic
fatty acid
powder
less
ferromagnetic metal
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JP18384994A
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亮介 磯辺
秀明 若松
彰 斉藤
昭彦 関
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Konica Minolta Inc
TDK Corp
Original Assignee
Konica Minolta Inc
TDK Corp
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Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc, TDK Corp filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP18384994A priority Critical patent/JP3359425B2/ja
Publication of JPH07182649A publication Critical patent/JPH07182649A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温高湿下に長期に渡
って保存しても、保存以前に得られる高い電磁変換特性
を劣化させることなく維持する磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高記録密度磁気記録媒体への要求
としては、益々高度なものが要求されてきている。この
要求に対して、磁性粉末として強磁性金属磁性粉末を用
いることによって、記録密度の向上を図る方法がよく知
られている。しかし、この方法だけでは、近年望まれて
いる高記録密度磁気記録媒体への要求を充分に満たすこ
とは出来なかった。
【0003】そこで、他なる方法として高周波数から低
周波数に及ぶ広範囲での再生出力を向上させるために、
磁気記録媒体の重層構造化が行われている。これは、高
周波数対応の上層と、低周波数対応の下層とを設け、広
範囲の周波数に対応させ、記録密度の向上を図る方法で
ある。特に、この時要求される技術としては上層の薄膜
化である。
【0004】更に、より一層の高記録密度の要求に対し
ては、磁性層の薄膜化を図ることによる自己減磁、再生
減磁の低減をする方法がある。これは、磁気記録媒体の
重層構造において、上層を薄膜の磁性層、下層を非磁性
層にする方法である。そしてこれらの方法に加えて、更
に磁性粉末を改良することにより記録密度の向上が図ら
れている。
【0005】このように保存以前の段階で高記録密度の
磁気記録媒体を得ることは比較的容易ではあるが、あら
ゆる環境下、特に高温高湿下に長期に渡って保存した時
に、高い電磁変換特性を維持し続けることは極めて困難
である。例えば、高温高湿下に保存後の再生出力の低
下、ドロップアウトの増加に対する解決方法として、磁
性粉末の水溶性カルシウム量を100ppm以下にする
ことが特開平4−146519号公報に記載されている
が、この方法では高温高湿下に保存したときに保存以前
に得られる高い電磁変換特性を維持する磁気記録媒体を
得ることは出来ず、この条件を満たしていても高温高湿
下に保存したとき、再生出力の低下、ドロップアウトの
増加を十分に防止することはできなかった。
【0006】そこで、本発明者らは、高温高湿下に長期
に渡って保存したときに保存以前に得られる高い電磁変
換特性を維持し、充分な信頼性を保証された磁気記録媒
体を得るために、あらゆる環境下での保存実験を行い、
検討を行った結果、高温高湿下に長期に渡って磁気記録
媒体を保存すると、保存以前に得られる再生出力が大幅
に低下し、ドロップアウトが増加し、ヘッドの目詰まり
が発生する現象を見出した。この現象は磁気記録媒体の
磁性層が単層でも発生するが、特に重層構造において顕
著に発生することがわかった。この現象の原因につい
て、鋭意研究の結果、本発明者らは次のことが起因して
いることを突き止めた。
【0007】通常、高温高湿下に保存したときに発生し
やすい問題としては、強磁性金属粉末の酸化による磁性
粉末の劣化が考えられる。この可能性について検討を行
ったが、特に強磁性金属粉末が酸化しているという結果
は得られなかった。しかし、高温高湿下に長期に渡り保
存すると磁性層表面に多数の突起が発生することがわか
った。本発明者は、この突起によりスペーシング損失が
起こり再生出力の低下に繋がり、またこの突起とヘッド
とが衝突することにより突起が磁性層表面から脱落し、
脱落したものがヘッド上に集積しヘッド目詰まりを起こ
したり、更に、脱落が頻繁に起こりドロップアウトの増
加を起こすと推測した。
【0008】次に、本発明者らは突起の発生箇所におけ
る解析を行った。その結果、この発生箇所には特有の物
質が存在することが判明した。その物質は脂肪酸金属塩
の結晶(例えばステアリン酸バリウム、ステアリン酸カ
ルシウム等)であった。この突起の発生箇所に特有の脂
肪酸金属塩(水に対して不溶性の金属セッケン)の発生
を抑制することにより、前記に掲げた問題である高温高
湿下に長期に渡り保存しても充分な信頼性が保証され、
保存以前に得られる高い電磁変換特性を維持する磁気記
録媒体を提供できるものと考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
問題に鑑み高温高湿下に長期に渡り保存してもドロップ
アウトの増加、再生出力の低下、ヘッドの目詰まり等を
発生せずに、保存以前に得られる高い電磁変換特性を維
持した磁気記録媒体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者らは、非磁性支持体上に特定の強磁性金属粉
末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有すること
により、高温高湿下に長期に渡り保存しても保存以前に
得られる高い電磁変換特性を維持した磁気記録媒体を得
ることを見出し、本発明1〜10に到った。すなわち、
本発明の課題は下記の構成によって達成される。
【0011】1.非磁性支持体上に少なくとも強磁性金
属粉末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する
磁気記録媒体において、前記磁性層に配向処理された前
記強磁性金属粉末の表面を形成する元素の平均存在比率
が、Fe原子数100に対してNa原子数1未満、アル
カリ土類元素の原子数40以下、希土類元素の原子数1
〜50であり、前記脂肪酸の炭素原子数が12〜24個
であることを特徴とする磁気記録媒体。
【0012】ここで、アルカリ土類元素としては、M
g、Ca、Sr、Ba、Raなどが挙げられ、これらか
ら選ばれる1種以上の元素を含有、また希土類元素とし
てはSm、Nd、Y、La、Prなどが挙げられ、これ
らから選ばれる1種以上の元素を含有する。
【0013】2.非磁性支持体上に少なくとも強磁性金
属粉末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する
磁気記録媒体において、前記強磁性金属粉末全体におけ
る元素の重量比が、Fe原子100重量部に対してAl
原子2〜10重量部、希土類元素の原子1〜8重量部、
アルカリ土類元素の原子0.1〜5重量部、Na原子
0.01重量部未満であり、かつ前記強磁性金属粉末の
表面を形成する元素の平均存在比率が、Fe原子数10
0に対してAl原子数70〜300、希土類元素の原子
数0.5〜60、アルカリ土類元素の原子数40以下、
Na原子数4未満であり、かつ前記脂肪酸の炭素原子数
が12〜24個であることを特徴とする磁気記録媒体。
【0014】3.非磁性支持体上に少なくとも強磁性金
属粉末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する
磁気記録媒体において、前記強磁性金属粉末は水浸した
ときに、該強磁性金属粉末より遊離するアルカリ土類元
素の金属イオンが30ppm未満、ナトリウムイオンが
200ppm未満、かつ塩酸溶液に溶解するナトリウム
が300ppm未満であって、前記脂肪酸の炭素原子数
が12〜24個であることを特徴とする磁気記録媒体。
【0015】4.非磁性支持体上に少なくとも強磁性金
属粉末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する
磁気記録媒体において、前記強磁性金属粉末は、水浸し
たときに遊離する金属イオンが90ppm以下である遊
離状態での酸解離定数が8以上14未満の元素、及び水
浸したときに遊離する金属イオンが200ppm未満で
あり、かつ塩酸溶液への溶解量が300ppm未満であ
る遊離状態での酸解離定数が14以上の元素を含有し、
前記脂肪酸の炭素原子数が12〜24個であることを特
徴とする磁気記録媒体。
【0016】5.非磁性支持体上に強磁性金属粉末を含
有する上層と磁性粉末又は非磁性粉末を含有する下層と
を設けてなる磁気記録媒体において、前記磁性粉末又は
非磁性粉末は水浸したときに、該磁性粉末又は非磁性粉
末より遊離するナトリウムイオンが100ppm未満、
かつ塩酸溶液に溶解するナトリウムが130ppm未満
であって、前記上層と前記下層の少なくとも一方に炭素
原子数12〜24個の脂肪酸を含有することを特徴とす
る磁気記録媒体。
【0017】6.非磁性支持体上に少なくとも強磁性金
属粉末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する
磁気記録媒体において、前記磁性層に配向処理された前
記強磁性金属粉末の表面を形成する元素の平均存在比率
が、Fe原子数100に対してNa原子数1以上、アル
カリ土類元素の原子数40以下、希土類元素の原子数1
〜50であり、前記脂肪酸の炭素原子数が12〜24個
であり、かつ該脂肪酸のうちの遊離脂肪酸量が8.0m
g/m以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
【0018】7.非磁性支持体上に少なくとも強磁性金
属粉末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する
磁気記録媒体において、前記強磁性金属粉末全体におけ
る元素の重量比が、Fe原子100重量部に対してAl
原子2〜10重量部、希土類元素の原子1〜8重量部、
アルカリ土類元素の原子0.1〜5重量部、Na原子
0.1重量部未満であり、かつ前記強磁性金属粉末の表
面を形成する元素の平均存在比率が、Fe原子数100
に対してAl原子数70〜300、希土類元素の原子数
0.5〜60、アルカリ土類元素の原子数1〜40、N
a原子数4以上であり、前記脂肪酸の炭素原子数が12
〜24個であり、かつ該脂肪酸のうちの遊離脂肪酸量が
8.0mg/m以下であることを特徴とする磁気記録
媒体。
【0019】8.非磁性支持体上に少なくとも強磁性金
属粉末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する
磁気記録媒体において、前記強磁性金属粉末は水浸した
ときに該強磁性金属粉末より遊離するアルカリ土類元素
の金属イオンが30ppm以下、ナトリウムイオンが2
00ppm以上、及び塩酸溶液に溶解するナトリウムが
300ppm以上であって、前記脂肪酸の炭素原子数が
12〜24個であり、かつ該脂肪酸のうちの遊離脂肪酸
量が8.0mg/m2以下であることを特徴とする磁気
記録媒体。
【0020】9.非磁性支持体上に少なくとも強磁性金
属粉末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する
磁気記録媒体において、前記強磁性金属粉末は、水浸し
たときに遊離する金属イオンが90ppm以下である遊
離状態での酸解離定数が8以上14未満の元素及び水浸
したときに遊離する金属イオンが200ppm未満であ
り、又は塩酸溶液への溶解量が300ppm以上である
遊離状態での酸解離定数が14以上の元素を含有し、前
記脂肪酸の炭素原子数が12〜24個であり、かつ該脂
肪酸のうちの遊離脂肪酸量が8.0mg/m2以下であ
ることを特徴とする磁気記録媒体。
【0021】10.非磁性支持体上に強磁性金属粉末を
含有する上層と磁性粉末又は非磁性粉末を含有する下層
とを設けてなる磁気記録媒体において、前記磁性粉末又
は非磁性粉末は水浸したときに、該磁性粉末又は非磁性
粉末より遊離するナトリウムイオンが100ppm以
上、及び塩酸溶液に溶解するナトリウムイオンが130
ppm以上であって、前記上層と前記下層の少なくとも
一方に炭素原子数12〜24個の脂肪酸を含有し、かつ
該脂肪酸のうちの遊離脂肪酸量が8.0mg/m2以下
であることを特徴とする磁気記録媒体。
【0022】又以下に述べる実施態様がより好ましい。
前記非磁性支持体と前記磁性層との間に、少なくとも1
層の下層を設けた磁気記録媒体であることが好ましく、
又、磁性層の乾燥膜厚は0.02〜1.0μmが好まし
く、更に好ましくは、0.1〜0.6μmである。また
重層構造にしたときの下層の乾燥膜厚は0.2〜2.0
μmが好ましく、更に好ましくは、0.3〜1.5μm
である。
【0023】又、請求項1〜請求項4及び請求項6〜請
求項9記載の発明において、前記下層に含有される前記
磁性粉末又は非磁性粉末は水浸したときに、該磁性粉末
又は該非磁性粉末より遊離するナトリウムイオンが13
0ppm未満であることが好ましい。又、下層の前記磁
性粉末又は非磁性粉末が針状であることが好ましく、又
該下層に炭素原子数12〜24個の脂肪酸を含有した磁
気記録媒体によって達成することが好ましい。
【0024】以下本発明を詳述する。本発明者らは高温
高湿下に長期保存する際に、磁性層表面に突起が発生す
ることを見出し、この突起と高記録密度の磁気記録媒体
の電磁変換特性の劣化に相関があることを見出した。こ
の突起が発生する条件の検討を行った結果、以下の3つ
の条件が満たされるときに突起が発生することがわかっ
た。
【0025】第1の条件は非磁性支持体上の層中の脂肪
酸の存在状態、第2の条件は磁性層に含有される強磁性
金属粉末の特性、又は磁性層に含有される強磁性金属粉
末と下層に含有される磁性粉末又は非磁性粉末の特性、
第3の条件は高温高湿(40〜60℃/70〜90%R
H)下に保存されることである。
【0026】即ち、これらの条件のうち一つでも除かれ
れば突起の発生は防止できる。しかし、掲げた第3の条
件は保存状態であり磁気記録媒体から制御は出来ない。
従って、他の2つの条件をコントロールすることにより
高温高湿下に長期保存しても保存以前に得られる高い電
磁変換特性を維持する磁気記録媒体を得ることが出来
た。
【0027】この突起の発生するメカニズムは明らかで
はないが、次の反応が予想される。 a.高温高湿下での媒体に付着した水に磁気記録媒体中
の磁性粉末又は非磁性粉末よりナトリウムイオンが溶出 b.高温高湿下での媒体に付着した水に遊離脂肪酸が溶
解 c.水に溶解した脂肪酸とナトリウムイオンが反応 RCOOH + Na → RCOONa + H RCOOH: ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチ
ン酸などRCOONaは水への溶解性が高い d.c.のHにより、磁気記録媒体中の磁性粉末又は
非磁性粉末よりカルシウムイオン、バリウムイオンなど
が溶出 e. RCOONa と水に溶出したカルシウムイオ
ン、バリウムイオンなどが反応 2RCOONa + Ca2+ → (RCOO)
Ca↓+ 2Na 2RCOONa + Ba2+ → (RCOO)
Ba↓+ 2Na この反応において、金属イオン(Ca2+、Ba2+
ど)は水に対して不溶性の金属セッケンを生成する元素
であれば同様の反応を示す f.(RCOO)Ca、(RCOO)Baは水に対
して不溶性であるため結晶化し、析出してこれが突起の
発生原因となる。
【0028】前記反応は工業的に金属セッケンを製造す
る方法の一つである。金属セッケンの一般的な製造方法
は、複分解法(水溶媒系、アルコール溶媒系)、直
接法(溶融法、半溶融法、スラリー法、固相法、溶媒
法)の2つに大別される。
【0029】複分解法の特徴 ・反応速度が速く、低温においても容易に進行する ・金属セッケンは一般的に水不溶性であるため、アルカ
リセッケン(水可溶性)と金属塩の水溶液を混合するこ
とにより、生成した金属セッケンは直ちに沈殿物として
析出され、反応は瞬時に完了する RCOOH + NaOH → RCOONa + H
O (中和反応) 2RCOONa+CaCl→(RCOO)Ca+2
NaCl(複分解)
【0030】直接法の特徴 ・反応速度が遅く、反応温度が高い ・脂肪酸と金属の酸化物、水酸化物とを生成する金属セ
ッケンの融点以上の温度に保ち、反応によって生じた水
を系外に蒸発させて反応を進める 2RCOOH + CaO → (RCOO)Ca
+ HO 2RCOOH+Ca(OH)→(RCOO)Ca+
2H
【0031】前記の直接法による反応では生成する金
属セッケンの融点以上(例えばステアリン酸カルシウム
の場合、融点は約150℃)で反応をさせなければなら
ないので、本発明でいう高温高湿下とは大きく隔たり、
直接法の反応が磁気記録媒体の保存時におこっていると
は考えにくい。
【0032】従って、本発明において起こっている反応
は前記の複分解法であり、反応から明らかなように、こ
の反応の特徴は脂肪酸とカルシウム、バリウムなどの水
に不溶性の金属セッケンを生成する元素との直接的な反
応ではなく、間接的に反応が起こっていると考えられ
る。
【0033】突起の発生を抑制するには前記に記載した
反応a、bを抑制すると反応cが抑制され、それ以後の
反応が起こりにくくなる。従って、反応a、bを抑制す
ることが突起の発生に大きく起因する。その解決方法を
次に示す。 ・ナトリウムイオンの水への溶出を抑制する ・脂肪酸の水への溶出を抑制する ・カルシウム、バリウムなどの水に不溶性の金属セッケ
ンを生成する元素の溶出を抑制する 以上3つの解決方法により、突起の発生が抑制され、高
温高湿下に保存後も高い電磁変換特性を維持する磁気記
録媒体が得られる。
【0034】ナトリウムイオンの水への溶出を抑制する
ために、磁性層に配向処理された強磁性金属粉末の表面
に存在する元素の平均存在比率を制御することによりナ
トリウムイオンの溶出量を制御する。また、ナトリウム
イオンの水への溶出及びカルシウム、バリウムなどの水
に不溶性の金属セッケンを生成する元素の溶出を抑制す
るために、強磁性金属粉末の全体組成と表面状態を制御
することにより、ナトリウムイオン、アルカリ土類元素
の溶出量を制御する。
【0035】本発明に用いられる請求項1に示される配
向、乾燥した磁性塗膜中に存在する強磁性金属粉末の表
面を形成する元素の平均存在比率はXPS表面分析装置
を用いてその値を測定する。
【0036】次にその方法について説明する。XPS表
面分析装置を以下の条件にセットする。 X線アノード;Mg 分解能;1.5〜1.7eV(分解能は清浄なAg3d
5/2ピークの半値幅で規定する) XPS表面分析装置としては、特に限定はなく、いかな
る機種も使用することが出来るが、本発明においては、
VG社製ESCALAB−200Rを用いた。
【0037】以下の測定範囲でナロースキャンを行い、
各元素のスペクトルを測定した。この時、データの取り
込み間隔は、0.2eVとし、目的とするピークが以下
に示す最低カウント数以上のカウントが得られるまで積
算することが必要である。
【0038】 ピーク 測定範囲 最低検出強度 (結合エネルギーeV) (カウント) C1s 305〜280 任意 Fe2p3/2 730〜700 60万 Na(KL2323) 280〜250 60万 オージェピーク 得られたスペクトルに対して、C1sのピーク位置が2
84.6eVになるようにエネルギー位置を補正する。
【0039】次に、VAMAS−SCA−JAPAN製
のCOMMON DATA PROCESSING S
YSTEM Ver.2.3(以下、VAMASソフト
と称する)上で処理を行うために、前記のスペクトルを
各装置メーカーが提供するソフトを用いて、VAMAS
ソフトを使用することができるコンピューターに転送す
る。そして、VAMASソフトを用い、転送されたスペ
クトルをVAMASフォーマットに転換した後、データ
処理を行う。
【0040】定量処理に入る前に、各元素についてCo
unt Scaleのキャリブレーションを行い、5ポ
イントのスムージング処理を行う。各元素のピーク位置
を中心として、次表に示す定量範囲でピークエリア強度
(cps*eV)を求める。以下に示した感度係数を使
用し、各元素の原子数%を求める。原子数はFe原子数
100に対する原子数に換算し定量値とする。 元素 ピーク位置 定量範囲 感度係数 (B.E.:ev) (B.E.:ev) Fe 719.8付近 高B.E.側5ev, 10.54 低B.E.側7ev Na 264.0付近 高B.E.側2ev, 7.99 付近にある極小値, 低B.E.側6ev 上記元素以外については以下の条件で測定した。
【0041】
【表1】
【0042】〈試料準備方法〉上記測定をする前に媒体
(磁気テープ)の前処理を行う。
【0043】磁気テープからバインダー樹脂をプラズマ
低温灰化処理法で除去し磁性粒子を露出させる。処理方
法はバインダー樹脂は灰化されるが磁性粒子はダメージ
を受けない条件を選択する。例えば、以下に記す装置及
び処理条件で処理した後、配向処理された強磁性金属粉
末の表面を形成する元素の平均存在比率を測定した。
【0044】装 置; 盟和商事PL−850X 処理条件;FORWARD POWER 100W REFLECTED POWER 5W 真空度 10Pa 導入ガス種 Air 放電時間 1min また、請求項2,7に示される強磁性金属粉末全体にお
ける元素の重量比は、波長分散型蛍光X線分析装置(W
DX)を用いて、各元素の蛍光X線強度を測定した後、
ファンダメンタルパラメーター法(以下、FP法と称す
る。)に従い算出して求める。
【0045】蛍光X線の測定には、理学電気社製のWD
Xシステム3080を、以下の条件にて使用する。
【0046】X線管球 ;ロジウム管球 出力 ;50KV,50mA 分光結晶 ;LiF(Fe、Co、Ni、Nd、La、
Y、Sr、Ca、Baに対して)、PET(Alに対し
て)、RX−4(Siに対して)、RX−40(Naに
対して) アブソーバ(Alに対して);1/1(Feのみ1/1
0) スリット ;COARSE フィルター;OUT PHA ;15〜30(Al、Si、Naに対し
て)、10〜30(Fe、Co、Ni、Nd、La、
Y、Sr、Ca、Baに対して) 計数時間;ピーク=40秒、バックグラウンド=40秒
(ピーク前後の2点を測定) 尚、蛍光X線の測定を行うには、前記装置に限定される
ものではなく、種々の装置を使用することが出来る。
【0047】標準試料には、以下の8種類の金属化合物
を使用する。
【0048】標準試料1は、Analytical R
eference Materials intern
ational社製の合金SRM1219(Cを0.1
5重量%、Mnを0.42重量%、Pを0.03重量
%、Siを0.55重量%、Cuを0.16重量%、N
iを2.16重量%、Crを15.64 重量%、Mo
を0.16重量%、Vを0.06重量%を各々含有す
る)である。
【0049】標準試料2は、Analytical R
eference Materials intern
ational社製の合金SRM1250(Niを3
7.78重量%、Crを0.08重量%、Moを0.0
1重量%、Coを16.10重量%、Alを0.99重
量%を各々含有する)である。
【0050】標準試料3は、磁性酸化鉄粉末(Mnを
0.14重量%、Pを0.15重量%、Sを0.19重
量%、Siを0.36重量%、Coを3.19重量%、
Znを1.26重量%、Caを0.07重量%、Naを
0.02重量%を各々含有する)である。
【0051】標準試料4は、強磁性金属粉末(Ndを
2.73重量%、Naを0.001重量%含有する)で
ある。
【0052】標準試料5は強磁性金属粉末(Srを0.
97重量%含有する)である。
【0053】標準試料6は強磁性金属粉末(Baを1.
40重量%,Caを0.40重量%含有する)である。
【0054】標準試料7は強磁性金属粉末(Laを2.
69重量%含有する)である。
【0055】標準試料8は強磁性金属粉末(Yを1.9
8重量%含有する)である。
【0056】前記標準試料1及び2における元素の重量
%は、メーカー供与のデータシートの値であり、前記標
準試料3から8における元素の重量%は、ICP発光分
析装置による分析値である。この値を以下のFP法の計
算における標準試料の元素組成値として入力する。FP
法の計算には、テクノス製のファンダメンタルパラメー
タソフトウェアVersion2.1を用い、次の条件
にて計算する。
【0057】試料モデル ;バルク試料 バランス成分試料;Fe 入力成分 ;測定X線強度(KCPS) 分析単位 ;重量% 算出された各元素の重量比は、Fe原子100重量%に
対する他の元素の重量%として換算し、定量値としたも
のである。
【0058】さらに、強磁性金属粉末の表面における組
成元素の平均存在比率は以下の方法で求められる。
【0059】強磁性金属粉末の表面における組成中のF
e,Co,Ni,Nd,Si,Al,Sr,Ca,B
a,Y,Na,La各元素の平均存在比率については、
XPS表面分析装置を用いてその値を求めた。
【0060】以下にその方法について説明する。
【0061】先ずXPS表面分析装置を以下の条件にセ
ットする。
【0062】X線アノード;Mg 分離能 ;1.5〜1.7eV(分解能は、清浄なA
gの3d5/2ピークの半値巾で規定する。) なお、試料の固定には、いわゆる粘着テープは使用しな
い。XPS表面分析装置の機種としては、特に限定はな
く、種々の装置を使用することができるが、本発明にお
いては、VG社製ESCALAB−200Rを用いた。
【0063】以下の測定範囲でナロースキャンを行い、
各元素のスペクトルを測定した。この時、データの取込
み間隔は0.2eVとし、表2に示す最低カウント数以
上のカウントが得られるまで積算した。
【0064】得られたスペクトルに対して、Cのピーク
位置が284.6eVになるようにエネルギー位置を補
正する。
【0065】次に、VAMASソフト上で、データ処理
を行うために、上記スペクトルを各装置メーカーが提供
するソフトを用いて、VAMASソフトを使用すること
ができるコンピュータに転送する。
【0066】そして、VAMASソフトを用い、転送さ
れたスペクトルをVAMASフォーマットに変換した
後、以下のデータ処理を行う。
【0067】定量処理に入る前に、各元素についてCo
unt Scaleのキャリブレーションを行い、5ポ
イントのスムージング処理を行う。
【0068】定量処理は、次の通りである。
【0069】各元素のピーク位置を中心として下表に示
す定量範囲でピークエリア強度を求める。次に下表に示
す感度係数を使用し、各元素の原子数%を求めた。原子
数%は、Fe原子数100に対する原子数に換算し定量
値とした。
【0070】
【表2】
【0071】他に請求項3,4,5,8,9及び10に
示されるナトリウムイオンの水への溶出を抑制する方法
としては、強磁性金属粉末が水浸したときに強磁性金属
粉末より遊離するアルカリ土類元素の金属イオンやナト
リウムイオン及び塩酸溶液に溶解するナトリウムの量を
制御する方法がある。この強磁性金属粉末より遊離する
アルカリ土類元素の金属イオンやナトリウムイオン及び
塩酸溶液に溶解するナトリウムの量を以下に示す煮沸法
によって求める。
【0072】サンプルを乳鉢で粉砕する 粉砕したサンプルを天秤にて5.00g精秤する それを200mlのテフロンビーカーに入れる 純水100mlをホールピペットで取り、ビーカーに
入れる 温度調節付の電熱器に乗せ、5分間煮沸する 水道水で20℃付近まで冷却する 100mlのメスフラスコに、No.5Cの濾紙でロ
ートを用いて濾過する(使用する濾紙は、予め純水でよ
く洗浄してから使用する) 濾液10mlをホールピペットで取り、測定濃度範囲
(0〜5ppm)になるように希釈する(例;5倍→5
0ml 10倍→100ml 20倍→200ml) 希釈した溶液を原子吸光分析装置で各元素毎に測定す
る この時塩酸溶液添加による抽出法は、前記の時、純水
とともに0.24N−HClを2ml加えるだけで、そ
の他の測定方法は前記操作同様である。
【0073】得られた測定値を、測定値(ppm)×希
釈倍率×100÷5に代入することで量を求めることが
出来る。
【0074】また、強磁性金属粉末に含有される特定の
酸解離定数を有する元素を水浸したときに遊離する金属
イオンの量及び該元素の塩酸溶液への溶解量を制御する
ことによっても本発明が解決しようとする課題が解決さ
れる。すなわち、金属イオンでの酸解離定数が8以上1
4未満の元素の水溶液への溶出量が少なくても、金属イ
オンでの酸解離定数が14以上の元素の水溶液への溶出
量が多いと前記cの反応によりプロトンが生成され、前
記dの反応が促進され金属イオンでの酸解離定数が8以
上14未満の元素が溶出し、アルカリセッケンと反応し
て水に不溶な金属セッケンを生成し、これが突起の発生
原因となる。この時は、前記aの反応を抑制する必要が
ある。
【0075】従って、金属イオンでの酸解離定数が8以
上14未満の元素の量と酸解離定数が14以上の元素の
量を特定量に抑制することによって、塗料の分散性、安
定性が向上し高い電磁変換特性が得られる。
【0076】金属イオンでの酸解離定数が8以上14未
満の元素としては、Tl, Ni2+,Co2+,M
2+,Ba2+,Ca2+,Sr2+, Mg2+
Nd3+,Pr3+,Ce3+,La3+,Y3+が好
ましく、より好ましくはBa 2+,Ca2+,S
2+,Nd3+,La3+,Y3+の元素である。
【0077】また、金属イオンでの酸解離定数が14以
上の元素としては、Na,Li,K,Rb,C
が挙げらる。
【0078】本発明の強磁性金属粉末は、第一鉄塩とア
ルカリを混合した水懸濁液に、酸化性ガスを吹き込むこ
とによって得られるオキシ水酸化鉄を出発原液とする。
このオキシ水酸化鉄の種類としては、α−FeOOHが
好ましく、その製法としては、第一鉄塩を水酸化アルカ
リで中和してFe(OH)2 の水懸濁液とし、この懸濁
液に酸化性ガスを吹き込んで針状のα−FeOOHとす
る第一の製法がある。一方、第一鉄塩を炭酸アルカリで
中和してFeCO3 の水懸濁液とし、この懸濁液に酸化
性ガスを吹き込んで紡錘状のα−FeOOHとする第二
の製法がある。このようなオキシ水酸化鉄は第1鉄塩水
溶液とアルカリ水溶液とを反応させて水酸化第一鉄を含
有する水溶液を得、これを空気酸化等により酸化して得
られたものであることが好ましい。この際、第一鉄塩水
溶液にNi塩や、Ca塩、Ba塩、Sr塩等のアルカリ
土類元素の塩、Cr塩、Zn塩などを共存させてもよ
く、このような塩を適宜選択して用いることによって粒
子形状(軸比)などをコントロールすることができる。
【0079】第一鉄塩としては、塩化第1鉄、硫酸第1
鉄等が好ましい。またアルカリとしてはNaOH、NH
4 OH、(NH42 CO3 、Na2 CO3 等が好まし
い。また、Ni塩としては塩化ニッケル等、Ca塩、B
a塩、Sr塩としては、それぞれ、塩化カルシウム、塩
化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化クロム、塩化亜
鉛等の塩化物が好ましい。
【0080】上記のような含水酸化鉄を出発原料とし、
このスラリーを用いて次の操作を行う。また、本発明に
おいて、Coを導入する場合は前記のように、Alおよ
び/またはSi、希土類元素を導入する前とするが、具
体的には硫酸コバルト、塩化コバルト等のCo化合物を
用い、この水溶液を前記のオキシ水酸化鉄のスラリーに
攪拌混合することによる。
【0081】次に、Alおよび/またはSiを導入する
が、以下のように行う。すなわち、好ましくはCoを含
有するオキシ水酸化鉄のスラリーを調製した後、このス
ラリーにAl化合物および/またはSi化合物を含有す
る水溶液と、希土類元素の化合物を含有する水溶液とを
各々添加し、攪拌混合すればよい。
【0082】Al化合物、Si化合物を含有する水溶液
の濃度は、0.5〜1.5Mとすればよく、いずれか一
方の化合物のみを含有するものであってもよく、両方の
化合物を含有する場合は合計量で上記範囲とすればよ
い。用いるAl化合物としてはアルミン酸ナトリウム、
メタアルミン酸ナトリウム等があり、Si化合物として
はケイ酸ナトリウム等がある。
【0083】本発明において導入するのが好ましい希土
類元素としては、Nd、Sm、Pr、La、Y等が挙げ
られる。
【0084】上記の水溶液を調製するのに用いられる希
土類元素の化合物としては、塩化ネオジウム、塩化サマ
リウム、塩化プラセオジウム、塩化ランタン、塩化イッ
トリウム等の塩化物、硝酸ネオジウム、硝酸ガドリニウ
ム等の硝酸塩などが挙げられる。また2種以上の希土類
元素を併用してもよい。
【0085】本発明においては、上記のようにAlおよ
び/またはSiを含有する水溶液と希土類元素を含有す
る水溶液とを別々に調製して添加することが好ましい
が、場合によってはAlおよび/またはSiと希土類元
素とを含有する水溶液を調製して添加してもよい。
【0086】また、別々に調製して添加する態様におい
ては、両液を同時に添加してもよく、一方の液を添加し
たのち他方の液を添加するものとしてもよい。後者の方
法を採る場合Alおよび/またはSiを含有する水溶液
を先に、希土類元素を含有する水溶液をその後添加する
方が好ましい。
【0087】本発明では、このようにして、アルカリ土
類元素、Alおよび/またはSiと希土類元素、さらに
好ましくは、Coを含有するオキシ水酸化鉄を得る。
【0088】これを十分に水洗して乾燥し、非還元性雰
囲気中で、300〜800℃の温度で熱処理をする。熱
処理温度が300℃以下では、α−FeOOHが脱水し
て生じたα−Fe23 粒子中の空孔が多くなり、その
結果、還元後の強磁性金属粉末の特性が劣ることとな
る。また、熱処理温度が800℃を越える温度では、α
−Fe23 粒子の融解が始まり粒子の形状が変化した
り、あるいは焼結が進行し、その結果得られた強磁性金
属粉末の特性は劣化する。次に、熱処理後の強磁性金属
粉末を水素ガス気流下300〜600℃の温度で還元
し、公知の方法で表面に酸化皮膜を形成させて強磁性金
属粉末を得る。
【0089】また強磁性金属粉末のNa量(請求項1〜
4に示されるようにする量)は、非還元性雰囲気中で熱
処理する前、あるいは熱処理後、あるいは酸化皮膜を形
成後に水洗することによって達成される。
【0090】更に、強磁性金属粉末のみならず下層に含
有される磁性粉末又は非磁性粉末のナトリウムイオンの
溶出量を抑制することで、強磁性金属粉末、下層に含有
される磁性粉末又は非磁性粉末を浸水したときに不溶性
の金属セッケンを生成する元素の水溶液への溶出を防ぐ
ことが出来る。
【0091】本発明においては、脂肪酸の水への溶出を
抑制することによっても突起の発生原因である脂肪酸金
属塩の結晶の発生を抑制することも可能である。従っ
て、脂肪酸のうちの遊離脂肪酸、つまり磁性粉末などに
吸着していない脂肪酸量を抑制することによって解決さ
れ、この時磁性層に配向処理された強磁性金属粉末の表
面を形成する元素のうちのFe原子数に対するナトリウ
ム原子数を一定量に押さえる必要はなく、また強磁性金
属粉末全体における元素の重量比においてもFe原子に
対してナトリウム原子の量を一定量に押さえることなく
脂肪酸金属塩の結晶を抑制することが出来る。
【0092】遊離脂肪酸量は磁気記録媒体に含有される
脂肪酸のうちの8.0mg/m以下が好ましく、より
好ましくは4.0mg/m以下、更に好ましくは1.
0mg/m以下である。遊離脂肪酸の量は、後述の実
施例に記載の測定方法により求められる。
【0093】脂肪酸は磁気記録媒体に含有されれば如何
なるところに存在していても構わないが、下層に炭素原
子数12〜24個の脂肪酸を含有していることが好まし
い。
【0094】請求項1〜4及び6〜9の発明の好ましい
態様としては、非磁性支持体と磁性層との間に少なくと
も1層の下層を設けることである。この下層に含有され
る磁性粉末又は非磁性粉末は水浸したときに磁性粉末又
は非磁性粉末より遊離するナトリウムイオンが130p
pm未満であることが好ましく、更に好ましくは50p
pm以下である。
【0095】本発明の下層に用いられる磁性粉末として
は、特開平4−248177号の段落番号0018,0
019に記載の磁性粉末等を使用することが出来、強磁
性酸化鉄粉末、強磁性金属粉末、六方晶板状粉末等いず
れの磁性粉末を使用してもよい。これらの中でも強磁性
酸化鉄粉末,強磁性金属粉末が好適である。
【0096】また、非磁性粉末としては各種公知の非磁
性粉末を適宜選択して使用することが出来、アゾ系の有
機色素顔料等の有機粉末、カーボンブラック、グラファ
イト、TiO、硫酸バリウム、ZnS、MgCO
CaCO、ZnO、CaO、二硫化タングステン、二
硫化モリブデン、窒化硼素、MgO、SnO、SiO
、Cr、α−Al、α−Fe、α
−FeOOH、SiC、酸化セリウム、コランダム、人
造ダイヤモンド、α−酸化鉄、ざくろ石、ガーネット、
珪石、窒化珪素、炭化珪素、炭化モリブデン、炭化硼
素、炭化タングステン、チタンカーバイド、トリポリ、
珪藻土、ドロマイト等の無機粉末を挙げることが出来
る。これらの中で好ましいのは、カーボンブラック、C
aCO、TiO、硫酸バリウム、α−Al
α−Fe、α−FeOOH、Cr等の無機
粉末である。さらに好ましくは、カーボンブラック、T
iO、α−Feであり、α−Feが最も
好ましい。TiOを用いる場合はカーボンブラックと
の併用が好ましい。
【0097】また、この磁性粉末又は非磁性粉末はいか
なる形状のものを用いても良いが、針状であることが好
ましい。本発明においては、粉末の形状が針状のものを
用いると、下層の表面の平滑性を向上させることが出
来、その上に積層される磁性層の表面の平滑性も向上さ
せることが出来る。その平均長軸径が0.3μm未満で
あり、好ましくは0.20μm未満であり、平均短軸径
は0.05μm未満であり、好ましくは0.03μm未
満である。非磁性粉末の軸比としては、通常2〜15で
あり、好ましくは3〜10である。ここでいう軸比と
は、平均短軸径に対する平均長軸径の比(平均長軸径/
平均短軸径)のことをいう。このとき用いる針状粉末と
してはCo被着γ−Fe、α−Fe、Ti
が好ましく、針状のα−Feが特に好まし
い。
【0098】また、非磁性粉末の比表面積としては、通
常10〜250m/gであり、好ましくは20〜15
0m/gである。ここで非磁性粉末の比表面積はBE
T法と称される比表面積の測定方法によって測定された
表面積を単位グラム当たりの平方メートルで表したもの
である。この比表面積並びにその測定方法については、
「粉体の測定」(J.M.Dallavelle,Cl
yeorrJr. 共著、牟田その他訳; 産業図書社
刊)に詳述されており、また「化学便覧」応用編117
0頁〜1171頁(日本化学会編;丸善(株)昭和41
年4月30日発行)にも記載されている。
【0099】比表面積の測定は、例えば粉末を105℃
前後で13分間加熱処理しながら、脱気して粉末に吸着
されているものを除去し、その後この粉末を測定装置に
導入して窒素の初期圧力を0.5kg/mに設定し、
窒素により液体窒素温度(−105℃)で10分間測定
を行う。測定装置としては例えばカウンターソープ(湯
浅アイオニクス社製)を使用する。
【0100】また、非磁性粉末がSi化合物及び/又は
Al化合物により表面処理されていることが好ましい。
かかる表面処理のなされた非磁性粉末を用いると磁性層
である上層の表面状態を良好にすることが出来る。前記
Si及び/又はAlの含有量としては、非磁性粉末に対
してSi、Alとも0.1〜10重量%であることが好
ましい。更に、磁性層表面にはオーバーコート層を設け
てもよい。
【0101】本発明は、前記した反応を種々の方法で抑
制することによって、高温高湿下に長期に渡って保存し
ても保存以前に得られるものと同じ高い電磁変換特性を
有する磁気記録媒体を得ることが出来るものである。
【0102】本発明において、非磁性支持体の形態は特
に制限はなく、主にテープ状、フィルム状、シート状、
カード状、ディスク状、ドラム状などの形態を取り得、
非磁性支持体の厚みも用途に応じて適宜に最適なものが
選択される。また、非磁性支持体は、たとえばコロナ放
電処理等の表面処理を施されたものであってもよい。
【0103】更に、非磁性支持体の磁性層が設けられて
いない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の向上、
帯電防止及び転写防止などを目的として、バックコート
層を設けることが好ましく、磁性層と非磁性支持体との
間に下引き層を設けることも出来る。
【0104】磁性層または下層は、前記した特定の強磁
性金属粉末、磁性粉末又は非磁性粉末を含有するほかは
特に制限はなく、種々の方法を用いて形成することが可
能である。
【0105】磁性層又は下層はバインダー及びその他の
成分を含有してもよい。
【0106】磁性層又は下層に用いるバインダーとして
は、例えばポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系
共重合体等の塩化ビニル系樹脂等が代表的なものであ
り、これらの樹脂は−SOM、−OSOM、−CO
OM及び−PO(OMスルホベタイン基から選ば
れた少なくとも一種の極性基を有する繰り返し単位を含
むことが好ましい。
【0107】但し、前記極性基においてMは水素原子又
はNa、K、Li等のアルカリ金属を表し、またM
水素原子、Na、K、Li等のアルカリ金属又はアルキ
ル基を表す。
【0108】本発明においては、バインダーとして前記
樹脂を全バインダーの20〜80重量%の使用量で併用
することができる。
【0109】本発明においては、磁性層又は下層の品質
の向上を図るために、研磨剤、潤滑剤、硬化剤、分散
剤、帯電防止剤及び導電性微粉末等の添加剤をその他の
成分として含有させることが出来る。
【0110】研磨剤としては、例えば特開平4−214
218号の段落番号0105に記載の公知の物質を使用
することが出来る。この研磨剤の平均粒子径は、通常
0.05〜0.6μmであり、好ましくは0.05〜
0.5μmであり、特に好ましくは0.05〜0.3μ
mである。この研磨剤の磁性層又は下層における含有量
としては、通常3〜20重量部であり、好ましくは5〜
15重量部である。
【0111】潤滑剤としては、脂肪酸及び/又は脂肪酸
エステルを使用することが出来る。この場合、脂肪酸の
添加量は磁性粉末又は非磁性粉末に対して0.2〜10
重量%が好ましく、特に好ましくは0.5〜5重量%で
ある。脂肪酸と脂肪酸エステルとを併用して潤滑効果を
より高めたい場合には、脂肪酸と脂肪酸エステルは重量
比で10:90〜90:10が好ましい。脂肪酸として
は一塩基酸であっても二塩基酸であってもよく、炭素原
子数は6〜30個が好ましく、より好ましくは12〜2
4個である。
【0112】脂肪酸の具体例としては、特開平4−21
4218号の段落番号0102に記載の脂肪酸が、脂肪
酸エステルの具体例としては、同公報の段落番号010
3に記載の脂肪酸エステルが挙げられる。
【0113】また、前記脂肪酸、脂肪酸エステル以外の
潤滑剤としてそれ自体公知の物質を使用することが出
来、例えばシリコーンオイル、フッ化カーボン、脂肪酸
アミド、α−オレフィンオキサイド等を使用することが
出来る。
【0114】分散剤としては、同公報の段落番号009
3に記載の化合物を挙げることが出来る。これらの分散
剤は、通常、磁性粉末又は非磁性粉末に対して0.5〜
5重量%の範囲で用いられる。
【0115】帯電防止剤としては、同公報の段落番号0
107に記載の界面活性剤を挙げることが出来る。この
帯電防止剤は、通常バインダーに対して0.01〜40
重量%の範囲で添加される。更に本発明においては、帯
電防止剤として導電性微粉末を好ましく用いることが出
来る。前記帯電防止剤としては、カーボンブラック、グ
ラファイト、酸化錫、銀粉、酸化銀、硝酸銀、銀の有機
化合物、銅粉等の金属粒子等、酸化亜鉛、硫酸バリウ
ム、酸化チタン等の金属酸化物等の顔料を酸化錫皮膜又
はアンチモン固溶酸化錫皮膜等の導電性物質でコーティ
ング処理したもの等を挙げることができる。
【0116】前記導電性微粉末の平均粒子径としては、
5〜700nmであり、より好ましくは5〜200nm
である。この導電性微粉末の含有量としては、磁性粉末
又は非磁性粉末100重量部に対して、1〜20重量部
であり、好ましくは2〜7重量部である。
【0117】本発明にかかる磁気記録媒体は、磁性層の
塗設を下層が湿潤状態にあるときに行う所謂ウェット−
オン−ウェット塗布方式で塗設することが好ましい。こ
のウェット−オン−ウェット塗布方式は公知の重層構造
の磁気記録媒体の製造に使用される方法を適宜に採用す
ることが出来る。
【0118】例えば、一般的には磁性粉末、バインダ
ー、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等と溶媒とを
混練して高濃度磁性塗料を調整し、次いでこの高濃度磁
性塗料を希釈して磁性塗料を調整したあと、この磁性塗
料を非磁性支持体の表面に塗布する。前記溶媒として
は、例えば特開平4−21418号の段落番号0119
に記載の溶媒を用いることが出来る。これらの各種溶媒
は単独で使用することも出来るし、またそれらの二種以
上を併用することも出来る。
【0119】磁性層形成成分の混練にあたっては、各種
の混練分散機を使用することが出来る。この混練分散機
としては同公報の段落番号0112に記載のものを挙げ
ることが出来る。
【0120】混練分散機のうち、0.05〜0.5KW
(磁性粉末1kgあたり)の消費電力負荷を提供するこ
との出来る混練分散機は、加圧ニーダー、オープンニー
ダー、連続ニーダー、二本ロールミル、三本ロールミル
である。
【0121】また、塗料の塗布にあたっては、ウェット
−オン−ウェット塗布方式では、リバースロールと押し
出しコーターとの組み合わせ、グラビアロールと押し出
しコーターとの組み合わせ等も使用することが出来る。
更にはエアドクターコーター、ブレードコーター、エア
ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、ト
ランスファロールコーター、キスコーター、キャストコ
ーター、スプレイコーター等を組み合わせることが出来
る。
【0122】ウェット−オン−ウェット塗布方式におけ
る重層塗布においては、下層が湿潤状態のままで上層を
塗布を行うので、下層の表面(即ち、上層との境界面)
が滑らかになるとともに上層の表面性が良好になり、か
つ上下層間の接着性も向上する。
【0123】この結果、特に高密度磁気記録媒体に要求
される性能を満たしたものとなる。また膜強度が向上
し、耐久性も十分となり、ウェット−オン−ウェット塗
布方式により、ドロップアウトも低減することができ、
信頼性も向上する。
【0124】次にカレンダリングにより表面平滑化処理
を行ってもよい。その後は、必要に応じてバーニッシュ
処理又はブレード処理を行ってスリッティングされる。
【0125】表面平滑処理においては、カレンダ条件と
して温度、線圧力、処理スピード(C/S)等を挙げる
ことができ、本発明においては前記温度を50〜140
℃、前記線圧力を50〜1200kg/cm、前記C/
Sを20〜600m/分に保持することが好ましい。こ
れらの範囲を外れると、磁気記録媒体の表面性を良好な
状態に保つことが困難になる。
【0126】
【実施例】以下の実施例によって本発明の構成、効果を
具体的に説明するが、以下に示す成分、割合、操作順序
は本発明の範囲に逸脱しない範囲において種々変更可能
であり、以下の実施例に限定されるものではないことは
言うまでもない。尚、以下の実施例において、「部」は
すべて重量部である。又。各表における***、***
*は、含有していない、又は検出限界以下の意である。
【0127】下記組成を有する最上層用磁性塗料及び下
層用塗料の各成分を、それぞれニーダー及びサンドミル
を用いて混練分散して上層用磁性塗料及び下層用塗料を
調製した。 {上層用磁性塗料} 強磁性金属粉末(長軸径:0.12μm、Hc(保磁力):1900 Oe、 BET:55m/g、σs(飽和磁化):125emu/g、結晶子サイズ: 150Å、針状比:8、pH:9.0) 100部 (組成を表3,4,6,7,9,11,13及び15に示す) スルホン酸カリウム基含有塩化ビニル系樹脂 10部 (日本ゼオン(株)製 MR−110) スルホン酸ナトリウム基含有ポリウレタン樹脂 10部 (東洋紡績(株)製、UR−8700) α−アルミナ(平均粒径0.15μm) 8部 脂肪酸 1部 (表に指定がある以外はステアリン酸) ブチルステアレート 1部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 {下層用塗料A} Co−γ−Fe(表3,5,6,7,8,9,12,13,15及び1 7に示す) 100部 [(長軸径:0.20μm、Hc(保磁力):700 Oe、BET値:45 m/g、σs(飽和磁化):75emu/g、結晶子サイズ:250Å、pH :8.5、針状比:10、)Si、Al化合物で表面処理、Si含有量0.1重 量%、Al含有量0.3重量%、水溶性Na量、塩酸溶解性Naを示す] スルホン酸カリウム基含有塩化ビニル系樹脂 12部 (日本ゼオン(株)製 MR−110) スルホン酸ナトリウム基含有ポリウレタン樹脂 8部 (東洋紡績(株)製、UR−8700) α−アルミナ(平均粒径0.2μm) 5部 カーボンブラック(DBP吸油量:85ml/100g、pH:8.2、BE T値:260m/g、揮発分:1.2%、着色力:140%)(15nm) 10部 脂肪酸 1部 (炭素原子数を表3,5,6,7,8,9,12,13,15及び17に示す ) ブチルステアレート 1部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 得られた上層用磁性塗料及び下層用塗料Aのそれぞれ
に、ポリイソシアネート化合物(コロネートL、日本ポ
リウレタン工業(株)製)5部を添加した。 {下層用塗料B}下層用塗料Bは、下層用塗料Aにおけ
るCo−γ−Feに代えて針状α−Fe
[長軸径:0.13μm、軸比:7、BET値:55
/g、pH:7.5、結晶子サイズ:200Å、S
i、Al化合物で表面処理(Si:0.1wt%、A
l:0.3wt%)]を用いた以外は下層用塗料Aと同
様にして得た。 {下層用塗料C}下層用塗料AにおけるCo−γ−Fe
に代えて球状α−Fe[平均粒径:35n
m、BET:40m/g、pH:6.5、Si、Al
化合物で表面処理(Si:0.1wt%、Al:0.3
wt%)]を用いた以外は下層用塗料Aと同様にして得
た。 (実施例1−1〜10−5及び比較例5−1〜10−
4)各表に示した、強磁性金属粉末を含有する前述の上
層用磁性塗料及び下層用塗料を用いて、ウェット−オン
−ウェット方式で厚さ10μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上に塗布した後、塗膜が未乾燥であるう
ちに磁場配向処理を行ない、続いて乾燥を施してから、
カレンダーで表面平滑化処理を行ない、各表に示された
厚さを有する下層及び上層からなる磁性層を形成した。
【0128】更に、この磁性層とは反対側の前記ポリエ
チレンテレフタレートフィルムの面(裏面)に下記の組
成を有する塗料を塗布し、この塗膜が乾燥後、上述した
カレンダー条件にしたがってカレンダー加工をすること
によって、厚さ0.8μmのバックコート層を形成し、
広幅の原反磁気テープを得た。
【0129】 カーボンブラック(ラベン1035コロンビアカーボン社製)(平均粒径2 5nm) 40部 硫酸バリウム(平均粒子径300nm) 10部 ニトロセルロース 25部 ポリウレタン系樹脂 25部 (日本ポリウレタン(株)製、N−2301) ポリイソシアネート化合物 10部 (日本ポリウレタン(株)製、コロネートL) シクロヘキサノン 400部 メチルエチルケトン 250部 トルエン 250部 こうして得られた原反磁気テープをスリットして、8m
m幅のビデオ用磁気記録媒体を作成した。この磁気記録
媒体につき、以下の評価を行った。その結果を表3,5
〜8,10,12,14,16及び17に示した。 《評価》 〈磁性塗膜に存在する強磁性金属粉末の表面組成〉;本
文中の記載方法で測定した。 〈強磁性金属粉末の全体組成〉;本文中の記載方法で測
定した。 〈強磁性金属粉末の表面組成〉;本文中の記載方法で測
定した。 〈水浸した際、強磁性粉末より遊離する金属イオンの
量〉;本文中の記載方法で測定した。 〈塩酸溶液に浸した際、強磁性粉末より遊離するナトリ
ウムの量〉;本文中の記載方法で測定した。 〈遊離脂肪酸の測定方法〉 a.253cmの試料にシクロヘキサン50mlを加
え、これを1時間還流煮沸した後、室温に戻し、試料を
少量のシクロヘキサンで洗浄してから抽出液(還流後の
液)を合わせた。 b.この抽出液に濃度40ppmに調整したパルミチン
酸メチル/シクロヘキサン溶液を5ml加える。 c.ロータリーエバポレーターを用いてこの溶液からシ
クロヘキサンを蒸発させる。 d.濃縮された抽出物に新たにシクロヘキサン0.2m
lを加え、そのうち1μlをガスクロマトグラフィーに
かける。 e.パルミチン酸メチル及び脂肪酸の濃度とピーク面積
との関係から予め作成しておいた検量線から抽出された
脂肪酸の量を求める。この値を単位面積1m当たりに
換算する。 *ガスクロマトグラフィーは横河電気(株)製「HP5
890A」、カラムはヒューレッドパッカード社製「ウ
ルトラ1」を使用した。 〈再生出力〉ソニー社製8ミリビデオカメラCCDV−
900により、7MHz及び9MHzでのRF出力(d
B)を測定した。 *保存前と、50℃/80%RH120時間保存(カセ
ットの状態)後の両方のサンプルを測定した。
【0130】〈ヘッドクロッグ〉 ソニー社製8ミリビデオデッキEVO−550を使用
し、全長録画したテープを表に示した環境下で走行させ
たうちのヘッドクロッグ(ヘッド目詰まり)を起こした
回数を測定した。*保存前と、50℃/80%RH12
0時間保存(カセットの状態)後の両方のサンプルを測
定した。
【0131】〈ドロップアウト〉 サンプルを保存する前後に測定する。ソニー社製8mm
ビデオデッキEVS−900を使用し、Hi8モードで
測定した。入力信号としてはモノクロ信号の階段波を録
画し、シバソク社製ドロップアウトカウンターVH01
BZを使用して5μs/−8dB以上出力の低下した回
数の単位時間1分当たりの平均値を求めた。 *保存前と50℃/80%RH120時間保存(カセッ
トの状態で)後の両方のサンプルを測定した。
【0132】
【表3】
【0133】
【表4】
【0134】
【表5】
【0135】
【表6】
【0136】
【表7】
【0137】
【表8】
【0138】
【表9】
【0139】
【表10】
【0140】
【表11】
【0141】
【表12】
【0142】
【表13】
【0143】
【表14】
【0144】
【表15】
【0145】
【表16】
【0146】
【表17】
【0147】次に、本発明の別なる実施例(酸化チタン
を用いた例)について説明する。
【0148】下記組成を有する最上層用磁性塗料及び下
層用塗料の各成分を、それぞれニーダー及びサンドミル
を用いて混練分散して上層用磁性塗料及び下層用塗料を
調製した。
【0149】{上層用磁性塗料}実施例1−1〜10−
5と同じ。但し、強磁性金属粉末の組成を表18、1
9、21、22、24、26、27及び28に示す。
【0150】{下層用塗料C}前記下層用塗料Aにおけ
るCo−γ−Feに代えて球状α−Fe
[平均粒径:35nm、BET値:40m2 /g、p
H:6.5、Si、Al化合物で表面処理(Si:0.
1wt%、Al:0.3wt%)]を用いた以外は下層
用塗料Aと同様にして得た。
【0151】{下層用塗料D}前記下層用塗料Aにおけ
るCo−γ−Feに代えて球状TiOを用いた
以外は下層用塗料Aと同様にして得た。球状TiO
[平均粒径:32nm、BET値:40m/g、p
H:7.5、結晶系:ルチル、Si、Al化合物で表面
処理(Si:0.1wt%、Al:0.3wt%)]
【0152】{下層用塗料E}前記下層用塗料Aにおけ
るCo−γ−Feに代えて針状TiOを用いた
以外は下層用塗料Aと同様にして得た。針状TiO
[長軸径:0.12μm、軸比:6、BET:40m
/g、pH:7.0、結晶子サイズ:220Å、S
i、Al化合物で表面処理(Si:0.1wt%、A
l:0.4wt%)]
【0153】(実施例1−12〜10−8)各表に示し
た、強磁性金属粉末を含有する前述の上層用磁性塗料及
び下層用塗料を用いて、ウェット−オン−ウェット方式
で厚さ10μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
上に塗布した後、塗膜が未乾燥であるうちに磁場配向処
理を行ない、続いて乾燥を施してから、カレンダーで表
面平滑化処理を行ない、各表に示された厚さを有する下
層及び上層からなる磁性層を形成した。
【0154】更に、この磁性層とは反対側の前記ポリエ
チレンテレフタレートフィルムの面(裏面)に上記の組
成を有する塗料を塗布し、この塗膜が乾燥後、上述した
カレンダー条件にしたがってカレンダー加工をすること
によって、厚さ0.8μmのバックコート層を形成し、
広幅の原反磁気テープを得た。
【0155】以下、実施例1−1〜10−5と同じくス
リットし、評価した。その結果を次に示す。
【0156】
【表18】
【0157】
【表19】
【0158】
【表20】
【0159】
【表21】
【0160】
【表22】
【0161】
【表23】
【0162】
【表24】
【0163】
【表25】
【0164】
【表26】
【0165】
【表27】
【0166】
【表28】
【0167】
【表29】
【0168】
【表30】
【0169】
【表31】
【0170】
【表32】
【0171】上記の表の結果から明らかな如く、本発明
が極めて優れていることがわかる。
【0172】
【発明の効果】本発明による磁気記録媒体は、高温高湿
下に長期に渡り保存してもドロップアウトの増加、再生
出力の低下、ヘッドの目詰まり等を発生せずに、保存以
前に得られる高い電磁変換特性を維持することが出来
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 彰 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 関 昭彦 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−80424(JP,A) 特開 平5−54371(JP,A) 特開 平4−267503(JP,A) 特開 昭64−78423(JP,A) 特開 昭62−244106(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/62 - 5/82

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に少なくとも強磁性金属粉
    末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する磁気
    記録媒体において、前記磁性層に配向処理された前記強
    磁性金属粉末の表面を形成する元素の平均存在比率が、
    Fe原子数100に対してNa原子数1未満、アルカリ
    土類元素の原子数40以下、希土類元素の原子数1〜5
    0であり、前記脂肪酸の炭素原子数が12〜24個であ
    ることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】非磁性支持体上に少なくとも強磁性金属粉
    末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する磁気
    記録媒体において、前記強磁性金属粉末全体における元
    素の重量比が、Fe原子100重量部に対してAl原子
    2〜10重量部、希土類元素の原子1〜8重量部、アル
    カリ土類元素の原子0.1〜5重量部、Na原子0.0
    1重量部未満であり、かつ前記強磁性金属粉末の表面を
    形成する元素の平均存在比率が、Fe原子数100に対
    してAl原子数70〜300、希土類元素の原子数0.
    5〜60、アルカリ土類元素の原子数40以下、Na原
    子数4未満であり、かつ前記脂肪酸の炭素原子数が12
    〜24個であることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】非磁性支持体上に少なくとも強磁性金属粉
    末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する磁気
    記録媒体において、前記強磁性金属粉末は水浸したとき
    に、該強磁性金属粉末より遊離するアルカリ土類元素の
    金属イオンが30ppm未満、ナトリウムイオンが20
    0ppm未満、かつ塩酸溶液に溶解するナトリウムが3
    00ppm未満であって、前記脂肪酸の炭素原子数が1
    2〜24個であることを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】非磁性支持体上に少なくとも強磁性金属粉
    末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する磁気
    記録媒体において、前記強磁性金属粉末は、水浸したと
    きに遊離する金属イオンが90ppm以下である遊離状
    態での酸解離定数が8以上14未満の元素、及び水浸し
    たときに遊離する金属イオンが200ppm未満であ
    り、かつ塩酸溶液への溶解量が300ppm未満である
    遊離状態での酸解離定数が14以上の元素を含有し、前
    記脂肪酸の炭素原子数が12〜24個であることを特徴
    とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】非磁性支持体上に強磁性金属粉末を含有す
    る上層と磁性粉末又は非磁性粉末を含有する下層とを設
    けてなる磁気記録媒体において、前記磁性粉末又は非磁
    性粉末は水浸したときに、該磁性粉末又は非磁性粉末よ
    り遊離するナトリウムイオンが100ppm未満、かつ
    塩酸溶液に溶解するナトリウムが130ppm未満であ
    って、前記上層と前記下層の少なくとも一方に炭素原子
    数12〜24個の脂肪酸を含有することを特徴とする磁
    気記録媒体。
  6. 【請求項6】非磁性支持体上に少なくとも強磁性金属粉
    末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する磁気
    記録媒体において、前記磁性層に配向処理された前記強
    磁性金属粉末の表面を形成する元素の平均存在比率が、
    Fe原子数100に対してNa原子数1以上、アルカリ
    土類元素の原子数40以下、希土類元素の原子数1〜5
    0であり、前記脂肪酸の炭素原子数が12〜24個であ
    り、かつ該脂肪酸のうちの遊離脂肪酸量が8.0mg/
    2以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】非磁性支持体上に少なくとも強磁性金属粉
    末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する磁気
    記録媒体において、前記強磁性金属粉末全体における元
    素の重量比が、Fe原子100重量部に対してAl原子
    2〜10重量部、希土類元素の原子1〜8重量部、アル
    カリ土類元素の原子0.1〜5重量部、Na原子0.1
    重量部未満であり、かつ前記強磁性金属粉末の表面を形
    成する元素の平均存在比率が、Fe原子数100に対し
    てAl原子数70〜300、希土類元素の原子数0.5
    〜60、アルカリ土類元素の原子数1〜40、Na原子
    数4以上であり、前記脂肪酸の炭素原子数が12〜24
    個であり、かつ該脂肪酸のうちの遊離脂肪酸量が8.0
    mg/m2以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】非磁性支持体上に少なくとも強磁性金属粉
    末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する磁気
    記録媒体において、前記強磁性金属粉末は水浸したとき
    に該強磁性金属粉末より遊離するアルカリ土類元素の金
    属イオンが30ppm以下、ナトリウムイオンが200
    ppm以上、及び塩酸溶液に溶解するナトリウムが30
    0ppm以上であって、前記脂肪酸の炭素原子数が12
    〜24個であり、かつ該脂肪酸のうちの遊離脂肪酸量が
    8.0mg/m2以下であることを特徴とする磁気記録
    媒体。
  9. 【請求項9】非磁性支持体上に少なくとも強磁性金属粉
    末を含有する磁性層を有し、かつ脂肪酸を含有する磁気
    記録媒体において、前記強磁性金属粉末は、水浸したと
    きに遊離する金属イオンが90ppm以下である遊離状
    態での酸解離定数が8以上14未満の元素及び水浸した
    ときに遊離する金属イオンが200ppm未満であり、
    又は塩酸溶液への溶解量が300ppm以上である遊離
    状態での酸解離定数が14以上の元素を含有し、前記脂
    肪酸の炭素原子数が12〜24個であり、かつ該脂肪酸
    のうちの遊離脂肪酸量が8.0mg/m2以下であるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】非磁性支持体上に強磁性金属粉末を含有
    する上層と磁性粉末又は非磁性粉末を含有する下層とを
    設けてなる磁気記録媒体において、前記磁性粉末又は非
    磁性粉末は水浸したときに、該磁性粉末又は非磁性粉末
    より遊離するナトリウムイオンが100ppm以上、及
    び塩酸溶液に溶解するナトリウムイオンが130ppm
    以上であって、前記上層と前記下層の少なくとも一方に
    炭素原子数12〜24個の脂肪酸を含有し、かつ該脂肪
    酸のうちの遊離脂肪酸量が8.0mg/m2以下である
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
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